圧電振動デバイスの周波数調整方法
【課題】 小型の圧電振動片においても充分な調整量を確保し、効率的な周波数調整を行うことができる圧電振動デバイスの周波数調整方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 周波数調整工程は、音叉型圧電振動片1の腕部2の主面側に形成された調整用金属膜4の大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって周波数の微調整を行う微調整工程とからなる。
【解決手段】 周波数調整工程は、音叉型圧電振動片1の腕部2の主面側に形成された調整用金属膜4の大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって周波数の微調整を行う微調整工程とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に用いられる圧電振動デバイスの周波数調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時計等のクロック源として広く用いられている音叉型水晶振動子は、図9に示すように基部3と、当該基部の一端側から一方向に並行して延出された一対の振動腕2,2(以下、腕部と略記)とからなる音叉型水晶振動片1(以下、振動片と略記)の基部が、上部が開口した箱状の筐体(図示省略)内部に、接合材を介して接合され、さらに前記開口部分を、平板状の蓋(図示省略)で気密封止した表面実装構造のものが一般的である。なお、前記腕部は、腕部の表裏の2つの主面と、腕部の内側と外側の2つの側面とを有している。
【0003】
前記音叉型水晶振動子の製造工程の中に、周波数調整工程と呼ばれる工程がある。周波数調整工程は、所定の周波数範囲内に振動片の周波数を移行さるために、腕部先端領域に形成される調整用金属膜に対して、レーザービーム等を照射して当該調整用金属膜の質量削減を行う工程である。音叉型水晶振動片の発振周波数は、前記調整用金属膜の質量を削減することで上昇するが、前記調整用金属膜内においても先端部分と、先端部分から腕部の根元方向に離間した部分とでは、質量削減に対する周波数変化量(感度)が異なる。つまり、先端部分では感度が高くなっている(同一の質量では、先端部分の方が、先端部分から離間した部分よりも周波数変化量が大きい)。このことから、図9のように調整用金属膜を、腕部伸長方向に2つの領域に分割し、腕部先端に近い方の領域を粗調整領域(41)、腕部先端から遠い方の領域を微調整領域(42)としている。このような調整用金属膜の構成は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−195952号
【0005】
前記調整用金属膜を、レーザービームを用いて削減(レーザートリミング)する場合を、図10を参照して説明する。まず、粗調整領域に対して腕部一主面の上方からレーザービームを照射するとともに、腕幅と平行方向(腕部伸長方向と直交する方向)で一方向(図10では紙面に垂直方向で、奥から手前に向う方向となっている)に走査する。そして、レーザービームは調整用金属膜の領域内で、腕部先端側から腕部根元に向う方向に走査位置を移動させながら行われていく。このとき、粗調整での目標周波数範囲に到達するまでレーザービームが走査されるが、粗調整の完了後であっても、粗調整領域の金属膜が全て削減されるとは限らず、一部領域だけが削減されて、他の領域は残存した状態となることがある。同様に、微調整領域についても、微調整の完了後であっても、微調整領域の一部領域が残存した状態となることがある。この状態を表した図が図11である。
【0006】
ところで近年、音叉型水晶振動片の小型化の進行により、前述のようにレーザービームで調整用金属膜の質量削減を行うだけでは充分な調整領域(調整量)を確保することが困難になってきており、レーザートリミングした後に、当該調整用金属膜の上に真空蒸着法によって、さらに金属膜を成膜(厚膜化)し、厚膜化された金属膜に対してレーザービームを照射して質量削減を行うといった作業を繰り返し行う必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、レーザートリミングと蒸着による成膜を繰り返し行うことは生産効率の悪化に繋がるとともに、厚膜化した金属膜に対してレーザービームを照射すると、削減される金属の質量も増大するため、微調整(少量削減)を行うのが困難になってくる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、小型化に対応し、効率良く周波数調整を行うことができる圧電振動デバイスの周波数調整方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、音叉型圧電振動片の腕部先端領域に形成された調整用金属膜の質量を減じることによって周波数調整を行う、圧電振動デバイスの周波数調整方法であって、前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の、大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって、周波数の微調整を行う微調整工程とからなる圧電振動デバイスの周波数調整方法であるので、周波数調整領域、すなわち腕部の主面側の調整用金属膜が形成された領域を、有効活用して周波数調整を行うことができる。これは、本発明では粗調整領域が従来のように区画化されて制限されていないため、従来の微調整領域をも含めた領域を使って調整(金属膜の削減)を行うことができるためである。したがって、調整量を確保するために、調整用金属膜の質量削減後に再度、金属膜を成膜する必要がなくなり、生産効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の周波数調整方法によると、前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行うため、充分な調整量(金属膜の削減量)を確保することができる。そのため、従来のような調整用金属膜の質量削減後の再成膜が不要となり、調整用金属膜が厚膜化されない。そして、薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって微調整を行うので、少量の金属膜の削減が可能となり、より高精度で効率的な周波数調整を行うことが可能となる。
【0011】
さらに、本発明の周波数調整方法によると、粗調整工程の後に、目標の周波数範囲までの調整量に応じて、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域を薄肉化するので、従来の粗調整領域(腕部の先端寄りの領域)の薄肉化領域も活用して微調整を行うことができる。例えば、質量削減に対する周波数変化量(感度)が良い,腕部先端付近の調整用金属膜の薄肉化領域に対して、さらに薄肉化を行う,または除去することによって、少量の削減量で目標の周波数範囲に到達させることができるため、周波数調整の効率が向上する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、請求項2の発明によると、前記粗調整工程と前記微調整工程とを、レーザーを用いて行うことを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法であるので、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化する際に、高効率で少量の金属膜の削減が可能となる。
