説明

圧延加工装置及び圧延加工方法

【課題】無端状金属リングの圧延加工において、圧延ローラと加圧ローラとを同調させるように制御することによって、ローラと金属リングとの間の滑りを抑制し、高品質な金属ベルトを得る。
【解決手段】圧延加工装置10に、無端状金属リング9が周回されるテンションローラ11・12と、間に介在させた前記金属リング9を圧延する圧延ローラ20及び受圧ローラ(テンションローラ11)と、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラ30と、前記圧延ローラ20を回転駆動する主軸回転駆動手段22と、前記加圧ローラ30を回転駆動する副軸回転駆動手段32と、前記金属リング9の板厚測定手段40と、前記副軸回転駆動手段32を制御する制御手段25とを備え、前記制御手段25は、加圧ローラ30の回転数制御と、加圧ローラ30の回転トルク制御とを、切り替えて実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状金属リングを無端状金属ベルトに圧延加工するための圧延加工装置に関し、詳細には、圧延ローラと金属リングと間の滑りを解消するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動力伝達用ベルト等に使用される無端状金属ベルトを製造するために、無端状金属リングを帯状に圧延する圧延加工装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の圧延加工装置は、図9に示すように、金属リング9を巻回した一組のテンションローラ11・12と、該金属リング9の環内に配設された受圧ローラ15と、前記金属リング9を前記受圧ローラ15との間で挟持する圧延ローラ20と、前記受圧ローラ15と当接する加圧ローラ30とが設けられたものである。
【0004】
また、特許文献2に記載の圧延加工装置は、図10に示すように、金属リング9が細長い形態で保持されるように意図された一組のテンションローラ11・12と、受圧ローラとして機能する第一のテンションローラ11との間で金属リング9を挟持する圧延ローラ20と、前記第一のテンションローラ11に一組の支持ローラ13・13を介して接する加圧ローラ30とが設けられたものである。
【0005】
上記特許文献1又は特許文献2に記載の圧延加工装置では、前記圧延ローラ及び前記加圧ローラが回転することによって、金属リングがテンションローラ間を周回し、この間に該金属リングが圧延ローラと受圧ローラ(又はテンションローラ)とにより圧延される。
【0006】
前記加圧ローラには、圧延ローラとの間に巻回された伝動ベルト等により該圧延ローラに従動して回転する「従動型」のものや、回転駆動手段を備えて前記圧延ローラから独立して回転する「駆動型」のものがある。
従動型と駆動型の何れの加圧ローラも、圧延加工開始時には、圧延ローラと同調して回転し、圧延加工装置に具備される各ローラと金属リングとの間で滑りが生じないように設定される。しかし、金属リングは、圧延されるうちに次第に厚み(板厚)が小さくなる。
【0007】
従動型の加圧ローラでは、金属リングの厚みが小さくなると圧延ローラと加圧ローラとの回転比の変化に対応するために圧延加工中にクラッチが開放されて、圧延ローラの従動が解消される。この結果、圧延ローラと金属リングとの摩擦を利用して加圧ローラが回転されることとなり、圧延ローラの回転数を変化させる際に、金属リングと該金属リングに接するローラとの間で滑りが生じてしまう。
また、駆動型の加圧ローラでは、圧延ローラと加圧ローラ(又は金属リングに接するその他のローラ)との回転数差が所定値以上となれば、所定のトルクを加圧ローラに付与するように制御されるものがある。このような場合、金属リングの厚みが小さくなると、金属リングと該金属リングに接するローラとの間で滑りが生じてしまう。
【0008】
圧延加工では、圧延ローラの回転数を変化させながら行うが、特に、この回転数を大きく変化させる際に、金属リングと該金属リングに接するローラとの間で滑りが生じると、製品に傷が付いてしまったり、金属ベルトの板厚精度が低下したり、ローラの寿命が低下したりするという不具合があった。
【0009】
圧延材料と該圧延材料を搬送するローラとの滑りを低減するための技術として、例えば、特許文献3では、金属板の圧延加工装置において、圧延材料を搬送するローラと、搬送される圧延材料の速度とを検出し、これらの速度比が所定の範囲となるように、ローラを回転させるモータのトルクを制御することにより、材料速度と圧延材料を搬送するローラの速度とを同調させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−290908号公報
【特許文献2】特表2006−507949号公報
【特許文献3】特開2002−224729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来技術に鑑み、本発明では、無端状金属リングの圧延加工において、圧延ローラと加圧ローラとを同調させるように制御することによって、ローラと金属リングとの間の滑りを抑制し、高品質な金属ベルトを得ることのできる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させるように制御する制御手段とを、含んで成る圧延加工装置である。
【0013】
請求項2においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記金属リングの板厚測定手段と、前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させるように制御する制御手段とを、含んで成る圧延加工装置である。
