圧延機用ロール
本発明は、長い半完成物品(18)を圧延するためのロール(26)に関する。ロールは、回転の軸(r)の周りに回転可能であり、および:半完成物品の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができる溝(44);および回転の軸に関して垂直に、そのより小さい部分に沿ったロールに交差する溝平面(π)を含む。ロールは、溝平面(π)に関して非対称性である。また、本発明は、複数のそのようなロールを含む圧延ステーション(22)および連続圧延機(20)に関する。最終的に、本発明は、これらのロールを再調整するための方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続圧延機用の、特に、長い半完成物品、例えば、継ぎ目の無い管、捧、丸捧等の製造に適した連続圧延機用のロールに関する。また、本発明は、前記ロールを含む圧延ステーションおよび圧延機に関する。そして、本発明は、ロールが磨耗した時にそれを再調整するための方法に関する。下記説明において、非限定的な例として、継ぎ目の無い管の製造に関して具体的な言及を行う。
【背景技術】
【0002】
ブランクの形態の鋼片または捧の一連の塑性変形によって継ぎ目の無い金属管を製造することは知られている。第1の工程の間、鋼片は、厚壁および最初の鋼片よりも1.5から4倍長い長さを備える穿孔された半完成ブランクを得るように、縦に穿孔される。次いで、この半完成ブランクは、壁を徐々に薄くしおよび完成製品の長さを増大させるように、特別な圧延機に通される。連続圧延機として知られるこれらの圧延機は、それ自体が知られているような形で複数のステーションを含む。各ステーションは、輪郭が付けられた溝を備えるロールがその上に搭載されるスタンドを含む。大抵、溝が付けられたロールは、数の上で3つであり、スタンドに搭載された特別なロール支持レバーによって一対のアームを介してそれぞれ支持されている。三対のアームは、互いに同一平面上にあり、半径方向を有し、および圧延軸の周囲に互いから120°の間隔で配置されている。3つのロールの溝の接続された輪郭の組は、圧延ステーションを離れる管の外部周囲を規定する。
【発明の概要】
【0003】
各ステーションにおいて、ロール支持レバーは、圧延軸に平行な軸の周りを旋回することができるようにカートリッジに搭載される。油圧アクチュエータは、ロールのそれぞれに作動し、およびロールを圧延軸に対して半径方向に押す。アクチュエータは、したがって、管を塑性的に変形させるために必要とされる力を生み出す。
【0004】
さらに、管は、加工される管に対して摩擦を用いて送り込みの動きを提供するように、特別なモーターによって回転させられる。
【0005】
続くステーションは、必要に応じ内部マンドレルと共に、半完成ブランクを外径、内径、壁厚、および長さの点で所望の構造を備える管に徐々に変換する。
【0006】
圧延ロールは、磨耗を受け、および、所定の作業サイクル(working cycles)の後に、転向操作を用いて再調整しなければならない。このようにして、変形および磨耗跡を取り除き、ならびに溝の輪郭およびロールの正確な対称性を復活させることができる。実際に、個々のステーションが加工される管に最適な輪郭を提供することができるように、各ロールの溝の最適な輪郭を保証することが必要とされる。
【0007】
転向は、それ自体が知られているような形で、それぞれの位置からの各ロールの分解および適切な慣用の転向ステーションへの輸送によって行われてもよい。あるいはまた、それ自体が同様によく知られているような方法で、それぞれのスタンドに搭載された各ステーションの3つのロールを保持し、および管の代りにステーションの中心に配置された特別な道具を用いて転向操作を行うことができる。
【0008】
各転向操作は、個々のロールの直径を必然的に低減させる。この理由のために、各転向操作の前後にロールを互いに平行に保持するためのスタンド手段を各々の上に提供することが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
直径の低減の後に、ロールは、レバーをその軸の周りに単純に旋回させることによって、管と接触し得ることは明らかである。しかしながら、ロールのこの構成は、半径方向に対して非対称性であり、および接触は最適ではない。換言すると、転向後に、3つのロールの溝の輪郭の組は、もはや周囲を規定せず;その代わりに、それは、互いに接続されていない円弧で構成される3つのローブ形状を規定する。
【0010】
この問題を解決するために、2つの異なる解決策が知られている。
第1の解決策は、それぞれのアームの同等の伸展によってロールの直径の低減を補償することにある。このようにして、最初の位置と転向後の位置との間のロールの動きは、溝底に沿って通る半径方向への純粋な直進運動である。ロールは、したがって、それ自体に対して平行なままである。
【0011】
第2の解決策は、その周りをロール支持レバーが回転するピンの同等の置き換えによってロールの直径の低減を補償することにある。このようにして、最初の位置と転向後の位置との間の、レバー全体の動きは、溝底に沿って通る半径方向への純粋な直進運動である。ロールは、したがって、この場合もまた、それ自体に対して平行なままである。
【0012】
上述の2つの知られている解決策は、広く使用されているが、無欠陥ではない。
第1の解決策に関しては、関与する質量および寸法のために、アーム伸展操作は、時間が掛かり困難である。さらに、この伸展は、大抵、アームに沿った特別な目盛り付きスペーサーを配置することによって達成される。したがって、この種の解決策で、スペーサーの多量の在庫を提供しおよび管理することが必要とされる。実際に、各圧延ステーションは、スペーサーの3つの完全なシリーズを必要とし;各シリーズは、それらが新しい時から完全に磨耗される時までにロールで実行されることができる転向操作の数と等しい数多くのスペーサーを含有しなければならない。
【0013】
第2の解決策に関しては、この場合もまた、関与する質量および寸法のために、ピンの置き換えは時間が掛かり困難な操作である。この置き換えは、大抵、レバーのピンに関する純粋な直進運動を得るように同時に回転しなければならないカムのシリーズによって得られる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の目的は、先行技術に関連する上述の欠点を少なくとも部分的に解決することである。
【0015】
特に、本発明の課題は、簡単および迅速なやり方での転向による再調整の後に直径の低減を補償することができる連続圧延機用のロールを提供することである。
【0016】
上述の目的および課題は、請求項1に記載されるロールに従うロールによって達成される。
【0017】
本発明の特徴的な形態およびさらなる利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として純粋に提供される実施態様の数多くの例の以下に提供される記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】知られているタイプの連続圧延機の正面図である。
【図2】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図3】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図4】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図5】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図6】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図7】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図8】知られているタイプの圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図9】本発明に従う圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図10】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図11】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図12】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図13】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図14】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図15】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図16】その作業寿命の最初の段階の間の本発明に従うロール/レバー/アクチュエータユニットを示す図である。
