説明

圧縮成形体の製造方法および装置

【課題】 生産性を大幅に向上させることができる圧縮成形体の製造方法および装置を提供する。
【解決手段】
本体10は、加工部11と段取り部12とを連設してなり、その連設方向に延びるガイド穴14aを有している。このガイド穴14aに型20がスライド可能に収容されている。型20は、加工部11と段取り部12の連設方向と直交する平面上において、互いに90°間隔で交差する4つの直線状の成形穴21〜24を有している。型20は、油圧シリンダ29により、加工部11に対応する加工位置と段取り部12に対応する段取り位置との間で直線的に移動される。加工位置にある型20の成形穴21〜24には、それぞれ押圧部材31〜34が挿入され、油圧シリンダ35により押圧部材31〜34の前進、後退動作を行うことにより、マグネシウム合金等の原料を微細化し、最終的に圧縮成形体を得る。上記加工により圧縮成形体を成形した後、型20は段取り位置まで移動され、圧縮成形体の排出が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のチップまたは粒状体を含む原料から、押出成形等の素材となる圧縮成形体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、最軽量合金であるマグネシウム合金の利用が注目されている。一般的にマグネシウム合金は溶融または半溶融させる工程を経るため、マグネシウム合金の結晶粒が粗大化し、強度向上に限界があった。
【0003】
そこで、本発明者らは、特許文献1,2に示す方法を開発した。この方法では、4つの成形穴を有する型と、これら成形穴にそれぞれ挿入された4つの押圧部材と、この押圧部材を駆動する油圧シリンダ(駆動手段)を用いて、金属のチップまたは粒状体を含む原料の微細化工程を多数回繰り返し実行する。
【0004】
より具体的に述べると、4つの押圧部材を所定順序で1つずつ加圧力を伴って前進させるとともに、これと直交する他の押圧部材を後退させることにより、原料を1つの成形穴からこれと直交する他の成形穴へと送り込み、この過程で、原料に剪断力,摩擦力を付与して原料を微細化する。
【0005】
上記4つの押圧部材の駆動による微細化を多数サイクル実行する。最後に、1つの押圧部材を加圧力を伴って前進させることにより、1つの成形穴で原料を圧縮成形する。
このようにして得られた圧縮成形体は、押出成形の素材として用いられる。
【特許文献1】特開2005−248325号公報
【特許文献2】特開2007―46122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の方法では、型は固定されており、この固定位置で上述した微細化および圧縮の加工を実行するのみならず、原料の投入、圧縮成形体の排出、成形穴の清掃等をも行うため、生産性が悪かった。
【0007】
特に圧縮成形体の排出作業は手間がかかった。詳述すると、圧縮成形体の成形が完了した状態では、1つの成形穴、例えば水平をなす成形穴に圧縮成形体が収容されている。最初に、2つの油圧シリンダ(上記押圧部材駆動用の油圧シリンダ)を駆動させることにより、水平をなして一直線上に位置する2本の押圧部材を成形穴から外れた位置まで後退させ、これら押圧部材を油圧シリンダから外す。
【0008】
次に、排出補助ピンを、圧縮成形体が収容されている成形穴と一直線上に配置された他の水平な成形穴に挿入し、次に当該他の成形穴に対応する押圧部材を油圧シリンダに連結して前進させる。これにより排出補助ピンを前進させ、玉突き式に圧縮成形体を成形穴の外端に向かって移動させる。
【0009】
上記押圧部材の前進は、油圧シリンダのストロークエンドである成形穴の奥端で終了するため、圧縮成形体は成形穴から出きらない。そのため、上記押圧部材を再び型から抜き出るように後退させて、油圧シリンダから取り外す。それから第2の排出補助ピンを成形穴に挿入し、さらに、押圧部材を再び油圧シリンダに連結して前進させることにより、2本の排出補助ピンを介して圧縮成形体を成形穴から排出する。
【0010】
上記圧縮成形体の排出後に、上記押圧部材を油圧シリンダから外し、この状態で作業者が棒で上記2本の排出補助ピンを突くことにより、成形穴から排出する。
【0011】
上述したように押圧部材の油圧シリンダへの取り外し、連結を何度も実行することになるが、寸法の大きな圧縮成形体を製造する場合には押圧部材の重量も大となり、この押圧部材の人手による取り外し、連結は、圧縮成形体排出の作業性を著しく悪化させる。
【0012】
また、圧縮成形体の成形毎に成形穴を清掃するが、型と油圧シリンダとの間のスペースが狭いので、長い清掃具を使うことができず、清掃作業に手間がかかった。また、清掃の際にも全押圧部材を油圧シリンダから取り外す必要がある。このため、清掃作業の作業性も著しく悪かった。
【0013】
また、原料を充填する際には、上側の垂直の成形穴から押圧部材を抜き出した後、油圧シリンダから取り外し、この成形穴に原料を供給する。そのため、押圧部材を油圧シリンダに対して取り外し、再連結する作業が必要であった。また、型と油圧シリンダの間のスペースが狭いため、原料充填作業がしづらかった。
【0014】
