説明

圧力測定装置および圧力測定方法

【課題】被検出用流体の滞留する部分が全くなく、検出素子に被検出用流体を接触させることなく、また配管ラインの圧力を計測する場合でも、配管の切断を不要にした圧力測定装置を提供する。
【解決手段】被検出用流体を流動させるチューブ13をハウジング10の保持用凹部12の内側に配するようにし、この保持凹部12の軸線方向の一端をシール部材16によって閉塞し、他端側に上記チューブ13の外径よりもやや小さな値のスロート部21を形成する。そして供給ポート27を通して保持凹部12に対して供給圧を印加し、この保持凹部12内の圧力を出力ポート29を通して取出すようにする。チューブ13内の流体の圧力が増大すると、スロート部21を通して逃げるガスの量が減少し、出力圧が増大する。これに対してチューブ13内の圧力が減少すると、スロート部21を通して逃げるガスの量が増加し、出力圧が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧力測定装置および圧力測定方法に係り、とくに被測定用流体を柔軟なチューブ内を流動させ、このチューブの外周側のガス圧の変化を利用して前記チューブ内を流動する流体の圧力を測定するようにした圧力測定装置および圧力測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流体の圧力の計測は、例えば特開2008−203031号公報に開示されているように、圧力計や圧力センサ等の圧力検出素子を検出する流体(液体および気体)に接することによって計測を行なうようにしている。正確な圧力計測にはそれ以外の方法はないと考えられていた。従って、様々な方法によって、計測したい流体を圧力検出素子まで導き、圧力に比例する変位量や歪量を計測することによって、流体の圧力を算出していた。このような従来の圧力計測方法は、次のような問題点を有している。
【0003】
(1)被測定用流体を圧力検出素子に導く導管が必要になる。従って導管内の流体が滞留する部分が発生する。この滞留によって流体が固化するスラリ等の液体を使用する場合や、塗料等流体の完全な置換が必要な場合、あるいは極限のクリーン度が必要な場合等においては、使用に制限を生ずる問題があった。
【0004】
(2)圧力センサや圧力計の検出素子に被検出流体が直接に接液することになり、これによって流体の種類によっては、検出素子の材質や検出素子へ圧力を中継するダイヤフラム等の材質を選択する必要があった。
【0005】
(3)配管ラインの圧力を計測するには、配管を切断し、チーズやニップル等の部品を上記配管に追加して圧力センサや圧力計を取付ける必要があった。
【0006】
(4)高温流体を計測する場合には、温度ドリフトを防止するための何等かの対策や、放熱フィンによる空冷や水冷等が必要になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−203031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明の課題は、上記のような従来の圧力測定において生ずる欠点や不便な点を克服することができる圧力測定装置および圧力測定方法を提供することである。
【0009】
本願発明の別の課題は、被検出用流体(液体および気体、とくに注記のないときは以下同様である。)が滞留する部分が全くない圧力測定装置および圧力測定方法を提供することである。
【0010】
本願発明のさらに別の課題は、多くの場合に、検出素子に被検出用検出流体が触れないようにして使用する部品の材質の選択が不要になるようにした圧力測定装置および圧力測定方法を提供することである。
【0011】
本願発明のさらに別の課題は、配管ラインの圧力を計測する場合においても、配管の切断を必要としないようにした圧力測定装置および圧力測定方法を提供することである。
【0012】
本願発明のさらに別の課題は、高温流体を計測する場合でも、特別な対策を必要としないようにした圧力測定装置および圧力測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の主要な発明は、被測定用流体が流動する柔軟なチューブと、
前記チューブを導入するための前記チューブの外径よりも大きな内径であって前記チューブの軸線方向の一端において前記チューブとの間の隙間がシールされた保持凹部を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記保持凹部の前記チューブの軸線方向の他端に設けられ、前記チューブの外径との間を通してガスを逃がすリング状突部から成るスロート部と、
