説明

在庫管理システム

【課題】定位置化されていない被管理部材の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行えるようになる在庫管理システムを提供すること。
【解決手段】被管理部材が保管される保管庫であるパレットに取り付けられる固定端末装置30は、サーバと通信手段を介して通信可能となっており、この固定端末装置30は、サーバから、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の在庫数量を含む在庫情報を受信し、この在庫情報を、固定端末装置30が備える部材在庫情報ファイル34に更新する固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32と、この固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32により更新された部材在庫情報ファイル34の在庫情報を出力する出力手段40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被管理部材の在庫数量を管理するための在庫管理システムに係り、例えば、シャッターカーテンが開閉体となっているシャッター装置等の開閉装置に使用される各種の部材の在庫数量を管理するための在庫管理システムに利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、保管庫に保管されている被管理部材の在庫数量を管理するための在庫管理システムが提案されている。
【0003】
下記の特許文献1に示されている在庫管理システムでは、保管庫に入庫した被管理部材の数量である入庫数量や、保管庫から出庫した被管理部材の数量である出庫数量が、保管庫の近傍に配置した端末装置からサーバであるホストコンピュータに入力され、このホストコンピュータで被管理部材の在庫数量が管理されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−12431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、被管理部材を保管するための保管庫が移動可能となっており、この保管庫の移動が頻繁に行われる場合には、移動された保管庫に保管されている被管理部材の在庫数量を正確に把握できない場合が生じるおそれがある。また、保管庫の移動中に被管理部材が保管庫から脱落し、この後、脱落した被管理部材があやまって他の保管庫に保管されてしまった場合には、移動した保管庫に保管されている被管理部材の在庫数量が、サーバ側で管理されているものと、実際に保管庫に保管されているものとで異なってしまうおそれがある。
【0006】
このため、定位置化されていない被管理部材の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行える在庫管理システムの工夫が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、定位置化されていない被管理部材の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行えるようになる在庫管理システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る在庫管理システムは、少なくとも1個の被管理部材が保管され、移動可能となっている少なくとも1個の保管庫と、この保管庫に入庫した前記被管理部材の入庫数量と、前記保管庫から出庫した前記被管理部材の出庫数量が入力され、少なくとも前記入庫数量と前記出庫数量に基づき前記被管理部材の在庫数量を管理するための処理を実行するサーバと、前記保管庫に取り付けられ、前記サーバと通信手段を介して通信可能となっている固定端末装置と、を含んで構成される在庫管理システムであって、前記サーバには、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む在庫情報が記憶されており、前記固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫情報を前記サーバから受信し、この受信した前記在庫情報を出力することを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、保管庫に取り付けられている固定端末装置は、前記保管庫に保管されている被管理部材の在庫数量を含む在庫情報をサーバから受信し、この受信した前記在庫情報を出力するようになっている。
【0010】
これにより、固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている保管庫に保管されている被管理部材の最新の在庫情報を表示する札部材としての機能を有することになる。すなわち、サーバが配置されている場所に行かなくても、固定端末装置を見れば、保管庫に保管されている被管理部材の最新の在庫情報が一目で分かるようになる。
【0011】
また、前述したように、移動可能となっている保管庫の移動中に被管理部材が保管庫から脱落し、この後、脱落した被管理部材があやまって他の保管庫に保管されてしまった場合には、移動した保管庫に保管されている被管理部材の実際の在庫数量が、サーバ側で管理されている在庫数量と異なることが、固定端末装置を見れば分かるようになる。
【0012】
このように、本発明によると、定位置化されていない被管理部材の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行えるようになる。
【0013】
本発明において、サーバ及び固定端末装置の具体的な構成は、上述した機能を発揮するものであれは任意なものでよく、例えば、前記サーバは、前記被管理部材の仕様情報をこの被管理部材の識別情報と関連付けて記憶する部材仕様情報データベースと、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む在庫情報を、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報データベースと、特定の前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫情報を、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得する処理を実行するサーバ側部材在庫情報取得処理手段と、このサーバ側部材在庫情報取得処理手段により取得された前記在庫情報を、前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置に送信する処理を実行するサーバ側部材在庫情報送信処理手段と、を備えており、前記固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む前記在庫情報を、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報ファイルと、前記サーバの前記サーバ側部材在庫情報送信処理手段により送信された前記在庫情報を受信し、この受信した前記在庫情報に基づいて、前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報ファイルを検索し、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を更新する処理を実行する固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段と、この固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段により更新された前記部材在庫情報ファイルの前記在庫情報を出力するための出力手段と、を備えているものを挙げることができる。
【0014】
これによると、前記サーバは、前記被管理部材の仕様情報をこの被管理部材の識別情報と関連付けて記憶する部材仕様情報データベースと、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む在庫情報を、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報データベースと、を備えている。
【0015】
また、前記サーバは、特定の前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫情報を、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得する処理を実行するサーバ側部材在庫情報取得処理手段と、このサーバ側部材在庫情報取得処理手段により取得された前記在庫情報を、前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置に送信する処理を実行するサーバ側部材在庫情報送信処理手段と、を備えている。
【0016】
これにより、サーバから、特定の保管庫に取り付けられている固定端末装置へ、前記特定の保管庫にされている被管理部材の在庫数量が送信される。
