圧力検出部及び圧力検出部を備えた情報入力装置
【課題】情報入力装置において押圧操作により確実な情報入力が行えるよう、感度の精度を向上させた圧力検出部を得る。
【解決手段】情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部を、第1基板21と、第1基板21に対向して配置される第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置される感圧層と、感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、第1基板21に設けられた第1電極21Aと第2基板22に設けられた第2電極22Aとを備え、第1電極21A及び第2電極22Aを、第1基板21及び第2基板22の法線上において対向しない位置に設け、第1電極21A、第2電極22A、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成した。
【解決手段】情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部を、第1基板21と、第1基板21に対向して配置される第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置される感圧層と、感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、第1基板21に設けられた第1電極21Aと第2基板22に設けられた第2電極22Aとを備え、第1電極21A及び第2電極22Aを、第1基板21及び第2基板22の法線上において対向しない位置に設け、第1電極21A、第2電極22A、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル部材の押圧操作を検出して情報の入力を可能にする情報入力装置の圧力検出部に関する。
【背景技術】
【0002】
情報入力機能を有するパネル部材を備えた情報入力装置として、液晶ディスプレイ上にタッチパネルを配置したものが広く使用されている。液晶モニタを有するデジタルカメラでは、液晶モニタの上面に、接触位置及び押圧力を検知できるパネル部材を設け、接触時の押圧の強さに応じて異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献1、図25参照)。
【0003】
こうした情報入力装置に装備される圧力検出部20は、例えば、図26に示すように、第1基板21と第2基板22との間に第2基板22の側から第2電極22A、カーボン22B、感圧インク23a、第1電極21Aの順で配置されており、タッチパネル等が押下された場合の圧力を計測して、計測された圧力値に応じて情報が入力指示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−355617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図26に示す圧力検出部においては、第2基板22側の第2電極22Aの上にカーボン層22Bが重ねて印刷され、カーボン層22Bに感圧インク層23aが被覆され、他方の第1基板21側に第1電極21Aが設けられている。この場合、カーボン層22Bに比べて電極部分21A,22Bの方が厚みやその表面に凹凸が存在するため、カーボン層22Bの感圧インク層23aに接触する面が平滑でない場合があった。そのため、感圧インク層23aと電極層22A,22Bとの接触状態が安定せず、結果として圧力検出部の感度がばらつく要因にもなっていた。
【0006】
本発明は、情報入力装置において押圧操作により確実な情報入力が行えるよう、感度の精度を向上させた圧力検出部を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る圧力検出部の第1の特徴構成は、情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板に設けられた第1電極と前記第2基板に設けられた第2電極とを備え、
第1電極及び第2電極を、第1基板及び第2基板の法線上において対向しない位置に設け、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された点にある。
【0008】
情報入力装置に圧力検出部を形成する場合、例えば、第1電極の上に感圧層を形成する。これらは、夫々膜形成材料を塗布することにより形成する。このとき、電極部分には厚みやその表面に凹凸が存在するため、仕上がった感圧層の表面は必ずしも平滑面にはならない。同じく、第2電極の上にも必要に応じて感圧層を形成する。その場合、パネル部材に押圧力を作用させ、第1基板と第2基板とで感圧層を挟圧すると、感圧層どうし、あるいは、感圧層と電極とが平面どうしで接触せず、互いに凸部が接触する場合も生じ得る。その結果、互いに当接する部材間の通電状態が安定せず、圧力検出部として不安定なものとなる。
【0009】
しかし、本構成のものであれば、第1電極及び第2電極を、第1基板及び第2基板の法線上において対向しない位置に設け、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、感圧層が受ける電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を分散することができる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善された圧力検出部を得ることができる。また、圧力検出部が押圧されても、第1電極及び第2電極が直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが押圧し合うことで損傷するといった不具合が抑制され、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0010】
また、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、第1基板及び第2基板の法線上において第1基板の第1電極と第2基板の第2電極とで1列の電極が構成される。よって、第1電極と第2電極とは、感圧層が配置されていない部分においては接触することがないので、第1電極と第2電極との絶縁処理を施す必要がない。
【0011】
本発明に係る圧力検出部の第2の特徴構成は、情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の基板であって前記感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極及び第2電極とを備え、
前記第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された点にある。
【0012】
本構成のように、感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、第1基板及び第2基板のいずれか一方の基板であって感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極及び第2電極を備え、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成してあるので、感圧層が受ける電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を分散することができる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善された圧力検出部を得ることができる。また、圧力検出部が押圧されても、第1電極及び第2電極が直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが押圧し合うことで損傷するといった不具合が抑制され、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0013】
また、第1基板及び第2基板のいずれか一方の基板であって感圧層を設けた側の面に第1電極及び第2電極を設けたので、第1基板及び第2基板の両方に電極を配置する場合に比べて、基板に電極を配置する工程が1回で済むことになる。よって、圧力検出部の製造工程を簡素化することができる。
【0014】
本発明に係る圧力検出部の第3の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方が重畳しない位置を押圧可能に構成してある点にある。
【0015】
本構成によれば、いずれか一方の電極が重畳しない位置で感圧層が押圧可能に構成したので、感圧層が押圧される感圧領域において、電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を排除することができる。よって、当該領域において少なくとも一方の感圧層の表面が平滑である可能性が高まる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善されて、圧力検出特性が安定し、信頼性の高い圧力検出部を得ることができる。これにより、情報入力装置において押圧操作による確実な情報入力が行えるようになった。
【0016】
本発明に係る圧力検出部の第4の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極が重畳しない位置を押圧可能に構成してある点にある。
【0017】
本構成のように、感圧層のうち双方の電極が重畳しない位置を押圧可能に構成したので、第1電極及び第2電極の双方の部材表面をより平滑に仕上げることが可能となる。よって、感圧領域における感圧層の接触がより確実になって信頼性の高い圧力検出部を得ることができる。
【0018】
本発明に係る圧力検出部の第5の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくともいずれか一方が通電膜によって被覆されている点にある。
【0019】
圧力検出部の電極に直接感圧層を被覆して構成した場合には、電極に用いられる材質によっては、電極が圧縮される感圧層によって損傷することがある。しかし、この構成であれば、電極は通電膜に被覆されて保護されるので損傷等を受け難くなる。その結果、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0020】