【0014】
請求項3においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記金属リングの板厚測定手段と、前記副軸回転駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させる、加圧ローラの回転数制御と、前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させる、加圧ローラの回転トルク制御とを、切り替えて実行可能な圧延加工装置である。
【0015】
請求項4においては、前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において前記加圧ローラの回転数制御を行い、前記圧延ローラの回転数が変化するときにのみ、前記加圧ローラの回転トルク制御を行うものである。
【0016】
請求項5においては、前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において、初期工程である粗加工工程において前記加圧ローラの回転数制御を行い、後期工程である仕上げ加工工程において前記加圧ローラの回転トルク制御を行うものである。
【0017】
請求項6においては、前記板厚測定手段は、前記金属リングの周長を測定する手段であるものである。
【0018】
請求項7においては、前記板厚測定手段は、前記圧延ローラと前記受圧ローラとの軸間距離を測定する手段であるものである。
【0019】
請求項8においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記副軸回転駆動手段の動作を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、前記制御手段は、前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させる、圧延加工方法である。
【0020】
請求項9においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記金属リングの板厚測定手段と、前記副軸回転駆動手段の動作を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、前記制御手段は、前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させる、圧延加工方法である。
【0021】
請求項10においては、無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記金属リングの板厚測定手段と、前記副軸回転駆動手段を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、前記制御手段は、前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させる、加圧ローラの回転数制御と、前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させる、加圧ローラの回転トルク制御とを、切り替えて実行する、圧延加工方法である。
【0022】
請求項11においては、前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において前記加圧ローラの回転数制御を行い、前記圧延ローラの回転数が変化するときにのみ、前記加圧ローラの回転トルク制御を行うものである。
【0023】
請求項12においては、前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において、初期工程である粗加工工程において前記加圧ローラの回転数制御を行い、後期工程である仕上げ加工工程において前記加圧ローラの回転トルク制御を行うものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0025】
本発明によれば、圧延ローラ、テンションローラ、支持ローラ等の金属リングに接するローラと、該金属リングとの間で生じる滑りを低減させることができる。これにより、圧延加工中に金属リングが圧延されて成る金属ベルトに傷が付いてしまったり、金属ベルトの板厚精度が低下したり、ローラの寿命が低下したりするという不具合の解消を図ることができる。これにより、高品質な無端状金属ベルト(リング)の高速製造の実現に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係る圧延加工装置の構成を示す平面図、図2は圧延加工装置の構成を示す側面図、図3は圧延加工装置における同調制御のブロック図である。
図4は実施例2に係る同調制御のブロック図、図5は実施例2に係る圧延加工装置の構成を示す平面図、図6は実施例2に係る圧延加工装置の構成の別形態を示す平面図である。
図7は圧延加工の1サイクルにおける主軸回転数の変化と同調制御の切替を説明する図、図8は圧延加工の1サイクルにおける同調制御の切替を説明する図である。
図9は従来の圧延加工装置の構成図、図10は従来の圧延加工装置の構成図である。
【0027】
まず、本発明の実施例に係る圧延加工装置10の構成について説明する。
但し、圧延加工装置の構成は本実施例に限定されるものではなく、少なくとも圧延ローラ、受圧ローラ、及び加圧ローラと、金属リングを周回したテンションローラとを備える圧延加工装置に適用させることができる。
