圧力容器及びその設計方法
【課題】 耐圧性の確保及び設置スペースの有効利用を達成すべくより合理的に構成された圧力容器を得ること。
【解決手段】 その内側に被収容物を収容する管状体10を備え、管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、管状体に生じる応力が均等化するように、管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器、及びその製造方法である。管状体に生じる応力を均等化するにあたり、管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、壁厚計算区間における管状体の壁厚は、外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さとする。また、管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、管状体は、多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁12を備えた構成の圧力容器である。
【解決手段】 その内側に被収容物を収容する管状体10を備え、管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、管状体に生じる応力が均等化するように、管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器、及びその製造方法である。管状体に生じる応力を均等化するにあたり、管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、壁厚計算区間における管状体の壁厚は、外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さとする。また、管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、管状体は、多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁12を備えた構成の圧力容器である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備えた圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧の被収容物(液体、気体、粉体、水素貯蔵合金等)を充填する圧力容器としては、管状体の両端を閉鎖してなるものが知られている。被収容物は、管状体の内側に収容される。管状体の横断面形状は、一般的には円形である。管状体の壁厚は均一に設定される。特許文献1には、横断面形状が円形を呈する管状体を備えた圧力容器が記載されている。特許文献1に記載された圧力容器は、円形の管状体の外周に補強が施されたものである。
【0003】
また、圧力容器の限られた設置場所における大容量化を考慮すると、横断面形状が円形を呈する管状体は、デッドスペースが生じるという不利がある。この点、特許文献2及び3には、横断面外周形状が四角形を呈する管状体を用いてなる圧力容器が記載されている。このような圧力容器によれば、デッドスペースの問題に対処することが可能である。
【特許文献1】特開平9−42595号公報
【特許文献2】特許第3030269号明細書
【特許文献3】特開2004−225772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、圧力容器は、少ないスペースにより多くの容積を確保することが重要とされ、前述した管状体にも更なる工夫が必要とされている。
【0005】
特に近年では、排ガスの低減を目指すべく燃料電池車の実用化が推し進められており、燃料電池用の水素タンクとして利用する圧力容器についても、一層の合理化が求められている。例えば、水素タンクについては、安全性を確保すべく過度の高圧化ができないという事情がある。特に、法令で圧力の上限が定められている場合もある。この点、特許文献1のように、横断面形状が円形の管状体の外周に補強を施すことによれば、耐圧性は向上するものの、その容積には圧力の制限からくる限界がある。また、製造コストも割高となる。つまるところ、前述したデッドスペースを利用して容積を増加することが、現状における大きな課題の一つであるといえる。
【0006】
本発明は、かかる諸事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐圧性の確保及び設置スペースの有効利用を達成すべくより合理的に構成された圧力容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1請求項に記載した発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0008】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0009】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1又は2において、前記管状体の内部を複数に区画した構成の圧力容器である。
【0010】
本願第4請求項に記載した発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、前記管状体は、前記多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁を備えた構成の圧力容器である。
【0011】
本願第5請求項に記載した発明は、請求項4において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0012】
本願第6請求項に記載した発明は、請求項5において、前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0013】
本願第7請求項に記載した発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記管状体の外周に補強手段を設けた構成の圧力容器である。
【0014】
