圧力感応装置及び圧力感応装置の継手接合方法
【課題】流体を継手1を介してキャップ部材2内に導入される流体の圧力を検知する圧力感応装置において、継手1とキャップ部材2を確実に接合する。
【解決手段】銅製の継手1のフランジ部11にニッケルメッキ層11aを形成する。銅製の継手1のフランジ部11とステンレス製のキャップ部材21との間にニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材3を介在させる。環状部材3の外周縁またはニッケルメッキ層11aの全周に亘ってレーザー溶接する。環状部材3またはニッケルメッキ層11aと、フランジ部11の一部と、平坦部21の一部を溶融させて溶接する。フランジ部11と平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層(A1)を形成する。溶融固化層は、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成する。レーザー光は、銅に対する反射率よりもニッケル系部材に対する反射率が小さい波長のものを用いる。
【解決手段】銅製の継手1のフランジ部11にニッケルメッキ層11aを形成する。銅製の継手1のフランジ部11とステンレス製のキャップ部材21との間にニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材3を介在させる。環状部材3の外周縁またはニッケルメッキ層11aの全周に亘ってレーザー溶接する。環状部材3またはニッケルメッキ層11aと、フランジ部11の一部と、平坦部21の一部を溶融させて溶接する。フランジ部11と平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層(A1)を形成する。溶融固化層は、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成する。レーザー光は、銅に対する反射率よりもニッケル系部材に対する反射率が小さい波長のものを用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルにおける冷媒等の流体の圧力の変化に応じたオン/オフ信号を出力する圧力スイッチや、流体の圧力を検出して圧力信号を出力する圧力センサなど、流体を継手から導入してこの流体の圧力に応じた情報を得るための圧力感応装置及び圧力感応装置の継手接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力感応装置として、例えば特開2004−12140号公報(特許文献1)に開示された圧力スイッチがある。この圧力スイッチは、検出対象の流体が流れる配管に接続される継手と圧力容器とを有し、圧力容器はキャップ部材(本体ケース)とダイヤフラムとから構成されている。そして、継手を介して圧力容器内(キャップ部材内)に流体を導入し、この圧力容器内の圧力が設定圧力になるのをスイッチ部により検知するものである。
【0003】
ここで、継手は銅製(銅管)であり、キャップ部材は特に明記されていないが一般にステンレス製(SUS製)である。そして、継手とキャップ部材とは、ろう付けにより接合されている。このように、継手とキャップ部材をろう付けするのは、銅とステンレスとの溶接が困難なことによる。また、銅とステンレスとを固着するためにニッケル板を介在させ、銅とニッケルの接触部分、ニッケルとステンレスとの接触部分をそれぞれ溶接する技術が、例えば特開2006−32072号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
また、特開2001−71150号公報(特許文献3)には、鉄系金属からなる金属部材と、銅系金属からなる金属部材とを、ニッケル膜を介して抵抗溶接する技術が開示されている。
【0005】
また、特開2007−136525号公報(特許文献4)には、アルミニウム系被溶接材と鉄系被溶接材とをレーザー光を用いて溶接する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−12140号公報
【特許文献2】特開2006−32072号公報
【特許文献3】特開2001−71150号公報
【特許文献4】特開2007−136525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の圧力スイッチの製造工程では、継手とキャップ部材とのろう付けを、バーナーろう付け及び炉中ろう付けにより行われている。このため、フラックスや焼けを落とすために、酸洗いを行う必要がある。酸洗いを行うことは環境保護や公害防止という観点から好ましくなかった。
【0008】
特許文献2の溶接技術は、溶接部材にプロジェクション(突起)を形成してこのプロジェクションの部分を圧接して電気溶接するものである。また、特許文献3の溶接技術も同様な電気溶接(抵抗溶接)するものである。このため、2つの部材を固着するだけであれば銅とステンレスの溶接に適用できるが、圧力スイッチのキャップ部材と継手のように、そのキャップ部材と継手との全周に亘って確実に接合し、高圧に対して高い密閉性を要求される場合には適用するのが困難である。
【0009】
特許文献4の技術ではレーザー光を用いているが、このレーザー光は溶接する箇所を過熱する程度にしか開示されておらず、上記他の文献と同様に、圧力スイッチのキャップ部材と継手との全周に亘って確実に接合するには、この特許文献4の開示技術では改良の余地がある。
【0010】
本発明は、流体を継手からキャップ部材で構成される圧力容器に導入して、流体の圧力を検知する圧力スイッチ等の圧力感応装置において、銅製の継手とステンレス製のキャップ部材を、高い密閉性を得ながら確実に接合することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の圧力感応装置は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置であって、前記継手の軸線を中心とする前記キャップ部材の前記平坦部と、前記継手の前記フランジ部との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層が形成されるとともに、少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周がニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部で覆われ、前記溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とが接合されていることを特徴とする。なお、ニッケル系部材とは純粋なニッケル自体も含む概念である。
【0012】