【0017】
一方、前記固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む前記在庫情報を、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報とを関連付けて記憶する部材在庫情報ファイルを備えている。
【0018】
また、前記固定端末装置は、前記サーバの前記サーバ側部材在庫情報送信処理手段により送信された前記在庫情報を受信し、この受信した前記在庫情報に基づいて、前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報ファイルを検索し、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を更新する処理を実行する固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段と、この固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段により更新された前記部材在庫情報ファイルの前記在庫情報を出力するための出力手段と、を備えている。
【0019】
これにより、固定端末装置の部材在庫情報ファイルの在庫情報は、サーバから受信した被管理部材の在庫情報に置き換わる(更新される)。すなわち、固定端末装置の部材在庫情報ファイルの在庫情報は、サーバに登録されている固定端末装置が取り付けられている保管庫の被管理部材の在庫情報と同じ内容となり、この在庫情報は、固定端末装置の出力手段に出力される。
【0020】
この結果、固定端末装置の出力手段は、この固定端末装置が取り付けられている保管庫に保管されている被管理部材の最新の在庫情報を表示する札部材としての機能を有することになる。すなわち、サーバが配置されている場所に行かなくても、固定端末装置の出力手段を見れば、保管庫に保管されている被管理部材の最新の在庫情報が一目で分かるようになる。
【0021】
また、前述したように、移動可能となっている保管庫の移動中に被管理部材が保管庫から脱落し、この後、脱落した被管理部材があやまって他の保管庫に保管されてしまった場合には、移動した保管庫に保管されている被管理部材の実際の在庫数量が、サーバ側で管理されている在庫数量と異なることが、固定端末装置の出力手段を見れば分かるようになる。
【0022】
本発明において、被管理部材の識別情報は、被管理部材が識別できる情報であれば任意なものでよく、その一例は、被管理部材の品番(商品番号)や型番(型式番号)である。また、被管理部材の識別情報は、複数の情報を組み合わせたもの(例えば、被管理部材のメーカー番号と品番)としてもよい。なお、本発明において、被管理部材の識別情報とは、同種の被管理部材が複数ある場合に、それぞれの被管理部材を識別するための固有の情報ではない。
【0023】
本発明において、部材仕様情報データベースに記憶される被管理部材の仕様情報の項目は任意であり、例えば、被管理部材の品名(商品名)や型名(型式名)、寸法、形状、材質等を挙げることができる。したがって、部材仕様情報データベースには、被管理部材の識別情報(例えば、前述した品番や型番)をキー項目とする被管理部材の仕様情報(例えば、前述した被管理部材の品名や型名、寸法、形状、材質等)のレコードが記憶される。
【0024】
また、本発明において、保管庫には、同種の(同一の識別情報を有する)被管理部材が保管されるものでもよく、異種の(異なる識別情報を有する)被管理部材が混在して保管されるものでもよい。また、同種の被管理部材が複数の保管庫に分散して保管されるものでもよい。
【0025】
本発明において、固定端末装置の識別情報は、固定端末装置は識別できる情報であれば任意なものでよく、例えば、固定端末装置固有の物理アドレスであるMACアドレス(言い換えると、固体識別番号)をそのまま使用してもよいが、MACアドレスと関連付けられたより分かりやすいものとすることが好ましい。例えば、固定端末装置の識別情報は、この固定端末装置が取り付けられる保管庫に付与された固有の管理番号(例えば、棚番(棚番号))としてもよく、保管庫が通常配置される場所の区画番号等としてもよい。
【0026】
また、本発明において、部材在庫情報データベースに記憶される被管理部材の在庫情報の項目は、この部材在庫情報データベースに少なくとも含まれる被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報や在庫数量を除いて任意であり、例えば、被管理部材が保管庫に最後に入庫した日や数量(直近の入庫日や入庫数量)、被管理部材が保管庫から最後に出庫した日や数量(直近の出庫日や出庫数量)等を挙げることができる。したがって、部材在庫情報データベースには、被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報をキー項目とする被管理部材の在庫情報(被管理部材の在庫数量の他、直近の入庫日や入庫数量、直近の出庫日や出庫数量等)のレコードが記憶される。
【0027】
なお、保管庫に異種の(異なる識別情報を有する)被管理部材が混在して保管される場合には、同一の固定端末装置の識別情報を有するレコードが複数記憶されることになる。すなわち、固定端末装置の識別情報は同一であって被管理部材の識別番号が異なる複数のレコードが部材在庫情報データベースに記憶されることになる。
【0028】
本発明において、固定端末装置が備える部材在庫情報ファイルに記憶される被管理部材の在庫情報の項目も、この部材在庫情報ファイルに少なくとも含まれる被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報や在庫数量を除いて任意であり、例えば、サーバの部材仕様情報データベースの項目(例えば、被管理部材の品名や型名等)や部材在庫情報データベースの項目(前述した直近の入庫日や入庫数量、直近の出庫日や出庫数量等)を挙げることができる。したがって、部材在庫情報ファイルには、被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報をキー項目とする被管理部材の在庫情報(被管理部材の在庫数量の他、品名や型名、直近の入庫日や入庫数量、直近の出庫日や出庫数量等)のレコードが記憶される。
【0029】
なお、上述した部材在庫情報データベースと同様に、保管庫に異種の(異なる識別情報を有する)被管理部材が混在して保管される場合には、同一の固定端末装置の識別情報を有するレコードが複数記憶されることになる。すなわち、固定端末装置の識別情報は同一であって被管理部材の識別番号が異なる複数のレコードが部材在庫情報ファイルに記憶されることになる。
【0030】
本発明において、前記固定端末装置は、少なくともこの固定端末装置が取り付けられている前記保管庫から出庫した前記被管理部材の前記出庫数量を入力するための入力手段と、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と前記入力手段に入力された前記出庫数量を含む出庫情報を前記サーバに送信する処理を実行する固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段を備え、前記サーバは、前記固定端末装置の前記固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段により送信された前記出庫情報を受信し、この受信した出庫情報のうち、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得し、少なくとも前記在庫情報の前記在庫数量を更新する処理を実行するサーバ側部材在庫情報更新処理手段を備えていることが好ましい。
【0031】
これによると、固定端末装置の入力手段から、少なくともこの固定端末装置が取り付けられている保管庫から出庫した被管理部材の出庫数量を入力することができ、被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報と入力手段に入力された出庫数量を含む出庫情報が、固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段によりサーバに送信される。
【0032】
このため、保管庫から出庫した被管理部材の出庫数量をわざわざサーバ側で入力する手間が省け、被管理部材が出庫した保管庫に取り付けられている固定端末装置からその場で出庫数量を入力できるので、出庫数量の入力の間違いをより少なくすることができる。
【0033】
一方、サーバが、固定端末装置から送信された被管理部材の出庫情報を受信した後、サーバが備えるサーバ側部材在庫情報更新処理手段は、受信した出庫情報のうち、被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報をキーとして、部材在庫情報データベースを検索し、被管理部材の識別情報及び固定端末装置の識別情報と関連付けられた在庫情報を取得し、少なくとも在庫情報の在庫数量を更新する処理を実行することになる。
【0034】