【0013】
また、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域の除去も、レーザーを用いることで効率良く行うことができる。これは、レーザー以外の手段によって調整用金属膜の薄肉化または除去する場合に比べ、多くの工程を要しないことから短時間で調整が行え、効率的な調整が可能となるからである。
【0014】
また、上記目的を達成するために、請求項3の発明によると、出力を抑制してレーザービームを前記調整用金属膜に照射し、薄肉化または除去することを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法であるため、前記薄肉化領域を容易に形成することができる。
【0015】
つまり、薄肉領域(残渣部)を形成する場合は、レーザービームの出力を調整用金属膜の削減可能なエネルギーレベルで抑制して、腕部の一主面側の調整用金属膜に照射することで、当該調整用金属膜を完全に除去することなく、薄肉領域(残渣部)を形成することができる。また、調整用金属膜を完全に除去する場合は、レーザービームの出力抑制量を低減することでも対応可能である。
【0016】
また、上記目的を達成するために、請求項4の発明によると、前記粗調整工程において、出力を可変させてレーザービームを前記調整用金属膜に照射して薄肉化し、薄肉化された領域内に段部を形成することを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法となっている。つまり、レーザービームの出力を、調整用金属膜の削減可能なエネルギーレベルで可変(抑制)させて、腕部の一主面側の調整用金属膜に対して照射することで、調整用金属膜の薄肉化された領域に段差(厚み高低差)を形成することができる。
【0017】
前述のように、段差を形成することで薄肉化領域内にも高低差が発生するので、目的の周波数範囲までの調整量の多少に応じて、調整用金属膜の前記薄肉化領域の、さらなる薄肉化もしくは除去を、領域を選択して行うことができる。すなわち、粗調整工程後において、目標の周波数範囲までの調整量が多い場合は、薄肉化領域内の高地領域(薄肉化された領域内における厚肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよく、逆に目標の周波数範囲までの調整量が少ない場合は、薄肉化領域内の低地領域(薄肉化された領域内における薄肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよい。このとき、低地領域を腕部先端に近い側に、高地領域を腕部先端から遠い側に形成すると、調整感度の高い側が薄肉で、調整感度の低い側が厚肉となり、より効率的な周波数調整が行えるので好適である。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、小型化に対応し、効率良く周波数調整を行うことができる圧電振動デバイスの周波数調整方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
−第1の実施形態−
以下、音叉型水晶振動子を例に挙げて、本発明による第1の実施形態について、周波数調整工程を中心に説明する。本実施形態で使用される音叉型水晶振動子は、音叉型水晶振動片が、上部が開口した筐体内部の搭載電極上に金属バンプを介して接合され、前記開口部を、封止材を介して板状の蓋体で接合した構成となっている。ここで、本実施形態では音叉型水晶振動子の公称周波数は32.768kHzとなっている。なお、前記公称周波数は一例であり、他の周波数にも適用可能である。
【0020】
前述の筐体(図示せず)はセラミックからなる容器体であり、焼成によって形成されている。前記筐体は、上部が開口した断面視凹形状で、当該筐体の内部には音叉型水晶振動片を搭載するための段差部が形成されている。そして前記段差部の上面には、一対の搭載電極が印刷技術により形成されている。前記搭載電極はタングステンを印刷焼成した後に、表面に金メッキ処理が施されている。搭載電極は、筐体内部に形成された配線導体(図示せず)を介して筐体底面(裏面)に形成されている外部端子(図示せず)と電気的に接続されている。筐体の開口部の周囲には堤状の直立体が環状に形成されており、当該直立体の上面には複数層からなる金属膜が周状に形成されている。前記金属膜は3層から構成されており、下からタングステン、ニッケル、金の順で積層されている。タングステンはメタライズ技術により、セラミック焼成時に一体的に形成され、ニッケル、金の各層はメッキ技術により形成される。なお、前記タングステンの層にモリブデンを使用してもよい。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の集合体の平面図である。なお、図1において各音叉型水晶振動片の腕部および基部に形成される各種電極の記載は省略している。音叉型水晶振動片1は、一対の腕部2,2と、基部3とからなり、平面視矩形状の1枚の水晶ウエハ11(以下ウエハと略記)から、多数個の音叉型水晶振動片1,1・・・(以下、振動片と略記)が形成されている。本実施形態では、1枚のウエハから数千個の振動片が一括形成されている。なお、前記振動片の形成数は一例であり、1枚のウエハから数百個から数千個の振動片の一括形成も可能である。
【0022】
前記振動片の外形は、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジストまたは金属膜をマスクとしてエッチングによって一括的に成形されている。また、図1では図示していないが、振動片1の腕部2,2および基部3には各種電極(金属膜)が、真空蒸着とフォトリソグラフィ技術を用いて所定形状に形成されている。具体的には、前記各種電極の内、腕部2,2に各々形成されている電極は、主面電極(表面および裏面)および側面電極(内側面および外側面)とから構成されており、クロム(Cr)を下地とし、その上層に金(Au)が積層された構成となっている。一方、基部3の表裏両面には金からなる一対の接合電極が、前記腕部2,2の電極の形成と同時に形成されている。したがって、前記接合電極もクロムを下地層として、その上層に金が成膜された構成となっている。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態を示す振動片の平面図である。なお、図2では腕部および基部に形成されている前記各種電極の記載は省略している。各振動片の腕部2,2の先端領域には、周状に金属膜が前述の電極と同様の層構成で形成されている。そして、当該金属膜の上層には、周波数を調整するための調整用金属膜4,4が周設されている。調整用金属膜4,4は、腕部の外側面にある外側面金属膜(図示せず)と、腕部の表主面にある表主面金属膜(図示せず)、同裏主面の裏主面金属膜(図示せず)、同内側面の内側面金属膜(図示せず)とで構成されている。本実施形態では前記調整用金属膜に金が用いられており、電解メッキ法によって成膜されている。なお、前記調整用金属膜は電解メッキ法以外に、真空蒸着法を用いて成膜してもよい。
【0024】
前記ウエハ11内の多数個の振動片1,1・・・の周波数は、各振動片に各種電極が付加されることによって、各種電極を付加する前の周波数よりも低下する。そして、前記調整用金属膜4,4が腕部先端領域に成膜されることによって、さらに周波数が低下する。本発明において、前記調整用金属膜4,4は粗調整領域と微調整領域とに区画化されていない。つまり、腕部主面の調整用金属膜の全領域が主たる調整対象範囲となる。以下、周波数調整工程について、図を基に説明していく。