請求項2の圧力感応装置は、請求項1に記載の圧力感応装置であって、前記溶融固化層が、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手の前記フランジ部との間で、外側から前記継手の軸線に向けて浸入するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の圧力感応装置の継手接合方法は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、前記継手の少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周にニッケルメッキ層を形成し、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材を介在させ、前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材または前記ニッケルメッキ層の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材または該ニッケルメッキ層、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の圧力感応装置の継手接合方法は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなり、前記フランジ部の軸線の周りの外周を覆うカバー部を有するワッシャ状の環状部材を介在させ、前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の圧力感応装置によれば、溶接による溶融固化層は、銅、ニッケル及び鉄からなるので、この溶融固化層とステンレス製のキャップ部材の平面部とが全周において確実に接合され、かつ、溶融固化層と銅製の継手のフランジ部とが全周において確実に接合される。しがたって、銅製の継手とステンレス製のキャップ部材を、高い密閉性を得ながら確実に接合することができる。また、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部があるので、溶接時にレーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケルメッキ層またはニッケル系部材に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【0016】
請求項2の圧力感応装置によれば、請求項1の効果に加えて、溶融固化層が、キャップ部材の接続孔の周囲の平坦部と継手のフランジ部との間で、フランジ部の外周縁から継手の軸線に向けて浸入するように形成されているので、溶融固化層とキャップ部材及びフランジ部との接合面積が広くなり、さらに高い密閉性が得られる。
【0017】
請求項3の圧力感応装置の継手接合方法によれば、レーザー溶接によりニッケルメッキ層がある請求項1の圧力感応装置が得られるとともに、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケルメッキ層があるので、レーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケルメッキ層に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【0018】
請求項4の圧力感応装置の継手接合方法によれば、レーザー溶接によりニッケル系部材がある請求項1の圧力感応装置が得られるとともに、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケル系部材があるので、レーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケル系部材に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の圧力感応装置としての第1実施形態の圧力スイッチの縦断面図である。
【図2】第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図である。
【図3】第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図である。
【図4】第1実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【図5】第1実施形態における環状部材の他の例を示す図である。
【図6】第1実施形態における環状部材のさらに他の例を示す図である。
【図7】本発明の圧力感応装置としての第2実施形態の圧力スイッチの縦断面図である。
【図8】第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図である。
【図9】第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図である。
【図10】第2実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態の圧力センサの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の圧力感応装置及び圧力感応装置の継手接合方法の実施形態について図面を参照して説明する。図1は圧力感応装置としての第1実施形態の圧力スイッチの縦断面図、図2は第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図、図3は第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図、図4は第1実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【0021】
この圧力スイッチは、検出対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手1と、ステンレス製のキャップ部材2と、円板4と、ストッパ5と、スイッチ部6と、カシメ板7とを有している。キャップ部材2と円板4は圧力容器10を構成しており、円板4に隣接してストッパ5が配設されている。このストッパ5は円板4の所定量以上の変形を規制する。
【0022】
スイッチ部6は、中央に軸孔61aが形成されたガイド61と、ガイド61の軸孔61aに嵌挿された軸62と、ガイド61の周囲に嵌合する円筒状の端子台63とを有している。キャップ部材2、円板4及びストッパ5の外周はカシメ板7により端子台63の端部にカシメにより固着されている。端子台63には、C端子64とL端子65が固定され、C端子64には接点板64aが取り付けられている。そして、接点板64aにはC接点64bが、L端子65にはL接点65aが取り付けられている。
【0023】
以上の構成により、継手1を介して流体が、キャップ部材2と円板4から構成される圧力容器10内に導入され、流体の圧力に応じて円板4が変形して軸62を押す。そして、圧力が予め設定された設定圧力になると、軸62に連動してC接点64bがL接点65aに接触してスイッチがONとなる。これにより、流体の圧力が設定圧力に達したことを検知できる。
【0024】