【図17】本発明に従う新規な圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図18】本発明に従う磨耗した圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面1を詳細に参照して、20は、その全体として連続圧延機を示す。圧延機20を参照して、加工される管18の縦軸である圧延軸tを一義的に規定することができる。連続圧延機20は、それ自体が知られているような形で、圧延軸tに沿って配置される複数のステーション22を含む。
【0020】
各ステーション22は、カートリッジ25に搭載された複数の圧延ロール26を含む圧延スタンド24を含む。各ステーション22に関して通常3つの圧延ロール26がある。この解決策を用いて、2つの対立する要求の間で適切な妥協案を得ることができる。一方で、実際に、個々の ステーションの構造的な複雑性を低減させる必要が存在する。他方で、管18の外側の輪郭をできるだけ多くのロール26の表面に分ける必要が存在する。しかしながら、特定の要求を満足させるために、各ステーション22に関するロール26の数を変更することができることは除外されない。
【0021】
各ロール26は、ロール支持レバー28(または、単にレバー28)によって、カートリッジ25に搭載されている。レバー28は、ピン30の周りを旋回することができるように、カートリッジ25に搭載されている。ピン30は、圧延軸tに平行な軸pを有する。レバー28は、2つのアーム32によって、ロール26を支持する。
【0022】
各ロール26は、さらに、ロール26に軸tに関して半径方向の力を加えるために適切なアクチュエータ36(図1および16に見られる)を含む。図中太い矢印Fで示される、アクチュエータ36によって加えられる力は、加工される管18の塑性変形を生み出す力である。詳細には、ステーション22の3つのアクチュエータ36によって生み出される3つの力Fの合成の結果、管18の厚さは半径方向に低減し、および管自体は軸方向に伸展する。有利にも、アクチュエータ36は、レバー28と一体となって押し付け表面46に作用する油圧ジャッキを含む。また、ステーション22は、各ロール26の回転をもたらすために適切なモーター手段38を含む。モーター手段38によって実施されるロール26の回転は、軸tに沿った摩擦によって管18を置き換える、送り込みの動きを提供する回転である。有利にも、モーター手段38は、電気モーター40、低減ユニット41およびドライブシャフト42を含む。
【0023】
各ロール26は、回転の軸rを規定する。ロール26は、軸rに関して対称的に形成されており、およびその周辺に形成された管18の外側の輪郭の弧hを再現することができる溝44を有する。詳細には、各圧延ステーション22が3つのロール26を含む場合には、それらのうちのそれぞれは、120°の公称の弧hに作用しなければならない。用語、溝底34は、以下において溝44の最も低い点をいうものと理解されよう。各ロール26に関して、軸rに関して垂直にそのより小さな部分に沿ってロール26に交差する溝平面πを規定することもできる。
【0024】
それらの作業寿命の途中で、ロールは、溝44が最適な輪郭を有することを保証することを可能とするために、定期的に再調整されなければならない。
再調整は、ロール26で行われる転向操作によって行われ、その結果、その直径は徐々に低減する。
【0025】
概括して、上述の説明は、知られているタイプの圧延機および本発明に従う圧延機の両方に適用することができる。その代わり、以下に、先行技術に関する2つの異なる解決策は、転向によってロール26の再調整をした後の直径の低減によって引き起こされる問題に関連して記載される。
【0026】
図2から4は、第1の知られている解決策を説明する。図2は、その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関して、および溝平面πに関して、対称性である。図2に見られるように、ロール26およびレバー28は、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。 さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する、関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0027】
図3は、その作業寿命の半ばを過ぎた図2のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって、低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径の低減は、アーム32に沿ったスペーサー48の導入によって補償される。ロール26の直径の低減は、図3に矢印aによって概略的に示されており、同時に、アーム32の伸展は、矢印bによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して依然として対照性である。さらに、図3に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0028】
図4は、その作業寿命の終了時の、図2のロール26および3を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によってさらに低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、アーム32に沿ったスペーサー48のさらなる導入によって補償されている。ロール26の直径の低減は、図4に矢印aによって概略的に示されて折り、同時に、アーム32の伸展は、矢印bによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図4に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0029】
図5から7は、第2の知られている解決策を説明する。図5は、 その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して対称性である。図5に見られるように、ロール26およびレバー28は、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する、関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0030】
図6は、その作業寿命の半ばを過ぎた図5のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径の低減は、溝平面πによってトレースされる線に平行なピン30の置き換えによって補償される。ロール26の直径の低減は、図6に矢印aによって概略的に示されており、同時に、ピン30の置き換えは、矢印cによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図6に示されるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0031】
図7は、その作業寿命の終了時の、図5および6のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる、連続する再調整の転向操作によって、さらに低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、ピン30のさらなる置き換えによって補償される。ロール26の直径の低減は、図7に矢印aによって概略的に示されており、同時に、ピン30の置き換えは、矢印によって概略的に示されている。再調整操作が行われた後に、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図7に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を補償するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0032】
知られているタイプのロール26の主な幾何学的特徴は、図8に図式の形態で要約されている。気が付くことができおよび既に言及されたように、ロール26は、軸rに関しおよび溝平面πに関し、共に対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分け、また、力Fの適用の方向を表す線dは、溝平面πに位置する。最終的に、溝44の2つの頂点44’および44”は、同一の半径(radius)gを有する。本発明に従うロール26の主な幾何学的特徴は、図9に図式の形態で要約されている。気付くことができるように、ロール26は、軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分け、また、力Fの適用の方向を表す線dは、溝平面πと角γを形成する。最終的に、溝44の2つの頂点44’および44”は、異なる半径g’およびg”を有する。
【0033】