上記のような圧縮成形体の排出、清掃、原料充填の際の押圧部材の油圧シリンダから取り外しや再連結の作業は、油圧シリンダのストロークを長くすることにより省くことはできるが、そうすると装置の大型化を招いてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、圧縮成形体の製造方法において、一平面上において互いに交差して連なる複数の直線状の成形穴を有する型を、加工位置に位置させた状態で、これら成形穴にそれぞれ複数の押圧部材を挿入し、これら押圧部材を所定順序で加圧力を伴って前進させ、1つの押圧部材の前進に伴い他の1つの押圧部材を後退させることにより、成形穴内において主として金属のチップまたは粒状体を含む原料の微細化を行い、最後に1つの押圧部材を加圧力を伴って前進させることにより、原料を圧縮して圧縮成形体を得る加工工程と、上記加工工程の後に、上記押圧部材を上記型の成形穴から外す位置まで後退させ、上記型を上記加工位置から段取り位置まで上記成形穴が配置された平面と直交する方向に移動させる移動工程と、を実行することを特徴とする。
【0016】
上記方法によれば、加工位置とは異なる段取り位置で、加工工程の前または後の必要な作業を作業性良く行うことができる。
【0017】
好ましくは、上記移動工程の後に、上記型が段取り位置にある状態で、上記圧縮成形体を成形穴から排出する排出工程を実行する。これにより、加工位置から離れた段取り位置で圧縮成形体の排出を作業性良く行うことができる。
【0018】
好ましくは、上記加工工程に先立ち、上記段取り位置にある型の成形穴に原料を充填する原料充填工程と、原料が充填された型を上記段取り位置から加工位置まで移動させる移動工程とを実行する。これにより、加工位置から離れた段取り位置で原料の充填を作業性良く行うことができる。
【0019】
好ましくは、上記段取り位置において、上記排出工程と原料充填工程の間に、上記型の成形穴の清掃を行う。これにより、加工位置から離れた段取り位置で成形穴の清掃を作業性良く行うことができる。
【0020】
好ましくは、上記原料となる金属がマグネシウム合金やアルミニウム合金を含む軽金属である。
【0021】
さらに本発明は、圧縮成形体の製造装置において、
(ア)加工部と段取り部とを連設してなる本体と、
(イ)上記加工部と段取り部の連設方向と直交する平面上において、互いに交差して連なる複数の直線状の成形穴を有する型と、
(ウ)上記型を、上記加工部に対応する加工位置と上記段取り部に対応する段取り位置との間で直線的に移動する移動手段と、
(エ)上記加工位置にある型の成形穴にそれぞれ挿入される複数の押圧部材と、
(オ)上記本体の加工部に設けられて上記複数の押圧部材にそれぞれ連結され、これら押圧部材を所定順序で加圧力を伴って前進させ、1つの押圧部材の前進に伴い他の1つの押圧部材を後退させることにより、成形穴内において主として金属のチップまたは粒状体を含む原料の微細化を行い、最後に1つの押圧部材を加圧力を伴って前進させることにより、原料を圧縮して圧縮成形体を得る複数の駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、装置が大型で駆動手段による押圧部材のストロークが長く重くてもても、押圧部材を駆動手段から取り外したり再連結することなく、段取り位置にある型に対して、加工前または加工後の必要な作業を作業性良く行うことができる。
【0023】
好ましくは、上記移動手段は、上記本体に設けられたガイド手段と型のための駆動手段とを備え、このガイド手段は上記型を上記加工部と段取り部の連設方向に直線移動可能に案内し、上記駆動手段は型に連結され、上記押圧部材が型の成形穴から抜けた待機位置にある状態で、上記型を上記加工位置から上記段取り位置へ、上記段取り位置から上記加工位置へと移動させる。
【0024】
好ましくは、上記ガイド手段は上記本体に形成されたガイド穴を有し、このガイド穴は上記加圧部と段取り部の連設方向に直線的に延び、上記型はこのガイド穴に収容されガイド穴の軸線に沿ってスライド可能であり、上記加工部において上記ガイド穴を囲う周壁には、加工位置にある型の成形穴に連通するとともに、上記押圧部材を挿通させる挿通穴が形成され、上記段取り部において上記ガイド穴を囲う周壁には、段取り位置にある型の成形穴に連通する作業穴が形成されている。
この構成によれば、型をガイド穴に沿ってスライドさせることにより、安定して移動させることができる。また、加工部に形成した挿通穴により、押圧部材による加工に支障はなく、段取り部に形成した作業穴により、加工前後の作業に支障はない。
【0025】
好ましくは、上記ガイド穴は、上記本体の支持穴に嵌められた円筒形状のガイド筒の内部空間により提供され、上記型は円柱形状をなし、上記加工部と段取り部には、ガイド穴の両端を塞ぐ蓋が固定され、上記ガイド手段はさらにガイド棒を有し、このガイド棒は、上記ガイド筒の軸線と平行をなして上記型を貫通し、その両端が上記蓋に固定されており、上記移動手段は、一方の蓋に設けられそのロッド先端が上記型の端面に連結されている。
【0026】
上記成形穴が互いに90°の角度で交差して合計4つ形成されており、上記本体の段取り部には他の駆動手段が設けられ、当該他の駆動手段に上記押圧部材より長い排出ピンが連結され、上記型が段取り位置にある時に、上記排出ピンを一直線上に水平に配置された2つの成形穴に沿って前進させることにより、これら2つの成形穴のうち一方の成形穴に収容された圧縮成形体を型から排出する。
