説明

圧力勾配型プラズマガンの伝熱抑制構造

【課題】 主電極からカソードマウントへの伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた利便性に優れる圧力勾配型プラズマガンを提供すること。
【解決手段】 圧力勾配型プラズマガン100が、主電極17と、前記主電極をその第1の部分が少なくとも包囲して該第1の部分が前記主電極を少なくとも保護する電極保護部18a,20と、前記電極保護部の第2の部分がその主面に連結され該主面が前記第2の部分を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記主電極を間接的に支持する電極支持部10と、を備え、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造21a,21bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力勾配型プラズマガンの伝熱抑制構造に関し、特に、主電極からカソードマウントへの伝熱を抑制するための圧力勾配型プラズマガンの伝熱抑制構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ成膜装置のプラズマガンの1つである圧力勾配型プラズマガンは、主電極と補助電極とを備え、低電圧かつ大電流の高効率放電を可能とする。即ち、圧力勾配型プラズマガンを備えるプラズマ成膜装置では、補助電極を用いる補助放電の後に主電極を用いる主放電が開始され、主電極の温度が2000℃近くの温度にまで上昇するので、主電極からは高効率で熱電子が放出される。そのため、圧力勾配型プラズマガンを備えるプラズマ成膜装置によれば、高効率でプラズマが放出されるので、所望の成膜作業を効率良く行うことができる。
【0003】
図4(a)はガラス管及びそれに装着された従来の圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図4(b)は従来の圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。尚、図4では、ガラス管及び圧力勾配型プラズマガンの構成を模式的に示している。又、図4(b)では、圧力勾配型プラズマガンが内部に備える補助電極及び主電極を破線により示している。
【0004】
図4(a)に示すように、従来の圧力勾配型プラズマガン101は、円盤状のカソードマウント101aを備えている。カソードマウント101aの第1主面(右面)には、厚み方向に凹んだ環状の冷却流路用凹部101bが、後述する補助電極101gの基端部を囲むように設けられている。そして、冷却流路用凹部101bには、冷却流路用凹部101bの開口部を覆うようにして、環状の冷却流路用蓋部材101cが設けられている。かかる圧力勾配型プラズマガン101では、冷却流路用蓋部材101cと冷却流路用凹部101bとで形成される環状の空間が、冷却流路101dを構成する。ここで、冷却流路用蓋部材101cの適所には、冷却媒体を冷却流路101dに供給及び排出するための冷却媒体供給口101e及び冷却媒体排出口101fが設けられている。冷却媒体供給口101eには、適宜な配管を介して冷却媒体が供給される。又、冷却媒体排出口101fからは、冷却媒体が排出される。このように、冷却流路101dに冷却媒体を流すことで、カソードマウント101aが冷却される。
【0005】
又、図4(a)及び図4(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン101のカソードマウント101aには、カソードマウント101aの中心部を気密的に貫通して、後述するカソードパイプ101jの中心軸に沿って延びるように、タンタルで構成された円筒状の補助電極101gが配設されている。補助電極101gの先端の周囲には、6ホウ化ランタンで構成された円環状の主電極101hが設けられている。補助電極101gの先端は、主電極101hの開口101iを貫通して、主電極101hから凸状に突出している。圧力勾配型プラズマガン101では、補助電極101g及び主電極101hと、後述するカソードパイプ101j及び窓部材101lとにより、電極101kが構成されている。尚、電極101kは、カソードマウント101a及び適宜な配線を介して、直流電源(図示せず)の負極と電気的に接続されている。
【0006】
又、カソードマウント101aの第2主面(左面)には、カソードマウント101aの中心軸と同軸状に、カソードマウント101aの厚み方向に延びるよう、補助電極101gよりも直径の大きい、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)で構成された円筒状のカソードパイプ101jが、カソードマウント101aに配設されている。カソードパイプ101jの先端には、タングステンで構成された円環状の窓部材101lが設けられている。窓部材101lは、補助電極101gの先端と対向する位置に、開口101mを備えている。窓部材101lとカソードパイプ101jとにより、主電極101h及び補助電極101gが保護される(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