図10から12は、本発明に従う、転向によるロール26の再調整の後の直径の低減によって引き起こされる問題に関する解決策を示す。図10は、その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。図10に見られるように、それに沿って力Fが加えられる半径方向は、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する関連する公称の弧hを、2つの不等部分に分割する。
【0034】
図11は、その作業寿命の半ばを過ぎた、図5のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって、低減されている。本発明に従う解決策に従って、ロール26の直径の低減は、ピン30の周りのレバー28の旋回によって補償される。ロール26の直径の低減は、図11に矢印aによって概略的に示され、同時に、レバー28の旋回運動は、矢印eによって概略的に示される。再調整操作が行われた後に、図11に従うロール26は、溝平面πに関しておよび回転の軸rに関して、一時的に対称性となる。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を一時的に含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを一時的に2つに分ける。
【0035】
図12は、その作業寿命の終了時の図10および11のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる、連続する再調整の転向操作によって、さらに低減されている。本発明に従うこの解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、レバー28のさらなる旋回によって、補償される。ロール26の直径の低減は、図12に矢印aによって概略的に示され、同時に、レバー28の旋回運動は、矢印eによって概略的に示される。再調整操作が行われた後に、ロール26は、回転の軸rに関して依然として対称性であり、および、この場合もやはり、溝平面πに関して非対称性になっている。図10に見られるように、それに沿って力Fが加えられる半径方向は、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する関連する公称の弧hを、2つの不等部分に分割する。詳細には、図12に従う角γは、図10に従う角γに関して反対符号を有する。また、本発明は、スタンド24および複数のロール26を含む圧延ステーション22に関する。前記ロール26のそれぞれは、レバー28によって、カートリッジ25に搭載される。今度は、レバー28は、ピン30の周りを旋回することができるようにカートリッジ25に搭載される。各ロール26は、加工される管18の塑性変形を生み出すことができる力をロール26に加えるために適切なアクチュエータ36を含む。各ロール26は、摩擦によって管18を置き換えるように、ロール26の回転をもたらすために適切なモーター手段38を含む。詳細には、ステーション22において、ロール26は、 本発明を参照して前に記載したタイプのものである。
【0036】
図13から15は、転向によるロール24の再調整の後の直径の低減によって影響を受ける、その作業寿命の間の本発明に従うスタンド24を示す。図13は、そのロール26の作業寿命の開始時の、本発明に従う圧延スタンド24を示す。換言すれば、図13に従うスタンド24は、図10に示されるもののような3つのロール26を含む。図14は、そのロール26の作業寿命の半ばを過ぎた図13のスタンド24を示す。換言すれば、図14に従うスタンド24は、図11に示されるもののような3つのロール26を含む。最終的に、図15は、そのロール26の作業寿命の終了時の、図13および14のスタンド24を示す。換言すれば、図15に従うスタンド24は、図12に示されるもののような3つのロール26を含む。
【0037】
また、本発明は、長い半完成物品、典型的には継ぎ目の無い管18の圧延を行うための連続圧延機20に関する。本発明に従う圧延機20は、上述のものに従う、複数の圧延ステーション22および付随するスタンド24を含む。
【0038】
本発明は、最終的に、本発明に従うロール26の、それが磨耗した際の再調整の方法に関連する。本方法は、それ自体が知られているような形で、変形および磨耗跡を取り除きならびに溝44の輪郭を復活させるために、溝44上で転向操作を行う工程を含む。この操作の結果、ロール26の直径は低減する。本発明に従う方法において、さらに、転向操作によって、2つに分ける線dが溝平面πに関して回転するように、および同時に、溝平面πが軸rに沿って置き換えられるように、公称の弧hを再規定することができる。
【0039】
詳細には、本発明に従う方法において、溝44上で実施される転向操作は、ロール26の作業寿命の前半の間、公称の弧hを2つに分ける線dの溝平面πに対する回転を生み出す。
【0040】
逆に、ロール26の作業寿命の後半の間は、それは、溝平面πから離れて、公称の弧hを2つに分ける線dの回転を生み出す。その作業寿命の間に本発明に従うロール26によって負わされる主な幾何学的形態は、図17および18に図式の形態で要約されている。気付くことができるように、図17において、ロール26は 軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分ける線dは、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、ロールをそれぞれ厚さs’およびs”を有する2つの部分に分け、ここで、s’はs”よりも小さい。最終的に、頂点 44’は、頂点 44”よりも小さい半径を有する。
【0041】
また、図17は、本発明に従う方法によって後続の再調整の間に得られる溝44の連続する輪郭を示す。図17において気付くことができるように、ロール26の再調整のための各転向操作は、新しい溝44が、前のものに関して回転される新しい2つに分ける線dを規定するように、行われる。詳細には、図17に示される図を特に参照して、2つに分ける線dは、反時計回りの方向に徐々に回転する。換言すれば、ロール26の作業寿命の開始時において、2つに分ける線dは、溝平面πに対する各再調整操作とともに回転し、角γの大きさを徐々に低減させる。ロール26の作業寿命の半ばを過ぎて、2つに分ける線dは、図11および14(ここで、角γはゼロである)において示されるように、一時的に、溝平面πに位置する。ロール26の作業寿命の終了時が近づくと、2つに分ける線dは、それが開始したのと反対の方向に溝平面πからさらに離れる各再調整操作と共に回転し、最初の符号とは反対の符号を有する角γの大きさを徐々に増大させる。したがって、図18は、その作業寿命の終了時のロール26を示す。図18に見られるように、ロール26は、軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分ける線dは、溝平面πと角γを形成し、ここで、角γは、図17に示される最初の構成と反対の符号を有する。さらに、溝平面πは、ロールを、それぞれ厚さs’およびs”を有する2つの部分に分け、ここで、s’はs”よりも小さい。最終的に、頂点 44’は頂点 44”よりも大きい半径を有する。
【0042】
添付の図面から見られるように、押し付け表面46は、湾曲している。詳細には、押し付け表面46は、いずれの場合にも、2つに分ける線d(詳細には、図10から12参照)に整列する力Fをロールに提供するように、軸tを有する円筒部分を規定する。さらに、押し付け表面46によって規定された部分は、ロールが新しい(角γはその最大である)とき、およびロールが完全に磨耗した(角γはその最小である)ときの両方において、アクチュエータ36との最適な接触をいつも保証するのに十分に広い。
【0043】
各再調整操作と共に2つに分ける線dがそれを介して回転する角が、レバー28がピン30の周りをそれを介して回転する角とどのように等しいかに留意すべきである。この角は、新しい最適な溝44の輪郭を得るために除去しなければならない厚さによって規定される。
【0044】
図9、17および18における角γは、10°に等しいが、しかし、より明瞭にするために、実際よりもはるかに大きいことに留意すべきである。本発明に従うロール26の場合には、角γは、実際には−4°および+4°の間、ならびに好ましくは−2°および+2°の間で変動する。
【0045】
知られているタイプの圧延機においては、各ロールにおける絶対的な対称性および隣接するロール間の同一の寸法を保証するための大いなる注意が払われていることに留意すべきである。このようにして、実際に、異なる圧延速度によって隣接する管部分に誘発される剪断応力は、回避される。それどころか、本発明に従う圧延機において、管18の外表面は、意図的に、そのような応力を受ける。実際に、2つの頂点44’および44”間の半径の差は、同一の角速度(ロール26全体に共通する)が頂点44’および44”の異なる接線速度に変換されるという効果を有する。ロール26の頂点44’は隣接するロールの頂点44”の近辺に位置するので、隣接する管部分は、2つの異なる圧延速度を受ける。この速度の差は、圧延軸tに平行である剪断応力を誘導する。