このように、被管理部材が出庫した保管庫に取り付けられている固定端末装置から出庫数量が入力、送信されると、サーバが備える部材在庫情報データベースの在庫数量が直ちに更新されることになる。このため、サーバ側では、リアルタイムで最新の被管理部材の在庫数量を把握することが可能となる。
【0035】
なお、サーバが備えるサーバ側部材在庫情報更新処理手段は、少なくとも在庫情報の在庫数量を更新するとあるので、例えば、部材在庫情報データベースの項目として直近の出庫日や直近の出庫数量が設定されており、固定端末装置から送信される出庫情報の中に被管理部材の出庫日が含まれている場合には、この出庫日を部材在庫情報データベースの直近の出庫日として更新するようにしてもよい。なお、部材在庫情報データベースの直近の出庫数量には、固定端末装置から送信された出庫数量をそのまま移送、更新すればよい。
【0036】
なお、本発明において、保管庫に入庫した被管理部材の入庫情報も、上述した出庫情報と同様に、固定端末装置の入力手段に入力、サーバに送信するようにしてもよい。そして、サーバは受信した入庫情報に基づいて、部材在庫情報データベースの在庫情報(在庫数量、直近の入庫日等)を更新するようにしてもよい。
【0037】
すなわち、本発明において、前記固定端末装置は、少なくともこの固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に入庫した前記被管理部材の前記入庫数量を入力するための入力手段と、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と前記入力手段に入力された前記入庫数量を含む入庫情報を前記サーバに送信する処理を実行する固定端末装置側部材入庫情報送信処理手段を備えるようにしてもよい。また、前記サーバは、前記固定端末装置の前記固定端末装置側部材入庫情報送信処理手段により送信された前記入庫情報を受信し、この受信した入庫情報のうち、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得し、少なくとも前記在庫情報の前記在庫数量を更新する処理を前記サーバ側部材在庫情報更新処理手段に実行させるようにしてもよい。
【0038】
また、この場合において、サーバ側部材在庫情報更新処理手段は、部材在庫情報データベースの項目として直近の入庫日が設定されており、固定端末装置から送信される入庫情報の中に被管理部材の入庫日が含まれている場合には、この入庫日を部材在庫情報データベースの直近の入庫日として更新するようにしてもよい。なお、部材在庫情報データベースの直近の入庫数量には、固定端末装置から送信された入庫数量をそのまま移送、更新すればよい。
【0039】
なお、本発明において、サーバに入力される被管理部材の入庫数量は、サーバが備える入力手段と固定端末装置が備える入力手段の両方で入力可能となっているものでもよく、サーバが備える入力手段と固定端末装置が備える入力手段のうちのいずれか一方で入力可能となっているものでもよい。また、サーバに入力される被管理部材の出庫数量も、サーバが備える入力手段と固定端末装置が備える入力手段の両方で入力可能となっているものでもよく、サーバが備える入力手段と固定端末装置が備える入力手段のうちのいずれか一方で入力可能となっているものでもよい。
【0040】
ここで、被管理部材の入庫数量はサーバが備える入力手段に入力され、被管理部材の出庫数量は固定端末装置が備える入力手段に入力されるものとした場合には、前記固定端末装置の構成は、例えば、少なくともこの固定端末装置が取り付けられている保管庫から出庫した被管理部材の出庫数量を入力するための固定端末装置側入力手段と、前記被管理部材の識別情報及び前記固定端末装置の識別情報と前記固定端末装置側入力手段に入力された前記出庫数量を含む出庫情報を前記サーバに送信する処理を実行する固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段を備えたものとなる。一方、前記サーバの構成は、例えば、少なくとも前記固定端末装置が取り付けられている保管庫に入庫した被管理部材の入庫数量とこの被管理部材の識別情報と前記固定端末装置の識別情報を含む入庫情報を入力するためのサーバ側入力手段と、前記固定端末装置の前記固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段により送信された前記出庫情報を受信し、この受信した出庫情報のうち、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得し、前記在庫情報の前記在庫数量を更新する処理を実行し、前記サーバ側入力手段に入力された前記入庫情報のうち、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得し、前記在庫情報の前記在庫数量を更新する処理を実行するサーバ側部材在庫情報更新処理手段と、を備えたものとなる。
【0041】
このように、被管理部材の入庫数量はサーバが備える入力手段に入力され、被管理部材の出庫数量は固定端末装置が備える入力手段に入力されるものとすることにより、一度に多種類の被管理部材が大量に入庫した場合におけるこれらの被管理部材の入庫数量の入力作業を、サーバ側で集中して効率的に行うことができるようになる。
【0042】
本発明において、前記サーバは、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報毎の在庫数量を集計する処理を実行するサーバ側部材別在庫数量集計処理手段を備えていることが好ましい。
【0043】
これによると、同一の識別情報を有する複数の被管理部材が、複数の保管庫に分散して保管されたとしても、サーバに備えられているサーバ側部材別在庫数量集計処理手段により、複数の保管庫に分散して保管されている同一の識別情報を有する複数の被管理部材の総在庫数量を正確かつ容易に把握することができる。
【0044】
なお、このサーバ側部材別在庫数量集計処理手段による集計処理は、随時実行可能となっていることが好ましい。また、サーバに被管理部材の入庫数量や出庫数量が入力され、部材在庫情報データベースが更新された後には、必ず実行されることが好ましい。なお、サーバが出力手段を備えている場合には、サーバ側部材別在庫数量集計処理手段による集計処理が実行された後は、集計された被管理部材の在庫数量が、サーバの出力手段に出力されるようにすることが好ましい。ここで、サーバの出力手段とは、サーバに接続されたディスプレイ、プリンタ等をいう。
【0045】
本発明において、保管庫が複数ある場合には、それぞれの保管庫に取り付けられている固定端末装置同士は互いに通信可能となっており、固定端末装置は他の前記固定端末装置を経由してサーバと通信可能となっていることが好ましい。
【0046】
これによると、固定端末装置がサーバと直接通信できない状態(例えば、固定端末装置とサーバとの距離が遠距離となっている状態)となっても、この固体端末装置は、他の固定端末装置を経由してサーバと通信することができるようになる。すなわち、固定端末装置は、他の固定端末装置を経由してサーバへデータを送信したり、受信したりすることができるようになる。
【0047】
本発明において、サーバと固定端末装置との通信を中継するための中継装置を備えるようにしてもよい。
【0048】
サーバと固定端末装置との距離が遠距離となっている場合には、サーバと固定端末装置との通信が不可能となるおそれがあるが、サーバと固定端末装置との通信を中継するための中継装置を備えることにより、サーバと固定端末装置との通信が不可能となるおそれは解消する。したがって、サーバと固定端末装置との距離が近距離である場合には、中継装置は備えなくてもよい。
【0049】
また、本発明において、通信手段とは、有線通信でもよく、無線通信でもよく、これらを併用したものでもよい。
【0050】
通信手段が有線通信である場合には、この有線通信は任意なものでよく、例えば、サーバと固定端末装置の距離が短距離である場合には、イーサーネット(登録商標)等の有線LANでもよく、サーバと固定端末装置との距離が長距離である場合には、前記有線LANとインターネット(ADSL、光ファイバー回線等を使用したもの)を併用したものでもよい。
【0051】
一方、通信手段が無線通信である場合には、この無線通信も任意なものでよく、例えば、サーバと固定端末装置の距離が短距離である場合には、IEEE 802.11シリーズの無線LANでもよく、IEEE 802.15シリーズのBluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)でもよい。
【0052】
本発明において、通信手段が無線通信である場合には、サーバ及び固定端末装置と通信可能となっており、少なくとも部材在庫情報データベースに記憶された在庫情報を検索及び/又は更新する処理を実行する移動端末装置を備えていることが好ましい。
【0053】
これによると、移動端末装置をサーバと通信可能な範囲内で操作する限り、少なくとも部材在庫情報データベースに記憶された在庫情報を検索及び/又は更新する処理を実行することができる。
【0054】