本願第8請求項は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器の設計方法において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定する方法であり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定する構成の圧力容器の設計方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐圧性を確保しつつ設置スペースを有効利用することによってその容積を増大した圧力容器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。図1に示す本例の圧力容器1は、その内側に被収容物たる圧縮ガスを収容する管状体10と、管状体10の両端にそれぞれ装着された端部部材20とを備えたものである。本例の管状体10は、アルミニウム合金を押出し成形してなるものである。端部部材20は、管状体10の両端部を閉鎖するものであり、その形態は特に限定しない。圧縮ガスの出入口は、端部部材20に設けられている。
【0017】
図2は、図1のX−X断面矢視図であって、管状体10の横断面形状を示す説明図である。同図に示すように、本例の管状体10は、その横断面外周形状が正四角形を呈するものである。図中の11は、圧縮ガスの収容部である。即ち、圧力容器1の設置スペースに対し、デッドスペースの少ない非円形とすることにより、圧縮ガスの容積を確保する構成となっている。
【0018】
ここで、非円形の場合に問題となるのは、耐圧性を確保した場合壁厚が厚くなり、一定の壁厚では重く、また容積が減少してしまうことである。本例では、管状体10に生じる応力が均等化するように、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定することにより、内圧に対する十分な耐圧性を確保しつつ、駄肉を排して容積の増大および軽量化を果たしている。具体的には、管状体10に生じる応力を均等化するにあたり、管状体10の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によってその壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求めている。そして、壁厚計算区間における管状体10の壁厚は、外面応力と内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定している。本願において、壁厚計算区間とは、管状体10の内側と外側とを隔てる壁の厚さを算出するために設定する区間のことをいう。管状体10の壁厚は、内外の差圧によって生じる荷重を想定して算出される。本例の場合、壁厚計算区間は、図中の矢印Aで示した範囲であり、正四角形の4辺にそれぞれ対応するように設定している。
【0019】
壁厚計算区間には、図3に示すような荷重分布が生じると想定できる。そして、これらの荷重による合応力の分布中、最大値が許容応力となるように壁厚を設定すれば耐圧性を確保できる。しかし、従来のように前記の最大応力に対応した一定の壁厚では、応力が小さく強度に余裕がある部位ができる。よって、全ての部位での合応力が許容応力に対して均等となるように管状体10の壁厚を設定すれば、耐圧性を確保しつつ、無駄のない構成となる訳である。前記、合応力の分布は、外面から内面にかけて厚み方向で差異を生じるが、外面または内面何れかにおいて最大となるため、周方向の各部位において外面応力と内面応力を算出し、何れか大きい方の値に対応するように壁厚を設定すればよい。
【0020】
図4は、壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力に対応する壁厚を示すグラフである。管状体10の壁厚は、外面応力と内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定する。すなわち、管状体10の外周側を平坦とするのであれば、収容部11側の断面形状は、同グラフに丸印で示した曲線形状となる。収容部11の横断面輪郭は、かかる曲線形状を環状に連続してなる形状となっている。このような構成によれば、圧力容器1の耐圧性を確保しつつ、管状体10の肉厚を無駄なく設定することができる。尚、管状体に生じる応力は、角部や外壁と内部壁との交差部など、形状変化の大きい部分では完全に均等になることはなく、耐圧性を優先して適宜、余裕を持たせることが望ましい。収容部11の横断面輪郭の形状については、更にFEM解析等を行い、計算結果の確認・補正を行うとよい。
【0021】
本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。また、本例の管状体10は、押出し成形にて作成したものであるが、その製法も特に限定はしない。例えば、圧力容器1の性能・用途に応じて、射出成形された樹脂製の管状体を用いることも可能である。
【0022】
次に、本発明の第2実施例を図5に基づいて説明する。同図に示すように、本例の管状体10は、その収容部11を複数に区画してなるものである。壁厚計算区間は、各収容部毎にそれぞれ設定している。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このように収容部11を区画すれば、圧力容器1の耐圧性を確保しつつ壁厚を薄く設定することができ、その結果、容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0023】
次に、本発明の第3実施例を図6に基づいて説明する。本例の管状体10は、収容部11を更に細分化したものである。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このような構成によると、更に容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0024】
次に、本発明の第4実施例を図7及び図8に基づいて説明する。本例の管状体10は、正四角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁12を備えたものである。図例の内部壁12は、2辺の中間部位同士を直線的に連結している。このような内部壁12によれば、管状体10の横断面における内部壁の総延長を短くできるため、圧力容器1の容積を増大し、軽量化することが可能である。尚、押出し成形が困難となる場合は、図8に示すように、それぞれ押出し成形された管状体構成部材10aを接合して管状体10を構成するとよい。このような構成によると、複雑な形状の管状体を比較的容易に製造することが可能となる。