【0046】
本出願人は、本発明に従う圧延機を開発するときに、これらの応力は、驚くべきことに、重大な欠点を構成しないことに気付いた。実際に、図10から16に示されるロール26が、どのようにして、関連する公称の弧h全体に沿った管18と接触しないかに気付くことができる。この構成は、異なる圧延速度を受ける管部分18が、互いからわずかに離間されるようなものである。このようにして、ロールの頂点44’と隣接するロールの頂点44”との間の直径の違いに起因して管に生み出される剪断応力は、知られているタイプの圧延機において、個々のロールの頂点と溝底との間の直径の違いに起因して生み出される剪断応力よりも、大きさの順序が小さいものである。この応力は、それ自体が知られており、および全体に許容できると見なされる。さらに、それは、実質的に以下のステーション22を軸tの周りに角を異相に配置することによって補償される。実際に、ステーション22を角を異相に配列することによって、2つの隣接するロールの頂点によって以前に圧延された管ゾーン18が、その後に個々のロールの溝底によって圧延される結果に到達することができる。同様に、本発明に従う圧延機20において、以下のステーション22は、軸tの周りで角異相であり、およびしたがって、剪断応力が、隣接するロールの頂点44’および頂点44”間の直径の違いによって導入されることを補償する。
【0047】
上述の連続圧延機20の実施形態に関して、当業者は、特定の要求を満足させるために、記載される要素を、同等の要素と、それによって、添付する特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、修正および/または置き換えしてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続圧延機用の、特に、長い半完成物品、例えば、継ぎ目の無い管、捧、丸捧等の製造に適した連続圧延機用のロールに関する。また、本発明は、前記ロールを含む圧延ステーションおよび圧延機に関する。そして、本発明は、ロールが磨耗した時にそれを再調整するための方法に関する。下記説明において、非限定的な例として、継ぎ目の無い管の製造に関して具体的な言及を行う。
【背景技術】
【0002】
ブランクの形態の鋼片または捧の一連の塑性変形によって継ぎ目の無い金属管を製造することは知られている。第1の工程の間、鋼片は、厚壁および最初の鋼片よりも1.5から4倍長い長さを備える穿孔された半完成ブランクを得るように、縦に穿孔される。次いで、この半完成ブランクは、壁を徐々に薄くしおよび完成製品の長さを増大させるように、特別な圧延機に通される。連続圧延機として知られるこれらの圧延機は、それ自体が知られているような形で複数のステーションを含む。各ステーションは、輪郭が付けられた溝を備えるロールがその上に搭載されるスタンドを含む。大抵、溝が付けられたロールは、数の上で3つであり、スタンドに搭載された特別なロール支持レバーによって一対のアームを介してそれぞれ支持されている。三対のアームは、互いに同一平面上にあり、半径方向を有し、および圧延軸の周囲に互いから120°の間隔で配置されている。3つのロールの溝の接続された輪郭の組は、圧延ステーションを離れる管の外部周囲を規定する。
【発明の概要】
【0003】
各ステーションにおいて、ロール支持レバーは、圧延軸に平行な軸の周りを旋回することができるようにカートリッジに搭載される。油圧アクチュエータは、ロールのそれぞれに作動し、およびロールを圧延軸に対して半径方向に押す。アクチュエータは、したがって、管を塑性的に変形させるために必要とされる力を生み出す。
【0004】
さらに、管は、加工される管に対して摩擦を用いて送り込みの動きを提供するように、特別なモーターによって回転させられる。
【0005】
続くステーションは、必要に応じ内部マンドレルと共に、半完成ブランクを外径、内径、壁厚、および長さの点で所望の構造を備える管に徐々に変換する。
【0006】
圧延ロールは、磨耗を受け、および、所定の作業サイクル(working cycles)の後に、転向操作を用いて再調整しなければならない。このようにして、変形および磨耗跡を取り除き、ならびに溝の輪郭およびロールの正確な対称性を復活させることができる。実際に、個々のステーションが加工される管に最適な輪郭を提供することができるように、各ロールの溝の最適な輪郭を保証することが必要とされる。
【0007】
転向は、それ自体が知られているような形で、それぞれの位置からの各ロールの分解および適切な慣用の転向ステーションへの輸送によって行われてもよい。あるいはまた、それ自体が同様によく知られているような方法で、それぞれのスタンドに搭載された各ステーションの3つのロールを保持し、および管の代りにステーションの中心に配置された特別な道具を用いて転向操作を行うことができる。
【0008】
各転向操作は、個々のロールの直径を必然的に低減させる。この理由のために、各転向操作の前後にロールを互いに平行に保持するためのスタンド手段を各々の上に提供することが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
直径の低減の後に、ロールは、レバーをその軸の周りに単純に旋回させることによって、管と接触し得ることは明らかである。しかしながら、ロールのこの構成は、半径方向に対して非対称性であり、および接触は最適ではない。換言すると、転向後に、3つのロールの溝の輪郭の組は、もはや周囲を規定せず;その代わりに、それは、互いに接続されていない円弧で構成される3つのローブ形状を規定する。
【0010】
この問題を解決するために、2つの異なる解決策が知られている。
第1の解決策は、それぞれのアームの同等の伸展によってロールの直径の低減を補償することにある。このようにして、最初の位置と転向後の位置との間のロールの動きは、溝底に沿って通る半径方向への純粋な直進運動である。ロールは、したがって、それ自体に対して平行なままである。
【0011】
第2の解決策は、その周りをロール支持レバーが回転するピンの同等の置き換えによってロールの直径の低減を補償することにある。このようにして、最初の位置と転向後の位置との間の、レバー全体の動きは、溝底に沿って通る半径方向への純粋な直進運動である。ロールは、したがって、この場合もまた、それ自体に対して平行なままである。
【0012】
上述の2つの知られている解決策は、広く使用されているが、無欠陥ではない。
第1の解決策に関しては、関与する質量および寸法のために、アーム伸展操作は、時間が掛かり困難である。さらに、この伸展は、大抵、アームに沿った特別な目盛り付きスペーサーを配置することによって達成される。したがって、この種の解決策で、スペーサーの多量の在庫を提供しおよび管理することが必要とされる。実際に、各圧延ステーションは、スペーサーの3つの完全なシリーズを必要とし;各シリーズは、それらが新しい時から完全に磨耗される時までにロールで実行されることができる転向操作の数と等しい数多くのスペーサーを含有しなければならない。
【0013】
第2の解決策に関しては、この場合もまた、関与する質量および寸法のために、ピンの置き換えは時間が掛かり困難な操作である。この置き換えは、大抵、レバーのピンに関する純粋な直進運動を得るように同時に回転しなければならないカムのシリーズによって得られる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の目的は、先行技術に関連する上述の欠点を少なくとも部分的に解決することである。
【0015】
特に、本発明の課題は、簡単および迅速なやり方での転向による再調整の後に直径の低減を補償することができる連続圧延機用のロールを提供することである。
【0016】
上述の目的および課題は、請求項1に記載されるロールに従うロールによって達成される。
【0017】
本発明の特徴的な形態およびさらなる利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として純粋に提供される実施態様の数多くの例の以下に提供される記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】知られているタイプの連続圧延機の正面図である。
【図2】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図3】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図4】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第1のロール/レバーユニットを示す図である。
【図5】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図6】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図7】その作業寿命の3つの連続する段階の間の、知られているタイプの第2のロール/レバーユニットを示す図である。