かかる圧力勾配型プラズマガン101は、図4(a)に示すように、ガラス管101nに装着される。即ち、カソードマウント101aの第2主面(左面)には、厚み方向に凹んだ環状の凹部101oが、冷却流路101dを囲むように設けられている。又、凹部101oには、環状の真空シール部材101p(例えば、ゴム製のOリング等)が嵌入されている。そして、真空シール部材101pとガラス管101nの基端部とが当接するように、圧力勾配型プラズマガン101がガラス管101nに装着される。ここで、カソードマウント101aの冷却流路101dに冷却媒体が供給されると、カソードマウント101aが冷却されるので、真空シール部材101pも同様に冷却される。これにより、真空シール部材101pの熱劣化が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−66240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の圧力勾配型プラズマガンの構成では、主電極の温度が2000℃近くの温度にまで上昇するので、カソードマウントの冷却流路に冷却媒体が十分に供給されない場合には、カソードマウントの温度が十分に低下しないことにより、真空シール部材を十分に冷却することができない場合がある。この場合、真空シール部材の熱劣化が進行して、ガラス管の内部を所望の真空状態で維持することが困難となる場合がある。
【0010】
又、上記従来の圧力勾配型プラズマガンの構成では、カソードマウントにカソードパイプが配設されかつカソードパイプの内部に主電極が配設されているため、主電極が、カソードパイプを介して、カソードマウントにより間接的に冷却される。つまり、従来の圧力勾配型プラズマガンでは、主電極の冷却構造が構成されている。そのため、従来の圧力勾配型プラズマガンの構成は、補助電極を用いる補助放電により主電極を短時間で効率良く加熱することが困難となり、プラズマ成膜装置の利用効率を悪化させる可能性がある。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、主電極からカソードマウントへの伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性に優れる圧力勾配型プラズマガンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンは、電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、前記主電極をその第1の部分が少なくとも包囲して該第1の部分が前記主電極を少なくとも保護する電極保護部と、前記電極保護部の第2の部分がその主面に連結され該主面が前記第2の部分を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記主電極を間接的に支持する電極支持部と、を備え、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造が設けられている。
【0013】
かかる構成とすると、電極保護部の第2の部分に、主電極から電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造が設けられているので、主電極の温度が2000℃近くの温度にまで上昇する一方で、カソードマウントの冷却流路に冷却媒体が十分に供給されない場合であっても、カソードマウントの過大な温度上昇を防止することができる。これにより、真空シール部材の熱劣化を防止することができるので、プラズマ成膜装置において所望の真空状態を好適に維持することが可能になる。
【0014】
又、かかる構成とすると、電極保護部の第2の部分に、主電極から電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造が設けられているので、主電極がカソードマウントにより間接的に冷却されることを防止することができる。これにより、補助電極を用いる補助放電により主電極を短時間で効率良く加熱することができるので、プラズマ成膜装置の利用効率を向上させることが可能になる。
【0015】
この場合、前記伝熱抑制構造として、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱経路を限定するための経路限定構造が設けられている。
【0016】
かかる構成とすると、主電極から電極支持部への伝熱経路を限定するための経路限定構造により、主電極から電極支持部への伝熱が効果的に抑制される。これにより、真空シール部材の熱劣化を効果的に防止することが可能になる。
【0017】
この場合、前記電極保護部の第2の部分に、一対の切欠が対向して形成されてなる前記経路限定構造が設けられている。
【0018】
かかる構成とすると、電極保護部の第2の部分に一対の切欠を対向して形成するという簡易な構成により、経路限定構造を構成することができる。
【0019】
又、上記の場合、前記伝熱抑制構造として、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱経路を延長するための経路延長構造が設けられている。
【0020】
かかる構成としても、主電極から電極支持部への伝熱が効果的に抑制される。これにより、真空シール部材の熱劣化を効果的に防止することが可能になる。
【0021】
この場合、前記電極保護部の第2の部分に、前記第1の部分と同軸状の蛇腹が形成されてなる前記経路延長構造が設けられている。
【0022】
かかる構成とすると、電極保護部の第2の部分に第1の部分と同軸状の蛇腹を形成するという比較的簡易な構成により、経路延長構造を構成することができる。
【0023】