前記保持凹部内に所定の前記ガス圧を印加するように前記ハウジングに設けられた供給ポートと、
前記保持凹部内の圧力であって前記チューブの外周側のガス圧を取出すように前記ハウジングに設けられた出力ポートと、
を具備し、前記チューブ内を流動する流体の圧力に応じて前記スロート部と前記チューブの外周部との間を通過して前記ハウジングの外に逃げるガスの量の変化に応じて変化する前記出力ポートから取出される前記凹部内の圧力から前記流体の圧力を測定する圧力測定装置に関するものである。
【0014】
ここで、前記チューブが高分子材料から成ってよい。また前記スロート部の内径が前記チューブの外径よりも小さくてよい。また前記ハウジング内の前記供給ポートと前記保持凹部との間にオリフィスが形成されていてよい。また前記ハウジングの前記保持凹部と直交して前記保持凹部の半径方向に延びる通路に互いに対向するように前記供給ポートと前記出力ポートとが設けられてよい。また前記保持凹部が開放されて半径方向側方から前記チューブが導入されるように複数個に分割されてよい。
【0015】
圧力測定方法に関する主要な発明は、被測定用流体が流動する柔軟なチューブを、ハウジングの前記チューブの外径よりも大きな内径であって前記チューブの軸線方向の一端において前記チューブとの間の隙間がシールされた保持凹部内に保持し、
前記ハウジングの前記保持凹部内に供給ポートを通して所定のガス圧を印加し、しかも前記ハウジングの前記保持凹部の前記チューブの軸線方向の他端に設けられたスロート部を通して前記保持凹部内のガスを外部に排出し、
前記チューブ内を流動する流体の圧力に応じて前記スロート部と前記チューブとの間を通過して前記ハウジングの外に逃げるガスの量の変化に応じて変化する前記保持凹部内の圧力を前記ハウジングの出力ポートを通して取出す圧力測定方法に関するものである。
【0016】
ここで、前記スロート部の内径を前記チューブの外径よりも小さくすることによって被測定用流体の圧力が0のときの出力圧か所定の正の値を生ずるようにしてよい。
【発明の効果】
【0017】
本願の主要な発明は、被測定用流体が流動する柔軟なチューブを、ハウジングの前記チューブの外径よりも大きな内径であって前記チューブの軸線方向の一端において前記チューブとの間の隙間がシールされた保持凹部内に保持し、
前記ハウジングの前記保持凹部内に供給ポートを通して所定のガス圧を印加し、しかも前記ハウジングの前記保持凹部の前記チューブの軸線方向の他端に設けられたスロート部を通して前記保持凹部内のガスを外部に排出し、
前記チューブ内を流動する流体の圧力に応じて前記スロート部と前記チューブとの間を通過して前記ハウジングの外に逃げるガスの量の変化に応じて変化する前記保持凹部内の圧力を前記ハウジングの出力ポートを通して取出すようにしたものである。
【0018】
従って被測定用流体をチューブから外部に取出す必要がなく、被測定用流体の滞留する部分が生じない。また被測定用流体はチューブ内を流動し、検出素子に被測定用流体が接触しないので、被検出素子に使用する部品の材質の選択が不要になる。また被測定用流体の圧力をその外周側のガス圧によって測定するようにしているために、配管ラインの圧力を計測する場合でも、配管の切断が必要でなくなる。また高温用流体を計測する場合においても、温度変化による圧力変化が内部応力の変化を打消すように働くために、特別な対策が必要でなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧力測定装置の縦断面図である。
【図2】同圧力測定装置の図1におけるA〜A線断面図(A)およびB〜B線断面図(B)である。
【図3】ハウジングの供給ポートおよび出力ポートの中心線の部分の拡大横断面図である。
【図4】圧力測定装置の全体の外観斜視図である。
【図5】被測定用流体の圧力Pと出力圧(測定圧)Pとの関係を示すグラフである。
【図6】変形例の構成を示す図2Aと同様の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態に係る圧力測定装置を示しており、この圧力測定装置は、直方体状をなす金属製のブロック(図4参照)から成るハウジング10を備えている。このハウジング10の下側の部分には、図1および図2に示すように、横方向に貫通するように円形断面の保持凹部12が形成される。そしてこの保持凹部12内にチューブ13が挿通される。なお保持凹部12の軸線方向の他端側には挿通部14が連設されるとともに、挿通部14の終端の近傍には凹溝15が形成され、この凹溝15にOリンク16が装着される。Oリング16は、上記保持凹部12の軸線方向の一端側をシールするようにしている。また上記保持凹部12に対して、挿通部14とは軸線方向において反対側には排出通路17が形成される。