【0025】
次に、本発明の第5実施例を図9に基づいて説明する。第4実施例で示した管状体10において、図中の矢印A、B、Cで示した範囲を壁厚計算区間として、管状体10に生じる応力が均等化するように、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したものである。このように管状体10の駄肉を排することで更に容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0026】
次に、本発明の第6実施例を図10に基づいて説明する。本例の管状体10は、その外周に補強手段を設けてなるものである。本例の補強手段は、管状体10の外周面に高強度部材を装着して設けられている。高強度部材13としては、カーボン繊維を束ねてなるものを採用している。或は、鉄板等を採用することも可能である。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このような構成によると、圧力容器1の耐圧性を一層向上することができる。特に、管状体10の壁厚をより薄型化することが可能となる。
【0027】
本願発明者は、前述した各実施例の圧力容器1について、図11乃至図13に示す比較サンプルとともに性能を検証した。図14及び図15は、その検証データを示すグラフである。図14は、圧力容器1のスペース効率を示すグラフである。スペース効率とは、圧力容器1が占める設置スペースにどれだけの圧縮ガスを収容できるかを表す効率である。同図の縦軸は、単位スペース当りの充填量、すなわち比スペース充填量であり、この値が大きい程、スペース効率が高く、より大きな容積を確保することが可能となる。また、図15は、圧力容器1の重量効率を示すグラフである。重量効率とは、圧力容器1の重量に対してどれだけの圧縮ガスを収容できるかを表す効率である。同図の縦軸は、単位重量当りの充填量、すなわち比重量充填量であり、この値が大きい程、重量効率が高く、より軽量化することが可能となる。尚、かかる検証は、200mm×200mm×800mmの設置スペースを想定して行ったものである。すなわち、圧力容器1の設計は、所定の設置スペースに基づいて行うとよい。無論、設置スペースの大きさ・形は、これに限定されるものではない。
【0028】
比較サンプルとする図11の管状体100は、横断面形状が円形のものである。その外径直径は、前述した第1実施例における正四角形の1辺の長さと等しく設定されている。収容部101は円形である。また、図12の管状体100は、外周にカーボン繊維102を設けてなるものである。その他の構成は図11に示すものと同様である。更に図13は、その横断面外周形状が正四角形を呈するものであり、且つ、管状体100の壁厚を均一に設定してなるものである。
【0029】
尚、各グラフにおいては、図11に示す比較サンプルの実施例を「円形アルミ」、図12に示す比較サンプルの実施例を「円形複合」、図13に示す比較サンプルの実施例を「角型定肉厚」、図2に示す本願発明の第1実施例を「角型肉厚最適化」、図5に示す本願発明の第2実施例を「角型縦横リブ2分割」、図6に示す本願発明の第3実施例を「角型縦横リブ3分割」、図9に示す本願発明の第5実施例を「角型斜めリブアルミ」、図10に示す本願発明の第6実施例を「角型斜めリブ複合」と称する。
【0030】
図11に示すように、アルミニウム合金のみで円形の管状体を構成すると、低圧で使用するには重量効率は良いが、高圧に耐えようとするとスペース効率及び重量効率ともに低下する。すなわち容積は少なくなり、重量がかさむことになる。
【0031】
これに対し、図12に示すように、カーボン繊維にて補強を施せば、スペース効率及び重量効率ともに向上し、また高圧にも適したものとなる。特に重量効率の向上は顕著であり軽量化への効果が大きい。
【0032】
一方、図13に示すように、円形による無駄な空間を利用すべく管状体を角型の均等な壁厚にしたところ、耐圧性を確保するためには壁厚が厚くなってしまい、スペース効率及び重量効率ともに低くなり、結果的に、円形のものよりも容積は小さく重量がかさむものとなってしまった。
【0033】
図2に示す本願発明の第1実施例によれば、図13に示すものよりスペース効率及び重量効率ともに向上し、高圧になると図11に示すものよりスペース効率及び重量効率ともに向上し、容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0034】
図5に示す本願発明の第2実施例によれば、図2に示すものと比較して、スペース効率及び重量効率ともに更に向上し、容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0035】
図6に示す本発明の第3実施例によれば、図5に示すものと比較すると、スペース効率及び重量効率ともに更に向上しており、収容部11を細分化するほど容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られるが、その性能向上の度合は小さい。
【0036】
図9に示す本発明の第5実施例によれば、図6に示すものと比較して、顕著な性能向上が達成された。スペース効率では図11に示すものを上回るのみでなく、低圧において図12に示すものをも上回っている。重量効率では極低圧を除いて図11に示すものを上回っている。すなわち、より容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0037】
図10に示す本発明の第6実施例によれば、図9に示すものに対し、更なる性能向上が達成された。スペース効率では図12に示すものを上回っており、実施例のうち最大となる。重量効率では低圧でも図11に示すものを上回っている。また高圧でも効率の低下がなく高圧での使用に適した特性となっている。
【0038】