又、上記の場合、前記電極保護部の第2の部分に代えて柱状の連結部を備え、前記柱状の連結部が前記電極支持部の主面に連結され該主面が前記柱状の連結部を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記電極支持部が前記主電極を間接的に支持し、前記柱状の連結部が、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する前記伝熱抑制構造を構成している。
【0024】
かかる構成とすると、電極保護部に、その第2の部分に代えて柱状の連結部を設けるので、主電極から電極支持部への伝熱経路を更に限定することができる。又、電極保護部の第1の部分と柱状の連結部とを別の素材により構成するので、柱状の連結部を熱伝導率の低い任意の素材とすることができる。これにより、より一層効果的な伝熱抑制構造を設けることが可能になる。
【0025】
この場合、前記柱状の連結部が、一対の薄板状の連結部材を備え、該一対の薄板状の連結部材が相互に対向して配置されている。
【0026】
かかる構成とすると、柱状かつ薄板状の一対の連結部材を相互に対向して配置するという簡易な構成により、効果的な伝熱抑制構造を設けることが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、主電極からカソードマウントへの伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性に優れる圧力勾配型プラズマガンを提供することができるので、真空シール部材の熱劣化を長期間に渡り防止することが可能になると共に、補助電極を用いる補助放電により主電極を短時間で効率良く加熱することが可能になる。
【0028】
従って、本発明は、プラズマ成膜装置が備えるガラス管の内部を長期間に渡り所望の真空状態で維持することを可能にすると共に、プラズマ成膜装置の利用効率をより一層改善することを可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図1(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図1(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図2(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図2(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図3(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図3(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。
【図4】図4は従来の圧力勾配型プラズマガンの構成及びその装着状態を示す模式図であって、図4(a)はガラス管及びそれに装着された圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図4(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0031】
本発明を実施するための形態は、以下に示す技術的思想に基づき具現化される。
【0032】
即ち、本発明において、圧力勾配型プラズマガンは、電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、前記主電極をその第1の部分が少なくとも包囲して該第1の部分が前記主電極を少なくとも保護する電極保護部と、前記電極保護部の第2の部分がその主面に連結され該主面が前記第2の部分を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記主電極を間接的に支持する電極支持部と、を備え、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造が設けられていることを特徴とする。
【0033】
電極保護部の第1の部分は、少なくとも主電極を包囲することにより、少なくとも主電極を保護する。ここで、一般的に、電極保護部の第1の部分は、主電極を直接又は間接的に支持する機能をも有する。そのため、2000℃近くの温度にまで上昇する主電極の熱は、先ず、電極保護部の第1の部分に伝わる。そして、電極保護部の第1の部分に伝わった熱は、第1の部分に続く電極保護部の第2の部分に伝わり、第2の部分が連結される電極支持部に移行する。そこで、本発明の実施の形態では、主電極から電極支持部への伝熱を抑制するために、電極保護部の第2の部分に、所定の形状の伝熱抑制構造を設ける。つまり、本発明の実施の形態では、主電極からの伝熱を媒介する任意の部位に、伝熱抑制構造を設ける。そして、この伝熱抑制構造により、主電極からの伝熱を抑制する。尚、本発明の実施の形態において、電極保護部の第1の部位及び第2の部位は、必ずしも構造や形状等により特定される必要はない。即ち、少なくとも主電極を包囲して少なくとも主電極を保護する部分を電極保護部の第1の部分とし、その他の部分を電極保護部の第2の部分とするように、主電極から電極支持部への伝熱を媒介する任意の部位を「第2の部分」と定義して、その第2の部分に伝熱抑制構造を設ければよい。
【0034】