【0028】
図1及び図2に示すように、圧延加工装置10には、無端状金属リング9が周回される一組のテンションローラ11・12と、前記金属リング9を間に介在させて該金属リング9の圧延を行う圧延ローラ20及び受圧ローラ(第一のテンションローラ11)と、前記受圧ローラを加圧するとともに回転させる加圧ローラ30とが、少なくとも設けられる。
なお、本実施例においては、前記一組のテンションローラ11・12のうち、第一のテンションローラ11は受圧ローラとして機能し、該テンションローラ11と圧延ローラ20との間を前記金属リング9が通過することにて、該金属リング9が圧延される。
また、前記テンションローラ11には、一組の支持ローラ13・13を介して前記加圧ローラ30が接している。
【0029】
前記一組のテンションローラ11・12のうち少なくとも一方(本実施例においては、テンションローラ12)は、他方のテンションローラに対して離接する方向に可動に構成されるとともに、離接する方向に移動させるための移動駆動手段が備えられる。これらにより、一組のテンションローラ11・12間に周回された金属リング9に、引張力を与えることができる。
なお、一組のテンションローラ11・12間を、金属リング9がテンションを保持した状態で振れたりズレたりすることなく巡るように、単数又は複数のガイドローラを別途設けることもできる。
【0030】
図3にも示すように、前記圧延ローラ20の回転軸(以下、「主軸21」と記載する)には、例えば電動モータ等の主軸回転駆動手段22が備えられており、圧延ローラ20は主軸回転駆動手段22により強制駆動される。そして、前記主軸回転駆動手段22には、その動作を制御する駆動制御部23が設けられる。また、主軸21には、該主軸21の回転数(又は回転速度)を検出するための回転数検出手段24が設けられる。
【0031】
一方、前記加圧ローラ30の回転軸(以下、「副軸31」と記載する)には、例えば電動モータ等の副軸回転駆動手段32が備えられており、加圧ローラ30は副軸回転駆動手段32により強制駆動される。そして、前記副軸回転駆動手段32には、その動作を制御する駆動制御部33が設けられる。また、副軸31には、該副軸31の回転数(又は回転速度)を検出するための回転数検出手段34が設けられる。
【0032】
前記主軸21の駆動制御部23と回転数検出手段24、並びに、前記副軸31の駆動制御部33と回転数検出手段34とは、制御手段25に接続される。該制御手段25は、金属リング9と、これに接する圧延ローラ20、テンションローラ11・12、支持ローラ13・13との間で生じる滑りを低減させるために、圧延ローラ20と加圧ローラ30との回転を同調すべく、主軸回転駆動手段22と副軸回転駆動手段32の制御を行うものである。
【0033】
なお、前記制御手段25では、前記回転数検出手段24にて検出される主軸21の回転数と、回転数検出手段34にて検出される副軸31の回転数との比に、所定値以上の変化が生じた場合には、主軸回転駆動手段22若しくは駆動制御部23、又はこれら双方の駆動を停止する処理が行われる。
【0034】
また、上記構成の圧延加工装置10では、主軸21の回転数検出手段24及び副軸31の回転数検出手段34をそれぞれ備えているが、回転数検出手段24及び回転数検出手段34、又は、回転数検出手段24を省略した構成とすることもできる。つまり、駆動制御部23から主軸回転駆動手段22に与えられる指令回転数を主軸21の回転数とみなし、この主軸21の回転数に基づいて副軸31の回転数を予測したり、或いは、副軸31のみ回転数検出手段34を設けて回転数を検出したりする構成ともできる。
【0035】
以下に示す実施例1〜実施例3では、前記制御手段25による圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御について説明する。
以下に示す同調制御を制御手段25にて実施すれば、圧延ローラ20、テンションローラ11・12、支持ローラ13・13等の金属リング9に接するローラと、該金属リング9との間で生じる滑りを低減させることができる。これにより、圧延加工中に製品である金属ベルトに傷が付いてしまったり、金属ベルトの板厚精度が低下したり、ローラの寿命が低下したりするという不具合の解消を図ることができる。
【実施例1】
【0036】
[加圧ローラ30の回転トルク制御]
本発明の実施例1に係る制御手段25による同調制御について説明する。
実施例1に係る同調制御は、加圧ローラ30の回転軸である副軸31の回転トルク制御を行うことにて、圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御を行うものである。
【0037】
前記制御手段25には、加圧ローラ30の慣性(イナーシャ)I、加圧ローラ30の摩擦抵抗F、圧延ローラ20のローラ径rと加圧ローラ30のローラ径rとのローラ径比γ、主軸21の目標回転数αが、予め設定される。
前記ローラ径比γは、金属リング9の板厚Dの変化はなく一定であると仮定して、定められる。
前記主軸21の目標回転数αとは、主軸21の主軸回転駆動手段22の駆動制御部23に対して、制御手段25が指令する回転数であって、例えば図7に示すマップに基づいて、時間変化するものである。なお、一般に圧延加工では、例えば図7のマップに示すように、圧延ローラ20の回転数の、加速、減速、速度保持が、加工段階(加工時間)に応じて制御される。
【0038】