本発明に係る圧力検出部の第6の特徴構成は、前記第1電極を被覆する第1通電膜と、前記第2電極を被覆する第2通電膜と、を備え、前記第1通電膜が前記第1電極に対して側方に延出した第1延出部を有すると共に、前記第2通電膜が、前記第2電極に対して側方に延出した第2延出部を有し、前記感圧層が、前記第1延出部及び前記第2延出部のうち少なくともいずれか一方を被覆し、当該圧力検出部が押圧された際に、前記感圧層が、前記第1延出部に係る第1通電膜及び前記第2延出部に係る第2通電膜のみによって圧縮されるように構成してある点にある。
【0021】
この構成により、第1通電膜、及び、第2通電膜を形成する際に、自身が突起物である第1電極あるいは第2電極が存在しない領域には極めて平滑な表面の通電膜を形成することができる。これらいずれかの通電膜の表面に感圧層を形成する場合にも、下地となる通電膜自身が平滑であるため、通電膜と同等の平滑度を持つ感圧層を得ることができる。よって、第1延出部及び第2延出部の領域のみで感圧層を圧縮する構成であれば、より広い面積に亘って適切に接触し、検出特性の安定した圧力検出部を得ることができる。
【0022】
本発明に係る圧力検出部の第7の特徴構成は、前記第1通電膜及び前記第2通電膜が、バインダーにカーボン粒子を混入したカーボン層で構成してある点にある。
【0023】
通常、カーボン粒子は、各種の粒径サイズのものが入手可能である。このカーボン粒子をバインダーに混合し、塗布することで、きめ細かな表面性状をもつ平滑な通電膜を得ることができる。よって、前記感圧層を圧縮する際に大きな接触面積を得ることができるため、通電特性に優れた圧力検出部を得ることができる。
【0024】
本発明に係る圧力検出部の第8の特徴構成は、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくともいずれか一方の外面に、前記感圧層に集中荷重を作用させる荷重伝達部材を設けてある点にある。
【0025】
この構成により、圧力検出部に外部からの荷重が加わったとき、荷重伝達部材が圧力検出部を支持して外部からの荷重を分散させることなく集中して受け取り、当該荷重を感圧層に確実に伝達する。こうして、感圧層が確実に押圧されるので、圧力検出部の検出精度を向上させることができる。
【0026】
本発明に係る情報入力装置の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置された前記1〜8のいずれかの特徴構成を有する圧力検出部と、を備えた点にある。
【0027】
この構成により、検出特性が向上した圧力検出部によって、情報入力装置においてパネル部材の押圧操作による情報入力を安定的に行うことができる。また、圧力検出部が、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、パネル部材の周縁に配置される圧力検出部の領域を小さくし、パネル部材の押圧操作領域を大きくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る圧力検出部を配置する情報入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】圧力検出部の分解斜視図である。
【図4】情報入力装置における圧力検出部の配置を示す図である。
【図5】情報入力装置の他の形態を示す断面図である。
【図6】実施形態2の圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図7】実施形態3における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】実施形態3における圧力検出部の動作状態を示す拡大断面図である。
【図10】実施形態4における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図11】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図12】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図13】他の実施形態の情報入力装置の斜視図である。
【図14】他の実施形態の圧力検出部の分解斜視図である。
【図15】他の実施形態における浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII断面図である。
【図18】別形態の浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX断面図である。
【図20】別形態の浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図21】図20のXXI−XXI断面図である。
【図22】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図23】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図24】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図25】従来技術に係る情報入力装置の断面図である。
【図26】従来技術に係る圧力検出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る情報入力装置1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
〔実施形態1〕
図1、図2に示すように、情報入力装置1は、前面に開口部2Aなどが形成された筐体2に、液晶又は有機ELなどの表示部3Aを有する表示装置3、接触式の情報入力機能を有するパネル部材4を備えて構成されている。
【0031】
本発明において、筐体2の開口部2Aは、図2に示すように、パネル部材4の嵌め込みを許容する段差を有するように筐体2の上面を切り抜いて形成され、その底面に、筐体2の内部に装備された表示装置3の表示部3Aを外部に臨ませる表示装置用開口部2aと、パネル部材4の周縁部4Aを支持する枠状の支持部2bとを有している。
【0032】
開口部2Aの形状や大きさは、パネル部材4の形状や大きさに応じて種々の変更が可能である。又、開口部2Aの実装深さは、パネル部材4の厚みなどに応じて種々の変更が可能である。更に、開口部2Aにおける表示装置用開口部2aの形状や大きさは、表示部3Aの形状や大きさなどに応じて種々の変更が可能である。ここでは、開口部2A、表示装置用開口部2a、表示部3A、及びパネル部材4の形状を矩形状又は略矩形状とする。ただし、パネル部材4等の形状は特に限定されず、例えば円形であってもよい。開口部2Aの実装深さは、筐体2の表面とパネル部材4の表面とがほぼ同じ高さになるように設定されていればよい。
【0033】
情報入力装置1には、パネル部材4に対する押圧操作を検出可能な圧力検出部20が設けられている。圧力検出部20は、パネル部材4と筐体2の支持部2bとの間に配置されており、圧力検出部20からの出力信号を処理する図示しない信号処理回路等から構成されている。圧力検出部20の構成は押圧力を検出できるものであれば特に限定されない。図1及び図4に示すように、圧力検出部20はパネル部材4の周縁部4Aに少なくとも1つ以上配置されている。パネル部材4は、パネル部材4へのタッチ操作に基づいて、その操作位置となるX−Y座標を検知する所謂タッチ入力機能を備えるものであってもよい。又、タッチ入力機能を備えるものにおいては、抵抗膜方式、静電容量方式、及び電磁誘導方式などから選択できる。
【0034】
図3に示すように、パネル部材4の下には、上から順に枠状の第1基板21、対角線上に対向する一対の隅部から両辺に向けて延設された第1電極21A、上部感圧インク23a、下部感圧インク23b、対角線上に対向する一対の隅部から両辺に向けて延設された第2電極22A、第2基板22、が配置される。枠状の第1基板21の下面には第1電極21Aが対角線上の2つの隅部を交点とするL字状に配置され、枠状の第2基板22の上面には第2電極22Aが対角線上の2つの隅部を交点とするL字状に配置される。こうして、第1電極21A、第2電極22A、上部感圧インク23a、及び下部感圧インク23bにより、ループ状の直列回路が形成されている。
【0035】
すなわち、第1電極21A及び第2電極22Aは第1基板21及び第2基板22の法線上において対向しない位置に設けられている。第1電極21Aが感圧層23に押し付けられた場合に、第2電極22Aが第1電極21Aの押圧の妨げにならない。また、反対に、第2電極22Aが感圧層23に押し付けられた場合に、第1電極21Aが第2電極22Aの押圧の妨げにならない。その結果、感圧層23と電極21A,22Aとの接触状態が改善された圧力検出部20を得ることができる。また、圧力検出部20が押圧されても、第1電極21A及び第2電極22Aが直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが繰り返し押圧されることで起こり得る電極の磨耗損傷が抑制され、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0036】
枠状の第1基板21、第2基板22の内径は開口部2Aの寸法に合わせ、外径は別途備えるXY座標検出装置(図示せず)に合わせる。上述のように、第1基板21の第2基板22との対向面に配置された第1電極21Aと、第2基板22の第1基板21との対向面に配置された第2電極22Aは、第1基板21及び第2基板22の法線上において、ループ状の直列回路を形成する。つまり、第1電極21Aと第2電極22Aとは、感圧層23が配置されていない部分においても接触することがないので、第1電極21Aと第2電極22Aとの絶縁処理を施す必要がない。
【0037】
圧力検出部20は、第2基板22が支持部2bの上に、例えば粘着剤(図示せず)により貼着されることで開口部2Aに取り付けられる。
【0038】
第1基板21と第2基板22との対向領域であって、感圧層23の両側には接続部24が配置されている。接続部24は、例えば弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であって、第2電極22A、第2通電膜22B、感圧層23、第1通電膜21Bの合計の厚さと略同じか厚めに構成されている。尚、図4では電極、通電膜、感圧インクと接続部24とが離間しているが、電極、通電膜、感圧インクと接続部24とは一部接触していてもよい。