この構成によれば、押圧部材の駆動手段からの取り外し、再連結作業を伴わず、しかも長い排出ピンを用いるため、圧縮成形体の排出を効率よく行うことができる。
【0027】
好ましくは、上記型の移動方向が水平をなし、上記成形穴が配置される平面が垂直をなし、4つの成形穴のうち2つが垂直をなして一直線上に配置され、他の2つが水平をなして一直線上に配置され、上記段取り部の作業穴が上下左右に4つ形成され、下側の作業穴が栓により開閉されるようになっており、この栓が段取り部に設けられた昇降手段により昇降される。
この構成によれば、作業穴が上下左右の4箇所に形成されているので、清掃や点検等の作業がし易く、しかも栓で下側の作業穴を閉じることができるので、型が段取り位置にある時に原料充填を行うことができる。
【0028】
好ましくは、上記押圧部材のための駆動手段のロッド先端に連結手段を介して押圧部材の根元部が連結され、上記連結手段が、上記ロッド先端に固定された連結金具と、この連結金具に押圧部材の根元部を着脱可能に固定する固定具とを有し、上記連結金具には、上記成形穴が配置された平面と直交する方向に直線的に延びその一端が連結金具の周面に開口する装着穴が形成されるとともに、この装着穴の対峙する2つの内側面には装着穴の延び方向に延びる突条が形成され、上記押圧部材の根元部には一対の平取部が形成され、これら一対の平取り部に上記連結金具の突条を挿入することにより、上記押圧部材を上記装着穴の奥までスライドさせることができ、押圧部材は、この装着穴の奥で上記駆動手段のロッドと同一直線上に配置され、上記固定具により連結金具に固定される。
この構成によれば、上記形状の連結金具に押圧部材を簡単に位置決めして着脱可能に固定できるので、押圧部材の油圧シリンダへの連結、取り外し作業を簡単に行うことができる。
【0029】
上記固定具が上記装着穴の延び方向に延びるねじ棒からなり、このねじ棒は先端にねじ部を有し、この先端から離れた位置に段差を有しており、上記押圧部材の根元部を貫通し、その先端ねじ部を連結金具の装着穴の奥面に形成されたねじ穴にねじ込み、その段差で上記押圧部材の根元部の周面を押さえる。
この構成によれば、簡単な構造で押圧部材の連結金具への固定を行うことができる。
【0030】
好ましくは、上記型の移動方向が水平をなし、上記成形穴が配置される平面が垂直をなし、4つの成形穴のうち2つが垂直をなして一直線上に配置され、他の2つが水平をなして一直線上に配置され、これに対応して上下2本の押圧部材が垂直をなし、左右2本の押圧部材が水平をなし、さらに上記4本の押圧部材を対応する連結金具の装着穴へとそれぞれ案内する4つのガイド手段を備えており、上記水平をなす押圧部材のためのガイド手段は、押圧部材を水平に載せる移動台と、この移動台を上記段取り部に対して装着穴の延び方向に水平移動可能に案内するリニアガイドレールとを有し、上記垂直をなす押圧部材のためのガイド手段は、上記連結金具の外周に固定された一対のガイド部材を有し、これらガイド部材は、上記装着穴の一対の突条と一直線に連なるガイド部を有し、これら一対のガイド部に押圧部材の一対の平取り部を挿入した状態で、上記押圧部材はガイド部に沿ってスライドできる。
この構成によれば、押圧部材の自重を保持することなく連結金具の装着穴へと押圧部材を装着したり取り外すことができる。
なお、上記押圧部材のための連結手段やガイド手段は、型固定タイプの装置にも適用可能であるが、型移動タイプに適用すると、作業効率向上の相乗効果が得られる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、圧縮成形体の生産効率を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態をなす圧縮成形体製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1〜図4に示すように、この製造装置は本体10を備えている。本体10は加工部11と段取り部12とを水平軸線方向に一体に連設することにより構成されている。上記加工部11は図5に示すように十字形をなし、上記段取り部12は図6に示すようにL字形をなしている。
【0033】
図1〜図4に示すように、上記本体10は、加工部11の中央部および段取り部12にわたり、上記加工部11と段取り部12の連設方向に水平に延びる支持穴が貫通しており、この支持穴には円筒形状のガイド筒14が挿入固定されている。このガイド筒14は本体10の一部として提供され、その内部空間14aは本体10のガイド穴として提供される。
【0034】
本体10の加工部11側の端面と段取り部12側の端面には、上記ガイド穴14aの両端開口を塞ぐ蓋15,16が固定されている。
【0035】
上記ガイド筒14には、円柱形状の型20が収容されている。この型20の軸方向長さはガイド筒14の約半分であり、この型20はガイド筒14の軸線に沿ってスライド可能となっている。
【0036】