継手1は軸線Lを中心線とする円筒状の銅管であり、この継手1のキャップ部材2側の端部12近傍の外周には軸線Lを中心とする円板状のフランジ部11が形成されている。なお、フランジ部11は継手1本体を変形することにより一体成型されたものである。また、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周(その全周)はニッケルメッキ層11aにより覆われている。キャップ部材2の中央には軸線Lを中心とする円形の接続孔2aが形成されており、この接続孔2aは継手1の端部12に嵌合する同寸になっている。また、キャップ部材2は、接続孔2aの周囲にフランジ部11に対向するように平坦部21を有している。そして、継手1とキャップ部材2は、後述のようにフランジ部11と平坦部21との間に溶接によって形成された溶融固化層A1により接合されている。
【0025】
なお、図1に示すフランジ部11のニッケルメッキ層11a、溶融固化層A1及び平坦部21を含む溶接部は、この第1実施形態及び後述の第2実施形態において異なる構造をしているが、この溶接部以外の構造は第1実施形態と第2実施形態において共に同じ構造である。
【0026】
図2に示すように、溶接部にはニッケル系部材からなる環状部材3が用いられる。環状部材3はワッシャ状の形状をしており、中心に継手1の端部12に嵌合する抜き孔3aが形成されている。そして、図3に示すように、溶接前は継手1の端部12を環状部材3の抜き孔3aに嵌合させて、継手1のフランジ部11のニッケルメッキ層11aと平坦部21との間に環状部材3を介在させ、継手1の端部12をキャップ部材2の接続孔2aに嵌合させて組み付けられる。
【0027】
図3に示すように、溶接時には、レーザービームB1を軸線Lに対して直角にして環状部材3の外周縁に照射する。継手1、キャップ部材2及び環状部材3の組み付け品を、例えば図2に矢印で示すように軸線Lの周りに回転させ、環状部材3の外周縁の全周に亘って溶接する。このレーザービームB1のビーム径は環状部材3の板厚d(図2参照)と同じまたはそれ以上のビーム径を有している。例えば、板厚dは0.2mm、ビーム径も0.2mmである。なお、板厚dは0.15mm〜0.2mmが最適であり、厚くても0.5mm以下が望ましい。
【0028】
また、上記溶接に使うレーザーは、YAGレーザーであり、波長は0.8μm以上の波長(例えば1μm)である。これは、ニッケル系部材(環状部材3あるいはニッケルメッキ層11a)は、波長が略0.8μm以上のレーザー光に対して銅よりも反射率の低い特性を有しているからである。これにより、ニッケル系部材(環状部材3あるいはニッケルメッキ層11a)でレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。すなわち、溶接に使うレーザーとしては、銅に対する反射率よりもニッケル系部材に対する反射率が小さいような波長のものを用いる。
【0029】
このレーザーによる溶接時には、レーザーの照射によって環状部材3の外周縁側から軸線L側に向けて溶融ホールが形成される。このときフランジ部11の一部と平坦部21の一部も溶融する。そして、溶融ホールに融液が流れてレーザーの通過後に冷却固化し、溶融固化層A1が形成される。上記の溶接により、図4に示すように、継手1のフランジ部11とキャップ部材2の平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層A1が形成され、この溶融固化層A1は、平坦部21とフランジ部11との間で、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成される。また、この溶融固化層A1は、フランジ部11の一部が溶融することによる銅と、環状部材3及びニッケルメッキ層11aが溶融することによるニッケルと、平坦部21が溶融することによる鉄とが溶融固化したものとなる。
【0030】
ここで、上記のレーザービームB1は、理想的な照射状態である。溶接前の状態で、継手1のフランジ部11にはニッケルメッキ層11aが形成されている。このため、図3に示す、フランジ部11の斜め下方から照射するレーザービームB2のように照射位置がずれても、このレーザービームB2はニッケルメッキ層11aに照射される。したがって、このニッケルメッキ層11aによりレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。
【0031】
また、レーザービームB1からレーザービームB2の成す角度の範囲内にレーザー光を照射すればよいし、溶接に用いるレーザービームのスポット径はさほど小さくなくてもよい。したがって、レーザービームの照射位置の位置出しやスポット径の制御に余裕があり、溶接装置等のコスト及び製造コストも低減できる。
【0032】
なお、ニッケルメッキ層11aを形成する場合には、無電界メッキではなく、電界メッキにより行うのが好ましい。これは、無電界メッキであると、ニッケルメッキ層にリン(P)やボロン(B)などの低融点材料が含まれるので、溶接を阻害してしまう可能性があるからである。しかし、電界メッキであればそのような問題は生じない。また、ニッケルメッキ層11aはフランジ部11の部分だけに形成した例を示したが、他の部分にも形成されていてもよい。
【0033】
図5は第1実施形態の圧力スイッチの溶接時に用いる環状部材の他の例を示す図である。図5(A) の環状部材3′は、ニッケル線材をリング状にしたものである。図5(B) の環状部材3″は、ニッケル粉体を押し固めてリング状に形成したものである。この他に、環状部材としては、ニッケルペーストを溶剤に混ぜてディスペンサで溶接箇所に塗布し、それを乾燥させたり、継手1のフランジ部11側に塗ったりしてもよい。これによっても、同様な効果が得られる。また、ニッケル線材を使う場合、例えば図6に示すように、ニッケル線材を巻き線として構成してもよい。図6(A) は角線を渦状に巻いたものであり、図6(B) は丸線を渦状に巻いたものである。このように渦状に巻くと、径を適宜設定して量を調節することができる。図6(C) は平角線を螺旋状に巻いたものであり、この場合は厚みを適宜設定して量を調節することができる。
【0034】
以上の溶接により、図1及び図4に示すように、製造された圧力スイッチ(圧力感応装置)は、継手1の軸線Lを中心とするキャップ部材2の平坦部21と、継手1のフランジ部11との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層A1が形成されるとともに、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周が溶接残存部としてのニッケルメッキ層11aで覆われている。
【0035】
図7は圧力感応装置としての第2実施形態の圧力スイッチの縦断面図、図8は第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図、図9は第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図、図10は第2実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。なお、第1実施形態と同じ部材には第1実施形態と同符号を付記して詳細な説明は省略する。
【0036】