【0021】
上記ハウジング10の保持凹部12と排出通路17との間には内周側に突出するようにリング状突部20が形成され、このリング状突部20の内周面がスロート部21になっている。ここで、チューブ13の外径dは、上記保持凹部12の内径dよりも小さくなっている。これに対して上記スロート部21の内径dは、上記チューブ13の外径dよりも小さな値に設定されており、d>d>dとなっていて、チューブ13はリング状突部20内に押込まれるように挿通されている。なおチューブ13としては、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ナイロン、ポリエステル等の柔軟な材料が用いられる。
【0022】
上記保持凹部12と連通するように、ハウジング10には縦方向に延びるガス通路25が形成されている(図2および図3参照)。なおガス通路25の上端の部分はシール部材26によってシールされて閉塞されている。そしてこのガス通路25に対してその一方の側に供給ポート27が設けられている。この供給ポート27の先端側の部分であってガス通路25との接続部は、小径のオリフィス28になっている。またガス通路25の上記供給ポート27と対向する部位には、出力ポート29が形成されている。
【0023】
このような圧力測定装置は、チューブ13の内圧の変化によって発生する微小なチューブ13の変化量を基に、変化量を最小にするように構成された力平衡原理によって、チューブ13の内圧を保持凹部12内の気体の圧力に変換し、チューブ13の圧力の計測を行なうようにするものである。圧力が計測される被検出用流体に接するのは、チューブ13の内壁面のみであり、この測定装置のセンサ自体が被検出用流体に触れることがなく、滞留する部分も全くない。また、変化量を最小にするように作動する力平衡制御を行なっており、流体の温度変化によって発生する変化量や長期間の使用に伴う変形量は、自動的に補正されるものである。
【0024】
測定の原理は、圧力測定を行なおうとする被測定用流体をチューブ13内を流動させる。一方供給ポート27からは所定のガス圧を供給圧あるいは作動圧として印加しておく。このような作動圧によって、保持凹部12の内部であってチューブ13の外周部が所定の圧力に維持される。
【0025】
ここでチューブ13内を流動する被測定用流体の圧力が高い場合には、その内圧によってチューブ13の外周部とリング状突部20との間の隙間、すなわちスロート部21の隙間が小さくなり、保持凹部12内のガスであってスロート部21を通して排出通路17からハウジング10の外に逃げるガスの量が減少する。このために出力ポート29において取出される圧力が増大する。これに対してチューブ13内を流動する被検出用流体の圧力が減少すると、チューブ13の内圧が小さくなるために、チューブ13とリング状突部20との間の隙間、すなわちスロート部21の面積が大きくなり、スロート部21を通して排出通路17に逃げるガスが多くなる。従って出力ポート29を通して取出される圧力が減少する。すなわち出力ポート29を通して取出される圧力が、チューブ13内の被検出用流体の圧力に依存する。従ってこの出力ポート29を通して取出される圧力によって、チューブ13内の被検出用流体の圧力を測定することができる。
【0026】
出力圧を取出すための出力ポート29には、機械式圧力計や各種の圧力センサが用いられる。電気信号として取出す場合には、半導体歪ゲージを出力ポート29の部分に接続するとともに、この半導体歪ゲージの後段にデジタルパネルメータを接続することによって、出力圧を数値として取出すことができる。
【0027】
このような圧力測定装置の基本的な力平衡の理論式は以下の通りである。
【0028】
今、供給ポート29に生ずるこの測定装置の出力圧をPとし、チューブ13内を流動する被検出用流体の圧力をPとする。また被検出用流体によって計測面に働く力を発生させる有効面積をSとし、この測定装置の出力圧Pによって、上記被検出用流体の力によって発生する力とは逆向きの力を発生させる有効面積をSとする。また媒体圧力の変化や温度変化により発生するチューブ13の変形量に起因するチューブ13の応力をFとする。すると、チューブ13の内側から外側に働く力Fは、
=P・S+F
これに対してチューブ13の外側から内側に働く力Fは、
=P・S