本発明の実施の形態において、伝熱抑制構造としては、電極保護部の第2の部分に主電極から電極支持部への伝熱経路を限定するための経路限定構造を設けるか、或いは、電極保護部の第2の部分に主電極から電極支持部への伝熱経路を延長するための経路延長構造を設けるか、の何れかの形態が採られる。ここで、「経路限定構造」とは、主電極から電極支持部への伝熱経路を狭めた構造をいう。このように、主電極から電極支持部への伝熱経路を狭めることにより、主電極から電極支持部に熱が伝わり難くなる。又、「経路延長構造」とは、主電極から電極支持部への伝熱経路を延長させた構造をいう。このように、主電極から電極支持部への伝熱経路を延長させることによっても、主電極から電極支持部に熱が伝わり難くすることができる。
【0035】
電極保護部の第2の部分に経路限定構造を設ける形態の一例としては、電極保護部の第2の部分に、一対の切欠を対向して形成する形態が挙げられる。ここで、この場合、一対の切欠が、電極保護部の全表面積の60%以上の領域を占めていることが好ましい形態である。尚、電極保護部における切欠の占有面積は、主電極の最高温度や電極支持部の冷却形態等に応じて、適宜設定すればよい。又、本発明の実施の形態では、切欠が矩形状の形状を有し、一対の切欠が対向する形態を例示しているが、このような形態に限定されることはない。切欠の形状や形成形態についても、主電極の最高温度や電極支持部の冷却形態等に応じて、適宜設定すればよい。
【0036】
又、電極保護部の第2の部分に経路延長構造を設ける形態の一例としては、電極保護部の第2の部分に、第1の部分と同軸状の蛇腹を形成する形態が挙げられる。この場合、蛇腹の形状についても、経路限定構造を設ける場合と同様にして、主電極の最高温度や電極支持部の冷却形態等に応じて、適宜設定すればよい。例えば、主電極の温度が比較的高温となる場合には、蛇腹の凹凸を大きく設定すればよく、それとは反対に、主電極の温度が比較的低温となる場合には、蛇腹の凹凸を小さく設定すればよい。尚、本発明の実施の形態では、電極保護部の第2の部分に第1の部分と同軸状の蛇腹を形成する形態を例示しているが、このような形態に限定されることはない。蛇腹の形成形態は、電極保護部の強度や成形加工性等を考慮して、適宜設定すればよい。
【0037】
一方、主電極の温度が非常に高温となる場合や、電極支持部の冷却構成を簡略化する場合には、圧力勾配型プラズマガンに対して、より一層効果的な伝熱抑制構造を設ける必要がある。
【0038】
そこで、本発明の実施の形態では、主電極の温度が非常に高温となる場合や、電極支持部の冷却構成を簡略化する場合を想定して、圧力勾配型プラズマガンが、前記電極保護部の第2の部分に代えて柱状の連結部を備え、前記柱状の連結部が前記電極支持部の主面に連結され該主面が前記柱状の連結部を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記電極支持部が前記主電極を間接的に支持し、前記柱状の連結部が、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する前記伝熱抑制構造を構成していることを特徴とする。
【0039】
柱状の連結部は、電極保護部の第2の部分に代わり、電極保護部の第1の部分と、電極支持部とを連結する。ここで、柱状の連結部は、電極保護部の第2の部分と同様にして、主電極から電極支持部への伝熱を媒介する部位として機能する。つまり、主電極から電極保護部の第1の部分に伝わった熱は、第1の部分に連結された柱状の連結部に伝わり、柱状の連結部を介して、電極支持部に移行する。そこで、ここでは、主電極から電極支持部への伝熱をより一層効果的に抑制するために、電極保護部の第2の部分に代えて、柱状の連結部を設ける。柱状の連結部を、主電極と電極支持部との間に設けることにより、伝熱経路がより一層狭められるため、主電極から電極支持部への伝熱をより一層抑制することができる。尚、柱状の連結部は、電極保護部と同様の素材により構成してもよく、伝熱抑制効果を更に高めるために、電極保護部とは異なる素材により構成してもよい。又、柱状の連結部と、電極保護部の第1の部分との連結手段としては、溶接、かしめ、ボルト締め等の手段が挙げられる。ここで、かしめ、ボルト締め等を連結手段として用いる場合、伝熱抑制効果を高めるために、例えば、柱状の連結部と電極保護部の第1の部分との間に、スペーサ等の部材を挿入してもよい。
【0040】
柱状の連結部の具体的な形態としては、例えば、柱状の連結部が一対の薄板状の連結部材を備え、その一対の薄板状の連結部材が相互に対向して配置されている形態が挙げられる。薄板状の連結部材の厚みや幅、材質等は、主電極の最高温度や電極支持部の冷却形態等に応じて、適宜設定すればよい。又、本発明の実施の形態では、薄板状の連結部材を用いる形態を例示しているが、このような形態に限定されることはない。例えば、主電極から電極支持部への伝熱を更に抑制するために、薄板状の連結部材に代えて、薄板状かつ波状の連結部材を用いてもよい。
【0041】
以下、本発明を実施するための形態を実現するためのより具体的な実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0042】
以下、本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図1は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図1(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図1(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。尚、図1では、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの主要な構成要素のみを抜粋して模式的に示しており、その他の構成要素については図示を省略している。
