圧力センサ及び流量検出装置
【課題】液体の圧力を空気の圧力に変換して検出する構成を有効に活用することにより、液体の温度が高くても、当該液体の温度の影響を受けることなく、この液体の圧力を正しく検出するようにした圧力センサ及びこの圧力センサを利用した流量検出装置を提供する。
【解決手段】液圧室L1及び空圧室R1が、両ダイヤフラム22、24を介し互いに対向するように基台H1内に形成されている。ここで、液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム22に作用し、空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム24に作用する。圧電変換ユニット50が基台H1上に設けられて、上記液圧の変動に伴う両ダイヤフラム22、24の変位に応じて変動する上記空圧を薬液の液圧として検出する。
【解決手段】液圧室L1及び空圧室R1が、両ダイヤフラム22、24を介し互いに対向するように基台H1内に形成されている。ここで、液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム22に作用し、空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム24に作用する。圧電変換ユニット50が基台H1上に設けられて、上記液圧の変動に伴う両ダイヤフラム22、24の変位に応じて変動する上記空圧を薬液の液圧として検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置或いは薬剤製造装置その他各種の装置において利用される高温の液体の圧力を検出する圧力センサ及びこの圧力センサの少なくとも一部を利用した流量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧力センサとしては、下記特許文献1に記載の非汚染性本体を有する圧力センサモジュールが提案されている。この圧力センサモジュールは、ハウジングを有しており、このハウジング内に形成したキャビティは、流体流動回路に接続してなる導管内にその開口部から連通している。
【0003】
また、筒状スペーサが、その環状フランジにて、導管の開口部に対向するようにキャビティ内に設けられており、当該筒状スペーサの環状フランジと導管の開口部との間には、円盤膜が、その裏面にて導管の開口部内に対向するように、キャビティ内において、Oリングと共に挟持されている。
【0004】
また、圧力センサが、その裏面にて、上記円盤膜にその表面側から接触するように、上記筒状スペーサの環状フランジ内に設けられている。
【0005】
このように構成した当該圧力センサモジュールにおいては、液体が流体流動回路から導管内に流入すると、この液体は導管内を通り流出する。ここで、上述のごとく、円盤膜がその裏面にて導管の開口部内に対向しているため、液体は、導管の開口部内にて円盤膜の裏面に接触或いは接近しながら流出する。
【0006】
これにより、円盤膜が、導管の開口部内の液体の圧力の変動に応じて撓むことにより変位することで、圧力センサは当該円盤膜の変位に基づき液体の圧力を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3323513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のように構成した圧力センサモジュールにおいては、圧力センサがその裏面にて円盤膜にその表面から接触或いは接近して位置する。しかも、円盤膜は、その裏面にて、導管の開口部で液体と接触して位置する。
【0009】
このため、圧力センサは、その裏面にて、導管の開口部内の液体に対し接近して位置することとなる。従って、液体の温度が、圧力センサの耐熱温度よりも高い温度である場合には、圧力センサが、液体の高い温度の影響を受けて、異常となり、液体の圧力を正しく検出することができないという不具合が生ずる。
【0010】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、液体の圧力を空気の圧力に変換して検出する構成を有効に活用することにより、液体の温度が高くても、当該液体の温度の影響を受けることなく、この液体の圧力を正しく検出するようにした圧力センサ及びこの圧力センサを利用した流量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る圧力センサは、請求項1の記載によれば、
センサ本体(B4)と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段(50A)と、空気流量絞り手段(800a)とを備える。
【0012】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(710)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(700)を構成する他側ハウジング部材(720)と、ハウジングの内部を空圧室(R1)及び液圧室(L1)に区画するようにハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段(730)とを具備しており、
一側ハウジング部材は、液体供給源から液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(710b、713a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(710c、713b)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(723)を形成するとともに、ダイヤフラム手段の中央部に対向して空圧室内に開口する開口部を有し、空圧室内に流入した空気を上記開口部から導入して外部に排出するように排出側空気通路(724)を形成してなり、
空気流量絞り手段は、空気供給源からの空気を、その流量を絞って、液圧検出手段に供給するように、空気供給源と液圧検出手段との間に介装されており、
液圧検出手段は、その受圧部を通して、空気流量絞り手段からの空気を他側ハウジング部材の上記流入側空気通路に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、排出側空気通路の上記開口部に対する開度を調整するようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による排出側空気通路の上記開口部に対する調整開度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて液体の液圧として検出する。
【0013】
これによれば、液圧室及び空圧室が、上述のごとく、ダイヤフラム手段を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧がダイヤフラム手段に対し互いに向き合うように作用する。
【0014】
そして、このような液圧及び空圧の作用のもとに、ダイヤフラム手段の流出側空気通路の開口部に対する開度が、上述のように向き合う液圧及び空圧の間の差に応じたダイヤフラム手段の変位に伴い、調整されて、空圧を、液圧に対応するように調整する。従って、このように調整された空圧を液圧検出手段により検出することで、液圧を精度よく検出することができる。
【0015】
また、上述のごとく、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジングから離れた位置にて設けられている。これにより、液圧検出手段が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室内の液体の温度が異常な高温に上昇することがあっても、液体の高温が液圧検出手段に影響を与えることがない。その結果、液圧検出手段は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得る。
【0016】
ここで、上述のように、液圧検出手段が、ハウジングから離れた位置にて設けられているから、液圧検出手段及びセンサ本体の分離した配置構成を、配置箇所に応じて自由に選択することができる。
【0017】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の圧力センサにおいて、
センサ本体から離れて位置するように液圧検出手段とセンサ本体との間に介装されて空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段(800)を具備しており、
当該常閉型開閉弁手段は、その開弁により、液圧検出手段の上記受圧部からの空気を他側ハウジング部材の上記流入側空気通路に流入させるようにしたことを特徴とする。
【0018】
これにより、上述したような液圧の検出が、開閉弁手段の開弁のもとになされる。そして、このような液圧の検出状態において、開閉弁手段が閉弁すると、液圧検出手段がセンサ本体から遮断される。従って、液圧室内の液体が腐食性ガスを発生しても、この腐食性ガスが、ハウジングの内部を通り液圧検出手段に到達することはない。その結果、液圧検出手段が、液体の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。
【0019】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項3の記載によれば、センサ本体(B)と、液圧検出手段(50)と、空気流量絞り手段(41d)とを備える。
【0020】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(H1)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(H)を構成する他側ハウジング部材(H2)と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室(R1)及び液圧室(L1)を形成する可撓性ダイヤフラム手段(22、24、26)とを備えており、
液圧検出手段は、その受圧部にて他側ハウジング部材の上記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
一側ハウジング部材は、液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(20b、23a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(23b、20c)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を上記外壁に沿い流入してから空圧室内に流入させるように流入側空気通路(41、33)を形成するとともに、ダイヤフラム手段の中央部に対向して空圧室内に開口する開口部(32a)を有して、空圧室内に流入した空気を上記開口部から外部に排出するように排出側空気通路(34)を形成してなり、
空気流量絞り手段は、上記流入側空気通路のうち上記外壁の前記一部位に対する対応部位から上記外壁の一部位にかけて液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部(42)の上流側にて上記流入側空気通路に介装されており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、上記空気排出通路の上記開口部に対する開度を調整するようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記空気排出通路の上記開口部に対する調整開度に応じて変動する空圧室内の空圧を、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、上記流入側空気通路及び上記中空部を通し上記受圧部により受けて、空圧を液体の液圧として検出する。
【0021】
このように、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジング上に支持されている。
【0022】
このため、圧力センサの構成をコンパクトにしつつ、液圧検出手段を、液圧室内の液体からは空間的に離れて位置させることができる。その結果、液圧検出手段が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室内の液体の温度が異常な高温に上昇することがあっても、液体の高温が液圧検出手段に影響を与えることなく、当該液圧検出手段の本来の検出機能を良好に維持することができ、かつ、コンパクトに構成した圧力センサの提供が可能となる。
【0023】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の圧力センサにおいて、
他側ハウジング部材の上記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段(60a、60b)を備えて、
他側ハウジング部材は、上記流入側空気通路のうち上記対応部位の下流側通路部位内に連通するように上記外壁の上記他の部位から上記下流側通路部位内にかけて凹部(46)を形成してなり、
開閉弁手段は、上記外壁の上記他の部位から上記凹部内に変位可能に延出する弁体部(66)を具備して、上記流入側空気通路のうち上記凹部の上流側通路部位からの空気に応じて、上記弁体部により、上記凹部内にて下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする。
【0024】
このような構成によっても、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0025】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項5の記載によれば、センサ本体(B5)と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段(50A)と、空気流量絞り手段(800a)とを備える。
【0026】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(910)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(900)を構成する他側ハウジング部材(920)と、ハウジングの内部を空圧室(R1)及び液圧室(L1)に区画するようにハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段(930)とを具備しており、
一側ハウジング部材は、液体供給源から液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(910b、913a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(910c、913b)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(923)を形成するとともに、空圧室内に流入した空気を外部に排出するように排出側空気通路(924)を形成し、かつ、ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路部内に弁機構手段(30a)を介装してなり、
液圧検出手段は、その受圧部を通して、センサ本体の上記排出側空気通路から排出される空気を流出させるようになっており、
空気流量絞り手段は、液圧検出手段の受圧部から流出する空気を絞って排出するように前記液圧検出手段の下流側に設けられており、
弁機構手段は、
他側ハウジング部材内にてダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、上記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部(37c)と、この大径孔部から同軸的に空圧室に向けて延出されて上記大径孔部を空圧室内に連通させる小径孔部(37a)とを設けてなる段付き孔部(37)と、
上記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて上記小径孔部を通りダイヤフラム手段の上記中央部に向けて延出するロッド部(39b)及び上記大径孔部と上記小径孔部との環状境界段部に着座可能に上記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部(39c)と有するロッド(39)と、
上記大径孔部内にて上記鍔部を上記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリング(39a)とを備えて、
ロッドが上記鍔部にて上記環状境界段部から解離するように軸動したとき、上記流入側空気通路の上記上流側通路部内に流入する空気を、上記段付き孔部の上記大径孔部及び上記小径孔部を通して空圧室内に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、ロッドを上記鍔部にて上記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記鍔部の上記環状境界段部に対する解離度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出する。
【0027】
このように本発明を構成しても、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧がダイヤフラム手段に対し互いに向き合うように作用する。そして、このような液圧及び空圧の作用のもとに、ダイヤフラム手段による弁機構手段の鍔部の小径孔部に対する解離度が、上述のように向き合う液圧及び空圧の間の差に応じたダイヤフラム手段の変位に伴い、調整されて、液圧に対応する空圧に調整する。従って、このように調整された空圧を液圧検出手段により検出することで、液圧を精度よく検出することができる。その他の作用効果、請求項1に記載の発明と同様である。
【0028】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項5に記載の圧力センサにおいて、センサ本体から離れて位置するように液圧検出手段とセンサ本体との間に介装されて空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段(800)を具備しており、
常閉型開閉弁手段は、その開弁により、センサ本体の上記流出側空気通路からの空気を前記液圧検出手段の前記受圧部に流入させるようにしたことを特徴とする。
【0029】
このように構成しても、請求項5に記載の発明の作用効果を達成しつつ、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0030】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項7の記載によれば、センサ本体(B1)と、液圧検出手段(50)と、空気流量絞り手段(41d)とを備える。
【0031】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(H1)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(H)を構成する他側ハウジング部材(H2)と、ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室(R1)及び液圧室(L1)を形成する可撓性ダイヤフラム手段(22、25、27)とを備えており、
液圧検出手段は、その受圧部にて他側ハウジング部材の上記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
一側ハウジング部材は、液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(20b、23a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(23b、20c)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(36)を形成するとともに、空圧室内に流入した空気を上記外壁に向けて流動させてから当該外壁の少なくとも上記一部位に沿い流動させて外部に排出するように排出側空気通路(35、41)を形成し、かつ、ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路部内に弁機構手段(30a)を介装してなり、
空気流量絞り手段は、上記流出側空気通路のうち上記外壁の上記一部位に対する対応部位から上記外壁の一部位にかけて液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部(42)の下流側にて上記流入側空気通路に介装されており、
弁機構手段は、
他側ハウジング部材内にてダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、上記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部(37c)と、この大径孔部から同軸的に空圧室に向けて延出されて上記大径孔部を空圧室内に連通させる小径孔部(37a)とを設けてなる段付き孔部(37)と、
上記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて上記小径孔部を通りダイヤフラム手段の上記中央部に向けて延出するロッド部(39b)及び上記大径孔部と上記小径孔部との環状境界段部に着座可能に上記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部(39c)と有するロッド(39)と、
上記大径孔部内にて前記鍔部を上記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリング(39a)とを備えて、
ロッドが上記鍔部にて上記環状境界段部から解離するように軸動したとき、上記流入側空気通路の上記上流側通路部内に流入する空気を、上記段付き孔部の上記大径孔部及び上記小径孔部を通して空圧室内に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、ロッドを上記鍔部にて上記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記鍔部の上記環状境界段部に対する解離度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて液体の液圧として検出する。
【0032】
このように、弁機構手段を有していても、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジング上に支持されている。これによっても、請求項5に記載の発明と同様の作用効果が、達成され得る。
【0033】
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項7に記載の圧力センサにおいて、
他側ハウジング部材の上記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段(60a、60b)を備えて、
他側ハウジング部材は、上記流出側空気通路のうち上記対応部位の下流側通路部位内に連通するように上記外壁の前記他の部位から上記下流側通路部位内にかけて凹部(46)を形成してなり、
開閉弁手段は、上記外壁の上記他の部位から上記凹部内に変位可能に延出する弁体部(66)を具備して、上記流入側空気通路からの空気に応じて、上記弁体部により、上記凹部内にて前記下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする。
【0034】
このように構成しても、請求項7に記載の発明の作用効果を達成しつつ、請求項4に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0035】
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサにおいて、
ダイヤフラム手段は、液圧室内の液体に接するようにハウジング内にてその内周面の軸方向中間部位と一体となるように形成してなる第1ダイヤフラムと、この第1ダイヤフラムと空圧室との間にて第1ダイヤフラムに接するように支持される第2ダイヤフラムとを備えて、
第1及び第2のダイヤフラムは、液圧室内の液圧に応じた変位により空圧室内の空圧を変動させることを特徴とする。
【0036】
このように、ダイヤフラム手段が、2枚のダイヤフラムにより構成されているから、空気層が、第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとの間に形成されて、第1ダイヤフラムと共に、断熱層としての役割を果たす。これにより、上記空気層が、第1ダイヤフラムと協働して、液圧室内の液体の熱を第2ダイヤフラムから良好に遮断する。
【0037】
その結果、第2ダイヤフラムは、液圧室内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を精度よくなし得る。例えば、両ダイヤフラムの形成材料が温度による線膨張係数の大きなフッ素樹脂であっても、両ダイヤフラムは、温度による影響を受けて変形することがない。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
【0038】
また、上述のように、ダイヤフラム手段が、2枚のダイヤフラムにより構成されているから、液圧室内の液圧が当該液圧室側から第1ダイヤフラムに作用し、一方、空圧室内の空圧が当該空圧室側から第2ダイヤフラムに作用する。従って、第1及び第2のダイヤフラムが、それぞれ、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧を、別々に、受けもつこととなる。このため、一枚のダイヤフラムがその両面側から液圧及び空圧を共に受けて両面側へ撓む状況に比べ、各ダイヤフラムは、それぞれに作用する液圧及び空圧を受けて互いに向かい合う方向に撓むのみである。その結果、第1及び第2のダイヤフラムの寿命を長く維持することができる。
【0039】
また、上述のごとく、第1ダイヤフラムが液圧室内の液体に接するように形成されていることから、液体が液圧室内に流動しても、第1ダイヤフラムの液圧室側において液体による液だまりが生ずることがない。
【0040】
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサにおいて、
ダイヤフラム手段は、ハウジング内にて液圧室と空圧室との間に支持されて液圧室内の液圧に応じた変位により空圧室内の空圧を変動させる単一のダイヤフラムであることを特徴とする。
【0041】
これによれば、当該単一のダイヤフラムが、その両面側から、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧と共に直接受けることとなる。その結果、単一のダイヤフラムの液圧の変動に対する感度を良好に確保することができる。
【0042】
また、本発明に係る流量検出装置は、請求項11の記載によれば、
請求項3に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、第1圧力センサの上記流出側液体通路と第2圧力センサの上記流入側液体通路との間に介装されて第1圧力センサの上記流出側液体通路から第2圧力センサの上記流入液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段と、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき液圧の差に対応する液体の流量を検出するようにした。
【0043】
これにより、請求項3に記載の発明による液圧の検出精度のもとに、各検出液圧の差に基づき液体の流量を検出することとなる。その結果、液体の流量を精度よく検出し得る流量検出装置の提供が可能となる。
【0044】
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項11に記載の液体流量検出装置において、
第1及び第2の圧力センサの各ハウジングが、第1及び第2の圧力センサの各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材(J1)と、第1及び第2の圧力センサの各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材(J2)とでもって、単一の共通ハウジング(J)として形成され、
液体流量絞り手段が、第1圧力センサの上記流出側液体通路及び第2圧力センサの上記流入側液体通路に代えて、第1及び第2の圧力センサの各液圧室の間に介装されるように記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路(420)が、空気供給源からの空気を他側共通ハウジング部材の外部から上記各空気供給通路を介し第1及び第2の圧力センサの各空圧室内に供給するように、他側共通ハウジング部材内にて第1及び第2の圧力センサの上記各空気供給通路に接続形成されており、
流出側共通空気通路(342)が、第1及び第2の圧力センサの上記各空気排出通路に代えて、各空圧室の空気を共通ハウジングの外部へ排出するように、他側共通ハウジング部材内にて、各空圧室内に第1及び第2の圧力センサの各ダイヤフラム手段の中央部に対向して開口する各開口部を有し、当該各開口部から他側共通ハウジング部材の外部へ開口するように延出形成されていることを特徴とする。
【0045】
このように、ハウジングを単一の共通ハウジングとして、液体流量絞り手段、流入側共通空気通路及び流出側共通空気通路を上述のように他側共通ハウジング部材に形成しても、請求項11に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0046】
また、本発明に係る流量検出装置は、請求項13の記載によれば、
請求項7に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、第1圧力センサの上記流出側両液体通路と第2圧力センサの上記流入側液体通路との間に介装されて第1圧力センサの上記流出側両液体通路から第2圧力センサの上記流入側液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段を備えて、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした。
【0047】
これにより、請求項7に記載の発明による液圧の検出精度のもとに、各検出液圧の差に基づき液体の流量を検出することとなる。その結果、液体の流量を精度よく検出し得る流量検出装置の提供が可能となる。
【0048】
また、本発明は、請求項14の記載によれば、請求項13に記載の液体流量検出装置において、
第1及び第2の圧力センサの各ハウジングが、第1及び第2の圧力センサの各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材(J1)と、第1及び第2の圧力センサの各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材(J2)とでもって、単一の共通ハウジング(J)として形成され、
液体流量絞り手段が、第1圧力センサの上記流出側液体通路及び第2圧力センサの上記流入側液体通路に代えて、第1及び第2の圧力センサの各液圧室の間に介装されるように他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路(350a)が、空気供給源からの空気を、第2圧力センサの弁機構手段の上記段付き孔部の内部を通り第1圧力センサの弁機構手段の上記段付き孔部内に供給するように他側共通ハウジング部材内にて形成されており、
流出側共通空気通路(420)が、各空圧室からの空気を第1及び第2の圧力センサの上記各流出側空気通路を介し共通ハウジングの外部に排出するように、他側共通ハウジング部材内にて、上記各流出側空気通路に接続形成されていることを特徴とする。
【0049】
このように、ハウジングを単一の共通ハウジングとして、液体流量絞り手段、流入側共空気通路及び流出側共通空気通路を上述のように共通ハウジングに形成しても、請求項13に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0050】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る圧力センサの第1実施形態の部分破断正面図である。
【図2】図1の圧力センサの平面図である。
【図3】図1の圧力センサの部分破断左側面図である。
【図4】図1の圧力センサの部分破断右側面図である。
【図5】図6の5−5線に沿う断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿う断面図である。
【図7】図5の空圧室内の空圧と液圧室内の液圧との関係を直線で示すグラフである。
【図8】本発明に係る圧力センサの第1実施形態の断面図である。
【図9】図8の圧力センサにおいて弁機構の作動状態を示す断面図である。
【図10】図9の空圧室内の空圧と液圧室内の液圧との関係を直線で示すグラフである。
【図11】本発明の第3実施形態を、図14の11−11線に沿う断面にて示す図である。
【図12】図11の流量検出装置の右側面図である。
【図13】図11の13−13線に沿う断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第4実施形態を、図17の15−15線に沿う断面にて示す図である。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【図18】本発明の第5実施形態の要部を示す断面図である。
【図19】本発明の第6実施形態の要部を示す断面図である。
【図20】本発明の第7実施形態を示す要部断面全体構成図である。
【図21】本発明の第8実施形態を示す要部断面全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は、半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された本発明に係る圧力センサの第1実施形態を示している。この圧力センサ(以下、圧力センサSaという)は、上記枚葉式処理系統において、薬液を貯留する薬液供給源(図示しない)から延出する配管P1(図1参照)と、半導体ウェハーを処理する処理カップ(図示しない)から延出する配管P2(図1参照)との間に接続されている。
【0053】
当該圧力センサSaは、図1〜図5にて示すごとく、センサ本体Bを備えている。このセンサ本体Bは、ハウジングHを有しており、このハウジングHは、下側ハウジング部材H1及び上側ハウジング部材H2により構成されている。
【0054】
下側ハウジング部材H1は、台座10及び内側壁20を有しており、台座10は、図1〜図4から分かるように、矩形板状に形成されている。本第1実施形態において、台座10は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0055】
内側壁20は、図1及び図5にて示すように、矩形板状壁本体20aと、流入側筒状ボス20bと、流出側筒状ボス20cとにより構成されており、壁本体20aは、台座10の上面上に積層されている。なお、本第1実施形態において、内側壁20は、フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でもって形成されている。
【0056】
当該壁本体20aは、図5にて示すごとく、大径穴部21a及び小径穴部21bを有しており、これら大径穴部21a及び小径穴部21bは、ダイヤフラム22(後述する)を介し、互いに同軸的に対向するように、壁本体20aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。
【0057】
センサ本体Bは、ダイヤフラム22及びダイヤフラム24を有している。ダイヤフラム22は、図5にて示すごとく、円板状厚膜部22a及び円環状可撓性薄膜部22bでもって一体的に形成されており、薄膜部22bは、厚膜部22aの外周部から外方に向け円環状に延出している。本第1実施形態において、ダイヤフラム22は、薄膜部22bにて、壁本体20aと一体的に形成されている。なお、この一体的形成は、上述のごとく大径穴部21a及び小径穴部21bを壁本体20a内に形成する際になされる。
【0058】
このように構成したダイヤフラム22は、その円環状薄膜部22bの下方への撓みにより、厚膜部22aにて下方へ変位し、この変位状態のもと、薄膜部22bの上方への撓みにより、厚膜部22aにて上方へ変位する。本第1実施形態では、ダイヤフラム22が、ダイヤフラム24に対し、下側に位置することから、以下、ダイヤフラム22及びダイヤフラム24は、それぞれ、下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム24ともいう。
【0059】
また、当該壁本体20aは、円柱台状の封止部材21cを有しており、この封止部材21cは、壁本体20aの下方から小径穴部21b内に圧入により嵌着されている。これにより、この封止部材21cと下側ダイヤフラム22との間には、横断面円形状の液圧室L1が、封止部材21cによる封止のもとに気密的に形成されている。
【0060】
また、当該壁本体20aは、流入通路部23a及び流出通路部23bを有しており、これら流入通路部23a及び流出通路部23bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体20a内に形成されている。これにより、流入通路部23aは、その内部にて液圧室L1の内部を通り流出通路部23bの内部に連通している。
【0061】
流入側筒状ボス20b及び流出側筒状ボス20cは、壁本体20aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出するように形成されている。流入側筒状ボス20bは、その内部にて、壁本体20aの流入通路部23aの内部に連通しており、当該流入側ボス20bは、上記薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部23aを介し液圧室L1内に流動させる。このことは、液圧室L1内における薬液の液圧が下側ダイヤフラム22の下面に上方に向けて作用することを意味する。
【0062】
一方、流出側筒状ボス20cは、液圧室L1から流出通路部23b内に流動する薬液を、上記処理カップから延出する配管P2内に流動させる。なお、上記処理カップ内の半導体ウェハーは、配管P2からの薬液により処理される。
【0063】
上側ダイヤフラム24は、円板状厚膜部24a、円環状可撓性薄膜部24b、円環状フランジ部24c及び円錐状弁体部24dを一体的に有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって形成されている。
【0064】
この上側ダイヤフラム24において、薄膜部24bは、厚膜部24aの外周上端部から外方に向け延出している。また、フランジ部24cは、薄膜部24bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部24cは、その内周面軸方向中間部位にて薄膜部24bの外周部と一体となっている。また、弁体部24dは、厚膜部24aの上面中央部から上方へ円錐状に突出形成されている。
【0065】
このように構成した上側ダイヤフラム24は、内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、当該上側ダイヤフラム24は、フランジ部24cにて、Oリング31と大径穴部21aの底壁外周部(大径穴部21a及び小径穴部21bの間の円環状境界段部)との間に気密的に挟持されて、厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22a上に着座している。
【0066】
これにより、上側ダイヤフラム24は、下側ダイヤフラム22とともに、大径穴部21a及び小径穴部21bを、上述の空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部24bの下方への撓みにより、厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aを液圧室L1側へ押動するように変位する。そして、このような変位状態のもと、上側ダイヤフラム24は、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより押動されて、薄膜部24bの上方への撓みのもとに上空圧室R1側へ変位する。
【0067】
上側ハウジング部材H2は、図1及び図3〜図5にて示すごとく、内側壁30及び上壁40により構成されている。本第1実施形態では、内側壁30及び上壁40は、ともに、フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でもって形成されている。
【0068】
内側壁30は、図5にて示すごとく、その下面にて、Oリング31を介して内側壁20の上面上に気密的に積層されている。ここで、Oリング31は、上側ダイヤフラム24のフランジ部24cを、大径穴部21aの底壁外周部との間にて挟持するように、内側壁30の円環状溝部31a内に嵌着されている。なお、円環状溝部31aは、内側壁30の下面のうち大径穴部21aの底壁外周部に対する対向部位に形成されている。
【0069】
また、当該内側壁30は、凹所32を有しており、この凹所32は、円環状溝部31aの内周側にて、内側壁30にその下面側から上方に向け凹状に形成されている。これにより、当該凹所32は、その内部にて、内側壁20の大径穴部21aに上方から同軸的に対向して、上側ダイヤフラム24の上面との間に、上述の空圧室R1を形成する。
【0070】
また、当該凹所32は、環状部32aを設けてなり、この環状部32aは、弁座部32aとして、上側ダイヤフラム24の円錐状弁体部24dに同軸的に対向するように、凹所32の内面中央部から円錐状弁体部24dに向け突出形成されている。これにより、弁体部24dは、その変位に伴い、弁座部32aとの間の開度を調整する。なお、弁体部24d及び弁座部32aにより構成される弁はダイヤフラム弁Va(図5参照)という。
【0071】
次に、このダイヤフラム弁Vaの開度と上下両側ダイヤフラム24、22の変位との関係について説明する。後述のように、空圧室R1内の空圧が上側ダイヤフラム24の上面に下方に向けて作用するとともに、液圧室L1内の液圧が下側ダイヤフラム22の下面に上方に向けて作用すると、上下両側ダイヤフラム24、22が、液圧と空圧との差圧に応じて、各薄膜部24b、22bの撓みのもとに、各厚膜部24a、22aにて、共に、上方或いは下方へ変位する。
【0072】
ここで、下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧をPaとし、上側ダイヤフラム24の上面に作用する空圧をPbとする。そして、液圧Paが変動するとき、空圧Pbが、両厚膜部24a、22aの上下方向への変動に応じたダイヤフラム弁Va(図5参照)の開度の変化に伴い変動する。なお、ダイヤフラム弁Vaの開度は、液圧Pbと空圧Paとの差圧に比例する。
【0073】
本第1実施形態において、上述した下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧Pa(液圧室L1内の薬液の液圧)と、上述した上側ダイヤフラム24に作用する空圧Pb(空圧室R1内の空圧Pb)との間の関係は、図7にて示すごとく、直線特性1により特定されている。この直線特性1では、空圧Pbが、液圧Paの増大(或いは減少)に伴い直線的に増大(或いは減少)する。
【0074】
また、当該内側壁30は、図5にて示すごとく、通路33及び通路34を有しており、通路33は、上壁40を後述のごとく通り流入する空気を、空圧室R1内に供給するように、内側壁30内にてその板厚方向に形成されている。
【0075】
また、通路34は、図5にて示すごとく、内側壁30内にてL字状に形成されており、この通路34は、凹所32の環状部32aを開口部32aとして、空圧室R1内に開口することで、空圧室R1の内部を内側壁30の外部に連通させる。しかして、上側ダイヤフラム24がその円錐状弁体部24dにて環状部32a(通路34の開口部32a)から解離しているとき、通路34は、空圧室R1の内部を内側壁30の外部に開放する。
【0076】
上壁40は、通路41を有しており、この通路41は、一側通路部41a及び他側通路部41bでもって、上壁40内にて、図5にて示すごとく、L字状に形成されている。一側通路部41aは、上壁40内にてその上下両面に平行となるように当該上壁40の側面から延出形成されており、この一側通路部41aは、その開口端部41cにて、空気供給源Aの空気の供給口部に接続されている。これにより、当該一側通路部41aは、その開口端部41cを介し、空気供給源Aから空気を圧送される。なお、空気供給源Aは、その内部にて、予圧を付与した空気を貯蔵する。
【0077】
他側通路部41bは、一側通路部41aの延出端部から下方に向けL状に屈曲して延出するように上壁40内にて形成されており、この他側通路部41bは、その延出端開口部にて、内側壁30の通路33を介し空圧室R1内に連通している。これにより、他側通路部41bは、通路33を介し一側通路部41a内の空気を空圧室R1内に流入させる。
【0078】
また、通路41は、オリフィス41dを有しており、このオリフィス41dは、図5にて示すごとく、一側通路部41a内にてその開口端部41cの近傍部位にて設けられている。本実施形態において、このオリフィス41dは、主として、後述のごとく、圧電変換ユニット50の受圧面に作用させる空圧を形成する役割を果たす。
【0079】
また、上壁40は、図5及び図6にて示すごとく、中空部42を有しており、この中空部42は、上壁40にその上面側から横断面円形状(図6参照)にて下方に向け凹状に形成されている。当該中空部42は、その底部のうち一側通路部41aの延出方向中間部位に対する対応部にて、帯状連通孔部42a(図5及び図6参照)を形成してなり、この帯状連通孔部42aは、一側通路部41aの上記延出方向中間部位内に帯状に連通する。これにより、一側通路部41a内にて流動する空気は、帯状連通孔部42aから中空部42内にも流動する。
【0080】