【0039】
以下、情報入力装置1に装着された圧力検出部20の動作について説明する。情報入力装置1の内部において、第1電極21A及び第2電極22Aはコネクタ(図示せず)に接続されており、コネクタは情報入力装置1に内蔵された荷重検出部(図示せず)に接続されている。
【0040】
圧力検出部20は、パネル部材4が押圧操作された時の感圧層23における、上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを介した第1電極21Aと第2電極22Aとの間の抵抗の変化を検出する。この抵抗の変化の検出によって、感圧層23に加えられる外力を検出することができ、パネル部材4への荷重を検出することができる。
【0041】
第1基板21及び第2基板22は、例えばフィルム等であって、材質としては、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0042】
第1電極21A及び第2電極22Aの材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボン又はこれら材料を複数含む混合物等の導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、第1電極21A及び第2電極22Aは、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、第1電極21A及び第2電極22Aは、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。電極はここに挙げた形成方法や材料を組合せたり積層してもよい。
【0043】
上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。組成物としては、例えば、英国のPeratech社製の量子トンネル現象複合材料(商品名「QTC」)を用いることができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bは、塗布により第1基板21及び第2基板22に配置することができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。
【0044】
圧力検出部20は、情報入力装置1のパネル部材4の下面に、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープなどの粘着層によって貼着され、パネル部材4の周縁部4Aの加飾部に隠蔽されるように少なくとも一つに配置されている。したがって、圧力検出部20を構成する各部材は、透明な材質で構成されることに限定されず、有色の材質で構成されていてもよい。
【0045】
なお、情報入力装置1の筐体2は、図5に示すように、パネル部材4の上方にベゼル2cを備える形状であってもよい。筐体2にベゼル2cが備えてあると、パネル部材4の周縁部4A及び周縁部4Aに配置される圧力検出部20を筐体2の支持部2bとベゼル2cとによって挟持して固定することができる。
〔実施形態2〕
【0046】
本実施形態では、図6に示すように、第1基板21に配置された第1電極21Aは第1通電膜21Bによって被覆されている。一方、第2基板22に配置された第2電極22Aは第2通電膜22Bによって被覆されており、第2通電膜22Bは感圧層23である感圧インク23aによって被覆されている。
【0047】
第2通電膜22Bを被覆する感圧インク23の表面は第1通電膜21Bに対向する。よって、パネル部材4によって圧力検出部20が押圧されると、第2電極22Aと第2通電膜22Bとの間に感圧層23が圧縮される領域(感圧領域)Zが形成される。ここで、第2電極22Aは感圧領域Zから外れた位置(感圧領域Zに重畳しない位置)に配置されている。すなわち、感圧層23のうち第2電極22Aに重畳しない位置が押圧可能となって、感圧領域Zの第2基板22側は第2通電膜22Bのみとなり、この第2通電膜22Bの表面が平滑である可能性が高まる。その結果、圧力検出部20が押圧された際に、感圧領域Zにおいて第2通電膜22Bと感圧インク23aとの接触状態が良好となって、圧力検出特性が安定する。
【0048】
第1通電膜21B及び第2通電膜22Bの材料としては、第1電極21A及び第2電極22Aとほぼ同様の材料を用いることができるが、上記の導電性を有するペーストを用いる場合には、第1電極21A及び第2電極22Aの材料よりも粒径サイズが小さいものを用いるとよい。粒径サイズが小さい材料を通電膜に用いることで、平滑な通電膜を形成しやすい。上記の各種材料のうち、カーボン粒子は、各種の粒径サイズのものが入手可能である。よって、粒径サイズが小さいカーボン粒子をバインダーに混合し、塗布することで、きめ細かな表面性状をもつ平滑な通電膜を得ることができる。
【0049】
〔実施形態3〕
本実施形態では、図7及び図8に示すように、圧力検出部20は、第1通電膜21Bを感圧層23で被覆するように構成されている。感圧層23の感圧領域Zは、第1通電膜21Bと第2通電膜22Bとの間に位置し、第1電極21Aが感圧領域Zから第1基板21に沿う方向に外れる位置に設けられている。圧力検出部20には、第2基板22の外面に支持部2bと当接して感圧層23に集中荷重を作用させる荷重伝達部材25として、バンプ25aを設けている。バンプ25aは感圧領域Zに重畳するように配置されており、圧力検出部20にパネル部材4から荷重が加わったとき、バンプ25aが圧力検出部20を下方から支持し、当該荷重を集中して感圧層23に伝達する(図9)。
【0050】
バンプ25aの構成として、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を印刷や塗布などで配置して硬化させたもの、圧力検出部に寸法を合わせて裁断し貼合したフィルムや樹脂板、PEフォームやウレタンフォームなどの発泡体、粘着性接着剤や両面粘着材、両面テープなどがある。なお、第2連通膜22Bに感圧層23が設けられている場合には、バンプ25aは第1基板21の裏側に設けられてパネル部材4と当接する。ここで、バンプ25aの高さ寸法は、例えば50μm〜200μm(第2基板22に接着するための接着層の厚みを含む)である。
【0051】
バンプ25aを形成する代わりに、筐体2における感圧領域Zの当該箇所に凸部を形成してもよい。筐体2自体に凸部を設けることで、その凸部が荷重伝達部材25として機能する。
【0052】
〔実施形態4〕
圧力検出部20は、図10に示すように、第1電極21Aを被覆する第1通電膜21Bには反中央側に向けて延出する第1延出部21b、第2通電膜22Bは中央側に向けて延出する第2延出部22bを有する。第1通電膜21Bと第2通電膜22Bとを上下に略平行に配置し、第2延出部22bの一部を感圧層23で被覆して、感圧領域Zを第1延出部21bと第2延出部22bとの間に配置された感圧層23とする。その結果、圧力検出部20は、感圧層23のうち第1電極21A及び第2電極22Aが重畳しない位置である感圧領域Zを押圧可能に構成される。
【0053】
こうして、第1電極21A及び第2電極22Aが感圧領域Zに重畳しない位置にあると、第1通電膜21B及び第2通電膜22Bの部材表面をより平滑に仕上げることが可能となる。よって、感圧層23と、第1通電膜21B及び第2通電膜22Bとの接触がより確実になって信頼性の高い圧力検出部20を得ることができる。
【0054】
特に、感圧層23は第2通電膜22Bのうち第2延出部22bのみを被覆している。したがって、感圧層23が圧縮されても、第2電極22Aは直接押圧されることがないので、第2電極22Aがパネル部材の過度の押圧操作に対しても損傷を受け難い構造となり、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0055】
〔他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1電極21Aは第1基板21に配置し、第2電極22Aは第2基板22に配置して構成したが、第1基板21及び第2基板22のいずれか一方の基板であって感圧層23を設けた側の面に第1電極21A及び第2電極22Aを配置して、圧力検出部20を構成してもよい。この場合は、例えば、図11に示すように、第1基板21に第1電極21A及び第2電極22Aを配置し、第2基板22に感圧層23を配置する。また、図12に示すように、第1基板21に第1電極21A及び第2電極22Aを配置し、第1電極21Aを第1感圧インク23aで被覆し、第2電極21Aを第2感圧インク23bで被覆し、第2基板22には必要に応じて通電膜22Bを配置してもよい。また、第1電極21A及び第2電極22Aは、それぞれ通電膜で被覆されていてもよい。
【0056】
第1基板21及び第2基板22の一方に第1電極21A及び第2電極22Aが配置されていると、第1基板21及び第2基板22に夫々電極を配置する場合に比べて、基板に電極を配置する工程が1回で済むことになる。よって、圧力検出部20の製造工程を簡素化することができる。
【0057】
(2)情報入力装置1において、周縁部4Aが固定されたパネル部材4を押圧操作すると、パネル部材4のたわみにより周縁部4Aが浮き上がろうとする。この浮き上がり挙動は、周縁部4Aに配置されている圧力検出部20の精度を低下させるおそれがある。そこで、図13に示す情報入力装置1は、パネル部材4の隅角部4Bが筐体2から浮き上がることを防止する浮き上がり防止機構を備える。圧力検出部20は、矩形状のパネル部材4の周縁部4aの隅角部4Bを除く長辺上に1個ずつ、短辺上に1個ずつ配置されている。ただし、圧力検出部20の配置形態や配置個数はこれに限られず、例えば隅角部4Bに圧力検出部20を設けること等も可能である。尚、隅角部4Bとはパネル部材4の角から一定の範囲を示す。例えば、パネル部材4の角から、パネル部材4の中央とこの中央から最も近くにある圧力検出部20とを結ぶ直線距離の1/4の距離の範囲とすること等が可能である。
【0058】
図14に示すように、パネル部材4の下には、上から順に第1基板21、第1電極21A、上部感圧インク部材23a、下部感圧インク部材23b、第2電極22A、第2基板22、バンプ25aが配置される。枠状の第1基板21の下面には第1電極21Aが枠状に配置され、枠状の第2基板22の上面には第2電極22Aが枠状に配置される。
【0059】