図8及び図9に示すように、溶接部にはニッケル系部材からなる環状部材8が用いられる。この第2実施形態における環状部材8は、図8及び図9に示すように、第1実施形態の環状部材3と同様なワッシャ状のワッシャ部81と、このワッシャ部81の外周に該ワッシャ部81と一体に形成されたカバー部82とを有している。カバー部82はフランジ部11の軸線Lの周りの外周(その全周)を覆うように構成されている。そして、図8に示すように、溶接前は継手1の端部12を環状部材8の抜き孔8aに嵌合させて、継手1のフランジ部11と平坦部21との間に環状部材8を介在させ、継手1の端部12をキャップ部材2の接続孔2aに嵌合させて組み付けられる。
【0037】
図9に示すように、溶接時には、レーザービームB1を軸線Lに対して直角にして環状部材8のワッシャ部81とカバー部82との境界位置の外周縁に照射する。継手1、キャップ部材2及び環状部材8の組み付け品を、例えば図8に矢印で示すように軸線Lの周りに回転させ、環状部材8の上記外周縁の全周に亘って溶接する。このレーザービームB1のビーム径は環状部材8のワッシャ部81の板厚d(図8参照)と同じまたはそれ以上のビーム径を有している。この板厚dは第1実施形態と同様である。また、上記溶接に使うレーザーの条件は第1実施形態と同様である。
【0038】
以上の溶接により、第1実施形態と同様に、レーザーの照射によって環状部材8の上記外周縁側から軸線L側に向けて溶融ホールが形成される。このときフランジ部11の一部と平坦部21の一部も溶融する。そして、溶融ホールに融液が流れてレーザーの通過後に冷却固化し、溶融固化層A2が形成される。上記の溶接により、図10に示すように、継手1のフランジ部11とキャップ部材2の平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層A2が形成され、この溶融固化層A2は、平坦部21とフランジ部11との間で、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成される。また、この溶融固化層A2は、フランジ部11の一部が溶融することによる銅と、環状部材8が溶融することによるニッケルと、平坦部21が溶融することによる鉄とが溶融固化したものとなる。
【0039】
この第2実施形態においても、上記のレーザービームB1は、理想的な照射状態であるが、溶接前の状態で、環状部材8は継手1のフランジ部11を覆うカバー部82を有している。このため、図9に示す、フランジ部11の斜め下方から照射するレーザービームB2のように照射位置がずれても、このレーザービームB2はカバー部82に照射される。したがって、このカバー部82によりレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。
【0040】
また、レーザービームB1からレーザービームB2の成す角度の範囲内にレーザー光を照射すればよいし、溶接に用いるレーザービームのスポット径はさほど小さくなくてもよい。したがって、第1実施形態と同様に溶接装置等のコスト及び製造コストも低減できる。
【0041】
以上の溶接により、図7及び図10に示すように、製造された圧力スイッチ(圧力感応装置)は、継手1の軸線Lを中心とするキャップ部材2の平坦部21と、継手1のフランジ部11との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層A2が形成されるとともに、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周が、環状部材8のカバー部82が一部溶融した状態の溶接残存部としてのニッケル系部材82′で覆われている。
【0042】
以上の各実施形態では圧力感応装置として圧力スイッチを例に説明したが、図11に示すように、圧力感応装置としての圧力センサに本発明を適用してもよい。図11において図1と同様な要素及び対応する要素には同符号を付記して重複する詳細な説明は省略する。この実施形態の圧力センサはカシメ板91によってケース92に固着されたキャップ部材2を備えており、キャップ部材2とケース92は圧力容器10を構成している。そして、継手1を前記第1実施形態及び第2実施形態と同様にレーザー溶接により接合されている。この圧力センサは、センサ素子93によりキャップ部材2内の流体の圧力を感知し、その圧力に応じたセンサ信号を端子94及び図示しないリード線を介して外部に出力する。この実施形態の圧力センサにおいても継手1、環状部材3(または8)及びキャップ部材2のレーザー溶接による作用は前記第1実施形態及び第2実施形態と同じである。
【0043】
なお、各実施形態において溶融固化層A1,A2の深さは、溶接点とレーザービームとの相対的な線速度、及び、レーザービームの出力により設定することができる。
【0044】
銅とステンレス(あるいは鉄)の直接的な溶接は困難である。しかし、上記各実施形態のように、銅と合金を作りやすいニッケルを同時に溶融して溶融部分内の鉄の含有量を少なくすることにより、溶接が可能であり、圧力スイッチや圧力センサにおいて継手1側から加えた高圧の流体に対する耐圧性を確保することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 継手
11 フランジ部
11a ニッケルメッキ層
2 キャップ部材
21 平坦部
3 環状部材
8 環状部材
82 カバー部
A1,A2 溶融固化層
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルにおける冷媒等の流体の圧力の変化に応じたオン/オフ信号を出力する圧力スイッチや、流体の圧力を検出して圧力信号を出力する圧力センサなど、流体を継手から導入してこの流体の圧力に応じた情報を得るための圧力感応装置及び圧力感応装置の継手接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力感応装置として、例えば特開2004−12140号公報(特許文献1)に開示された圧力スイッチがある。この圧力スイッチは、検出対象の流体が流れる配管に接続される継手と圧力容器とを有し、圧力容器はキャップ部材(本体ケース)とダイヤフラムとから構成されている。そして、継手を介して圧力容器内(キャップ部材内)に流体を導入し、この圧力容器内の圧力が設定圧力になるのをスイッチ部により検知するものである。
【0003】
ここで、継手は銅製(銅管)であり、キャップ部材は特に明記されていないが一般にステンレス製(SUS製)である。そして、継手とキャップ部材とは、ろう付けにより接合されている。このように、継手とキャップ部材をろう付けするのは、銅とステンレスとの溶接が困難なことによる。また、銅とステンレスとを固着するためにニッケル板を介在させ、銅とニッケルの接触部分、ニッケルとステンレスとの接触部分をそれぞれ溶接する技術が、例えば特開2006−32072号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
また、特開2001−71150号公報(特許文献3)には、鉄系金属からなる金属部材と、銅系金属からなる金属部材とを、ニッケル膜を介して抵抗溶接する技術が開示されている。
【0005】
また、特開2007−136525号公報(特許文献4)には、アルミニウム系被溶接材と鉄系被溶接材とをレーザー光を用いて溶接する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−12140号公報