本第1実施形態において、図5にて、符号43はOリングを示しており、このOリング43は、上壁40の円環状溝部43a内に嵌着されて、他側通路部41bを内側壁30及び上壁40の境界面から気密的にシールする。なお、円環状溝部43aは、上壁40の下面のうち他側通路部41bの流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0081】
また、当該センサ本体Bは、図5にて示すごとく、圧電変換ユニット50及び安全機構60を備えており、これら圧電変換ユニット50及び安全機構60は、ハウジングHと一体的となるように、その上壁40にその上方から組み付けられて、四角箱状蓋体C内に収容されている。ここで、蓋体Cは、その下端開口部にて、上壁40の上面に装着されている。なお、蓋体Cは、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0082】
圧電変換ユニット50は、筒体51を有しており、この筒体51は、その開口部51aにて、上壁40の中空部42を上方から覆うようにして、当該上壁40の上面に装着されている。
【0083】
また、当該圧電変換ユニット50は、静電容量型の扁平状空圧検出素子52及び信号処理回路53を有している。空圧検出素子52は、その外周部にて、筒体51の円環状部51b内に同軸的に嵌着されており、当該空圧検出素子52の外周部は、円環状部51bにより、その上側内面にて、Oリング44を介して、上壁40の上面のうち中空部42の外周部上に押圧されている。
【0084】
空圧検出素子52は、その受圧部(本実施形態では、空圧検出素子52の下面である受圧面)により中空部42内の空圧を検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号として発生する。ここで、中空部42内の空圧が、空圧室R1内の空圧に相当し液圧室L1内の液圧に比例することから、空圧検出素子52は、中空部42内の空圧に基づき液圧室L1内の液圧を検出することを意味する。
【0085】
なお、上述した円環状部51bは、筒体51の開口部51aをその内周面側から断面逆L字状に切除することで、形成されている。また、Oリング44は、上壁40の上面のうち中空部42の近傍外周面部に沿い円環状に形成した溝部44a内に嵌装されており、このOリング44は、空圧検出素子52の下面外周部と上壁40の上面のうち中空部42の近傍外周面部との間に挟持されている。これにより、Oリング44は、中空部42の内部を筒体51の外部から気密的にシールする。
【0086】
信号処理回路53は、筒体51内にて、空圧検出素子52の直上に支持されており、この信号処理回路53は、空圧検出素子52からの電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧(換言すれば、液圧室L1内の液圧)に比例する出力信号を発生してリード線54を通して外部回路(図示しない)に出力する。なお、リード線54は、筒体51の上壁の一部に嵌着したゴムブッシュ54a及び蓋体Cの側壁の一部に嵌着したグロメット54bを通りその外部に延出している。
【0087】
安全機構60は、図5及び図6にて示すごとく、常閉型開閉弁60aを備えている。この開閉弁60aは、上壁40の通路41内に介装されているもので、当該開閉弁60aは、四角筒状ケーシング61及び蓋体62を備えている。蓋体62は、その大径部62aをケーシング61の開口端面に当接させるようにして、小径部62bにて、ケーシング61の開口部内に気密的にかつ同軸的に嵌着されている。
【0088】
このように構成したケーシング61は、その開口部にて、上壁40の通路41を構成してなる一側通路部41aと他側通路部41bとのL字状連結部に対向する位置にて、上壁40の外側円環状部45a上に気密的に立設されている。なお、外側円環状部45aは、内側円環状部45bとともに、上壁40の上面のうち凹部46(後述する)の外周面部から上方へ突出するように形成されている。
【0089】
また、開閉弁60aは、ピストン63を有しており、このピストン63は、小径の基端部63a、基端側中径部63b、中央側大径部63c(以下、ピストン部63cともいう)、先端側中径部63d及び小径の先端部63eでもって同軸的にかつ一体的に形成されている。なお、小径の基端部63a、基端側中径部63b、先端側中径部63d及び小径の先端部63eは、ピストン63のロッド部を構成する。
【0090】
このように構成されたピストン63において、基端部63a及び基端側中径部63bは、それぞれ、ケーシング61の上壁61aの中央孔部及び内筒部61b内に軸方向に摺動可能に嵌装されている。ここで、内筒部61bは、ケーシング61の上壁61aの内面から当該ケーシングの周壁部61cの上側小径内孔部(図5参照)内へ同心的に延出されている。
【0091】
また、当該ピストン63は、そのピストン部63cにて、ケーシング61の周壁部61cの下側大径内孔部(図5参照)内にOリング64を介し気密的にかつ軸方向に摺動可能に嵌装されている。これにより、ピストン部63cは、ケーシング61の周壁部61cの下側大径内孔部内にて、蓋体62との間に空間部R2を形成する。なお、Oリング64は、ピストン部63cの外周面のうち軸方向中間部位にその周方向に沿い形成した円環状溝部内に嵌装されている。また、ケーシング61の上側小径内孔部内にてその上壁61aとピストン部63cとの間に形成される空所は、上側小径内孔部の周壁部に形成した貫通孔部(図示しない)を通り外部に連通している。
【0092】
また、当該ピストン63の先端側中径部63dは、蓋体62の中央貫通孔部62cにOリング65を介し軸方向へ気密的に摺動可能に挿通されており、このピストン63の小径の先端部63eは、蓋体62の中央貫通孔部62cを通り上壁40の凹部46(図5参照)内に延出している。
【0093】
ここで、凹部46は、上壁40の上面のうち蓋体62に対する対応部位から一側通路部41aと他側通路部41bとの上記L字状連結部にかけて凹状に形成されており、この凹部46は、その底部側にて、一側通路部41a及び他側通路部41b内にその上記L字状連結部内への各開口端部から連通している。なお、Oリング65は、先端側中径部63dの外周面軸方向中間部位にその周方向に形成した円環状溝部内に嵌装されている。
【0094】
また、開閉弁60aは、図5にて示すごとく、柱状弁体部66、ダイヤフラム67及びコイルスプリング68を有しており、弁体部66は、その基端部側軸穴部にて、ピストン63の先端部63eに下方から同軸的に嵌着されている。これにより、弁体部66は、その先端部にて、他側通路部41bの上記L字状連結部内への開口端部に対向している。なお、当該他側通路部41bの上記開口端部は、後述のごとく、弁体部66により開閉される弁座部としての役割を果たす。従って、弁体部66の他側通路部41bの弁座部に対する着座は、開閉弁60aの閉弁に対応し、一方、弁体部66の他側通路部41bの弁座部からの解離は、開閉弁60aの開弁に対応する。
【0095】
ダイヤフラム67は、フッ素樹脂(例えば、PTFE)により、弁体部66と一体に形成されているもので、このダイヤフラム67は、その外周部にて、蓋体62の外周部と上壁40の内側円環状部45bとの間に挟持されて、上壁40の凹部46を上側から気密的にシールしている。
【0096】
コイルスプリング68は、ケーシング61の内筒部61bと周壁部61cの上側小径内孔部との間に同軸的に嵌装されており、このコイルスプリング68は、その両端部にて、ピストン63の中央側大径部63c(ピストン部63c)とケーシング61の上壁61aとの間に挟持されている。これにより、当該コイルスプリング68は、ピストン63を、そのピストン部63cにて、他側通路部41bの上記弁座部に向けて付勢する。
【0097】
本第1実施形態では、コイルスプリング68の付勢力に対応するバネ常数は次のように設定されている。即ち、空間部R2内に後述のごとく生ずる空圧が所定圧未満のとき、ピストン63は、そのピストン部63cにて、コイルスプリング68の付勢力に基づき下方へ摺動して弁体部66を他側通路部41bの弁座部に着座させるように、コイルスプリング68のバネ定数が設定されている。なお、上記所定圧は、開閉弁60aの開閉作動にハンチングを生じさせない程度において、できる限り小さな値に設定されている。
【0098】
また、安全機構60は、配管60bを備えており、この配管60bは、その基端部にて、上壁40にその上面から形成された流出孔部47内に嵌着されている。また、当該配管60bの他端部は、開閉弁60aのケーシング61の周壁部61cに形成した開孔部(図示しない)を介し、空間部R2内に連通している。これにより、空気供給源Aから上壁40の一側通路部41a内に圧送される空気は、配管60b内に分流して空間部R2内に流入する。なお、流出孔部47は、上壁40の一側通路部41aのうちオリフィス41dの近傍部位内に開口するように上壁40の上面側から形成されている。
【0099】
以上のように構成した本第1実施形態において、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、開閉弁60aは、図5にて示すごとく、閉弁状態にある。
【0100】
このような状態において、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、上壁40の一側通路部41a内にその開口端部41c及びオリフィス41dを通り流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り内側壁20の流入側ボス20b内に流入する。
【0101】
現段階では、開閉弁60aは上述のごとく閉弁状態にあるため、上述のように一側通路部41a内に流入する空気は、上壁40の流出孔部47及び配管60bを通り開閉弁60aの空間部R2内に流入する。これに伴い、空圧が空間部R2内に発生して増大していく。
【0102】
然る後、空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、開閉弁60aのピストン63は、空気室R2内の空圧により、コイルスプリング68の付勢力に抗して上動し、弁体部66が他側通路部41bの上記弁座部から解離する。このことは、開閉弁60aが開弁することを意味する。
【0103】
すると、上述のように上壁40の一側通路部41a内に流入する空気は、配管60bから分流して上壁40の凹部46及び他側通路部41b並びに内側壁30の通路33を通り空圧室R1内に流入する。このため、上述したダイヤフラム弁Vaの閉弁状態のもとに、空圧Pbが空圧室R1内に発生する。そして、空圧Pbは増大しつつ上側ダイヤフラム24の上面に作用する。
【0104】
一方、上述のように吐出される薬液は、上述したダイヤフラム弁Vaの閉弁状態のもとに、上記薬液供給源から配管P1、内側壁20の流入側ボス20b、流入通路部23a、液圧室L1、流出通路部23b及び流出側ボス20c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0105】
このような過程においては、液圧室L1内に流入する薬液が、下側ダイヤフラム22の下面に沿い流動する。これに伴い、薬液の圧力が液圧Paとして下側ダイヤフラム22の下面に作用する。
【0106】
しかして、上述のように、空圧室R1内の空圧Pbが上側ダイヤフラム24の上面に作用するとともに、液圧室L1内の液圧Paが下側ダイヤフラム22の下面に作用すると、下側ダイヤフラム22は、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム24の厚膜部24aとの間で互いに向かい合う方向に押し合うこととなる。このため、ダイヤフラム弁Vaは、液圧Paと空圧Pbとの差圧に対応する開度にて、空圧室R1内の空気を、内側壁30の排出通路34を通して外部に排出する。
【0107】
このような状態において、液圧Paが増大すると、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、液圧Paにより上方に押動される。これに伴い、上側ダイヤフラム24が、その厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより上方へ押動されて変位する。このため、ダイヤフラム弁Vaの開度が減少して空圧Pbを直線的に増大させる。このことは、空圧Pbが、液圧Paの増大に伴い直線的に増大することを意味する(図7の直線特性1参照)。
【0108】
すると、このような空圧Pbの増大は、オリフィス41dの絞り作用のもとに、内側壁30の通路33、上壁40の他側通路部41b、凹部46、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0109】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の増大に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0110】
このような状態において、液圧Paが減少すると、上側ダイヤフラム24が、その厚膜部24aにて、空圧室R1内の空圧Pbにより下方に押動される。これに伴い、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム24の厚膜部24aにより下方へ押動されて変位する。このため、ダイヤフラム弁Vaの開度が増大して空圧Pbを減少させる。このことは、空圧Pbが、液圧Paの減少に伴い直線的に減少することを意味する(図7の直線特性1参照)。
【0111】
すると、このような空圧Pbの減少は、内側壁30の通路33、上壁40の他側通路部41b、凹部46、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧部である受圧面に作用する。
【0112】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の減少を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の減少に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0113】
以上によれば、本第1実施形態では、上述のごとく、液圧室L1及び空圧室R1が、上下両側ダイヤフラム24、22を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室L1内の液圧Pa及び空圧室R1内の空圧Pbが下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム24に対し互いに向き合うように作用する。
【0114】
そして、このような液圧Pa及び空圧Pbの作用のもとに、ダイヤフラム弁Vaの開度が、上述のように向き合う液圧Pa及び空圧Pbの間の差に応じた両ダイヤフラム22、24の変位に伴い、調整されて、空圧Pbを、液圧Paに比例するように調整する(図7参照)。
【0115】
従って、このように調整された空圧を空圧検出素子52により検出することで、液圧Paを精度よく検出することができる。また、このように検出した出力を信号処理回路53により上述のごとく信号処理することで、精度よく、信号処理することができる。
【0116】
また、本第1実施形態においては、上述のごとく、薬液の圧力を空気の圧力に変換するための主たる構成として、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム24、22及び液圧室L1がハウジングH内に設けられ、一方、上述のように変換された空気の圧力を検出するための空圧検出素子52及びその信号処理回路53が、ハウジングH上に支持されている。
【0117】
これにより、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム24、22及び液圧室L1が、空圧検出素子52及びその信号処理回路53と共にハウジングHに一体化され、かつ、空圧検出素子52が、信号処理回路53とともに、液圧室L1から空間的に離れた位置に支持されていることとなる。このことは、圧力センサSaをコンパクトな形状寸法に維持しつつ、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることを意味する。
【0118】
このように、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることから、空圧検出素子52や信号処理回路53の形成材料が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室L1内に流動する薬液の温度が異常な高温に上昇することがあっても、薬液の高温が空圧検出素子52や信号処理回路53に影響を与えることがない。その結果、空圧検出素子52は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得るとともに、信号処理回路53は、上述した本来の信号処理機能を良好に維持しつつ、空圧検出素子52の検出出力に対する信号処理を精度よく行い得る。このことは、圧力センサSaが、液圧を精度よく検出し得る耐温性の高いコンパクトな圧力センサとして提供され得ることを意味する。
【0119】
また、本第1実施形態では、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム24、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、空気層が、上側ダイヤフラム24と下側ダイヤフラム22との間に形成されて、下側ダイヤフラム22と共に、断熱層としての役割を果たす。これにより、上記空気層が、下側ダイヤフラム22と協働して、液圧室L1内の液体の熱を上側ダイヤフラム24から良好に遮断する。
【0120】
従って、上側ダイヤフラム24は、液圧室L1内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を良好になし得る。例えば、両ダイヤフラム22、24の形成材料が温度による線膨張係数の大きなフッ素樹脂であっても、両ダイヤフラム22、24は、温度による影響を受けて変形することがない。その結果、液圧を精度よく検出し得る等の上述した作用効果がより一層向上され得る。
【0121】
また、上述のごとく、下側ダイヤフラム22が、その下面にて、液圧室L1内の薬液に接近するように内側壁20内に配設されている。従って、薬液が流入通路部23aを通り液圧室L1内に流動しても、下側ダイヤフラム22の下面の下側に、薬液による液だまりが発生することがない。
【0122】
また、上述のように、2枚のダイヤフラム22、24が液圧室L1及び空圧室R1の間に設けられていることから、液圧室L1内の液圧が当該液圧室側から下側ダイヤフラム22に作用し、一方、空圧室R1内の空圧が当該空圧室側から上側ダイヤフラム24に作用する。従って、両ダイヤフラムが、それぞれ、液圧室L1内の液圧及び空圧室R1内の空圧を、別々に、受けもつこととなる。このため、一枚のダイヤフラムがその両面側から液圧及び空圧を共に受けて両面側へ撓む状況に比べ、各ダイヤフラム22、24は、それぞれに作用する液圧及び空圧を受けて互いに向かい合う方向に撓むのみである。その結果、両ダイヤフラム22、24の寿命を長く維持することができる。
【0123】
また、本第1実施形態では、開閉弁60aを、上壁40の通路41(オリフィス41dを含む)及び内側壁30の通路33からなる空気供給源Aからの空気の流入系統内に介装するとともに、空圧室R1を、開閉弁60aの後流側にて、上記流入系統と内側壁30の通路34からなる排出系統との間に介装するように構成されている。
【0124】
このため、上述したような液圧Paの検出状態において、開閉弁60aの空間部R2の内部が、空気供給源Aからの空気の圧送の停止により当該空気から遮断されると、開閉弁60aにおいて、ピストン63が、コイルスプリング68の付勢力に基づき下動して、弁体部66を他側通路部41bの上記弁座部に着座させる。
【0125】
これにより、開閉弁60aが閉弁する。すると、上壁40の凹部46及び一側通路部41aの各内部が、上壁40の他側通路部41bの内部から遮断される。従って、液圧室L1内の薬液が腐食性ガスを発生しても、この腐食性ガスが、基台H1の内部、特に、内側壁30や上壁40の各内部を通り蓋体C内の空圧検出素子52や信号処理回路53に到達することはない。
【0126】
その結果、空圧検出素子52や信号処理回路53が、薬液の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。なお、上述のようなピストン63の下動過程においては、空間部R2内の空気は、ピストン部63cにより、開閉弁60aのケーシング61の周壁に形成した貫通状小孔部(図示しない)を通して外部に排出される。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、圧力センサ(以下、圧力センサSbという)が、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、採用されている。
【0127】
当該圧力センサSbはセンサ本体B1を備えており、このセンサ本体B1は、上記第1実施形態にて述べたセンサ本体Bの構成を次のように変更して構成されている。
【0128】
当該センサ本体B1は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24(図5参照)に代えて、図8にて示すごとく、上側ダイヤフラム25を備えている。この上側ダイヤフラム25は、円板状厚膜部25a、円環状可撓性薄膜部25b、円環状フランジ部25c及びリフトストップ部25dでもって構成されており、厚膜部25a、薄膜部25b及びフランジ部25cは、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。
【0129】
薄膜部25bは、厚膜部25aの外周上端部から外方に向け延出している。また、フランジ部25cは、薄膜部25bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部25cは、その内周面軸方向中間部位にて薄膜部25bの外周部と一体となっている。
【0130】
リフトストップ部25dは、上側ダイヤフラム25の上方への変位量を規制する役割を果たすもので、このリフトストップ部25dは、図8にて図示断面形状を有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)により形成されている。当該リフトストップ部25dは、その下部にて、厚膜部25aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されており、このリフトストップ部25dには、その上面中央から、窪み部25eが下方に向け断面V字状に形成されている。また、リフトストップ部25dの上面には、溝部25fが窪み部25eの外周側において、十字状に切り欠き形成されている。
【0131】
しかして、このように構成した上側ダイヤフラム25は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24と同様に、内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、この上側ダイヤフラム25は、フランジ部25cにて、大径穴部21aの上記底壁外周部上に着座して、厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22a上に着座している。
【0132】
しかして、上側ダイヤフラム25は、その薄膜部25bの下方への撓みにより、厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより押動されて薄膜部25bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0133】
本第2実施形態において、上述した下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧Paと、上述した上側ダイヤフラム25に作用する空圧Pbとの間の関係は、図10にて示すごとく、直線特性2により特定されている。この直線特性2では、液圧Pa<Paoのとき、空圧Pb=0である。また、Pa≧Paoのとき、空圧Pbは、液圧Paの増大(或いは減少)に伴い直線的に増大(或いは減少)する。本実施形態では、Paoは、弁機構30aのコイルスプリング39a(後述する)の付勢力に相当する圧力を表す。
【0134】
また、本第2実施形態では、圧力センサSbは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaと同様に、圧電変換ユニット50及び安全機構60を有するが、当該圧力センサSbにおいては、安全機構60の配管60bが、上記第1実施形態とは異なり、図8にて示すごとく、開閉弁60aの左側にて、上記第1実施形態にて述べた上側ハウジング部材H2と一体的となるようにその上壁40に設けられている。
【0135】
このため、本第2実施形態にいう圧力センサSbにおいては、上壁40は、上記第1実施形態にて述べた流出孔部47に代えて、通路48を有しており、この通路48は、上壁40の左側部にその上面から下方に向け貫通状に形成されている。これに伴い、圧力センサSbでは、配管60bが、その基端部にて、通路48の上端開口部48a内に嵌着されて連通している。なお、当該配管60bの他端部は、図8にて示すごとく、開閉弁60aのケーシング61の周壁に設けた開孔部61dを介して空間部R2内に連通している。
【0136】
但し、安全機構60は、上述のような配管60bの上壁40に対する連通構成の変更に伴い、圧電変換ユニット50及び上壁40の他側通路部41bと共に、上記第1実施形態とは異なり、図8にて図示右側に位置している。これに伴い、一側通路部41aの全長も、上記第1実施形態とは異なり、図8にて示すごとく、短縮されている。
【0137】
また、センサ本体B1においては、通路35、T字状通路36及び弁機構30aが、上記第1実施形態にて述べた内側壁30の通路33及び通路34に代えて、図8にて示すごとく、内側壁30内に設けられている。
【0138】
通路35は、上壁40の他側通路部41bに対応する位置にて、内側壁30内にその上面から下方に向けて貫通状に延出するように形成されており、この通路35は、その基端開口部にて、Oリング43を介し、上壁40の他側通路部41b内にその下端開口部から連通している。また、当該通路35は、その延出端開口部にて、内側壁30の凹所32の右側部内に連通している。これにより、通路35は、空圧室R1の内部を、上壁40の他側通路部41b、凹部46及び一側通路部41a並びにオリフィス41dを介し開口端部41cから外部に連通させる。
【0139】
T字状通路36は、弁機構30aとともに、図8にて示すごとく、通路35の左側において、内側壁30内に設けられており、T字状通路36は、通路部36a及び通路部36bによって、T字状に形成されている。
【0140】
通路部36aは、図8にて示すごとく、内側壁30内にてその左側面から当該内側壁30の上面に平行に右方に向けて延出して形成されており、この通路部36aは、その延出端開口部にて、弁機構30aの段付き孔部37(後述する)内に連通している。
【0141】
通路部36bは、図8にて示すごとく、内側壁30内にその上面から通路部36aの長手方向中間部位に向けて延出するように形成されており、この通路部36bは、その基端開口部にて、Oリング48bを介し、上壁40の通路48の延出端開口部内に連通している。また、当該通路部36bの延出端開口部は、通路部36aの上記長手方向中間部位内に連通している。
【0142】
これにより、T字状通路36では、通路部36aが、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aから圧送される空気を、弁機構30aの段付き孔部37内に流入させる。また、通路部36bは、通路部36a内に流入する空気を、当該通路部36aの長手方向中間部位にて、分流させて上壁40の通路48及び安全機構60の配管60bを介し開閉弁60aの空間部R2内に流入させる。なお、Oリング48bは、上壁40の下面のうち通路48の延出端開口部の外周部に形成した円環状溝部48c内に嵌装されて、通路48及び通路部36bの各内部を内側壁30及び上壁40の境界面から気密的にシールする。
【0143】
弁機構30aは、図8にて示すごとく、段付き孔部37と、支持柱38と、ロッド39と、コイルスプリング39aとによって構成されている。
【0144】
段付き孔部37は、通路部36aと通路35との間にて、上記第1実施形態にて述べた内側壁30の凹所32の中央部に対応するように、内側壁30にその上面から下方に向け貫通状に延出して形成されている。
【0145】
この段付き孔部37は、互い同軸的に形成した小径内孔部37a及び大径内孔部37cを備えている。小径内孔部37aは、凹所32の中央部内に連通しており、大径内孔部37cは、その左側開口部37bにて、通路部36a内にその延出端開口部から連通している。なお、左側開口部37bは、大径内孔部37cの内周面のうち左側中間部位にて、支持柱38の小径筒部38b(後述する)の外周面に対し交差する方向に形成されている。
【0146】
支持柱38は、その大径基端部38aにて、段付き孔部37の大径孔部37c内にOリング37dを介し気密的に嵌着されており、当該支持柱38の小径筒部38bは、大径基端部38aの下端部から下方に向けて段付き孔部37と同軸的に延出している。
【0147】
ロッド39は、図8にて示すごとく、ロッド本体39b及び円板状鍔部39cでもって、縦断面十字状に形成されている。当該ロッド39において、ロッド本体39bが、その上側ロッド部にて、支持柱38の小径筒部38b内にその下方から摺動可能に嵌装されており、このロッド本体39bの下側ロッド部は、段付き孔部37の小径内孔部37a内に挿通されて、上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dの窪み部25eに着座可能に対向している。これに伴い、矩形板状鍔部39cは、小径内孔部37aに形成した円環状隆起部a(図8参照)上に着座し得るようになっている。
【0148】
ここで、小径内孔部37aの内径は、ロッド本体39bの下側ロッド部の軸方向中間部位の外径よりも大きい。また、小径内孔部37aの円環状隆起部aは、小径内孔部37aの上端部から上方へ円環状に隆起して形成されている。
【0149】
コイルスプリング39aは、段付き孔部37内において、支持柱38の小径筒部38bにその外周側から同軸的に嵌装されており、このコイルスプリング39aは、その両端部にて、支持柱38の大径基端部38aと、ロッド39の鍔部39cとの間に挟持されている。
【0150】
これにより、当該コイルスプリング39aは、ロッド39を鍔部39cにて下方に向けて付勢して、ロッド本体39bの下側ロッド部を上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dの窪み部25e内に係合させる。このことは、上側ダイヤフラム25が、リフトストップ部25dにて、内側壁30の凹所32の内面から下方へ解離する方向に、コイルスプリング39aにより付勢されることを意味する。
【0151】
このように構成した弁機構30aにおいて、ロッド39が、図8にて示すごとく、コイルスプリング39aの付勢力のもとに、鍔部39cにて、小径内孔部37aの円環状隆起部a上に着座しているとき、空圧室R1の内部は、弁機構30aにより通路部36aから遮断されている。また、ロッド39が、コイルスプリング39aの付勢力に抗し上方へ摺動して、鍔部39cにて隆起部aから解離すると、通路部36aから弁機構30aに流入する空気は、鍔部39cと段付き孔部37の小径内孔部37aとの間から当該小径内孔部37aの中空部及びリフトストップ部25dの溝部25fを通り空圧室R1内に流入する。
【0152】
この空気の流入量は、鍔部39cと円環状隆起部aとの間の間隔に応じて決まる。このことは、鍔部39c及び円環状隆起部aが、弁機構30aの弁部を構成することを意味する。本実施形態では、弁機構30aの弁部の開度が、ダイヤフラム25の変位量に応じて変化することから、弁機構30aの弁部は、以下、ダイヤフラム弁Vbともいう。なお、リフトストップ部25dの溝部25fは、弁機構30aから空圧室R1内に流入する空気に対し絞りとならない程度の横断面積を有するように形成されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0153】
以上のように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、開閉弁60aは、図8にて示すごとく、閉弁状態にある。また、弁機構30aの弁部、即ち、ダイヤフラム弁Vbも閉弁状態にあるため、空圧室R1は、T字状通路36の通路部36aから弁機構30aにより遮断されている。このとき、上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dは、その溝部25fにて、内側壁30の凹所32の内面から下方へ解離した状態にある。また、空圧室R1内の空圧Pbは、Pb=0の状態にある(図10の直線特性2参照)。
【0154】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、上側ハウジング部材H2の内側壁30のT字状通路36の通路部36a内に流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り下側ハウジング部材H1の内側壁20の流入側ボス20b内に流入する。
【0155】
現段階では、上述のごとく、空圧室R1がT字状通路36の通路部36aから遮断されている。従って、通路部36a内に流入した空気は、通路部36b、上壁40の通路48及び配管60bを通り開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。これに伴い、空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、開閉弁60aが開弁する。これにより、上壁40の連通路41が、その他側通路部41bにて、凹部46を介し一側通路部41a内に連通する。
【0156】
一方、圧力センサSbの内側壁20の流入側ボス20b内に流入する薬液は、流入通路部23aを通り液圧室L1内にて下側ダイヤフラム22の下面に沿い流動して、流出通路部23b及び流出側ボス20c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。これに伴い、薬液の圧力が液圧Paとして下側ダイヤフラム22の下面に作用する。
【0157】
しかして、上述のように、空圧室R1内の空圧Pbが上側ダイヤフラム25の上面に作用するとともに、液圧室L1内の液圧Paが下側ダイヤフラム22の下面に作用すると、下側ダイヤフラム22は、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム25の厚膜部25aとの間で互いに向かい合う方向に押し合うこととなる。このとき、空圧Pb>0となり、液圧Pa≧Paoとなる(図10の直線特性2参照)。
【0158】
このような状態において、液圧Paが増大すると、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、液圧Paにより上方に押動される。これに伴い、上側ダイヤフラム25が、その厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより上方へ押動されて変位する。このため、弁機構30aの弁部、即ち、ダイヤフラム弁Vbの開度が、当該ダイヤフラム弁Vbの閉弁状態から、上側ダイヤフラム25の上方への変位量に応じて増大する。
【0159】
すると、上述のようにT字状通路36の通路部36a内に流入する空気は、弁機構30aの段付き孔部37内に流入した後、段付き孔部37の内周面とロッド39のロッド本体39bの上側ロッド部及び鍔部39cとの間を通り、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入し、さらに、段付き孔部37の小径内孔部37aの中空部を通り空圧室R1内に流入する。そして、このように空圧室R1内に流入する空気は、内側壁30の通路35及び上壁40の他側通路部41bを通り一側通路部41a内に流入し、さらにオリフィス41d内にその絞り作用のもとに流入して、開口端部41cから外部へ流出する。
【0160】
このような段階においては、上述のようにダイヤフラム弁Vbの開度が上側ダイヤフラム25の上方への変位量に応じて増大するため、空圧室R1内の空圧Pbは、オリフィス41dの絞り作用のもとに、直線的に増大する。このことは、空圧室R1内の空圧Pbが、液圧室L1内の液圧Pa(≧Pao)の増大に伴い直線的に増大することを意味する(図10の直線特性2参照)。
【0161】
そして、このような空圧Pbの増大は、オリフィス41dの絞り作用のもとに、内側壁30の通路35、上壁40の他側通路部41b、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0162】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の増大に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0163】
このような状態において、液圧室L1内の液圧Paが減少すると、上側ダイヤフラム25が、その厚膜部25aにて、空圧室R1内の空圧Pbにより下方に押動されて変位する。これに伴い、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム25の厚膜部25aにより下方へ押動されて変位する。
【0164】
ここで、上述のように上側ダイヤフラム25が下方へ変位すると、弁機構30aのロッド39が、鍔部39cに対するコイルスプリング39aの付勢力のもとに、液圧Paの減少に応じて下方へ摺動する。これに伴い、ダイヤフラム弁Vbの開度が液圧Paの減少に応じて減少して、弁機構30aから空圧室R1内への空気の流入量を減少させる。このことは、空圧室R1内の空圧Pbが、液圧室L1内の液圧Paの減少に伴い直線的に減少することを意味する(図10の直線特性2参照)。
【0165】
すると、このような空圧Pbの減少は、内側壁30の通路35、上壁40の他側通路部41b、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り、オリフィス41dの絞り作用のもとに、中空部42内に伝わって、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0166】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の減少を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の減少に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0167】
以上によれば、本第2実施形態では、上述のごとく、液圧室L1及び空圧室R1が、上下両側ダイヤフラム25、22を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室L1内の液圧Pa及び空圧室R1内の空圧Pbが下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム25に対し互いに向き合うように作用する。
【0168】
そして、このような液圧Pa及び空圧Pbの作用のもとに、ダイヤフラム弁Vbの開度が、上述のように向き合う液圧Pa(≧Pao)及び空圧Pbの間の差に応じた両ダイヤフラム22、25の変位に伴い、調整されて、空圧Pbを、液圧Paに比例する空圧に調整する(図10参照)。従って、このように調整された空圧を空圧検出素子52による検出することで、液圧Paを精度よく検出することができる。また、このように検出した出力を信号処理回路53により上述のごとく信号処理することで、精度よく、信号処理することができる。
【0169】
また、本第2実施形態においては、上述のごとく、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム25、22、弁機構30a及び液圧室L1がハウジングH内に設けられ、一方、上述のように変換された空気の圧力を検出するための空圧検出素子52及びその信号処理回路53が、ハウジングH上に支持されている。
【0170】
これにより、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム25、22、弁機構30a及び液圧室L1が、空圧検出素子52及びその信号処理回路53と共にハウジングHに一体化され、かつ、空圧検出素子52が、信号処理回路53とともに、液圧室L1から空間的に離れた位置に支持されていることとなる。このことは、圧力センサSbをコンパクトな形状寸法に維持しつつ、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることを意味する。
【0171】
このように、本第2実施形態においても、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることから、空圧検出素子52や信号処理回路53の形成材料が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室L1内に流動する薬液の温度が異常な高温に上昇することがあっても、薬液の高温が空圧検出素子52や信号処理回路53に影響を与えることがない。その結果、上記第1実施形態と同様に、本第2実施形態においても、空圧検出素子52は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得るとともに、信号処理回路53は、上述した本来の信号処理機能を良好に維持しつつ、空圧検出素子52の検出出力に対する信号処理を精度よく行い得る。このことは、圧力センサSbが、上記第1実施形態とは異なり弁機構30aをも有していても、液圧を精度よく検出し得る耐温性の高いコンパクトな圧力センサとして提供され得ることを意味する。
また、本第2実施形態においては、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム25、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、空気層が、上側ダイヤフラム25と下側ダイヤフラム22との間に形成されて、下側ダイヤフラム22と共に、断熱層としての役割を果たす。従って、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と実質的に同様に、上側ダイヤフラム25が、液圧室L1内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を良好になし得ることで、液圧の検出精度を良好に維持することができる。
【0172】
また、本第2実施形態でも、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム25、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、下側ダイヤフラム22の下面は、液圧室L1の周壁面の一部を構成する。従って、薬液が流入通路部23aを通り液圧室L1内に流動しても、下側ダイヤフラム22の下面の下側に、薬液による液だまりが発生することがない。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、空圧室R1を、内側壁30のT字状通路36及び弁機構30aからなる空気供給源Aからの空気の流入系統と、内側壁30の通路35及び上壁40の通路41(オリフィス41dを含む)からなる排出系統との間に介装するとともに、開閉弁60aを、空圧室R1の後流側にて、上記排出系統中内に介装するように構成されている。
【0173】
このため、上述したような液圧Paの検出状態において、開閉弁60aの空間部R2の内部が、空気供給源Aからの空気の圧送の停止により当該空気から遮断されると、開閉弁60aは、そのピストン63により、上記第1実施形態と同様に、弁体部66を他側通路部41bの上記弁座部に着座させて、閉弁する。その結果、上記第1実施形態と同様に、空圧検出素子52や信号処理回路53が、薬液の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。なお、このようなピストン63の下動過程においては、空間部R2内の空気は、ピストン部63cにより、開閉弁60aのケーシング61の周壁に形成した貫通状小孔部(図示しない)を通して外部に排出される。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図11〜図14においては、本発明に係る流量検出装置Qaが、本発明の第3実施形態として、上記第1実施形態にて述べた半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された例を示している。この第3実施形態において、当該流量検出装置Qaは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、上記枚葉式処理系統に適用されてなるもので、この流量検出装置Qaは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaにおける薬液の液圧を空圧に変換する構成を、2組、利用して構成されている。
【0174】
当該流量検出装置Qaは、図11にて示すごとく、検出装置本体B2を備えている。この検出装置本体B2は、ハウジングJを有しており、このハウジングJは、下側ハウジング部材J1及び上側ハウジング部材J2により構成されている。
【0175】
下側ハウジング部材J1は、上記第1実施形態にて述べた下側ハウジング部材H1の台座10及び内側壁20にそれぞれ対応する台座100及び内側壁200を有しており、台座100は、図11、図12及び図14から分かるように、矩形板状に形成されている。本第2実施形態において、台座100は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって、形成されている。
【0176】