【0025】
まず、ウエハ11の多数個の振動片1,1・・・の周波数を測定し、粗調整における目標周波数範囲(粗調整周波数規格)までの必要調整量(周波数変化量)を求めておく。そして、レーザービームを各腕部2,2の先端付近の一主面(表主面)上にある調整用金属膜4の大部分または全領域に対して照射し、当該調整用金属膜の質量を削減する(粗調整工程)。なお、前記レーザービームによる調整用金属膜の質量削減は、図2に示すようにレーザービームを調整用金属膜に対して、一方向(左側から右側へ)で直線状に走査するとともに、腕部先端側から離間する方向に走査位置を移動させながら行われる。なお、本実施形態では周波数を測定した後にレーザービームを照射しているが、周波数測定とレーザービームの照射を同時に行ってもよい。
【0026】
本実施形態では、前記レーザービーム照射時の出力は、従来の周波数調整時のレーザービームの出力に比べて、抑制された状態となっている。具体的には、本実施形態では従来出力の90%程度の出力で照射されている。このようにレーザービームの出力を抑制することで、表主面側の調整用金属膜が完全に削減(除去)されずに残留(薄肉化)した状態にすることができる。つまり、本実施形態においてレーザービームの出力抑制は、調整用金属膜の薄肉領域(以下、残渣部と称す)を形成することが目的であり、前述の従来出力比率(90%)に限定されるものではない。すなわち、前記残渣部を形成することができるようなレーザー出力に設定されていればよい。また、本実施形態においてレーザービームは、水平状態に設置された水晶ウエハ11に対して鉛直方向から照射されている。なお、本発明は前記方向からのレーザー照射だけに限定されるものではなく、調整用金属膜の残渣部を形成することができればレーザービームの照射方向は問わない。さらに、本実施形態ではレーザービームを使用しているが、レーザービーム以外の質量削減手段を使用してもよい。
【0027】
前述の粗調整工程が終わった後の状態を図3乃至図4に示す。図3は粗調整後の腕部先端領域を示す平面図であり、図4は図3におけるB−B線における断面図である。なお、図3は説明の便宜上、一対の腕部2,2の内、1本の腕部先端領域を平面図で表したものである。図3に示すように、腕部主面の調整用金属膜4には、出力が抑制されたレーザービームの照射によって、残渣部5が形成されている。本実施形態において、残渣部5は腕部主面上の調整用金属膜の大部分の領域を占めるように形成されている。なお、残渣部の形成領域は腕部主面上の調整用金属膜の大部分だけでなく、全領域に及んでいてもよい。
【0028】
本実施形態では、腕部主面の調整用金属膜4の領域の内、腕部先端からレーザービームの走査が開始されており、前記調整用金属膜の腕部先端から最も離間した周縁部分より手前の位置に亘って、レーザーが走査されている。したがって、図4に示すように断面視では、凹状に調整用金属膜4の一部が薄肉化された状態(残渣部5)となっている。このとき、腕部の表主面の上方から、表主面金属膜に照射されたレーザービームの一部は、残渣部5を通過し、水晶振動片2の内部を透過した後、裏主面金属膜にまで到達して当該裏主面金属膜の一部の質量が削減される場合がある。また、前記残渣部の表面にはレーザービームの照射条件によって凹凸が形成されることもある。このようにレーザーの出力が予め抑制されているため、腕部主面側の調整用金属膜の大部分を薄肉化しても、削減される金属膜の質量が過多とならず、周波数規格を逸脱しにくい。したがって、従来の周波数の粗調整方法に比べ、調整用金属膜の形成領域を有効活用することができる。なお、レーザービームの照射開始位置は、腕部主面の調整用金属膜4の領域内で、腕部先端から離間した位置であってもよい。
【0029】
また、本発明の周波数調整方法は、前記腕部の主面側に形成された調整用金属膜の大部分を薄肉化して周波数の粗調整を行うので、充分な調整量(金属膜の削減量)を確保することができる。そのため、従来のような調整用金属膜の質量削減後の再成膜が不要となり、調整用金属膜が必要以上に厚膜化されない。これによって、金属物質の使用量を低減することができる。
【0030】
前記粗調整工程が終了すると、図4に示すように残渣部5の一部領域に対して、レーザービームを照射し、当該残渣部の厚みをさらに薄肉化することによって周波数の微調整が行われる(微調整工程)。図5は、図4において微調整工程後の状態を示した断面図であり、レーザービームが照射された領域の残渣部は除去されており、微調整工程でレーザービームが照射されなかった領域の残渣部はそのまま残存した状態となっている。このように、本発明における微調整工程では、前工程の粗調整工程で充分な調整量が確保されているため、僅かな調整量で振動片の周波数調整を行うことができる。また、目標周波数範囲(微調整周波数規格)までの必要調整量に応じて、残渣部5に対する削減領域を任意に選択することで、より効率的な周波数調整を行うことが可能となる。つまり、金属膜の質量削減による周波数変化量(感度)の差を利用する。例えば、腕部の先端に近い領域の残渣部に対して集中的にレーザービームを照射することによって、主面の調整用金属膜内の腕部先端から離間した領域の残渣部にレーザービームを照射するよりも、少ない削減量で大きな周波数調整効果を得ることができる。なお、前記微調整工程において、残渣部5の一部領域だけでなく、残渣部の全領域に対してレーザービームを照射してもよい。さらに微調整工程で、残渣部5の金属膜を薄肉化するだけでなく、完全に除去してしまってもよい。
【0031】
本発明によると、腕部先端領域の周波数調整用の金属膜が、従来のように区画化されて調整領域が制限されていないため、周波数の粗調整を従来の微調整領域をも含めた領域を使って調整(質量の削減)を行うことができる。したがって、調整量確保のために調整用金属膜の質量削減後に再度、金属膜を成膜する工程が不要となり、生産効率を向上させることができる。
【0032】
以上のようにして、ウエハ11内の全ての振動片1,1・・・に対する周波数調整が完了すると、所定の工程を経た後に、ウエハ11から個片状態の振動片1,1に分割される。
【0033】
分割された振動片1は、当該振動片の基部3に形成されている一対の接合電極が、筐体の内部の一対の搭載電極上に、金属バンプを介して接合される。
【0034】
個片の振動片1が筐体内部に接合された後に、さらなる周波数の最終微調整が行われる。前記最終微調整はイオンエッチングによって行われる。イオンビームはレーザービームよりも広範囲の領域に対して照射される。すなわちレーザービームは点の連続照射によって線状に走査されるのに対し、イオンビームは一定面積を有した状態で面状に照射される。
【0035】
このとき、例えば周波数微調整工程後においても、調整用金属膜4の残存(薄肉)領域が多い(残存面積が大きい)場合は、イオンエッチングによる周波数の最終微調整に好適である。調整用金属膜の一部が前記周波数微調整工程で完全除去され、周波数調整対象領域に水晶素地が露出している部分が多い場合、(水晶素地領域には金属膜が存在しないため)残存している調整用金属膜に対してイオンビームを照射して、当該金属膜の質量をより効率的に削減するには、イオンビームの出力を高めて照射する必要があり、これによって振動片が高温状態となって周波数のバラツキが拡大してしまう。しかし、周波数微調整工程後において、調整用金属膜4の残存領域が多い(残存面積が大きい)と、イオンビームによって削減される質量を多く確保することができる。つまり、イオンビームの出力を低下させて照射しても、充分な調整量(金属膜の削減量)を得ることができるので、振動片が高温になるのを防止することができる。したがって、周波数のバラツキ拡大を抑制することができ、イオンエッチングによる周波数の最終微調整に好適である。