【0044】
図1(a)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100は、円盤状のカソードマウント10を備えている。カソードマウント10の第1主面10aには、厚み方向に凹んだ環状の冷却流路用凹部11が、後述する補助電極16の基端部16aを取り囲むように設けられている。そして、この冷却流路用凹部11には、冷却流路用凹部11の開口部を覆うようにして、環状の冷却流路用蓋部材12が設けられている。本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100では、冷却流路用蓋部材12と冷却流路用凹部11とで形成される環状の空間が、冷却流路13を構成する。ここで、冷却流路用蓋部材12の適所には、冷却媒体を冷却流路13に供給及び排出するための冷却媒体供給口14及び冷却媒体排出口15が設けられている。冷却媒体供給口14には、適宜な配管を介して冷却媒体が供給される。一方、冷却媒体排出口15からは、冷却媒体が排出される。このように、冷却流路13に冷却媒体を流すことで、補助電極16の基端部16aが冷却される。又、カソードマウント10は、後述するカソードパイプ18aがその主面に連結され該主面がカソードパイプ18aを支持することで主電極17を間接的に支持する電極支持部として機能する。
【0045】
又、図1(a)及び図1(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン100のカソードマウント10には、カソードマウント10の中心部を気密的に貫通して、後述するカソードパイプ18aの中心軸に沿って延びるように、例えばタンタルで構成された円筒状の補助電極16が配設されている。補助電極16の基端部16aは、図1では図示しないアルゴンガスタンクと適宜な配管により接続され、補助電極16の先端部16bからArガスが噴射される。又、補助電極16の先端部16bの周囲には、例えば6ホウ化ランタンで構成された円盤状の主電極17が設けられている。主電極17の中央には開口17aが形成されており、開口17aを補助電極16の先端部16bが凸状に貫通している。本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100では、補助電極16及び主電極17と、後述するカソードパイプ18a及び窓部材20とにより、電極19aが構成されている。尚、電極19aは、カソードマウント10及び適宜な配線を介して、直流電源(図示せず)の負極と電気的に接続されている。
【0046】
又、図1(a)及び図1(b)に示すように、カソードマウント10の第2主面10bには、カソードマウント10の中心軸と同軸状に、カソードマウント10の厚み方向に延び出るよう、主電極17の外径とその第1の部分の内径とが概ね等しい、例えばモリブデン(Mo)又はタングステン(W)で構成された円筒状のカソードパイプ18aが、カソードマウント10に配設されている。カソードパイプ18aと、後述する窓部材20とにより、主電極17及び補助電極16を包囲してそれらを保護する電極保護部が構成されている。
【0047】
本実施例では、カソードパイプ18aの第2の部分(カソードパイプ18aの第1の部分以外の部分)に、一対の矩形状の第1切欠部21a,第2切欠部21bが対向して設けられている。第1切欠部21a,第2切欠部21bは、互いに同様の形状を有し、カソードマウント10の第2主面10bから主電極17側の所定の位置にまで、所定の幅で切り欠かれている。第1切欠部21a,第2切欠部21bは、カソードパイプ18a及び窓部材20の全表面積の60%以上の領域を占めているように形成されている。尚、第1切欠部21a,第2切欠部21bの長さ及び幅は、圧力勾配型プラズマガン100に対して要求される伝熱抑制性能等に応じて、適宜適切に設定される。かかる構成により、主放電の際に約2000℃近くの温度となる主電極の熱は、カソードパイプ18aの第2の部分の残存部を介して、カソードマウント10に移行する。つまり、圧力勾配型プラズマガン100では、カソードパイプ18aの第2の部分に、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制する伝熱抑制構造として、主電極17からカソードマウント10への伝熱経路を限定するための経路限定構造が設けられている。
【0048】
更に、図1(a)及び図1(b)に示すように、カソードパイプ18aの先端には、例えばタングステンで構成された円環状の窓部材20が設けられている。窓部材20とカソードパイプ18aとにより、主電極17及び補助電極16が保護される。そして、窓部材20は中央に開口20aを備え、開口20aは、窓部材20における補助電極16の先端部16bに対向する位置に、補助電極16の直径よりも大きく形成されている。
【0049】