内側壁200は、図11にて示すように、矩形板状壁本体200aと、流入側筒状ボス200bと、流出側筒状ボス200cとにより構成されている。壁本体200aは、台座100の上面上に積層されており、この壁本体200aは、図11にて示すごとく、上下流両側大径穴部210a及び上下流両側小径穴部210bを有している。なお、本第3実施形態において、例えば、上下流両側大径穴部210aにおいて、「上下流」とは、下側ハウジング部材J1内の薬液の流れ方向における上下流をいう。このことは、後述する上下流両側ダイヤフラム220、上下流両側ダイヤフラム240、上下流両側封止部材210c、上下流両側液圧室L2、上下流両側凹所320或いは上下流両側空圧室R11においても同様である。
【0177】
各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bは、上流側ダイヤフラム220を介し、互いに同軸的に対向するように、壁本体200aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。また、各下流側の大径穴部210a及び小径穴部210bは、下流側ダイヤフラム220を介し、互いに同軸的に対向するように、各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの下流側にて、壁本体200aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。なお本第3実施形態において、内側壁200は、上記第1実施形態にて述べたPTFEでもって形成されている。
【0178】
本第3実施形態において、上下流両側ダイヤフラム220は、他の上下流両側ダイヤフラム240(後述する)に対し、それぞれ、下側に位置するもので、当該上下流両側ダイヤフラム220の各々は、上記第1実施形態にて述べた下側ダイヤフラム22の円板状厚膜部22a及び円環状可撓性薄膜部22bに対応する円板状厚膜部220a及び円環状可撓性薄膜部220bを有するように、当該下側ダイヤフラム22と同様に形成されている。なお、当該上下流両側ダイヤフラム220は、上述のごとく、上下流両側大径穴部210a及び上下流両側小径穴部210bを壁本体200a内に形成する際に、当該壁本体200aと一体に形成されている。
【0179】
また、当該壁本体200aは、上記第1実施形態にて述べた封止部材21cに対応する円柱台状の上下流両側封止部材210cを有しており、これら上下流両側封止部材210cは、それぞれ、壁本体200aの下方から上下流両側小径穴部210b内に圧入により嵌着されている。これにより、これら上下流両側封止部材210cと上下流両側ダイヤフラム220との間には、横断面円形状の上下流両側液圧室L2が、各対応の封止部材210cによる封止のもとに気密的に形成されている。
【0180】
また、当該壁本体200aは、図11にて示すごとく、流入通路部230a、絞り通路230b及び流出通路部230cを有しており、流入通路部230a及び絞り通路230bは、上流側液圧室L2を介し互いに対向するように壁本体200a内に形成されている。これにより、流入通路部230aは、その内部にて上流側液圧室L2の内部を通り絞り通路230bの内部に連通している。
【0181】
絞り通路230cは、絞り部231を有しており、この絞り部231は、所定の絞り度合いを有するように絞り通路230c内に形成されている。また、流出通路部230cは、下流側液圧室L2を介し絞り通路230bに対向するように壁本体200a内に形成されており、この流出通路部230cは、その内部にて、下流側液圧室L2の内部を通り絞り通路230bの内部に連通している。
【0182】
流入側筒状ボス200b及び流出側筒状ボス200cは、壁本体200aの外周面から互いに対向して逆方向に突出するように形成されている。流入側筒状ボス200bは、上記薬液供給源から延出する配管P1(図1参照)に接続されており、この流入側筒状ボス200bは、その中空部にて、壁本体200aの流入通路部230aの内部に連通している。これにより、当該流入側ボス200bは、上記薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部230aを介し上流側液圧室L2内に流動させる。なお、上流側液圧室L2内における薬液の液圧は、上流側ダイヤフラム220の下面に上方に向けて作用する。
【0183】
一方、流出側筒状ボス200cは、上記処理カップ(図示しない)から延出する配管P2(図1参照)に接続されており、この流出側筒状ボス200cは、絞り通路230bから下流側液圧室L2を通り流出通路部230c内に流動する薬液を、上記処理カップから延出する配管P2内に流動させる。なお、下流側液圧室L2内における薬液の液圧は、下流側ダイヤフラム220の下面に上方に向けて作用する。
【0184】
また、下側ハウジング部材J1は、図11にて示すごとく、上下流両側ダイヤフラム240を有しており、当該上下流両側ダイヤフラム240は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24の厚膜部24a、可撓性薄膜部24b、フランジ部24c及び弁体部24dにそれぞれ対応する円板状厚膜部240a、円環状可撓性薄膜部240b、円環状フランジ部240c及び円錐状弁体部240dを有するように、当該上側ダイヤフラム24と同様に形成されている。
【0185】
このように形成した上下流両側ダイヤフラム240は、それぞれ、内側壁200の上下流両側大径穴部210a内に収容されており、上流側ダイヤフラム240は、フランジ部240cにて、各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの間の円環状境界段部上に上流側Oリング310(後述する)を介し内側壁300により気密的に挟持されている。これにより、上流側ダイヤフラム240は、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220a上に着座している。
【0186】
しかして、上流側ダイヤフラム240は、その薄膜部240bの下方への撓みにより、厚膜部240aにて、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220aにより押動されて薄膜部240bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0187】
また、下流側ダイヤフラム240は、フランジ部240cにて、各下流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの間の円環状境界段部上に下流側Oリング310(後述する)を介し内側壁300により気密的に挟持されている。これにより、下流側ダイヤフラム240は、厚膜部240aにて、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220a上に着座している。
【0188】
しかして、下流側ダイヤフラム240は、その薄膜部240bの下方への撓みにより、厚膜部240aにて、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220aにより押動されて薄膜部240bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0189】
上側ハウジング部材J2は、上記第1実施形態にて述べた下側ハウジング部材H1の内側壁30及び上壁40にそれぞれ対応する内側壁300及び上壁400によって構成されている。本第3実施形態では、内側壁300及び上壁400は、上記第1実施形態にて述べたPTFEでもって形成されている。
【0190】
内側壁300は、図11にて示すごとく、その下面にて、上下流両側Oリング310を介して内側壁200の上面上に気密的に積層されている。ここで、上下流両側Oリング310の各々は、上下流両側ダイヤフラム240の各フランジ部240cを、上下流両側大径穴部210a間の上記円環状境界段部との間にて挟持するように、内側壁300の円環状の各溝部310a内に嵌着されている。なお、各溝部310aは、内側壁300の下面のうち上下流両側大径穴部210a間の上記円環状境界段部に対する対向部位に形成されている。
【0191】
また、当該内側壁300は、上下流両側凹所320を有しており、これら上下流両側凹所320は、それぞれ、各溝部310aの内周側にて、内側壁300にその下面側から上方に向け凹状に形成されている。これにより、当該上下流両側凹所320は、それぞれ、その各内部にて、内側壁200の上下流両側大径穴部210aに上方から同軸的に対向して、上下流両側ダイヤフラム240の各上面との間に上下流両側室R11(以下、上下流両側空圧室R11ともいう)を形成する。
【0192】
また、当該上下流両側凹所320は、それぞれ、環状部320aを設けてなり、これら環状部320aは、それぞれ、弁座部320aとして、上下流両側ダイヤフラム240の各円錐状弁体部240dに同軸的に対向するように、上下流両側凹所320の各内面中央部から下方に向け突出形成されている。これにより、各弁座部320aは、それぞれ、その下方から各弁体部240dにより着座されるようになっている。以下、上下流両側凹所320において、各対応の弁体部240d及び弁座部320aが構成する各弁は上下流両側ダイヤフラム弁Va(図11参照)という。
【0193】
本第3実施形態において、上流側ダイヤフラム弁Vaの開度と上流側の各ダイヤフラム220、240の変位との関係及び下流側ダイヤフラム弁Vbの開度と下流側の各ダイヤフラム220、240の変位との関係は、ともに、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム弁Vaの開度と上下両側ダイヤフラム24、22の変位との関係と同様である。
【0194】
また、上流側ダイヤフラム220に作用する液圧Pa(上流側液圧室L2内の薬液の液圧)と上流側ダイヤフラム240に作用する上流側空圧室R11内の空圧Pbとの間の関係及び下流側ダイヤフラム220に作用する液圧Pa(下流側液圧室L2内の薬液の液圧)と下流側ダイヤフラム240に作用する下流側空圧室R11内の空圧Pbとの間の関係は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた直線特性1(図7参照)により特定される。
【0195】
また、当該内側壁300は、図11或いは図14から分かるように、上下流両側通路330(図14では、下流側通路330のみを示す)及び通路340を有している。上下流両側通路330は、それぞれ、図14にて例示するごとく、上壁400を後述のごとく通り流れる空気を、両空圧室R11内に流入させるように、内側壁300内にてその板厚方向に形成されている。ここで、上下流両側空圧室R11内に生ずる各空圧は、上下流両側ダイヤフラム240の各上面に下方に向けて作用する。
【0196】
また、通路340は、図11にて示すごとく、上下流両側通路部341及び共通通路部342を一体的に有するように、内側壁300内に形成されている。しかして、上流側通路部341は、上流側凹所320の環状部320aを開口部320aとして、上流側空圧室R11の内部を共通通路部342を通し内側壁300の外部に連通させるとともに、下流側通路部341は、下流側凹所320の環状部320aを開口部320aとして、下流側空圧室R11の内部を共通通路部342を通し内側壁300の外部に連通させる。これにより、上下流両側ダイヤフラム240が、それぞれ、各弁体部240dにて、上下流両側凹所320の各環状部320aから解離しているとき、共通通路部342は、各環状部320aを介して、上下流両側空圧室R11の各内部を内側壁30の外部に開放する。
【0197】
上壁400は、上下流両側通路410(図14では下流側通路410のみを示す)及び共通通路420を有しており、上下流両側通路410は、図14にて例示するごとく、それぞれ、一側通路部410a及び他側通路部410bでもって、上壁400内にて、L字状に形成されている。
【0198】
当該上下流両側通路410において、各一側通路部410aは、上壁400内にてその上下両面に平行となるように互いに間隔をおいて形成されている。当該各一側通路部410aは、その一側端部にて、共通通路420の長手方向中間部位内に連通しており、これら各一側通路部410aの他側端部にて、上下流両側凹部440(後述する)内に連通している。
【0199】
共通通路420は、図12、図13或いは図14から明らかなごとく、上下流両側圧電変換ユニット50に沿い、その上下流両側開閉弁60aとは反対側(図13では、図示上側)にて、上壁400内に形成されており、この共通通路420は、その開口端部421にて、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aの空気の供給口部に接続されている(図12及び図13参照)。これにより、当該共通通路420は、その開口端部421を介し、空気供給源Aから空気を圧送されて、上下流両側通路410の各一側通路部410a内に流入させる。
【0200】
上下流両側通路410の各他側通路部410bは、図14にて例示するごとく、それぞれ、上下流両側通路410の各一側通路部410aの延出端部から下方に向けL状に屈曲して延出するように上壁400内にて形成されており、当該各他側通路部410bは、その延出端開口部にて、それぞれ、内側壁300の上下流両側通路330を介し上下流両側空圧室R11内に連通している。これにより、各他側通路部410bは、それぞれ、上下流両側通路330を介し各対応の一側通路部410a内の空気を上下流両側空圧室R11内に流入させる。
【0201】
また、上下流両側通路410は、図13或いは図14から分かるように、それぞれ、オリフィス412を有しており、これら両オリフィス412は、それぞれ、各一側通路部410a内にて共通通路420(後述する)の中間部位近傍部位に設けられている。なお、各オリフィス412は、それぞれ、主として、後述のごとく、各圧電変換ユニット50(後述する)の受圧面に作用させる空圧を形成する役割を果たす。
【0202】
また、上壁400は、図14にて例示するごとく、上下流両側中空部430を有しており、これら上下流両側中空部430は、それぞれ、上壁400にその上面側から横断面円形状にて下方に向け、互いに間隔をおいて凹状に形成されている。当該上下流両側中空部430は、それぞれ、その各底部のうち各対応の一側通路部410aの延出方向中間部位に対する対応部にて、帯状連通孔部413(図14では一方の帯状連通孔部413のみを示す)を形成してなり、これら帯状連通孔部413は、各対応の一側通路部410aの上記延出方向中間部位内に帯状に連通する。これにより、各一側通路部410a内にて流動する空気は、各対応の帯状連通孔部413から各対応の中空部430内にも流動する。
【0203】
本第3実施形態において、図11にて、各符号414はそれぞれOリングを示しており、これら各Oリング414は、上壁400の各円環状溝部414a内に嵌着されて、各対応の他側通路部410bを内側壁300及び上壁400の境界面から気密的にシールする。なお、各溝部414aは、上壁400の下面のうち各対応の他側通路部410bの流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0204】
また、当該検出装置本体B2においては、上記第1実施形態にて述べた圧電変換ユニット50が、2つ、上下流両側圧電変換ユニット50として採用され、安全機構600が、上記第1実施形態にて述べた安全機構60に代えて、採用され、かつ、空圧−流量変換回路543が採用されている。これら上下流両側圧電変換ユニット50、安全機構600及び空圧−流量変換回路543は、検出装置本体B2の上壁400上に設けられて、四角箱状蓋体C2内に収容されている。ここで、蓋体C2は、その下端開口部にて、上壁400の上面に装着されている。なお、蓋体C2は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0205】
上下流両側圧電変換ユニット50は、図14にて例示するごとく、それぞれ、その各筒体51の開口部51aにて、上壁400の上下流両側中空部430の各々を上方から覆うようにして、当該上壁400の上面に装着されている。
【0206】
また、上下流両側圧電変換ユニット50において、各空圧検出素子52は、その外周部にて、円環状部51bにより、その上側内面にて、各Oリング431を介して、上壁400の上面のうち上下流両側中空部430の各外周部上に押圧されている。なお、各Oリング431は、上壁400の上面のうち各中空部430の近傍外周面部に沿い円環状に形成した各溝部432内に嵌装されており、当該各Oリング431は、各対応の空圧検出素子52の下面外周部と上壁400の上面のうち各対応中空部42の近傍外周面部との間に気密的に挟持されている。
【0207】
上下流両側圧電変換ユニット50において、各信号処理回路53は、各対応の空圧検出素子52からの電気信号を信号処理して、各対応中空部430内の空圧に比例する出力信号を発生して各リード線541を通して出力する。なお、各リード線541は、各対応の筒体51の上壁の一部に嵌着したゴムブッシュ542(図14では一方のゴムブッシュ542のみを示す)を通り延出している。
【0208】
空圧−流量変換回路543は、図14にて示すごとく、蓋体C2内にて支持されており、この空圧−流量変換回路543は、各信号処理回路53からの電気信号により表される上下流両側空圧室R11の各空圧に基づき当該各空圧の差を薬液の流量に変換して、蓋体C2の側壁の一部に嵌着したグロメット543を通りその外部に延出するリード線から外部回路に出力する。なお、薬液の流量は、上述した薬液の液圧の差の平方根に比例する。
【0209】
安全機構600は、図11、図13及び図14のいずれかにて示すごとく、上記第1実施形態にて述べた開閉弁60aを、2つ、上下流側開閉弁60aとして備えており、これら上下流側開閉弁60aは、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50に対応する位置にて、上壁400の上面上に配設されている。
【0210】
当該安全機構600において、上下流両側開閉弁60aは、図11或いは図14にて例示するごとく、それぞれ、上下流両側通路410内に介装されており、これら上下流両側開閉弁60aは、その各ピストン63の各先端部63eにて、それぞれ、上壁400の上下流両側凹部440(図11参照)内に延出している。
【0211】
本第3実施形態において、上下流両側凹部440は、それぞれ、上壁400のうち上下流両側開閉弁60aの各蓋体62に対する各対応部位から上下流両側通路410の各対応の一側及び他側の通路部410a、410bのL字状連結部にかけて凹状に形成されており、これら上下流両側凹部440は、それぞれ、その各底部側にて、各対応の一側及び他側の通路部410a、410b内にその各対応のL字状連結部内への各開口端部から連通している。
【0212】
また、当該安全機構600は、図13にて示すごとく、T字状配管610を有しており、この配管610においては、配管部611が、その両端側開口部にて、上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に連通している。また、配管部612は、その一端側開口部にて、配管部611の長手方向中央部位内に連通しており、当該配管部612の他側開口部は、共通通路420の長手方向中間部位内に連通している。これにより、配管600は、空気供給源Aから共通通路420内に圧送される空気を、配管部612内に導入して配管部611を通して上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入させる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0213】
以上のように構成した本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、上下流両側開閉弁60aは、図11にて示すごとく、ともに、閉弁状態にある。
【0214】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、図13及び図14から明らかなように、上壁400の共通通路420内に流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り内側壁200の流入側ボス部200b内に流入する。
【0215】
現段階では、上下流両側開閉弁60aは上述のごとく閉弁状態にあるため、上述のように共通通路420内に流入する空気は、T字状配管610の配管部612及び配管部611を通り上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入する。
【0216】
然る後、各空間部R2内の空圧が、上記第1実施形態にて述べた所定圧よりも増大すると、上下流両側開閉弁60aが開弁する。これに伴い、共通通路420内に流入する空気が、上下流両側通路410の各一側通路部410a内に各オリフィス412を通り流入する(図14参照)。このように各一側通路部410a内にする空気は、上下流両側開閉弁60aの開弁状態にて、上壁400の上下流両側凹部440及び各他側通路部410b並びに内側壁300の上下流両側通路330を通り上下流両側空圧室R11内に流入する。このため、各空圧が、上下流両側ダイヤフラム弁Vaの各閉弁状態にて、各空圧室R11内に発生して上下流両側ダイヤフラム240の上面に作用する。なお、以下、上流側空圧室R11内に生ずる空圧は、空圧Pbcといい、下流側空圧室R11内に生ずる空圧は、空圧Pbdという。
【0217】
一方、上述のように吐出される薬液は、上下流両側ダイヤフラム弁Vaの各閉弁状態にて、上記薬液供給源から配管P1、ハウジングJの流入側ボス200b、流入通路部230a、上流側液圧室L2、絞り通路230b、下流側液圧室L2、流出通路部230c及び流出側ボス200c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0218】
このような過程においては、上流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧が上流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用するとともに、下流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧が下流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用する。ここで、上流側液圧室L2からの薬液は、絞り通路230bによりその絞り部231により絞られて、下流側液圧室L2内に流入する。このため、絞り通路230bの絞り部231の上下流両側にて薬液の圧力に差圧(以下、液圧差ΔPともいう)が発生する。以下、上流側液圧室L2内における液圧は、液圧Pacといい、下流側液圧室L2内における液圧は、液圧Padという。また、絞り通路230bの絞り度合いは一定であるため、液圧Padは液圧Pacに比例する。
【0219】
しかして、上述のような液圧差ΔPのもと、上下流両側ダイヤフラム弁Vaは、それぞれ、液圧Pacと空圧Pbcとの差圧に対応する開度及び液圧Padと空圧Pbdとの差圧に対応する開度にて、上下流両側空圧室R11内の空気を通路340の上下流両側通路部341及び共通通路部342を通して外部に排出する(図11参照)。
【0220】
このような状態において、上流側液圧室L2内の液圧Pacが増大或いは減少すると、下流側液圧室L2内の液圧Padも、絞り通路230bによる絞り度合いのもとに、液圧Pacの増大に比例して増大或いは減少する。
【0221】
しかして、上述のように両液圧Pac、Padが増大すると、上下流両側の各両ダイヤフラム220、240が、その各厚膜部220a、240aにて、上方へ変位する。これに伴い、上下流両側ダイヤフラム弁Vaが、その各開度を減少させて各空圧室R11内の空圧Pbc、Pbdを直線的に増大或いは減少させる(図7の直線特性1参照)。
【0222】
すると、このような両空圧Pbc、Pbdの各増大或いは各減少は、それぞれ、各対応のオリフィス412の絞り作用のもとに、内側壁300の各対応の通路330、上壁400の各対応の他側通路部410b、各凹部440、各一側通路部410a及びその帯状開口部413を通り、各対応の中空部430内に伝わり、各対応の空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0223】
このため、各空圧検出素子52は、それぞれ、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生し各対応の信号処理回路53に出力する。これに伴い、各信号処理回路53は、それぞれ、当該各電気信号を信号処理して、各中空部430内の空圧の増大に比例する出力信号を発生し、空圧−流量変換回路543が、各信号処理回路53の出力信号に基づき上記薬液の流量を表す出力を発生する。
【0224】
以上説明したように、本第3実施形態では、上述したごとく、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaにおいて薬液の液圧を空圧に変換する液圧−空圧変換構成が2組採用されている。そして、このような2組の液圧−空圧変換構成のもと、薬液が上流側液圧室L2から絞り通路230bを通り下流側液圧室L2内に流動する通路構成が採用されている。これにより、このような通路構成では、当該薬液の液圧が、上流側液圧室L2内にて発生し、絞り通路230bによる絞り作用のもとに、下流側液圧室L2内にて減少し、絞り通路230bの上下流間において差圧を生ずる。
【0225】
このような絞り通路230bの上下流間における差圧のもと、上流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する上流側液圧室L2及び上流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、上流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、上流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、上流側ダイヤフラム弁Vaの開度が変動して上流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0226】
一方、下流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する下流側液圧室L2及び下流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、下流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、下流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、下流側ダイヤフラム弁Vaの開度が変動して下流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0227】
そして、上述のように変動する上下流両側空圧室R11内の各空圧は、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50の各々において上下流両側液圧室L2内の各薬液の液圧に比例するレベルの出力に変換され、かつこれら各出力が、これに比例する薬液の流量に空圧−流量変換回路543によって変換される。
【0228】
ここで、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaは、上述のごとく、精度よく薬液の液圧を検出し得る。従って、本第3実施形態の流量検出装置において、当該圧力センサSaの液圧−空圧変換構成を利用することで、薬液の流量が精度よく検出され得る。
(第4実施形態)
図15及び図16は、本発明に係る流量検出装置Qbが、本発明の第4実施形態として、上記第2実施形態にて述べた半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された例を示している。この第4実施形態において、その流量検出装置は、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbに代えて、上記枚葉式処理系統に適用されてなるもので、この流量検出装置は、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbにおける薬液の液圧を空圧に変換する構成を、2組、利用して構成されている。
【0229】
当該流量検出装置Qbは、図15にて示すごとく、検出装置本体B3を備えている。この検出装置本体B3は、上記第3実施形態にて述べた上下流両側ダイヤフラム240(図11参照)に代えて、上下流両側ダイヤフラム250を備えており、当該上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、円板状厚膜部250a、円環状可撓性薄膜部250b、円環状フランジ部250c及びリフトストップ部25dでもって構成されている。ここで、上下流両側ダイヤフラム250の各々の厚膜部250a、薄膜部250b、円環状フランジ部250cは、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25の厚膜部25a、薄膜部25b及びフランジ部25cと同様に、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。なお、本第4実施形態において、リフトストップ部25dとしたのは、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dを、2つ採用して上下流両側ダイヤフラム250の各リフトストップ部としたためである。
【0230】
上下流両側ダイヤフラム250の各々のリフトストップ部25dは、図15にて示すごとく、その下部にて、厚膜部250aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されている。
【0231】
しかして、このように構成した上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25と同様に、内側壁200の上下流両側大径穴部210a内に収容されており、これら上下流両側ダイヤフラム250は、上側ダイヤフラム25と同様に、それぞれ、フランジ部250cにて、上下流両側大径穴部210aの上記各底壁外周部上に着座している。
【0232】
これにより、上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、その薄膜部250bの下方への撓みにより、厚膜部250aにて、上下流両側ダイヤフラム220の各厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、各厚膜部220aにより押動されて薄膜部250bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0233】
また、本第4実施形態では、安全機構600が、上下流両側圧電変換ユニット50とともに、上記第3実施形態にて述べた蓋体C2内に収容されているが、当該安全機構600においては、上下流両側配管620が、上記第3実施形態にて述べたT字状配管610に代えて、上記第3実施形態にて述べたハウジング部材J2の上壁400に設けられている。
【0234】
上下流両側配管620は、それぞれ、図15或いは図17にて示すごとく、上下流両側開閉弁60aの各々の図示右側に配設されており、上流側配管620は、図15或いは図17にて示すごとく、その基端開口部にて、上壁400の上流側通路450(後述する)内にその上端開口部から連通している。また、当該上流側配管620は、その基端開口部から上流側開閉弁60aに向けて延出しており、この上流側配管620は、その延出開口端部にて、上流側開閉弁60aの空間部R2内に四角筒状ケーシング61の開孔部61dを介し連通している。
【0235】
一方、下流側配管620は、図15或いは図17にて示すごとく、その基端開口部にて、上壁400の下流側通路450(後述する)内にその上端開口部から連通している。また、当該下流側配管620は、その基端開口部から下流側開閉弁60aに向けて延出しており、この下流側配管620は、その延出開口端部にて、下流側開閉弁60aの空間部R2内に四角筒状ケーシング61の開孔部61dを介し連通している。
【0236】
また、本第3実施形態では、上述のような配管620の上壁40に対する連通構成に伴い、上下流両側通路450が、図15にて示すごとく、それぞれ、上下流両側凹部440の各々の右側にて、上壁400にその厚さ方向に向け貫通状に形成されている。なお、図15にて、各符号451は、それぞれ、Oリングを示しており、これらOリング451は、それぞれ、上壁400の各円環状溝部451a内に嵌着されて、各対応の通路450を内側壁300及び上壁400の境界面から気密的にシールする。なお、各溝部451aは、上壁400の下面のうち各対応の通路450の流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0237】
また、本第4実施形態においては、上下流両側T字状通路350、上下流両側通路360及び上下流両側弁機構30aが、図15及び図17にて示すごとく、上記第3実施形態にて述べた上下流両側通路330及び上下流両側L字状通路340(図11及び図14参照)に代えて、内側壁300内に形成されている。なお、本第4実施形態において、上下流両側弁機構30aとしたのは、上上記第2実施形態にて述べた弁機構30a(図8参照)を、2つ採用して、上下流両側弁機構30aとしたためである。
【0238】
上下流両側T字状通路350のうち、上流側T字状通路350は、上下流両側弁機構30aの間にて内側壁300内に形成されており、この上流側T字状通路350は、通路部350a及び通路部350bにより構成されている。当該流側T字状通路350の通路部350aは、その流出端開口部にて、上流側弁機構30aの段付き孔部37内にその右側開口部37e(後述する)を介し連通しており、当該通路部350aの流入端開口部は、下流側弁機構30aの段付き孔部37内にその左側開口部37f(後述する)を介し連通している。また、当該上流側T字状通路350の通路部350bは、その流入端部にて、上流側T字状通路350の通路部350aの長手方向中間部位内に連通しており、この通路部350bの流出端開口部は、上壁400の上流側通路450を通り上流側配管620内に連通している。
【0239】
一方、下流側T字状通路350は、図15にて示すごとく、下流側弁機構30aの右側にて、内側壁300内に形成されており、この下流側T字状通路350は、上流側T字状通路350と同様に、通路部350a及び通路部350bにより構成されている。ここで、下流側T字状通路350の通路部350aの流入端開口部351には、上記第3実施形態とは異なり、空気供給源Aがその供給口部にて接続されている。また、下流側T字状通路350の通路部350bは、下流側T字状通路350の通路部350aの長手方向中間部位の内部を上壁400の下流側通路450を通して安全機構600の下流側配管620内に連通する。
【0240】
また、検出装置本体B3は、上記第2実施形態にて述べた弁機構30aを、2つ、上下流両側弁機構30aとして備えている。上下流両側弁機構30aのうち、上流側弁機構30aは、図15にて示すごとく、上流側ダイヤフラム250と同軸的に位置するように、内側壁300内に設けられており、当該上流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち右側中間部位には、右側開口部37eが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。また、当該上流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、上流側ダイヤフラム250の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。
【0241】
一方、下流側弁機構30aは、下流側ダイヤフラム250と同軸的に位置するように、内側壁300内に形成されており、当該下流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち左右両側の各中間部位には、左右両側の各開口部37f、37eが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。これにより、上流側弁機構30aの段付き孔部37は、その右側開口部37eにて、上流側通路350の通路部350a、下流側弁機構30aの段付き孔部37の左側開口部37f、支持柱38の小径筒部38bの外周空所及び右側開口部37eを通り下流側通路350の通路部350a内に連通している。また、当該下流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、下流側ダイヤフラム250の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。その他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0242】
以上のように構成した本第4実施形態において、上記第2実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、上下流両側開閉弁60aは、図15にて示すごとく、ともに閉弁状態にある。また、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち各ダイヤフラム弁Vbは、閉弁状態にある。
【0243】
このような状態において、上記第3実施形態と同様に、空気供給源Aによる空気の圧送及び上記薬液供給源による薬液の吐出が開始されると、空気供給源Aからの空気は、上記第3実施形態とは異なり、図15にて示すように、内側壁300の下流側T字状通路350の通路部350a内にその流入端開口部351から流入するとともに、上記薬液供給源Aからの薬液は、配管P1を通り内側壁200の流入側ボス200b内に流入する。
【0244】
現段階では、上述のごとく、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち各ダイヤフラム弁Vbは、閉弁状態にあるため、上下流両側空圧室R11は、それぞれ、上下流両側のT字状通路350の各通路部350aから遮断されている。
【0245】
従って、上述のように下流側T字状通路350の通路部350a内に流入した空気は、当該下流側T字状通路350の通路部350b、上壁400の下流側通路450及び安全機構600の下流側配管620を通り下流側開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。また、このように上流側T字状通路350の通路部350a内に流入した空気は、上流側T字状通路350の通路部350b、上壁400の上流側通路450及び安全機構600の上流側配管620を通り上流側開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。
【0246】
しかして、上述のように、空気が、上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入すると、空圧が、当該各空間部R2内に発生して増大していく。そして、各空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、上下流両側開閉弁60aが、それぞれ、開弁する。これにより、上壁400の上下流両側通路410の各々において、その一側通路部410aが他側通路部410b内に上流側凹部440を介し連通する。
【0247】
一方、上述のように、内側壁200の流入側ボス200b内に流入する薬液は、上記第3実施形態と同様に、上流側液圧室L2、絞り通路230b、下流側液圧室L2、流出通路部230c及び流出側ボス200c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0248】
このような過程においては、上記第3実施形態と同様に、上流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧Pacが上流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用するとともに、下流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧Padが下流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用する。ここで、上流側液圧室L2からの薬液は、絞り通路230bによりその絞り部231により絞られるため、下流側液圧室L2内の薬液Padは上流側液圧室L2内の液圧Pacよりも減少する。これに伴い、液圧差ΔP(液圧Pacと液圧Padとの差)が、上記第3実施形態と同様に、絞り通路230bの絞り部231の上下流両側にて発生する。
【0249】
このような状態において、上流側液圧室L2内の液圧Pacが増大すると、下流側液圧室L2内の薬液Padも増大する。これに伴い、上下流両側ダイヤフラム250が、上下流両側ダイヤフラム220の撓みより、上方へ押動されて変位する。このため、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち、各ダイヤフラム弁Vbが、上下流両側ダイヤフラム250の上方への各変位に応じて開弁する。
【0250】
すると、上述のように内側壁300の下流側T字状通路350の通路部350a内にその流入端開口部351から流入する空気は、下流側弁機構30aの段付き孔部37内に右側開口部37eを通り流入するとともに、当該段付き孔部37の左側開口部37fから上流側T字状通路350の通路部350a内に流入して上流側弁機構30aの段付き孔部37内にその右側開口部37eから流入する。
【0251】
しかして、このように、空気が上下流両側弁機構30aの各段付き孔部37内に流入すると、上下流両側弁機構30aの各々毎に、段付き孔部37内に流入した空気は、上記第2実施形態と同様に、段付き孔部37の内周面とロッド39のロッド本体39bの上側ロッド部及び鍔部39cとの間を通り、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入し、さらに、段付き孔部37の小径内孔部37aの内部を通り空圧室R11内に流入する。そして、このように空圧室R11内に流入した空気は、上側上壁300の対応の通路360、対応の通路410の他側通路部410b、対応の凹部440及び対応の通路410の一側通路部410aを通り対応のオリフィス412により絞られて共通通路420内に流入してその開口端部421から外部に流出する(図16及び図17参照)。その後の作動は上記第3実施形態と同様である。
【0252】
以上説明したように、本第4実施形態では、上述したごとく、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbにおいて薬液の液圧を空圧に変換する液圧−空圧変換構成が2組採用されている。そして、このような2組の液圧−空圧変換構成のもと、薬液が上流側液圧室L2から絞り通路230bを通り下流側液圧室L2内に流動する通路構成が採用されている。
【0253】
これにより、このような通路構成では、当該薬液の液圧が、上流側液圧室L2内にて発生し、絞り通路230bによる絞り作用のもとに、下流側液圧室L2内にて減少し、絞り通路230bの上下流間において差圧を生ずる。
【0254】
このような絞り通路230bの上下流間における差圧のもと、上記第3実施形態と同様に、上流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する上流側液圧室L2及び上流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、上流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、上流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、上流側ダイヤフラム弁Vbの開度が変動して上流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0255】
一方、下流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する下流側液圧室L2及び下流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、下流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、下流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、下流側ダイヤフラム弁Vbの開度が変動して下流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0256】
そして、上述のように変動する上下流両側空圧室R11内の各空圧は、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50の各々において上下流両側液圧室L2内の各薬液の液圧に比例するレベルの出力に変換され、かつこれら各出力が、これに比例する薬液の流量に空圧−流量変換回路543によって変換される。
【0257】
ここで、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbは、上述のごとく、精度よく薬液の液圧を検出し得る。従って、本第4実施形態の流量検出装置において、当該圧力センサSbの液圧−空圧変換構成を利用することで、薬液の流量が精度よく検出され得る。
(第5実施形態)
図18は、本発明の第5実施形態の要部を示している。この第5実施形態では、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaのセンサ本体Bにおいて、単一のダイヤフラム26が、上下両側ダイヤフラム22、24に代えて採用されている。
【0258】
当該ダイヤフラム26は、円板状厚膜部26a、円環状可撓性薄膜部26b、円環状フランジ部26c及び円錐状弁体部26dを一体的に有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって、形成されている。
【0259】
このダイヤフラム26において、薄膜部26bは、厚膜部26aの外周下端部から外方に向け延出している。また、フランジ部26cは、薄膜部26bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部26cは、その内周面軸方向下端部位にて薄膜部26bの外周部と一体となっている。また、弁体部26dは、厚膜部26aの上面中央部から上方へ円錐状に突出形成されている。