なお、移動端末装置は、固定端末装置と通信し、この固定端末装置の内部メンテナンス処理を実行する内部メンテナンス処理手段を備えるようにしてもよい。
【0055】
また、移動端末装置は、サーバと固定端末装置との距離が遠距離となって固定端末装置が通信圏外に陥ってしまった場合において、通信圏外に陥ってしまった固定端末装置に対する動作指示を実行する固定端末装置動作指示手段を備えるようにしてもよい。
【0056】
さらに、移動端末装置は、通信圏外に陥ってしまった固定端末装置の代わりに、この固定端末装置が取り付けられている保管庫に保管されている被管理部材の出庫情報及び/又は入庫情報を入力し、これらの入出庫情報をサーバに送信する処理を実行する機能を備えるようにしてもよい。
【0057】
以上説明した本発明は、任意な被管理部材の在庫管理に利用できるものである。例えば、被管理部材の用途は、完成品に使用されるものでもよく、半製品に使用されるものでよい。また、被管理部材の形状、構造も任意なものでよく、例えば、長尺の部材でもよく、短尺の部材でもよい。
【0058】
完成品が、開閉装置である各種のシャッター装置(開口部シャッター装置や防災用シャッター装置等)である場合における被管理部材の例として、開閉体であるシャッターカーテンの構成部材となっている座板やスラット、シャッターカーテンを案内する案内部材となっているガイドレール、シャッターカーテンを巻取り、繰り出すための巻取軸等の長尺の部材を挙げることができる。
【0059】
本発明において、被管理部材を保管するための保管庫は、移動可能となっているものであれば任意なものでよく、例えば、パレットでもよく、コンテナでもよく、カート等でもよい。また、保管庫は、屋外に配置されるものでもよく、屋内に配置されるものでもよく、屋外及び屋内に配置されるものものでもよい。
【0060】
また、保管庫は、積み上げ可能となっていてもよく、積み上げ不能となっていてもよい。
【0061】
本発明において、保管庫がパレットとなっている場合において、パレットの形状、構造は任意なものでよく、その一例として、被管理部材が載置されるベース部と、このベース部の周縁部に複数個設けられ、上向きに突出する柱状部を有しているものを挙げることができる。
【0062】
これによると、パレットのベース部に載置された被管理部材は、柱状部の存在により、ベース部から脱落することが防止される。
【0063】
また、保管庫がパレットとなっており、かつ、パレットの形状、構造が上述したようにベース部と柱状部とを有する場合において、固定端末装置をパレットに取り付ける位置は任意であるが、固定端末装置は、被管理部材の管理者や使用者が見やすい場所に配置されることが好ましい。例えば、固定端末装置は、パレットの柱状部の側面部に取り付けることが好ましい。
【0064】
この場合において、固定端末装置は、パレットの柱状部の側面部における被管理部材と干渉しない位置に取り付けられていることが好ましい。これにより、固定端末装置が被管理部材と干渉して損傷することが防止される。
【0065】
また、パレットがフォークリフトで移動可能となって場合には、固定端末装置は、柱状部の側面部におけるフォークリストのフォークと干渉しない位置に取り付けられていることが好ましい。
【0066】
保管庫がパレットとなっており、かつ、パレットの形状、構造が上述したようにベース部と柱状部とを有する場合であって、パレットが単独で配置されるものである場合には、固定端末装置は、パレットの柱状部の側面部のうち、他の柱状部の側面部と対向する側面部であって、被管理部材と干渉しない側面部に取り付けられていることが好ましい。
【0067】
これによると、固定端末装置が被管理部材と干渉して損傷することが防止され、また、固定端末装置が外部の影響を受けにくいものとなる。
【0068】
保管庫がパレットとなっており、かつ、パレットの形状、構造が上述したようにベース部と柱状部とを有する場合であって、パレットは複数個あり、これらのパレットが互いに隣接して配置されるものである場合には、固定端末装置は、それぞれのパレットの柱状部の側面部のうち、他の柱状部と対向しない側面部であって、かつ、他のパレットの柱状部とも対向しない側面部に取り付けられていることが好ましい。
【0069】
これによると、固定端末装置が被管理部材と干渉して損傷することが防止され、また、固定端末装置が隣接する他のパレットの柱状部と干渉して損傷することが防止される。
【発明の効果】
【0070】
本発明によると、定位置化されていない被管理部材の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る在庫管理システムが運用される工場の全体図である。
【図2】図2は、被管理部材が保管される移動可能な保管庫であるパレットの拡大斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すパレットが積み上げられた状態を示す図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る在庫管理システムを構成するサーバ、機器、装置が接続されや状態を示す図である。
【図5】図5は、サーバの構成図である。
【図6】図6は、部材仕様情報データベースの項目レイアウト図である。
【図7】図7は、部材在庫情報データベースの項目レイアウト図である。
【図8】図8は、固定端末装置の構成図である。
【図9】図9は、部材在庫情報ファイルの項目レイアウト図である。
【図10】図10は、固定端末装置の斜視図である。
【図11】図11は、単独で配置されたパレットに固定端末装置が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11に示されているパレットの平面図である。
【図13】図13は、互いに隣接して配置された2個のパレットのそれぞれに固定端末装置が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、図13に示されているパレットの平面図である。
【図15】図15は、移動端末装置の斜視図である。
【図16】図16は、サーバと固定端末装置との間で行われる被管理部材の入庫処理の流れを示すフローチャート図である。
【図17】図17は、サーバと固定端末装置との間で行われる被管理部材の出庫処理の流れを示すフローチャート図である。
【図18】図18は、図17の処理の流れの続きを示すフローチャート図である。
【図19】図19は、別実施形態に係るパレットの斜視図である。
【図20】図20は、図19に示すパレットが積み上げられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る在庫管理システムが運用される工場の全体図である。本実施形態に係る工場1は、開閉装置であるシャッター装置の製造工場であり、この工場1は、図1に示されているように、シャッター装置の製造作業が行われる作業棟2と、このシャッター装置の製造に使用される被管理部材が搬入され、一時的に保管される場所となっているストックヤード3と、作業棟2に隣接する事務室4と、を含んで構成されるものとなっている。なお、事務室4には、実施形態に係る在庫管理システムを構成する後述するサーバが設置されている。
【0073】
また、図1に示されているように、ストックヤード3には、複数のパレット(荷台)6が配置されており、これらのパレット6は、シャッター装置の製造に使用される被管理部材5を保管するための保管庫となっている。外部(例えばメーカー)から被管理部材5がロット単位で搬入されると、搬入された被管理部材5はパレット6に保管(入庫)され、シャッター装置の製造作業で被管理部材5が必要となったとき、必要数量の被管理部材5がパレット6から出庫され、フォークリフト90で工場1の作業棟3に運ばれる。このように、保管庫となっているパレット6は移動可能となっている。
【0074】
図2には、パレット6の拡大斜視図が示されている。この図2に示されているように、パレット6は、長方形の板状部材で形成され、被管理部材5が載置されるベース部7と、このベース部7の表面部の周縁部に複数個(図2では、四隅と、長辺部の略中央部の合計6個)設けられ、水平断面形状が略正方形となっている柱状被管理部材で形成された上向きに突出する柱状部8と、ベース部7の裏面部の周縁部における柱状部8と対応する位置に複数個設けられ、水平断面形状が略正方形となっている柱状被管理部材で形成された下向きに突出する脚部9とからなっている。
【0075】
したがって、地面に置かれているパレット6のベース部7と地面との間には隙間が形成されるため、フォークリフト90によるパレット6の運搬作業(移動作業)は、前記隙間にフォークリフト90のフォーク90A(図1参照)を差し込むことにより容易に行うことができる。
【0076】
本実施形態に係る被管理部材5は、図2に2点鎖線で示されているように、長尺部材であり、この長尺部材は、例えば、開閉体であるシャッターカーテンの構成部材となっているエンド部材である座板、シャッターカーテンを案内するための案内部材であるガイドレール、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための巻取軸等である。このため、本実施形態に係るパレット6は、長尺部材が保管できるのに十分な長さ寸法を有している。一方、長尺部材となっていない短寸法の被管理部材については、図1に示す短寸法の部材用のパレット6’に保管する。
【0077】
なお、図3に示すように、地面に置かれたパレット6の6個の柱状部8の上端面に、他のパレット6の6個の脚部9を載置することにより、パレット6を積み上げることが可能となっている。
【0078】
図4は、本実施形態に係る在庫管理システムを構成するサーバ、機器、装置同士が接続された状態を示す図である。
【0079】
この図4に示すように、本実施形態に係る在庫管理システムは、パレット6に保管されている被管理部材5の在庫管理を行うためのサーバ10と、パレット6に取り付けられ(図4でではパレット6の表示は省略)、サーバ10と通信手段81を介して接続可能となっている固定端末装置30と、この固定端末装置30とサーバ10との通信を中継するための中継装置であるルータ端末装置80と、サーバ10及び固定端末装置30と通信可能となっている携帯可能な移動端末装置50と、を含んで構成されている。なお、サーバ10のOS(オペレーティングシステム)は任意なものでよく、OSは、例えば、Linux(登録商標)でもよく、Windows(登録商標)等でもよい。また、固定端末装置30や移動端末装置50のOSも任意なものもよく、例えば、Linux(登録商標)でもよく、Windows(登録商標) Mobile(登録商標)等でもよい。
【0080】
図4に示されているように、これらのサーバ、機器、装置間の通信は通信手段81によって行われ、この通信手段81は、本実施形態では、無線通信であるIEEE 802.15シリーズのZigBee(登録商標)となっている。
【0081】
なお、サーバ10と、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80とは、通信プロトコルの変換処理を行う必要があるため、サーバ10には、プロトコル変換処理を行う通信制御装置であるゲートウェイ端末装置25が有線(LANケーブル)で接続されている。すなわち、ゲートウェイ端末装置は、サーバ10とは有線通信を行い、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80とは無線通信を行う。このため、サーバ10は、ゲートウェイ端末装置25を介して、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80とZigBee(登録商標)通信を行うことなる。
【0082】
なお、図示されていないが、商用電源で動作するゲートウェイ端末装置25は、プロトコル変換用MPUと、ZigBee(登録商標)通信用MPUと、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80と無線通信をおこなうための2.5GHzトランシーバと、を含んで構成されている。本実施形態では、ゲートウェイ端末装置25とサーバ10は、図1に示されている事務室4内に設置される。
【0083】
また、商用電源あるいはバッテリ(充電池)電源で動作するルータ端末装置80は、ZigBee(登録商標)通信用MPUと、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80と無線通信をおこなうための2.5GHzトランシーバと、を含んで構成されている。本実施形態では、ルータ端末装置80は、図1に示されているように、事務室4から離間した作業棟2の壁面に設置されている。なお、本実施形態において、サーバ10と、固定端末装置30が取り付けられるパレット6(サーバ10から最も遠くに配置されるもの)との距離が近距離となっている場合には、ルータ端末装置80は必ずしも必要ではない。
【0084】
なお、固定端末装置30と移動端末装置50の内部構造については後述する。
【0085】
図5には、サーバ10の構成図が示されている。少なくとも被管理部材5の在庫数量を管理するためのサーバ10は、図示されないCPUと、RAM、ROMである主記憶手段と、ハードディスク、DVD−RW、CD−RW、FD、フラッシュメモリ等の補助記憶手段と、制御手段等と、を備えている。そして、補助記憶手段には、被管理部材5の在庫管理をするための図5に示す処理手段11が記憶されており、主記憶手段に読み込まれ、CPUで実行されるソフトウェアとなっているこの処理手段11は、サーバ側部材在庫情報取得処理手段12と、サーバ側部材在庫情報送信処理手段13と、サーバ側部材在庫情報更新処理手段14と、サーバ側部材別在庫数量集計処理手段15と、を備えている。なお、これらの処理手段12〜15によって実行される処理内容は後述する。
【0086】
また、サーバ10には、在庫管理に必要な情報を入力するためのサーバ側入力手段である入力手段18や、サーバ10の処理手段11により実行された処理結果等を出力するための出力手段19が接続されている。図3に示されているように、本実施形態では、入力手段18はキーボードとなっており、出力手段19は液晶ディスプレイとなっている。
【0087】
サーバ10の補助記憶手段となっているハードディスクには、図5に示されているように、被管理部材5の在庫管理をするため部材仕様情報データベース16と部材在庫情報データベース17が記憶されている。
【0088】
図6には、部材仕様情報データベース16の項目レイアウト図が示されている。この図6に示されているように、被管理部材5の仕様情報をこの被管理部材5の識別情報と関連付けて記憶する部材仕様情報データベース16のデータ項目は、左から品番16A、品名16Bとなっている。本実施形態では、品番16Aが被管理部材5の識別情報(部材仕様情報データベース16にアクセスするためのキー項目)となっており、品名16Bが品番16Aと関連付けられる被管理部材5の仕様情報となっている。すなわち、部材仕様情報データベース16は、被管理部材5の仕様情報をこの被管理部材5の品番と関連付けて記憶するものである。
【0089】
なお、被管理部材5の仕様情報となるデータ項目は、任意であり、品名16Bに限られるものではない。また、仕様情報となるデータ項目の数も任意であり、品名16Bの他に、例えば、被管理部材5の寸法、形状、材質等のデータ項目を加えてもよい。これと同様に、被管理部材5の識別情報も品番16Aに限られるものではない。
【0090】
図7には、部材在庫情報データベース17の項目レイアウト図が示されている。この図7に示されているように、パレット6に保管されている被管理部材5の在庫数量を含む在庫情報を、前記パレット6に保管されている前記被管理部材5の識別情報及び前記パレット6に取り付けられている固定端末装置30の識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報データベース17のデータ項目は、左から棚番17A、品番17B、在庫数量17C、直近入庫日17D、直近入庫数量17E、直近出庫日17F、直近出庫数量17Gとなっている。ここで、直近入庫日17Dとは、1番最後に被管理部材5がパレット6に入庫した日をいい、直近入庫数量17Eとは、1番最後に被管理部材5がパレット6に入庫した日の入庫数量をいう。これと同様に、直近出庫日17Fとは、1番最後に被管理部材5がパレット6から出庫した日をいい、直近出庫数量17Gとは、1番最後に被管理部材5がパレット6から出庫した日の出庫数量をいう。
【0091】
なお、固定端末装置30の識別情報として、この固定端末装置30固有の物理アドレスであるMACアドレスを使用してもよいが、このMACアドレスを固定端末装置30の識別情報とすると、管理運用上わかりにくく不便なものとなってしまう。一方、固定端末装置30はパレット6に取り付けられるものであり、このため、固定端末装置30はパレット6の棚札の役目をすることになる。そこで、本実施形態では、固定端末装置30の識別情報として、この固定端末装置30のMACアドレスと対応し、各パレット6に固有のわかりやすい管理番号となる棚札番号(以下「棚番」という)を設定している。
【0092】
このように、本実施形態では、棚番17Aが固定端末装置30の識別情報となっており、品番17Bが被管理部材5の識別情報となっており、これら2個のデータ項目が部材在庫情報データベース17にアクセスするためのキー項目となっている。そして、在庫数量17C〜直近出庫数量17Gまでの5個のデータ項目が、棚番17A及び品番17Bと関連付けられるパレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報となっている。なお、パレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報となるデータ項目としては、少なくとも在庫数量17Cが必須であり、直近入庫日17D〜直近出庫数量17Gまでの4個のデータ項目は必ずしも必要ではない。すなわち、パレット6に保管されている被管理部材5の最新の在庫数量が把握できればよいのであれば、部材在庫情報データベース17のうち、必須のデータ項目は、キー項目である棚番17A及び品番17Bと、在庫数量17Cの3個である。なお、本実施形態において、在庫情報となるデータ項目は、在庫数量17Cを除いて任意に設定してよい。すなわち、在庫数量17Cを除いてデータ項目の数、データ項目の内容は任意に設定してよい。
【0093】
図8には、固定端末装置30の構成図が示されている。上述したように、被管理部材5が保管されるパレット6の棚札としての機能を有する固定端末装置30は、図示されないCPUと、RAM、ROMである主記憶手段と、小型のハードディスクやフラッシュメモリ等の補助記憶手段と、制御手段等を備えており、これらは、ユニット化されている。また、固定端末装置30は、ZigBee(登録商標)通信を行うためのZigBee(登録商標)通信用MPUと、固定端末装置30、移動端末装置50及びルータ端末装置80と無線通信をおこなうための2.5GHzトランシーバも備えている。
【0094】
固定端末装置30の補助記憶手段には、この固定端末装置30とサーバ10との間で、パレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報を受け渡しするための処理手段31が記憶されている。主記憶手段に読み込まれ、CPUで実行されるソフトウェアとなっているこの処理手段31は、サーバ側部材在庫情報更新処理手段32と、固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段33と、を備えている。なお、これらの処理手段32,33によって実行される処理内容は後述する。
【0095】
また、固定端末装置30には、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6から出庫した被管理部材5の出庫数量をサーバ10へ送信するとき、この出庫数量を入力するための固定端末側入力手段である入力手段35や、サーバ10から受信した被管理部材5の在庫情報を出力するための出力手段40が備えられている。図10に示されているように、本実施形態では、入力手段35はキー部やボタン部となっており、出力手段40は液晶表示部となっている。
【0096】
また、固定端末装置30の補助記憶手段には、図8に示されているように、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6の被管理部材5の在庫情報を格納するための部材在庫情報ファイル34が記憶されている。
【0097】
図9には、通常のファイル管理システムでデータが記憶される部材在庫情報ファイル34の項目レイアウト図が示されている。この図9に示されているように、固定端末装置30が取り付けられているパレット6に保管されている被管理部材5の在庫数量を含む在庫情報を、前記パレット6に保管されている前記被管理部材5の識別情報及び前記パレット6に取り付けられている固定端末装置30の識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報ファイル34のデータ項目は、左から棚番34A、品番34B、品名34C、在庫数量34D、直近入庫日34E、直近入庫数量34F、直近出庫日34G、直近出庫数量34H、総在庫数量34Iとなっている。
【0098】
これらのデータ項目のうち、総在庫数量34Iは、同じ品番の被管理部材5が複数のパレット6に分散して保管されている場合における各パレット6に保管されている被管理部材5の在庫数量を合計したものである。すなわち、総在庫数量34Iは、サーバ10の部材在庫情報データベース17の在庫数量17Cを、同じ品番34B単位で集計したものである。したがって、同じ品番を有する被管理部材5が複数のパレット6に分散して保管されていない場合には、部材在庫情報ファイル34の総在庫数量34Iは、同じく部材在庫情報ファイル34の在庫数量34Dと一致することになる。この総在庫数量34Iは、サーバ10の処理手段11のサーバ側部材別在庫数量集計処理手段15により算出される。
【0099】
また、部材在庫情報ファイル34のデータ項目のうち、品名34Cは、品番34Bをキーとしてサーバ10の部材仕様情報データベース16を検索することにより取得されたこの部材仕様情報データベース16の品名16Bが格納される。この品名16Bの取得は、サーバ10の処理手段11のサーバ側部材在庫情報取得処理手段12により実行される処理において行われる。
【0100】
ここで、サーバ10と固定端末装置30に備えられている前述した各処理手段により実行される処理内容を説明する。
【0101】
サーバ側部材在庫情報取得処理手段12は、特定のパレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報を、特定のパレット6に保管されている被管理部材5の品番及び特定のパレット6の棚番をキーとして、部材在庫情報データベース17を検索し、特定のパレット6に保管されている被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と関連付けられた在庫情報を取得する処理を実行するものである。
【0102】
サーバ側部材在庫情報送信処理手段13は、サーバ側部材在庫情報取得処理手段12により取得された在庫情報を、特定のパレット6に取り付けられている固定端末装置30に送信する処理を実行するものである。
【0103】
サーバ側部材在庫情報更新処理手段14は、固定端末装置30の固定端末装置固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段33により送信された出庫情報を受信し、この受信した出庫情報のうち、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番をキーとして、部材在庫情報データベース17を検索し、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と関連付けられた在庫情報を取得し、少なくとも在庫情報の在庫数量17Cを更新する処理を実行するものである。
【0104】
サーバ側部材別在庫数量集計処理手段15は、サーバ10の部材在庫情報データベース17を検索し、被管理部材5の品番17B毎の在庫数量17Cを集計する処理を実行するものである。
【0105】
固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32は、部材在庫情報ファイル34と、サーバ側部材在庫情報送信処理手段13により送信された在庫情報を受信し、この受信した在庫情報に基づいて、被管理部材5の品番及び前記パレット6の棚番をキーとして、部材在庫情報ファイル34を検索し、パレット6に保管されている被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と関連付けられた在庫情報を更新する処理を実行するものである。
【0106】
出力手段40は、固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32により更新された部材在庫情報ファイル34の在庫情報を出力するものである。
【0107】
入力手段18は、少なくとも固定端末装置30が取り付けられているパレット6から出庫した被管理部材5の出庫数量を入力するものである。
【0108】
固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段33は、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と、入力手段35に入力された出庫数量を含む出庫情報をサーバ10に送信する処理を実行するものである。
【0109】
図10は、固定端末装置30の斜視図である。この図10に示されているように、固定端末装置30の前面部に配置されている入力手段35は、+(プラス)キー36、−(マイナス)キー37、[実行]キー38とからなっており、これらのキーは、前述したように、固定端末装置30が取り付けられているパレット6から出庫した被管理部材5の出庫数量をサーバ10へ送信するとき、この出庫数量を入力するための使用されるものである。
【0110】
出庫数量の入力フィールド46への出庫数量の入力は、最初に入力フィールド46に0(ゼロ)が表示されるので、数字が、パレット6から出庫させる被管理部材5の出庫数量となるまで+(プラス)キー36を押下する。一方、現在表示されている出庫数量を減算したい場合には、−(マイナス)キー37を押下する。出庫数量の入力が終了したら、[実行]キー38を押す。これにより、固定端末装置30で入力された被管理部材5の出庫数量は、部材在庫情報ファイル34の棚番34A及び品番34Bとともにサーバ10へ送信される。なお、表示されている出庫数量が0となっているときに−(マイナス)キー37を押下した場合には、この−(マイナス)キー37のキー操作は無効となる。すなわち、表示されている出庫数量が0となっているときに−(マイナス)キー37を押下した場合には、出庫数量は0のままでマイナスにはならない。言い換えると、本実施形態では、後述するように、固定端末装置30への入庫数量の入力はサーバ10から送信されることにより可能となっていて、固定端末装置30の入力手段35からの操作による入力はできない構成となっている。これにより、マイナスの出庫数量がサーバ10に送信されて、この送信された出庫数量がサーバ10側では入庫数量として取り扱われることが防止され、出庫数量管理の正確さが増加する。もちろん、出庫数量管理上問題なければ、固定端末装置30の入力手段35からの操作によっても入庫数量の入力を可能としても差し支えない。
【0111】
また、固定端末装置30の前面部に配置されている出力手段40である液晶表示部には、上から、棚番41、品番42、品名43、パレット在庫数量44、総在庫数量45、出庫数量46が表示されており、入力項目は出庫数量46のみで、これ以外の項目は、全て固定端末装置30の部材在庫情報ファイル34から参照表示されるものである。
【0112】
なお、出庫数量46の見出し及び入力フィールドは、固定端末装置30が棚札として使用される場合には表示されない。すなわち、出庫数量46の項目は、パレット6から出庫する被管理部材5の出庫数量を入力する場合にのみ表示される。出庫数量46の見出し及び入力フィールドの表示/非表示の切り替えは、固定端末装置30の側面部に形成された図示されない窪み部に配置されている図示されない表示切替スイッチを操作することにより行われる。この表示切替スイッチは、固定端末装置30が棚札として使用されるときには操作されないように、前記窪み部がカバー部材で覆われている。
【0113】
なお、固定端末装置30は、バッテリ(充電池)で動作するものであり、このバッテリの電源スイッチは、固定端末装置30の裏面側に設けられている。通常時は棚札としての機能を果たす固定端末装置30の前面部には、バッテリの消費を少なくするための[省電力]ボタン39が配置されており、この[省電力]ボタン39を押下することにより、バッテリは省電力モードの状態となる。また、固定端末装置30は、屋外での使用に耐えうる防水性を有している。
【0114】
以上説明したように、固定端末装置30の出力手段である液晶表示部40には、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6に保管されている被管理部材5の最新の在庫情報が表示されるものであり、このため、表示切替スイッチにより出庫数量の見出し及び入力フィールドが表示されない状態(モード)となっているときには、固定端末装置30は、この固定端末装置30が取り付けられたパレット6の棚札の役目を果たすようになっている。
【0115】
次に、固定端末装置30がパレット6に取り付けられる位置について説明する。
【0116】
図11は、パレット6がストックヤード3に単独で配置されるものであって、固定端末装置30が取り付けられている状態のパレット6の斜視図であり、図12は、図11に示されているパレット6の平面図である。ここで、単独で配置されているパレット6とは、ストックヤード3に配置されるパレット6が1個のみである場合や、ストックヤード3に配置されるパレット6は複数個であるが、それぞれのパレット6が互いに相当の距離をおいて配置されている場合をいう。
【0117】
図11及び図12に示されているように、本実施形態では、固定端末装置30は、パレット6のベース部7の表面部7Aの周縁部である四隅に設けられている4個の柱状部8のうちの1個の柱状部8の側面部8C(図12参照)に設けられており、この固定端末装置30の取り付け高さ位置(上下方向の位置)は、柱状部8の長さ方向である上下方向略中央部(図11参照)となっている。
【0118】
ここで、固定端末装置30の取り付け位置は、この固定端末装置30が外力の影響を受けず、また、被管理部材5と干渉しない位置に取り付けることが好ましい。また、固定端末装置30の取り付け位置は、パレット6に取り付けたときにこの固定端末装置30が見えやすい位置であることが好ましい。
【0119】
図12に示すように、柱状部8の側面部には、側面部8A、側面部8B、側面部8C、側面部8Dの4面があるが、固定端末装置30を側面部8A又は側面部8Dに取り付けると、固定端末装置30は、外力(例えば、風雨や塵埃、フォークリフト90のフォーク90A(図1参照)と当接(干渉)すること等)の影響を受けやすい。また、固定端末装置30を側面部8Bに取り付けると、固定端末装置30が被管理部材5と干渉するおそれがある。
【0120】
そこで、本実施形態では、固定端末装置30は、外力の影響を受けず、また、被管理部材5と干渉するおそれが少ない側面部8Cに取り付けられている。また、固定端末装置30の取り付け高さ位置(上下方向の位置)は、管理者が見やすいように、柱状部8の長さ方向である上下方向略中央部(図11参照)となっている。
【0121】
このように、本実施形態では、固定端末装置30は、前述したように、パレット6のベース部7の表面部7Aの四隅に設けられている4個の柱状部8のうちの1個の柱状部8の側面部8C(図12参照)に設けられているが、固定端末装置30が外力の影響を受けず、また、被管理部材5と干渉するおそれが少ない側面部であればよく、側面部8Cと同様な位置である図12に示す側面部8E,8F,8G,8H,8I,8J,8Kでもよい。
【0122】
すなわち、パレット6が単独で配置されるものである場合には、固定端末装置30は、パレット6の柱状部8の側面部のうち、他の柱状部8と対向する側面部であって、被管理部材5と干渉しない側面部に取り付ければよい。
【0123】
図13は、ストックヤード3に配置されるパレット6は複数個(図示例では2個)あり、これらのパレット6の長辺部同士が互いに隣接して配置されるものであって、固定端末装置30が取り付けられている状態の複数個のパレット6の斜視図であり、図14は、図13に示されているパレット6の平面図である。
【0124】
図13及び図14に示されているように、本実施形態では、固定端末装置30は、それぞれのパレット6のベース部7の表面部7Aの四隅に設けられている4個の柱状部8のうちの1個の柱状部8の側面部8A(図14参照)に設けられており、それぞれの固定端末装置30の取り付け高さ位置(上下方向の位置)は、図11及び12の実施形態と同様に、柱状部8の長さ方向である上下方向略中央部(図13参照)となっている。
【0125】
本実施形態では、上述した図11及び図12の実施形態と異なり、複数個のパレット6が互いに隣接して配置されるため、パレット6同士が干渉するおそれがある。
【0126】
このため、それぞれのパレット6に取り付けられる固定端末装置30の取り付け位置は、それぞれの固定端末装置30が、パレット6の柱状部8や被管理部材5と干渉しない位置に取り付けることが好ましい。また、固定端末装置30の取り付け位置は、図11及び12の実施形態と同様に、パレット6に取り付けたときにこの固定端末装置30が見えやすい位置であることが好ましい。
【0127】
図14に示すように、柱状部8の側面部には、側面部8A、側面部8B、側面部8C、側面部8Dの4面があるが、固定端末装置30を側面部Dに取り付けると、固定端末装置30は、隣接するパレット6の柱状部8の側面部に当接(干渉)したり、前述したような外力の影響を受けやすい。また、固定端末装置30を側面部8Bに取り付けると、固定端末装置30が被管理部材5と干渉するおそれがある。さらに、固定端末装置30を側面部8Cに取り付けると、固定端末装置30が見えなくなるおそれがある。
【0128】
そこで、本実施形態では、固定端末装置30は、外力の影響を受けるおそれがあるが、隣接するパレット6の柱状部8や被管理部材5と干渉するおそれが少なく、かつ、隠れて見えなくなることのない側面部8Aに取り付けられている。また、固定端末装置30の取り付け高さ位置(上下方向の位置)は、柱状部8の長さ方向である上下方向略中央部(図13参照)となっている。
【0129】
このように、本実施形態では、固定端末装置30は、前述したように、パレット6のベース部7の表面部7Aの四隅に設けられている4個の柱状部8のうちの1個の柱状部8の側面部8A(図14参照)に設けられているが、固定端末装置30が、隣接するパレット6の柱状部8と干渉したり、外力の影響を受けず、また、被管理部材5と干渉するおそれが少ない側面部であればよく、図14に示すパレット6のベース部7の表面部7Aにおける短辺部に設けられている柱状部8の側面部8L,8M,8Nでもよい。
【0130】
すなわち、パレット6は複数個あり、これらのパレット6が互いに隣接して配置されるものである場合には、固定端末装置30は、それぞれのパレット6の柱状部8の側面部のうち、他の柱状部8と対向しない側面部であって、かつ、他のパレット6の柱状部8とも対向しない側面部に取り付ければよい。
【0131】
図15は、移動端末装置50の斜視図である。この移動端末装置50は、前述したように、サーバ10及び固定端末装置30と通信可能となっており、少なくとも部材在庫情報データベース17に記憶された在庫情報を検索及び/又は更新する処理を実行するものである。
【0132】
固定端末装置30と同様に、この移動端末装置50も、図示されないCPUと、RAM、ROMである主記憶手段と、小型のハードディスクやフラッシュメモリ等の補助記憶手段と、制御手段等を備えており、これらは、ユニット化されている。また、この移動端末装置50も、ZigBee(登録商標)通信を行うためのZigBee(登録商標)通信用MPUと、サーバ10、固定端末装置30、ルータ端末装置80と無線通信をおこなうための2.5GHzトランシーバも備えている。