図15は、浮き上がり防止機構の配置を示した平面図である。本実施形態においては、第1基板21及び第2基板22の内枠の4隅から、内側に向けて突出する突出部21a,22aをそれぞれ設けている(図14参照)。本実施形態の浮き上がり防止機構は、第1基板21の突出部21a及び第2基板22の突出部22aに、幅広の接着部材24a、幅広の上部接着部31a及び幅広の下部接着部32aを設けることによって構成している。
【0060】
図16は、図15におけるXVI−XVI断面図、即ち圧力検出部20が形成される周縁部4Aにおける断面図を示す。圧力検出部20は、パネル部材4の下面と第1基板21の上面とが上部接着部31によって、筐体2の支持部2bの上面と第2基板22の下面とが両面粘着テープからなるバンプ25aによって接着される。上部接着部31及び後述する下部接着部32には、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープ等を用いることができる。
【0061】
図17は、図15におけるXVII−XVII断面図、即ち圧力検出部20が形成されていない隅角部4Bにおける断面図を示す。隅角部4Bにおいては、第1基板21及び第2基板22の内枠から、内側に向けて突出する突出部21a,22aを設けている。このような突出部21a,22aを設けることにより、幅広の接着部材24a、幅広の上部接着部31a及び幅広の下部接着部32aを設けることができ、隅角部4Bにおける接着面積を広くすることができる。その結果、隅角部4Bにおける接着力が強化され、パネル部材4の浮き上がりが防止可能となる。
【0062】
隅角部4Bにおいては、感圧インク23a,23bを設けていないので、圧力検出部20として機能しない。従って、仮にパネル部材4の隅角部4Bが浮き上がったとしても、隅角部4Bにおいては圧力が検出されないので、圧力検出部20の検出精度を向上させることができる。
【0063】
第1基板21及び第2基板22に突出部を設けず、図18,図19に示すように、パネル部材4の隅角部4Bにおいて、第1基板21及び第2基板22の内枠よりも内側の領域に、パネル部材4と筐体2の支持部2bとを直接接着する接着部33を浮き上がり防止機構として設けてもよい。
【0064】
接着部33を設けることによって、隅角部4Bにおける接着領域が拡大され、パネル部材4の隅角部4Bの浮き上がりを防止することができる。接着部33は、例えば、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材とすればよい。尚、必ずしも接着部33と第1基板21及び第2基板22とが接触している必要はなく、接着部33と第1基板21及び第2基板22とは一部離間していてもよい。
【0065】
また、浮き上がり防止機構として、図20,図21に示すように、パネル部材4の隅角部4Bにおける側面に凹部4Cを設け、凹部4Cに係合する凸部2dを筐体2に設けてもよい。この構成によれば、凸部2dがパネル部材4の隅角部4Bの浮き上がりを防止するので、浮き上がりによる圧力検出部20の検出精度の低下を防止できる。尚、凸部2dを凹部にして、凹部4Cを凸部にしてもよい。
【0066】
(3)本発明に係る圧力検出部20は、感圧層23に予め初期荷重を付与してもよい。
接続部24の厚みを、例えば、感圧部分(電極、通電膜、及び感圧層)の厚みより薄くした非弾性のスペーサ(基板21、22との接着層を含む、接着剤単体でも可)で構成する。こうすると、第1基板21または第2基板22の変形が許容される場合に、第1基板21または第2基板22により圧力検出部20に予め設定した圧力が初期荷重として付与される。接続部24は、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であってもよいし、引張り力を発揮する状態に設定されているゴム、引っ張りコイルばね、板ばね等の各種の弾性部材であってもよい。
【0067】
接続部24の材料等により、その厚みを感圧部分の厚みより薄くできない場合には、反対に感圧部分の厚みを増して接続部24の厚みより大きくなるよう構成して、感圧層23に初期荷重を付与してもよい。なお、感圧部分の厚みを増すためには、電極21A,22A、通電膜22A,22Bまたは、感圧層23を通常より厚めに塗付や印刷等する、または重ね塗りを行う等する。
【0068】
圧力検出部20の接続部24をこのように構成すると、情報入力装置1のパネル部材4と支持部2bとの間に圧力検出部20が配置された段階において、接続部24には当初の厚みを保持しようとする力が働き、この力が第1基板21と第2基板22とを互いに近接させる方向に作用する。すなわち、第1基板21と第2基板22との間の距離を狭め、感圧層23の無加圧な状態における厚みを小さくして、結果的に感圧層23に予め設定した圧力を初期荷重として付与している。
【0069】
(4)圧力検出部20において、図22に示すように、第1通電膜21Bに上部感圧インク23a、第2通電膜22Bに下部感圧インク23bを被覆し、第1電極21A及び第2電極構成22Aが感圧領域Zに重畳しない位置に設ける構成であってもよい。
【0070】
(5)圧力検出部20は、第1電極21A及び第2電極22Aのいずれか一方(図23では第2電極22A)を通電膜(図23では第2通電膜22B)で被覆し、第1電極及び第2電極のいずれか他方(図23では第1電極21A)を直接、感圧層23で被覆する構成であってもよい。
【0071】
(6)上記の実施形態のうち、一部の実施形態の圧力検出部20にのみ、感圧領域Zに重畳するバンプ25a設ける構成を示したが、他の実施形態の圧力検出部20についても、感圧領域Zに重畳するようバンプ25aを設けてもよい。
【0072】
(7)図24に示すように、圧力検出部20に設けられる荷重伝達部材25は、一方の端部25Aが感圧領域Zに重畳し、他方の端部25Bが感圧領域Zと重畳しないように配置してもよい。他方の端部25Bは、感圧領域Zに対してパネル部材4の反中央側であってもよいし、反対に感圧領域Zに対してパネル部材4の中央側であってもよい。バンプ25aが粘着性材料から構成されている場合は、図24のように、第1基板21の縁部から荷重伝達部材25の縁部25Bまでをパネル部材4の最も外側に配置することで、パネル部材4の外周側からの異物の進入や、水分の侵入を排除することができる。よって、当該装置の信頼性・耐久性を向上させることができる。さらに、圧力検出部20や荷重伝達部材25の不要な縁部をカットできるので、圧力検出部20を容易に製造できる。
【0073】
(8)圧力検出部20の接続部24は、パネル部材4の反中央側及び中央側のうちいずれか一方のみに配置される構成であってもよい。特に、接続部24をパネル部材4の反中央側(外側)に配置すると、パネル部材4と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材4と支持部2bとの間に異物が挟まるおそれがなく、また、第1電極21A、第2電極22Aや感圧層23などの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る情報入力装置は、携帯電話機、スマートフォン、PDA、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、遊技機、及びタブレットなどの電子機器に有効利用され、電子機器の多機能化及び操作性の向上を図るために利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 情報入力装置
2 筐体
2b 支持部
3 表示装置
4 パネル部材
4A 周縁部
20 圧力検出部
21 第1基板
21A 第1電極
21B 第1通電膜
21b 第1延出部
22 第2基板
22A 第2電極
22B 第2通電膜
22b 第2延出部
23 感圧層
24 接続部
25 荷重伝達部材
Z 感圧領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル部材の押圧操作を検出して情報の入力を可能にする情報入力装置の圧力検出部に関する。
【背景技術】
【0002】
情報入力機能を有するパネル部材を備えた情報入力装置として、液晶ディスプレイ上にタッチパネルを配置したものが広く使用されている。液晶モニタを有するデジタルカメラでは、液晶モニタの上面に、接触位置及び押圧力を検知できるパネル部材を設け、接触時の押圧の強さに応じて異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献1、図25参照)。
【0003】
こうした情報入力装置に装備される圧力検出部20は、例えば、図26に示すように、第1基板21と第2基板22との間に第2基板22の側から第2電極22A、カーボン22B、感圧インク23a、第1電極21Aの順で配置されており、タッチパネル等が押下された場合の圧力を計測して、計測された圧力値に応じて情報が入力指示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−355617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図26に示す圧力検出部においては、第2基板22側の第2電極22Aの上にカーボン層22Bが重ねて印刷され、カーボン層22Bに感圧インク層23aが被覆され、他方の第1基板21側に第1電極21Aが設けられている。この場合、カーボン層22Bに比べて電極部分21A,22Bの方が厚みやその表面に凹凸が存在するため、カーボン層22Bの感圧インク層23aに接触する面が平滑でない場合があった。そのため、感圧インク層23aと電極層22A,22Bとの接触状態が安定せず、結果として圧力検出部の感度がばらつく要因にもなっていた。
【0006】
本発明は、情報入力装置において押圧操作により確実な情報入力が行えるよう、感度の精度を向上させた圧力検出部を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る圧力検出部の第1の特徴構成は、情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板に設けられた第1電極と前記第2基板に設けられた第2電極とを備え、
第1電極及び第2電極を、第1基板及び第2基板の法線上において対向しない位置に設け、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された点にある。
【0008】