【0260】
このように構成したダイヤフラム26は、下側ハウジング部材H1の内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、当該ダイヤフラム26は、フランジ部26cにて、大径穴部21aの底壁外周部上に着座している。これに伴い、ダイヤフラム26は、厚膜部26aにて、液圧室L1内に対向している。
【0261】
これにより、ダイヤフラム26は、その薄膜部26bの下方への撓みにより、厚膜部26aにて、液圧室L1側変位し、薄膜部26bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0262】
このように構成した本第5実施形態においては、単一のダイヤフラム26が、その両面側から、液圧室L1内の液圧及び空圧室R1内の空圧と共に直接受けることとなる。その結果、単一のダイヤフラム26の液圧の変動に対する感度を良好に確保することができる。なお、上述した液だまりを除き、上記第1実施形態にて述べた上下両側ダイヤフラム22、24と同様の機能を果たすことができる。
(第6実施形態)
図19は、本発明の第6実施形態の要部を示している。この第65実施形態では、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbのセンサ本体B2において、単一のダイヤフラム27が、上下両側ダイヤフラム22、25に代えて採用されている。
【0263】
当該ダイヤフラム27は、円板状厚膜部27a、円環状可撓性薄膜部27b、円環状フランジ部27c及び弁体部27dでもって構成されており、厚膜部27a、可撓性薄膜部27b及びフランジ部27cは、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。
【0264】
このダイヤフラム27において、薄膜部27bは、厚膜部27aの外周下端部から外方に向け延出している。また、フランジ部27cは、薄膜部27bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部27cは、その内周面軸方向下端部位にて薄膜部27bの外周部と一体となっている。また、弁体部27dは、上記第2実施形態にて述べた弁体部25dと同様の構成を有しており、この弁体部27dは、その下部にて、厚膜部27aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されている。
【0265】
しかして、このように構成したダイヤフラム27は、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25と同様に、下側ハウジング部材H1の内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、このダイヤフラム27は、フランジ部27cにて、大径穴部21aの上記底壁外周部上に着座している。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0266】
このように構成した本第6実施形態においては、単一のダイヤフラム27が、上記第2実施形態にて述べた上下両側ダイヤフラム22、25と同様の機能を果たすことで、上記第2実施形態と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
(第7実施形態)
図20は、本発明の第7実施形態を示している。この第7実施形態においては、圧力センサScが、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、採用されている。
【0267】
当該圧力センサScは、図20にて示すごとく、センサ本体B4を備えている。このセンサ本体B4は、例えば、PTFEからなるハウジング700を有しており、このハウジング700は、下側ハウジング部材710及び上側ハウジング部材720でもって構成されている。
【0268】
ここで、上側ハウジング部材720は、その開口部721にて、下側ハウジング部材710の開口部711に係合されて、ハウジング700を構成しており、このハウジング700内には、ダイヤフラム730(後述する)が組み付けられて当該ハウジング700の内部を、上記第1実施形態にて述べた空圧室R1及び液圧室L1に区画形成している。
【0269】
下側ハウジング部材710は、矩形板状壁本体710aと、流入側筒状ボス710bと、流出側筒状ボス710cとにより構成されている。壁本体710aは、凹部712を有しており、この凹部712は、その周壁部にて、図20にて示すごとく、大径壁部712a及び小径壁部712bでもって、ダイヤフラム730を介し図示上下に同軸的に位置するように形成されている。ここで、凹部712は、ダイヤフラム730を介し、大径壁部712a側部位及び小径壁部712b側部位にて、それぞれ、上述した空圧室R1及び液圧室L1を構成する。
【0270】
また、壁本体710aは、流入通路部713a及び流出通路部713bを有しており、これら流入通路部713a及び流出通路部713bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体710a内に形成されている。これにより、流入通路部713aは、その内部にて、液圧室L1を通り、流出通路部713bの内部に連通している。
【0271】
流入側筒状ボス710b及び流出側筒状ボス710cは、壁本体710aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出されている。流入側筒状ボス710bは、その中空部にて、壁本体710aの流入通路部713aの内部に連通しており、当該流入側ボス710bは、上記第1実施形態にて述べた薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部713aを介し液圧室L1内に流動させる。一方、流出側筒状ボス710cは、液圧室L1から流出通路部713b内に流動する薬液を、上記第1実施形態にて述べた配管P2内に流動させる。
【0272】
上側ハウジング部材720は、図20にて示すごとく、凹所722を有しており、この凹所722は、上側ハウジング部材720にその下面側から上方に向け凹状に形成されて、上述した空圧室R1を、ダイヤフラム730との間に形成する。また、凹所722は、環状部722aを設けてなり、この環状部722aは、弁座部722aとして、ダイヤフラム730の円錐状弁体部734に同軸的に対向するように、凹所722の内面中央部から下方に向け突出形成されている。これにより、弁体部734は、その変位に伴い、弁座部722aとの間の開度を調整する。なお、弁体部734及び弁座部722aにより構成される弁は、上記第1実施形態と同様に、ダイヤフラム弁Vaという。
【0273】
また、当該上側ハウジング部材720は、その内部に、図20にて示すごとく、両通路部723、724を形成してなり、通路部723は、空圧室R1の内部を、配管P5を介し、常閉型開閉弁800の流出孔部811b(後述する)の内部に連通させる。また、通路部724は、その内端開孔部にて、凹所722の弁座部722aを介し、空圧室R1内に連通しており、この通路部724の外端開孔部は、ハウジング700の外部に連通している。
【0274】
また、センサ本体B4は、ダイヤフラム730を有しており、このダイヤフラム730は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24の厚膜部24a、可撓性薄膜部24b、フランジ部24c及び弁体部24dにそれぞれ対応する円板状厚膜部731、円環状可撓性薄膜部732、円環状フランジ部733及び円錐状弁体部734を有するように、上側ダイヤフラム24と同様に形成されている。
【0275】
このように形成したダイヤフラム730は、下側ハウジング部材710の凹部712内に収容されており、当該ダイヤフラム730は、フランジ部733にて、Oリング740と大径壁部712a及び小径壁部712bとの間の円環状境界段部との間に気密的に挟持されている。これにより、当該ダイヤフラム730は、凹部712を、空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部732の下方への撓みにより、厚膜部731にて、液圧室L1側へ押動するように変位し、この変位状態のもと、薄膜部24bの上方への撓みのもとに空圧室R1側へ変位する。
【0276】
開閉弁800は、本第7実施形態において、上記第1実施形態とは異なり、センサ本体B4とは分離した構成にて採用されており、この開閉弁800は、ケーシング810内に摺動体820及びコイルスプリング830を収容して構成されている。
【0277】
ケーシング810は、四角筒状ケーシング本体810aと、隔壁810bとを備えている。ケーシング本体810aは、段付き内孔部811、流入孔部812a及び流出孔部812bを有しており、段付き内孔部811は、ケーシング本体810aの内部に同軸的に形成されている。流入孔部812a及び流出孔部812bは、その各内端部にて、段付き内孔部811の下部内に連通するようにケーシング本体810aの下部から互いに逆向きに外方へ突出形成されており、流入孔部812aは、配管P4、圧電変換ユニット50A、配管P3及びオリフィス800aを介し、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aの供給口部内に連通している。一方、流出孔部812bは、配管P5を介し上側ハウジング部材720の連通路部723内に連通している。なお、隔壁810bは、ケーシング本体810の段付き内孔部811の軸方向中間部位内にOリング813を介し気密的にかつ同軸的に嵌着されている。
【0278】
摺動体820は、ケーシング本体810の段付き内孔部811内に隔壁810bを介し同軸的に摺動可能に支持されており、この摺動体820は、ピストン820a及び弁体820bでもって構成されている。
【0279】
ピストン820aは、断面コ字状のピストン本体821から筒状ロッド822を同軸的に延出して構成されている。このピストン820aにおいては、ピストン本体821が、図20にて示すごとく、隔壁810bの図示上側にてケーシング本体810の段付き内孔部811内にOリング821aを介し気密的にかつ同軸的に摺動可能に嵌装され、かつ、筒状ロッド822が、隔壁810bの貫通孔部内に両Oリングを介し気密的にかつ同軸的に摺動可能に嵌装されている。
【0280】
これにより、ピストン820aは、ピストン本体821により、段付き内孔部811の内部を、隔壁810bの図示上側にて、給気部811a及び排気部811bに区画している。ここで、コイルスプリング830は、ケーシング本体810の上壁部と隔壁810bとの間にて、段付き内孔部811内に同軸的に介装されて、ピストン本体821を隔壁810bに向けて付勢している。
【0281】
弁体820bは、弁体部823からロッド部824を同軸的に延出して構成されている。しかして、弁体820bは、ロッド部824にて、ピストン820aの筒状ロッド822内に下方から同軸的に螺着されて、弁体部823を、段付き内孔部811の内部のうち隔壁810bの下側部位内に延出させている。なお、流入孔部812a及び流出孔部812bは、下端開孔部811cを介し互いに連通している。
【0282】
しかして、ピストン820においては、弁体820bは、コイルスプリング830の付勢のもと、弁体部823にて、段付き内孔部811の下端開孔部811cを開閉可能に当該下端開孔部811cに着座している。このことは、開閉弁800が閉弁していることを意味する。
【0283】
また、空気供給源Aからの空気が配管P6及びケーシング本体810の貫通孔部814を通り給気部811a内に圧送されると、ピストン本体821が、弁体820bとともに、コイルスプリング830に抗して摺動して、弁体部820bを下端開孔部811cから解離させる。このことは、開閉弁800が開弁することを意味する。本第7実施形態では、空気供給源Aから開閉弁800の給気部811a内に流入する空気の圧力が、コイルスプリング830のバネ定数に対応する値になっとき、開閉弁800が開弁する。なお、ピストン本体821がコイルスプリング830に抗して摺動するに伴い、排気室811b内の空気は、ケーシング本体810の貫通孔部815を通り外部に排出される。
【0284】
圧電変換ユニット50Aは、本第7実施形態において、開閉弁800と同様に、上記第1実施形態とは異なり、センサ本体B4とは分離した構成にて採用されている。圧電変換ユニット50Aは、上記第1実施形態にて述べた圧電変換ユニット50と同様の機能を有するもので、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部(図示しない)にて、両配管P3、P4の間に接続されている。
【0285】
しかして、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部内に、空気供給源Aから配管P3を介し空気を圧送されて、当該空気の空圧を、空圧検出素子(上記第1実施形態にて述べた空圧検出素子52に相当)によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号としてリード線fから発生する。
【0286】
オリフィス800aは、配管P3中の介装されている。このオリフィス800aは、上記第1実施形態にて述べたオリフィス41dと同様の役割を果たすのもので、このオリフィス800aは、空気供給源Aから配管P3を通して圧電変換ユニット50Aの中空部内に圧送される空気の量を所定の絞り度合いにて絞る。
【0287】
以上のように構成した本第7実施形態において、開閉弁800の閉弁状態において、空気供給源Aからの空気が配管P6内に吐出されると、この空気は、開閉弁800の給気部811a内に貫通孔部814から圧送されるとともに、オリフィス800aにより絞られて配管P3、圧電変換ユニット50Aの中空部及び配管P4を通り開閉弁800内にその流入孔部812aから圧送される。また、上記薬液供給源からの薬液が配管P1内に吐出されると、この薬液は、センサ本体B4内にその流入側ボス部710bから流入する。
【0288】
すると、開閉弁800が、給気部811a内への空気の空圧に応じて開弁し、この開弁のもとに、開閉弁800内にその流入孔部812aから圧送される空気が、ケーシング本体810の開孔部811c、流出孔部812b及び配管P5を通りセンサ本体B4の空圧室R1内にその連通路部723から流入した後連通路部724から外部に排出される。また、センサ本体B4内にその流入側ボス部710aから圧送された薬液は、液圧室L1内を通り流出側ボス部710b及び配管P2を介し上記処理カップ内に流入する。
【0289】
このような空気及び薬液の流動過程においては、センサ本体B4の空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム730に空圧室R1側から作用するとともに、センサ本体B4の液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム730に液圧室L1側から作用する。
【0290】
これに伴い、ダイヤフラム730が、その厚膜部731にて、空圧室R1内の空圧と液圧室L1内の液圧との差に応じて変位し、ダイヤフラムVaがその開度にて調整される。このため、空圧室R1内の空圧が、ダイヤフラムVaの開度に応じて、オリフィス800aの絞り作用のもとに、開閉弁800の流出孔部812b及び流入孔部812aを介し圧電変換ユニット50Aの中空部内にて上記空圧検出素子の受圧面に作用する。このため、圧電変換ユニット50Aは、上記空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号を発生する。
【0291】
以上によれば、本第7実施形態では、センサ本体B4、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aが、上記第1実施形態にて述べたセンサ本体B(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50のように互いに一体的に組み付けられているのとは異なり、相互に分離して位置するように構成されていても、これらセンサ本体B4、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aは、それぞれ、センサ本体B(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50と同様に機能する。
【0292】
これにより、本第7実施形態においても、圧力センサScは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaと同様に作動することで、当該圧力センサSaと同様の作用効果を達成し得る。ここで、上述のように、圧電変換ユニット50Aが、センサ本体B4から離れた位置にて設けられているから、圧電変換ユニット50A及びセンサ本体B4の分離した配置構成を、配置箇所に応じて自由に選択することができる。
(第8実施形態)
図21は、本発明の第8実施形態を示している。この第8実施形態においては、圧力センサSdが、上記第7実施形態にて述べた圧力センサScに代えて、採用されている。
【0293】
当該圧力センサSdは、図21にて示すごとく、センサ本体B5を備えている。このセンサ本体B5は、上記第7実施形態とは異なり、開閉弁800の上流側に設けられている。当該センサ本体B5は、例えば、PTFEからなるハウジング900を有しており、このハウジング900は、下側ハウジング部材910及び上側ハウジング部材920でもって構成されている。
【0294】
ここで、上側ハウジング部材920は、その開口部721にて、下側ハウジング部材910の開口部911に係合されて、ハウジング900を構成しており、このハウジング900内には、ダイヤフラム930(後述する)が組み付けられて当該ハウジング900の内部を、上記第2実施形態にて述べた空圧室R1及び液圧室L1に区画形成している。
【0295】
下側ハウジング部材910は、矩形板状壁本体910aと、流入側筒状ボス910bと、流出側筒状ボス910cとにより構成されている。壁本体910aは、凹部912を有しており、この凹部912は、その周壁部にて、図21にて示すごとく、大径壁部912a及び小径壁部912bでもって、ダイヤフラム930を介し図示上下に同軸的に位置するように形成されている。ここで、凹部912は、ダイヤフラム930を介し、大径壁部912a側部位及び小径壁部912b側部位にて、それぞれ、上述した空圧室R1及び液圧室L1を構成する。
【0296】
また、壁本体910aは、流入通路部913a及び流出通路部913bを有しており、これら流入通路部913a及び流出通路部913bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体910a内に形成されている。これにより、流入通路部913aは、その内部にて、液圧室L1を通り、流出通路部913bの内部に連通している。
【0297】
流入側筒状ボス910b及び流出側筒状ボス910cは、壁本体910aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出されている。流入側筒状ボス910bは、その中空部にて、壁本体910aの流入通路部913aの内部に連通しており、当該流入側ボス910bは、上記第7実施形態にて述べた薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部913aを介し液圧室L1内に流動させる。一方、流出側筒状ボス910cは、液圧室L1から流出通路部913b内に流動する薬液を、上記第7実施形態にて述べた配管P2内に流動させる。
【0298】
上側ハウジング部材920は、凹所922及び両通路部923、924を有している。凹所922は、ダイヤフラム930の厚膜部931に対応する位置にて、上側ハウジング部材920にその内面側から上方へ凹状に形成されている。これにより、当該凹所922は、ダイヤフラム930及び下側ハウジング部材910の凹部912の大径壁部912aとともに、空圧室R1を形成する。
【0299】
両通路部923、924は、弁機構30a(後述する)の両側において、上側ハウジング部材920の内部に形成されており、通路部923は、空気供給源Aから圧送される空気を弁機構30a内に流入させるように、図21にて弁機構30aの左側にて、上側ハウジング部材920の内部に形成されている。また、通路部924は、空圧室R1内の空気を、配管P4を介し、開閉弁800の流入孔部812a内に流入させるように、弁機構30aの右側にて、上側ハウジング部材920の内部に凹所922からL字状に延出形成されている。
【0300】
ダイヤフラム930は、図21にて示すごとく、上記第2実施形態にて述べたダイヤフラム730の円板状厚膜部731、円環状可撓性薄膜部732及び円環状フランジ部733にそれぞれ対応する円板状厚膜部931、円環状可撓性薄膜部932及び円環状フランジ部933と、上記第2実施形態にて述べたリフトストップ部25dとによって構成されている。
【0301】
このように構成したダイヤフラム930は、フランジ部933にて、Oリング940と大径壁部912a及び小径壁部912bとの間の円環状境界段部との間に気密的に挟持されている。これにより、当該ダイヤフラム930は、凹部912を、空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部932の下方への撓みにより、厚膜部931にて、液圧室L1側へ押動するように変位し、この変位状態のもと、薄膜部932の上方への撓みのもとに空圧室R1側へ変位する。
【0302】
弁機構30aは、上記第2実施形態と同様の構成を有して、上側ハウジング部材920内に設けられている。この弁機構30aは、図21にて示すごとく、ダイヤフラム930と同軸的に位置するように、上側ハウジング部材920の内部に設けられており、当該上流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち左側中間部位には、左側開口部37gが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。また、当該上流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、ダイヤフラム930の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。
【0303】
また、本第8実施形態においては、圧電変換ユニット50Aは、上記第7実施形態と同様にセンサ本体B5とは分離した構成にて採用されているものの、上記第7実施形態とは異なり、オリフィス800aと共に、開閉弁800の下流側に設けられている。即ち、本第8実施形態においては、圧電変換ユニット50Aは、開閉弁800の流出孔部812bから延出する配管P7と配管8との間に接続されている。
【0304】
しかして、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部内に、開閉弁800からその開弁状態にて配管P7を介し空気を圧送されて、当該空気の空圧を、空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号としてリード線fから発生する。
【0305】
また、オリフィス800aは、配管P8の中間部位に介装されており、このオリフィス800aは、開閉弁800、配管P7及び圧電変換ユニット50Aの中空部を通り配管P8から外部に排出される空気の量を所定の絞り度合いにて絞る。
【0306】
以上のように構成した本第8実施形態において、開閉弁800の閉弁状態において、空気供給源Aからの空気が配管P6内に吐出されると、この空気は、開閉弁800の給気部811a内に貫通孔部814から圧送されるとともに、配管P3を通りセンサ本体B5内にその通路部923から流入する。また、上記薬液供給源からの薬液が配管P1内に吐出されると、この薬液は、センサ本体B5内にその流入側ボス部910bから流入する。
【0307】
しかして、上述のように空気が開閉弁800の給気部811a内に圧送されると、開閉弁800が、給気部811a内への空気の空圧に応じて開弁する。また、上述のように空気がセンサ本体B5内にその通路部923から流入すると、この空気は、上記第2実施形態と同様に、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入する。これに伴い、上記第2実施形態と同様に、ロッド39が上動して小径内孔部37aと鍔部39cとの間への流入空気を小径内孔部37aからダイヤフラム930のリフトストップ部25dを介し空気室R1内に流入させる。
【0308】
すると、空気室R1内に流入した空気は、センサ本体B5の通路部924、配管P4及び開弁状態にある開閉弁800の流入孔部812a、開口部811c及び流出孔部812b、並びに配管P7を通り圧電変換ユニット50Aの中空部内に流入する。このように当該中空部内に流入した空気は、オリフィス800aにより絞られて配管P8を通り外部に流出する。
【0309】
また、上述のように薬液がセンサ本体B5内にその流入側ボス部910bから流入すると、当該薬液は、センサ本体B5の液圧室L1及び流出側ボス部910c、並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0310】
このような空気及び薬液の流動過程においては、センサ本体B5の空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム930に空圧室R1側から作用するとともに、センサ本体B5の液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム930に液圧室L1側から作用する。
【0311】
これに伴い、ダイヤフラム930が、その厚膜部931にて、空圧室R1内の空圧と液圧室L1内の液圧との差に応じて変位し、ダイヤフラムVbがその開度にて調整される。このため、空圧室R1内の空圧が、ダイヤフラムVbの開度に応じて、オリフィス800aの絞り作用のもとに、開閉弁800の流出孔部812b及び流入孔部812aを介し圧電変換ユニット50Aの中空部内にて上記空圧検出素子の受圧面に作用する。このため、圧電変換ユニット50Aは、上記空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号を発生する。
【0312】
以上によれば、本第8実施形態では、センサ本体B5、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aが、上記第2実施形態にて述べたセンサ本体B1(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50のように互いに一体的に組み付けられているとは異なり、相互に分離して位置するように構成されていても、これらセンサ本体B5、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aは、それぞれ、センサ本体B1(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50と同様に機能する。
【0313】
これにより、本第8実施形態においても、圧力センサSdは、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbと同様に作動することで、当該圧力センサSbと同様の作用効果を達成し得る。
【0314】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、安全機構60を構成する開閉弁60a及び配管60bを、上壁40の流出孔部47及び凹部46とともに廃止してもよい。これによれば、上記第1実施形態にて述べた各作用効果のうち安全機構60による作用効果以外の作用効果を達成することができる。
(2)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態とは異なり、安全機構60を構成する開閉弁60a及び配管60bを、上壁40の通路48、Oリング48a及び凹部46とともに廃止してもよい。これによれば、上記第2実施形態にて述べた各作用効果のうち安全機構60による作用効果以外の作用効果を達成することができる。
(3)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25に代えて、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24を採用し、上記第2実施形態にて述べた弁機構30aを廃止して、T字状通路36をその通路部36aにて直接空圧室R1に連通させるようにしてもよい。
(4)本発明の実施にあたり、流量検出装置は、上記第3実施形態にて述べた構成に代えて、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaを2つ採用し、これら両圧力センサSaの一方の流出側ボス20cと他方の圧力センサSaの流入側ボス20aとの間に、上記第3実施形態にて述べた絞り通路230に相当する絞り通路素子を接続して、両圧力センサSaの検出出力を上記流量変換回路により薬液の流量に変換するようにしても、上記第3実施形態と同様の作用効果を達成できる。
(5)本発明の実施にあたり、圧電変換ユニット50の空圧検出素子52は、上記第1実施形態とは異なり、その受圧面にて、上壁40の上面との間にて、中空部42内に連通する間隙部を形成するように、筒体51の開口部51aに嵌着するようにしてもよい。ここで、空圧検出素子52の受圧面は、単独で、或いは、上記間隙部を含めて受圧部と把握してもよい。
【符号の説明】
【0315】
a…隆起部、H、J…ハウジング、H1、J1…下側ハウジング部材、
H2、J2…上側ハウジング部材、R1、R11…空圧室、
20b、20c…筒状ボス、21a、210a…大径穴部、
21b、210b…小径穴部、21c、210c…封止部材、
22、24、25、26、27、220、240、250…ダイヤフラム、
23、230…液圧室L1、230a、23b、230b…通路部、
24d、240d…弁体部、25d…リフトストップ部、30a…弁機構、
32a、320a…環状部、34…排出通路、35、48…通路、
36…T字状通路、36b…通路部、37…段付き孔部、37a…小径内孔部、
37c…大径内孔部、38b…小径筒部、39…ロッド、39a、
68…コイルスプリング、39b…ロッド本体、39c…鍔部、
41、410、340…通路、41d、412…オリフィス、
42、430…中空部、46、440…凹部、60a…開閉弁、60b…配管、
66…弁体部、230b…絞り通路、420…共通通路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置或いは薬剤製造装置その他各種の装置において利用される高温の液体の圧力を検出する圧力センサ及びこの圧力センサの少なくとも一部を利用した流量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧力センサとしては、下記特許文献1に記載の非汚染性本体を有する圧力センサモジュールが提案されている。この圧力センサモジュールは、ハウジングを有しており、このハウジング内に形成したキャビティは、流体流動回路に接続してなる導管内にその開口部から連通している。
【0003】
また、筒状スペーサが、その環状フランジにて、導管の開口部に対向するようにキャビティ内に設けられており、当該筒状スペーサの環状フランジと導管の開口部との間には、円盤膜が、その裏面にて導管の開口部内に対向するように、キャビティ内において、Oリングと共に挟持されている。
【0004】
また、圧力センサが、その裏面にて、上記円盤膜にその表面側から接触するように、上記筒状スペーサの環状フランジ内に設けられている。
【0005】
このように構成した当該圧力センサモジュールにおいては、液体が流体流動回路から導管内に流入すると、この液体は導管内を通り流出する。ここで、上述のごとく、円盤膜がその裏面にて導管の開口部内に対向しているため、液体は、導管の開口部内にて円盤膜の裏面に接触或いは接近しながら流出する。
【0006】
これにより、円盤膜が、導管の開口部内の液体の圧力の変動に応じて撓むことにより変位することで、圧力センサは当該円盤膜の変位に基づき液体の圧力を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3323513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のように構成した圧力センサモジュールにおいては、圧力センサがその裏面にて円盤膜にその表面から接触或いは接近して位置する。しかも、円盤膜は、その裏面にて、導管の開口部で液体と接触して位置する。
【0009】
このため、圧力センサは、その裏面にて、導管の開口部内の液体に対し接近して位置することとなる。従って、液体の温度が、圧力センサの耐熱温度よりも高い温度である場合には、圧力センサが、液体の高い温度の影響を受けて、異常となり、液体の圧力を正しく検出することができないという不具合が生ずる。
【0010】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、液体の圧力を空気の圧力に変換して検出する構成を有効に活用することにより、液体の温度が高くても、当該液体の温度の影響を受けることなく、この液体の圧力を正しく検出するようにした圧力センサ及びこの圧力センサを利用した流量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る圧力センサは、請求項1の記載によれば、
センサ本体(B4)と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段(50A)と、空気流量絞り手段(800a)とを備える。
【0012】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(710)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(700)を構成する他側ハウジング部材(720)と、ハウジングの内部を空圧室(R1)及び液圧室(L1)に区画するようにハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段(730)とを具備しており、
一側ハウジング部材は、液体供給源から液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(710b、713a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(710c、713b)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(723)を形成するとともに、ダイヤフラム手段の中央部に対向して空圧室内に開口する開口部を有し、空圧室内に流入した空気を上記開口部から導入して外部に排出するように排出側空気通路(724)を形成してなり、
空気流量絞り手段は、空気供給源からの空気を、その流量を絞って、液圧検出手段に供給するように、空気供給源と液圧検出手段との間に介装されており、
液圧検出手段は、その受圧部を通して、空気流量絞り手段からの空気を他側ハウジング部材の上記流入側空気通路に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、排出側空気通路の上記開口部に対する開度を調整するようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による排出側空気通路の上記開口部に対する調整開度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて液体の液圧として検出する。
【0013】
これによれば、液圧室及び空圧室が、上述のごとく、ダイヤフラム手段を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧がダイヤフラム手段に対し互いに向き合うように作用する。
【0014】
そして、このような液圧及び空圧の作用のもとに、ダイヤフラム手段の流出側空気通路の開口部に対する開度が、上述のように向き合う液圧及び空圧の間の差に応じたダイヤフラム手段の変位に伴い、調整されて、空圧を、液圧に対応するように調整する。従って、このように調整された空圧を液圧検出手段により検出することで、液圧を精度よく検出することができる。
【0015】
また、上述のごとく、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジングから離れた位置にて設けられている。これにより、液圧検出手段が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室内の液体の温度が異常な高温に上昇することがあっても、液体の高温が液圧検出手段に影響を与えることがない。その結果、液圧検出手段は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得る。
【0016】
ここで、上述のように、液圧検出手段が、ハウジングから離れた位置にて設けられているから、液圧検出手段及びセンサ本体の分離した配置構成を、配置箇所に応じて自由に選択することができる。
【0017】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の圧力センサにおいて、
センサ本体から離れて位置するように液圧検出手段とセンサ本体との間に介装されて空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段(800)を具備しており、
当該常閉型開閉弁手段は、その開弁により、液圧検出手段の上記受圧部からの空気を他側ハウジング部材の上記流入側空気通路に流入させるようにしたことを特徴とする。
【0018】
これにより、上述したような液圧の検出が、開閉弁手段の開弁のもとになされる。そして、このような液圧の検出状態において、開閉弁手段が閉弁すると、液圧検出手段がセンサ本体から遮断される。従って、液圧室内の液体が腐食性ガスを発生しても、この腐食性ガスが、ハウジングの内部を通り液圧検出手段に到達することはない。その結果、液圧検出手段が、液体の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。
【0019】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項3の記載によれば、センサ本体(B)と、液圧検出手段(50)と、空気流量絞り手段(41d)とを備える。
【0020】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(H1)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(H)を構成する他側ハウジング部材(H2)と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室(R1)及び液圧室(L1)を形成する可撓性ダイヤフラム手段(22、24、26)とを備えており、
液圧検出手段は、その受圧部にて他側ハウジング部材の上記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
一側ハウジング部材は、液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(20b、23a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(23b、20c)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を上記外壁に沿い流入してから空圧室内に流入させるように流入側空気通路(41、33)を形成するとともに、ダイヤフラム手段の中央部に対向して空圧室内に開口する開口部(32a)を有して、空圧室内に流入した空気を上記開口部から外部に排出するように排出側空気通路(34)を形成してなり、
空気流量絞り手段は、上記流入側空気通路のうち上記外壁の前記一部位に対する対応部位から上記外壁の一部位にかけて液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部(42)の上流側にて上記流入側空気通路に介装されており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、上記空気排出通路の上記開口部に対する開度を調整するようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記空気排出通路の上記開口部に対する調整開度に応じて変動する空圧室内の空圧を、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、上記流入側空気通路及び上記中空部を通し上記受圧部により受けて、空圧を液体の液圧として検出する。
【0021】
このように、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジング上に支持されている。
【0022】
このため、圧力センサの構成をコンパクトにしつつ、液圧検出手段を、液圧室内の液体からは空間的に離れて位置させることができる。その結果、液圧検出手段が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室内の液体の温度が異常な高温に上昇することがあっても、液体の高温が液圧検出手段に影響を与えることなく、当該液圧検出手段の本来の検出機能を良好に維持することができ、かつ、コンパクトに構成した圧力センサの提供が可能となる。
【0023】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の圧力センサにおいて、
他側ハウジング部材の上記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段(60a、60b)を備えて、
他側ハウジング部材は、上記流入側空気通路のうち上記対応部位の下流側通路部位内に連通するように上記外壁の上記他の部位から上記下流側通路部位内にかけて凹部(46)を形成してなり、
開閉弁手段は、上記外壁の上記他の部位から上記凹部内に変位可能に延出する弁体部(66)を具備して、上記流入側空気通路のうち上記凹部の上流側通路部位からの空気に応じて、上記弁体部により、上記凹部内にて下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする。
【0024】
このような構成によっても、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0025】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項5の記載によれば、センサ本体(B5)と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段(50A)と、空気流量絞り手段(800a)とを備える。
【0026】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(910)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(900)を構成する他側ハウジング部材(920)と、ハウジングの内部を空圧室(R1)及び液圧室(L1)に区画するようにハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段(930)とを具備しており、
一側ハウジング部材は、液体供給源から液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(910b、913a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(910c、913b)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(923)を形成するとともに、空圧室内に流入した空気を外部に排出するように排出側空気通路(924)を形成し、かつ、ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路部内に弁機構手段(30a)を介装してなり、
液圧検出手段は、その受圧部を通して、センサ本体の上記排出側空気通路から排出される空気を流出させるようになっており、
空気流量絞り手段は、液圧検出手段の受圧部から流出する空気を絞って排出するように前記液圧検出手段の下流側に設けられており、
弁機構手段は、
他側ハウジング部材内にてダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、上記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部(37c)と、この大径孔部から同軸的に空圧室に向けて延出されて上記大径孔部を空圧室内に連通させる小径孔部(37a)とを設けてなる段付き孔部(37)と、
上記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて上記小径孔部を通りダイヤフラム手段の上記中央部に向けて延出するロッド部(39b)及び上記大径孔部と上記小径孔部との環状境界段部に着座可能に上記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部(39c)と有するロッド(39)と、
上記大径孔部内にて上記鍔部を上記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリング(39a)とを備えて、
ロッドが上記鍔部にて上記環状境界段部から解離するように軸動したとき、上記流入側空気通路の上記上流側通路部内に流入する空気を、上記段付き孔部の上記大径孔部及び上記小径孔部を通して空圧室内に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、ロッドを上記鍔部にて上記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記鍔部の上記環状境界段部に対する解離度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出する。