上記蓋16には油圧シリンダ29(駆動手段)が設けられ、この油圧シリンダ29のロッド先端が上記型20の端面に連結されている。この油圧シリンダ29の駆動により、型20が、図2、図4に示すように上記加工部11に対応する位置(加工位置)と、図1、図3に示すように段取り部12に対応する位置(段取り位置)との間で移動されるようになっている。
【0037】
上記型20には、ガイド筒14の軸線と平行をなすガイド棒17が挿通しており、このガイド棒17の両端は上記蓋15,16に固定されている。型20はこのガイド棒17により回動を禁じられている。
上記ガイド筒14とガイド棒17により、型20を案内するガイド手段13が構成され、このガイド手段13と上記油圧シリンダ29により、型20のための移動手段が構成されている。
【0038】
図5、図6に示すように、上記型20は4つの直線状の成形穴21〜24を有している。これら成形穴21〜24は同一径の断面円形をなしており、型20の中心において放射状をなして交わっている。これら成形穴21〜24の交差部を符号25で示す。
【0039】
これら成形穴21〜24は、加工部11側から見た時、この順序で時計回り方向に90°の角度間隔をなして同一平面上(ガイド筒14の軸線と直交する平面上)に配置されている。成形穴21と成形穴23は交差部25から上および下に垂直に延び、成形穴22,24は交差部25から右および左に水平に延びている。
【0040】
図1〜図5に示すように、上記本体10の十字形をなす加工部11は、上下左右に放射状に突出する放射部11aを有し、各放射部11aには作業用の空洞11bが形成されている。この加工部11の中央交差部には、上述したようにガイド穴14aが形成されており、このガイド穴14aを囲む加工部11の周壁(ガイド筒14を含む)には、型20が加工位置にある時に、成形穴21〜24と上記空洞11bを連通させる4つの挿通穴18が形成されている。
【0041】
図1〜図4および図6に示すように、上記L字形をなす段取り部12の水平部と垂直部には、それぞれ作業用の空洞12a,12bが形成されている。この段取り部12の交差部には、上述したようにガイド穴14aが形成されており、このガイド穴14aを囲む段取り部12の周壁(ガイド筒14を含む)には、段取り位置にある型20の成形穴21〜24に連なる4つの作業穴19が形成されている。
【0042】
図6に示すように、段取り部12側から見て右側の作業穴19は、段取り部12の水平部に形成された空洞12aに連なり、下側の作業穴19は段取り部12の垂直部の空洞12bに連なる。また、上側の作業穴19と左側の作業穴19は、段取り部12の交差部の上端面、左端面にそれぞれ開口している。
【0043】
図1〜図5に示すように、上記加工部11の4つの空洞11b内には、それぞれ押圧部材31〜34が配置されている。これら押圧部材31〜34は、直線状に延びており、型20が加工位置にある時、対応する成形穴21〜24と同一直線上に配置されている。これら押圧部材31〜34は、図には詳しく示さないが、丸棒と丸棒の先端にねじ結合等の手段で連結されたヘッドとからなり、このヘッドは上記成形穴21〜24とほぼ等しい断面形状を有している。
【0044】
上記押圧部材31〜34は、加工部11の放射部11aの端面に設けた油圧シリンダ35(駆動手段)により互いに独立して軸線方向に移動可能であり、後述する加工工程では成形穴21〜24に挿入された状態で前進、後退するようになっており、待機位置では成形穴21〜24から抜けるまで後退している。
【0045】
図3、図4、図6に示すように、上記本体10の段取り部12のL字形の水平部の空洞12a内には、上記押圧部材31〜34より長尺(約2倍)をなす排出ピン41が、水平をなして配置されている。この排出ピン41は、段取り部12の水平部の端面に設けられた油圧シリンダ42(駆動手段)により、水平方向に前進後退するようになっており、上記段取り位置にある型20の成形穴22、24と軸線が一致する。
【0046】
図3、図4、図6に示すように、上記本体10の加工部11の1つの水平放射部11aの背面には、受台45が固定されている。この受台45は、段取り部12の交差部から見て上記排出ピン41の反対側に配置されている。
【0047】
図1、図2、図6に示すように、上記段取り部12の垂直部の空洞12bには、栓51が配置されている。この栓51は、この垂直部に設けられた垂直をなす空圧シリンダ52(昇降手段)により昇降され、下側の作業穴19に挿入、離脱可能となっている。
【0048】
上記押圧部材31〜34は、補修または交換のため、油圧シリンダ35のロッド35aに対して着脱可能に連結されている。この連結手段60は、図1〜図5に示すように、油圧シリンダ35のロッド35aの先端に固定された連結金具61と、ねじ棒62(固定具)とを備えている。
【0049】
図7(A)、図8(A)に最も良く示すように、上記連結金具61は、上記ガイド筒14の軸線と平行に直線状に延びる装着穴61aを有している。この装着穴61aは、加工部11において段取り部12の反対側を向く端面に向かって開口している。この装着穴61aの互いに対峙する面には装着穴61aの延び方向に延びる突条61xが形成されている。また、装着穴61aの奥部の面は押圧部材31〜34の根元部と同径の円筒面をなす位置決め面61yとして提供される。
【0050】