はチューブ内圧Pによって変化し、数μmの変位の弾性限界以内では、kを比例定数としP=0のときのFをCとすると、
=k・P+C
を0点力と呼び、微小なドリフトが発生する項である。
【0029】
チューブ13の内側と外側とで力平衡が働くように構成されているために、F=Fとなる。従って、
・S=P・S+F=P・S+k・P+C
よって、P・S=(S+k)・P+C
この式をPについて解くと、
=P・S/(S+k)−C/(S+k)
また、有効面積S、Sは、スロート部21の位置により決まる定数であって、kは比例定数であり、Cは0点力で定数であるから、S/(S+k)=G(センサゲイン)、C/(S+k)=Pc0=0点圧力とすると、
=P・G−Pc0
つまり、0点圧力Pc0(P=0のときの出力圧Pc0/Gにより求められる)とセンサゲインG(チューブ外径、チューブ内径、材質により決まる。実際は100%値で計測する。)が決まれば、センサの出力圧Pにより、チューブ内圧Pを正確に計測することができる。
【0030】
チューブ13の内部応力Fが限りなく0に近づけば、ドリフトのない高い精度の計測ができるが、実際上は数μmの変位に対応する応力Fの変化があり、Fの増加に伴うヒステリシスの増加によって、計測精度は低下する。外径が6mmφ以上のテフロン(登録商標)や硬質ナイロンのような標準的なチューブ13を使用する場合に600kPaスパンの計測に対して1%以下の精度が得られる。計測部分のチューブ13の厚さを薄くすることによって、1桁高い精度が得られる。
【0031】
また、スロート部21の内径dをチューブ13の外径dよりも小さな値に設定すると、チューブ13の内部応力Fに起因する排気抵抗によって、0点圧力Pc0が発生する(図5参照)。この0点圧力は、Pが0の状態で発生する量であり、この測定装置の低圧領域でのリニアリティを上げるために必要である。これがあるため低圧P時のサブミクロンメートル以下のチューブ13の変形量に対してもリニアに出力圧Pが変化することになる。その状態が図5に示される。
【0032】
温度変化等によってP=0のときのチューブ13の内部応力Fx0がF’x0へ変化した場合に、0点圧力Pc0がP’c0へ変化するが、この圧力変化は内部応力の変化を打消すように働くので、温度変化等による出力圧力のオフセット量(ドリフト量)P’c0−Pc0は微小になる。
【0033】
このようなドリフトの具体的なプロセスは次の通りである。
【0034】
温度変化や経年変化により内部応力が変化し、この変化に伴って例えばチューブ13の外径がΔgxだけ増加する。このΔgxの増加に伴って、スロート部21のガスの通過のための断面積が減少すると、測定装置の出力圧PがΔPだけ上昇する。この測定装置の出力圧Pはチューブ13の外側であって保持凹部12内の圧力なので、この圧力変化ΔPの上昇は、チューブ13の外径の変化Δgxの増加量を打消すように働く。最終的に内部応力の変化によるΔgxの変化は微小になり、0点圧力のオフセット量(ドリフト量)P’c0−Pc0も微小になる。
【0035】
なおこのような関係は、チューブ外径Δgxが減少した場合にも同様であって、オフセット量(ドリフト量)P’c0−Pc0も微小になる。
【0036】
以上のような力平衡の原理に基づいて、チューブ13の内圧Pが上昇すると、その外径が増大するために、スロート部21の面積が減少し、これによりスロート部21を通して排出するガス量が減少し、出力圧Pが上記の式P=P・G−Pc0の成立する圧力まで上昇して安定する。またチューブ13の内圧が下降した場合には、チューブ13の外径の減少によってスロート部21の面積が増加し、出力圧Pが再度上記の式が成立する圧力まで減少して安定する。すなわち、チューブ13の内圧Pが上記の力平衡の式によって、この測定装置の出力圧Pへ変換されるために、出力圧Pを計測することによって、Pの正確な値を知ることができる。
【0037】
次に変形例を図6によって説明する。この変形例は、チューブ13を保持する保持用凹部12の下半部分を分離して下側分割部34を着脱自在に上側のハウジング10と結合するようにしたものである。下側分割部34の上面には、断面が半円形の保持凹部35が形成され、この保持凹部35が上側の保持凹部12と整合されてチューブ13の回りに円周状の保持凹部を形成することになる。
【0038】