【0036】
そして、所定の工程を経た後、平板状で金属からなる蓋体の外周が、筐体の直立体の上面と略一致するようにして載置される。なお、前記蓋体の筐体との接合面と、筐体の直立体の上面には周状に封止材が形成されている。そして、レーザーを蓋体上方から照射して、前記封止材を溶融させることによって、蓋体と筐体とを気密接合する。以上で音叉型水晶振動子が完成となる。なお、本実施形態では振動片と筐体との接合材として金属バンプを用いているが、金属バンプ以外に、ペースト状の導電性接着材を使用してもよい。
【0037】
−第2の実施形態−
本実施形態における第2の実施形態を、図6を用いて説明する。図6は本発明の第2の実施形態を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図であり、簡略化のために一対の腕部2、2の内、1本の腕部2について表示している。なお、図6において音叉振動片に形成される各種電極の記載は省略している。また、第1の実施形態と同様の構成については、同番号を付して説明を割愛するとともに、前述の実施形態と同様の効果を有する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、周波数の粗調整工程時に、レーザーの出力が抑制された状態で調整用金属膜に照射されるが一定の出力ではない。すなわち、粗調整工程ではレーザーの出力が調整用金属膜4の削減可能な出力レベル内で、2段階に設定されている。これにより、図6に示すように調整用金属膜4は断面視では、残渣部の形成深度に差異(段差)が生じている。つまり、薄肉化された領域内に、深さの異なる2つの領域S1、S2が形成され、前記2つの領域の境界には段差(段部6)が形成されている。領域S2は、領域S1に対するレーザーの出力よりも更に出力が抑制されて照射されておるため、領域S1の厚みよりも厚くなっている。なお、領域S2の厚みは、第1の実施形態の粗調整工程で形成される残渣部よりも厚膜状態となっている。
【0039】
前述の粗調整工程の後、水晶ウエハ内の各振動片に形成された残渣部5に対して、所定の周波数規格(微調整周波数規格)までの必要調整量に応じ、レーザービームを照射して微調整を行う。このとき、各振動片の残渣部に対するレーザービームの照射は、当該振動片の周波数規格までの必要調整量に応じて、S1あるいはS2のいずれかの領域、あるいはS1とS1の両方の領域に対して行う。このようにしてレーザービームを照射して、残渣部5を、さらに薄肉化もしくは除去して周波数の微調整を行う。
【0040】
上記のように残渣領域内に、厚みの異なる領域(段部6)を形成することによって、目標の周波数範囲までの必要調整量に応じて、残渣部5のさらなる薄肉化もしくは除去の領域を選択して行うことができる。すなわち、粗調整工程後において、目標の周波数範囲までの調整量が多い場合は、薄肉化領域内の高地領域S2(薄肉化された領域内における厚肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよく、逆に目的の周波数範囲までの調整量が少ない場合は、薄肉化領域内の低地領域S1(薄肉化された領域内における薄肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよい。つまり本実施形態のように、低地領域S1を腕部先端に近い側に、高地領域を腕部先端から遠い側に形成すると、調整感度の低い側が厚肉となり、レーザービームによる質量削減の自由度が増し、より効率的な周波数調整が行うことができる。
【0041】
第2の実施形態の変形例として、レーザーの出力を可変させることで、図7に示すように残渣部5の厚みが、腕部先端に近づくにつれて漸次薄くなるよう形成することも可能である。このように残渣部を形成することによって、より小刻みな周波数の微調整を行うことができる。
【0042】
さらに他の変形例として、図8に示すように、残渣部の形成領域内に複数の薄肉領域と、当該薄肉領域よりも厚肉の領域を形成してもよい。このようにして、調整用金属膜の腕部伸長方向の中央を含む領域に、厚肉の残渣部を形成することで、効率的な周波数の微調整を行うことができる。つまり、前記厚肉領域の残渣部の形成位置が、調整用金属膜の腕部伸長方向の中央を含む領域に偏在しているため、腕部先端寄りの位置と、腕部先端から離間した位置の中間的な調整感度を以って、小刻みに調整(質量削減)することができる。なお、図8のような形態以外にも、調整用金属膜の領域内に、複数の薄肉領域と複数の厚肉領域が複合して形成されている形態であってもよい。
【0043】
本発明の実施形態では表面実装型の音叉型水晶振動子を例にしているが、音叉型水晶振動子以外にATカット水晶振動子や、水晶フィルタ、水晶発振器などの電子機器等に用いられる他の表面実装型の圧電振動デバイスの周波数調整方法にも適用可能である。
【0044】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
圧電振動デバイスの量産に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の集合体の平面図。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態における粗調整工程後の腕部先端の拡大平面図。
【図4】図3のA−A線における断面図。
【図5】図4において微調整工程後の状態を示す断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態の変形例を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態の変形例を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図9】従来の一例を示す音叉型水晶振動片の平面図。
【図10】図9のB−B線における断面図。
【図11】図10において周波数微調整後の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 音叉型水晶振動片
2 腕部
3 基部
4 調整用金属膜
5 残渣部
6 段部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に用いられる圧電振動デバイスの周波数調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時計等のクロック源として広く用いられている音叉型水晶振動子は、図9に示すように基部3と、当該基部の一端側から一方向に並行して延出された一対の振動腕2,2(以下、腕部と略記)とからなる音叉型水晶振動片1(以下、振動片と略記)の基部が、上部が開口した箱状の筐体(図示省略)内部に、接合材を介して接合され、さらに前記開口部分を、平板状の蓋(図示省略)で気密封止した表面実装構造のものが一般的である。なお、前記腕部は、腕部の表裏の2つの主面と、腕部の内側と外側の2つの側面とを有している。
【0003】