上記構成において、制御手段25では、例えば次に示す[式1]と、加圧ローラ30の慣性Iと、前記加圧ローラ30の摩擦抵抗Fと、圧延ローラ20と加圧ローラ30とのローラ径比γと、主軸21の目標回転数αとの各値に基づき、金属リング9の板厚Dを略一定と仮定して、加圧ローラ30(副軸31)の指令回転トルクTが算出される。そして、制御手段25では、算出された指令回転トルクTに基づいて、加圧ローラ30(副軸31)を回転駆動させるべく副軸回転駆動手段32の駆動制御部33に制御信号が送信される。
[式1]
T=I・γα+F
【0039】
前記指令回転トルクTは、金属リング9と、これに接する圧延ローラ20、テンションローラ11・12、支持ローラ13・13との間で生じる滑りを低減させるために、加圧ローラ30に与えるべき回転トルクである。
つまり、この指令回転トルクTにて加圧ローラ30が回転することにより、金属リング9と圧延ローラ20との接点において、金属リング9の周速と圧延ローラ20の周速とが略等しくなるのである。
【0040】
上述の通り、本実施例において前記制御手段25は、加圧ローラ30の慣性Iと、加圧ローラ30の摩擦抵抗Fと、圧延ローラ20と加圧ローラ30とのローラ径比γと、主軸回転駆動手段22に指令する圧延ローラ20の目標回転数αとの各値に基づいて、金属リング9の板厚Dを略一定と仮定し、圧延ローラ20と金属リング9との間に滑りを生じさせないために必要となる加圧ローラ30の指令回転トルクTを得て、副軸回転駆動手段32を前記指令回転トルクTにて回転駆動させるように制御するのである。
【実施例2】
【0041】
[加圧ローラ30の回転数(回転速度)制御]
本発明の実施例2に係る制御手段25による同調制御について説明する。
実施例2に係る同調制御は、加圧ローラ30の回転軸である副軸31の回転数(回転速度)制御を行うことにて、圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御を行うものである。
【0042】
制御手段25には、圧延ローラ20のローラ径rと、加圧ローラ30のローラ径rと、主軸21の目標回転数αとが、予めに設定される。
前記主軸21の目標回転数αとは、主軸回転駆動手段22の駆動制御部23に対して、制御手段25が指令する回転数であって、例えば図7に示すマップに基づいて、時系列に変化するものである。
【0043】
更に、図4及び図5に示すように、前記制御手段25には、金属リング9の板厚Dを測定する板厚測定手段40が接続される。
【0044】
前記板厚測定手段40は、一組のテンションローラ11・12の回転軸の軸間距離dの変位を測定するものである。詳細には、可動であるテンションローラ12の回転軸の変位測定手段が板厚測定手段40として設けられる。
圧延加工において、金属リング9の板厚Dは変化しても体積は一定である。そこで、金属リング9の幅は一定であると仮定して、圧延加工中の金属リング9の周長を測定し、板厚Dを推定(算出)するのである。圧延加工中の金属リング9の周長は、測定されたテンションローラ11・12の軸間距離dと、テンションローラ11・12のローラ径と、金属リング9の幅とから、算出することが可能である。
【0045】
また、前記板厚測定手段40は、図6に示すように、金属リング9を把持している圧延ローラ20とテンションローラ11とのそれぞれの回転軸の軸間距離dの変位を検出するものともできる。詳細には、圧延ローラ20の回転軸である主軸21と、テンションローラ11の回転軸との軸間距離dの変位測定手段が板厚測定手段40として設けられる。この場合、圧延ローラ20の回転軸である主軸21と、テンションローラ11の回転軸との軸間距離dの変位は、すなわち、金属リング9の板厚Dの変位であり、直接的に金属リング9の板厚Dを計測することとなる。
【0046】
なお、上記変位測定手段として、例えば、渦電流式変位計、光学式変位計、超音波式変位計、接触式変位計の何れか一つ又は複数の組み合わせを採用することができ、変位測定手段の種類や構成は限定されるものではない。但し、高い精度と、速い応答速度とが必要とされることから、渦電流式変位計又は光学式変位計を採用することが望ましい。
【0047】
上記構成において、制御手段25では、制御手段25には、圧延ローラ20のローラ径rと、加圧ローラ30のローラ径rと、主軸21の目標回転数αと、金属リング9の板厚Dとから、副軸31の指令回転数Nが算出される。そして、制御手段25では、算出された指令回転数Nに基づいて、加圧ローラ30(副軸31)を回転駆動させるべく副軸回転駆動手段32の駆動制御部33に制御信号が送信される。
【0048】
前記指令回転数Nは、金属リング9と、これに接する圧延ローラ20、テンションローラ11・12、支持ローラ13・13との間で生じる滑りを低減させるために適した、加圧ローラ30の回転数(回転速度)である。
つまり、この指令回転数Nにて加圧ローラ30が回転することにより、金属リング9と圧延ローラ20との接点において、金属リング9の周速と圧延ローラ20の周速とが略等しくなるものである。
【0049】
上述の通り、本実施例において前記制御手段25は、前記板厚測定手段40にて得られた金属リング9の板厚Dと、前記圧延ローラ20のローラ径rと、前記加圧ローラ30のローラ径rと、前記主軸回転駆動手段22に指令する前記圧延ローラ20の目標回転数αとの各値に基づいて、前記圧延ローラ20と前記金属リング9との間に滑りを生じさせないために必要となる前記加圧ローラ30の指令回転数Nを得て、前記副軸回転駆動手段を前記指令回転数Nにて回転駆動させるように制御するのである。
【0050】
なお、実験的に得られた圧延加工サイクルにおける金属リング9の板厚Dの時間変化を特定するマップを作成し、これを制御手段25に設定し、該制御手段25では板厚測定手段40を用いずに金属リング9の板厚Dの値を得て、前述のように副軸31の指令回転数Nを算出するように、構成することもできる。