情報入力装置に圧力検出部を形成する場合、例えば、第1電極の上に感圧層を形成する。これらは、夫々膜形成材料を塗布することにより形成する。このとき、電極部分には厚みやその表面に凹凸が存在するため、仕上がった感圧層の表面は必ずしも平滑面にはならない。同じく、第2電極の上にも必要に応じて感圧層を形成する。その場合、パネル部材に押圧力を作用させ、第1基板と第2基板とで感圧層を挟圧すると、感圧層どうし、あるいは、感圧層と電極とが平面どうしで接触せず、互いに凸部が接触する場合も生じ得る。その結果、互いに当接する部材間の通電状態が安定せず、圧力検出部として不安定なものとなる。
【0009】
しかし、本構成のものであれば、第1電極及び第2電極を、第1基板及び第2基板の法線上において対向しない位置に設け、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、感圧層が受ける電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を分散することができる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善された圧力検出部を得ることができる。また、圧力検出部が押圧されても、第1電極及び第2電極が直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが押圧し合うことで損傷するといった不具合が抑制され、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0010】
また、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、第1基板及び第2基板の法線上において第1基板の第1電極と第2基板の第2電極とで1列の電極が構成される。よって、第1電極と第2電極とは、感圧層が配置されていない部分においては接触することがないので、第1電極と第2電極との絶縁処理を施す必要がない。
【0011】
本発明に係る圧力検出部の第2の特徴構成は、情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の基板であって前記感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極及び第2電極とを備え、
前記第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された点にある。
【0012】
本構成のように、感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、第1基板及び第2基板のいずれか一方の基板であって感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極及び第2電極を備え、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成してあるので、感圧層が受ける電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を分散することができる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善された圧力検出部を得ることができる。また、圧力検出部が押圧されても、第1電極及び第2電極が直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが押圧し合うことで損傷するといった不具合が抑制され、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0013】
また、第1基板及び第2基板のいずれか一方の基板であって感圧層を設けた側の面に第1電極及び第2電極を設けたので、第1基板及び第2基板の両方に電極を配置する場合に比べて、基板に電極を配置する工程が1回で済むことになる。よって、圧力検出部の製造工程を簡素化することができる。
【0014】
本発明に係る圧力検出部の第3の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方が重畳しない位置を押圧可能に構成してある点にある。
【0015】
本構成によれば、いずれか一方の電極が重畳しない位置で感圧層が押圧可能に構成したので、感圧層が押圧される感圧領域において、電極部分の厚みや表面の凹凸の影響を排除することができる。よって、当該領域において少なくとも一方の感圧層の表面が平滑である可能性が高まる。その結果、感圧層と電極との接触状態が改善されて、圧力検出特性が安定し、信頼性の高い圧力検出部を得ることができる。これにより、情報入力装置において押圧操作による確実な情報入力が行えるようになった。
【0016】
本発明に係る圧力検出部の第4の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極が重畳しない位置を押圧可能に構成してある点にある。
【0017】
本構成のように、感圧層のうち双方の電極が重畳しない位置を押圧可能に構成したので、第1電極及び第2電極の双方の部材表面をより平滑に仕上げることが可能となる。よって、感圧領域における感圧層の接触がより確実になって信頼性の高い圧力検出部を得ることができる。
【0018】
本発明に係る圧力検出部の第5の特徴構成は、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくともいずれか一方が通電膜によって被覆されている点にある。
【0019】
圧力検出部の電極に直接感圧層を被覆して構成した場合には、電極に用いられる材質によっては、電極が圧縮される感圧層によって損傷することがある。しかし、この構成であれば、電極は通電膜に被覆されて保護されるので損傷等を受け難くなる。その結果、圧力検出部の耐久性が向上する。
【0020】
本発明に係る圧力検出部の第6の特徴構成は、前記第1電極を被覆する第1通電膜と、前記第2電極を被覆する第2通電膜と、を備え、前記第1通電膜が前記第1電極に対して側方に延出した第1延出部を有すると共に、前記第2通電膜が、前記第2電極に対して側方に延出した第2延出部を有し、前記感圧層が、前記第1延出部及び前記第2延出部のうち少なくともいずれか一方を被覆し、当該圧力検出部が押圧された際に、前記感圧層が、前記第1延出部に係る第1通電膜及び前記第2延出部に係る第2通電膜のみによって圧縮されるように構成してある点にある。
【0021】
この構成により、第1通電膜、及び、第2通電膜を形成する際に、自身が突起物である第1電極あるいは第2電極が存在しない領域には極めて平滑な表面の通電膜を形成することができる。これらいずれかの通電膜の表面に感圧層を形成する場合にも、下地となる通電膜自身が平滑であるため、通電膜と同等の平滑度を持つ感圧層を得ることができる。よって、第1延出部及び第2延出部の領域のみで感圧層を圧縮する構成であれば、より広い面積に亘って適切に接触し、検出特性の安定した圧力検出部を得ることができる。
【0022】
本発明に係る圧力検出部の第7の特徴構成は、前記第1通電膜及び前記第2通電膜が、バインダーにカーボン粒子を混入したカーボン層で構成してある点にある。
【0023】
通常、カーボン粒子は、各種の粒径サイズのものが入手可能である。このカーボン粒子をバインダーに混合し、塗布することで、きめ細かな表面性状をもつ平滑な通電膜を得ることができる。よって、前記感圧層を圧縮する際に大きな接触面積を得ることができるため、通電特性に優れた圧力検出部を得ることができる。
【0024】
本発明に係る圧力検出部の第8の特徴構成は、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくともいずれか一方の外面に、前記感圧層に集中荷重を作用させる荷重伝達部材を設けてある点にある。
【0025】
この構成により、圧力検出部に外部からの荷重が加わったとき、荷重伝達部材が圧力検出部を支持して外部からの荷重を分散させることなく集中して受け取り、当該荷重を感圧層に確実に伝達する。こうして、感圧層が確実に押圧されるので、圧力検出部の検出精度を向上させることができる。
【0026】
本発明に係る情報入力装置の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置された前記1〜8のいずれかの特徴構成を有する圧力検出部と、を備えた点にある。
【0027】
この構成により、検出特性が向上した圧力検出部によって、情報入力装置においてパネル部材の押圧操作による情報入力を安定的に行うことができる。また、圧力検出部が、第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成されているので、パネル部材の周縁に配置される圧力検出部の領域を小さくし、パネル部材の押圧操作領域を大きくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る圧力検出部を配置する情報入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】圧力検出部の分解斜視図である。
【図4】情報入力装置における圧力検出部の配置を示す図である。
【図5】情報入力装置の他の形態を示す断面図である。
【図6】実施形態2の圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図7】実施形態3における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】実施形態3における圧力検出部の動作状態を示す拡大断面図である。
【図10】実施形態4における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図11】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図12】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図13】他の実施形態の情報入力装置の斜視図である。
【図14】他の実施形態の圧力検出部の分解斜視図である。
【図15】他の実施形態における浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII断面図である。