なお図2に示すようにハウジング10が一体になっている場合や図6に示すようにハウジング10が下半分が分割された構造になっている場合の何れであっても、チューブ13を切断しないで挿入することができる。すなわち図2に示すようにハウジング10が分割されていない場合には、軸線方向から押込むようにして挿入する。これに対して図6に示すように下側の部分が分割された下側分割部34を備える場合には、この下側分割部34を開いて下方から半径方向にチューブ13を装着すればよい。また配管ラインの圧力の測定の場合においても、必ずしも配管の一箇所を切断する必要がなく、テスタのようにハンディに計測を行なう場合には、チューブ13を挟込む形とすればよい。また挿入する場合にはチューブ13の円周上のクリアランスが抵抗となる。
【0039】
以上本願発明を図示の一実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態におけるチューブ13の材質や厚み等については、このチューブ13内を流動する被測定用流体の圧力、流量等に応じて各種の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本願発明は、各種の液体や気体の圧力測定に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 ハウジング
12 保持凹部
13 チューブ
14 挿通部
15 凹溝
16 Oリング
17 排出通路
20 リング状突部
21 スロート部
25 ガス通路
26 シール部材
27 供給ポート
28 オリフィス
29 出力ポート
34 下側分割部
35 保持凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定用流体が流動する柔軟なチューブと、
前記チューブを導入するための前記チューブの外径よりも大きな内径であって前記チューブの軸線方向の一端において前記チューブとの間の隙間がシールされた保持凹部を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記保持凹部の前記チューブの軸線方向の他端に設けられ、前記チューブの外径との間を通してガスを逃がすリング状突部から成るスロート部と、
前記保持凹部内に所定の前記ガス圧を印加するように前記ハウジングに設けられた供給ポートと、
前記保持凹部内の圧力であって前記チューブの外周側のガス圧を取出すように前記ハウジングに設けられた出力ポートと、
を具備し、前記チューブ内を流動する流体の圧力に応じて前記スロート部と前記チューブの外周部との間を通過して前記ハウジングの外に逃げるガスの量の変化に応じて変化する前記出力ポートから取出される前記凹部内の圧力から前記流体の圧力を測定する圧力測定装置。
【請求項2】
前記チューブが高分子材料から成る請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項3】
前記スロート部の内径が前記チューブの外径よりも小さい請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項4】
前記ハウジング内の前記供給ポートと前記保持凹部との間にオリフィスが形成されている請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項5】
前記ハウジングの前記保持凹部と直交して前記保持凹部の半径方向に延びる通路に互いに対向するように前記供給ポートと前記出力ポートとが設けられる請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項6】
前記保持凹部が開放されて半径方向側方から前記チューブが導入されるように複数個に分割される請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項7】
被測定用流体が流動する柔軟なチューブを、ハウジングの前記チューブの外径よりも大きな内径であって前記チューブの軸線方向の一端において前記チューブとの間の隙間がシールされた保持凹部内に保持し、
前記ハウジングの前記保持凹部内に供給ポートを通して所定のガス圧を印加し、しかも前記ハウジングの前記保持凹部の前記チューブの軸線方向の他端に設けられたスロート部を通して前記保持凹部内のガスを外部に排出し、
前記チューブ内を流動する流体の圧力に応じて前記スロート部と前記チューブとの間を通過して前記ハウジングの外に逃げるガスの量の変化に応じて変化する前記保持凹部内の圧力を前記ハウジングの出力ポートを通して取出す圧力測定方法。
【請求項8】
前記スロート部の内径を前記チューブの外径よりも小さくすることによって被測定用流体の圧力が0のときの出力圧か所定の正の値を生ずる請求項7に記載の圧力測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate