説明

圧電素子

【課題】信頼性の高い圧電素子を提供する。
【解決手段】圧電体2と、圧電体2の一部分に設けられた一方の電極3と、圧電体2の他の部分に設けられた他方の電極4とを備えており、一方の電極3は、他方の電極4より磁性が弱いか、又は、非磁性である圧電素子1である。この圧電素子1によれば、例えば、磁石をかざし、磁石にくっ付く方の電極側を、所定の極性を有する側であると決めておけば、電極で認識パターンを形成することなく、簡単に圧電素子1の極性の向きを把握可能でき、圧電素子1を実装する際に、向きを誤ることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、圧電素子は極性を有していて、所定の向きとは逆に圧電素子を実装した場合、本来の向きとは逆に電圧が印加されるので、被駆動体が逆向きに変位してしまう。よって、圧電素子を所定の向きに整えて実装することがきわめて重要である。従って、従来の圧電素子においては、圧電体の一方及び他方の主面に設けられた電極のうち、いずれか一方の電極の方に所定の認識パターンを形成することによって、その外観から極性を認識した上で実装していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-278288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年は、圧電素子が小型化しているため、この圧電素子の認識パターンを精度良く形成することが困難となっていると共に、素子の小型化によって小さくなった認識パターンの識別が困難となっていた。よって、圧電素子を誤った向きで実装してしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の圧電素子は、圧電体と、該圧電体の一部分に設けられた一方の電極と、前記圧電体の他の部分に設けられた他方の電極とを備えており、前記一方の電極は、前記他方の電極より磁性が弱いか、又は、非磁性であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の圧電素子によれば、一方の電極は、他方の電極より磁性が弱いか、又は、非磁性であることから、例えば、圧電素子に磁石をかざし、磁石にくっ付く方の電極側を、所定の極性を有する側であると決めておけば、電極で認識パターンを形成することなく、簡単に圧電素子の極性の向きを把握可能である。よって、圧電素子を実装する際に、向きを誤ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は、本発明の圧電素子の実施の形態の一例を示す斜視図であり、(b)は、側面図である。
【図2】(a)は、本発明の圧電素子の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、(b)は、断面図である。
【図3】(a)は、本発明の圧電素子の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、(b)は、断面図である。
【図4】本発明の圧電素子の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】(a)は、本発明の圧電素子の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、(b)は、断面図である。
【図6】(a)は、本発明の圧電素子の実施の形態の他の例を示す平面図であり、(b)は、(a)とは反対側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の圧電素子の実施の形態の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す圧電素子1は、基本的な構成として、圧電体2と、一方の電極3、他方の電極4とを有する。
【0009】
この圧電素子1は、例えば、電極3を正極とし、電極4を負極とし、厚み方向に分極されている。このような圧電素子1に対して、電極3を正極側として、電極3と電極4との間に、一定の直流電圧を印加すると圧電素子1は厚み方向に伸びると同時に、長さ方向及び幅方向に縮んで変形する。また、電極3を正極側として、電極3と電極4との間に、一定の周波数で矩形状の波形の電圧を印加すると、圧電素子1を所定の周波数で振動させることができる。このようにして、圧電素子1は、電圧の印加によって生じる変形又は振動によって被駆動体を動作させる圧電アクチュエータとしての機能を果たす。
【0010】
圧電体2は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミック材料を用いる。図1に示す例においては、圧電体2は、直方体形状である。この圧電体2の主面の寸法は、例えば、縦が1〜3mmであり、横が0.2〜1.5mmである。また、圧電体2の厚みは、50〜300μmである。
【0011】
一方の電極3は、圧電体2の一部分に設けられ、他方の電極4は、圧電体2の他の部分に設けられる。図1に示す例においては、一方の電極3は、圧電体2の一方の主面に設けられ、他方の電極4は、圧電体2の他方の主面に設けられている。このようにして、一方の電極3は、圧電体2を介して、他方の電極4に対向することとなる。
【0012】
図1に示す例においては、この一方の電極3、他方の電極4は、矩形状である。また、一方の電極3、他方の電極4の厚みは、0.5〜10μmである。また、この一方の電極3、
他方の電極4の寸法は、縦が1〜3mmであり、横が0.2〜1.5mmである。
【0013】
他方の電極4は、一方の電極3よりも、強い磁性を有している。この他方の電極4は、例えば、磁性体材料の粒子を含有する導電体から成る。
【0014】
導電体は、例えば、金、銀、銀−パラジウム、若しくはプラチナ等の金属、又は、これらのうち少なくとも2種以上を含む合金から成る金属材料が用いられる。また、この導電体としては、例えば、前述した金属材料から成る金属粒子、ガラスフリット及びバインダーから成る導電性ペーストを焼成したものを用いても良い。また、微粒化させた金属粒子及びバインダーから成る導電インクを反応させたものを用いても良い。また、導電体としては、これらの金属材料から成る金属粒子を含有する樹脂材料又は複合材料が用いられる。これらの導電性ペースト、導電インク、樹脂材料又は複合材料に、後述する磁性体材料の粒子が含有される。
【0015】
磁性体材料は、例えば、ニッケル、鉄、コバルト等の金属材料が用いられる。この磁性体材料として、酸化物系の材料を用いた場合には、化学的に安定性が高くなるので好ましい。また、酸化物系の材料として、フェライト材料等を用いた場合には、材料費が安価であることに加え、他方の電極4の磁性を強くすることができるので好ましい。このフェライト材料としては、例えば、FeO・Fe、MnO・Fe、NiO・Fe、CoO・Fe等の材料系が用いられる。また、磁性体材料として所望の特性とするために、例えば、Ba、Sr等の元素、又は、その他の添加物を混合して材料の組成を決定すると良い。
【0016】
また、他方の電極4は、磁性体材料の粒子を含有する導電体以外に、電極4を構成する導電体の表面の全部、又は、一部を磁性体で被覆した構成であっても良い。導電体の一部
を磁性体で被覆する場合、被覆箇所は、一箇所であっても良いが、二箇所以上に分割して設けられていても良い。また、他方の電極4を被覆する磁性体が、圧電体2をも被覆していて良い。
【0017】
導電体を被覆する磁性体は、磁性体粒子、ガラスフリット及びバインダーから成る磁性体ペーストを焼成したもの、又は、微粒化させた磁性体粒子及びバインダーから成る磁性体インクを反応させたものが用いられる。また、メッキ、又はスパッタ等によって磁性体の薄膜を形成してもよい。更に、磁性体粒子を含有する樹脂材料又は複合材料を用いても良い。
【0018】
一方の電極3は、他方の電極4より磁性が弱いか、又は、非磁性である。一方及び他方の電極3、4の磁性における関係を、以上のように設定することによって、圧電素子1において、圧電体2の上面に形成された一方の電極3は、磁石をかざしてもくっ付かないか、又は、電極4と比較して磁石とのくっ付きが弱いので、電極3か、電極4か、を明確に識別することができる。よって、磁石にくっ付く方の電極4側を、所定の極性を有する側であると決めておけば、電極で認識パターンを形成することなく、簡単に圧電素子1の極性の向きを把握可能である。よって、圧電素子1を実装する際に、向きを誤ることを防止できる。
【0019】
一方の電極3が、他方の電極4より磁性が弱い場合とは、一方の電極が、弱磁性を有するか、又は、他方の電極4よりも程度の弱い磁性を有している場合である。 一方の電極3が、弱磁性を有する場合とは、一方の電極3が、常磁性体、反磁性体、フェリ磁性体等の場合である。
【0020】
一方の電極3が他方の電極4よりも程度の弱い磁性を有している場合は、例えば、上述したように、導電体の表面の全部、又は、一部を磁性体で被覆した構成を用いれば良い。この導電体は、磁性体材料の粒子を含んでいても、いなくても良い。
【0021】
一方の電極3を、他方の電極4よりも磁性が弱くするためには、導電体表面全体における磁性体の被覆率、被覆する磁性体の厚み、磁性体の材料の種類を調整すれば良い。つまり、一方の電極3について、磁性体の被覆率を小さくする、磁性体の厚みを薄くする、磁性率の低い材料を選択する等の方法によって、他方の電極4より磁性を弱くすれば良い。
【0022】
また、一方の電極3が他方の電極4よりも程度の弱い磁性を有している場合とは、一方の電極3が、磁性体材料の粒子を含有する導電体であっても良い。この場合に、一方の電極3を、他方の電極4よりも磁性が弱くするためには、磁性体材料の粒子の含有率、又は、磁性体材料の種類を調整すれば良い。つまり、一方の電極3について、磁性体材料の粒子の含有率を小さくする、磁性率の低い材料を選択する等の方法によって、他方の電極4より磁性を弱くすれば良い。
【0023】
また、一方の電極3が、非磁性である場合とは、上述したような磁性体で被覆されておらず、磁性体材料から成る粒子も含有しない構成をいう。
【0024】
以下に、圧電素子1の製造方法を説明する。まず、圧電体2となるグリーンシートを作製する。出発原料として、酸化鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウムの粉末を用いて、各原料を秤量配合する。そして、これらの原料を、水およびジルコニアボールとともにポットミルに投入し、ポットミルを24 時間回転させ湿式混合する。この湿式混合により作製し
たスラリーをステンレスバッド等に移し、200 ℃ の乾燥機中で一昼夜乾燥して、この乾
燥粉を乳鉢等で粗粉砕した後、アルミナ材質の坩堝に移し、温度850 ℃ で3 時間仮焼し
、仮焼粉を得る。次に、仮焼粉をロータミルやディスクミル等の粗砕機を用いて粗粉砕後
、上記の混合時と同様にポットミルを用いて、この粗粉砕粉を20 時間湿式粉砕して、そ
の後、粉砕スラリーをステンレスバッドなどに移し、200℃ の乾燥機中で一昼夜乾燥し、圧電セラミックスの合成粉体を得る。得られた圧電セラミック粉体を有機結合材、可塑剤、有機溶媒と共に所定量配合してからスラリー混合を行い、シート成形用スラリーを作製する。その後、ドクターブレード法によってシート成形を行い、圧電体2となる所定厚みのグリーンシートを得る。そして、上記のグリーンシートを所定の寸法になるよう切断機を用いて切り出して、基板形状とし、焼成よりも低い温度で脱脂を行って有機バインダー成分を除去する。その後、大気中1200℃で2.5時間焼成して圧電体2となる圧電基板を得
る。この圧電基板はそのまま用いても良いが、ラップ盤などで研磨し、所定の厚みとなるよう加工しても良い。
【0025】
次に、電極3、4となる導電ペーストを作製する。一方の電極3に用いる導電ペーストは、例えば、銀粉末、ガラスフリット、溶剤に溶解したバインダーを適量配合した後、混練して作製することができる。また、他方の電極4に用いる磁性を有する導電ペーストは、例えば、前記ペーストの配合において、ニッケルからなる磁性体の粒子を所定量配合した後、同様に混練して作製することができる。
【0026】
次に、圧電体2に、電極3、4を形成する。この工程においては、圧電体2の上下面に導電ペーストを印刷し、120℃の乾燥機中で溶剤を除去した後、600℃の焼成炉で焼付けて電極3、4を形成する。導電ペーストの印刷は、スクリーニング印刷などの方法を用いることができる。ここで、磁性体の粒子として、ニッケルを用いる場合は、ニッケルの酸化を防止するため、窒素ガス雰囲気において焼付けを行うことが望ましい。一方、磁性体の粒子として、フェライト材料を用いる場合には、酸化物なので、大気中において焼付けを行うことができる。
【0027】
この電極3、4が、導電体の一部、又は、全部を磁性体で被覆する構成である場合は、導電体の表面に、磁性体材料の粒子を所定量配合した導電ペースト、又は、非導電ペーストをスクリーン印刷などの方法を用いて塗布した後、焼き付ける方法を採用すれば良い。また、微粒化させた磁性体材料の粒子を所定量配合したインクをインクジェット等の方法を用いて塗布した後、反応させて薄膜を形成することもできる。
【0028】
なお、導電体の表面に、フェライト材料等からなる磁性体薄膜をスパッタなどで形成しても良い。また、導電体の表面にメッキ処理を行って、例えば、ニッケル膜を形成しても良い。
【0029】
次に、電極3、4を形成した圧電体2に、分極処理を施す。この工程では、一方の電極3に直流電源の高電圧側(正極側)を接続し、電極4に低電圧側(負極側、又は、グランド電位側)を接続し、所定の時間、直流電圧を印加する。その際、例えば、電極間の電場が2kV/mmの条件になるよう電圧を設定し、室温下において、60秒間電圧を印加して行う。その後、分極処理を行った圧電基板を、所定のサイズになるようカットし、圧電素子1を得る。
【0030】
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良等が可能である。
【0031】
例えば、図1では、1つの圧電体2を有する圧電素子1を示したが、図2に示すように、複数の圧電体2を有する積層型圧電素子であっても良い。
【0032】
このような積層型の圧電素子1は、基本構成として、積層体5と、一方の電極3及び他方の電極4とを有している。積層体5は、複数の圧電体2と複数の内部電極6とが交互に
積層されてなる。一方及び他方の電極3、4は、積層体の端面に設けられ、内部電極6が一層おきに交互に接続されている。
【0033】
このような構成であっても、一方の電極3は、他方の電極4より磁性が弱いか、又は、非磁性であることから、積層型の圧電素子1に磁石をかざし、磁石にくっ付く他方の電極4側を、例えば正極側であると決めておけば、簡単に圧電素子1の極性を把握可能であるため、実装する際に向きを誤ることを防止できる。
【0034】
また、図3に示すように、この積層型の圧電素子1は、更に、主面電極7を有していても良い。この主面電極7は、積層体5の主面に形成されている。また、主面電極7の一端側のみ、一方の電極3又は他方の電極4のいずれかに接続されている。このような構成によって、異なる電位である内部電極6間の対向面積を更に増加させることができる。また、この主面電極7は、積層体5の主面の一方に設けられていても良いし、両主面に設けられていても良い。また、他方の電極4に接続されている主面電極7は、他方の電極4と同程度の磁性を有していても良い。このような構成によれば、磁石をかざした時に、磁石にくっつく部分の面積を広げることができる。