【特許文献2】特開2006−32072号公報
【特許文献3】特開2001−71150号公報
【特許文献4】特開2007−136525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の圧力スイッチの製造工程では、継手とキャップ部材とのろう付けを、バーナーろう付け及び炉中ろう付けにより行われている。このため、フラックスや焼けを落とすために、酸洗いを行う必要がある。酸洗いを行うことは環境保護や公害防止という観点から好ましくなかった。
【0008】
特許文献2の溶接技術は、溶接部材にプロジェクション(突起)を形成してこのプロジェクションの部分を圧接して電気溶接するものである。また、特許文献3の溶接技術も同様な電気溶接(抵抗溶接)するものである。このため、2つの部材を固着するだけであれば銅とステンレスの溶接に適用できるが、圧力スイッチのキャップ部材と継手のように、そのキャップ部材と継手との全周に亘って確実に接合し、高圧に対して高い密閉性を要求される場合には適用するのが困難である。
【0009】
特許文献4の技術ではレーザー光を用いているが、このレーザー光は溶接する箇所を過熱する程度にしか開示されておらず、上記他の文献と同様に、圧力スイッチのキャップ部材と継手との全周に亘って確実に接合するには、この特許文献4の開示技術では改良の余地がある。
【0010】
本発明は、流体を継手からキャップ部材で構成される圧力容器に導入して、流体の圧力を検知する圧力スイッチ等の圧力感応装置において、銅製の継手とステンレス製のキャップ部材を、高い密閉性を得ながら確実に接合することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の圧力感応装置は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置であって、前記継手の軸線を中心とする前記キャップ部材の前記平坦部と、前記継手の前記フランジ部との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層が形成されるとともに、少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周がニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部で覆われ、前記溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とが接合されていることを特徴とする。なお、ニッケル系部材とは純粋なニッケル自体も含む概念である。
【0012】
請求項2の圧力感応装置は、請求項1に記載の圧力感応装置であって、前記溶融固化層が、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手の前記フランジ部との間で、外側から前記継手の軸線に向けて浸入するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の圧力感応装置の継手接合方法は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、前記継手の少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周にニッケルメッキ層を形成し、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材を介在させ、前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材または前記ニッケルメッキ層の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材または該ニッケルメッキ層、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の圧力感応装置の継手接合方法は、圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなり、前記フランジ部の軸線の周りの外周を覆うカバー部を有するワッシャ状の環状部材を介在させ、前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の圧力感応装置によれば、溶接による溶融固化層は、銅、ニッケル及び鉄からなるので、この溶融固化層とステンレス製のキャップ部材の平面部とが全周において確実に接合され、かつ、溶融固化層と銅製の継手のフランジ部とが全周において確実に接合される。しがたって、銅製の継手とステンレス製のキャップ部材を、高い密閉性を得ながら確実に接合することができる。また、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部があるので、溶接時にレーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケルメッキ層またはニッケル系部材に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【0016】
請求項2の圧力感応装置によれば、請求項1の効果に加えて、溶融固化層が、キャップ部材の接続孔の周囲の平坦部と継手のフランジ部との間で、フランジ部の外周縁から継手の軸線に向けて浸入するように形成されているので、溶融固化層とキャップ部材及びフランジ部との接合面積が広くなり、さらに高い密閉性が得られる。
【0017】
請求項3の圧力感応装置の継手接合方法によれば、レーザー溶接によりニッケルメッキ層がある請求項1の圧力感応装置が得られるとともに、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケルメッキ層があるので、レーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケルメッキ層に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【0018】
請求項4の圧力感応装置の継手接合方法によれば、レーザー溶接によりニッケル系部材がある請求項1の圧力感応装置が得られるとともに、その製造工程において、ろう付け及び酸洗いの工程を必要としないので、製造時の最終工程で溶接が可能となり、一連のライン作業が可能となる。さらに、継手のフランジ部の軸線の周りの外周にニッケル系部材があるので、レーザービームを照射するとき照射位置に位置ずれが生じても、レーザービームはニッケル系部材に照射されて、レーザービームの銅による反射が抑えられ、溶接不良が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の圧力感応装置としての第1実施形態の圧力スイッチの縦断面図である。
【図2】第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図である。
【図3】第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図である。
【図4】第1実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【図5】第1実施形態における環状部材の他の例を示す図である。
【図6】第1実施形態における環状部材のさらに他の例を示す図である。
【図7】本発明の圧力感応装置としての第2実施形態の圧力スイッチの縦断面図である。
【図8】第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図である。
【図9】第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図である。
【図10】第2実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態の圧力センサの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の圧力感応装置及び圧力感応装置の継手接合方法の実施形態について図面を参照して説明する。図1は圧力感応装置としての第1実施形態の圧力スイッチの縦断面図、図2は第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図、図3は第1実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図、図4は第1実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。
【0021】
この圧力スイッチは、検出対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手1と、ステンレス製のキャップ部材2と、円板4と、ストッパ5と、スイッチ部6と、カシメ板7とを有している。キャップ部材2と円板4は圧力容器10を構成しており、円板4に隣接してストッパ5が配設されている。このストッパ5は円板4の所定量以上の変形を規制する。
【0022】
スイッチ部6は、中央に軸孔61aが形成されたガイド61と、ガイド61の軸孔61aに嵌挿された軸62と、ガイド61の周囲に嵌合する円筒状の端子台63とを有している。キャップ部材2、円板4及びストッパ5の外周はカシメ板7により端子台63の端部にカシメにより固着されている。端子台63には、C端子64とL端子65が固定され、C端子64には接点板64aが取り付けられている。そして、接点板64aにはC接点64bが、L端子65にはL接点65aが取り付けられている。
【0023】
以上の構成により、継手1を介して流体が、キャップ部材2と円板4から構成される圧力容器10内に導入され、流体の圧力に応じて円板4が変形して軸62を押す。そして、圧力が予め設定された設定圧力になると、軸62に連動してC接点64bがL接点65aに接触してスイッチがONとなる。これにより、流体の圧力が設定圧力に達したことを検知できる。
【0024】
継手1は軸線Lを中心線とする円筒状の銅管であり、この継手1のキャップ部材2側の端部12近傍の外周には軸線Lを中心とする円板状のフランジ部11が形成されている。なお、フランジ部11は継手1本体を変形することにより一体成型されたものである。また、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周(その全周)はニッケルメッキ層11aにより覆われている。キャップ部材2の中央には軸線Lを中心とする円形の接続孔2aが形成されており、この接続孔2aは継手1の端部12に嵌合する同寸になっている。また、キャップ部材2は、接続孔2aの周囲にフランジ部11に対向するように平坦部21を有している。そして、継手1とキャップ部材2は、後述のようにフランジ部11と平坦部21との間に溶接によって形成された溶融固化層A1により接合されている。
【0025】
なお、図1に示すフランジ部11のニッケルメッキ層11a、溶融固化層A1及び平坦部21を含む溶接部は、この第1実施形態及び後述の第2実施形態において異なる構造をしているが、この溶接部以外の構造は第1実施形態と第2実施形態において共に同じ構造である。
【0026】
図2に示すように、溶接部にはニッケル系部材からなる環状部材3が用いられる。環状部材3はワッシャ状の形状をしており、中心に継手1の端部12に嵌合する抜き孔3aが形成されている。そして、図3に示すように、溶接前は継手1の端部12を環状部材3の抜き孔3aに嵌合させて、継手1のフランジ部11のニッケルメッキ層11aと平坦部21との間に環状部材3を介在させ、継手1の端部12をキャップ部材2の接続孔2aに嵌合させて組み付けられる。
【0027】
図3に示すように、溶接時には、レーザービームB1を軸線Lに対して直角にして環状部材3の外周縁に照射する。継手1、キャップ部材2及び環状部材3の組み付け品を、例えば図2に矢印で示すように軸線Lの周りに回転させ、環状部材3の外周縁の全周に亘って溶接する。このレーザービームB1のビーム径は環状部材3の板厚d(図2参照)と同じまたはそれ以上のビーム径を有している。例えば、板厚dは0.2mm、ビーム径も0.2mmである。なお、板厚dは0.15mm〜0.2mmが最適であり、厚くても0.5mm以下が望ましい。
【0028】
また、上記溶接に使うレーザーは、YAGレーザーであり、波長は0.8μm以上の波長(例えば1μm)である。これは、ニッケル系部材(環状部材3あるいはニッケルメッキ層11a)は、波長が略0.8μm以上のレーザー光に対して銅よりも反射率の低い特性を有しているからである。これにより、ニッケル系部材(環状部材3あるいはニッケルメッキ層11a)でレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。すなわち、溶接に使うレーザーとしては、銅に対する反射率よりもニッケル系部材に対する反射率が小さいような波長のものを用いる。
【0029】
このレーザーによる溶接時には、レーザーの照射によって環状部材3の外周縁側から軸線L側に向けて溶融ホールが形成される。このときフランジ部11の一部と平坦部21の一部も溶融する。そして、溶融ホールに融液が流れてレーザーの通過後に冷却固化し、溶融固化層A1が形成される。上記の溶接により、図4に示すように、継手1のフランジ部11とキャップ部材2の平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層A1が形成され、この溶融固化層A1は、平坦部21とフランジ部11との間で、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成される。また、この溶融固化層A1は、フランジ部11の一部が溶融することによる銅と、環状部材3及びニッケルメッキ層11aが溶融することによるニッケルと、平坦部21が溶融することによる鉄とが溶融固化したものとなる。
【0030】
ここで、上記のレーザービームB1は、理想的な照射状態である。溶接前の状態で、継手1のフランジ部11にはニッケルメッキ層11aが形成されている。このため、図3に示す、フランジ部11の斜め下方から照射するレーザービームB2のように照射位置がずれても、このレーザービームB2はニッケルメッキ層11aに照射される。したがって、このニッケルメッキ層11aによりレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。
【0031】
また、レーザービームB1からレーザービームB2の成す角度の範囲内にレーザー光を照射すればよいし、溶接に用いるレーザービームのスポット径はさほど小さくなくてもよい。したがって、レーザービームの照射位置の位置出しやスポット径の制御に余裕があり、溶接装置等のコスト及び製造コストも低減できる。
【0032】
なお、ニッケルメッキ層11aを形成する場合には、無電界メッキではなく、電界メッキにより行うのが好ましい。これは、無電界メッキであると、ニッケルメッキ層にリン(P)やボロン(B)などの低融点材料が含まれるので、溶接を阻害してしまう可能性があるからである。しかし、電界メッキであればそのような問題は生じない。また、ニッケルメッキ層11aはフランジ部11の部分だけに形成した例を示したが、他の部分にも形成されていてもよい。
【0033】
図5は第1実施形態の圧力スイッチの溶接時に用いる環状部材の他の例を示す図である。図5(A) の環状部材3′は、ニッケル線材をリング状にしたものである。図5(B) の環状部材3″は、ニッケル粉体を押し固めてリング状に形成したものである。この他に、環状部材としては、ニッケルペーストを溶剤に混ぜてディスペンサで溶接箇所に塗布し、それを乾燥させたり、継手1のフランジ部11側に塗ったりしてもよい。これによっても、同様な効果が得られる。また、ニッケル線材を使う場合、例えば図6に示すように、ニッケル線材を巻き線として構成してもよい。図6(A) は角線を渦状に巻いたものであり、図6(B) は丸線を渦状に巻いたものである。このように渦状に巻くと、径を適宜設定して量を調節することができる。図6(C) は平角線を螺旋状に巻いたものであり、この場合は厚みを適宜設定して量を調節することができる。
【0034】
以上の溶接により、図1及び図4に示すように、製造された圧力スイッチ(圧力感応装置)は、継手1の軸線Lを中心とするキャップ部材2の平坦部21と、継手1のフランジ部11との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層A1が形成されるとともに、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周が溶接残存部としてのニッケルメッキ層11aで覆われている。
【0035】
図7は圧力感応装置としての第2実施形態の圧力スイッチの縦断面図、図8は第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部斜視図、図9は第2実施形態の圧力スイッチの溶接前の要部縦断面図及び接合方法を説明する図、図10は第2実施形態の圧力スイッチの溶接後の要部縦断面図である。なお、第1実施形態と同じ部材には第1実施形態と同符号を付記して詳細な説明は省略する。
【0036】
図8及び図9に示すように、溶接部にはニッケル系部材からなる環状部材8が用いられる。この第2実施形態における環状部材8は、図8及び図9に示すように、第1実施形態の環状部材3と同様なワッシャ状のワッシャ部81と、このワッシャ部81の外周に該ワッシャ部81と一体に形成されたカバー部82とを有している。カバー部82はフランジ部11の軸線Lの周りの外周(その全周)を覆うように構成されている。そして、図8に示すように、溶接前は継手1の端部12を環状部材8の抜き孔8aに嵌合させて、継手1のフランジ部11と平坦部21との間に環状部材8を介在させ、継手1の端部12をキャップ部材2の接続孔2aに嵌合させて組み付けられる。
【0037】
図9に示すように、溶接時には、レーザービームB1を軸線Lに対して直角にして環状部材8のワッシャ部81とカバー部82との境界位置の外周縁に照射する。継手1、キャップ部材2及び環状部材8の組み付け品を、例えば図8に矢印で示すように軸線Lの周りに回転させ、環状部材8の上記外周縁の全周に亘って溶接する。このレーザービームB1のビーム径は環状部材8のワッシャ部81の板厚d(図8参照)と同じまたはそれ以上のビーム径を有している。この板厚dは第1実施形態と同様である。また、上記溶接に使うレーザーの条件は第1実施形態と同様である。
【0038】
以上の溶接により、第1実施形態と同様に、レーザーの照射によって環状部材8の上記外周縁側から軸線L側に向けて溶融ホールが形成される。このときフランジ部11の一部と平坦部21の一部も溶融する。そして、溶融ホールに融液が流れてレーザーの通過後に冷却固化し、溶融固化層A2が形成される。上記の溶接により、図10に示すように、継手1のフランジ部11とキャップ部材2の平坦部21との間において軸線Lの周りの全周に溶融固化層A2が形成され、この溶融固化層A2は、平坦部21とフランジ部11との間で、継手1の軸線Lに向けて深く浸入するように形成される。また、この溶融固化層A2は、フランジ部11の一部が溶融することによる銅と、環状部材8が溶融することによるニッケルと、平坦部21が溶融することによる鉄とが溶融固化したものとなる。
【0039】
この第2実施形態においても、上記のレーザービームB1は、理想的な照射状態であるが、溶接前の状態で、環状部材8は継手1のフランジ部11を覆うカバー部82を有している。このため、図9に示す、フランジ部11の斜め下方から照射するレーザービームB2のように照射位置がずれても、このレーザービームB2はカバー部82に照射される。したがって、このカバー部82によりレーザー光の熱エネルギーを効率よく吸収することができ、確実に溶接することができる。
【0040】
また、レーザービームB1からレーザービームB2の成す角度の範囲内にレーザー光を照射すればよいし、溶接に用いるレーザービームのスポット径はさほど小さくなくてもよい。したがって、第1実施形態と同様に溶接装置等のコスト及び製造コストも低減できる。
【0041】
以上の溶接により、図7及び図10に示すように、製造された圧力スイッチ(圧力感応装置)は、継手1の軸線Lを中心とするキャップ部材2の平坦部21と、継手1のフランジ部11との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層A2が形成されるとともに、少なくともフランジ部11の軸線Lの周りの外周が、環状部材8のカバー部82が一部溶融した状態の溶接残存部としてのニッケル系部材82′で覆われている。
【0042】
以上の各実施形態では圧力感応装置として圧力スイッチを例に説明したが、図11に示すように、圧力感応装置としての圧力センサに本発明を適用してもよい。図11において図1と同様な要素及び対応する要素には同符号を付記して重複する詳細な説明は省略する。この実施形態の圧力センサはカシメ板91によってケース92に固着されたキャップ部材2を備えており、キャップ部材2とケース92は圧力容器10を構成している。そして、継手1を前記第1実施形態及び第2実施形態と同様にレーザー溶接により接合されている。この圧力センサは、センサ素子93によりキャップ部材2内の流体の圧力を感知し、その圧力に応じたセンサ信号を端子94及び図示しないリード線を介して外部に出力する。この実施形態の圧力センサにおいても継手1、環状部材3(または8)及びキャップ部材2のレーザー溶接による作用は前記第1実施形態及び第2実施形態と同じである。
【0043】
なお、各実施形態において溶融固化層A1,A2の深さは、溶接点とレーザービームとの相対的な線速度、及び、レーザービームの出力により設定することができる。
【0044】
銅とステンレス(あるいは鉄)の直接的な溶接は困難である。しかし、上記各実施形態のように、銅と合金を作りやすいニッケルを同時に溶融して溶融部分内の鉄の含有量を少なくすることにより、溶接が可能であり、圧力スイッチや圧力センサにおいて継手1側から加えた高圧の流体に対する耐圧性を確保することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 継手
11 フランジ部
11a ニッケルメッキ層
2 キャップ部材
21 平坦部
3 環状部材
8 環状部材
82 カバー部
A1,A2 溶融固化層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置であって、
前記継手の軸線を中心とする前記キャップ部材の前記平坦部と、前記継手の前記フランジ部との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層が形成されるとともに、少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周がニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部で覆われ、前記溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とが接合されていることを特徴とする圧力感応装置。
【請求項2】
前記溶融固化層が、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手の前記フランジ部との間で、外側から前記継手の軸線に向けて浸入するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力感応装置。
【請求項3】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、
前記継手の少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周にニッケルメッキ層を形成し、
前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材を介在させ、
前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材または前記ニッケルメッキ層の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材または該ニッケルメッキ層、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにした
ことを特徴とする圧力感応装置の継手接合方法。
【請求項4】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、
前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなり、前記フランジ部の軸線の周りの外周を覆うカバー部を有するワッシャ状の環状部材を介在させ、
前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにした
ことを特徴とする圧力感応装置の継手接合方法。
【請求項1】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置であって、
前記継手の軸線を中心とする前記キャップ部材の前記平坦部と、前記継手の前記フランジ部との全周にて、溶接による銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層が形成されるとともに、少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周がニッケルメッキ層またはニッケル系部材の溶接残存部で覆われ、前記溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とが接合されていることを特徴とする圧力感応装置。
【請求項2】
前記溶融固化層が、前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手の前記フランジ部との間で、外側から前記継手の軸線に向けて浸入するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力感応装置。
【請求項3】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、
前記継手の少なくとも前記フランジ部の前記軸線の周りの外周にニッケルメッキ層を形成し、
前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなるワッシャ状の環状部材を介在させ、
前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材または前記ニッケルメッキ層の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材または該ニッケルメッキ層、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにした
ことを特徴とする圧力感応装置の継手接合方法。
【請求項4】
圧力検知対象の流体が流れる配管に接続される銅製の継手と、前記流体が導入される圧力容器を構成して中央に前記継手の端部が嵌挿される接続孔が形成されたステンレス製のキャップ部材とを備え、前記継手の外周にフランジ部が形成され、前記キャップ部材の前記接続孔の周囲の平坦部と前記継手のフランジ部とが対向して接合された圧力感応装置の、前記継手を前記キャップ部材に接合する圧力感応装置の継手接合方法であって、
前記キャップ部材の前記平坦部と前記継手のフランジ部との間に、ニッケル系部材からなり、前記フランジ部の軸線の周りの外周を覆うカバー部を有するワッシャ状の環状部材を介在させ、
前記環状部材の厚み以上のビーム径を有するレーザービームを、前記環状部材の前記軸線の周りの全周にて前記軸線に向けて照射し、該環状部材、前記平坦部の一部及び前記フランジ部の一部を溶融することにより、前記平坦部と前記フランジ部との間に銅、ニッケル及び鉄の溶融固化層を形成し、該溶融固化層により前記キャップ部材と前記継手とを接合するようにした
ことを特徴とする圧力感応装置の継手接合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−160396(P2012−160396A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20610(P2011−20610)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】
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