前記音叉型水晶振動子の製造工程の中に、周波数調整工程と呼ばれる工程がある。周波数調整工程は、所定の周波数範囲内に振動片の周波数を移行さるために、腕部先端領域に形成される調整用金属膜に対して、レーザービーム等を照射して当該調整用金属膜の質量削減を行う工程である。音叉型水晶振動片の発振周波数は、前記調整用金属膜の質量を削減することで上昇するが、前記調整用金属膜内においても先端部分と、先端部分から腕部の根元方向に離間した部分とでは、質量削減に対する周波数変化量(感度)が異なる。つまり、先端部分では感度が高くなっている(同一の質量では、先端部分の方が、先端部分から離間した部分よりも周波数変化量が大きい)。このことから、図9のように調整用金属膜を、腕部伸長方向に2つの領域に分割し、腕部先端に近い方の領域を粗調整領域(41)、腕部先端から遠い方の領域を微調整領域(42)としている。このような調整用金属膜の構成は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−195952号
【0005】
前記調整用金属膜を、レーザービームを用いて削減(レーザートリミング)する場合を、図10を参照して説明する。まず、粗調整領域に対して腕部一主面の上方からレーザービームを照射するとともに、腕幅と平行方向(腕部伸長方向と直交する方向)で一方向(図10では紙面に垂直方向で、奥から手前に向う方向となっている)に走査する。そして、レーザービームは調整用金属膜の領域内で、腕部先端側から腕部根元に向う方向に走査位置を移動させながら行われていく。このとき、粗調整での目標周波数範囲に到達するまでレーザービームが走査されるが、粗調整の完了後であっても、粗調整領域の金属膜が全て削減されるとは限らず、一部領域だけが削減されて、他の領域は残存した状態となることがある。同様に、微調整領域についても、微調整の完了後であっても、微調整領域の一部領域が残存した状態となることがある。この状態を表した図が図11である。
【0006】
ところで近年、音叉型水晶振動片の小型化の進行により、前述のようにレーザービームで調整用金属膜の質量削減を行うだけでは充分な調整領域(調整量)を確保することが困難になってきており、レーザートリミングした後に、当該調整用金属膜の上に真空蒸着法によって、さらに金属膜を成膜(厚膜化)し、厚膜化された金属膜に対してレーザービームを照射して質量削減を行うといった作業を繰り返し行う必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、レーザートリミングと蒸着による成膜を繰り返し行うことは生産効率の悪化に繋がるとともに、厚膜化した金属膜に対してレーザービームを照射すると、削減される金属の質量も増大するため、微調整(少量削減)を行うのが困難になってくる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、小型化に対応し、効率良く周波数調整を行うことができる圧電振動デバイスの周波数調整方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、音叉型圧電振動片の腕部先端領域に形成された調整用金属膜の質量を減じることによって周波数調整を行う、圧電振動デバイスの周波数調整方法であって、前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の、大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって、周波数の微調整を行う微調整工程とからなる圧電振動デバイスの周波数調整方法であるので、周波数調整領域、すなわち腕部の主面側の調整用金属膜が形成された領域を、有効活用して周波数調整を行うことができる。これは、本発明では粗調整領域が従来のように区画化されて制限されていないため、従来の微調整領域をも含めた領域を使って調整(金属膜の削減)を行うことができるためである。したがって、調整量を確保するために、調整用金属膜の質量削減後に再度、金属膜を成膜する必要がなくなり、生産効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の周波数調整方法によると、前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行うため、充分な調整量(金属膜の削減量)を確保することができる。そのため、従来のような調整用金属膜の質量削減後の再成膜が不要となり、調整用金属膜が厚膜化されない。そして、薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって微調整を行うので、少量の金属膜の削減が可能となり、より高精度で効率的な周波数調整を行うことが可能となる。
【0011】
さらに、本発明の周波数調整方法によると、粗調整工程の後に、目標の周波数範囲までの調整量に応じて、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域を薄肉化するので、従来の粗調整領域(腕部の先端寄りの領域)の薄肉化領域も活用して微調整を行うことができる。例えば、質量削減に対する周波数変化量(感度)が良い,腕部先端付近の調整用金属膜の薄肉化領域に対して、さらに薄肉化を行う,または除去することによって、少量の削減量で目標の周波数範囲に到達させることができるため、周波数調整の効率が向上する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、請求項2の発明によると、前記粗調整工程と前記微調整工程とを、レーザーを用いて行うことを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法であるので、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化する際に、高効率で少量の金属膜の削減が可能となる。
【0013】
また、粗調整工程で薄肉化された領域の一部もしくは全領域の除去も、レーザーを用いることで効率良く行うことができる。これは、レーザー以外の手段によって調整用金属膜の薄肉化または除去する場合に比べ、多くの工程を要しないことから短時間で調整が行え、効率的な調整が可能となるからである。
【0014】
また、上記目的を達成するために、請求項3の発明によると、出力を抑制してレーザービームを前記調整用金属膜に照射し、薄肉化または除去することを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法であるため、前記薄肉化領域を容易に形成することができる。
【0015】
つまり、薄肉領域(残渣部)を形成する場合は、レーザービームの出力を調整用金属膜の削減可能なエネルギーレベルで抑制して、腕部の一主面側の調整用金属膜に照射することで、当該調整用金属膜を完全に除去することなく、薄肉領域(残渣部)を形成することができる。また、調整用金属膜を完全に除去する場合は、レーザービームの出力抑制量を低減することでも対応可能である。
【0016】
また、上記目的を達成するために、請求項4の発明によると、前記粗調整工程において、出力を可変させてレーザービームを前記調整用金属膜に照射して薄肉化し、薄肉化された領域内に段部を形成することを特徴とする音叉型圧電振動デバイスの周波数調整方法となっている。つまり、レーザービームの出力を、調整用金属膜の削減可能なエネルギーレベルで可変(抑制)させて、腕部の一主面側の調整用金属膜に対して照射することで、調整用金属膜の薄肉化された領域に段差(厚み高低差)を形成することができる。
【0017】