【図8】知られているタイプの圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図9】本発明に従う圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図10】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図11】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図12】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従うロール/レバーユニットを示す図である。
【図13】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図14】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図15】その作業寿命の3つの連続する段階の間の本発明に従う圧延スタンドを示す図である。
【図16】その作業寿命の最初の段階の間の本発明に従うロール/レバー/アクチュエータユニットを示す図である。
【図17】本発明に従う新規な圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【図18】本発明に従う磨耗した圧延ロールの幾何学的形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面1を詳細に参照して、20は、その全体として連続圧延機を示す。圧延機20を参照して、加工される管18の縦軸である圧延軸tを一義的に規定することができる。連続圧延機20は、それ自体が知られているような形で、圧延軸tに沿って配置される複数のステーション22を含む。
【0020】
各ステーション22は、カートリッジ25に搭載された複数の圧延ロール26を含む圧延スタンド24を含む。各ステーション22に関して通常3つの圧延ロール26がある。この解決策を用いて、2つの対立する要求の間で適切な妥協案を得ることができる。一方で、実際に、個々の ステーションの構造的な複雑性を低減させる必要が存在する。他方で、管18の外側の輪郭をできるだけ多くのロール26の表面に分ける必要が存在する。しかしながら、特定の要求を満足させるために、各ステーション22に関するロール26の数を変更することができることは除外されない。
【0021】
各ロール26は、ロール支持レバー28(または、単にレバー28)によって、カートリッジ25に搭載されている。レバー28は、ピン30の周りを旋回することができるように、カートリッジ25に搭載されている。ピン30は、圧延軸tに平行な軸pを有する。レバー28は、2つのアーム32によって、ロール26を支持する。
【0022】
各ロール26は、さらに、ロール26に軸tに関して半径方向の力を加えるために適切なアクチュエータ36(図1および16に見られる)を含む。図中太い矢印Fで示される、アクチュエータ36によって加えられる力は、加工される管18の塑性変形を生み出す力である。詳細には、ステーション22の3つのアクチュエータ36によって生み出される3つの力Fの合成の結果、管18の厚さは半径方向に低減し、および管自体は軸方向に伸展する。有利にも、アクチュエータ36は、レバー28と一体となって押し付け表面46に作用する油圧ジャッキを含む。また、ステーション22は、各ロール26の回転をもたらすために適切なモーター手段38を含む。モーター手段38によって実施されるロール26の回転は、軸tに沿った摩擦によって管18を置き換える、送り込みの動きを提供する回転である。有利にも、モーター手段38は、電気モーター40、低減ユニット41およびドライブシャフト42を含む。
【0023】
各ロール26は、回転の軸rを規定する。ロール26は、軸rに関して対称的に形成されており、およびその周辺に形成された管18の外側の輪郭の弧hを再現することができる溝44を有する。詳細には、各圧延ステーション22が3つのロール26を含む場合には、それらのうちのそれぞれは、120°の公称の弧hに作用しなければならない。用語、溝底34は、以下において溝44の最も低い点をいうものと理解されよう。各ロール26に関して、軸rに関して垂直にそのより小さな部分に沿ってロール26に交差する溝平面πを規定することもできる。
【0024】
それらの作業寿命の途中で、ロールは、溝44が最適な輪郭を有することを保証することを可能とするために、定期的に再調整されなければならない。
再調整は、ロール26で行われる転向操作によって行われ、その結果、その直径は徐々に低減する。
【0025】
概括して、上述の説明は、知られているタイプの圧延機および本発明に従う圧延機の両方に適用することができる。その代わり、以下に、先行技術に関する2つの異なる解決策は、転向によってロール26の再調整をした後の直径の低減によって引き起こされる問題に関連して記載される。
【0026】
図2から4は、第1の知られている解決策を説明する。図2は、その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関して、および溝平面πに関して、対称性である。図2に見られるように、ロール26およびレバー28は、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。 さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する、関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0027】
図3は、その作業寿命の半ばを過ぎた図2のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって、低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径の低減は、アーム32に沿ったスペーサー48の導入によって補償される。ロール26の直径の低減は、図3に矢印aによって概略的に示されており、同時に、アーム32の伸展は、矢印bによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して依然として対照性である。さらに、図3に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0028】
図4は、その作業寿命の終了時の、図2のロール26および3を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によってさらに低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、アーム32に沿ったスペーサー48のさらなる導入によって補償されている。ロール26の直径の低減は、図4に矢印aによって概略的に示されて折り、同時に、アーム32の伸展は、矢印bによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図4に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0029】
図5から7は、第2の知られている解決策を説明する。図5は、 その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して対称性である。図5に見られるように、ロール26およびレバー28は、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する、関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0030】
図6は、その作業寿命の半ばを過ぎた図5のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径の低減は、溝平面πによってトレースされる線に平行なピン30の置き換えによって補償される。ロール26の直径の低減は、図6に矢印aによって概略的に示されており、同時に、ピン30の置き換えは、矢印cによって概略的に示されている。再調整操作が行われた後でさえも、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図6に示されるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を保証するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0031】
図7は、その作業寿命の終了時の、図5および6のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる、連続する再調整の転向操作によって、さらに低減されている。この知られている解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、ピン30のさらなる置き換えによって補償される。ロール26の直径の低減は、図7に矢印aによって概略的に示されており、同時に、ピン30の置き換えは、矢印によって概略的に示されている。再調整操作が行われた後に、ロール26は、回転の軸rに関しておよび溝平面πに関して、依然として対称性である。さらに、図7に見られるように、ロール26およびレバー28は、この場合もやはり、機械加工および組立許容誤差を無視して、絶対的な対称性を補償するように構成される。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを2つに分ける。