【0027】
このように本発明を構成しても、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧がダイヤフラム手段に対し互いに向き合うように作用する。そして、このような液圧及び空圧の作用のもとに、ダイヤフラム手段による弁機構手段の鍔部の小径孔部に対する解離度が、上述のように向き合う液圧及び空圧の間の差に応じたダイヤフラム手段の変位に伴い、調整されて、液圧に対応する空圧に調整する。従って、このように調整された空圧を液圧検出手段により検出することで、液圧を精度よく検出することができる。その他の作用効果、請求項1に記載の発明と同様である。
【0028】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項5に記載の圧力センサにおいて、センサ本体から離れて位置するように液圧検出手段とセンサ本体との間に介装されて空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段(800)を具備しており、
常閉型開閉弁手段は、その開弁により、センサ本体の上記流出側空気通路からの空気を前記液圧検出手段の前記受圧部に流入させるようにしたことを特徴とする。
【0029】
このように構成しても、請求項5に記載の発明の作用効果を達成しつつ、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0030】
また、本発明に係る圧力センサは、請求項7の記載によれば、センサ本体(B1)と、液圧検出手段(50)と、空気流量絞り手段(41d)とを備える。
【0031】
当該圧力センサにおいて、センサ本体は、一側ハウジング部材(H1)と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジング(H)を構成する他側ハウジング部材(H2)と、ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室(R1)及び液圧室(L1)を形成する可撓性ダイヤフラム手段(22、25、27)とを備えており、
液圧検出手段は、その受圧部にて他側ハウジング部材の上記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
一側ハウジング部材は、液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路(20b、23a)を形成するとともに、液圧室内に流入した液体を外部に流出させるように流出側液体通路(23b、20c)を形成してなり、
他側ハウジング部材は、空気供給源(A)から圧送される空気を空圧室内に流入させるよう流入側空気通路(36)を形成するとともに、空圧室内に流入した空気を上記外壁に向けて流動させてから当該外壁の少なくとも上記一部位に沿い流動させて外部に排出するように排出側空気通路(35、41)を形成し、かつ、ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路部内に弁機構手段(30a)を介装してなり、
空気流量絞り手段は、上記流出側空気通路のうち上記外壁の上記一部位に対する対応部位から上記外壁の一部位にかけて液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部(42)の下流側にて上記流入側空気通路に介装されており、
弁機構手段は、
他側ハウジング部材内にてダイヤフラム手段と同軸的に位置するように上記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、上記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部(37c)と、この大径孔部から同軸的に空圧室に向けて延出されて上記大径孔部を空圧室内に連通させる小径孔部(37a)とを設けてなる段付き孔部(37)と、
上記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて上記小径孔部を通りダイヤフラム手段の上記中央部に向けて延出するロッド部(39b)及び上記大径孔部と上記小径孔部との環状境界段部に着座可能に上記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部(39c)と有するロッド(39)と、
上記大径孔部内にて前記鍔部を上記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリング(39a)とを備えて、
ロッドが上記鍔部にて上記環状境界段部から解離するように軸動したとき、上記流入側空気通路の上記上流側通路部内に流入する空気を、上記段付き孔部の上記大径孔部及び上記小径孔部を通して空圧室内に流入させるようになっており、
ダイヤフラム手段は、空圧室内にて生ずる空気の空圧のもとに、液圧室内にて生ずる液体の液圧に応じて変位し、ロッドを上記鍔部にて上記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
液圧検出手段は、ダイヤフラム手段による上記鍔部の上記環状境界段部に対する解離度に応じて、空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、空圧室内の空圧を、上記受圧部により受けて液体の液圧として検出する。
【0032】
このように、弁機構手段を有していても、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室、ダイヤフラム手段及び液圧室がハウジング内に設けられ、一方、上述のように変換された空圧を液圧として検出するための液圧検出手段が、ハウジング上に支持されている。これによっても、請求項5に記載の発明と同様の作用効果が、達成され得る。
【0033】
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項7に記載の圧力センサにおいて、
他側ハウジング部材の上記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段(60a、60b)を備えて、
他側ハウジング部材は、上記流出側空気通路のうち上記対応部位の下流側通路部位内に連通するように上記外壁の前記他の部位から上記下流側通路部位内にかけて凹部(46)を形成してなり、
開閉弁手段は、上記外壁の上記他の部位から上記凹部内に変位可能に延出する弁体部(66)を具備して、上記流入側空気通路からの空気に応じて、上記弁体部により、上記凹部内にて前記下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする。
【0034】
このように構成しても、請求項7に記載の発明の作用効果を達成しつつ、請求項4に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0035】
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサにおいて、
ダイヤフラム手段は、液圧室内の液体に接するようにハウジング内にてその内周面の軸方向中間部位と一体となるように形成してなる第1ダイヤフラムと、この第1ダイヤフラムと空圧室との間にて第1ダイヤフラムに接するように支持される第2ダイヤフラムとを備えて、
第1及び第2のダイヤフラムは、液圧室内の液圧に応じた変位により空圧室内の空圧を変動させることを特徴とする。
【0036】
このように、ダイヤフラム手段が、2枚のダイヤフラムにより構成されているから、空気層が、第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとの間に形成されて、第1ダイヤフラムと共に、断熱層としての役割を果たす。これにより、上記空気層が、第1ダイヤフラムと協働して、液圧室内の液体の熱を第2ダイヤフラムから良好に遮断する。
【0037】
その結果、第2ダイヤフラムは、液圧室内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を精度よくなし得る。例えば、両ダイヤフラムの形成材料が温度による線膨張係数の大きなフッ素樹脂であっても、両ダイヤフラムは、温度による影響を受けて変形することがない。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
【0038】
また、上述のように、ダイヤフラム手段が、2枚のダイヤフラムにより構成されているから、液圧室内の液圧が当該液圧室側から第1ダイヤフラムに作用し、一方、空圧室内の空圧が当該空圧室側から第2ダイヤフラムに作用する。従って、第1及び第2のダイヤフラムが、それぞれ、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧を、別々に、受けもつこととなる。このため、一枚のダイヤフラムがその両面側から液圧及び空圧を共に受けて両面側へ撓む状況に比べ、各ダイヤフラムは、それぞれに作用する液圧及び空圧を受けて互いに向かい合う方向に撓むのみである。その結果、第1及び第2のダイヤフラムの寿命を長く維持することができる。
【0039】
また、上述のごとく、第1ダイヤフラムが液圧室内の液体に接するように形成されていることから、液体が液圧室内に流動しても、第1ダイヤフラムの液圧室側において液体による液だまりが生ずることがない。
【0040】
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサにおいて、
ダイヤフラム手段は、ハウジング内にて液圧室と空圧室との間に支持されて液圧室内の液圧に応じた変位により空圧室内の空圧を変動させる単一のダイヤフラムであることを特徴とする。
【0041】
これによれば、当該単一のダイヤフラムが、その両面側から、液圧室内の液圧及び空圧室内の空圧と共に直接受けることとなる。その結果、単一のダイヤフラムの液圧の変動に対する感度を良好に確保することができる。
【0042】
また、本発明に係る流量検出装置は、請求項11の記載によれば、
請求項3に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、第1圧力センサの上記流出側液体通路と第2圧力センサの上記流入側液体通路との間に介装されて第1圧力センサの上記流出側液体通路から第2圧力センサの上記流入液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段と、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき液圧の差に対応する液体の流量を検出するようにした。
【0043】
これにより、請求項3に記載の発明による液圧の検出精度のもとに、各検出液圧の差に基づき液体の流量を検出することとなる。その結果、液体の流量を精度よく検出し得る流量検出装置の提供が可能となる。
【0044】
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項11に記載の液体流量検出装置において、
第1及び第2の圧力センサの各ハウジングが、第1及び第2の圧力センサの各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材(J1)と、第1及び第2の圧力センサの各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材(J2)とでもって、単一の共通ハウジング(J)として形成され、
液体流量絞り手段が、第1圧力センサの上記流出側液体通路及び第2圧力センサの上記流入側液体通路に代えて、第1及び第2の圧力センサの各液圧室の間に介装されるように記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路(420)が、空気供給源からの空気を他側共通ハウジング部材の外部から上記各空気供給通路を介し第1及び第2の圧力センサの各空圧室内に供給するように、他側共通ハウジング部材内にて第1及び第2の圧力センサの上記各空気供給通路に接続形成されており、
流出側共通空気通路(342)が、第1及び第2の圧力センサの上記各空気排出通路に代えて、各空圧室の空気を共通ハウジングの外部へ排出するように、他側共通ハウジング部材内にて、各空圧室内に第1及び第2の圧力センサの各ダイヤフラム手段の中央部に対向して開口する各開口部を有し、当該各開口部から他側共通ハウジング部材の外部へ開口するように延出形成されていることを特徴とする。
【0045】
このように、ハウジングを単一の共通ハウジングとして、液体流量絞り手段、流入側共通空気通路及び流出側共通空気通路を上述のように他側共通ハウジング部材に形成しても、請求項11に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0046】
また、本発明に係る流量検出装置は、請求項13の記載によれば、
請求項7に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、第1圧力センサの上記流出側両液体通路と第2圧力センサの上記流入側液体通路との間に介装されて第1圧力センサの上記流出側両液体通路から第2圧力センサの上記流入側液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段を備えて、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした。
【0047】
これにより、請求項7に記載の発明による液圧の検出精度のもとに、各検出液圧の差に基づき液体の流量を検出することとなる。その結果、液体の流量を精度よく検出し得る流量検出装置の提供が可能となる。
【0048】
また、本発明は、請求項14の記載によれば、請求項13に記載の液体流量検出装置において、
第1及び第2の圧力センサの各ハウジングが、第1及び第2の圧力センサの各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材(J1)と、第1及び第2の圧力センサの各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材(J2)とでもって、単一の共通ハウジング(J)として形成され、
液体流量絞り手段が、第1圧力センサの上記流出側液体通路及び第2圧力センサの上記流入側液体通路に代えて、第1及び第2の圧力センサの各液圧室の間に介装されるように他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路(350a)が、空気供給源からの空気を、第2圧力センサの弁機構手段の上記段付き孔部の内部を通り第1圧力センサの弁機構手段の上記段付き孔部内に供給するように他側共通ハウジング部材内にて形成されており、
流出側共通空気通路(420)が、各空圧室からの空気を第1及び第2の圧力センサの上記各流出側空気通路を介し共通ハウジングの外部に排出するように、他側共通ハウジング部材内にて、上記各流出側空気通路に接続形成されていることを特徴とする。
【0049】
このように、ハウジングを単一の共通ハウジングとして、液体流量絞り手段、流入側共空気通路及び流出側共通空気通路を上述のように共通ハウジングに形成しても、請求項13に記載の発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0050】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る圧力センサの第1実施形態の部分破断正面図である。
【図2】図1の圧力センサの平面図である。
【図3】図1の圧力センサの部分破断左側面図である。
【図4】図1の圧力センサの部分破断右側面図である。
【図5】図6の5−5線に沿う断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿う断面図である。
【図7】図5の空圧室内の空圧と液圧室内の液圧との関係を直線で示すグラフである。
【図8】本発明に係る圧力センサの第1実施形態の断面図である。
【図9】図8の圧力センサにおいて弁機構の作動状態を示す断面図である。
【図10】図9の空圧室内の空圧と液圧室内の液圧との関係を直線で示すグラフである。
【図11】本発明の第3実施形態を、図14の11−11線に沿う断面にて示す図である。
【図12】図11の流量検出装置の右側面図である。
【図13】図11の13−13線に沿う断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第4実施形態を、図17の15−15線に沿う断面にて示す図である。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【図18】本発明の第5実施形態の要部を示す断面図である。
【図19】本発明の第6実施形態の要部を示す断面図である。
【図20】本発明の第7実施形態を示す要部断面全体構成図である。
【図21】本発明の第8実施形態を示す要部断面全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は、半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された本発明に係る圧力センサの第1実施形態を示している。この圧力センサ(以下、圧力センサSaという)は、上記枚葉式処理系統において、薬液を貯留する薬液供給源(図示しない)から延出する配管P1(図1参照)と、半導体ウェハーを処理する処理カップ(図示しない)から延出する配管P2(図1参照)との間に接続されている。
【0053】
当該圧力センサSaは、図1〜図5にて示すごとく、センサ本体Bを備えている。このセンサ本体Bは、ハウジングHを有しており、このハウジングHは、下側ハウジング部材H1及び上側ハウジング部材H2により構成されている。
【0054】
下側ハウジング部材H1は、台座10及び内側壁20を有しており、台座10は、図1〜図4から分かるように、矩形板状に形成されている。本第1実施形態において、台座10は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0055】
内側壁20は、図1及び図5にて示すように、矩形板状壁本体20aと、流入側筒状ボス20bと、流出側筒状ボス20cとにより構成されており、壁本体20aは、台座10の上面上に積層されている。なお、本第1実施形態において、内側壁20は、フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でもって形成されている。
【0056】
当該壁本体20aは、図5にて示すごとく、大径穴部21a及び小径穴部21bを有しており、これら大径穴部21a及び小径穴部21bは、ダイヤフラム22(後述する)を介し、互いに同軸的に対向するように、壁本体20aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。
【0057】
センサ本体Bは、ダイヤフラム22及びダイヤフラム24を有している。ダイヤフラム22は、図5にて示すごとく、円板状厚膜部22a及び円環状可撓性薄膜部22bでもって一体的に形成されており、薄膜部22bは、厚膜部22aの外周部から外方に向け円環状に延出している。本第1実施形態において、ダイヤフラム22は、薄膜部22bにて、壁本体20aと一体的に形成されている。なお、この一体的形成は、上述のごとく大径穴部21a及び小径穴部21bを壁本体20a内に形成する際になされる。
【0058】
このように構成したダイヤフラム22は、その円環状薄膜部22bの下方への撓みにより、厚膜部22aにて下方へ変位し、この変位状態のもと、薄膜部22bの上方への撓みにより、厚膜部22aにて上方へ変位する。本第1実施形態では、ダイヤフラム22が、ダイヤフラム24に対し、下側に位置することから、以下、ダイヤフラム22及びダイヤフラム24は、それぞれ、下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム24ともいう。
【0059】
また、当該壁本体20aは、円柱台状の封止部材21cを有しており、この封止部材21cは、壁本体20aの下方から小径穴部21b内に圧入により嵌着されている。これにより、この封止部材21cと下側ダイヤフラム22との間には、横断面円形状の液圧室L1が、封止部材21cによる封止のもとに気密的に形成されている。
【0060】
また、当該壁本体20aは、流入通路部23a及び流出通路部23bを有しており、これら流入通路部23a及び流出通路部23bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体20a内に形成されている。これにより、流入通路部23aは、その内部にて液圧室L1の内部を通り流出通路部23bの内部に連通している。
【0061】
流入側筒状ボス20b及び流出側筒状ボス20cは、壁本体20aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出するように形成されている。流入側筒状ボス20bは、その内部にて、壁本体20aの流入通路部23aの内部に連通しており、当該流入側ボス20bは、上記薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部23aを介し液圧室L1内に流動させる。このことは、液圧室L1内における薬液の液圧が下側ダイヤフラム22の下面に上方に向けて作用することを意味する。
【0062】
一方、流出側筒状ボス20cは、液圧室L1から流出通路部23b内に流動する薬液を、上記処理カップから延出する配管P2内に流動させる。なお、上記処理カップ内の半導体ウェハーは、配管P2からの薬液により処理される。
【0063】
上側ダイヤフラム24は、円板状厚膜部24a、円環状可撓性薄膜部24b、円環状フランジ部24c及び円錐状弁体部24dを一体的に有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって形成されている。
【0064】
この上側ダイヤフラム24において、薄膜部24bは、厚膜部24aの外周上端部から外方に向け延出している。また、フランジ部24cは、薄膜部24bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部24cは、その内周面軸方向中間部位にて薄膜部24bの外周部と一体となっている。また、弁体部24dは、厚膜部24aの上面中央部から上方へ円錐状に突出形成されている。
【0065】
このように構成した上側ダイヤフラム24は、内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、当該上側ダイヤフラム24は、フランジ部24cにて、Oリング31と大径穴部21aの底壁外周部(大径穴部21a及び小径穴部21bの間の円環状境界段部)との間に気密的に挟持されて、厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22a上に着座している。
【0066】
これにより、上側ダイヤフラム24は、下側ダイヤフラム22とともに、大径穴部21a及び小径穴部21bを、上述の空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部24bの下方への撓みにより、厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aを液圧室L1側へ押動するように変位する。そして、このような変位状態のもと、上側ダイヤフラム24は、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより押動されて、薄膜部24bの上方への撓みのもとに上空圧室R1側へ変位する。
【0067】
上側ハウジング部材H2は、図1及び図3〜図5にて示すごとく、内側壁30及び上壁40により構成されている。本第1実施形態では、内側壁30及び上壁40は、ともに、フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でもって形成されている。
【0068】
内側壁30は、図5にて示すごとく、その下面にて、Oリング31を介して内側壁20の上面上に気密的に積層されている。ここで、Oリング31は、上側ダイヤフラム24のフランジ部24cを、大径穴部21aの底壁外周部との間にて挟持するように、内側壁30の円環状溝部31a内に嵌着されている。なお、円環状溝部31aは、内側壁30の下面のうち大径穴部21aの底壁外周部に対する対向部位に形成されている。
【0069】
また、当該内側壁30は、凹所32を有しており、この凹所32は、円環状溝部31aの内周側にて、内側壁30にその下面側から上方に向け凹状に形成されている。これにより、当該凹所32は、その内部にて、内側壁20の大径穴部21aに上方から同軸的に対向して、上側ダイヤフラム24の上面との間に、上述の空圧室R1を形成する。
【0070】
また、当該凹所32は、環状部32aを設けてなり、この環状部32aは、弁座部32aとして、上側ダイヤフラム24の円錐状弁体部24dに同軸的に対向するように、凹所32の内面中央部から円錐状弁体部24dに向け突出形成されている。これにより、弁体部24dは、その変位に伴い、弁座部32aとの間の開度を調整する。なお、弁体部24d及び弁座部32aにより構成される弁はダイヤフラム弁Va(図5参照)という。
【0071】
次に、このダイヤフラム弁Vaの開度と上下両側ダイヤフラム24、22の変位との関係について説明する。後述のように、空圧室R1内の空圧が上側ダイヤフラム24の上面に下方に向けて作用するとともに、液圧室L1内の液圧が下側ダイヤフラム22の下面に上方に向けて作用すると、上下両側ダイヤフラム24、22が、液圧と空圧との差圧に応じて、各薄膜部24b、22bの撓みのもとに、各厚膜部24a、22aにて、共に、上方或いは下方へ変位する。
【0072】
ここで、下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧をPaとし、上側ダイヤフラム24の上面に作用する空圧をPbとする。そして、液圧Paが変動するとき、空圧Pbが、両厚膜部24a、22aの上下方向への変動に応じたダイヤフラム弁Va(図5参照)の開度の変化に伴い変動する。なお、ダイヤフラム弁Vaの開度は、液圧Pbと空圧Paとの差圧に比例する。
【0073】
本第1実施形態において、上述した下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧Pa(液圧室L1内の薬液の液圧)と、上述した上側ダイヤフラム24に作用する空圧Pb(空圧室R1内の空圧Pb)との間の関係は、図7にて示すごとく、直線特性1により特定されている。この直線特性1では、空圧Pbが、液圧Paの増大(或いは減少)に伴い直線的に増大(或いは減少)する。
【0074】
また、当該内側壁30は、図5にて示すごとく、通路33及び通路34を有しており、通路33は、上壁40を後述のごとく通り流入する空気を、空圧室R1内に供給するように、内側壁30内にてその板厚方向に形成されている。
【0075】
また、通路34は、図5にて示すごとく、内側壁30内にてL字状に形成されており、この通路34は、凹所32の環状部32aを開口部32aとして、空圧室R1内に開口することで、空圧室R1の内部を内側壁30の外部に連通させる。しかして、上側ダイヤフラム24がその円錐状弁体部24dにて環状部32a(通路34の開口部32a)から解離しているとき、通路34は、空圧室R1の内部を内側壁30の外部に開放する。
【0076】
上壁40は、通路41を有しており、この通路41は、一側通路部41a及び他側通路部41bでもって、上壁40内にて、図5にて示すごとく、L字状に形成されている。一側通路部41aは、上壁40内にてその上下両面に平行となるように当該上壁40の側面から延出形成されており、この一側通路部41aは、その開口端部41cにて、空気供給源Aの空気の供給口部に接続されている。これにより、当該一側通路部41aは、その開口端部41cを介し、空気供給源Aから空気を圧送される。なお、空気供給源Aは、その内部にて、予圧を付与した空気を貯蔵する。
【0077】
他側通路部41bは、一側通路部41aの延出端部から下方に向けL状に屈曲して延出するように上壁40内にて形成されており、この他側通路部41bは、その延出端開口部にて、内側壁30の通路33を介し空圧室R1内に連通している。これにより、他側通路部41bは、通路33を介し一側通路部41a内の空気を空圧室R1内に流入させる。
【0078】
また、通路41は、オリフィス41dを有しており、このオリフィス41dは、図5にて示すごとく、一側通路部41a内にてその開口端部41cの近傍部位にて設けられている。本実施形態において、このオリフィス41dは、主として、後述のごとく、圧電変換ユニット50の受圧面に作用させる空圧を形成する役割を果たす。
【0079】
また、上壁40は、図5及び図6にて示すごとく、中空部42を有しており、この中空部42は、上壁40にその上面側から横断面円形状(図6参照)にて下方に向け凹状に形成されている。当該中空部42は、その底部のうち一側通路部41aの延出方向中間部位に対する対応部にて、帯状連通孔部42a(図5及び図6参照)を形成してなり、この帯状連通孔部42aは、一側通路部41aの上記延出方向中間部位内に帯状に連通する。これにより、一側通路部41a内にて流動する空気は、帯状連通孔部42aから中空部42内にも流動する。
【0080】
本第1実施形態において、図5にて、符号43はOリングを示しており、このOリング43は、上壁40の円環状溝部43a内に嵌着されて、他側通路部41bを内側壁30及び上壁40の境界面から気密的にシールする。なお、円環状溝部43aは、上壁40の下面のうち他側通路部41bの流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0081】
また、当該センサ本体Bは、図5にて示すごとく、圧電変換ユニット50及び安全機構60を備えており、これら圧電変換ユニット50及び安全機構60は、ハウジングHと一体的となるように、その上壁40にその上方から組み付けられて、四角箱状蓋体C内に収容されている。ここで、蓋体Cは、その下端開口部にて、上壁40の上面に装着されている。なお、蓋体Cは、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0082】
圧電変換ユニット50は、筒体51を有しており、この筒体51は、その開口部51aにて、上壁40の中空部42を上方から覆うようにして、当該上壁40の上面に装着されている。
【0083】
また、当該圧電変換ユニット50は、静電容量型の扁平状空圧検出素子52及び信号処理回路53を有している。空圧検出素子52は、その外周部にて、筒体51の円環状部51b内に同軸的に嵌着されており、当該空圧検出素子52の外周部は、円環状部51bにより、その上側内面にて、Oリング44を介して、上壁40の上面のうち中空部42の外周部上に押圧されている。
【0084】
空圧検出素子52は、その受圧部(本実施形態では、空圧検出素子52の下面である受圧面)により中空部42内の空圧を検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号として発生する。ここで、中空部42内の空圧が、空圧室R1内の空圧に相当し液圧室L1内の液圧に比例することから、空圧検出素子52は、中空部42内の空圧に基づき液圧室L1内の液圧を検出することを意味する。
【0085】
なお、上述した円環状部51bは、筒体51の開口部51aをその内周面側から断面逆L字状に切除することで、形成されている。また、Oリング44は、上壁40の上面のうち中空部42の近傍外周面部に沿い円環状に形成した溝部44a内に嵌装されており、このOリング44は、空圧検出素子52の下面外周部と上壁40の上面のうち中空部42の近傍外周面部との間に挟持されている。これにより、Oリング44は、中空部42の内部を筒体51の外部から気密的にシールする。
【0086】
信号処理回路53は、筒体51内にて、空圧検出素子52の直上に支持されており、この信号処理回路53は、空圧検出素子52からの電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧(換言すれば、液圧室L1内の液圧)に比例する出力信号を発生してリード線54を通して外部回路(図示しない)に出力する。なお、リード線54は、筒体51の上壁の一部に嵌着したゴムブッシュ54a及び蓋体Cの側壁の一部に嵌着したグロメット54bを通りその外部に延出している。
【0087】
安全機構60は、図5及び図6にて示すごとく、常閉型開閉弁60aを備えている。この開閉弁60aは、上壁40の通路41内に介装されているもので、当該開閉弁60aは、四角筒状ケーシング61及び蓋体62を備えている。蓋体62は、その大径部62aをケーシング61の開口端面に当接させるようにして、小径部62bにて、ケーシング61の開口部内に気密的にかつ同軸的に嵌着されている。
【0088】
このように構成したケーシング61は、その開口部にて、上壁40の通路41を構成してなる一側通路部41aと他側通路部41bとのL字状連結部に対向する位置にて、上壁40の外側円環状部45a上に気密的に立設されている。なお、外側円環状部45aは、内側円環状部45bとともに、上壁40の上面のうち凹部46(後述する)の外周面部から上方へ突出するように形成されている。
【0089】
また、開閉弁60aは、ピストン63を有しており、このピストン63は、小径の基端部63a、基端側中径部63b、中央側大径部63c(以下、ピストン部63cともいう)、先端側中径部63d及び小径の先端部63eでもって同軸的にかつ一体的に形成されている。なお、小径の基端部63a、基端側中径部63b、先端側中径部63d及び小径の先端部63eは、ピストン63のロッド部を構成する。
【0090】
このように構成されたピストン63において、基端部63a及び基端側中径部63bは、それぞれ、ケーシング61の上壁61aの中央孔部及び内筒部61b内に軸方向に摺動可能に嵌装されている。ここで、内筒部61bは、ケーシング61の上壁61aの内面から当該ケーシングの周壁部61cの上側小径内孔部(図5参照)内へ同心的に延出されている。
【0091】
また、当該ピストン63は、そのピストン部63cにて、ケーシング61の周壁部61cの下側大径内孔部(図5参照)内にOリング64を介し気密的にかつ軸方向に摺動可能に嵌装されている。これにより、ピストン部63cは、ケーシング61の周壁部61cの下側大径内孔部内にて、蓋体62との間に空間部R2を形成する。なお、Oリング64は、ピストン部63cの外周面のうち軸方向中間部位にその周方向に沿い形成した円環状溝部内に嵌装されている。また、ケーシング61の上側小径内孔部内にてその上壁61aとピストン部63cとの間に形成される空所は、上側小径内孔部の周壁部に形成した貫通孔部(図示しない)を通り外部に連通している。
【0092】
また、当該ピストン63の先端側中径部63dは、蓋体62の中央貫通孔部62cにOリング65を介し軸方向へ気密的に摺動可能に挿通されており、このピストン63の小径の先端部63eは、蓋体62の中央貫通孔部62cを通り上壁40の凹部46(図5参照)内に延出している。
【0093】
ここで、凹部46は、上壁40の上面のうち蓋体62に対する対応部位から一側通路部41aと他側通路部41bとの上記L字状連結部にかけて凹状に形成されており、この凹部46は、その底部側にて、一側通路部41a及び他側通路部41b内にその上記L字状連結部内への各開口端部から連通している。なお、Oリング65は、先端側中径部63dの外周面軸方向中間部位にその周方向に形成した円環状溝部内に嵌装されている。
【0094】
また、開閉弁60aは、図5にて示すごとく、柱状弁体部66、ダイヤフラム67及びコイルスプリング68を有しており、弁体部66は、その基端部側軸穴部にて、ピストン63の先端部63eに下方から同軸的に嵌着されている。これにより、弁体部66は、その先端部にて、他側通路部41bの上記L字状連結部内への開口端部に対向している。なお、当該他側通路部41bの上記開口端部は、後述のごとく、弁体部66により開閉される弁座部としての役割を果たす。従って、弁体部66の他側通路部41bの弁座部に対する着座は、開閉弁60aの閉弁に対応し、一方、弁体部66の他側通路部41bの弁座部からの解離は、開閉弁60aの開弁に対応する。
【0095】
ダイヤフラム67は、フッ素樹脂(例えば、PTFE)により、弁体部66と一体に形成されているもので、このダイヤフラム67は、その外周部にて、蓋体62の外周部と上壁40の内側円環状部45bとの間に挟持されて、上壁40の凹部46を上側から気密的にシールしている。
【0096】
コイルスプリング68は、ケーシング61の内筒部61bと周壁部61cの上側小径内孔部との間に同軸的に嵌装されており、このコイルスプリング68は、その両端部にて、ピストン63の中央側大径部63c(ピストン部63c)とケーシング61の上壁61aとの間に挟持されている。これにより、当該コイルスプリング68は、ピストン63を、そのピストン部63cにて、他側通路部41bの上記弁座部に向けて付勢する。
【0097】
本第1実施形態では、コイルスプリング68の付勢力に対応するバネ常数は次のように設定されている。即ち、空間部R2内に後述のごとく生ずる空圧が所定圧未満のとき、ピストン63は、そのピストン部63cにて、コイルスプリング68の付勢力に基づき下方へ摺動して弁体部66を他側通路部41bの弁座部に着座させるように、コイルスプリング68のバネ定数が設定されている。なお、上記所定圧は、開閉弁60aの開閉作動にハンチングを生じさせない程度において、できる限り小さな値に設定されている。
【0098】
また、安全機構60は、配管60bを備えており、この配管60bは、その基端部にて、上壁40にその上面から形成された流出孔部47内に嵌着されている。また、当該配管60bの他端部は、開閉弁60aのケーシング61の周壁部61cに形成した開孔部(図示しない)を介し、空間部R2内に連通している。これにより、空気供給源Aから上壁40の一側通路部41a内に圧送される空気は、配管60b内に分流して空間部R2内に流入する。なお、流出孔部47は、上壁40の一側通路部41aのうちオリフィス41dの近傍部位内に開口するように上壁40の上面側から形成されている。
【0099】
以上のように構成した本第1実施形態において、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、開閉弁60aは、図5にて示すごとく、閉弁状態にある。
【0100】
このような状態において、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、上壁40の一側通路部41a内にその開口端部41c及びオリフィス41dを通り流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り内側壁20の流入側ボス20b内に流入する。
【0101】
現段階では、開閉弁60aは上述のごとく閉弁状態にあるため、上述のように一側通路部41a内に流入する空気は、上壁40の流出孔部47及び配管60bを通り開閉弁60aの空間部R2内に流入する。これに伴い、空圧が空間部R2内に発生して増大していく。
【0102】
然る後、空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、開閉弁60aのピストン63は、空気室R2内の空圧により、コイルスプリング68の付勢力に抗して上動し、弁体部66が他側通路部41bの上記弁座部から解離する。このことは、開閉弁60aが開弁することを意味する。
【0103】
すると、上述のように上壁40の一側通路部41a内に流入する空気は、配管60bから分流して上壁40の凹部46及び他側通路部41b並びに内側壁30の通路33を通り空圧室R1内に流入する。このため、上述したダイヤフラム弁Vaの閉弁状態のもとに、空圧Pbが空圧室R1内に発生する。そして、空圧Pbは増大しつつ上側ダイヤフラム24の上面に作用する。
【0104】
一方、上述のように吐出される薬液は、上述したダイヤフラム弁Vaの閉弁状態のもとに、上記薬液供給源から配管P1、内側壁20の流入側ボス20b、流入通路部23a、液圧室L1、流出通路部23b及び流出側ボス20c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0105】
このような過程においては、液圧室L1内に流入する薬液が、下側ダイヤフラム22の下面に沿い流動する。これに伴い、薬液の圧力が液圧Paとして下側ダイヤフラム22の下面に作用する。
【0106】
しかして、上述のように、空圧室R1内の空圧Pbが上側ダイヤフラム24の上面に作用するとともに、液圧室L1内の液圧Paが下側ダイヤフラム22の下面に作用すると、下側ダイヤフラム22は、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム24の厚膜部24aとの間で互いに向かい合う方向に押し合うこととなる。このため、ダイヤフラム弁Vaは、液圧Paと空圧Pbとの差圧に対応する開度にて、空圧室R1内の空気を、内側壁30の排出通路34を通して外部に排出する。
【0107】
このような状態において、液圧Paが増大すると、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、液圧Paにより上方に押動される。これに伴い、上側ダイヤフラム24が、その厚膜部24aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより上方へ押動されて変位する。このため、ダイヤフラム弁Vaの開度が減少して空圧Pbを直線的に増大させる。このことは、空圧Pbが、液圧Paの増大に伴い直線的に増大することを意味する(図7の直線特性1参照)。
【0108】
すると、このような空圧Pbの増大は、オリフィス41dの絞り作用のもとに、内側壁30の通路33、上壁40の他側通路部41b、凹部46、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0109】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の増大に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0110】
このような状態において、液圧Paが減少すると、上側ダイヤフラム24が、その厚膜部24aにて、空圧室R1内の空圧Pbにより下方に押動される。これに伴い、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム24の厚膜部24aにより下方へ押動されて変位する。このため、ダイヤフラム弁Vaの開度が増大して空圧Pbを減少させる。このことは、空圧Pbが、液圧Paの減少に伴い直線的に減少することを意味する(図7の直線特性1参照)。
【0111】
すると、このような空圧Pbの減少は、内側壁30の通路33、上壁40の他側通路部41b、凹部46、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧部である受圧面に作用する。
【0112】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の減少を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の減少に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0113】
以上によれば、本第1実施形態では、上述のごとく、液圧室L1及び空圧室R1が、上下両側ダイヤフラム24、22を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室L1内の液圧Pa及び空圧室R1内の空圧Pbが下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム24に対し互いに向き合うように作用する。
【0114】
そして、このような液圧Pa及び空圧Pbの作用のもとに、ダイヤフラム弁Vaの開度が、上述のように向き合う液圧Pa及び空圧Pbの間の差に応じた両ダイヤフラム22、24の変位に伴い、調整されて、空圧Pbを、液圧Paに比例するように調整する(図7参照)。
【0115】
従って、このように調整された空圧を空圧検出素子52により検出することで、液圧Paを精度よく検出することができる。また、このように検出した出力を信号処理回路53により上述のごとく信号処理することで、精度よく、信号処理することができる。
【0116】
また、本第1実施形態においては、上述のごとく、薬液の圧力を空気の圧力に変換するための主たる構成として、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム24、22及び液圧室L1がハウジングH内に設けられ、一方、上述のように変換された空気の圧力を検出するための空圧検出素子52及びその信号処理回路53が、ハウジングH上に支持されている。
【0117】
これにより、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム24、22及び液圧室L1が、空圧検出素子52及びその信号処理回路53と共にハウジングHに一体化され、かつ、空圧検出素子52が、信号処理回路53とともに、液圧室L1から空間的に離れた位置に支持されていることとなる。このことは、圧力センサSaをコンパクトな形状寸法に維持しつつ、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることを意味する。
【0118】
このように、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることから、空圧検出素子52や信号処理回路53の形成材料が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室L1内に流動する薬液の温度が異常な高温に上昇することがあっても、薬液の高温が空圧検出素子52や信号処理回路53に影響を与えることがない。その結果、空圧検出素子52は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得るとともに、信号処理回路53は、上述した本来の信号処理機能を良好に維持しつつ、空圧検出素子52の検出出力に対する信号処理を精度よく行い得る。このことは、圧力センサSaが、液圧を精度よく検出し得る耐温性の高いコンパクトな圧力センサとして提供され得ることを意味する。
【0119】