管状体10は、その使用条件を踏まえつつ、このような検証データに基づく各構成の利点を考慮して設計するとよい。その効果として、より優れた圧力容器を得ることができ、製造コストの低減も可能となる。特に、圧力容器の使用形態によっては、その放熱性も重要となる場合がある。この点、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したり、管状体10の内部を区画したりすることによれば、管状体10と被収容物との接触面積が増大するので、放熱性にも優れた圧力容器となる利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の圧力容器は、燃料電池車に搭載する水素タンクとして好適に利用することが可能である。また、CNG車に搭載されるCNG貯蔵タンク、水素スタンドの貯蔵タンク、家庭用のLPGタンク、消火器等として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例に係り、圧力容器の縦断面を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係り、壁厚計算区間に生じる荷重分布を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例に係り、壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力に対応する壁厚を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例に係り、管状体構成部材の横断面形状を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図11】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図12】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図13】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例に係り、許容内圧−比スペース充填量の特性グラフである。
【図15】本発明の実施例に係り、許容内圧−比重量充填量の特性グラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 圧力容器
10 管状体
10a 管状体構成部材
11 収容部
12 内部壁
13 高強度部材
20 端部部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備えた圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧の被収容物(液体、気体、粉体、水素貯蔵合金等)を充填する圧力容器としては、管状体の両端を閉鎖してなるものが知られている。被収容物は、管状体の内側に収容される。管状体の横断面形状は、一般的には円形である。管状体の壁厚は均一に設定される。特許文献1には、横断面形状が円形を呈する管状体を備えた圧力容器が記載されている。特許文献1に記載された圧力容器は、円形の管状体の外周に補強が施されたものである。
【0003】
また、圧力容器の限られた設置場所における大容量化を考慮すると、横断面形状が円形を呈する管状体は、デッドスペースが生じるという不利がある。この点、特許文献2及び3には、横断面外周形状が四角形を呈する管状体を用いてなる圧力容器が記載されている。このような圧力容器によれば、デッドスペースの問題に対処することが可能である。
【特許文献1】特開平9−42595号公報
【特許文献2】特許第3030269号明細書
【特許文献3】特開2004−225772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、圧力容器は、少ないスペースにより多くの容積を確保することが重要とされ、前述した管状体にも更なる工夫が必要とされている。
【0005】
特に近年では、排ガスの低減を目指すべく燃料電池車の実用化が推し進められており、燃料電池用の水素タンクとして利用する圧力容器についても、一層の合理化が求められている。例えば、水素タンクについては、安全性を確保すべく過度の高圧化ができないという事情がある。特に、法令で圧力の上限が定められている場合もある。この点、特許文献1のように、横断面形状が円形の管状体の外周に補強を施すことによれば、耐圧性は向上するものの、その容積には圧力の制限からくる限界がある。また、製造コストも割高となる。つまるところ、前述したデッドスペースを利用して容積を増加することが、現状における大きな課題の一つであるといえる。
【0006】
本発明は、かかる諸事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐圧性の確保及び設置スペースの有効利用を達成すべくより合理的に構成された圧力容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1請求項に記載した発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0008】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0009】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1又は2において、前記管状体の内部を複数に区画した構成の圧力容器である。
【0010】
本願第4請求項に記載した発明は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、前記管状体は、前記多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁を備えた構成の圧力容器である。
【0011】
本願第5請求項に記載した発明は、請求項4において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0012】
本願第6請求項に記載した発明は、請求項5において、前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定した構成の圧力容器である。
【0013】
本願第7請求項に記載した発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記管状体の外周に補強手段を設けた構成の圧力容器である。
【0014】