【0032】
知られているタイプのロール26の主な幾何学的特徴は、図8に図式の形態で要約されている。気が付くことができおよび既に言及されたように、ロール26は、軸rに関しおよび溝平面πに関し、共に対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分け、また、力Fの適用の方向を表す線dは、溝平面πに位置する。最終的に、溝44の2つの頂点44’および44”は、同一の半径(radius)gを有する。本発明に従うロール26の主な幾何学的特徴は、図9に図式の形態で要約されている。気付くことができるように、ロール26は、軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分け、また、力Fの適用の方向を表す線dは、溝平面πと角γを形成する。最終的に、溝44の2つの頂点44’および44”は、異なる半径g’およびg”を有する。
【0033】
図10から12は、本発明に従う、転向によるロール26の再調整の後の直径の低減によって引き起こされる問題に関する解決策を示す。図10は、その作業寿命の開始時のロール26を示す:それは、回転の軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。図10に見られるように、それに沿って力Fが加えられる半径方向は、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する関連する公称の弧hを、2つの不等部分に分割する。
【0034】
図11は、その作業寿命の半ばを過ぎた、図5のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の前半の間に必要とされる連続する再調整の転向操作によって、低減されている。本発明に従う解決策に従って、ロール26の直径の低減は、ピン30の周りのレバー28の旋回によって補償される。ロール26の直径の低減は、図11に矢印aによって概略的に示され、同時に、レバー28の旋回運動は、矢印eによって概略的に示される。再調整操作が行われた後に、図11に従うロール26は、溝平面πに関しておよび回転の軸rに関して、一時的に対称性となる。詳細には、溝平面πは、それに沿って力Fが加えられる半径方向を一時的に含む。さらに、溝平面πは、ロール26に関連する公称の弧hを一時的に2つに分ける。
【0035】
図12は、その作業寿命の終了時の図10および11のロール26を示す。ロール26の直径は、ロール26の作業寿命の間に必要とされる、連続する再調整の転向操作によって、さらに低減されている。本発明に従うこの解決策に従って、ロール26の直径のさらなる低減は、レバー28のさらなる旋回によって、補償される。ロール26の直径の低減は、図12に矢印aによって概略的に示され、同時に、レバー28の旋回運動は、矢印eによって概略的に示される。再調整操作が行われた後に、ロール26は、回転の軸rに関して依然として対称性であり、および、この場合もやはり、溝平面πに関して非対称性になっている。図10に見られるように、それに沿って力Fが加えられる半径方向は、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、すなわちその上にロール26が作用する関連する公称の弧hを、2つの不等部分に分割する。詳細には、図12に従う角γは、図10に従う角γに関して反対符号を有する。また、本発明は、スタンド24および複数のロール26を含む圧延ステーション22に関する。前記ロール26のそれぞれは、レバー28によって、カートリッジ25に搭載される。今度は、レバー28は、ピン30の周りを旋回することができるようにカートリッジ25に搭載される。各ロール26は、加工される管18の塑性変形を生み出すことができる力をロール26に加えるために適切なアクチュエータ36を含む。各ロール26は、摩擦によって管18を置き換えるように、ロール26の回転をもたらすために適切なモーター手段38を含む。詳細には、ステーション22において、ロール26は、 本発明を参照して前に記載したタイプのものである。
【0036】
図13から15は、転向によるロール24の再調整の後の直径の低減によって影響を受ける、その作業寿命の間の本発明に従うスタンド24を示す。図13は、そのロール26の作業寿命の開始時の、本発明に従う圧延スタンド24を示す。換言すれば、図13に従うスタンド24は、図10に示されるもののような3つのロール26を含む。図14は、そのロール26の作業寿命の半ばを過ぎた図13のスタンド24を示す。換言すれば、図14に従うスタンド24は、図11に示されるもののような3つのロール26を含む。最終的に、図15は、そのロール26の作業寿命の終了時の、図13および14のスタンド24を示す。換言すれば、図15に従うスタンド24は、図12に示されるもののような3つのロール26を含む。
【0037】
また、本発明は、長い半完成物品、典型的には継ぎ目の無い管18の圧延を行うための連続圧延機20に関する。本発明に従う圧延機20は、上述のものに従う、複数の圧延ステーション22および付随するスタンド24を含む。
【0038】
本発明は、最終的に、本発明に従うロール26の、それが磨耗した際の再調整の方法に関連する。本方法は、それ自体が知られているような形で、変形および磨耗跡を取り除きならびに溝44の輪郭を復活させるために、溝44上で転向操作を行う工程を含む。この操作の結果、ロール26の直径は低減する。本発明に従う方法において、さらに、転向操作によって、2つに分ける線dが溝平面πに関して回転するように、および同時に、溝平面πが軸rに沿って置き換えられるように、公称の弧hを再規定することができる。
【0039】
詳細には、本発明に従う方法において、溝44上で実施される転向操作は、ロール26の作業寿命の前半の間、公称の弧hを2つに分ける線dの溝平面πに対する回転を生み出す。
【0040】
逆に、ロール26の作業寿命の後半の間は、それは、溝平面πから離れて、公称の弧hを2つに分ける線dの回転を生み出す。その作業寿命の間に本発明に従うロール26によって負わされる主な幾何学的形態は、図17および18に図式の形態で要約されている。気付くことができるように、図17において、ロール26は 軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分ける線dは、溝平面πと角γを形成する。さらに、溝平面πは、ロールをそれぞれ厚さs’およびs”を有する2つの部分に分け、ここで、s’はs”よりも小さい。最終的に、頂点 44’は、頂点 44”よりも小さい半径を有する。
【0041】
また、図17は、本発明に従う方法によって後続の再調整の間に得られる溝44の連続する輪郭を示す。図17において気付くことができるように、ロール26の再調整のための各転向操作は、新しい溝44が、前のものに関して回転される新しい2つに分ける線dを規定するように、行われる。詳細には、図17に示される図を特に参照して、2つに分ける線dは、反時計回りの方向に徐々に回転する。換言すれば、ロール26の作業寿命の開始時において、2つに分ける線dは、溝平面πに対する各再調整操作とともに回転し、角γの大きさを徐々に低減させる。ロール26の作業寿命の半ばを過ぎて、2つに分ける線dは、図11および14(ここで、角γはゼロである)において示されるように、一時的に、溝平面πに位置する。ロール26の作業寿命の終了時が近づくと、2つに分ける線dは、それが開始したのと反対の方向に溝平面πからさらに離れる各再調整操作と共に回転し、最初の符号とは反対の符号を有する角γの大きさを徐々に増大させる。したがって、図18は、その作業寿命の終了時のロール26を示す。図18に見られるように、ロール26は、軸rに関して対称性であるが、しかし、溝平面πに関して非対称性である。さらに、関連する公称の弧hを2つに分ける線dは、溝平面πと角γを形成し、ここで、角γは、図17に示される最初の構成と反対の符号を有する。さらに、溝平面πは、ロールを、それぞれ厚さs’およびs”を有する2つの部分に分け、ここで、s’はs”よりも小さい。最終的に、頂点 44’は頂点 44”よりも大きい半径を有する。
【0042】
添付の図面から見られるように、押し付け表面46は、湾曲している。詳細には、押し付け表面46は、いずれの場合にも、2つに分ける線d(詳細には、図10から12参照)に整列する力Fをロールに提供するように、軸tを有する円筒部分を規定する。さらに、押し付け表面46によって規定された部分は、ロールが新しい(角γはその最大である)とき、およびロールが完全に磨耗した(角γはその最小である)ときの両方において、アクチュエータ36との最適な接触をいつも保証するのに十分に広い。
【0043】