かかる圧力勾配型プラズマガン100を備えるプラズマ成膜装置では、補助電極16が用いられることにより、補助放電が開始される。この補助放電により、圧力勾配型プラズマガン100の主電極17が加熱される。次いで、主電極17が加熱されると、主電極17を用いる主放電が開始される。そして、圧力勾配型プラズマガン100に対してArガスが供給されると、窓部材20の開口20aを通過して、プラズマ成膜装置が備える成膜室内(図示せず)に向けてプラズマが放出される。この主放電の際、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100では、主電極17からカソードマウント10への伝熱は、カソードパイプ18aの第2の部分に第1切欠部21a,第2切欠部21bが形成されていることにより、伝熱経路が限定されているため、効果的に抑制される。
【0050】
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100の構成によれば、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制することができる。従って、圧力勾配型プラズマガン100のカソードマウント10の温度上昇が抑制される。これにより、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性に優れる圧力勾配型プラズマガン100を提供することが可能になる。
【0051】
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100の構成によれば、圧力勾配型プラズマガン100が備える伝熱抑制構造により、カソードマウント10の温度上昇を抑制することができるので、カソードマウント10の冷却構成を簡略化することができる。これにより、圧力勾配型プラズマガン100を備えるプラズマ成膜装置のコストダウンが可能となる。又、Oリング等の真空シール部材の熱劣化が抑制されるので、圧力勾配型プラズマガン100を備えるプラズマ成膜装置の維持費用を低減することが可能となる。又、プラズマ成膜装置の構成によっては、カソードマウント10の冷却構成を省略化することができることも期待される。
【0052】
次に、圧力勾配型プラズマガン100の構成に基づく、主電極17からカソードマウント10への伝熱を更に抑制するための構成について、実施例2として具体的に説明する。
【実施例2】
【0053】
以下、本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0054】
図2は本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図2(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図2(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。尚、図2では、便宜上、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0055】
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成は、基本的には、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガン100の構成と同様である。
【0056】
即ち、図2(a)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200は、実施例1の場合と同様に、カソードマウント10を備え、カソードマウント10の第1主面10aには冷却流路用凹部11が補助電極16の基端部16aを囲むように設けられ、冷却流路用凹部11には冷却流路用蓋部材12が設けられている。これにより、冷却流路13が構成されている。そして、冷却流路用蓋部材12の適所には、冷却媒体を冷却流路13に供給及び排出するための冷却媒体供給口14及び冷却媒体排出口15が設けられている。
【0057】
又、図2(a)及び図2(b)に示すように、カソードマウント10には、円筒状の補助電極16が配設されている。そして、補助電極16の先端部16bの周囲には、円盤状の主電極17が設けられている。主電極17の中央には開口17aが形成されており、開口17aを補助電極16の先端部16bが凸状に貫通している。
【0058】
本実施例では、圧力勾配型プラズマガン200が、実施例1に示すカソードパイプ18aの第2の部分に代えて、一対の薄板状の連結部材22,22を備えている。又、本実施例では、圧力勾配型プラズマガン200が、実施例1に示すカソードパイプ18aの第1の部分に相当するカソードパイプ18bを備えている。カソードパイプ18bは、主電極17を少なくとも包囲して、主電極17を少なくとも保護する。又、本実施例では、一対の薄板状の連結部材22,22の基端部22a,22aがカソードマウント10の第2主面10bに連結され、かつ一対の薄板状の連結部材22,22の先端部22b,22bがカソードパイプ18bに連結され、第2主面10bが一対の薄板状の連結部材22,22の基端部22a,22aを支持することでカソードパイプ18bを間接的に支持することにより、カソードマウント10が主電極17を間接的に支持している。尚、カソードパイプ18bの先端には、開口20aを備える窓部材20が設けられている。又、窓部材20と、カソードパイプ18bと、主電極17と、補助電極16と、一対の薄板状の連結部材22,22とにより、電極19bが構成されている。
【0059】
そして、本実施例では、一対の薄板状の連結部材22,22が、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制する伝熱抑制構造を構成している。一対の薄板状の連結部材22,22は、相互に対向して配置され、主電極17からカソードマウント10への伝熱経路を著しく限定する。