さらに、実験的に得られた圧延加工サイクルにおける金属リング9の板厚Dの時間変化を特定するマップから、圧延加工サイクルにおける副軸31の指令回転数Nの時間変化を特定するマップを作成し、これを制御手段25に設定し、該制御手段25では前記マップに基づいて副軸31を回転駆動させるべく副軸回転駆動手段32の駆動制御部33に制御信号が送信されるように、構成することもできる。
【実施例3】
【0051】
[加圧ローラ30の回転トルク制御及び回転数制御の組み合わせ]
本発明の実施例3に係る制御手段25による同調制御について説明する。
実施例3に係る制御手段25は、前記実施例1に記載した加圧ローラ30の回転トルク制御(以下、単に「回転トルク制御」と記載する。)と、前記実施例2に記載した加圧ローラ30の回転数制御(以下、単に「回転数制御」と記載する。)とを、1サイクルの圧延加工において切り替えて実行可能とされる。そして、前記制御手段25による同調制御は、前記回転トルク制御並びに前記回転数制御を組み合わせて採用したものである。
【0052】
図7に示すように、1サイクルの圧延加工では、テンションローラ11・12にて金属リング9に引張力と圧下力とを与えながら、圧延ローラ20の回転数を所定値まで急激に増大させたうえで、保持する粗加工工程と、段階的に圧延ローラ20の回転数を低減させる仕上げ加工工程とが、行われる。
【0053】
上記1サイクルの圧延加工において、制御手段25では、原則として、金属リング9の板厚Dの測定(推定)が困難で精度が低い場合に、回転トルク制御が行なわれ、それ以外は、回転数制御が行われるように、同調制御が切り替えられる。
【0054】
圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御として、例えば、図7に示すように、1サイクルの圧延加工のうち、金属リング9の板厚Dの変化が比較的大きい初期工程である粗加工工程において、制御手段25では回転数制御が行われ、金属リング9の板厚Dの変化が比較的小さい後期工程である仕上げ加工工程において、制御手段25では回転トルク制御が行われる。
【0055】
また、圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御として、例えば、図8に示すように、1サイクルの圧延加工のうち、加圧ローラ30の回転数制御をベースとして、圧延ローラ20の回転数、圧延ローラ20の圧下力、及び、テンションローラ11・12による引張力が、比較的大きく変化する過渡領域においてのみ、回転トルク制御が行われる構成とすることもできる。
【0056】
上記のように圧延ローラ20と加圧ローラ30との同調制御を、回転トルク制御と回転数制御とで切り替えることによって、より効果的に、圧延ローラ20、テンションローラ11・12、支持ローラ13・13等の金属リング9に接するローラと、該金属リング9との間で生じる滑りを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例に係る圧延加工装置の構成を示す平面図。
【図2】圧延加工装置の構成を示す側面図。
【図3】圧延加工装置における同調制御のブロック図。
【図4】実施例2に係る同調制御のブロック図。
【図5】実施例2に係る圧延加工装置の構成を示す平面図。
【図6】実施例2に係る圧延加工装置の構成の別形態を示す平面図。
【図7】圧延加工の1サイクルにおける主軸回転数の変化と同調制御の切替を説明する図。
【図8】圧延加工の1サイクルにおける同調制御の切替を説明する図。
【図9】従来の圧延加工装置の構成図。
【図10】従来の圧延加工装置の構成図。
【符号の説明】
【0058】
9 金属リング
10 圧延加工装置
11 テンションローラ(受圧ローラ)
12 テンションローラ
13 支持ローラ
20 圧延ローラ
21 主軸
22 主軸回転駆動手段
23 駆動制御部
24 回転数検出手段
25 制御装置
30 加圧ローラ
31 副軸
32 副軸回転駆動手段
33 駆動制御部
34 回転数検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、
間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、
前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、
前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、
前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、
前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させるように制御する制御手段とを、
含んで成ることを特徴とする、圧延加工装置。
【請求項2】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、
間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、
前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、
前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、
前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、
前記金属リングの板厚測定手段と、