【図18】別形態の浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX断面図である。
【図20】別形態の浮き上がり防止機構の配置を示す平面図である。
【図21】図20のXXI−XXI断面図である。
【図22】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図23】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図24】他の実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図25】従来技術に係る情報入力装置の断面図である。
【図26】従来技術に係る圧力検出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る情報入力装置1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
〔実施形態1〕
図1、図2に示すように、情報入力装置1は、前面に開口部2Aなどが形成された筐体2に、液晶又は有機ELなどの表示部3Aを有する表示装置3、接触式の情報入力機能を有するパネル部材4を備えて構成されている。
【0031】
本発明において、筐体2の開口部2Aは、図2に示すように、パネル部材4の嵌め込みを許容する段差を有するように筐体2の上面を切り抜いて形成され、その底面に、筐体2の内部に装備された表示装置3の表示部3Aを外部に臨ませる表示装置用開口部2aと、パネル部材4の周縁部4Aを支持する枠状の支持部2bとを有している。
【0032】
開口部2Aの形状や大きさは、パネル部材4の形状や大きさに応じて種々の変更が可能である。又、開口部2Aの実装深さは、パネル部材4の厚みなどに応じて種々の変更が可能である。更に、開口部2Aにおける表示装置用開口部2aの形状や大きさは、表示部3Aの形状や大きさなどに応じて種々の変更が可能である。ここでは、開口部2A、表示装置用開口部2a、表示部3A、及びパネル部材4の形状を矩形状又は略矩形状とする。ただし、パネル部材4等の形状は特に限定されず、例えば円形であってもよい。開口部2Aの実装深さは、筐体2の表面とパネル部材4の表面とがほぼ同じ高さになるように設定されていればよい。
【0033】
情報入力装置1には、パネル部材4に対する押圧操作を検出可能な圧力検出部20が設けられている。圧力検出部20は、パネル部材4と筐体2の支持部2bとの間に配置されており、圧力検出部20からの出力信号を処理する図示しない信号処理回路等から構成されている。圧力検出部20の構成は押圧力を検出できるものであれば特に限定されない。図1及び図4に示すように、圧力検出部20はパネル部材4の周縁部4Aに少なくとも1つ以上配置されている。パネル部材4は、パネル部材4へのタッチ操作に基づいて、その操作位置となるX−Y座標を検知する所謂タッチ入力機能を備えるものであってもよい。又、タッチ入力機能を備えるものにおいては、抵抗膜方式、静電容量方式、及び電磁誘導方式などから選択できる。
【0034】
図3に示すように、パネル部材4の下には、上から順に枠状の第1基板21、対角線上に対向する一対の隅部から両辺に向けて延設された第1電極21A、上部感圧インク23a、下部感圧インク23b、対角線上に対向する一対の隅部から両辺に向けて延設された第2電極22A、第2基板22、が配置される。枠状の第1基板21の下面には第1電極21Aが対角線上の2つの隅部を交点とするL字状に配置され、枠状の第2基板22の上面には第2電極22Aが対角線上の2つの隅部を交点とするL字状に配置される。こうして、第1電極21A、第2電極22A、上部感圧インク23a、及び下部感圧インク23bにより、ループ状の直列回路が形成されている。
【0035】
すなわち、第1電極21A及び第2電極22Aは第1基板21及び第2基板22の法線上において対向しない位置に設けられている。第1電極21Aが感圧層23に押し付けられた場合に、第2電極22Aが第1電極21Aの押圧の妨げにならない。また、反対に、第2電極22Aが感圧層23に押し付けられた場合に、第1電極21Aが第2電極22Aの押圧の妨げにならない。その結果、感圧層23と電極21A,22Aとの接触状態が改善された圧力検出部20を得ることができる。また、圧力検出部20が押圧されても、第1電極21A及び第2電極22Aが直接押圧し合うことがない。よって、電極どうしが繰り返し押圧されることで起こり得る電極の磨耗損傷が抑制され、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0036】
枠状の第1基板21、第2基板22の内径は開口部2Aの寸法に合わせ、外径は別途備えるXY座標検出装置(図示せず)に合わせる。上述のように、第1基板21の第2基板22との対向面に配置された第1電極21Aと、第2基板22の第1基板21との対向面に配置された第2電極22Aは、第1基板21及び第2基板22の法線上において、ループ状の直列回路を形成する。つまり、第1電極21Aと第2電極22Aとは、感圧層23が配置されていない部分においても接触することがないので、第1電極21Aと第2電極22Aとの絶縁処理を施す必要がない。
【0037】
圧力検出部20は、第2基板22が支持部2bの上に、例えば粘着剤(図示せず)により貼着されることで開口部2Aに取り付けられる。
【0038】
第1基板21と第2基板22との対向領域であって、感圧層23の両側には接続部24が配置されている。接続部24は、例えば弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であって、第2電極22A、第2通電膜22B、感圧層23、第1通電膜21Bの合計の厚さと略同じか厚めに構成されている。尚、図4では電極、通電膜、感圧インクと接続部24とが離間しているが、電極、通電膜、感圧インクと接続部24とは一部接触していてもよい。
【0039】
以下、情報入力装置1に装着された圧力検出部20の動作について説明する。情報入力装置1の内部において、第1電極21A及び第2電極22Aはコネクタ(図示せず)に接続されており、コネクタは情報入力装置1に内蔵された荷重検出部(図示せず)に接続されている。
【0040】
圧力検出部20は、パネル部材4が押圧操作された時の感圧層23における、上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを介した第1電極21Aと第2電極22Aとの間の抵抗の変化を検出する。この抵抗の変化の検出によって、感圧層23に加えられる外力を検出することができ、パネル部材4への荷重を検出することができる。
【0041】
第1基板21及び第2基板22は、例えばフィルム等であって、材質としては、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0042】
第1電極21A及び第2電極22Aの材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボン又はこれら材料を複数含む混合物等の導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、第1電極21A及び第2電極22Aは、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、第1電極21A及び第2電極22Aは、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。電極はここに挙げた形成方法や材料を組合せたり積層してもよい。
【0043】
上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。組成物としては、例えば、英国のPeratech社製の量子トンネル現象複合材料(商品名「QTC」)を用いることができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bは、塗布により第1基板21及び第2基板22に配置することができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。
【0044】
圧力検出部20は、情報入力装置1のパネル部材4の下面に、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープなどの粘着層によって貼着され、パネル部材4の周縁部4Aの加飾部に隠蔽されるように少なくとも一つに配置されている。したがって、圧力検出部20を構成する各部材は、透明な材質で構成されることに限定されず、有色の材質で構成されていてもよい。
【0045】
なお、情報入力装置1の筐体2は、図5に示すように、パネル部材4の上方にベゼル2cを備える形状であってもよい。筐体2にベゼル2cが備えてあると、パネル部材4の周縁部4A及び周縁部4Aに配置される圧力検出部20を筐体2の支持部2bとベゼル2cとによって挟持して固定することができる。
〔実施形態2〕
【0046】
本実施形態では、図6に示すように、第1基板21に配置された第1電極21Aは第1通電膜21Bによって被覆されている。一方、第2基板22に配置された第2電極22Aは第2通電膜22Bによって被覆されており、第2通電膜22Bは感圧層23である感圧インク23aによって被覆されている。
【0047】
第2通電膜22Bを被覆する感圧インク23の表面は第1通電膜21Bに対向する。よって、パネル部材4によって圧力検出部20が押圧されると、第2電極22Aと第2通電膜22Bとの間に感圧層23が圧縮される領域(感圧領域)Zが形成される。ここで、第2電極22Aは感圧領域Zから外れた位置(感圧領域Zに重畳しない位置)に配置されている。すなわち、感圧層23のうち第2電極22Aに重畳しない位置が押圧可能となって、感圧領域Zの第2基板22側は第2通電膜22Bのみとなり、この第2通電膜22Bの表面が平滑である可能性が高まる。その結果、圧力検出部20が押圧された際に、感圧領域Zにおいて第2通電膜22Bと感圧インク23aとの接触状態が良好となって、圧力検出特性が安定する。
【0048】
第1通電膜21B及び第2通電膜22Bの材料としては、第1電極21A及び第2電極22Aとほぼ同様の材料を用いることができるが、上記の導電性を有するペーストを用いる場合には、第1電極21A及び第2電極22Aの材料よりも粒径サイズが小さいものを用いるとよい。粒径サイズが小さい材料を通電膜に用いることで、平滑な通電膜を形成しやすい。上記の各種材料のうち、カーボン粒子は、各種の粒径サイズのものが入手可能である。よって、粒径サイズが小さいカーボン粒子をバインダーに混合し、塗布することで、きめ細かな表面性状をもつ平滑な通電膜を得ることができる。
【0049】
〔実施形態3〕
本実施形態では、図7及び図8に示すように、圧力検出部20は、第1通電膜21Bを感圧層23で被覆するように構成されている。感圧層23の感圧領域Zは、第1通電膜21Bと第2通電膜22Bとの間に位置し、第1電極21Aが感圧領域Zから第1基板21に沿う方向に外れる位置に設けられている。圧力検出部20には、第2基板22の外面に支持部2bと当接して感圧層23に集中荷重を作用させる荷重伝達部材25として、バンプ25aを設けている。バンプ25aは感圧領域Zに重畳するように配置されており、圧力検出部20にパネル部材4から荷重が加わったとき、バンプ25aが圧力検出部20を下方から支持し、当該荷重を集中して感圧層23に伝達する(図9)。
【0050】
バンプ25aの構成として、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を印刷や塗布などで配置して硬化させたもの、圧力検出部に寸法を合わせて裁断し貼合したフィルムや樹脂板、PEフォームやウレタンフォームなどの発泡体、粘着性接着剤や両面粘着材、両面テープなどがある。なお、第2連通膜22Bに感圧層23が設けられている場合には、バンプ25aは第1基板21の裏側に設けられてパネル部材4と当接する。ここで、バンプ25aの高さ寸法は、例えば50μm〜200μm(第2基板22に接着するための接着層の厚みを含む)である。
【0051】
バンプ25aを形成する代わりに、筐体2における感圧領域Zの当該箇所に凸部を形成してもよい。筐体2自体に凸部を設けることで、その凸部が荷重伝達部材25として機能する。
【0052】
〔実施形態4〕
圧力検出部20は、図10に示すように、第1電極21Aを被覆する第1通電膜21Bには反中央側に向けて延出する第1延出部21b、第2通電膜22Bは中央側に向けて延出する第2延出部22bを有する。第1通電膜21Bと第2通電膜22Bとを上下に略平行に配置し、第2延出部22bの一部を感圧層23で被覆して、感圧領域Zを第1延出部21bと第2延出部22bとの間に配置された感圧層23とする。その結果、圧力検出部20は、感圧層23のうち第1電極21A及び第2電極22Aが重畳しない位置である感圧領域Zを押圧可能に構成される。
【0053】
こうして、第1電極21A及び第2電極22Aが感圧領域Zに重畳しない位置にあると、第1通電膜21B及び第2通電膜22Bの部材表面をより平滑に仕上げることが可能となる。よって、感圧層23と、第1通電膜21B及び第2通電膜22Bとの接触がより確実になって信頼性の高い圧力検出部20を得ることができる。
【0054】
特に、感圧層23は第2通電膜22Bのうち第2延出部22bのみを被覆している。したがって、感圧層23が圧縮されても、第2電極22Aは直接押圧されることがないので、第2電極22Aがパネル部材の過度の押圧操作に対しても損傷を受け難い構造となり、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0055】
〔他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1電極21Aは第1基板21に配置し、第2電極22Aは第2基板22に配置して構成したが、第1基板21及び第2基板22のいずれか一方の基板であって感圧層23を設けた側の面に第1電極21A及び第2電極22Aを配置して、圧力検出部20を構成してもよい。この場合は、例えば、図11に示すように、第1基板21に第1電極21A及び第2電極22Aを配置し、第2基板22に感圧層23を配置する。また、図12に示すように、第1基板21に第1電極21A及び第2電極22Aを配置し、第1電極21Aを第1感圧インク23aで被覆し、第2電極21Aを第2感圧インク23bで被覆し、第2基板22には必要に応じて通電膜22Bを配置してもよい。また、第1電極21A及び第2電極22Aは、それぞれ通電膜で被覆されていてもよい。
【0056】
第1基板21及び第2基板22の一方に第1電極21A及び第2電極22Aが配置されていると、第1基板21及び第2基板22に夫々電極を配置する場合に比べて、基板に電極を配置する工程が1回で済むことになる。よって、圧力検出部20の製造工程を簡素化することができる。
【0057】
(2)情報入力装置1において、周縁部4Aが固定されたパネル部材4を押圧操作すると、パネル部材4のたわみにより周縁部4Aが浮き上がろうとする。この浮き上がり挙動は、周縁部4Aに配置されている圧力検出部20の精度を低下させるおそれがある。そこで、図13に示す情報入力装置1は、パネル部材4の隅角部4Bが筐体2から浮き上がることを防止する浮き上がり防止機構を備える。圧力検出部20は、矩形状のパネル部材4の周縁部4aの隅角部4Bを除く長辺上に1個ずつ、短辺上に1個ずつ配置されている。ただし、圧力検出部20の配置形態や配置個数はこれに限られず、例えば隅角部4Bに圧力検出部20を設けること等も可能である。尚、隅角部4Bとはパネル部材4の角から一定の範囲を示す。例えば、パネル部材4の角から、パネル部材4の中央とこの中央から最も近くにある圧力検出部20とを結ぶ直線距離の1/4の距離の範囲とすること等が可能である。
【0058】
図14に示すように、パネル部材4の下には、上から順に第1基板21、第1電極21A、上部感圧インク部材23a、下部感圧インク部材23b、第2電極22A、第2基板22、バンプ25aが配置される。枠状の第1基板21の下面には第1電極21Aが枠状に配置され、枠状の第2基板22の上面には第2電極22Aが枠状に配置される。
【0059】
図15は、浮き上がり防止機構の配置を示した平面図である。本実施形態においては、第1基板21及び第2基板22の内枠の4隅から、内側に向けて突出する突出部21a,22aをそれぞれ設けている(図14参照)。本実施形態の浮き上がり防止機構は、第1基板21の突出部21a及び第2基板22の突出部22aに、幅広の接着部材24a、幅広の上部接着部31a及び幅広の下部接着部32aを設けることによって構成している。
【0060】
図16は、図15におけるXVI−XVI断面図、即ち圧力検出部20が形成される周縁部4Aにおける断面図を示す。圧力検出部20は、パネル部材4の下面と第1基板21の上面とが上部接着部31によって、筐体2の支持部2bの上面と第2基板22の下面とが両面粘着テープからなるバンプ25aによって接着される。上部接着部31及び後述する下部接着部32には、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープ等を用いることができる。
【0061】
図17は、図15におけるXVII−XVII断面図、即ち圧力検出部20が形成されていない隅角部4Bにおける断面図を示す。隅角部4Bにおいては、第1基板21及び第2基板22の内枠から、内側に向けて突出する突出部21a,22aを設けている。このような突出部21a,22aを設けることにより、幅広の接着部材24a、幅広の上部接着部31a及び幅広の下部接着部32aを設けることができ、隅角部4Bにおける接着面積を広くすることができる。その結果、隅角部4Bにおける接着力が強化され、パネル部材4の浮き上がりが防止可能となる。
【0062】
隅角部4Bにおいては、感圧インク23a,23bを設けていないので、圧力検出部20として機能しない。従って、仮にパネル部材4の隅角部4Bが浮き上がったとしても、隅角部4Bにおいては圧力が検出されないので、圧力検出部20の検出精度を向上させることができる。
【0063】
第1基板21及び第2基板22に突出部を設けず、図18,図19に示すように、パネル部材4の隅角部4Bにおいて、第1基板21及び第2基板22の内枠よりも内側の領域に、パネル部材4と筐体2の支持部2bとを直接接着する接着部33を浮き上がり防止機構として設けてもよい。
【0064】
接着部33を設けることによって、隅角部4Bにおける接着領域が拡大され、パネル部材4の隅角部4Bの浮き上がりを防止することができる。接着部33は、例えば、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材とすればよい。尚、必ずしも接着部33と第1基板21及び第2基板22とが接触している必要はなく、接着部33と第1基板21及び第2基板22とは一部離間していてもよい。
【0065】
また、浮き上がり防止機構として、図20,図21に示すように、パネル部材4の隅角部4Bにおける側面に凹部4Cを設け、凹部4Cに係合する凸部2dを筐体2に設けてもよい。この構成によれば、凸部2dがパネル部材4の隅角部4Bの浮き上がりを防止するので、浮き上がりによる圧力検出部20の検出精度の低下を防止できる。尚、凸部2dを凹部にして、凹部4Cを凸部にしてもよい。
【0066】
(3)本発明に係る圧力検出部20は、感圧層23に予め初期荷重を付与してもよい。
接続部24の厚みを、例えば、感圧部分(電極、通電膜、及び感圧層)の厚みより薄くした非弾性のスペーサ(基板21、22との接着層を含む、接着剤単体でも可)で構成する。こうすると、第1基板21または第2基板22の変形が許容される場合に、第1基板21または第2基板22により圧力検出部20に予め設定した圧力が初期荷重として付与される。接続部24は、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であってもよいし、引張り力を発揮する状態に設定されているゴム、引っ張りコイルばね、板ばね等の各種の弾性部材であってもよい。
【0067】
接続部24の材料等により、その厚みを感圧部分の厚みより薄くできない場合には、反対に感圧部分の厚みを増して接続部24の厚みより大きくなるよう構成して、感圧層23に初期荷重を付与してもよい。なお、感圧部分の厚みを増すためには、電極21A,22A、通電膜22A,22Bまたは、感圧層23を通常より厚めに塗付や印刷等する、または重ね塗りを行う等する。
【0068】
圧力検出部20の接続部24をこのように構成すると、情報入力装置1のパネル部材4と支持部2bとの間に圧力検出部20が配置された段階において、接続部24には当初の厚みを保持しようとする力が働き、この力が第1基板21と第2基板22とを互いに近接させる方向に作用する。すなわち、第1基板21と第2基板22との間の距離を狭め、感圧層23の無加圧な状態における厚みを小さくして、結果的に感圧層23に予め設定した圧力を初期荷重として付与している。
【0069】
(4)圧力検出部20において、図22に示すように、第1通電膜21Bに上部感圧インク23a、第2通電膜22Bに下部感圧インク23bを被覆し、第1電極21A及び第2電極構成22Aが感圧領域Zに重畳しない位置に設ける構成であってもよい。
【0070】
(5)圧力検出部20は、第1電極21A及び第2電極22Aのいずれか一方(図23では第2電極22A)を通電膜(図23では第2通電膜22B)で被覆し、第1電極及び第2電極のいずれか他方(図23では第1電極21A)を直接、感圧層23で被覆する構成であってもよい。
【0071】
(6)上記の実施形態のうち、一部の実施形態の圧力検出部20にのみ、感圧領域Zに重畳するバンプ25a設ける構成を示したが、他の実施形態の圧力検出部20についても、感圧領域Zに重畳するようバンプ25aを設けてもよい。
【0072】
(7)図24に示すように、圧力検出部20に設けられる荷重伝達部材25は、一方の端部25Aが感圧領域Zに重畳し、他方の端部25Bが感圧領域Zと重畳しないように配置してもよい。他方の端部25Bは、感圧領域Zに対してパネル部材4の反中央側であってもよいし、反対に感圧領域Zに対してパネル部材4の中央側であってもよい。バンプ25aが粘着性材料から構成されている場合は、図24のように、第1基板21の縁部から荷重伝達部材25の縁部25Bまでをパネル部材4の最も外側に配置することで、パネル部材4の外周側からの異物の進入や、水分の侵入を排除することができる。よって、当該装置の信頼性・耐久性を向上させることができる。さらに、圧力検出部20や荷重伝達部材25の不要な縁部をカットできるので、圧力検出部20を容易に製造できる。
【0073】
(8)圧力検出部20の接続部24は、パネル部材4の反中央側及び中央側のうちいずれか一方のみに配置される構成であってもよい。特に、接続部24をパネル部材4の反中央側(外側)に配置すると、パネル部材4と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材4と支持部2bとの間に異物が挟まるおそれがなく、また、第1電極21A、第2電極22Aや感圧層23などの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る情報入力装置は、携帯電話機、スマートフォン、PDA、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、遊技機、及びタブレットなどの電子機器に有効利用され、電子機器の多機能化及び操作性の向上を図るために利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 情報入力装置
2 筐体
2b 支持部
3 表示装置
4 パネル部材
4A 周縁部
20 圧力検出部
21 第1基板
21A 第1電極
21B 第1通電膜
21b 第1延出部
22 第2基板
22A 第2電極
22B 第2通電膜
22b 第2延出部
23 感圧層
24 接続部
25 荷重伝達部材
Z 感圧領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板に設けられた第1電極と前記第2基板に設けられた第2電極とを備え、
前記第1電極及び前記第2電極を、前記第1基板及び前記第2基板の法線上において対向しない位置に設け、前記第1電極、前記第2電極、及び前記感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された圧力検出部。
【請求項2】
情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の基板であって前記感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極と第2電極とを備え、
前記第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された圧力検出部。
【請求項3】
前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方が重畳しない位置を押圧可能に構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項4】
前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極が重畳しない位置を押圧可能に構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項5】
前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくともいずれか一方が通電膜によって被覆されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力検出部。
【請求項6】
前記第1電極を被覆する第1通電膜と、
前記第2電極を被覆する第2通電膜と、を備え、
前記第1通電膜が前記第1電極に対して側方に延出した第1延出部を有すると共に、
前記第2通電膜が、前記第2電極に対して側方に延出した第2延出部を有し、
前記感圧層が、前記第1延出部及び前記第2延出部のうち少なくともいずれか一方を被覆し、
当該圧力検出部が押圧された際に、前記感圧層が、前記第1延出部に係る第1通電膜及び前記第2延出部に係る第2通電膜のみによって圧縮されるように構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項7】
前記通電膜が、バインダーにカーボン粒子を混入したカーボン層で構成してある請求項5又は6に記載の圧力検出部。
【請求項8】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくともいずれか一方の外面に、前記感圧層に集中荷重を作用させる荷重伝達部材を設けてある請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧力検出部。
【請求項9】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置された請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧力検出部と、を備えた情報入力装置。
【請求項1】
情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板に設けられた第1電極と前記第2基板に設けられた第2電極とを備え、
前記第1電極及び前記第2電極を、前記第1基板及び前記第2基板の法線上において対向しない位置に設け、前記第1電極、前記第2電極、及び前記感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された圧力検出部。
【請求項2】
情報入力装置においてパネル部材の周縁部に配置され、前記パネル部材に対する押圧操作を検出する圧力検出部であって、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される感圧層と、
前記感圧層を介した抵抗変化を検出するよう、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の基板であって前記感圧層を設けた側の面に設けられた第1電極と第2電極とを備え、
前記第1電極、第2電極、及び感圧層によりループ状の直列回路を形成するよう構成された圧力検出部。
【請求項3】
前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方が重畳しない位置を押圧可能に構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項4】
前記第1電極及び前記第2電極と前記感圧層とが電気的に接続されており、前記感圧層のうち前記第1電極及び前記第2電極が重畳しない位置を押圧可能に構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項5】
前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくともいずれか一方が通電膜によって被覆されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力検出部。
【請求項6】
前記第1電極を被覆する第1通電膜と、
前記第2電極を被覆する第2通電膜と、を備え、
前記第1通電膜が前記第1電極に対して側方に延出した第1延出部を有すると共に、
前記第2通電膜が、前記第2電極に対して側方に延出した第2延出部を有し、
前記感圧層が、前記第1延出部及び前記第2延出部のうち少なくともいずれか一方を被覆し、
当該圧力検出部が押圧された際に、前記感圧層が、前記第1延出部に係る第1通電膜及び前記第2延出部に係る第2通電膜のみによって圧縮されるように構成してある請求項1又は2に記載の圧力検出部。
【請求項7】
前記通電膜が、バインダーにカーボン粒子を混入したカーボン層で構成してある請求項5又は6に記載の圧力検出部。
【請求項8】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくともいずれか一方の外面に、前記感圧層に集中荷重を作用させる荷重伝達部材を設けてある請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧力検出部。
【請求項9】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置された請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧力検出部と、を備えた情報入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−253439(P2011−253439A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128103(P2010−128103)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
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