前述のように、段差を形成することで薄肉化領域内にも高低差が発生するので、目的の周波数範囲までの調整量の多少に応じて、調整用金属膜の前記薄肉化領域の、さらなる薄肉化もしくは除去を、領域を選択して行うことができる。すなわち、粗調整工程後において、目標の周波数範囲までの調整量が多い場合は、薄肉化領域内の高地領域(薄肉化された領域内における厚肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよく、逆に目標の周波数範囲までの調整量が少ない場合は、薄肉化領域内の低地領域(薄肉化された領域内における薄肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよい。このとき、低地領域を腕部先端に近い側に、高地領域を腕部先端から遠い側に形成すると、調整感度の高い側が薄肉で、調整感度の低い側が厚肉となり、より効率的な周波数調整が行えるので好適である。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、小型化に対応し、効率良く周波数調整を行うことができる圧電振動デバイスの周波数調整方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
−第1の実施形態−
以下、音叉型水晶振動子を例に挙げて、本発明による第1の実施形態について、周波数調整工程を中心に説明する。本実施形態で使用される音叉型水晶振動子は、音叉型水晶振動片が、上部が開口した筐体内部の搭載電極上に金属バンプを介して接合され、前記開口部を、封止材を介して板状の蓋体で接合した構成となっている。ここで、本実施形態では音叉型水晶振動子の公称周波数は32.768kHzとなっている。なお、前記公称周波数は一例であり、他の周波数にも適用可能である。
【0020】
前述の筐体(図示せず)はセラミックからなる容器体であり、焼成によって形成されている。前記筐体は、上部が開口した断面視凹形状で、当該筐体の内部には音叉型水晶振動片を搭載するための段差部が形成されている。そして前記段差部の上面には、一対の搭載電極が印刷技術により形成されている。前記搭載電極はタングステンを印刷焼成した後に、表面に金メッキ処理が施されている。搭載電極は、筐体内部に形成された配線導体(図示せず)を介して筐体底面(裏面)に形成されている外部端子(図示せず)と電気的に接続されている。筐体の開口部の周囲には堤状の直立体が環状に形成されており、当該直立体の上面には複数層からなる金属膜が周状に形成されている。前記金属膜は3層から構成されており、下からタングステン、ニッケル、金の順で積層されている。タングステンはメタライズ技術により、セラミック焼成時に一体的に形成され、ニッケル、金の各層はメッキ技術により形成される。なお、前記タングステンの層にモリブデンを使用してもよい。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の集合体の平面図である。なお、図1において各音叉型水晶振動片の腕部および基部に形成される各種電極の記載は省略している。音叉型水晶振動片1は、一対の腕部2,2と、基部3とからなり、平面視矩形状の1枚の水晶ウエハ11(以下ウエハと略記)から、多数個の音叉型水晶振動片1,1・・・(以下、振動片と略記)が形成されている。本実施形態では、1枚のウエハから数千個の振動片が一括形成されている。なお、前記振動片の形成数は一例であり、1枚のウエハから数百個から数千個の振動片の一括形成も可能である。
【0022】
前記振動片の外形は、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジストまたは金属膜をマスクとしてエッチングによって一括的に成形されている。また、図1では図示していないが、振動片1の腕部2,2および基部3には各種電極(金属膜)が、真空蒸着とフォトリソグラフィ技術を用いて所定形状に形成されている。具体的には、前記各種電極の内、腕部2,2に各々形成されている電極は、主面電極(表面および裏面)および側面電極(内側面および外側面)とから構成されており、クロム(Cr)を下地とし、その上層に金(Au)が積層された構成となっている。一方、基部3の表裏両面には金からなる一対の接合電極が、前記腕部2,2の電極の形成と同時に形成されている。したがって、前記接合電極もクロムを下地層として、その上層に金が成膜された構成となっている。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態を示す振動片の平面図である。なお、図2では腕部および基部に形成されている前記各種電極の記載は省略している。各振動片の腕部2,2の先端領域には、周状に金属膜が前述の電極と同様の層構成で形成されている。そして、当該金属膜の上層には、周波数を調整するための調整用金属膜4,4が周設されている。調整用金属膜4,4は、腕部の外側面にある外側面金属膜(図示せず)と、腕部の表主面にある表主面金属膜(図示せず)、同裏主面の裏主面金属膜(図示せず)、同内側面の内側面金属膜(図示せず)とで構成されている。本実施形態では前記調整用金属膜に金が用いられており、電解メッキ法によって成膜されている。なお、前記調整用金属膜は電解メッキ法以外に、真空蒸着法を用いて成膜してもよい。
【0024】
前記ウエハ11内の多数個の振動片1,1・・・の周波数は、各振動片に各種電極が付加されることによって、各種電極を付加する前の周波数よりも低下する。そして、前記調整用金属膜4,4が腕部先端領域に成膜されることによって、さらに周波数が低下する。本発明において、前記調整用金属膜4,4は粗調整領域と微調整領域とに区画化されていない。つまり、腕部主面の調整用金属膜の全領域が主たる調整対象範囲となる。以下、周波数調整工程について、図を基に説明していく。
【0025】
まず、ウエハ11の多数個の振動片1,1・・・の周波数を測定し、粗調整における目標周波数範囲(粗調整周波数規格)までの必要調整量(周波数変化量)を求めておく。そして、レーザービームを各腕部2,2の先端付近の一主面(表主面)上にある調整用金属膜4の大部分または全領域に対して照射し、当該調整用金属膜の質量を削減する(粗調整工程)。なお、前記レーザービームによる調整用金属膜の質量削減は、図2に示すようにレーザービームを調整用金属膜に対して、一方向(左側から右側へ)で直線状に走査するとともに、腕部先端側から離間する方向に走査位置を移動させながら行われる。なお、本実施形態では周波数を測定した後にレーザービームを照射しているが、周波数測定とレーザービームの照射を同時に行ってもよい。
【0026】
本実施形態では、前記レーザービーム照射時の出力は、従来の周波数調整時のレーザービームの出力に比べて、抑制された状態となっている。具体的には、本実施形態では従来出力の90%程度の出力で照射されている。このようにレーザービームの出力を抑制することで、表主面側の調整用金属膜が完全に削減(除去)されずに残留(薄肉化)した状態にすることができる。つまり、本実施形態においてレーザービームの出力抑制は、調整用金属膜の薄肉領域(以下、残渣部と称す)を形成することが目的であり、前述の従来出力比率(90%)に限定されるものではない。すなわち、前記残渣部を形成することができるようなレーザー出力に設定されていればよい。また、本実施形態においてレーザービームは、水平状態に設置された水晶ウエハ11に対して鉛直方向から照射されている。なお、本発明は前記方向からのレーザー照射だけに限定されるものではなく、調整用金属膜の残渣部を形成することができればレーザービームの照射方向は問わない。さらに、本実施形態ではレーザービームを使用しているが、レーザービーム以外の質量削減手段を使用してもよい。
【0027】