前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させるように制御する制御手段とを、
含んで成ることを特徴とする、圧延加工装置。
【請求項3】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、
間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、
前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、
前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、
前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、
前記金属リングの板厚測定手段と、
前記副軸回転駆動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させる、加圧ローラの回転数制御と、
前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させる、加圧ローラの回転トルク制御とを、
切り替えて実行可能であることを特徴とする、圧延加工装置。
【請求項4】
前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において前記加圧ローラの回転数制御を行い、前記圧延ローラの回転数が変化するときにのみ、前記加圧ローラの回転トルク制御を行うことを特徴とする、
請求項3に記載の圧延加工装置。
【請求項5】
前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において、初期工程である粗加工工程において前記加圧ローラの回転数制御を行い、後期工程である仕上げ加工工程において前記加圧ローラの回転トルク制御を行うことを特徴とする、
請求項3に記載の圧延加工装置。
【請求項6】
前記板厚測定手段は、前記金属リングの周長を測定する手段であることを特徴とする、
請求項2又は請求項3に記載の圧延加工装置。
【請求項7】
前記板厚測定手段は、前記圧延ローラと前記受圧ローラとの軸間距離を測定する手段であることを特徴とする、
請求項2又は請求項3に記載の圧延加工装置。
【請求項8】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記副軸回転駆動手段の動作を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、
前記制御手段は、
前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させることを特徴とする、
圧延加工方法。
【請求項9】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、前記金属リングの板厚測定手段と、前記副軸回転駆動手段の動作を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、
前記制御手段は、
前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させることを特徴とする、
圧延加工方法。
【請求項10】
無端状金属リングが周回されるテンションローラと、
間に介在させた前記金属リングを圧延する圧延ローラ及び受圧ローラと、
前記受圧ローラを圧延ローラ側に加圧するとともに回転させる加圧ローラと、
前記圧延ローラを回転駆動する主軸回転駆動手段と、
前記加圧ローラを回転駆動する副軸回転駆動手段と、
前記金属リングの板厚測定手段と、
前記副軸回転駆動手段を制御する制御手段とを、少なくとも備えた圧延加工装置にて、
前記制御手段は、
前記板厚測定手段にて測定された金属リングの板厚と、前記圧延ローラのローラ径と、前記加圧ローラのローラ径と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転数を得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転数にて回転駆動させる、加圧ローラの回転数制御と、
前記加圧ローラの慣性と、前記加圧ローラの摩擦抵抗と、前記圧延ローラと前記加圧ローラとのローラ径比と、前記主軸回転駆動手段に指令する前記圧延ローラの回転数との各値に基づいて、前記金属リングの板厚を略一定と仮定して前記圧延ローラと前記金属リングとの間に滑りを生じさせないために前記加圧ローラに必要な回転トルクを得て、前記副軸回転駆動手段を前記回転トルクにて回転駆動させる、加圧ローラの回転トルク制御とを、
切り替えて実行することを特徴とする、圧延加工方法。
【請求項11】
前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において前記加圧ローラの回転数制御を行い、前記圧延ローラの回転数が変化するときにのみ、前記加圧ローラの回転トルク制御を行うことを特徴とする、
請求項10に記載の圧延加工方法。
【請求項12】
前記制御手段は、1サイクルの圧延加工において、初期工程である粗加工工程において前記加圧ローラの回転数制御を行い、後期工程である仕上げ加工工程において前記加圧ローラの回転トルク制御を行うことを特徴とする、
請求項10に記載の圧延加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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