図7(C)、図8(B)に最も良く示すように、上記ねじ棒62は、先端にねじ部62aを有し、先端から離れた位置に段差62bを有している。
【0051】
他方、図5、図7、図8に示すように、上記押圧部材31〜34の根元部には、互いに平行をなす一対の平取り部30xが形成されている。押圧部材31〜34は、この平取り部30xに上記突起61xが嵌った状態で、突条61xに沿ってスライド可能であり、装着穴61aの奥の位置決め面61yで位置決めされている。
【0052】
上記位置決め状態で、ねじ棒62を押圧部材31〜34の根元部に形成された貫通穴に水平に貫通させ、その先端ねじ部62aを上記連結金具61の装着穴61aの奥面(位置決め面61y)に形成されたねじ穴にねじ込み、上記段差62bを押圧部材31〜34の周面に押し付けることにより、押圧部材31〜34が連結金具61に連結される。
【0053】
なお、上記押圧部材31〜34には、根元部から離れた位置に上記平取り部30xと並行をなす一対の平取り部30yが形成されている。
【0054】
上記押圧部材31〜34は重量が大であるので、上記連結位置まで移動させるためのガイド手段が装備されている。最初に、水平をなす第2、第4の押圧部材32,34のためのガイド手段70について、図3、図4、図5、図7を参照しながら説明する。
【0055】
上記ガイド手段70は、加工部11の左右の放射部11aの空洞11bの底面に固定され、この放射部11aから水平に突出した固定台71と、この固定台71の上面に固定されて上記ガイド筒14の軸線と平行に延びるリニアガイドレール72と、このリニアガイドレール72により案内される移動台73とを有している。
【0056】
図7(A)に示すように、移動台73を加圧部11から突出させた状態で、押圧部材32,34を移動台73の手前側の端に載せる。この際、押圧部材32,34の平取り部30yを上記移動台71の水平をなす両側縁部に載せることにより、押圧部材32を安定させるとともに、装着穴61aの突条61xに対する位置決めを行う。
【0057】
次に、図7(B)に示すように、移動台73をリニアガイドレール72に沿って空洞11bの奥へと移動させ、次に、押圧部材32,34を移動台73上をスライドさせるようにして奥へと移動させる。この押圧部材32,34の移動の途中で押圧部材32,34の根元部が連結金具61の装着穴61aに入り込み、一対の平取り部30xが一対の突条61xに嵌り、押圧部材32,34はこれら突条61xに沿ってスライドされる。
【0058】
押圧部材32,34をさらに移動させると、図7(C)に示すように装着穴61aの奥の位置決め面61yに達する。この位置決め状態で、上述したようにねじ棒62により押圧部材32,34を連結金具61に固定する。
最後に、上記移動台73を手前に戻す。
【0059】
押圧部材32,34を連結金具61から取り外す場合には、上記と逆の順序で作業を行えばよい。
上記のようにして、押圧部材32,34をその重量を保持することなく人手により簡単に油圧シリンダ35に連結することができる。
【0060】
次に、下側の垂直をなす押圧部材33を連結位置まで移動させるためのガイド手段80について、図1、図5、図8を参照しながら説明する。連結金具61には互いに平行をなす一対の平取り部が形成され、この平取り部に一対のガイド部材81の基端部が固定されている。これらガイド部材81は、連結金具61からガイド筒14の軸線と平行をなして突出するガイド部81aを有している。
【0061】
上記一対のガイド部81aは垂直をなして互いにガイド筒14の軸線と直交する方向に対峙しており、先端に向かって幅(上下方向の寸法)が小さくなっている。一対のガイド部81a間の間隔は、ガイド部材81の基端部より狭く、連結金具61の一対の突条61x間の間隔と等しく、これらガイド部81aは対応する突条61xに略連なっている。
【0062】
また、加工部11の下側放射部11aにおいて、段取り部12の反対側の面には、載置台82が固定されている。
【0063】
図8(A)に示すように、押圧部材33を載置台82の水平をなす上面に立てた状態で載せ、若干量ガイド部81aの先端に向かって移動させる。これにより、押圧部材33の根元部の一対の平取り部30xに上記一対のガイド部81aが入り込み、押圧部材33の起立状態が安定する。
【0064】
次に、上記押圧部材33をガイド部81aに沿って奥に向かってスライドさせる。この際、押圧部材33の下端面は空洞11bの底面から浮いている。これにより、図8(B)に示すように、押圧部材33の平取り部30xはガイド部81aから連結金具61の突条61xに移り、装着穴61aの奥端に達する。この状態でねじ棒62により、押圧部材33を連結金具61に固定する。
【0065】
押圧部材33を油圧シリンダ35から取り外す作業は上記と逆の手順で行う。このように押圧部材33を一対のガイド部材81で支持し案内しながら水平にスライドさせることにより、押圧部材33の連結、取り外し作業を簡単に行うことができる。
【0066】
上側の垂直をなす押圧部材31を連結、取り外すためのガイド手段は、押圧部材33のためのガイド手段80と同様であるので、同番号を付してその説明を省略する。なお、押圧部材31のためのガイド手段80は、載置台82を備えていない。
【0067】