前述の粗調整工程が終わった後の状態を図3乃至図4に示す。図3は粗調整後の腕部先端領域を示す平面図であり、図4は図3におけるB−B線における断面図である。なお、図3は説明の便宜上、一対の腕部2,2の内、1本の腕部先端領域を平面図で表したものである。図3に示すように、腕部主面の調整用金属膜4には、出力が抑制されたレーザービームの照射によって、残渣部5が形成されている。本実施形態において、残渣部5は腕部主面上の調整用金属膜の大部分の領域を占めるように形成されている。なお、残渣部の形成領域は腕部主面上の調整用金属膜の大部分だけでなく、全領域に及んでいてもよい。
【0028】
本実施形態では、腕部主面の調整用金属膜4の領域の内、腕部先端からレーザービームの走査が開始されており、前記調整用金属膜の腕部先端から最も離間した周縁部分より手前の位置に亘って、レーザーが走査されている。したがって、図4に示すように断面視では、凹状に調整用金属膜4の一部が薄肉化された状態(残渣部5)となっている。このとき、腕部の表主面の上方から、表主面金属膜に照射されたレーザービームの一部は、残渣部5を通過し、水晶振動片2の内部を透過した後、裏主面金属膜にまで到達して当該裏主面金属膜の一部の質量が削減される場合がある。また、前記残渣部の表面にはレーザービームの照射条件によって凹凸が形成されることもある。このようにレーザーの出力が予め抑制されているため、腕部主面側の調整用金属膜の大部分を薄肉化しても、削減される金属膜の質量が過多とならず、周波数規格を逸脱しにくい。したがって、従来の周波数の粗調整方法に比べ、調整用金属膜の形成領域を有効活用することができる。なお、レーザービームの照射開始位置は、腕部主面の調整用金属膜4の領域内で、腕部先端から離間した位置であってもよい。
【0029】
また、本発明の周波数調整方法は、前記腕部の主面側に形成された調整用金属膜の大部分を薄肉化して周波数の粗調整を行うので、充分な調整量(金属膜の削減量)を確保することができる。そのため、従来のような調整用金属膜の質量削減後の再成膜が不要となり、調整用金属膜が必要以上に厚膜化されない。これによって、金属物質の使用量を低減することができる。
【0030】
前記粗調整工程が終了すると、図4に示すように残渣部5の一部領域に対して、レーザービームを照射し、当該残渣部の厚みをさらに薄肉化することによって周波数の微調整が行われる(微調整工程)。図5は、図4において微調整工程後の状態を示した断面図であり、レーザービームが照射された領域の残渣部は除去されており、微調整工程でレーザービームが照射されなかった領域の残渣部はそのまま残存した状態となっている。このように、本発明における微調整工程では、前工程の粗調整工程で充分な調整量が確保されているため、僅かな調整量で振動片の周波数調整を行うことができる。また、目標周波数範囲(微調整周波数規格)までの必要調整量に応じて、残渣部5に対する削減領域を任意に選択することで、より効率的な周波数調整を行うことが可能となる。つまり、金属膜の質量削減による周波数変化量(感度)の差を利用する。例えば、腕部の先端に近い領域の残渣部に対して集中的にレーザービームを照射することによって、主面の調整用金属膜内の腕部先端から離間した領域の残渣部にレーザービームを照射するよりも、少ない削減量で大きな周波数調整効果を得ることができる。なお、前記微調整工程において、残渣部5の一部領域だけでなく、残渣部の全領域に対してレーザービームを照射してもよい。さらに微調整工程で、残渣部5の金属膜を薄肉化するだけでなく、完全に除去してしまってもよい。
【0031】
本発明によると、腕部先端領域の周波数調整用の金属膜が、従来のように区画化されて調整領域が制限されていないため、周波数の粗調整を従来の微調整領域をも含めた領域を使って調整(質量の削減)を行うことができる。したがって、調整量確保のために調整用金属膜の質量削減後に再度、金属膜を成膜する工程が不要となり、生産効率を向上させることができる。
【0032】
以上のようにして、ウエハ11内の全ての振動片1,1・・・に対する周波数調整が完了すると、所定の工程を経た後に、ウエハ11から個片状態の振動片1,1に分割される。
【0033】
分割された振動片1は、当該振動片の基部3に形成されている一対の接合電極が、筐体の内部の一対の搭載電極上に、金属バンプを介して接合される。
【0034】
個片の振動片1が筐体内部に接合された後に、さらなる周波数の最終微調整が行われる。前記最終微調整はイオンエッチングによって行われる。イオンビームはレーザービームよりも広範囲の領域に対して照射される。すなわちレーザービームは点の連続照射によって線状に走査されるのに対し、イオンビームは一定面積を有した状態で面状に照射される。
【0035】
このとき、例えば周波数微調整工程後においても、調整用金属膜4の残存(薄肉)領域が多い(残存面積が大きい)場合は、イオンエッチングによる周波数の最終微調整に好適である。調整用金属膜の一部が前記周波数微調整工程で完全除去され、周波数調整対象領域に水晶素地が露出している部分が多い場合、(水晶素地領域には金属膜が存在しないため)残存している調整用金属膜に対してイオンビームを照射して、当該金属膜の質量をより効率的に削減するには、イオンビームの出力を高めて照射する必要があり、これによって振動片が高温状態となって周波数のバラツキが拡大してしまう。しかし、周波数微調整工程後において、調整用金属膜4の残存領域が多い(残存面積が大きい)と、イオンビームによって削減される質量を多く確保することができる。つまり、イオンビームの出力を低下させて照射しても、充分な調整量(金属膜の削減量)を得ることができるので、振動片が高温になるのを防止することができる。したがって、周波数のバラツキ拡大を抑制することができ、イオンエッチングによる周波数の最終微調整に好適である。
【0036】
そして、所定の工程を経た後、平板状で金属からなる蓋体の外周が、筐体の直立体の上面と略一致するようにして載置される。なお、前記蓋体の筐体との接合面と、筐体の直立体の上面には周状に封止材が形成されている。そして、レーザーを蓋体上方から照射して、前記封止材を溶融させることによって、蓋体と筐体とを気密接合する。以上で音叉型水晶振動子が完成となる。なお、本実施形態では振動片と筐体との接合材として金属バンプを用いているが、金属バンプ以外に、ペースト状の導電性接着材を使用してもよい。
【0037】
−第2の実施形態−
本実施形態における第2の実施形態を、図6を用いて説明する。図6は本発明の第2の実施形態を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図であり、簡略化のために一対の腕部2、2の内、1本の腕部2について表示している。なお、図6において音叉振動片に形成される各種電極の記載は省略している。また、第1の実施形態と同様の構成については、同番号を付して説明を割愛するとともに、前述の実施形態と同様の効果を有する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、周波数の粗調整工程時に、レーザーの出力が抑制された状態で調整用金属膜に照射されるが一定の出力ではない。すなわち、粗調整工程ではレーザーの出力が調整用金属膜4の削減可能な出力レベル内で、2段階に設定されている。これにより、図6に示すように調整用金属膜4は断面視では、残渣部の形成深度に差異(段差)が生じている。つまり、薄肉化された領域内に、深さの異なる2つの領域S1、S2が形成され、前記2つの領域の境界には段差(段部6)が形成されている。領域S2は、領域S1に対するレーザーの出力よりも更に出力が抑制されて照射されておるため、領域S1の厚みよりも厚くなっている。なお、領域S2の厚みは、第1の実施形態の粗調整工程で形成される残渣部よりも厚膜状態となっている。