【0035】
なお、積層型の圧電素子1は、図2及び図3に示すように1〜10層の圧電体2が積層されるような面方向に長いタイプ以外に、図4に示すように100〜500層の圧電体2が積層されるような厚み方向に長いタイプであってもよい。
【0036】
また、図1では、一方及び他方の電極3、4が、圧電体2の一方及び他方の主面に、1つずつ設けられているが、図5に示すように、一方及び他方の電極3、4が、共に圧電体2の一方の主面に設けられていても良い。この圧電素子1は、圧電体2の他方の主面に、一方及び他方の電極3、4の双方と対向するような主面電極7が設けられている。また、圧電体2は、相互に180°異なる分極方向となる、左右対称な一対の層2a、2bによ
って構成されている。ただし、各層2a、2bの分極方向は、これに限定されず、例えば
相互に同一であっても良い。
【0037】
このような場合でも、一方の電極3は、他方の電極4より磁性が弱いか、又は、非磁性であることから、圧電素子1に対して、針状の磁石をかざし、磁石にくっ付く他方の電極4側を、例えば正極側であると決めておけば、簡単に圧電素子1の極性を把握可能であるため、実装する際に向きを誤ることを防止できる。
【0038】
図5に示す例においては、例えば、一方の電極3は負極であり、他方の電極4は正極であり、主面電極7はグランド電位である。また、この圧電素子1において、主面電極7も、他方の電極4と同等の磁性を有していて良い。
【0039】
また、一方の電極3が他方の電極4より磁性が弱い場合の例としては、例えば、図6に示すような構成とすれば良い。図6に示す例においては、一方及び他方の電極3、4ともに、導電体8の表面に同じサイズの磁性体パターン9が複数設けられている。そして、一方の電極3は、他方の電極4よりも磁性体パターン9の数が少なくなっている。このような構成によれば、容易に、他方の電極4より磁性が弱い一方の電極3を形成することができるので、好ましい。
【0040】
また、以上の説明では、一方及び他方の電極3、4の判別は、磁石を近づけてくっつくか否かでなされていたが、磁性を有する一方及び他方の電極3、4から発せられる磁力を感知する磁力センサー等を用いても良い。この場合には、予め一方及び他方の電極3、4を磁化しておく必要がある。そして、例えば、磁力センサーを近づけ、磁力の強い方を他方の電極3として認識すれば良い。ここで、電極3、4の磁力の強弱は、電極3、4を磁
化する際の磁場の強弱によって設定すれば良い。更に、一方及び他方の電極3、4の磁化の方向を逆にしておけば、磁力センサーによって、より容易に電極3、4の識別をすることができる。
【0041】
また、この方法を用いれば、一方の電極3が非磁性であって磁力を有さない場合には、磁力の大小ではなく、磁力の有無を調べることとなるので、より容易に電極3、4の識別をすることができる。
【0042】
また、磁化された電極3、4のうち一方を、被駆動体側の電極に仮止めすることによって、圧電素子1の被駆動体への実装を容易にすることができる。
【0043】
なお、電極3、4が磁化されている場合には、電極3、4から発生する磁力が周辺の電子回路へ悪影響を与える場合も考えられる。このような場合には、圧電素子1を被駆動体へ実装した後、消磁すれば良い。この消磁する方法としては、例えば、磁化された電極3、4を、磁性体のキュリー温度を超える温度に加熱する方法や、消磁コイルを用いる方法が挙げられる。加熱して消磁する場合には、加熱温度は、圧電体2のキュリー温度よりも低く、かつ、磁性体材料のキュリー温度よりも高く設定することが必要である。これによって、圧電素子1の性能を保持しつつ、加熱によって消磁することが可能となる。なお、磁性体材料のキュリー温度は、磁気特性と同様に、その材料系、材料組成を種々選択することによって調整することができる。
【0044】
なお、図6に示した例では、一方及び他方の電極3、4の表面積は同じであったが、互いに表面積が異なる場合であっても、各電極3、4において、導電体8表面全体における磁性体の被覆率に差異を設けることによって、電極3、4の極性に差異を設けることができる。
【符号の説明】
【0045】
1:圧電素子
2:圧電体
3:一方の電極
4:他方の電極
5:積層体
6:内部電極
7:主面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電体と、
該圧電体の一部分に設けられた一方の電極と、
前記圧電体の他の部分に設けられた他方の電極と、を備えており、
前記一方の電極は、前記他方の電極より磁性が弱いか、又は、非磁性であることを特徴とする圧電素子。
【請求項2】
前記一方の電極は、前記圧電体の一方主面に設けられており、
前記他方の電極は、前記一方主面に対向する他方主面に設けられている請求項1に記載の圧電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−51254(P2013−51254A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187287(P2011−187287)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】