図3、図4、図6に示すように、上記排出ピン41の油圧シリンダ42への連結手段およびガイド手段は、押圧部材31〜34のための連結手段60および押圧部材32,34のためのガイド手段70と同様であるので、同番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0068】
排出ピン41は、押圧部材31〜34と同様に、根元部に一対の平取り部を有するとともに、これら平取り部から離れた他の一対の平取り部を有している。
【0069】
上記構成をなす装置を用いて、大気中、常温で以下の工程を実行する。用いられる原料Aは金属の細片状チップまたは粒状体からなる。本実施形態では、0.5mm〜5mm程度のマグネシウム合金の切削屑からなるチップを用いる。
【0070】
最初に、図9に示すように、型20を段取り位置に位置させ、空圧シリンダ52の動作により、栓51を上昇させて段取り部12の下側の作業穴19に挿入し、この作業穴19を塞ぐ。この状態で、上側の成形穴21から原料Aを充填する。この原料Aは、下側の成形穴23へと落下しここに蓄えられる。なお、原料Aの一部は交差部25や他の成形穴21,22,24の奥端に入り込む。
【0071】
次に、油圧シリンダ29を駆動させることにより、原料を充填された型20を段取り位置から加工位置まで移動させる。
【0072】
次に4つの油圧シリンダ35を駆動させて、待機位置にある押圧部材31〜34を加工部11の挿通穴18から型20の成形穴21〜24へと挿入する。
【0073】
次に、1つの押圧部材、例えば上側の押圧部材31を後退位置にし、他の押圧部材32〜34をそれぞれ成形穴22〜24の奥まで前進させて、原料Aを成形穴21に収容させ、この状態で上側の油圧シリンダ35を駆動させて押圧部材31を前進させることにより、原料Aを押し固め円柱形状の塊にする。
【0074】
引き続いて、上側の油圧シリンダ35を高い加圧力を持って第1押圧部材31を前進させる。この際、右側の油圧シリンダ35の油圧ロック状態を解除することにより、右側の押圧部材32は原料に押されて後退される。この際、押圧部材32に小さな背圧を掛けてもよいし、殆どフリーにしてもよい。
その結果、原料Aは成形穴21から交差部25を経て成形穴22へと90°向きを変えるようにして流動され、この過程で剪断力,摩擦力を付与されて微細化される。
【0075】
さらに上記と同様にして、押圧部材32を前進させて押圧部材33を後退させ、次に押圧部材33を前進させて押圧部材34を後退させ、次に押圧部材34を前進させて押圧部材31を後退させる。このように所定順序での押圧部材31〜34の前進、後退動作を所定サイクル実行することにより、原料Aを十分なレベルまで微細化する。
【0076】
次に、水平をなす成形穴22に原料Aを収容し、押圧部材31、33、33を油圧ロックにより前進位置で固定したまま、押圧部材32を高い加圧力を伴って前進させて圧縮成形体Bを得る。
【0077】
次に、図10に示すように、4つの油圧シリンダ35の全てを駆動させて押圧部材31〜34を型20から抜いて待機位置まで後退させる。
【0078】
次に、油圧シリンダ29を駆動して上記圧縮成形体Bを内蔵した型20を加工位置から段取り位置まで移動させる。
【0079】
次に、図11に示すように、油圧シリンダ42を駆動させて、排出ピン41を待機位置から前進させ、水平をなす成形穴24および成形穴22に通し、成形穴22に収容された圧縮成形体Bを排出する。成形穴22から排出された圧縮成形体Bは、受台45に載る。
【0080】
上記のようにして、原料Aの充填から圧縮成形体Bの取り出しまでの工程が終了する。この後、再び原料Aの充填を行うが、圧縮成形体Bの排出の度に、成形穴21〜24の清掃を行うのが好ましい。清掃を行う場合、図12に示すように空圧シリンダ52を駆動して栓51を下降させ、下側の作業穴19を開放する。これにより、全ての成形穴21〜24の外端が段取り部12の作業穴19を介して開放される。この状態で、長尺のブラシ90を水平にして成形穴22,24を清掃したり、垂直にして成形穴21,23を清掃する。
【0081】
上記説明から明らかなように、原料充填、圧縮成形体の排出、清掃の際に押圧部材31〜34を油圧シリンダ35から取り外したり再連結する必要がなく、圧縮成形体の生産効率を大幅に向上させることができる。これら押圧部材31〜34は補修や交換の時にのみ油圧シリンダ35から取り外し再連結するが、その作業も前述したように簡単に行うことができる。
【0082】
本発明は上記実施形態に制約されず種々の形態を採用可能である。例えば、上記実施形態では、マグネシウム合金だけで圧縮成形体を製造したが、マグネシウム合金を主原料(母材)として添加材を加えてもよいことは勿論である。添加材としては、例えばAl,SiC,MgSi等がある。これら添加材は数10ミクロン以下の粉末とするのが好ましい。
【0083】
マグネシウム合金の代わりにアルミニウム合金等の軽金属を用いてもよいし、軽金属以外の金属を用いてもよい。金属材料は、細片状ではなく粒体状であってもよい。
【0084】
本発明において、微細化工程のサイクル間に補助的な工程を介在させてもよい。
本体の加工部と段取り部の並び方向、すなわち型の移動方向は垂直であってもよい。この場合、型の4つの成形穴は水平面上に配置される。