各再調整操作と共に2つに分ける線dがそれを介して回転する角が、レバー28がピン30の周りをそれを介して回転する角とどのように等しいかに留意すべきである。この角は、新しい最適な溝44の輪郭を得るために除去しなければならない厚さによって規定される。
【0044】
図9、17および18における角γは、10°に等しいが、しかし、より明瞭にするために、実際よりもはるかに大きいことに留意すべきである。本発明に従うロール26の場合には、角γは、実際には−4°および+4°の間、ならびに好ましくは−2°および+2°の間で変動する。
【0045】
知られているタイプの圧延機においては、各ロールにおける絶対的な対称性および隣接するロール間の同一の寸法を保証するための大いなる注意が払われていることに留意すべきである。このようにして、実際に、異なる圧延速度によって隣接する管部分に誘発される剪断応力は、回避される。それどころか、本発明に従う圧延機において、管18の外表面は、意図的に、そのような応力を受ける。実際に、2つの頂点44’および44”間の半径の差は、同一の角速度(ロール26全体に共通する)が頂点44’および44”の異なる接線速度に変換されるという効果を有する。ロール26の頂点44’は隣接するロールの頂点44”の近辺に位置するので、隣接する管部分は、2つの異なる圧延速度を受ける。この速度の差は、圧延軸tに平行である剪断応力を誘導する。
【0046】
本出願人は、本発明に従う圧延機を開発するときに、これらの応力は、驚くべきことに、重大な欠点を構成しないことに気付いた。実際に、図10から16に示されるロール26が、どのようにして、関連する公称の弧h全体に沿った管18と接触しないかに気付くことができる。この構成は、異なる圧延速度を受ける管部分18が、互いからわずかに離間されるようなものである。このようにして、ロールの頂点44’と隣接するロールの頂点44”との間の直径の違いに起因して管に生み出される剪断応力は、知られているタイプの圧延機において、個々のロールの頂点と溝底との間の直径の違いに起因して生み出される剪断応力よりも、大きさの順序が小さいものである。この応力は、それ自体が知られており、および全体に許容できると見なされる。さらに、それは、実質的に以下のステーション22を軸tの周りに角を異相に配置することによって補償される。実際に、ステーション22を角を異相に配列することによって、2つの隣接するロールの頂点によって以前に圧延された管ゾーン18が、その後に個々のロールの溝底によって圧延される結果に到達することができる。同様に、本発明に従う圧延機20において、以下のステーション22は、軸tの周りで角異相であり、およびしたがって、剪断応力が、隣接するロールの頂点44’および頂点44”間の直径の違いによって導入されることを補償する。
【0047】
上述の連続圧延機20の実施形態に関して、当業者は、特定の要求を満足させるために、記載される要素を、同等の要素と、それによって、添付する特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、修正および/または置き換えしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ(25)に搭載される複数のロール(26)を含むスタンド(24)を含む圧延ステーション(22)であって、前記ロール(26)のそれぞれは:
回転の軸(r)の周りを回転可能であり;
半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができる溝(44)を含み;
回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さい部分に沿ってロールと交差する溝平面(π)を含み;
溝平面(π)に関して非対称性であり;
レバー(28)によってカートリッジ(25)に搭載され、レバー(28)は、圧延軸(t)に平行なピン(30)の周りを旋回可能であるように、カートリッジ(25)に搭載され;
加工される半完成物品(18)の塑性変形をもたらすことができる力Fをロール(26)に適用するように、レバー(28)と一体となって押し付け表面 (46) に作用するために適切なアクチュエータ(36)を含み;および
いずれの場合にも2つに分ける線dに整列する力Fをロール(26)に提供するように、押し付け表面(46)は、湾曲されておりおよび軸tを有する円筒部分を規定することを特徴とする圧延ステーション(22)。
【請求項2】
複数の請求項1に記載の圧延ステーション(22)を含むことを特徴とする、長い半完成物品(18)を圧延するための連続圧延機(20)。
【請求項3】
長い半完成物品(18)を圧延するためのロール(26)を、該ロール(26)が磨耗したときに再調整するための方法であって、前記ロール(26)は、回転の軸(r)の周囲を回転可能なタイプのものであり、および:
溝(44)は、半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができ;
溝平面(π)は、回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さな部分に沿ってロール(26)と交差し;
ロール(26)は、溝平面(π)に関して非対称性であり、
方法は:
溝(44)の変形および磨耗跡を取り除き;
溝(44)の輪郭を復活させ;
ロール(26)の直径を低減させる;
ように、溝(44)上で転向操作を実行する工程を含み;
およびさらに:
2つに分ける線(d)が溝平面(π)に関して回転するように、公称の弧(h)を再規定し;
回転の軸(r)に沿って溝平面(π)を置き換えることを特徴とする方法。
【請求項4】
ロール(26)は、公称の弧(h)を2つに分ける線(d)がそこで溝平面(π)と角(γ)を形成するタイプのものであり、および、溝(44)上で転向操作を実行する工程は、ロール(26)の作業寿命の前半の間に、溝平面(π)に向かって公称の弧(h)を2つに分ける線(d)の回転を生み出し、およびロール(26)の作業寿命の後半の間に、溝平面(π)から離れて公称の弧(h)を2つに分ける線(d)の回転を生み出すことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溝(44)上で転向操作を実行する工程は、ロール(26)の作業寿命の前半の間に、角(γ)の大きさを徐々に低減させ、およびロール(26)の作業寿命の後半の間に、最初の符号と反対の符号を有する角(γ)の大きさを徐々に増大させることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
角γは、ロール(26)の作業寿命全体の間に、−4°および+4°の間、および好ましくは−2°および+2°の間で変動することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ロール(26)は、溝(44)が異なる半径を有する第1の頂点(44’)および第2の頂点(44”)を規定するタイプのものであり、およびロール(26)の作業寿命の開始時に、第1の頂点(44’)は、第2の頂点(44”)の半径よりも小さい半径を有し、一方、ロール(26)の作業寿命の終了時に、第1の頂点(44’) は、第2の頂点(44”)の半径よりも大きい半径を有することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ロール(26)は、溝平面(π)がロール(26)を第1の厚さ(s’)を有する第1の部分および第2の厚さ(s”)を有する第2の部分に分割するタイプのものであり、ならびに、ロール(26)の作業寿命の開始時に、第1の厚さ(s’)は第2の厚さ(s”)よりも小さく、一方、ロール(26)の作業寿命の終了時に、第1の厚さ(s’)は、第2の厚さ(s”)よりも大きいことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
回転の軸(r)の周りに回転可能である長い半完成物品(18)を圧延するためのロール(26)であって:
半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができる溝(44);
回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さい部分に沿ってロール(26)と交差する溝平面(π);
を含み、
ロール(26)は、溝平面(π)に関して非対称性であることを特徴とするロール(26)。
【請求項10】
公称の弧(h)を2つに分ける線(d)は、溝平面(π)と角(γ)を形成することを特徴とする請求項9に記載のロール(26)。
【請求項11】
角(γ)は、−4°および+4の間、および好ましくは−2°および+2°の間を変動することを特徴とする請求項10に記載のロール(26)。
【請求項12】
溝(9)は、異なる半径(g’、g”)を有する2つの頂点 (44’, 44”)を規定することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のロール(26)。
【請求項13】