【0060】
かかる圧力勾配型プラズマガン200を備えるプラズマ成膜装置では、実施例1の場合と同様に、補助電極16が用いられることにより、補助放電が開始される。この補助放電により、圧力勾配型プラズマガン200の主電極17が加熱される。次いで、主電極17が加熱されると、主電極17を用いる主放電が開始される。そして、圧力勾配型プラズマガン200に対してArガスが供給されると、窓部材20の開口20aを通過して、プラズマ成膜装置が備える成膜室内に向けてプラズマが放出される。この主放電の際、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200では、主電極17からカソードマウント10への伝熱は、一対の薄板状の連結部材22,22が主電極17からカソードマウント10への伝熱経路を著しく限定しているため、より一層効果的に抑制される。
【0061】
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成によれば、主電極17からカソードマウント10への伝熱を更に抑制することができる。従って、圧力勾配型プラズマガン200のカソードマウント10の温度上昇が更に抑制される。これにより、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性が更に優れる圧力勾配型プラズマガン200を提供することが可能になる。
【0062】
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成によれば、カソードパイプ18bがモリブデン又はタングステンで構成されるのに対して、一対の薄板状の連結部材22,22をモリブデン又はタングステンよりも熱伝導率の小さい素材により構成することができる。又、カソードパイプ18bと一対の薄板状の連結部材22,22とを、熱伝導率の小さい部材を介して、相互に連結することができる。これにより、主電極17からカソードマウント10への伝熱を更に効果的に抑制することが可能になる。
【0063】
尚、その他の点については、実施例1の場合と同様である。
【0064】
次に、圧力勾配型プラズマガン100の構成に基づく、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制するための他の構成について、実施例3として具体的に説明する。
【実施例3】
【0065】
以下、本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0066】
図3は本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を示す模式図であって、図3(a)は圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図3(b)は圧力勾配型プラズマガンの斜視図である。
【0067】
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成は、基本的には、実施例2に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成と同様である。
【0068】
即ち、図3(a)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300は、実施例2の場合と同様にして、冷却流路用凹部11と、冷却流路用蓋部材12と、冷却流路13と、冷却媒体供給口14及び冷却媒体排出口15とを有するカソードマウント10を備えている。又、図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300は、実施例2の場合と同様にして、開口17aを備える主電極17と、その先端部16bが開口17aを凸状に貫通する補助電極16と、少なくとも主電極17を包囲して少なくとも主電極17を保護するカソードパイプ18bと、開口20aを備える窓部材20とを備えている。
【0069】
一方、図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300は、実施例1に示すカソードパイプ18aの第2の部分に相当する部分に、カソードパイプ18bと同軸状の蛇腹パイプ23が設けられている。蛇腹パイプ23の基端部23aはカソードマウント10の第2主面10bに連結され、蛇腹パイプ23の先端部23bはカソードパイプ18bに連結されている。つまり、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300では、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制する伝熱抑制構造として、カソードパイプ18bとカソードマウント10との間に、主電極17からカソードマウント10への伝熱経路を延長するための経路延長構造が設けられている。尚、本実施例では、円筒形状を有するカソードパイプの基端側を成形加工することにより蛇腹パイプ23を構成してもよく、或いは、予め成形加工して得た蛇腹パイプ23をカソードパイプ18bに溶接等してもよい。又、蛇腹パイプ23を予め成形加工して得る場合、蛇腹パイプ23を熱伝導率の小さい素材により構成すれば、主電極17からカソードマウント10への伝熱をより一層効果的に抑制することができる。又、本実施例において、主電極17からカソードマウント10への伝熱抑制作用及び効果は、蛇腹パイプ23の凹凸形状等を変更することにより、適宜制御することが可能である。