上記油圧シリンダ29,35,42および空圧シリンダ52の代わりに、水圧シリンダや電動ボールスクリュージャッキ等を用いてもよい。
型の形状は円柱に限らず、4角、8角等の角柱であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態をなす圧縮成形体の製造装置の縦断面図であり、型が段取り位置にある状態を示す。
【図2】同製造装置の縦断面図であり、型が加工位置にある状態を示す。
【図3】同製造装置の平断面図であり、型が段取り位置にある状態を示す。
【図4】同製造装置の平断面図であり、型が加工位置にある状態を示す。
【図5】同製造装置を加工部側から見た正面図である。
【図6】同製造装置を段取り部側から見た背面図である。
【図7】(A)〜(C)は、同製造装置の加工部で用いられる水平な押圧部材を油圧シリンダへ連結する作業を、順を追って説明する側面図である。
【図8】(A),(B)は、同製造装置の加工部で用いられる垂直の下側の押圧部材を油圧シリンダへ連結する作業を、順を追って説明する平面図である。
【図9】段取り位置にある型に原料を充填した状態を示す要部概略縦断面図である。
【図10】圧縮成形体を得た後、加工位置にある型から押圧部材を抜き出して待機位置まで後退させた状態を示す要部概略縦断面図である。
【図11】段取り位置にある型から排出ピンにより圧縮成形体を排出した状態を示す要部概略縦断面図である。
【図12】段取り位置にある型の成形穴を清掃している状態を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
【0086】
10 本体
11 加工部
12 段取り部
13 ガイド手段
14a ガイド穴
14 ガイド筒
15,16 蓋
17 ガイド棒
18 加工部の挿通穴
19 段取り部の作業穴
20 型
21〜24 成形穴
25 成形穴の交差部
29 油圧シリンダ(移動手段)
30x、30y 押圧部材の平取り部
31〜34 押圧部材
35 油圧シリンダ(駆動手段)
41 排出ピン
42 油圧シリンダ(駆動手段)
51 栓
52 空圧シリンダ(昇降手段)
60 連結手段
61 連結金具
61a 装着穴
61x 突条
61y 位置決め面
62 ねじ棒(固定具)
62a ねじ棒のねじ部
62b ねじ棒の段差
70 ガイド手段
72 リニアガイドレール
73 移動台
80 ガイド手段
81 ガイド部材
81a ガイド部
90 長尺ブラシ等の清掃具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一平面上において互いに交差して連なる複数の直線状の成形穴を有する型を、加工位置に位置させた状態で、これら成形穴にそれぞれ複数の押圧部材を挿入し、これら押圧部材を所定順序で加圧力を伴って前進させ、1つの押圧部材の前進に伴い他の1つの押圧部材を後退させることにより、成形穴内において主として金属のチップまたは粒状体を含む原料の微細化を行い、最後に1つの押圧部材を加圧力を伴って前進させることにより、原料を圧縮して圧縮成形体を得る加工工程と、
上記加工工程の後に、上記押圧部材を上記型の成形穴から外す位置まで後退させ、上記型を上記加工位置から段取り位置まで上記成形穴が配置された平面と直交する方向に移動させる移動工程と、
を実行することを特徴とする圧縮成形体の製造方法。
【請求項2】
上記移動工程の後に、上記型が段取り位置にある状態で、上記圧縮成形体を成形穴から排出する排出工程を実行することを特徴とする請求項1に記載の圧縮成形体の製造方法。
【請求項3】
上記加工工程に先立ち、上記段取り位置にある型の成形穴に原料を充填する原料充填工程と、原料が充填された型を上記段取り位置から加工位置まで移動させる移動工程とを実行することを特徴とする請求項2に記載の圧縮成形体の製造方法。
【請求項4】
上記段取り位置において、上記排出工程と原料充填工程の間に、上記型の成形穴の清掃を行うことを特徴とする請求項3に記載の圧縮成形体の製造方法。
【請求項5】
上記原料となる金属がマグネシウム合金やアルミニウム合金を含む軽金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
【請求項6】
(ア)加工部と段取り部とを連設してなる本体と、
(イ)上記加工部と段取り部の連設方向と直交する平面上において、互いに交差して連なる複数の直線状の成形穴を有する型と、
(ウ)上記型を、上記加工部に対応する加工位置と上記段取り部に対応する段取り位置との間で直線的に移動する移動手段と、
(エ)上記加工位置にある型の成形穴にそれぞれ挿入される複数の押圧部材と、
(オ)上記本体の加工部に設けられて上記複数の押圧部材にそれぞれ連結され、これら押圧部材を所定順序で加圧力を伴って前進させ、1つの押圧部材の前進に伴い他の1つの押圧部材を後退させることにより、成形穴内において主として金属のチップまたは粒状体を含む原料の微細化を行い、最後に1つの押圧部材を加圧力を伴って前進させることにより、原料を圧縮して圧縮成形体を得る複数の駆動手段と、
を備えたことを特徴とする圧縮成形体の製造装置。
【請求項7】