また、本第1実施形態では、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム24、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、空気層が、上側ダイヤフラム24と下側ダイヤフラム22との間に形成されて、下側ダイヤフラム22と共に、断熱層としての役割を果たす。これにより、上記空気層が、下側ダイヤフラム22と協働して、液圧室L1内の液体の熱を上側ダイヤフラム24から良好に遮断する。
【0120】
従って、上側ダイヤフラム24は、液圧室L1内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を良好になし得る。例えば、両ダイヤフラム22、24の形成材料が温度による線膨張係数の大きなフッ素樹脂であっても、両ダイヤフラム22、24は、温度による影響を受けて変形することがない。その結果、液圧を精度よく検出し得る等の上述した作用効果がより一層向上され得る。
【0121】
また、上述のごとく、下側ダイヤフラム22が、その下面にて、液圧室L1内の薬液に接近するように内側壁20内に配設されている。従って、薬液が流入通路部23aを通り液圧室L1内に流動しても、下側ダイヤフラム22の下面の下側に、薬液による液だまりが発生することがない。
【0122】
また、上述のように、2枚のダイヤフラム22、24が液圧室L1及び空圧室R1の間に設けられていることから、液圧室L1内の液圧が当該液圧室側から下側ダイヤフラム22に作用し、一方、空圧室R1内の空圧が当該空圧室側から上側ダイヤフラム24に作用する。従って、両ダイヤフラムが、それぞれ、液圧室L1内の液圧及び空圧室R1内の空圧を、別々に、受けもつこととなる。このため、一枚のダイヤフラムがその両面側から液圧及び空圧を共に受けて両面側へ撓む状況に比べ、各ダイヤフラム22、24は、それぞれに作用する液圧及び空圧を受けて互いに向かい合う方向に撓むのみである。その結果、両ダイヤフラム22、24の寿命を長く維持することができる。
【0123】
また、本第1実施形態では、開閉弁60aを、上壁40の通路41(オリフィス41dを含む)及び内側壁30の通路33からなる空気供給源Aからの空気の流入系統内に介装するとともに、空圧室R1を、開閉弁60aの後流側にて、上記流入系統と内側壁30の通路34からなる排出系統との間に介装するように構成されている。
【0124】
このため、上述したような液圧Paの検出状態において、開閉弁60aの空間部R2の内部が、空気供給源Aからの空気の圧送の停止により当該空気から遮断されると、開閉弁60aにおいて、ピストン63が、コイルスプリング68の付勢力に基づき下動して、弁体部66を他側通路部41bの上記弁座部に着座させる。
【0125】
これにより、開閉弁60aが閉弁する。すると、上壁40の凹部46及び一側通路部41aの各内部が、上壁40の他側通路部41bの内部から遮断される。従って、液圧室L1内の薬液が腐食性ガスを発生しても、この腐食性ガスが、基台H1の内部、特に、内側壁30や上壁40の各内部を通り蓋体C内の空圧検出素子52や信号処理回路53に到達することはない。
【0126】
その結果、空圧検出素子52や信号処理回路53が、薬液の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。なお、上述のようなピストン63の下動過程においては、空間部R2内の空気は、ピストン部63cにより、開閉弁60aのケーシング61の周壁に形成した貫通状小孔部(図示しない)を通して外部に排出される。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、圧力センサ(以下、圧力センサSbという)が、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、採用されている。
【0127】
当該圧力センサSbはセンサ本体B1を備えており、このセンサ本体B1は、上記第1実施形態にて述べたセンサ本体Bの構成を次のように変更して構成されている。
【0128】
当該センサ本体B1は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24(図5参照)に代えて、図8にて示すごとく、上側ダイヤフラム25を備えている。この上側ダイヤフラム25は、円板状厚膜部25a、円環状可撓性薄膜部25b、円環状フランジ部25c及びリフトストップ部25dでもって構成されており、厚膜部25a、薄膜部25b及びフランジ部25cは、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。
【0129】
薄膜部25bは、厚膜部25aの外周上端部から外方に向け延出している。また、フランジ部25cは、薄膜部25bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部25cは、その内周面軸方向中間部位にて薄膜部25bの外周部と一体となっている。
【0130】
リフトストップ部25dは、上側ダイヤフラム25の上方への変位量を規制する役割を果たすもので、このリフトストップ部25dは、図8にて図示断面形状を有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)により形成されている。当該リフトストップ部25dは、その下部にて、厚膜部25aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されており、このリフトストップ部25dには、その上面中央から、窪み部25eが下方に向け断面V字状に形成されている。また、リフトストップ部25dの上面には、溝部25fが窪み部25eの外周側において、十字状に切り欠き形成されている。
【0131】
しかして、このように構成した上側ダイヤフラム25は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24と同様に、内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、この上側ダイヤフラム25は、フランジ部25cにて、大径穴部21aの上記底壁外周部上に着座して、厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22a上に着座している。
【0132】
しかして、上側ダイヤフラム25は、その薄膜部25bの下方への撓みにより、厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより押動されて薄膜部25bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0133】
本第2実施形態において、上述した下側ダイヤフラム22の下面に作用する液圧Paと、上述した上側ダイヤフラム25に作用する空圧Pbとの間の関係は、図10にて示すごとく、直線特性2により特定されている。この直線特性2では、液圧Pa<Paoのとき、空圧Pb=0である。また、Pa≧Paoのとき、空圧Pbは、液圧Paの増大(或いは減少)に伴い直線的に増大(或いは減少)する。本実施形態では、Paoは、弁機構30aのコイルスプリング39a(後述する)の付勢力に相当する圧力を表す。
【0134】
また、本第2実施形態では、圧力センサSbは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaと同様に、圧電変換ユニット50及び安全機構60を有するが、当該圧力センサSbにおいては、安全機構60の配管60bが、上記第1実施形態とは異なり、図8にて示すごとく、開閉弁60aの左側にて、上記第1実施形態にて述べた上側ハウジング部材H2と一体的となるようにその上壁40に設けられている。
【0135】
このため、本第2実施形態にいう圧力センサSbにおいては、上壁40は、上記第1実施形態にて述べた流出孔部47に代えて、通路48を有しており、この通路48は、上壁40の左側部にその上面から下方に向け貫通状に形成されている。これに伴い、圧力センサSbでは、配管60bが、その基端部にて、通路48の上端開口部48a内に嵌着されて連通している。なお、当該配管60bの他端部は、図8にて示すごとく、開閉弁60aのケーシング61の周壁に設けた開孔部61dを介して空間部R2内に連通している。
【0136】
但し、安全機構60は、上述のような配管60bの上壁40に対する連通構成の変更に伴い、圧電変換ユニット50及び上壁40の他側通路部41bと共に、上記第1実施形態とは異なり、図8にて図示右側に位置している。これに伴い、一側通路部41aの全長も、上記第1実施形態とは異なり、図8にて示すごとく、短縮されている。
【0137】
また、センサ本体B1においては、通路35、T字状通路36及び弁機構30aが、上記第1実施形態にて述べた内側壁30の通路33及び通路34に代えて、図8にて示すごとく、内側壁30内に設けられている。
【0138】
通路35は、上壁40の他側通路部41bに対応する位置にて、内側壁30内にその上面から下方に向けて貫通状に延出するように形成されており、この通路35は、その基端開口部にて、Oリング43を介し、上壁40の他側通路部41b内にその下端開口部から連通している。また、当該通路35は、その延出端開口部にて、内側壁30の凹所32の右側部内に連通している。これにより、通路35は、空圧室R1の内部を、上壁40の他側通路部41b、凹部46及び一側通路部41a並びにオリフィス41dを介し開口端部41cから外部に連通させる。
【0139】
T字状通路36は、弁機構30aとともに、図8にて示すごとく、通路35の左側において、内側壁30内に設けられており、T字状通路36は、通路部36a及び通路部36bによって、T字状に形成されている。
【0140】
通路部36aは、図8にて示すごとく、内側壁30内にてその左側面から当該内側壁30の上面に平行に右方に向けて延出して形成されており、この通路部36aは、その延出端開口部にて、弁機構30aの段付き孔部37(後述する)内に連通している。
【0141】
通路部36bは、図8にて示すごとく、内側壁30内にその上面から通路部36aの長手方向中間部位に向けて延出するように形成されており、この通路部36bは、その基端開口部にて、Oリング48bを介し、上壁40の通路48の延出端開口部内に連通している。また、当該通路部36bの延出端開口部は、通路部36aの上記長手方向中間部位内に連通している。
【0142】
これにより、T字状通路36では、通路部36aが、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aから圧送される空気を、弁機構30aの段付き孔部37内に流入させる。また、通路部36bは、通路部36a内に流入する空気を、当該通路部36aの長手方向中間部位にて、分流させて上壁40の通路48及び安全機構60の配管60bを介し開閉弁60aの空間部R2内に流入させる。なお、Oリング48bは、上壁40の下面のうち通路48の延出端開口部の外周部に形成した円環状溝部48c内に嵌装されて、通路48及び通路部36bの各内部を内側壁30及び上壁40の境界面から気密的にシールする。
【0143】
弁機構30aは、図8にて示すごとく、段付き孔部37と、支持柱38と、ロッド39と、コイルスプリング39aとによって構成されている。
【0144】
段付き孔部37は、通路部36aと通路35との間にて、上記第1実施形態にて述べた内側壁30の凹所32の中央部に対応するように、内側壁30にその上面から下方に向け貫通状に延出して形成されている。
【0145】
この段付き孔部37は、互い同軸的に形成した小径内孔部37a及び大径内孔部37cを備えている。小径内孔部37aは、凹所32の中央部内に連通しており、大径内孔部37cは、その左側開口部37bにて、通路部36a内にその延出端開口部から連通している。なお、左側開口部37bは、大径内孔部37cの内周面のうち左側中間部位にて、支持柱38の小径筒部38b(後述する)の外周面に対し交差する方向に形成されている。
【0146】
支持柱38は、その大径基端部38aにて、段付き孔部37の大径孔部37c内にOリング37dを介し気密的に嵌着されており、当該支持柱38の小径筒部38bは、大径基端部38aの下端部から下方に向けて段付き孔部37と同軸的に延出している。
【0147】
ロッド39は、図8にて示すごとく、ロッド本体39b及び円板状鍔部39cでもって、縦断面十字状に形成されている。当該ロッド39において、ロッド本体39bが、その上側ロッド部にて、支持柱38の小径筒部38b内にその下方から摺動可能に嵌装されており、このロッド本体39bの下側ロッド部は、段付き孔部37の小径内孔部37a内に挿通されて、上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dの窪み部25eに着座可能に対向している。これに伴い、矩形板状鍔部39cは、小径内孔部37aに形成した円環状隆起部a(図8参照)上に着座し得るようになっている。
【0148】
ここで、小径内孔部37aの内径は、ロッド本体39bの下側ロッド部の軸方向中間部位の外径よりも大きい。また、小径内孔部37aの円環状隆起部aは、小径内孔部37aの上端部から上方へ円環状に隆起して形成されている。
【0149】
コイルスプリング39aは、段付き孔部37内において、支持柱38の小径筒部38bにその外周側から同軸的に嵌装されており、このコイルスプリング39aは、その両端部にて、支持柱38の大径基端部38aと、ロッド39の鍔部39cとの間に挟持されている。
【0150】
これにより、当該コイルスプリング39aは、ロッド39を鍔部39cにて下方に向けて付勢して、ロッド本体39bの下側ロッド部を上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dの窪み部25e内に係合させる。このことは、上側ダイヤフラム25が、リフトストップ部25dにて、内側壁30の凹所32の内面から下方へ解離する方向に、コイルスプリング39aにより付勢されることを意味する。
【0151】
このように構成した弁機構30aにおいて、ロッド39が、図8にて示すごとく、コイルスプリング39aの付勢力のもとに、鍔部39cにて、小径内孔部37aの円環状隆起部a上に着座しているとき、空圧室R1の内部は、弁機構30aにより通路部36aから遮断されている。また、ロッド39が、コイルスプリング39aの付勢力に抗し上方へ摺動して、鍔部39cにて隆起部aから解離すると、通路部36aから弁機構30aに流入する空気は、鍔部39cと段付き孔部37の小径内孔部37aとの間から当該小径内孔部37aの中空部及びリフトストップ部25dの溝部25fを通り空圧室R1内に流入する。
【0152】
この空気の流入量は、鍔部39cと円環状隆起部aとの間の間隔に応じて決まる。このことは、鍔部39c及び円環状隆起部aが、弁機構30aの弁部を構成することを意味する。本実施形態では、弁機構30aの弁部の開度が、ダイヤフラム25の変位量に応じて変化することから、弁機構30aの弁部は、以下、ダイヤフラム弁Vbともいう。なお、リフトストップ部25dの溝部25fは、弁機構30aから空圧室R1内に流入する空気に対し絞りとならない程度の横断面積を有するように形成されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0153】
以上のように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、開閉弁60aは、図8にて示すごとく、閉弁状態にある。また、弁機構30aの弁部、即ち、ダイヤフラム弁Vbも閉弁状態にあるため、空圧室R1は、T字状通路36の通路部36aから弁機構30aにより遮断されている。このとき、上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dは、その溝部25fにて、内側壁30の凹所32の内面から下方へ解離した状態にある。また、空圧室R1内の空圧Pbは、Pb=0の状態にある(図10の直線特性2参照)。
【0154】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、上側ハウジング部材H2の内側壁30のT字状通路36の通路部36a内に流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り下側ハウジング部材H1の内側壁20の流入側ボス20b内に流入する。
【0155】
現段階では、上述のごとく、空圧室R1がT字状通路36の通路部36aから遮断されている。従って、通路部36a内に流入した空気は、通路部36b、上壁40の通路48及び配管60bを通り開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。これに伴い、空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、開閉弁60aが開弁する。これにより、上壁40の連通路41が、その他側通路部41bにて、凹部46を介し一側通路部41a内に連通する。
【0156】
一方、圧力センサSbの内側壁20の流入側ボス20b内に流入する薬液は、流入通路部23aを通り液圧室L1内にて下側ダイヤフラム22の下面に沿い流動して、流出通路部23b及び流出側ボス20c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。これに伴い、薬液の圧力が液圧Paとして下側ダイヤフラム22の下面に作用する。
【0157】
しかして、上述のように、空圧室R1内の空圧Pbが上側ダイヤフラム25の上面に作用するとともに、液圧室L1内の液圧Paが下側ダイヤフラム22の下面に作用すると、下側ダイヤフラム22は、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム25の厚膜部25aとの間で互いに向かい合う方向に押し合うこととなる。このとき、空圧Pb>0となり、液圧Pa≧Paoとなる(図10の直線特性2参照)。
【0158】
このような状態において、液圧Paが増大すると、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、液圧Paにより上方に押動される。これに伴い、上側ダイヤフラム25が、その厚膜部25aにて、下側ダイヤフラム22の厚膜部22aにより上方へ押動されて変位する。このため、弁機構30aの弁部、即ち、ダイヤフラム弁Vbの開度が、当該ダイヤフラム弁Vbの閉弁状態から、上側ダイヤフラム25の上方への変位量に応じて増大する。
【0159】
すると、上述のようにT字状通路36の通路部36a内に流入する空気は、弁機構30aの段付き孔部37内に流入した後、段付き孔部37の内周面とロッド39のロッド本体39bの上側ロッド部及び鍔部39cとの間を通り、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入し、さらに、段付き孔部37の小径内孔部37aの中空部を通り空圧室R1内に流入する。そして、このように空圧室R1内に流入する空気は、内側壁30の通路35及び上壁40の他側通路部41bを通り一側通路部41a内に流入し、さらにオリフィス41d内にその絞り作用のもとに流入して、開口端部41cから外部へ流出する。
【0160】
このような段階においては、上述のようにダイヤフラム弁Vbの開度が上側ダイヤフラム25の上方への変位量に応じて増大するため、空圧室R1内の空圧Pbは、オリフィス41dの絞り作用のもとに、直線的に増大する。このことは、空圧室R1内の空圧Pbが、液圧室L1内の液圧Pa(≧Pao)の増大に伴い直線的に増大することを意味する(図10の直線特性2参照)。
【0161】
そして、このような空圧Pbの増大は、オリフィス41dの絞り作用のもとに、内側壁30の通路35、上壁40の他側通路部41b、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り中空部42内に伝わり、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0162】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の増大に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0163】
このような状態において、液圧室L1内の液圧Paが減少すると、上側ダイヤフラム25が、その厚膜部25aにて、空圧室R1内の空圧Pbにより下方に押動されて変位する。これに伴い、下側ダイヤフラム22が、その厚膜部22aにて、上側ダイヤフラム25の厚膜部25aにより下方へ押動されて変位する。
【0164】
ここで、上述のように上側ダイヤフラム25が下方へ変位すると、弁機構30aのロッド39が、鍔部39cに対するコイルスプリング39aの付勢力のもとに、液圧Paの減少に応じて下方へ摺動する。これに伴い、ダイヤフラム弁Vbの開度が液圧Paの減少に応じて減少して、弁機構30aから空圧室R1内への空気の流入量を減少させる。このことは、空圧室R1内の空圧Pbが、液圧室L1内の液圧Paの減少に伴い直線的に減少することを意味する(図10の直線特性2参照)。
【0165】
すると、このような空圧Pbの減少は、内側壁30の通路35、上壁40の他側通路部41b、一側通路部41a、その帯状連通孔部42aを通り、オリフィス41dの絞り作用のもとに、中空部42内に伝わって、空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0166】
このため、空圧検出素子52は、その受圧面に作用する空圧の減少を検出して電気信号を発生して信号処理回路53に出力する。これに伴い、信号処理回路53は、当該電気信号を信号処理して、中空部42内の空圧の減少に比例する出力信号を発生してリード線54を通して上記外部回路に出力する。
【0167】
以上によれば、本第2実施形態では、上述のごとく、液圧室L1及び空圧室R1が、上下両側ダイヤフラム25、22を介し互いに対向するように構成されることで、液圧室L1内の液圧Pa及び空圧室R1内の空圧Pbが下側ダイヤフラム22及び上側ダイヤフラム25に対し互いに向き合うように作用する。
【0168】
そして、このような液圧Pa及び空圧Pbの作用のもとに、ダイヤフラム弁Vbの開度が、上述のように向き合う液圧Pa(≧Pao)及び空圧Pbの間の差に応じた両ダイヤフラム22、25の変位に伴い、調整されて、空圧Pbを、液圧Paに比例する空圧に調整する(図10参照)。従って、このように調整された空圧を空圧検出素子52による検出することで、液圧Paを精度よく検出することができる。また、このように検出した出力を信号処理回路53により上述のごとく信号処理することで、精度よく、信号処理することができる。
【0169】
また、本第2実施形態においては、上述のごとく、液圧を空圧に変換するための主たる構成として、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム25、22、弁機構30a及び液圧室L1がハウジングH内に設けられ、一方、上述のように変換された空気の圧力を検出するための空圧検出素子52及びその信号処理回路53が、ハウジングH上に支持されている。
【0170】
これにより、空圧室R1、上下両側ダイヤフラム25、22、弁機構30a及び液圧室L1が、空圧検出素子52及びその信号処理回路53と共にハウジングHに一体化され、かつ、空圧検出素子52が、信号処理回路53とともに、液圧室L1から空間的に離れた位置に支持されていることとなる。このことは、圧力センサSbをコンパクトな形状寸法に維持しつつ、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることを意味する。
【0171】
このように、本第2実施形態においても、空圧検出素子52や信号処理回路53を、液圧室L1内に流動する薬液からは空間的に離れて位置させることから、空圧検出素子52や信号処理回路53の形成材料が耐熱性に欠けており、かつ、液圧室L1内に流動する薬液の温度が異常な高温に上昇することがあっても、薬液の高温が空圧検出素子52や信号処理回路53に影響を与えることがない。その結果、上記第1実施形態と同様に、本第2実施形態においても、空圧検出素子52は、上述した本来の検出機能を良好に維持しつつ、液圧の検出を精度よく検出し得るとともに、信号処理回路53は、上述した本来の信号処理機能を良好に維持しつつ、空圧検出素子52の検出出力に対する信号処理を精度よく行い得る。このことは、圧力センサSbが、上記第1実施形態とは異なり弁機構30aをも有していても、液圧を精度よく検出し得る耐温性の高いコンパクトな圧力センサとして提供され得ることを意味する。
また、本第2実施形態においては、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム25、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、空気層が、上側ダイヤフラム25と下側ダイヤフラム22との間に形成されて、下側ダイヤフラム22と共に、断熱層としての役割を果たす。従って、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と実質的に同様に、上側ダイヤフラム25が、液圧室L1内の液体の温度による影響を受けて変形することがなく、本来の撓みによる変位を良好になし得ることで、液圧の検出精度を良好に維持することができる。
【0172】
また、本第2実施形態でも、上述のごとく、上下両側ダイヤフラム25、22からなる2枚のダイヤフラム構成が採用されているから、下側ダイヤフラム22の下面は、液圧室L1の周壁面の一部を構成する。従って、薬液が流入通路部23aを通り液圧室L1内に流動しても、下側ダイヤフラム22の下面の下側に、薬液による液だまりが発生することがない。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、空圧室R1を、内側壁30のT字状通路36及び弁機構30aからなる空気供給源Aからの空気の流入系統と、内側壁30の通路35及び上壁40の通路41(オリフィス41dを含む)からなる排出系統との間に介装するとともに、開閉弁60aを、空圧室R1の後流側にて、上記排出系統中内に介装するように構成されている。
【0173】
このため、上述したような液圧Paの検出状態において、開閉弁60aの空間部R2の内部が、空気供給源Aからの空気の圧送の停止により当該空気から遮断されると、開閉弁60aは、そのピストン63により、上記第1実施形態と同様に、弁体部66を他側通路部41bの上記弁座部に着座させて、閉弁する。その結果、上記第1実施形態と同様に、空圧検出素子52や信号処理回路53が、薬液の腐食性ガスにより腐食されることなく、本来の機能を良好に維持し得る。なお、このようなピストン63の下動過程においては、空間部R2内の空気は、ピストン部63cにより、開閉弁60aのケーシング61の周壁に形成した貫通状小孔部(図示しない)を通して外部に排出される。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図11〜図14においては、本発明に係る流量検出装置Qaが、本発明の第3実施形態として、上記第1実施形態にて述べた半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された例を示している。この第3実施形態において、当該流量検出装置Qaは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、上記枚葉式処理系統に適用されてなるもので、この流量検出装置Qaは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaにおける薬液の液圧を空圧に変換する構成を、2組、利用して構成されている。
【0174】
当該流量検出装置Qaは、図11にて示すごとく、検出装置本体B2を備えている。この検出装置本体B2は、ハウジングJを有しており、このハウジングJは、下側ハウジング部材J1及び上側ハウジング部材J2により構成されている。
【0175】
下側ハウジング部材J1は、上記第1実施形態にて述べた下側ハウジング部材H1の台座10及び内側壁20にそれぞれ対応する台座100及び内側壁200を有しており、台座100は、図11、図12及び図14から分かるように、矩形板状に形成されている。本第2実施形態において、台座100は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって、形成されている。
【0176】
内側壁200は、図11にて示すように、矩形板状壁本体200aと、流入側筒状ボス200bと、流出側筒状ボス200cとにより構成されている。壁本体200aは、台座100の上面上に積層されており、この壁本体200aは、図11にて示すごとく、上下流両側大径穴部210a及び上下流両側小径穴部210bを有している。なお、本第3実施形態において、例えば、上下流両側大径穴部210aにおいて、「上下流」とは、下側ハウジング部材J1内の薬液の流れ方向における上下流をいう。このことは、後述する上下流両側ダイヤフラム220、上下流両側ダイヤフラム240、上下流両側封止部材210c、上下流両側液圧室L2、上下流両側凹所320或いは上下流両側空圧室R11においても同様である。
【0177】
各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bは、上流側ダイヤフラム220を介し、互いに同軸的に対向するように、壁本体200aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。また、各下流側の大径穴部210a及び小径穴部210bは、下流側ダイヤフラム220を介し、互いに同軸的に対向するように、各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの下流側にて、壁本体200aの上下両面側から同軸的に縦断面コ字状に形成されている。なお本第3実施形態において、内側壁200は、上記第1実施形態にて述べたPTFEでもって形成されている。
【0178】
本第3実施形態において、上下流両側ダイヤフラム220は、他の上下流両側ダイヤフラム240(後述する)に対し、それぞれ、下側に位置するもので、当該上下流両側ダイヤフラム220の各々は、上記第1実施形態にて述べた下側ダイヤフラム22の円板状厚膜部22a及び円環状可撓性薄膜部22bに対応する円板状厚膜部220a及び円環状可撓性薄膜部220bを有するように、当該下側ダイヤフラム22と同様に形成されている。なお、当該上下流両側ダイヤフラム220は、上述のごとく、上下流両側大径穴部210a及び上下流両側小径穴部210bを壁本体200a内に形成する際に、当該壁本体200aと一体に形成されている。
【0179】
また、当該壁本体200aは、上記第1実施形態にて述べた封止部材21cに対応する円柱台状の上下流両側封止部材210cを有しており、これら上下流両側封止部材210cは、それぞれ、壁本体200aの下方から上下流両側小径穴部210b内に圧入により嵌着されている。これにより、これら上下流両側封止部材210cと上下流両側ダイヤフラム220との間には、横断面円形状の上下流両側液圧室L2が、各対応の封止部材210cによる封止のもとに気密的に形成されている。
【0180】
また、当該壁本体200aは、図11にて示すごとく、流入通路部230a、絞り通路230b及び流出通路部230cを有しており、流入通路部230a及び絞り通路230bは、上流側液圧室L2を介し互いに対向するように壁本体200a内に形成されている。これにより、流入通路部230aは、その内部にて上流側液圧室L2の内部を通り絞り通路230bの内部に連通している。
【0181】
絞り通路230cは、絞り部231を有しており、この絞り部231は、所定の絞り度合いを有するように絞り通路230c内に形成されている。また、流出通路部230cは、下流側液圧室L2を介し絞り通路230bに対向するように壁本体200a内に形成されており、この流出通路部230cは、その内部にて、下流側液圧室L2の内部を通り絞り通路230bの内部に連通している。
【0182】
流入側筒状ボス200b及び流出側筒状ボス200cは、壁本体200aの外周面から互いに対向して逆方向に突出するように形成されている。流入側筒状ボス200bは、上記薬液供給源から延出する配管P1(図1参照)に接続されており、この流入側筒状ボス200bは、その中空部にて、壁本体200aの流入通路部230aの内部に連通している。これにより、当該流入側ボス200bは、上記薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部230aを介し上流側液圧室L2内に流動させる。なお、上流側液圧室L2内における薬液の液圧は、上流側ダイヤフラム220の下面に上方に向けて作用する。
【0183】
一方、流出側筒状ボス200cは、上記処理カップ(図示しない)から延出する配管P2(図1参照)に接続されており、この流出側筒状ボス200cは、絞り通路230bから下流側液圧室L2を通り流出通路部230c内に流動する薬液を、上記処理カップから延出する配管P2内に流動させる。なお、下流側液圧室L2内における薬液の液圧は、下流側ダイヤフラム220の下面に上方に向けて作用する。
【0184】
また、下側ハウジング部材J1は、図11にて示すごとく、上下流両側ダイヤフラム240を有しており、当該上下流両側ダイヤフラム240は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24の厚膜部24a、可撓性薄膜部24b、フランジ部24c及び弁体部24dにそれぞれ対応する円板状厚膜部240a、円環状可撓性薄膜部240b、円環状フランジ部240c及び円錐状弁体部240dを有するように、当該上側ダイヤフラム24と同様に形成されている。
【0185】
このように形成した上下流両側ダイヤフラム240は、それぞれ、内側壁200の上下流両側大径穴部210a内に収容されており、上流側ダイヤフラム240は、フランジ部240cにて、各上流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの間の円環状境界段部上に上流側Oリング310(後述する)を介し内側壁300により気密的に挟持されている。これにより、上流側ダイヤフラム240は、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220a上に着座している。
【0186】
しかして、上流側ダイヤフラム240は、その薄膜部240bの下方への撓みにより、厚膜部240aにて、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、上流側ダイヤフラム220の厚膜部220aにより押動されて薄膜部240bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0187】
また、下流側ダイヤフラム240は、フランジ部240cにて、各下流側の大径穴部210a及び小径穴部210bの間の円環状境界段部上に下流側Oリング310(後述する)を介し内側壁300により気密的に挟持されている。これにより、下流側ダイヤフラム240は、厚膜部240aにて、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220a上に着座している。
【0188】
しかして、下流側ダイヤフラム240は、その薄膜部240bの下方への撓みにより、厚膜部240aにて、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、下流側ダイヤフラム220の厚膜部220aにより押動されて薄膜部240bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0189】
上側ハウジング部材J2は、上記第1実施形態にて述べた下側ハウジング部材H1の内側壁30及び上壁40にそれぞれ対応する内側壁300及び上壁400によって構成されている。本第3実施形態では、内側壁300及び上壁400は、上記第1実施形態にて述べたPTFEでもって形成されている。
【0190】
内側壁300は、図11にて示すごとく、その下面にて、上下流両側Oリング310を介して内側壁200の上面上に気密的に積層されている。ここで、上下流両側Oリング310の各々は、上下流両側ダイヤフラム240の各フランジ部240cを、上下流両側大径穴部210a間の上記円環状境界段部との間にて挟持するように、内側壁300の円環状の各溝部310a内に嵌着されている。なお、各溝部310aは、内側壁300の下面のうち上下流両側大径穴部210a間の上記円環状境界段部に対する対向部位に形成されている。
【0191】
また、当該内側壁300は、上下流両側凹所320を有しており、これら上下流両側凹所320は、それぞれ、各溝部310aの内周側にて、内側壁300にその下面側から上方に向け凹状に形成されている。これにより、当該上下流両側凹所320は、それぞれ、その各内部にて、内側壁200の上下流両側大径穴部210aに上方から同軸的に対向して、上下流両側ダイヤフラム240の各上面との間に上下流両側室R11(以下、上下流両側空圧室R11ともいう)を形成する。
【0192】
また、当該上下流両側凹所320は、それぞれ、環状部320aを設けてなり、これら環状部320aは、それぞれ、弁座部320aとして、上下流両側ダイヤフラム240の各円錐状弁体部240dに同軸的に対向するように、上下流両側凹所320の各内面中央部から下方に向け突出形成されている。これにより、各弁座部320aは、それぞれ、その下方から各弁体部240dにより着座されるようになっている。以下、上下流両側凹所320において、各対応の弁体部240d及び弁座部320aが構成する各弁は上下流両側ダイヤフラム弁Va(図11参照)という。
【0193】
本第3実施形態において、上流側ダイヤフラム弁Vaの開度と上流側の各ダイヤフラム220、240の変位との関係及び下流側ダイヤフラム弁Vbの開度と下流側の各ダイヤフラム220、240の変位との関係は、ともに、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム弁Vaの開度と上下両側ダイヤフラム24、22の変位との関係と同様である。
【0194】
また、上流側ダイヤフラム220に作用する液圧Pa(上流側液圧室L2内の薬液の液圧)と上流側ダイヤフラム240に作用する上流側空圧室R11内の空圧Pbとの間の関係及び下流側ダイヤフラム220に作用する液圧Pa(下流側液圧室L2内の薬液の液圧)と下流側ダイヤフラム240に作用する下流側空圧室R11内の空圧Pbとの間の関係は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた直線特性1(図7参照)により特定される。
【0195】
また、当該内側壁300は、図11或いは図14から分かるように、上下流両側通路330(図14では、下流側通路330のみを示す)及び通路340を有している。上下流両側通路330は、それぞれ、図14にて例示するごとく、上壁400を後述のごとく通り流れる空気を、両空圧室R11内に流入させるように、内側壁300内にてその板厚方向に形成されている。ここで、上下流両側空圧室R11内に生ずる各空圧は、上下流両側ダイヤフラム240の各上面に下方に向けて作用する。
【0196】
また、通路340は、図11にて示すごとく、上下流両側通路部341及び共通通路部342を一体的に有するように、内側壁300内に形成されている。しかして、上流側通路部341は、上流側凹所320の環状部320aを開口部320aとして、上流側空圧室R11の内部を共通通路部342を通し内側壁300の外部に連通させるとともに、下流側通路部341は、下流側凹所320の環状部320aを開口部320aとして、下流側空圧室R11の内部を共通通路部342を通し内側壁300の外部に連通させる。これにより、上下流両側ダイヤフラム240が、それぞれ、各弁体部240dにて、上下流両側凹所320の各環状部320aから解離しているとき、共通通路部342は、各環状部320aを介して、上下流両側空圧室R11の各内部を内側壁30の外部に開放する。
【0197】
上壁400は、上下流両側通路410(図14では下流側通路410のみを示す)及び共通通路420を有しており、上下流両側通路410は、図14にて例示するごとく、それぞれ、一側通路部410a及び他側通路部410bでもって、上壁400内にて、L字状に形成されている。
【0198】
当該上下流両側通路410において、各一側通路部410aは、上壁400内にてその上下両面に平行となるように互いに間隔をおいて形成されている。当該各一側通路部410aは、その一側端部にて、共通通路420の長手方向中間部位内に連通しており、これら各一側通路部410aの他側端部にて、上下流両側凹部440(後述する)内に連通している。
【0199】
共通通路420は、図12、図13或いは図14から明らかなごとく、上下流両側圧電変換ユニット50に沿い、その上下流両側開閉弁60aとは反対側(図13では、図示上側)にて、上壁400内に形成されており、この共通通路420は、その開口端部421にて、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aの空気の供給口部に接続されている(図12及び図13参照)。これにより、当該共通通路420は、その開口端部421を介し、空気供給源Aから空気を圧送されて、上下流両側通路410の各一側通路部410a内に流入させる。
【0200】
上下流両側通路410の各他側通路部410bは、図14にて例示するごとく、それぞれ、上下流両側通路410の各一側通路部410aの延出端部から下方に向けL状に屈曲して延出するように上壁400内にて形成されており、当該各他側通路部410bは、その延出端開口部にて、それぞれ、内側壁300の上下流両側通路330を介し上下流両側空圧室R11内に連通している。これにより、各他側通路部410bは、それぞれ、上下流両側通路330を介し各対応の一側通路部410a内の空気を上下流両側空圧室R11内に流入させる。
【0201】
また、上下流両側通路410は、図13或いは図14から分かるように、それぞれ、オリフィス412を有しており、これら両オリフィス412は、それぞれ、各一側通路部410a内にて共通通路420(後述する)の中間部位近傍部位に設けられている。なお、各オリフィス412は、それぞれ、主として、後述のごとく、各圧電変換ユニット50(後述する)の受圧面に作用させる空圧を形成する役割を果たす。
【0202】
また、上壁400は、図14にて例示するごとく、上下流両側中空部430を有しており、これら上下流両側中空部430は、それぞれ、上壁400にその上面側から横断面円形状にて下方に向け、互いに間隔をおいて凹状に形成されている。当該上下流両側中空部430は、それぞれ、その各底部のうち各対応の一側通路部410aの延出方向中間部位に対する対応部にて、帯状連通孔部413(図14では一方の帯状連通孔部413のみを示す)を形成してなり、これら帯状連通孔部413は、各対応の一側通路部410aの上記延出方向中間部位内に帯状に連通する。これにより、各一側通路部410a内にて流動する空気は、各対応の帯状連通孔部413から各対応の中空部430内にも流動する。
【0203】
本第3実施形態において、図11にて、各符号414はそれぞれOリングを示しており、これら各Oリング414は、上壁400の各円環状溝部414a内に嵌着されて、各対応の他側通路部410bを内側壁300及び上壁400の境界面から気密的にシールする。なお、各溝部414aは、上壁400の下面のうち各対応の他側通路部410bの流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0204】
また、当該検出装置本体B2においては、上記第1実施形態にて述べた圧電変換ユニット50が、2つ、上下流両側圧電変換ユニット50として採用され、安全機構600が、上記第1実施形態にて述べた安全機構60に代えて、採用され、かつ、空圧−流量変換回路543が採用されている。これら上下流両側圧電変換ユニット50、安全機構600及び空圧−流量変換回路543は、検出装置本体B2の上壁400上に設けられて、四角箱状蓋体C2内に収容されている。ここで、蓋体C2は、その下端開口部にて、上壁400の上面に装着されている。なお、蓋体C2は、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)でもって形成されている。
【0205】
上下流両側圧電変換ユニット50は、図14にて例示するごとく、それぞれ、その各筒体51の開口部51aにて、上壁400の上下流両側中空部430の各々を上方から覆うようにして、当該上壁400の上面に装着されている。
【0206】
また、上下流両側圧電変換ユニット50において、各空圧検出素子52は、その外周部にて、円環状部51bにより、その上側内面にて、各Oリング431を介して、上壁400の上面のうち上下流両側中空部430の各外周部上に押圧されている。なお、各Oリング431は、上壁400の上面のうち各中空部430の近傍外周面部に沿い円環状に形成した各溝部432内に嵌装されており、当該各Oリング431は、各対応の空圧検出素子52の下面外周部と上壁400の上面のうち各対応中空部42の近傍外周面部との間に気密的に挟持されている。
【0207】
上下流両側圧電変換ユニット50において、各信号処理回路53は、各対応の空圧検出素子52からの電気信号を信号処理して、各対応中空部430内の空圧に比例する出力信号を発生して各リード線541を通して出力する。なお、各リード線541は、各対応の筒体51の上壁の一部に嵌着したゴムブッシュ542(図14では一方のゴムブッシュ542のみを示す)を通り延出している。
【0208】
空圧−流量変換回路543は、図14にて示すごとく、蓋体C2内にて支持されており、この空圧−流量変換回路543は、各信号処理回路53からの電気信号により表される上下流両側空圧室R11の各空圧に基づき当該各空圧の差を薬液の流量に変換して、蓋体C2の側壁の一部に嵌着したグロメット543を通りその外部に延出するリード線から外部回路に出力する。なお、薬液の流量は、上述した薬液の液圧の差の平方根に比例する。
【0209】
安全機構600は、図11、図13及び図14のいずれかにて示すごとく、上記第1実施形態にて述べた開閉弁60aを、2つ、上下流側開閉弁60aとして備えており、これら上下流側開閉弁60aは、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50に対応する位置にて、上壁400の上面上に配設されている。
【0210】
当該安全機構600において、上下流両側開閉弁60aは、図11或いは図14にて例示するごとく、それぞれ、上下流両側通路410内に介装されており、これら上下流両側開閉弁60aは、その各ピストン63の各先端部63eにて、それぞれ、上壁400の上下流両側凹部440(図11参照)内に延出している。