本願第8請求項は、その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器の設計方法において、前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定する方法であり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定する構成の圧力容器の設計方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐圧性を確保しつつ設置スペースを有効利用することによってその容積を増大した圧力容器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。図1に示す本例の圧力容器1は、その内側に被収容物たる圧縮ガスを収容する管状体10と、管状体10の両端にそれぞれ装着された端部部材20とを備えたものである。本例の管状体10は、アルミニウム合金を押出し成形してなるものである。端部部材20は、管状体10の両端部を閉鎖するものであり、その形態は特に限定しない。圧縮ガスの出入口は、端部部材20に設けられている。
【0017】
図2は、図1のX−X断面矢視図であって、管状体10の横断面形状を示す説明図である。同図に示すように、本例の管状体10は、その横断面外周形状が正四角形を呈するものである。図中の11は、圧縮ガスの収容部である。即ち、圧力容器1の設置スペースに対し、デッドスペースの少ない非円形とすることにより、圧縮ガスの容積を確保する構成となっている。
【0018】
ここで、非円形の場合に問題となるのは、耐圧性を確保した場合壁厚が厚くなり、一定の壁厚では重く、また容積が減少してしまうことである。本例では、管状体10に生じる応力が均等化するように、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定することにより、内圧に対する十分な耐圧性を確保しつつ、駄肉を排して容積の増大および軽量化を果たしている。具体的には、管状体10に生じる応力を均等化するにあたり、管状体10の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によってその壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求めている。そして、壁厚計算区間における管状体10の壁厚は、外面応力と内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定している。本願において、壁厚計算区間とは、管状体10の内側と外側とを隔てる壁の厚さを算出するために設定する区間のことをいう。管状体10の壁厚は、内外の差圧によって生じる荷重を想定して算出される。本例の場合、壁厚計算区間は、図中の矢印Aで示した範囲であり、正四角形の4辺にそれぞれ対応するように設定している。
【0019】
壁厚計算区間には、図3に示すような荷重分布が生じると想定できる。そして、これらの荷重による合応力の分布中、最大値が許容応力となるように壁厚を設定すれば耐圧性を確保できる。しかし、従来のように前記の最大応力に対応した一定の壁厚では、応力が小さく強度に余裕がある部位ができる。よって、全ての部位での合応力が許容応力に対して均等となるように管状体10の壁厚を設定すれば、耐圧性を確保しつつ、無駄のない構成となる訳である。前記、合応力の分布は、外面から内面にかけて厚み方向で差異を生じるが、外面または内面何れかにおいて最大となるため、周方向の各部位において外面応力と内面応力を算出し、何れか大きい方の値に対応するように壁厚を設定すればよい。
【0020】
図4は、壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力に対応する壁厚を示すグラフである。管状体10の壁厚は、外面応力と内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定する。すなわち、管状体10の外周側を平坦とするのであれば、収容部11側の断面形状は、同グラフに丸印で示した曲線形状となる。収容部11の横断面輪郭は、かかる曲線形状を環状に連続してなる形状となっている。このような構成によれば、圧力容器1の耐圧性を確保しつつ、管状体10の肉厚を無駄なく設定することができる。尚、管状体に生じる応力は、角部や外壁と内部壁との交差部など、形状変化の大きい部分では完全に均等になることはなく、耐圧性を優先して適宜、余裕を持たせることが望ましい。収容部11の横断面輪郭の形状については、更にFEM解析等を行い、計算結果の確認・補正を行うとよい。
【0021】
本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。また、本例の管状体10は、押出し成形にて作成したものであるが、その製法も特に限定はしない。例えば、圧力容器1の性能・用途に応じて、射出成形された樹脂製の管状体を用いることも可能である。
【0022】
次に、本発明の第2実施例を図5に基づいて説明する。同図に示すように、本例の管状体10は、その収容部11を複数に区画してなるものである。壁厚計算区間は、各収容部毎にそれぞれ設定している。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このように収容部11を区画すれば、圧力容器1の耐圧性を確保しつつ壁厚を薄く設定することができ、その結果、容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0023】
次に、本発明の第3実施例を図6に基づいて説明する。本例の管状体10は、収容部11を更に細分化したものである。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このような構成によると、更に容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0024】
次に、本発明の第4実施例を図7及び図8に基づいて説明する。本例の管状体10は、正四角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁12を備えたものである。図例の内部壁12は、2辺の中間部位同士を直線的に連結している。このような内部壁12によれば、管状体10の横断面における内部壁の総延長を短くできるため、圧力容器1の容積を増大し、軽量化することが可能である。尚、押出し成形が困難となる場合は、図8に示すように、それぞれ押出し成形された管状体構成部材10aを接合して管状体10を構成するとよい。このような構成によると、複雑な形状の管状体を比較的容易に製造することが可能となる。
【0025】
次に、本発明の第5実施例を図9に基づいて説明する。第4実施例で示した管状体10において、図中の矢印A、B、Cで示した範囲を壁厚計算区間として、管状体10に生じる応力が均等化するように、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したものである。このように管状体10の駄肉を排することで更に容積を増大し、軽量化することが可能である。