溝平面(π)は、ロール(26)を異なる厚さ(s’、s”)を有する2つの部分に分割することを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載のロール(26)。
【請求項14】
カートリッジ(25)に搭載される複数のロール(26)を含むスタンド(24)を含む圧延ステーション(22)であって、前記ロール(26)のそれぞれは:
レバー(28)によってカートリッジ(25)に搭載されており、レバー(28)は、ピン (30)の周りを旋回することができるように、カートリッジ(25)に搭載されており;
加工される半完成物品(18)の塑性変形を生み出すことができる力をロール(26)に適用することができるアクチュエータ(36)を含み;
摩擦によって半完成物品(18)を置き換えるように、ロール(26)の回転をもたらすために適切なモーター手段(38)を含み;および
前記ロール(26)は、請求項9から13のいずれか一項に記載されていることを特徴とする圧延ステーション(22)。
【請求項15】
複数の請求項14に記載の圧延ステーション(22)を含む、長い半完成物品(18)を圧延するための連続圧延機(20)。
【請求項1】
カートリッジ(25)に搭載される複数のロール(26)を含むスタンド(24)を含む圧延ステーション(22)であって、前記ロール(26)のそれぞれは:
回転の軸(r)の周りを回転可能であり;
半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができる溝(44)を含み;
回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さい部分に沿ってロールと交差する溝平面(π)を含み;
溝平面(π)に関して非対称性であり;
レバー(28)によってカートリッジ(25)に搭載され、レバー(28)は、圧延軸(t)に平行なピン(30)の周りを旋回可能であるように、カートリッジ(25)に搭載され;
加工される半完成物品(18)の塑性変形をもたらすことができる力Fをロール(26)に適用するように、レバー(28)と一体となって押し付け表面 (46) に作用するために適切なアクチュエータ(36)を含み;および
いずれの場合にも2つに分ける線dに整列する力Fをロール(26)に提供するように、押し付け表面(46)は、湾曲されておりおよび軸tを有する円筒部分を規定することを特徴とする圧延ステーション(22)。
【請求項2】
複数の請求項1に記載の圧延ステーション(22)を含むことを特徴とする、長い半完成物品(18)を圧延するための連続圧延機(20)。
【請求項3】
長い半完成物品(18)を圧延するためのロール(26)を、該ロール(26)が磨耗したときに再調整するための方法であって、前記ロール(26)は、回転の軸(r)の周囲を回転可能なタイプのものであり、および:
溝(44)は、半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができ;
溝平面(π)は、回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さな部分に沿ってロール(26)と交差し;
ロール(26)は、溝平面(π)に関して非対称性であり、
方法は:
溝(44)の変形および磨耗跡を取り除き;
溝(44)の輪郭を復活させ;
ロール(26)の直径を低減させる;
ように、溝(44)上で転向操作を実行する工程を含み;
およびさらに:
2つに分ける線(d)が溝平面(π)に関して回転するように、公称の弧(h)を再規定し;
回転の軸(r)に沿って溝平面(π)を置き換えることを特徴とする方法。
【請求項4】
ロール(26)は、公称の弧(h)を2つに分ける線(d)がそこで溝平面(π)と角(γ)を形成するタイプのものであり、および、溝(44)上で転向操作を実行する工程は、ロール(26)の作業寿命の前半の間に、溝平面(π)に向かって公称の弧(h)を2つに分ける線(d)の回転を生み出し、およびロール(26)の作業寿命の後半の間に、溝平面(π)から離れて公称の弧(h)を2つに分ける線(d)の回転を生み出すことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溝(44)上で転向操作を実行する工程は、ロール(26)の作業寿命の前半の間に、角(γ)の大きさを徐々に低減させ、およびロール(26)の作業寿命の後半の間に、最初の符号と反対の符号を有する角(γ)の大きさを徐々に増大させることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
角γは、ロール(26)の作業寿命全体の間に、−4°および+4°の間、および好ましくは−2°および+2°の間で変動することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ロール(26)は、溝(44)が異なる半径を有する第1の頂点(44’)および第2の頂点(44”)を規定するタイプのものであり、およびロール(26)の作業寿命の開始時に、第1の頂点(44’)は、第2の頂点(44”)の半径よりも小さい半径を有し、一方、ロール(26)の作業寿命の終了時に、第1の頂点(44’) は、第2の頂点(44”)の半径よりも大きい半径を有することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ロール(26)は、溝平面(π)がロール(26)を第1の厚さ(s’)を有する第1の部分および第2の厚さ(s”)を有する第2の部分に分割するタイプのものであり、ならびに、ロール(26)の作業寿命の開始時に、第1の厚さ(s’)は第2の厚さ(s”)よりも小さく、一方、ロール(26)の作業寿命の終了時に、第1の厚さ(s’)は、第2の厚さ(s”)よりも大きいことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
回転の軸(r)の周りに回転可能である長い半完成物品(18)を圧延するためのロール(26)であって:
半完成物品(18)の外側の輪郭の公称の弧(h)を再現することができる溝(44);
回転の軸(r)に関して垂直に、そのより小さい部分に沿ってロール(26)と交差する溝平面(π);
を含み、
ロール(26)は、溝平面(π)に関して非対称性であることを特徴とするロール(26)。
【請求項10】
公称の弧(h)を2つに分ける線(d)は、溝平面(π)と角(γ)を形成することを特徴とする請求項9に記載のロール(26)。
【請求項11】
角(γ)は、−4°および+4の間、および好ましくは−2°および+2°の間を変動することを特徴とする請求項10に記載のロール(26)。
【請求項12】
溝(9)は、異なる半径(g’、g”)を有する2つの頂点 (44’, 44”)を規定することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のロール(26)。
【請求項13】
溝平面(π)は、ロール(26)を異なる厚さ(s’、s”)を有する2つの部分に分割することを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載のロール(26)。
【請求項14】
カートリッジ(25)に搭載される複数のロール(26)を含むスタンド(24)を含む圧延ステーション(22)であって、前記ロール(26)のそれぞれは:
レバー(28)によってカートリッジ(25)に搭載されており、レバー(28)は、ピン (30)の周りを旋回することができるように、カートリッジ(25)に搭載されており;
加工される半完成物品(18)の塑性変形を生み出すことができる力をロール(26)に適用することができるアクチュエータ(36)を含み;
摩擦によって半完成物品(18)を置き換えるように、ロール(26)の回転をもたらすために適切なモーター手段(38)を含み;および
前記ロール(26)は、請求項9から13のいずれか一項に記載されていることを特徴とする圧延ステーション(22)。
【請求項15】
複数の請求項14に記載の圧延ステーション(22)を含む、長い半完成物品(18)を圧延するための連続圧延機(20)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−515090(P2012−515090A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545826(P2011−545826)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050184
【国際公開番号】WO2010/082174
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174797)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050184
【国際公開番号】WO2010/082174
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174797)
【Fターム(参考)】
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