【0070】
尚、本実施例では、窓部材20と、カソードパイプ18bと、主電極17と、補助電極16と、蛇腹パイプ23とにより、電極19cが構成されている。
【0071】
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成によっても、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制することができる。従って、圧力勾配型プラズマガン300のカソードマウント10の温度上昇が抑制される。これにより、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性が優れる圧力勾配型プラズマガン300を提供することが可能になる。
【0072】
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成によれば、主電極17及び補助電極16がカソードパイプ18b及び蛇腹パイプ23により完全に包囲されるので、主電極17及び補助電極16が完全に保護される。又、切欠部が一切形成されないため、電極19cの剛性を従来通りに維持しながら、主電極17からカソードマウント10への伝熱を抑制する圧力勾配型プラズマガン300を提供することができる。
【0073】
尚、その他の点については、実施例1,2の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る圧力勾配型プラズマガンは、主電極からカソードマウントへの伝熱を抑制するための伝熱抑制構造を備えた、利便性に優れる圧力勾配型プラズマガンとして、プラズマ成膜装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 カソードマウント
10a 第1主面
10b 第2主面
11 冷却流路用凹部
12 冷却流路用蓋部材
13 冷却流路
14 冷却媒体供給口
15 冷却媒体排出口
16 補助電極
16a 基端部
16b 先端部
17 主電極
17a 開口
18a,18b カソードパイプ
19a,19b,19c 電極
20 窓部材
20a 開口
21a 第1切欠部
21b 第2切欠部
22 連結部材
22a 基端部
22b 先端部
23 蛇腹パイプ
23a 基端部
23b 先端部
100〜300 圧力勾配型プラズマガン
101 圧力勾配型プラズマガン
101a カソードマウント
101b 冷却流路用凹部
101c 冷却流路用蓋部材
101d 冷却流路
101e 冷却媒体供給口
101f 冷却媒体排出口
101g 補助電極
101h 主電極
101i 開口
101j カソードパイプ
101k 電極
101l 窓部材
101m 開口
101n ガラス管
101o 凹部
101p 真空シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、
前記主電極をその第1の部分が少なくとも包囲して該第1の部分が前記主電極を少なくとも保護する電極保護部と、
前記電極保護部の第2の部分がその主面に連結され該主面が前記第2の部分を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記主電極を間接的に支持する電極支持部と、を備え、
前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する伝熱抑制構造が設けられている、圧力勾配型プラズマガン。
【請求項2】
前記伝熱抑制構造として、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱経路を限定するための経路限定構造が設けられている、請求項1記載の圧力勾配型プラズマガン。
【請求項3】
前記電極保護部の第2の部分に、一対の切欠が対向して形成されてなる前記経路限定構造が設けられている、請求項2記載の圧力勾配型プラズマガン。
【請求項4】
前記伝熱抑制構造として、前記電極保護部の第2の部分に、前記主電極から前記電極支持部への伝熱経路を延長するための経路延長構造が設けられている、請求項1記載の圧力勾配型プラズマガン。
【請求項5】
前記電極保護部の第2の部分に、前記第1の部分と同軸状の蛇腹が形成されてなる前記経路延長構造が設けられている、請求項4記載の圧力勾配型プラズマガン。
【請求項6】
前記電極保護部の第2の部分に代えて柱状の連結部を備え、
前記柱状の連結部が前記電極支持部の主面に連結され該主面が前記柱状の連結部を支持することで前記第1の部分を間接的に支持することにより前記電極支持部が前記主電極を間接的に支持し、
前記柱状の連結部が、前記主電極から前記電極支持部への伝熱を抑制する前記伝熱抑制構造を構成している、請求項1記載の圧力勾配型プラズマガン。
【請求項7】
前記柱状の連結部が、一対の薄板状の連結部材を備え、該一対の薄板状の連結部材が相互に対向して配置されている、請求項6記載の圧力勾配型プラズマガン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−267437(P2010−267437A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116424(P2009−116424)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】