【0026】
次に、本発明の第6実施例を図10に基づいて説明する。本例の管状体10は、その外周に補強手段を設けてなるものである。本例の補強手段は、管状体10の外周面に高強度部材を装着して設けられている。高強度部材13としては、カーボン繊維を束ねてなるものを採用している。或は、鉄板等を採用することも可能である。その他の基本構成は、前述した実施例と同様である。このような構成によると、圧力容器1の耐圧性を一層向上することができる。特に、管状体10の壁厚をより薄型化することが可能となる。
【0027】
本願発明者は、前述した各実施例の圧力容器1について、図11乃至図13に示す比較サンプルとともに性能を検証した。図14及び図15は、その検証データを示すグラフである。図14は、圧力容器1のスペース効率を示すグラフである。スペース効率とは、圧力容器1が占める設置スペースにどれだけの圧縮ガスを収容できるかを表す効率である。同図の縦軸は、単位スペース当りの充填量、すなわち比スペース充填量であり、この値が大きい程、スペース効率が高く、より大きな容積を確保することが可能となる。また、図15は、圧力容器1の重量効率を示すグラフである。重量効率とは、圧力容器1の重量に対してどれだけの圧縮ガスを収容できるかを表す効率である。同図の縦軸は、単位重量当りの充填量、すなわち比重量充填量であり、この値が大きい程、重量効率が高く、より軽量化することが可能となる。尚、かかる検証は、200mm×200mm×800mmの設置スペースを想定して行ったものである。すなわち、圧力容器1の設計は、所定の設置スペースに基づいて行うとよい。無論、設置スペースの大きさ・形は、これに限定されるものではない。
【0028】
比較サンプルとする図11の管状体100は、横断面形状が円形のものである。その外径直径は、前述した第1実施例における正四角形の1辺の長さと等しく設定されている。収容部101は円形である。また、図12の管状体100は、外周にカーボン繊維102を設けてなるものである。その他の構成は図11に示すものと同様である。更に図13は、その横断面外周形状が正四角形を呈するものであり、且つ、管状体100の壁厚を均一に設定してなるものである。
【0029】
尚、各グラフにおいては、図11に示す比較サンプルの実施例を「円形アルミ」、図12に示す比較サンプルの実施例を「円形複合」、図13に示す比較サンプルの実施例を「角型定肉厚」、図2に示す本願発明の第1実施例を「角型肉厚最適化」、図5に示す本願発明の第2実施例を「角型縦横リブ2分割」、図6に示す本願発明の第3実施例を「角型縦横リブ3分割」、図9に示す本願発明の第5実施例を「角型斜めリブアルミ」、図10に示す本願発明の第6実施例を「角型斜めリブ複合」と称する。
【0030】
図11に示すように、アルミニウム合金のみで円形の管状体を構成すると、低圧で使用するには重量効率は良いが、高圧に耐えようとするとスペース効率及び重量効率ともに低下する。すなわち容積は少なくなり、重量がかさむことになる。
【0031】
これに対し、図12に示すように、カーボン繊維にて補強を施せば、スペース効率及び重量効率ともに向上し、また高圧にも適したものとなる。特に重量効率の向上は顕著であり軽量化への効果が大きい。
【0032】
一方、図13に示すように、円形による無駄な空間を利用すべく管状体を角型の均等な壁厚にしたところ、耐圧性を確保するためには壁厚が厚くなってしまい、スペース効率及び重量効率ともに低くなり、結果的に、円形のものよりも容積は小さく重量がかさむものとなってしまった。
【0033】
図2に示す本願発明の第1実施例によれば、図13に示すものよりスペース効率及び重量効率ともに向上し、高圧になると図11に示すものよりスペース効率及び重量効率ともに向上し、容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0034】
図5に示す本願発明の第2実施例によれば、図2に示すものと比較して、スペース効率及び重量効率ともに更に向上し、容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0035】
図6に示す本発明の第3実施例によれば、図5に示すものと比較すると、スペース効率及び重量効率ともに更に向上しており、収容部11を細分化するほど容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られるが、その性能向上の度合は小さい。
【0036】
図9に示す本発明の第5実施例によれば、図6に示すものと比較して、顕著な性能向上が達成された。スペース効率では図11に示すものを上回るのみでなく、低圧において図12に示すものをも上回っている。重量効率では極低圧を除いて図11に示すものを上回っている。すなわち、より容積が大きく、且つ軽量になるという利点が得られた。
【0037】
図10に示す本発明の第6実施例によれば、図9に示すものに対し、更なる性能向上が達成された。スペース効率では図12に示すものを上回っており、実施例のうち最大となる。重量効率では低圧でも図11に示すものを上回っている。また高圧でも効率の低下がなく高圧での使用に適した特性となっている。
【0038】
管状体10は、その使用条件を踏まえつつ、このような検証データに基づく各構成の利点を考慮して設計するとよい。その効果として、より優れた圧力容器を得ることができ、製造コストの低減も可能となる。特に、圧力容器の使用形態によっては、その放熱性も重要となる場合がある。この点、管状体10の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したり、管状体10の内部を区画したりすることによれば、管状体10と被収容物との接触面積が増大するので、放熱性にも優れた圧力容器となる利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の圧力容器は、燃料電池車に搭載する水素タンクとして好適に利用することが可能である。