【0211】
本第3実施形態において、上下流両側凹部440は、それぞれ、上壁400のうち上下流両側開閉弁60aの各蓋体62に対する各対応部位から上下流両側通路410の各対応の一側及び他側の通路部410a、410bのL字状連結部にかけて凹状に形成されており、これら上下流両側凹部440は、それぞれ、その各底部側にて、各対応の一側及び他側の通路部410a、410b内にその各対応のL字状連結部内への各開口端部から連通している。
【0212】
また、当該安全機構600は、図13にて示すごとく、T字状配管610を有しており、この配管610においては、配管部611が、その両端側開口部にて、上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に連通している。また、配管部612は、その一端側開口部にて、配管部611の長手方向中央部位内に連通しており、当該配管部612の他側開口部は、共通通路420の長手方向中間部位内に連通している。これにより、配管600は、空気供給源Aから共通通路420内に圧送される空気を、配管部612内に導入して配管部611を通して上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入させる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0213】
以上のように構成した本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、上下流両側開閉弁60aは、図11にて示すごとく、ともに、閉弁状態にある。
【0214】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、空気供給源Aが空気の圧送を開始するとともに、上記薬液供給源が薬液の吐出を開始すると、空気供給源Aからの空気は、図13及び図14から明らかなように、上壁400の共通通路420内に流入するとともに、上記薬液供給源からの薬液は、配管P1を通り内側壁200の流入側ボス部200b内に流入する。
【0215】
現段階では、上下流両側開閉弁60aは上述のごとく閉弁状態にあるため、上述のように共通通路420内に流入する空気は、T字状配管610の配管部612及び配管部611を通り上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入する。
【0216】
然る後、各空間部R2内の空圧が、上記第1実施形態にて述べた所定圧よりも増大すると、上下流両側開閉弁60aが開弁する。これに伴い、共通通路420内に流入する空気が、上下流両側通路410の各一側通路部410a内に各オリフィス412を通り流入する(図14参照)。このように各一側通路部410a内にする空気は、上下流両側開閉弁60aの開弁状態にて、上壁400の上下流両側凹部440及び各他側通路部410b並びに内側壁300の上下流両側通路330を通り上下流両側空圧室R11内に流入する。このため、各空圧が、上下流両側ダイヤフラム弁Vaの各閉弁状態にて、各空圧室R11内に発生して上下流両側ダイヤフラム240の上面に作用する。なお、以下、上流側空圧室R11内に生ずる空圧は、空圧Pbcといい、下流側空圧室R11内に生ずる空圧は、空圧Pbdという。
【0217】
一方、上述のように吐出される薬液は、上下流両側ダイヤフラム弁Vaの各閉弁状態にて、上記薬液供給源から配管P1、ハウジングJの流入側ボス200b、流入通路部230a、上流側液圧室L2、絞り通路230b、下流側液圧室L2、流出通路部230c及び流出側ボス200c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0218】
このような過程においては、上流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧が上流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用するとともに、下流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧が下流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用する。ここで、上流側液圧室L2からの薬液は、絞り通路230bによりその絞り部231により絞られて、下流側液圧室L2内に流入する。このため、絞り通路230bの絞り部231の上下流両側にて薬液の圧力に差圧(以下、液圧差ΔPともいう)が発生する。以下、上流側液圧室L2内における液圧は、液圧Pacといい、下流側液圧室L2内における液圧は、液圧Padという。また、絞り通路230bの絞り度合いは一定であるため、液圧Padは液圧Pacに比例する。
【0219】
しかして、上述のような液圧差ΔPのもと、上下流両側ダイヤフラム弁Vaは、それぞれ、液圧Pacと空圧Pbcとの差圧に対応する開度及び液圧Padと空圧Pbdとの差圧に対応する開度にて、上下流両側空圧室R11内の空気を通路340の上下流両側通路部341及び共通通路部342を通して外部に排出する(図11参照)。
【0220】
このような状態において、上流側液圧室L2内の液圧Pacが増大或いは減少すると、下流側液圧室L2内の液圧Padも、絞り通路230bによる絞り度合いのもとに、液圧Pacの増大に比例して増大或いは減少する。
【0221】
しかして、上述のように両液圧Pac、Padが増大すると、上下流両側の各両ダイヤフラム220、240が、その各厚膜部220a、240aにて、上方へ変位する。これに伴い、上下流両側ダイヤフラム弁Vaが、その各開度を減少させて各空圧室R11内の空圧Pbc、Pbdを直線的に増大或いは減少させる(図7の直線特性1参照)。
【0222】
すると、このような両空圧Pbc、Pbdの各増大或いは各減少は、それぞれ、各対応のオリフィス412の絞り作用のもとに、内側壁300の各対応の通路330、上壁400の各対応の他側通路部410b、各凹部440、各一側通路部410a及びその帯状開口部413を通り、各対応の中空部430内に伝わり、各対応の空圧検出素子52の受圧面に作用する。
【0223】
このため、各空圧検出素子52は、それぞれ、その受圧面に作用する空圧の増大を検出して電気信号を発生し各対応の信号処理回路53に出力する。これに伴い、各信号処理回路53は、それぞれ、当該各電気信号を信号処理して、各中空部430内の空圧の増大に比例する出力信号を発生し、空圧−流量変換回路543が、各信号処理回路53の出力信号に基づき上記薬液の流量を表す出力を発生する。
【0224】
以上説明したように、本第3実施形態では、上述したごとく、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaにおいて薬液の液圧を空圧に変換する液圧−空圧変換構成が2組採用されている。そして、このような2組の液圧−空圧変換構成のもと、薬液が上流側液圧室L2から絞り通路230bを通り下流側液圧室L2内に流動する通路構成が採用されている。これにより、このような通路構成では、当該薬液の液圧が、上流側液圧室L2内にて発生し、絞り通路230bによる絞り作用のもとに、下流側液圧室L2内にて減少し、絞り通路230bの上下流間において差圧を生ずる。
【0225】
このような絞り通路230bの上下流間における差圧のもと、上流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する上流側液圧室L2及び上流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、上流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、上流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、上流側ダイヤフラム弁Vaの開度が変動して上流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0226】
一方、下流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する下流側液圧室L2及び下流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、下流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、下流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、下流側ダイヤフラム弁Vaの開度が変動して下流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0227】
そして、上述のように変動する上下流両側空圧室R11内の各空圧は、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50の各々において上下流両側液圧室L2内の各薬液の液圧に比例するレベルの出力に変換され、かつこれら各出力が、これに比例する薬液の流量に空圧−流量変換回路543によって変換される。
【0228】
ここで、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaは、上述のごとく、精度よく薬液の液圧を検出し得る。従って、本第3実施形態の流量検出装置において、当該圧力センサSaの液圧−空圧変換構成を利用することで、薬液の流量が精度よく検出され得る。
(第4実施形態)
図15及び図16は、本発明に係る流量検出装置Qbが、本発明の第4実施形態として、上記第2実施形態にて述べた半導体製造装置の枚葉式処理系統に適用された例を示している。この第4実施形態において、その流量検出装置は、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbに代えて、上記枚葉式処理系統に適用されてなるもので、この流量検出装置は、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbにおける薬液の液圧を空圧に変換する構成を、2組、利用して構成されている。
【0229】
当該流量検出装置Qbは、図15にて示すごとく、検出装置本体B3を備えている。この検出装置本体B3は、上記第3実施形態にて述べた上下流両側ダイヤフラム240(図11参照)に代えて、上下流両側ダイヤフラム250を備えており、当該上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、円板状厚膜部250a、円環状可撓性薄膜部250b、円環状フランジ部250c及びリフトストップ部25dでもって構成されている。ここで、上下流両側ダイヤフラム250の各々の厚膜部250a、薄膜部250b、円環状フランジ部250cは、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25の厚膜部25a、薄膜部25b及びフランジ部25cと同様に、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。なお、本第4実施形態において、リフトストップ部25dとしたのは、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25のリフトストップ部25dを、2つ採用して上下流両側ダイヤフラム250の各リフトストップ部としたためである。
【0230】
上下流両側ダイヤフラム250の各々のリフトストップ部25dは、図15にて示すごとく、その下部にて、厚膜部250aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されている。
【0231】
しかして、このように構成した上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25と同様に、内側壁200の上下流両側大径穴部210a内に収容されており、これら上下流両側ダイヤフラム250は、上側ダイヤフラム25と同様に、それぞれ、フランジ部250cにて、上下流両側大径穴部210aの上記各底壁外周部上に着座している。
【0232】
これにより、上下流両側ダイヤフラム250は、それぞれ、その薄膜部250bの下方への撓みにより、厚膜部250aにて、上下流両側ダイヤフラム220の各厚膜部220aを下方へ押動するように変位し、この変位状態のもと、各厚膜部220aにより押動されて薄膜部250bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。
【0233】
また、本第4実施形態では、安全機構600が、上下流両側圧電変換ユニット50とともに、上記第3実施形態にて述べた蓋体C2内に収容されているが、当該安全機構600においては、上下流両側配管620が、上記第3実施形態にて述べたT字状配管610に代えて、上記第3実施形態にて述べたハウジング部材J2の上壁400に設けられている。
【0234】
上下流両側配管620は、それぞれ、図15或いは図17にて示すごとく、上下流両側開閉弁60aの各々の図示右側に配設されており、上流側配管620は、図15或いは図17にて示すごとく、その基端開口部にて、上壁400の上流側通路450(後述する)内にその上端開口部から連通している。また、当該上流側配管620は、その基端開口部から上流側開閉弁60aに向けて延出しており、この上流側配管620は、その延出開口端部にて、上流側開閉弁60aの空間部R2内に四角筒状ケーシング61の開孔部61dを介し連通している。
【0235】
一方、下流側配管620は、図15或いは図17にて示すごとく、その基端開口部にて、上壁400の下流側通路450(後述する)内にその上端開口部から連通している。また、当該下流側配管620は、その基端開口部から下流側開閉弁60aに向けて延出しており、この下流側配管620は、その延出開口端部にて、下流側開閉弁60aの空間部R2内に四角筒状ケーシング61の開孔部61dを介し連通している。
【0236】
また、本第3実施形態では、上述のような配管620の上壁40に対する連通構成に伴い、上下流両側通路450が、図15にて示すごとく、それぞれ、上下流両側凹部440の各々の右側にて、上壁400にその厚さ方向に向け貫通状に形成されている。なお、図15にて、各符号451は、それぞれ、Oリングを示しており、これらOリング451は、それぞれ、上壁400の各円環状溝部451a内に嵌着されて、各対応の通路450を内側壁300及び上壁400の境界面から気密的にシールする。なお、各溝部451aは、上壁400の下面のうち各対応の通路450の流出端部の近傍円環状部位に形成されている。
【0237】
また、本第4実施形態においては、上下流両側T字状通路350、上下流両側通路360及び上下流両側弁機構30aが、図15及び図17にて示すごとく、上記第3実施形態にて述べた上下流両側通路330及び上下流両側L字状通路340(図11及び図14参照)に代えて、内側壁300内に形成されている。なお、本第4実施形態において、上下流両側弁機構30aとしたのは、上上記第2実施形態にて述べた弁機構30a(図8参照)を、2つ採用して、上下流両側弁機構30aとしたためである。
【0238】
上下流両側T字状通路350のうち、上流側T字状通路350は、上下流両側弁機構30aの間にて内側壁300内に形成されており、この上流側T字状通路350は、通路部350a及び通路部350bにより構成されている。当該流側T字状通路350の通路部350aは、その流出端開口部にて、上流側弁機構30aの段付き孔部37内にその右側開口部37e(後述する)を介し連通しており、当該通路部350aの流入端開口部は、下流側弁機構30aの段付き孔部37内にその左側開口部37f(後述する)を介し連通している。また、当該上流側T字状通路350の通路部350bは、その流入端部にて、上流側T字状通路350の通路部350aの長手方向中間部位内に連通しており、この通路部350bの流出端開口部は、上壁400の上流側通路450を通り上流側配管620内に連通している。
【0239】
一方、下流側T字状通路350は、図15にて示すごとく、下流側弁機構30aの右側にて、内側壁300内に形成されており、この下流側T字状通路350は、上流側T字状通路350と同様に、通路部350a及び通路部350bにより構成されている。ここで、下流側T字状通路350の通路部350aの流入端開口部351には、上記第3実施形態とは異なり、空気供給源Aがその供給口部にて接続されている。また、下流側T字状通路350の通路部350bは、下流側T字状通路350の通路部350aの長手方向中間部位の内部を上壁400の下流側通路450を通して安全機構600の下流側配管620内に連通する。
【0240】
また、検出装置本体B3は、上記第2実施形態にて述べた弁機構30aを、2つ、上下流両側弁機構30aとして備えている。上下流両側弁機構30aのうち、上流側弁機構30aは、図15にて示すごとく、上流側ダイヤフラム250と同軸的に位置するように、内側壁300内に設けられており、当該上流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち右側中間部位には、右側開口部37eが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。また、当該上流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、上流側ダイヤフラム250の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。
【0241】
一方、下流側弁機構30aは、下流側ダイヤフラム250と同軸的に位置するように、内側壁300内に形成されており、当該下流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち左右両側の各中間部位には、左右両側の各開口部37f、37eが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。これにより、上流側弁機構30aの段付き孔部37は、その右側開口部37eにて、上流側通路350の通路部350a、下流側弁機構30aの段付き孔部37の左側開口部37f、支持柱38の小径筒部38bの外周空所及び右側開口部37eを通り下流側通路350の通路部350a内に連通している。また、当該下流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、下流側ダイヤフラム250の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。その他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0242】
以上のように構成した本第4実施形態において、上記第2実施形態と同様に、上記半導体製造装置が作動状態におかれたものとする。このとき、上下流両側開閉弁60aは、図15にて示すごとく、ともに閉弁状態にある。また、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち各ダイヤフラム弁Vbは、閉弁状態にある。
【0243】
このような状態において、上記第3実施形態と同様に、空気供給源Aによる空気の圧送及び上記薬液供給源による薬液の吐出が開始されると、空気供給源Aからの空気は、上記第3実施形態とは異なり、図15にて示すように、内側壁300の下流側T字状通路350の通路部350a内にその流入端開口部351から流入するとともに、上記薬液供給源Aからの薬液は、配管P1を通り内側壁200の流入側ボス200b内に流入する。
【0244】
現段階では、上述のごとく、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち各ダイヤフラム弁Vbは、閉弁状態にあるため、上下流両側空圧室R11は、それぞれ、上下流両側のT字状通路350の各通路部350aから遮断されている。
【0245】
従って、上述のように下流側T字状通路350の通路部350a内に流入した空気は、当該下流側T字状通路350の通路部350b、上壁400の下流側通路450及び安全機構600の下流側配管620を通り下流側開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。また、このように上流側T字状通路350の通路部350a内に流入した空気は、上流側T字状通路350の通路部350b、上壁400の上流側通路450及び安全機構600の上流側配管620を通り上流側開閉弁60aの空間部R2内に開孔部61dから流入する。
【0246】
しかして、上述のように、空気が、上下流両側開閉弁60aの各空間部R2内に流入すると、空圧が、当該各空間部R2内に発生して増大していく。そして、各空間部R2内の空圧が上記所定圧よりも増大すると、上下流両側開閉弁60aが、それぞれ、開弁する。これにより、上壁400の上下流両側通路410の各々において、その一側通路部410aが他側通路部410b内に上流側凹部440を介し連通する。
【0247】
一方、上述のように、内側壁200の流入側ボス200b内に流入する薬液は、上記第3実施形態と同様に、上流側液圧室L2、絞り通路230b、下流側液圧室L2、流出通路部230c及び流出側ボス200c並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0248】
このような過程においては、上記第3実施形態と同様に、上流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧Pacが上流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用するとともに、下流側液圧室L2内に流入する薬液の液圧Padが下流側ダイヤフラム220の下面に沿い作用する。ここで、上流側液圧室L2からの薬液は、絞り通路230bによりその絞り部231により絞られるため、下流側液圧室L2内の薬液Padは上流側液圧室L2内の液圧Pacよりも減少する。これに伴い、液圧差ΔP(液圧Pacと液圧Padとの差)が、上記第3実施形態と同様に、絞り通路230bの絞り部231の上下流両側にて発生する。
【0249】
このような状態において、上流側液圧室L2内の液圧Pacが増大すると、下流側液圧室L2内の薬液Padも増大する。これに伴い、上下流両側ダイヤフラム250が、上下流両側ダイヤフラム220の撓みより、上方へ押動されて変位する。このため、上下流両側弁機構30aの各弁部、即ち、各ダイヤフラム弁Vbが、上下流両側ダイヤフラム250の上方への各変位に応じて開弁する。
【0250】
すると、上述のように内側壁300の下流側T字状通路350の通路部350a内にその流入端開口部351から流入する空気は、下流側弁機構30aの段付き孔部37内に右側開口部37eを通り流入するとともに、当該段付き孔部37の左側開口部37fから上流側T字状通路350の通路部350a内に流入して上流側弁機構30aの段付き孔部37内にその右側開口部37eから流入する。
【0251】
しかして、このように、空気が上下流両側弁機構30aの各段付き孔部37内に流入すると、上下流両側弁機構30aの各々毎に、段付き孔部37内に流入した空気は、上記第2実施形態と同様に、段付き孔部37の内周面とロッド39のロッド本体39bの上側ロッド部及び鍔部39cとの間を通り、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入し、さらに、段付き孔部37の小径内孔部37aの内部を通り空圧室R11内に流入する。そして、このように空圧室R11内に流入した空気は、上側上壁300の対応の通路360、対応の通路410の他側通路部410b、対応の凹部440及び対応の通路410の一側通路部410aを通り対応のオリフィス412により絞られて共通通路420内に流入してその開口端部421から外部に流出する(図16及び図17参照)。その後の作動は上記第3実施形態と同様である。
【0252】
以上説明したように、本第4実施形態では、上述したごとく、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbにおいて薬液の液圧を空圧に変換する液圧−空圧変換構成が2組採用されている。そして、このような2組の液圧−空圧変換構成のもと、薬液が上流側液圧室L2から絞り通路230bを通り下流側液圧室L2内に流動する通路構成が採用されている。
【0253】
これにより、このような通路構成では、当該薬液の液圧が、上流側液圧室L2内にて発生し、絞り通路230bによる絞り作用のもとに、下流側液圧室L2内にて減少し、絞り通路230bの上下流間において差圧を生ずる。
【0254】
このような絞り通路230bの上下流間における差圧のもと、上記第3実施形態と同様に、上流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する上流側液圧室L2及び上流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、上流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、上流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、上流側ダイヤフラム弁Vbの開度が変動して上流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0255】
一方、下流側両ダイヤフラム220、240を介し対向する下流側液圧室L2及び下流側空圧室R11内の液圧及び空圧の差圧が、下流側液圧室L2内における薬液の液圧に応じて変動し、下流側両ダイヤフラム220、240の変位が変動し、下流側ダイヤフラム弁Vbの開度が変動して下流側空圧室R11内の空圧を変動させる。
【0256】
そして、上述のように変動する上下流両側空圧室R11内の各空圧は、それぞれ、上下流両側圧電変換ユニット50の各々において上下流両側液圧室L2内の各薬液の液圧に比例するレベルの出力に変換され、かつこれら各出力が、これに比例する薬液の流量に空圧−流量変換回路543によって変換される。
【0257】
ここで、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbは、上述のごとく、精度よく薬液の液圧を検出し得る。従って、本第4実施形態の流量検出装置において、当該圧力センサSbの液圧−空圧変換構成を利用することで、薬液の流量が精度よく検出され得る。
(第5実施形態)
図18は、本発明の第5実施形態の要部を示している。この第5実施形態では、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaのセンサ本体Bにおいて、単一のダイヤフラム26が、上下両側ダイヤフラム22、24に代えて採用されている。
【0258】
当該ダイヤフラム26は、円板状厚膜部26a、円環状可撓性薄膜部26b、円環状フランジ部26c及び円錐状弁体部26dを一体的に有するように、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって、形成されている。
【0259】
このダイヤフラム26において、薄膜部26bは、厚膜部26aの外周下端部から外方に向け延出している。また、フランジ部26cは、薄膜部26bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部26cは、その内周面軸方向下端部位にて薄膜部26bの外周部と一体となっている。また、弁体部26dは、厚膜部26aの上面中央部から上方へ円錐状に突出形成されている。
【0260】
このように構成したダイヤフラム26は、下側ハウジング部材H1の内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、当該ダイヤフラム26は、フランジ部26cにて、大径穴部21aの底壁外周部上に着座している。これに伴い、ダイヤフラム26は、厚膜部26aにて、液圧室L1内に対向している。
【0261】
これにより、ダイヤフラム26は、その薄膜部26bの下方への撓みにより、厚膜部26aにて、液圧室L1側変位し、薄膜部26bの上方への撓みのもとに上方へ変位する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0262】
このように構成した本第5実施形態においては、単一のダイヤフラム26が、その両面側から、液圧室L1内の液圧及び空圧室R1内の空圧と共に直接受けることとなる。その結果、単一のダイヤフラム26の液圧の変動に対する感度を良好に確保することができる。なお、上述した液だまりを除き、上記第1実施形態にて述べた上下両側ダイヤフラム22、24と同様の機能を果たすことができる。
(第6実施形態)
図19は、本発明の第6実施形態の要部を示している。この第65実施形態では、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbのセンサ本体B2において、単一のダイヤフラム27が、上下両側ダイヤフラム22、25に代えて採用されている。
【0263】
当該ダイヤフラム27は、円板状厚膜部27a、円環状可撓性薄膜部27b、円環状フランジ部27c及び弁体部27dでもって構成されており、厚膜部27a、可撓性薄膜部27b及びフランジ部27cは、フッ素樹脂(例えば、PTFE)でもって一体的に形成されている。
【0264】
このダイヤフラム27において、薄膜部27bは、厚膜部27aの外周下端部から外方に向け延出している。また、フランジ部27cは、薄膜部27bの外周部から外方へ延出しており、このフランジ部27cは、その内周面軸方向下端部位にて薄膜部27bの外周部と一体となっている。また、弁体部27dは、上記第2実施形態にて述べた弁体部25dと同様の構成を有しており、この弁体部27dは、その下部にて、厚膜部27aの上面中央部に形成した凹所内に嵌着されている。
【0265】
しかして、このように構成したダイヤフラム27は、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25と同様に、下側ハウジング部材H1の内側壁20の大径穴部21a内に収容されており、このダイヤフラム27は、フランジ部27cにて、大径穴部21aの上記底壁外周部上に着座している。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0266】
このように構成した本第6実施形態においては、単一のダイヤフラム27が、上記第2実施形態にて述べた上下両側ダイヤフラム22、25と同様の機能を果たすことで、上記第2実施形態と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
(第7実施形態)
図20は、本発明の第7実施形態を示している。この第7実施形態においては、圧力センサScが、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaに代えて、採用されている。
【0267】
当該圧力センサScは、図20にて示すごとく、センサ本体B4を備えている。このセンサ本体B4は、例えば、PTFEからなるハウジング700を有しており、このハウジング700は、下側ハウジング部材710及び上側ハウジング部材720でもって構成されている。
【0268】
ここで、上側ハウジング部材720は、その開口部721にて、下側ハウジング部材710の開口部711に係合されて、ハウジング700を構成しており、このハウジング700内には、ダイヤフラム730(後述する)が組み付けられて当該ハウジング700の内部を、上記第1実施形態にて述べた空圧室R1及び液圧室L1に区画形成している。
【0269】
下側ハウジング部材710は、矩形板状壁本体710aと、流入側筒状ボス710bと、流出側筒状ボス710cとにより構成されている。壁本体710aは、凹部712を有しており、この凹部712は、その周壁部にて、図20にて示すごとく、大径壁部712a及び小径壁部712bでもって、ダイヤフラム730を介し図示上下に同軸的に位置するように形成されている。ここで、凹部712は、ダイヤフラム730を介し、大径壁部712a側部位及び小径壁部712b側部位にて、それぞれ、上述した空圧室R1及び液圧室L1を構成する。
【0270】
また、壁本体710aは、流入通路部713a及び流出通路部713bを有しており、これら流入通路部713a及び流出通路部713bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体710a内に形成されている。これにより、流入通路部713aは、その内部にて、液圧室L1を通り、流出通路部713bの内部に連通している。
【0271】
流入側筒状ボス710b及び流出側筒状ボス710cは、壁本体710aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出されている。流入側筒状ボス710bは、その中空部にて、壁本体710aの流入通路部713aの内部に連通しており、当該流入側ボス710bは、上記第1実施形態にて述べた薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部713aを介し液圧室L1内に流動させる。一方、流出側筒状ボス710cは、液圧室L1から流出通路部713b内に流動する薬液を、上記第1実施形態にて述べた配管P2内に流動させる。
【0272】
上側ハウジング部材720は、図20にて示すごとく、凹所722を有しており、この凹所722は、上側ハウジング部材720にその下面側から上方に向け凹状に形成されて、上述した空圧室R1を、ダイヤフラム730との間に形成する。また、凹所722は、環状部722aを設けてなり、この環状部722aは、弁座部722aとして、ダイヤフラム730の円錐状弁体部734に同軸的に対向するように、凹所722の内面中央部から下方に向け突出形成されている。これにより、弁体部734は、その変位に伴い、弁座部722aとの間の開度を調整する。なお、弁体部734及び弁座部722aにより構成される弁は、上記第1実施形態と同様に、ダイヤフラム弁Vaという。
【0273】
また、当該上側ハウジング部材720は、その内部に、図20にて示すごとく、両通路部723、724を形成してなり、通路部723は、空圧室R1の内部を、配管P5を介し、常閉型開閉弁800の流出孔部811b(後述する)の内部に連通させる。また、通路部724は、その内端開孔部にて、凹所722の弁座部722aを介し、空圧室R1内に連通しており、この通路部724の外端開孔部は、ハウジング700の外部に連通している。
【0274】
また、センサ本体B4は、ダイヤフラム730を有しており、このダイヤフラム730は、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24の厚膜部24a、可撓性薄膜部24b、フランジ部24c及び弁体部24dにそれぞれ対応する円板状厚膜部731、円環状可撓性薄膜部732、円環状フランジ部733及び円錐状弁体部734を有するように、上側ダイヤフラム24と同様に形成されている。
【0275】
このように形成したダイヤフラム730は、下側ハウジング部材710の凹部712内に収容されており、当該ダイヤフラム730は、フランジ部733にて、Oリング740と大径壁部712a及び小径壁部712bとの間の円環状境界段部との間に気密的に挟持されている。これにより、当該ダイヤフラム730は、凹部712を、空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部732の下方への撓みにより、厚膜部731にて、液圧室L1側へ押動するように変位し、この変位状態のもと、薄膜部24bの上方への撓みのもとに空圧室R1側へ変位する。
【0276】
開閉弁800は、本第7実施形態において、上記第1実施形態とは異なり、センサ本体B4とは分離した構成にて採用されており、この開閉弁800は、ケーシング810内に摺動体820及びコイルスプリング830を収容して構成されている。
【0277】
ケーシング810は、四角筒状ケーシング本体810aと、隔壁810bとを備えている。ケーシング本体810aは、段付き内孔部811、流入孔部812a及び流出孔部812bを有しており、段付き内孔部811は、ケーシング本体810aの内部に同軸的に形成されている。流入孔部812a及び流出孔部812bは、その各内端部にて、段付き内孔部811の下部内に連通するようにケーシング本体810aの下部から互いに逆向きに外方へ突出形成されており、流入孔部812aは、配管P4、圧電変換ユニット50A、配管P3及びオリフィス800aを介し、上記第1実施形態にて述べた空気供給源Aの供給口部内に連通している。一方、流出孔部812bは、配管P5を介し上側ハウジング部材720の連通路部723内に連通している。なお、隔壁810bは、ケーシング本体810の段付き内孔部811の軸方向中間部位内にOリング813を介し気密的にかつ同軸的に嵌着されている。
【0278】
摺動体820は、ケーシング本体810の段付き内孔部811内に隔壁810bを介し同軸的に摺動可能に支持されており、この摺動体820は、ピストン820a及び弁体820bでもって構成されている。
【0279】
ピストン820aは、断面コ字状のピストン本体821から筒状ロッド822を同軸的に延出して構成されている。このピストン820aにおいては、ピストン本体821が、図20にて示すごとく、隔壁810bの図示上側にてケーシング本体810の段付き内孔部811内にOリング821aを介し気密的にかつ同軸的に摺動可能に嵌装され、かつ、筒状ロッド822が、隔壁810bの貫通孔部内に両Oリングを介し気密的にかつ同軸的に摺動可能に嵌装されている。
【0280】
これにより、ピストン820aは、ピストン本体821により、段付き内孔部811の内部を、隔壁810bの図示上側にて、給気部811a及び排気部811bに区画している。ここで、コイルスプリング830は、ケーシング本体810の上壁部と隔壁810bとの間にて、段付き内孔部811内に同軸的に介装されて、ピストン本体821を隔壁810bに向けて付勢している。
【0281】
弁体820bは、弁体部823からロッド部824を同軸的に延出して構成されている。しかして、弁体820bは、ロッド部824にて、ピストン820aの筒状ロッド822内に下方から同軸的に螺着されて、弁体部823を、段付き内孔部811の内部のうち隔壁810bの下側部位内に延出させている。なお、流入孔部812a及び流出孔部812bは、下端開孔部811cを介し互いに連通している。
【0282】
しかして、ピストン820においては、弁体820bは、コイルスプリング830の付勢のもと、弁体部823にて、段付き内孔部811の下端開孔部811cを開閉可能に当該下端開孔部811cに着座している。このことは、開閉弁800が閉弁していることを意味する。
【0283】
また、空気供給源Aからの空気が配管P6及びケーシング本体810の貫通孔部814を通り給気部811a内に圧送されると、ピストン本体821が、弁体820bとともに、コイルスプリング830に抗して摺動して、弁体部820bを下端開孔部811cから解離させる。このことは、開閉弁800が開弁することを意味する。本第7実施形態では、空気供給源Aから開閉弁800の給気部811a内に流入する空気の圧力が、コイルスプリング830のバネ定数に対応する値になっとき、開閉弁800が開弁する。なお、ピストン本体821がコイルスプリング830に抗して摺動するに伴い、排気室811b内の空気は、ケーシング本体810の貫通孔部815を通り外部に排出される。
【0284】
圧電変換ユニット50Aは、本第7実施形態において、開閉弁800と同様に、上記第1実施形態とは異なり、センサ本体B4とは分離した構成にて採用されている。圧電変換ユニット50Aは、上記第1実施形態にて述べた圧電変換ユニット50と同様の機能を有するもので、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部(図示しない)にて、両配管P3、P4の間に接続されている。
【0285】
しかして、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部内に、空気供給源Aから配管P3を介し空気を圧送されて、当該空気の空圧を、空圧検出素子(上記第1実施形態にて述べた空圧検出素子52に相当)によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号としてリード線fから発生する。
【0286】
オリフィス800aは、配管P3中の介装されている。このオリフィス800aは、上記第1実施形態にて述べたオリフィス41dと同様の役割を果たすのもので、このオリフィス800aは、空気供給源Aから配管P3を通して圧電変換ユニット50Aの中空部内に圧送される空気の量を所定の絞り度合いにて絞る。
【0287】
以上のように構成した本第7実施形態において、開閉弁800の閉弁状態において、空気供給源Aからの空気が配管P6内に吐出されると、この空気は、開閉弁800の給気部811a内に貫通孔部814から圧送されるとともに、オリフィス800aにより絞られて配管P3、圧電変換ユニット50Aの中空部及び配管P4を通り開閉弁800内にその流入孔部812aから圧送される。また、上記薬液供給源からの薬液が配管P1内に吐出されると、この薬液は、センサ本体B4内にその流入側ボス部710bから流入する。
【0288】
すると、開閉弁800が、給気部811a内への空気の空圧に応じて開弁し、この開弁のもとに、開閉弁800内にその流入孔部812aから圧送される空気が、ケーシング本体810の開孔部811c、流出孔部812b及び配管P5を通りセンサ本体B4の空圧室R1内にその連通路部723から流入した後連通路部724から外部に排出される。また、センサ本体B4内にその流入側ボス部710aから圧送された薬液は、液圧室L1内を通り流出側ボス部710b及び配管P2を介し上記処理カップ内に流入する。
【0289】
このような空気及び薬液の流動過程においては、センサ本体B4の空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム730に空圧室R1側から作用するとともに、センサ本体B4の液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム730に液圧室L1側から作用する。
【0290】
これに伴い、ダイヤフラム730が、その厚膜部731にて、空圧室R1内の空圧と液圧室L1内の液圧との差に応じて変位し、ダイヤフラムVaがその開度にて調整される。このため、空圧室R1内の空圧が、ダイヤフラムVaの開度に応じて、オリフィス800aの絞り作用のもとに、開閉弁800の流出孔部812b及び流入孔部812aを介し圧電変換ユニット50Aの中空部内にて上記空圧検出素子の受圧面に作用する。このため、圧電変換ユニット50Aは、上記空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号を発生する。
【0291】
以上によれば、本第7実施形態では、センサ本体B4、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aが、上記第1実施形態にて述べたセンサ本体B(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50のように互いに一体的に組み付けられているのとは異なり、相互に分離して位置するように構成されていても、これらセンサ本体B4、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aは、それぞれ、センサ本体B(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50と同様に機能する。
【0292】
これにより、本第7実施形態においても、圧力センサScは、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaと同様に作動することで、当該圧力センサSaと同様の作用効果を達成し得る。ここで、上述のように、圧電変換ユニット50Aが、センサ本体B4から離れた位置にて設けられているから、圧電変換ユニット50A及びセンサ本体B4の分離した配置構成を、配置箇所に応じて自由に選択することができる。
(第8実施形態)
図21は、本発明の第8実施形態を示している。この第8実施形態においては、圧力センサSdが、上記第7実施形態にて述べた圧力センサScに代えて、採用されている。
【0293】
当該圧力センサSdは、図21にて示すごとく、センサ本体B5を備えている。このセンサ本体B5は、上記第7実施形態とは異なり、開閉弁800の上流側に設けられている。当該センサ本体B5は、例えば、PTFEからなるハウジング900を有しており、このハウジング900は、下側ハウジング部材910及び上側ハウジング部材920でもって構成されている。
【0294】
ここで、上側ハウジング部材920は、その開口部721にて、下側ハウジング部材910の開口部911に係合されて、ハウジング900を構成しており、このハウジング900内には、ダイヤフラム930(後述する)が組み付けられて当該ハウジング900の内部を、上記第2実施形態にて述べた空圧室R1及び液圧室L1に区画形成している。
【0295】
下側ハウジング部材910は、矩形板状壁本体910aと、流入側筒状ボス910bと、流出側筒状ボス910cとにより構成されている。壁本体910aは、凹部912を有しており、この凹部912は、その周壁部にて、図21にて示すごとく、大径壁部912a及び小径壁部912bでもって、ダイヤフラム930を介し図示上下に同軸的に位置するように形成されている。ここで、凹部912は、ダイヤフラム930を介し、大径壁部912a側部位及び小径壁部912b側部位にて、それぞれ、上述した空圧室R1及び液圧室L1を構成する。
【0296】
また、壁本体910aは、流入通路部913a及び流出通路部913bを有しており、これら流入通路部913a及び流出通路部913bは、液圧室L1を介し互いに対向するように壁本体910a内に形成されている。これにより、流入通路部913aは、その内部にて、液圧室L1を通り、流出通路部913bの内部に連通している。
【0297】
流入側筒状ボス910b及び流出側筒状ボス910cは、壁本体910aの外周面から互いに対向して逆方向に外方へ突出されている。流入側筒状ボス910bは、その中空部にて、壁本体910aの流入通路部913aの内部に連通しており、当該流入側ボス910bは、上記第7実施形態にて述べた薬液供給源から配管P1を通り吐出される薬液を、流入通路部913aを介し液圧室L1内に流動させる。一方、流出側筒状ボス910cは、液圧室L1から流出通路部913b内に流動する薬液を、上記第7実施形態にて述べた配管P2内に流動させる。