上記移動手段は、上記本体に設けられたガイド手段と型のための駆動手段とを備え、このガイド手段は上記型を上記加工部と段取り部の連設方向に直線移動可能に案内し、上記駆動手段は型に連結され、上記押圧部材が型の成形穴から抜けた待機位置にある状態で、上記型を上記加工位置から上記段取り位置へ、上記段取り位置から上記加工位置へと移動させることを特徴とする請求項6に記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項8】
上記ガイド手段は上記本体に形成されたガイド穴を有し、このガイド穴は上記加圧部と段取り部の連設方向に直線的に延び、上記型はこのガイド穴に収容されガイド穴の軸線に沿ってスライド可能であり、
上記加工部において上記ガイド穴を囲う周壁には、加工位置にある型の成形穴に連通するとともに、上記押圧部材を挿通させる挿通穴が形成され、
上記段取り部において上記ガイド穴を囲う周壁には、段取り位置にある型の成形穴に連通する作業穴が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項9】
上記ガイド穴は、上記本体の支持穴に嵌められた円筒形状のガイド筒の内部空間により提供され、上記型は円柱形状をなし、
上記加工部と段取り部には、ガイド穴の両端を塞ぐ蓋が固定され、
上記ガイド手段はさらにガイド棒を有し、このガイド棒は、上記ガイド筒の軸線と平行をなして上記型を貫通し、その両端が上記蓋に固定されており、
上記移動手段は、一方の蓋に設けられそのロッド先端が上記型の端面に連結されていることを特徴とする請求項8に記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項10】
上記成形穴が互いに90°の角度で交差して合計4つ形成されており、上記本体の段取り部には他の駆動手段が設けられ、当該他の駆動手段に上記押圧部材より長い排出ピンが連結され、
上記型が段取り位置にある時に、上記排出ピンを一直線上に水平に配置された2つの成形穴に沿って前進させることにより、これら2つの成形穴のうち一方の成形穴に収容された圧縮成形体を型から排出することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項11】
上記型の移動方向が水平をなし、上記成形穴が配置される平面が垂直をなし、4つの成形穴のうち2つが垂直をなして一直線上に配置され、他の2つが水平をなして一直線上に配置され、
上記段取り部の作業穴が上下左右に4つ形成され、下側の作業穴が栓により開閉されるようになっており、この栓が段取り部に設けられた昇降手段により昇降されることを特徴とする請求項8に記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項12】
上記押圧部材のための駆動手段のロッド先端に連結手段を介して押圧部材の根元部が連結され、
上記連結手段が、上記ロッド先端に固定された連結金具と、この連結金具に押圧部材の根元部を着脱可能に固定する固定具とを有し、
上記連結金具には、上記成形穴が配置された平面と直交する方向に直線的に延びその一端が連結金具の周面に開口する装着穴が形成されるとともに、この装着穴の対峙する2つの内側面には装着穴の延び方向に延びる突条が形成され、
上記押圧部材の根元部には一対の平取部が形成され、これら一対の平取り部に上記連結金具の突条を挿入することにより、上記押圧部材を上記装着穴の奥までスライドさせることができ、押圧部材は、この装着穴の奥で上記駆動手段のロッドと同一直線上に配置され、上記固定具により連結金具に固定されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項13】
上記固定具が上記装着穴の延び方向に延びるねじ棒からなり、このねじ棒は先端にねじ部を有し、この先端から離れた位置に段差を有しており、上記押圧部材の根元部を貫通し、その先端ねじ部を連結金具の装着穴の奥面に形成されたねじ穴にねじ込み、その段差で上記押圧部材の根元部の周面を押さえることを特徴とする請求項12に記載の圧縮成形体の製造装置。
【請求項14】
上記型の移動方向が水平をなし、上記成形穴が配置される平面が垂直をなし、4つの成形穴のうち2つが垂直をなして一直線上に配置され、他の2つが水平をなして一直線上に配置され、これに対応して上下2本の押圧部材が垂直をなし、左右2本の押圧部材が水平をなし、
さらに上記4本の押圧部材を対応する連結金具の装着穴へとそれぞれ案内する4つのガイド手段を備えており、
上記水平をなす押圧部材のためのガイド手段は、押圧部材を水平に載せる移動台と、この移動台を上記段取り部に対して装着穴の延び方向に水平移動可能に案内するリニアガイドレールとを有し、
上記垂直をなす押圧部材のためのガイド手段は、上記連結金具の外周に固定された一対のガイド部材を有し、これらガイド部材は、上記装着穴の一対の突条と一直線に連なるガイド部を有し、これら一対のガイド部に押圧部材の一対の平取り部を挿入した状態で、上記押圧部材はガイド部に沿ってスライドできることを特徴とする上記請求項12または13に記載の圧縮成形体の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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