また、CNG車に搭載されるCNG貯蔵タンク、水素スタンドの貯蔵タンク、家庭用のLPGタンク、消火器等として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例に係り、圧力容器の縦断面を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係り、壁厚計算区間に生じる荷重分布を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例に係り、壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力に対応する壁厚を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例に係り、管状体構成部材の横断面形状を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図11】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図12】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図13】本発明とは異なる他の実施例に係り、管状体の横断面形状を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例に係り、許容内圧−比スペース充填量の特性グラフである。
【図15】本発明の実施例に係り、許容内圧−比重量充填量の特性グラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 圧力容器
10 管状体
10a 管状体構成部材
11 収容部
12 内部壁
13 高強度部材
20 端部部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したことを特徴とする圧力容器。
【請求項2】
前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定したことを特徴とする請求項1記載の圧力容器。
【請求項3】
前記管状体の内部を複数に区画したことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力容器。
【請求項4】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、
前記管状体は、前記多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁を備えたことを特徴とする圧力容器。
【請求項5】
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したことを特徴とする請求項4記載の圧力容器。
【請求項6】
前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定したことを特徴とする請求項5記載の圧力容器。
【請求項7】
前記管状体の外周に補強手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の圧力容器。
【請求項8】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器の設計方法において、
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定する方法であり、
前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定することを特徴とする圧力容器の設計方法。
【請求項1】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器において、
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したことを特徴とする圧力容器。
【請求項2】
前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定したことを特徴とする請求項1記載の圧力容器。
【請求項3】
前記管状体の内部を複数に区画したことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力容器。
【請求項4】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が多角形を呈する圧力容器において、
前記管状体は、前記多角形の角を形成する2辺の中間部位同士を直結する内部壁を備えたことを特徴とする圧力容器。
【請求項5】
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定したことを特徴とする請求項4記載の圧力容器。
【請求項6】
前記管状体に生じる応力を均等化するにあたり、前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定したことを特徴とする請求項5記載の圧力容器。
【請求項7】
前記管状体の外周に補強手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の圧力容器。
【請求項8】
その内側に被収容物を収容する管状体を備え、前記管状体の横断面外周形状が非円形を呈する圧力容器の設計方法において、
前記管状体に生じる応力が均等化するように、前記管状体の壁厚をその部位に応じて異なる厚さに設定する方法であり、
前記管状体の横断面形状に対応する所定の壁厚計算区間を設定し、内圧によって前記壁厚計算区間に生じる外面応力と内面応力を求め、前記壁厚計算区間における前記管状体の壁厚は、前記外面応力と前記内面応力のうちの大きい方の値に対応する厚さに設定することを特徴とする圧力容器の設計方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−220284(P2006−220284A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36505(P2005−36505)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000151276)株式会社東京アールアンドデー (34)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000151276)株式会社東京アールアンドデー (34)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】
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