【0039】
前述の粗調整工程の後、水晶ウエハ内の各振動片に形成された残渣部5に対して、所定の周波数規格(微調整周波数規格)までの必要調整量に応じ、レーザービームを照射して微調整を行う。このとき、各振動片の残渣部に対するレーザービームの照射は、当該振動片の周波数規格までの必要調整量に応じて、S1あるいはS2のいずれかの領域、あるいはS1とS1の両方の領域に対して行う。このようにしてレーザービームを照射して、残渣部5を、さらに薄肉化もしくは除去して周波数の微調整を行う。
【0040】
上記のように残渣領域内に、厚みの異なる領域(段部6)を形成することによって、目標の周波数範囲までの必要調整量に応じて、残渣部5のさらなる薄肉化もしくは除去の領域を選択して行うことができる。すなわち、粗調整工程後において、目標の周波数範囲までの調整量が多い場合は、薄肉化領域内の高地領域S2(薄肉化された領域内における厚肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよく、逆に目的の周波数範囲までの調整量が少ない場合は、薄肉化領域内の低地領域S1(薄肉化された領域内における薄肉領域)をさらに薄肉化もしくは除去すればよい。つまり本実施形態のように、低地領域S1を腕部先端に近い側に、高地領域を腕部先端から遠い側に形成すると、調整感度の低い側が厚肉となり、レーザービームによる質量削減の自由度が増し、より効率的な周波数調整が行うことができる。
【0041】
第2の実施形態の変形例として、レーザーの出力を可変させることで、図7に示すように残渣部5の厚みが、腕部先端に近づくにつれて漸次薄くなるよう形成することも可能である。このように残渣部を形成することによって、より小刻みな周波数の微調整を行うことができる。
【0042】
さらに他の変形例として、図8に示すように、残渣部の形成領域内に複数の薄肉領域と、当該薄肉領域よりも厚肉の領域を形成してもよい。このようにして、調整用金属膜の腕部伸長方向の中央を含む領域に、厚肉の残渣部を形成することで、効率的な周波数の微調整を行うことができる。つまり、前記厚肉領域の残渣部の形成位置が、調整用金属膜の腕部伸長方向の中央を含む領域に偏在しているため、腕部先端寄りの位置と、腕部先端から離間した位置の中間的な調整感度を以って、小刻みに調整(質量削減)することができる。なお、図8のような形態以外にも、調整用金属膜の領域内に、複数の薄肉領域と複数の厚肉領域が複合して形成されている形態であってもよい。
【0043】
本発明の実施形態では表面実装型の音叉型水晶振動子を例にしているが、音叉型水晶振動子以外にATカット水晶振動子や、水晶フィルタ、水晶発振器などの電子機器等に用いられる他の表面実装型の圧電振動デバイスの周波数調整方法にも適用可能である。
【0044】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
圧電振動デバイスの量産に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の集合体の平面図。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す音叉型水晶振動片の平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態における粗調整工程後の腕部先端の拡大平面図。
【図4】図3のA−A線における断面図。
【図5】図4において微調整工程後の状態を示す断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態の変形例を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態の変形例を示す粗調整工程後の腕部先端の断面図。
【図9】従来の一例を示す音叉型水晶振動片の平面図。
【図10】図9のB−B線における断面図。
【図11】図10において周波数微調整後の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 音叉型水晶振動片
2 腕部
3 基部
4 調整用金属膜
5 残渣部
6 段部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音叉型圧電振動片の腕部先端領域に形成された調整用金属膜の質量を減じることによって周波数調整を行う、圧電振動デバイスの周波数調整方法であって、
前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の、大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、
前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって、周波数の微調整を行う微調整工程とからなる圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項2】
前記粗調整工程と前記微調整工程とを、レーザーを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項3】
出力を抑制してレーザービームを前記調整用金属膜に照射し、薄肉化または除去することを特徴とする請求項1乃至2に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項4】
前記粗調整工程において、出力を可変させてレーザービームを前記調整用金属膜に照射して薄肉化し、薄肉化された領域内に段部を形成することを特徴とする請求項1乃至3に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項1】
音叉型圧電振動片の腕部先端領域に形成された調整用金属膜の質量を減じることによって周波数調整を行う、圧電振動デバイスの周波数調整方法であって、
前記腕部の主面側に形成された前記調整用金属膜の、大部分または全領域を薄肉化して、周波数の粗調整を行う粗調整工程と、
前記粗調整工程において薄肉化された領域の一部もしくは全領域を、さらに薄肉化または除去することによって、周波数の微調整を行う微調整工程とからなる圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項2】
前記粗調整工程と前記微調整工程とを、レーザーを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項3】
出力を抑制してレーザービームを前記調整用金属膜に照射し、薄肉化または除去することを特徴とする請求項1乃至2に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【請求項4】
前記粗調整工程において、出力を可変させてレーザービームを前記調整用金属膜に照射して薄肉化し、薄肉化された領域内に段部を形成することを特徴とする請求項1乃至3に記載の圧電振動デバイスの周波数調整方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−200648(P2009−200648A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38061(P2008−38061)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】
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