【0298】
上側ハウジング部材920は、凹所922及び両通路部923、924を有している。凹所922は、ダイヤフラム930の厚膜部931に対応する位置にて、上側ハウジング部材920にその内面側から上方へ凹状に形成されている。これにより、当該凹所922は、ダイヤフラム930及び下側ハウジング部材910の凹部912の大径壁部912aとともに、空圧室R1を形成する。
【0299】
両通路部923、924は、弁機構30a(後述する)の両側において、上側ハウジング部材920の内部に形成されており、通路部923は、空気供給源Aから圧送される空気を弁機構30a内に流入させるように、図21にて弁機構30aの左側にて、上側ハウジング部材920の内部に形成されている。また、通路部924は、空圧室R1内の空気を、配管P4を介し、開閉弁800の流入孔部812a内に流入させるように、弁機構30aの右側にて、上側ハウジング部材920の内部に凹所922からL字状に延出形成されている。
【0300】
ダイヤフラム930は、図21にて示すごとく、上記第2実施形態にて述べたダイヤフラム730の円板状厚膜部731、円環状可撓性薄膜部732及び円環状フランジ部733にそれぞれ対応する円板状厚膜部931、円環状可撓性薄膜部932及び円環状フランジ部933と、上記第2実施形態にて述べたリフトストップ部25dとによって構成されている。
【0301】
このように構成したダイヤフラム930は、フランジ部933にて、Oリング940と大径壁部912a及び小径壁部912bとの間の円環状境界段部との間に気密的に挟持されている。これにより、当該ダイヤフラム930は、凹部912を、空圧室R1及び液圧室L1として区画して、その薄膜部932の下方への撓みにより、厚膜部931にて、液圧室L1側へ押動するように変位し、この変位状態のもと、薄膜部932の上方への撓みのもとに空圧室R1側へ変位する。
【0302】
弁機構30aは、上記第2実施形態と同様の構成を有して、上側ハウジング部材920内に設けられている。この弁機構30aは、図21にて示すごとく、ダイヤフラム930と同軸的に位置するように、上側ハウジング部材920の内部に設けられており、当該上流側弁機構30aの段付き孔部37の内周面のうち左側中間部位には、左側開口部37gが、支持柱38の小径筒部38bの外周面に対向するように形成されている。また、当該上流側弁機構30aのロッド39は、その先端部にて、ダイヤフラム930の弁座部25の窪み部25eに着座可能に対向している。
【0303】
また、本第8実施形態においては、圧電変換ユニット50Aは、上記第7実施形態と同様にセンサ本体B5とは分離した構成にて採用されているものの、上記第7実施形態とは異なり、オリフィス800aと共に、開閉弁800の下流側に設けられている。即ち、本第8実施形態においては、圧電変換ユニット50Aは、開閉弁800の流出孔部812bから延出する配管P7と配管8との間に接続されている。
【0304】
しかして、この圧電変換ユニット50Aは、その中空部内に、開閉弁800からその開弁状態にて配管P7を介し空気を圧送されて、当該空気の空圧を、空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号としてリード線fから発生する。
【0305】
また、オリフィス800aは、配管P8の中間部位に介装されており、このオリフィス800aは、開閉弁800、配管P7及び圧電変換ユニット50Aの中空部を通り配管P8から外部に排出される空気の量を所定の絞り度合いにて絞る。
【0306】
以上のように構成した本第8実施形態において、開閉弁800の閉弁状態において、空気供給源Aからの空気が配管P6内に吐出されると、この空気は、開閉弁800の給気部811a内に貫通孔部814から圧送されるとともに、配管P3を通りセンサ本体B5内にその通路部923から流入する。また、上記薬液供給源からの薬液が配管P1内に吐出されると、この薬液は、センサ本体B5内にその流入側ボス部910bから流入する。
【0307】
しかして、上述のように空気が開閉弁800の給気部811a内に圧送されると、開閉弁800が、給気部811a内への空気の空圧に応じて開弁する。また、上述のように空気がセンサ本体B5内にその通路部923から流入すると、この空気は、上記第2実施形態と同様に、段付き孔部37の小径内孔部37aと鍔部39cとの間に流入する。これに伴い、上記第2実施形態と同様に、ロッド39が上動して小径内孔部37aと鍔部39cとの間への流入空気を小径内孔部37aからダイヤフラム930のリフトストップ部25dを介し空気室R1内に流入させる。
【0308】
すると、空気室R1内に流入した空気は、センサ本体B5の通路部924、配管P4及び開弁状態にある開閉弁800の流入孔部812a、開口部811c及び流出孔部812b、並びに配管P7を通り圧電変換ユニット50Aの中空部内に流入する。このように当該中空部内に流入した空気は、オリフィス800aにより絞られて配管P8を通り外部に流出する。
【0309】
また、上述のように薬液がセンサ本体B5内にその流入側ボス部910bから流入すると、当該薬液は、センサ本体B5の液圧室L1及び流出側ボス部910c、並びに配管P2を通り上記処理カップ内に流入する。
【0310】
このような空気及び薬液の流動過程においては、センサ本体B5の空圧室R1内に流入する空気の空圧がダイヤフラム930に空圧室R1側から作用するとともに、センサ本体B5の液圧室L1内に流入する薬液の液圧がダイヤフラム930に液圧室L1側から作用する。
【0311】
これに伴い、ダイヤフラム930が、その厚膜部931にて、空圧室R1内の空圧と液圧室L1内の液圧との差に応じて変位し、ダイヤフラムVbがその開度にて調整される。このため、空圧室R1内の空圧が、ダイヤフラムVbの開度に応じて、オリフィス800aの絞り作用のもとに、開閉弁800の流出孔部812b及び流入孔部812aを介し圧電変換ユニット50Aの中空部内にて上記空圧検出素子の受圧面に作用する。このため、圧電変換ユニット50Aは、上記空圧検出素子によりその受圧面にて検出し、この検出空圧に比例するレベルにて電気信号を発生する。
【0312】
以上によれば、本第8実施形態では、センサ本体B5、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aが、上記第2実施形態にて述べたセンサ本体B1(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50のように互いに一体的に組み付けられているとは異なり、相互に分離して位置するように構成されていても、これらセンサ本体B5、開閉弁800、圧電変換ユニット50A及びオリフィス800aは、それぞれ、センサ本体B1(オリフィス41dを含む)、開閉弁60a及び圧電変換ユニット50と同様に機能する。
【0313】
これにより、本第8実施形態においても、圧力センサSdは、上記第2実施形態にて述べた圧力センサSbと同様に作動することで、当該圧力センサSbと同様の作用効果を達成し得る。
【0314】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、安全機構60を構成する開閉弁60a及び配管60bを、上壁40の流出孔部47及び凹部46とともに廃止してもよい。これによれば、上記第1実施形態にて述べた各作用効果のうち安全機構60による作用効果以外の作用効果を達成することができる。
(2)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態とは異なり、安全機構60を構成する開閉弁60a及び配管60bを、上壁40の通路48、Oリング48a及び凹部46とともに廃止してもよい。これによれば、上記第2実施形態にて述べた各作用効果のうち安全機構60による作用効果以外の作用効果を達成することができる。
(3)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態にて述べた上側ダイヤフラム25に代えて、上記第1実施形態にて述べた上側ダイヤフラム24を採用し、上記第2実施形態にて述べた弁機構30aを廃止して、T字状通路36をその通路部36aにて直接空圧室R1に連通させるようにしてもよい。
(4)本発明の実施にあたり、流量検出装置は、上記第3実施形態にて述べた構成に代えて、上記第1実施形態にて述べた圧力センサSaを2つ採用し、これら両圧力センサSaの一方の流出側ボス20cと他方の圧力センサSaの流入側ボス20aとの間に、上記第3実施形態にて述べた絞り通路230に相当する絞り通路素子を接続して、両圧力センサSaの検出出力を上記流量変換回路により薬液の流量に変換するようにしても、上記第3実施形態と同様の作用効果を達成できる。
(5)本発明の実施にあたり、圧電変換ユニット50の空圧検出素子52は、上記第1実施形態とは異なり、その受圧面にて、上壁40の上面との間にて、中空部42内に連通する間隙部を形成するように、筒体51の開口部51aに嵌着するようにしてもよい。ここで、空圧検出素子52の受圧面は、単独で、或いは、上記間隙部を含めて受圧部と把握してもよい。
【符号の説明】
【0315】
a…隆起部、H、J…ハウジング、H1、J1…下側ハウジング部材、
H2、J2…上側ハウジング部材、R1、R11…空圧室、
20b、20c…筒状ボス、21a、210a…大径穴部、
21b、210b…小径穴部、21c、210c…封止部材、
22、24、25、26、27、220、240、250…ダイヤフラム、
23、230…液圧室L1、230a、23b、230b…通路部、
24d、240d…弁体部、25d…リフトストップ部、30a…弁機構、
32a、320a…環状部、34…排出通路、35、48…通路、
36…T字状通路、36b…通路部、37…段付き孔部、37a…小径内孔部、
37c…大径内孔部、38b…小径筒部、39…ロッド、39a、
68…コイルスプリング、39b…ロッド本体、39c…鍔部、
41、410、340…通路、41d、412…オリフィス、
42、430…中空部、46、440…凹部、60a…開閉弁、60b…配管、
66…弁体部、230b…絞り通路、420…共通通路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ本体と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングの内部を空圧室及び液圧室に区画するように前記ハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段とを具備しており、
前記一側ハウジング部材は、液体供給源から前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記ダイヤフラム手段の中央部に対向して前記空圧室内に開口する開口部を有し、前記空圧室内に流入した空気を前記開口部から導入して外部に排出するように排出側空気通路を形成してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記空気供給源からの空気を、その流量を絞って、前記液圧検出手段に供給するように、前記空気供給源と前記液圧検出手段との間に介装されており、
前記液圧検出手段は、その受圧部を通して、前記空気流量絞り手段からの空気を前記他側ハウジング部材の前記流入側空気通路に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記排出側空気通路の前記開口部に対する開度を調整するようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記排出側空気通路の前記開口部に対する調整開度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項2】
前記センサ本体から離れて位置するように前記液圧検出手段と前記センサ本体との間に介装されて前記空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段を具備しており、
前記常閉型開閉弁手段は、その開弁により、前記液圧検出手段の前記受圧部からの空気を前記他側ハウジング部材の前記流入側空気通路に流入させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
センサ本体と、液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を前記両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室及び液圧室を形成する可撓性ダイヤフラム手段とを備えており、
前記液圧検出手段は、その受圧部にて前記他側ハウジング部材の前記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
前記一側ハウジング部材は、前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記外壁に沿い流入してから前記空圧室内に流入させるように流入側空気通路を形成するとともに、前記ダイヤフラム手段の中央部に対向して前記空圧室内に開口する開口部を有して、前記空圧室内に流入した空気を前記開口部から外部に排出するように排出側空気通路を形成してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記流入側空気通路のうち前記外壁の前記一部位に対する対応部位から前記外壁の一部位にかけて前記液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部の上流側にて前記流入側空気通路に介装されており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記空気排出通路の前記開口部に対する開度を調整するようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記空気排出通路の前記開口部に対する調整開度に応じて変動する前記空圧室内の空圧を、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記流入側空気通路及び前記中空部を通し前記受圧部により受けて、前記空圧を前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項4】
前記他側ハウジング部材の前記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段を備えて、
前記他側ハウジング部材は、前記流入側空気通路のうち前記対応部位の下流側通路部位内に連通するように前記外壁の前記他の部位から前記下流側通路部位内にかけて凹部を形成してなり、
前記開閉弁手段は、前記外壁の前記他の部位から前記凹部内に変位可能に延出する弁体部を具備して、前記流入側空気通路のうち前記凹部の上流側通路部位からの空気に応じて、前記弁体部により、前記凹部内にて下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
【請求項5】
センサ本体と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングの内部を空圧室及び液圧室に区画するように前記ハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段とを具備しており、
前記一側ハウジング部材は、液体供給源から前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記空圧室内に流入した空気を外部に排出するように排出側空気通路を形成し、かつ、前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路部内に弁機構手段を介装してなり、
前記液圧検出手段は、その受圧部を通して、前記センサ本体の前記排出側空気通路から排出される空気を流出させるようになっており、
前記空気流量絞り手段は、前記液圧検出手段の受圧部から流出する空気を絞って排出するように前記液圧検出手段の下流側に設けられており、
前記弁機構手段は、
前記他側ハウジング部材内にて前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、前記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部と、この大径孔部から同軸的に前記空圧室に向けて延出されて前記大径孔部を前記空圧室内に連通させる小径孔部とを設けてなる段付き孔部と、
前記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて前記小径孔部を通り前記ダイヤフラム手段の前記中央部に向けて延出するロッド部及び前記大径孔部と前記小径孔部との環状境界段部に着座可能に前記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部と有するロッドと、
前記大径孔部内にて前記鍔部を前記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリングとを備えて、
前記ロッドが前記鍔部にて前記環状境界段部から解離するように軸動したとき、前記流入側空気通路の前記上流側通路部内に流入する空気を、前記段付き孔部の前記大径孔部及び前記小径孔部を通して前記空圧室内に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記ロッドを前記鍔部にて前記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記鍔部の前記環状境界段部に対する解離度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項6】
前記センサ本体から離れて位置するように前記液圧検出手段と前記センサ本体との間に介装されて前記空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段を具備しており、
前記常閉型開閉弁手段は、その開弁により、前記センサ本体の前記流出側空気通路からの空気を前記液圧検出手段の前記受圧部に流入させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の圧力センサ。
【請求項7】
センサ本体と、液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を前記両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室及び液圧室を形成する可撓性ダイヤフラム手段とを備えており、
前記液圧検出手段は、その受圧部にて前記他側ハウジング部材の前記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
前記一側ハウジング部材は、前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記空圧室内に流入した空気を前記外壁に向けて流動させてから当該外壁の少なくとも前記一部位に沿い流動させて外部に排出するように排出側空気通路を形成し、かつ、前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路部内に弁機構手段を介装してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記流出側空気通路のうち前記外壁の前記一部位に対する対応部位から前記外壁の一部位にかけて前記液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部の下流側にて前記流入側空気通路に介装されており、
前記弁機構手段は、
前記他側ハウジング部材内にて前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、前記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部と、この大径孔部から同軸的に前記空圧室に向けて延出されて前記大径孔部を前記空圧室内に連通させる小径孔部とを設けてなる段付き孔部と、
前記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて前記小径孔部を通り前記ダイヤフラム手段の前記中央部に向けて延出するロッド部及び前記大径孔部と前記小径孔部との環状境界段部に着座可能に前記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部と有するロッドと、
前記大径孔部内にて前記鍔部を前記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリングとを備えて、
前記ロッドが前記鍔部にて前記環状境界段部から解離するように軸動したとき、前記流入側空気通路の前記上流側通路部内に流入する空気を、前記段付き孔部の前記大径孔部及び前記小径孔部を通して前記空圧室内に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記ロッドを前記鍔部にて前記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記鍔部の前記環状境界段部に対する解離度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項8】
前記他側ハウジング部材の前記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段を備えて、
前記他側ハウジング部材は、前記流出側空気通路のうち前記対応部位の下流側通路部位内に連通するように前記外壁の前記他の部位から前記下流側通路部位内にかけて凹部を形成してなり、
前記開閉弁手段は、前記外壁の前記他の部位から前記凹部内に変位可能に延出する弁体部を具備して、前記流入側空気通路からの空気に応じて、前記弁体部により、前記凹部内にて前記下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする請求項7に記載の圧力センサ。
【請求項9】
前記ダイヤフラム手段は、前記液圧室内の前記液体に接するように前記ハウジング内にてその内周面の軸方向中間部位と一体となるように形成してなる第1ダイヤフラムと、この第1ダイヤフラムと前記空圧室との間にて前記第1ダイヤフラムに接するように支持される第2ダイヤフラムとを備えて、
前記第1及び第2のダイヤフラムは、前記液圧室内の液圧に応じた変位により前記空圧室内の空圧を変動させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
【請求項10】
前記ダイヤフラム手段は、前記ハウジング内にて前記液圧室と前記空圧室との間に支持されて前記液圧室内の液圧に応じた変位により前記空圧室内の空圧を変動させる単一のダイヤフラムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
【請求項11】
請求項3に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路と前記第2圧力センサの前記流入側液体通路との間に介装されて前記第1圧力センサの前記流出側液体通路から前記第2圧力センサの前記流入液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段と、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに前記第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する前記第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした流量検出装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の圧力センサの前記各ハウジングが、前記第1及び第2の圧力センサの前記各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材と、前記第1及び第2の圧力センサの前記各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって前記一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材とでもって、単一の共通ハウジングとして形成され、
前記液体流量絞り手段が、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路及び前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に代えて、前記第1及び第2の圧力センサの前記各液圧室の間に介装されるように前記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路が、前記空気供給源からの空気を前記他側共通ハウジング部材の外部から前記各空気供給通路を介し前記第1及び第2の圧力センサの前記各空圧室内に供給するように、前記他側共通ハウジング部材内にて前記第1及び第2の圧力センサの前記各空気供給通路に接続形成されており、
流出側共通空気通路が、前記第1及び第2の圧力センサの前記各空気排出通路に代えて、前記各空圧室の空気を前記共通ハウジングの外部へ排出するように、前記他側共通ハウジング部材内にて、前記各空圧室内に前記第1及び第2の圧力センサの前記各ダイヤフラム手段の中央部に対向して開口する各開口部を有し、当該各開口部から前記他側共通ハウジング部材の外部へ開口するように延出形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液体流量検出装置。
【請求項13】
請求項7に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、前記第1圧力センサの前記流出側両液体通路と前記第2圧力センサの前記流入側液体通路との間に介装されて前記第1圧力センサの前記流出側両液体通路から前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段を備えて、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに前記第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する前記第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした流量検出装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の圧力センサの前記各ハウジングが、前記第1及び第2の圧力センサの前記各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材と、前記第1及び第2の圧力センサの前記各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって前記一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材とでもって、単一の共通ハウジングとして形成され、
前記液体流量絞り手段が、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路及び前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に代えて、前記第1及び第2の圧力センサの前記各液圧室の間に介装されるように前記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路が、前記空気供給源からの空気を、前記第2圧力センサの前記弁機構手段の前記段付き孔部の内部を通り前記第1圧力センサの前記弁機構手段の前記段付き孔部内に供給するように前記他側共通ハウジング部材内にて形成されており、
流出側共通空気通路が、前記各空圧室からの空気を前記第1及び第2の圧力センサの前記各流出側空気通路を介し前記共通ハウジングの外部に排出するように、前記他側共通ハウジング部材内にて、前記各流出側空気通路に接続形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体流量検出装置。
【請求項1】
センサ本体と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングの内部を空圧室及び液圧室に区画するように前記ハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段とを具備しており、
前記一側ハウジング部材は、液体供給源から前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記ダイヤフラム手段の中央部に対向して前記空圧室内に開口する開口部を有し、前記空圧室内に流入した空気を前記開口部から導入して外部に排出するように排出側空気通路を形成してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記空気供給源からの空気を、その流量を絞って、前記液圧検出手段に供給するように、前記空気供給源と前記液圧検出手段との間に介装されており、
前記液圧検出手段は、その受圧部を通して、前記空気流量絞り手段からの空気を前記他側ハウジング部材の前記流入側空気通路に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記排出側空気通路の前記開口部に対する開度を調整するようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記排出側空気通路の前記開口部に対する調整開度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項2】
前記センサ本体から離れて位置するように前記液圧検出手段と前記センサ本体との間に介装されて前記空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段を具備しており、
前記常閉型開閉弁手段は、その開弁により、前記液圧検出手段の前記受圧部からの空気を前記他側ハウジング部材の前記流入側空気通路に流入させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
センサ本体と、液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を前記両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室及び液圧室を形成する可撓性ダイヤフラム手段とを備えており、
前記液圧検出手段は、その受圧部にて前記他側ハウジング部材の前記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
前記一側ハウジング部材は、前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記外壁に沿い流入してから前記空圧室内に流入させるように流入側空気通路を形成するとともに、前記ダイヤフラム手段の中央部に対向して前記空圧室内に開口する開口部を有して、前記空圧室内に流入した空気を前記開口部から外部に排出するように排出側空気通路を形成してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記流入側空気通路のうち前記外壁の前記一部位に対する対応部位から前記外壁の一部位にかけて前記液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部の上流側にて前記流入側空気通路に介装されており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記空気排出通路の前記開口部に対する開度を調整するようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記空気排出通路の前記開口部に対する調整開度に応じて変動する前記空圧室内の空圧を、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記流入側空気通路及び前記中空部を通し前記受圧部により受けて、前記空圧を前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項4】
前記他側ハウジング部材の前記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段を備えて、
前記他側ハウジング部材は、前記流入側空気通路のうち前記対応部位の下流側通路部位内に連通するように前記外壁の前記他の部位から前記下流側通路部位内にかけて凹部を形成してなり、
前記開閉弁手段は、前記外壁の前記他の部位から前記凹部内に変位可能に延出する弁体部を具備して、前記流入側空気通路のうち前記凹部の上流側通路部位からの空気に応じて、前記弁体部により、前記凹部内にて下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
【請求項5】
センサ本体と、このセンサ本体から離れて位置するように設けられる液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングの内部を空圧室及び液圧室に区画するように前記ハウジングに設けられる可撓性ダイヤフラム手段とを具備しており、
前記一側ハウジング部材は、液体供給源から前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記空圧室内に流入した空気を外部に排出するように排出側空気通路を形成し、かつ、前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路部内に弁機構手段を介装してなり、
前記液圧検出手段は、その受圧部を通して、前記センサ本体の前記排出側空気通路から排出される空気を流出させるようになっており、
前記空気流量絞り手段は、前記液圧検出手段の受圧部から流出する空気を絞って排出するように前記液圧検出手段の下流側に設けられており、
前記弁機構手段は、
前記他側ハウジング部材内にて前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、前記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部と、この大径孔部から同軸的に前記空圧室に向けて延出されて前記大径孔部を前記空圧室内に連通させる小径孔部とを設けてなる段付き孔部と、
前記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて前記小径孔部を通り前記ダイヤフラム手段の前記中央部に向けて延出するロッド部及び前記大径孔部と前記小径孔部との環状境界段部に着座可能に前記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部と有するロッドと、
前記大径孔部内にて前記鍔部を前記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリングとを備えて、
前記ロッドが前記鍔部にて前記環状境界段部から解離するように軸動したとき、前記流入側空気通路の前記上流側通路部内に流入する空気を、前記段付き孔部の前記大径孔部及び前記小径孔部を通して前記空圧室内に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記ロッドを前記鍔部にて前記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記鍔部の前記環状境界段部に対する解離度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項6】
前記センサ本体から離れて位置するように前記液圧検出手段と前記センサ本体との間に介装されて前記空気供給源からの空気の空圧に応じて開弁する常閉型開閉弁手段を具備しており、
前記常閉型開閉弁手段は、その開弁により、前記センサ本体の前記流出側空気通路からの空気を前記液圧検出手段の前記受圧部に流入させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の圧力センサ。
【請求項7】
センサ本体と、液圧検出手段と、空気流量絞り手段とを備える圧力センサであって、
前記センサ本体は、一側ハウジング部材と、この一側ハウジング部材に組み付けられてハウジングを構成する他側ハウジング部材と、前記ハウジングに設けられてこのハウジングの内部を前記両ハウジング部材の間の境界面に沿う方向に区画して空圧室及び液圧室を形成する可撓性ダイヤフラム手段とを備えており、
前記液圧検出手段は、その受圧部にて前記他側ハウジング部材の前記境界面に沿う外壁の一部位に対向するように、当該外壁の前記一部位に設けられており、
前記一側ハウジング部材は、前記液圧室内に液体を流入させるように流入側液体通路を形成するとともに、前記液圧室内に流入した前記液体を外部に流出させるように流出側液体通路を形成してなり、
前記他側ハウジング部材は、空気供給源から圧送される空気を前記空圧室内に流入させるよう流入側空気通路を形成するとともに、前記空圧室内に流入した空気を前記外壁に向けて流動させてから当該外壁の少なくとも前記一部位に沿い流動させて外部に排出するように排出側空気通路を形成し、かつ、前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路部内に弁機構手段を介装してなり、
前記空気流量絞り手段は、前記流出側空気通路のうち前記外壁の前記一部位に対する対応部位から前記外壁の一部位にかけて前記液圧検出手段の受圧部内に開口するように形成される中空部の下流側にて前記流入側空気通路に介装されており、
前記弁機構手段は、
前記他側ハウジング部材内にて前記ダイヤフラム手段と同軸的に位置するように前記流入側空気通路の下流側通路部を構成する段付き孔部であって、前記流入側空気通路の上流側通路部内に開口する大径孔部と、この大径孔部から同軸的に前記空圧室に向けて延出されて前記大径孔部を前記空圧室内に連通させる小径孔部とを設けてなる段付き孔部と、
前記段付き孔部内にて同軸的に軸動可能に設けられて前記小径孔部を通り前記ダイヤフラム手段の前記中央部に向けて延出するロッド部及び前記大径孔部と前記小径孔部との環状境界段部に着座可能に前記ロッド部の軸方向中間部位に同軸的に形成される鍔部と有するロッドと、
前記大径孔部内にて前記鍔部を前記環状境界段部に着座させるように付勢するコイルスプリングとを備えて、
前記ロッドが前記鍔部にて前記環状境界段部から解離するように軸動したとき、前記流入側空気通路の前記上流側通路部内に流入する空気を、前記段付き孔部の前記大径孔部及び前記小径孔部を通して前記空圧室内に流入させるようになっており、
前記ダイヤフラム手段は、前記空圧室内にて生ずる前記空気の空圧のもとに、前記液圧室内にて生ずる前記液体の液圧に応じて変位し、前記ロッドを前記鍔部にて前記環状境界段部から解離させるべく軸動させるようになっており、
前記液圧検出手段は、前記ダイヤフラム手段による前記鍔部の前記環状境界段部に対する解離度に応じて、前記空気流量絞り手段の絞り作用のもとに、前記空圧室内の空圧を、前記受圧部により受けて前記液体の液圧として検出するようにした圧力センサ。
【請求項8】
前記他側ハウジング部材の前記外壁の他の部位に設けられる常閉型開閉弁手段を備えて、
前記他側ハウジング部材は、前記流出側空気通路のうち前記対応部位の下流側通路部位内に連通するように前記外壁の前記他の部位から前記下流側通路部位内にかけて凹部を形成してなり、
前記開閉弁手段は、前記外壁の前記他の部位から前記凹部内に変位可能に延出する弁体部を具備して、前記流入側空気通路からの空気に応じて、前記弁体部により、前記凹部内にて前記下流側通路部位を遮断するように閉弁することを特徴とする請求項7に記載の圧力センサ。
【請求項9】
前記ダイヤフラム手段は、前記液圧室内の前記液体に接するように前記ハウジング内にてその内周面の軸方向中間部位と一体となるように形成してなる第1ダイヤフラムと、この第1ダイヤフラムと前記空圧室との間にて前記第1ダイヤフラムに接するように支持される第2ダイヤフラムとを備えて、
前記第1及び第2のダイヤフラムは、前記液圧室内の液圧に応じた変位により前記空圧室内の空圧を変動させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
【請求項10】
前記ダイヤフラム手段は、前記ハウジング内にて前記液圧室と前記空圧室との間に支持されて前記液圧室内の液圧に応じた変位により前記空圧室内の空圧を変動させる単一のダイヤフラムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
【請求項11】
請求項3に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路と前記第2圧力センサの前記流入側液体通路との間に介装されて前記第1圧力センサの前記流出側液体通路から前記第2圧力センサの前記流入液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段と、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに前記第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する前記第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした流量検出装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の圧力センサの前記各ハウジングが、前記第1及び第2の圧力センサの前記各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材と、前記第1及び第2の圧力センサの前記各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって前記一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材とでもって、単一の共通ハウジングとして形成され、
前記液体流量絞り手段が、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路及び前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に代えて、前記第1及び第2の圧力センサの前記各液圧室の間に介装されるように前記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路が、前記空気供給源からの空気を前記他側共通ハウジング部材の外部から前記各空気供給通路を介し前記第1及び第2の圧力センサの前記各空圧室内に供給するように、前記他側共通ハウジング部材内にて前記第1及び第2の圧力センサの前記各空気供給通路に接続形成されており、
流出側共通空気通路が、前記第1及び第2の圧力センサの前記各空気排出通路に代えて、前記各空圧室の空気を前記共通ハウジングの外部へ排出するように、前記他側共通ハウジング部材内にて、前記各空圧室内に前記第1及び第2の圧力センサの前記各ダイヤフラム手段の中央部に対向して開口する各開口部を有し、当該各開口部から前記他側共通ハウジング部材の外部へ開口するように延出形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液体流量検出装置。
【請求項13】
請求項7に記載の圧力センサを、2つ、第1及び第2の圧力センサとして備え、
かつ、前記第1圧力センサの前記流出側両液体通路と前記第2圧力センサの前記流入側液体通路との間に介装されて前記第1圧力センサの前記流出側両液体通路から前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に流入する液体の流量を絞る液体流量絞り手段を備えて、
この液体流量絞り手段の絞り作用のもとに前記第1及び第2の圧力センサの各液圧室内に生ずる液圧の差に応じて変動する前記第1及び第2の圧力センサの各空圧室内の空圧の差に基づき前記液圧の差に対応する前記液体の流量を検出するようにした流量検出装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の圧力センサの前記各ハウジングが、前記第1及び第2の圧力センサの前記各一側ハウジング部材に対応する一側共通ハウジング部材と、前記第1及び第2の圧力センサの前記各他側ハウジング部材に対応する他側共通ハウジング部材であって前記一側共通ハウジング部材に組み付けられる他側共通ハウジング部材とでもって、単一の共通ハウジングとして形成され、
前記液体流量絞り手段が、前記第1圧力センサの前記流出側液体通路及び前記第2圧力センサの前記流入側液体通路に代えて、前記第1及び第2の圧力センサの前記各液圧室の間に介装されるように前記他側共通ハウジング部材内に形成されており、
流入側共通空気通路が、前記空気供給源からの空気を、前記第2圧力センサの前記弁機構手段の前記段付き孔部の内部を通り前記第1圧力センサの前記弁機構手段の前記段付き孔部内に供給するように前記他側共通ハウジング部材内にて形成されており、
流出側共通空気通路が、前記各空圧室からの空気を前記第1及び第2の圧力センサの前記各流出側空気通路を介し前記共通ハウジングの外部に排出するように、前記他側共通ハウジング部材内にて、前記各流出側空気通路に接続形成されていることを特徴とする請求項13に記載の液体流量検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−266395(P2010−266395A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119737(P2009−119737)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000101514)アドバンス電気工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000101514)アドバンス電気工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
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