【0133】
図15に示すように、この移動端末装置50は、メニュー操作や各種情報を入力するための入力手段51や、サーバ10から受信した被管理部材5の在庫情報等を出力するための出力手段55が備えられている。図15に示されているように、本実施形態では、入力手段51はテンキー52、処理メニュ−を選択するため等に使用される[実行]キー53、ファンクションキー54となっており、出力手段55は液晶表示部となっている。
【0134】
次に、本実施形態に係る在庫管理システムにおけるサーバ10と固定端末装置30との間で行われる処理の流れを図16〜図18のフローチャート図により説明する。なお、図16〜図18において、被管理部材5は「部材5」と省略して表記する。
【0135】
まず、パレット6に被管理部材5が入庫した場合の処理の流れを図16のフローチャート図により説明する。
【0136】
図16に示されているように、まず、メーカーから被管理部材5のロットがストックヤード3に搬入し、この被管理部材5のロットがパレット6に入庫される(ステップS1)。この後、パレット6に入庫された被管理部材5の入庫情報(棚番、品番、入庫数量、入庫日等)が、管理者によってサーバ10の入力手段18に入力され、この入力された入庫情報は、サーバ10の処理手段11によって、部材在庫情報データベース17に新規登録又は更新される(ステップS2)。なお、処理手段11による部材在庫情報データベース17へのアクセスは、入庫情報の棚番及び品番を参照キーとして行われる。そして、処理手段11によって、入庫情報の入庫数量は、部材在庫情報データベース17の在庫数量17Cに加算、直近入庫数量17Eに移送され、入庫情報の入庫日は、部材在庫情報データベース17の直近入庫日17Dに移送される。
【0137】
ステップS2が実行された後、サーバ10の処理手段11は、ステップS1の前記パレット6に入庫した被管理部材5の在庫情報を、部材仕様情報データベース16(参照キー:品番)及び部材在庫情報データベース17(参照キー:棚番及び品番)から取得し、この取得した在庫情報(棚番、品番、品名、在庫数量、直近入庫日、直近入庫数量、直近出庫日、直近出庫数量等)を、前記パレット6に取り付けられる予定の固定端末装置30に送信する処理を実行する(ステップS3)。なお、このステップS3は、サーバ10の処理手段11のサーバ側部材在庫情報取得処理手段12とサーバ側部材在庫情報送信処理手段13により実行される。
【0138】
なお、ステップS3はステップS2と連動して実行されるものであるが、ステップS3はステップS2と連動せずに、このステップS2の後に随時実行可能としてもよい。
【0139】
ステップS3が実行された後、固定端末装置30の処理手段31の固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32は、ステップS3によりサーバ10から送信された被管理部材5の在庫情報を受信し(ステップS4)、この受信した在庫情報に基づいて、固定端末装置30の部材在庫情報ファイル34(参照キー:棚番及び品番)を新規登録又は更新する処理を実行する(ステップS5)。
【0140】
なお、ステップS3及びステップS4におけるサーバ10と固定端末装置30との通信は、無線通信でもよく、サーバ10と固定端末装置30とをケーブルで接続して通信を行う有線通信でもよい。
【0141】
ステップS5の固定端末装置30の部材在庫情報ファイル34の更新が終了した後は、固定端末装置30をステップS1で被管理部材5が入庫したパレット6に取り付ける作業を管理者が行う(ステップS6)。
【0142】
次に、パレット6から被管理部材5が出庫する場合の処理の流れを図17及び図18のフローチャート図により説明する。
【0143】
まず、製品の製造に使用される必要数量の被管理部材5がパレット6から出庫されると(ステップS7)、被管理部材5を出庫した作業者あるいは被管理部材5の在庫管理者等は、棚札として機能するモードとなっていた固定端末装置30の表示切替スイッチを操作して出庫数量の入力モードにした後、固定端末装置30の入力手段35を操作してパレット6から出庫する被管理部材5の出庫数量を入力し、この出庫数量を含む出庫情報(棚番、品番、出庫日、出庫数量)をサーバ10に送信する(ステップS8)。この出庫情報の送信処理は固定端末装置30の処理手段31の固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段33により実行される。
【0144】
次に、サーバ10の処理手段11は、固定端末装置30から送信された出庫情報を受信する処理を実行する(ステップS9)。この後、処理手段11のサーバ側部材在庫情報取得処理手段12が、部材在庫情報データベース17から被管理部材5の在庫数量17Cを取得する処理を実行する(ステップS10)。
【0145】
次に、処理手段11は、受信した出庫情報の出庫数量と、部材在庫情報データベース17から取得された在庫数量17Cとの比較判定処理を実行する(ステップS11)。
【0146】
このステップS11において、固定端末装置30から送信された出庫数量が在庫数量よりも大きい場合(ステップS11−YES)、処理手段11は入力エラーメッセージを固定端末装置30に送信する処理を実行する(ステップS12)。
【0147】
このステップS12の後、固定端末装置30の処理手段31は、サーバ10からの入力エラーメッセージを受信し、このメッセージを固定端末装置30の出力手段40に出力する処理を実行し(ステップS13)、ステップS8に戻る。すなわち、出庫数量の入力処理に戻る。
【0148】
一方、前記ステップS11において、固定端末装置30から送信された出庫数量が在庫数量以下である場合(ステップS11−NO)、処理手段11のサーバ側部材在庫情報更新処理手段14は、部材在庫情報データベース17の被管理部材5の在庫情報を更新する処理を実行する(ステップS14)。
【0149】
この後、処理手段11のサーバ側部材在庫情報送信処理手段13は、更新された部材在庫情報データベース17の在庫情報を固定端末装置30に送信する処理を実行する(ステップS15)。そして、固定端末装置30の処理手段31の固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32は、サーバ10から送信された在庫情報を受信し(ステップS16)、部材在庫情報ファイル34の在庫情報を更新する処理を実行する(ステップS17)。この後、固定端末装置30の出力手段40には、固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段32により更新された部材在庫情報ファイル34の在庫情報が出力される。すなわち、出力手段40には、固定端末装置30の最新の在庫情報が出力される。
【0150】
図18に示すように、固定端末装置30の出力手段40に出力される在庫情報のうち、在庫数量が0である場合(ステップS19−NO)には、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6は不要となるので、この後、作業者あるいは管理者により固定端末装置30がパレット6から撤去され(ステップS20)、パレット6は、返却場所に返却される(ステップS21)。一方、固定端末装置30の出力手段40に出力される在庫数量が0よりも大きい場合(ステップS19−YES)には、パレット6に保管されている被管理部材5は次の出庫作業の待ち状態(ステップS22)となり、固定端末装置30は引き続きパレット6の棚札の役目を果たす。
【0151】
なお、前記ステップS15が実行された後、サーバ10の処理手段31は、パレット6から出庫した被管理部材5の最新の在庫状況を把握するための部材在庫状況一覧表90が、プリンタ等の出力手段に出力する処理を実行する(ステップS18)。ここで、在庫状況一覧表90に出力される情報として、例えば、被管理部材5が出庫したパレット6の在庫状況の一覧や、同一の品番の被管理部材5が複数のパレット6に分散して保管される場合における各パレット6毎の被管理部材5の在庫数量の明細一覧や、被管理部材5の品番毎の在庫数量を集計したもの(サーバ10のサーバ側部材別在庫数量集計処理手段15により実行される集計処理により得られるもの)を挙げることができる。なお、被管理部材5の棚卸一覧表、棚卸集計表等を出力する機能をサーバ10の処理手段11に備えるようにしてもよい。
【0152】
以上説明した本実施形態では、パレット6に取り付けられた固定端末装置30の部材在庫情報ファイル34の在庫情報は、サーバ10の部材在庫情報データベース17に登録されている前記固定端末装置30が取り付けられているパレット6の被管理部材5の在庫情報と同じ内容となり、この在庫情報は、前記固定端末装置30の出力手段40に出力される。
【0153】
この結果、固定端末装置30の出力手段40は、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報を表示する札部材としての機能を有することになる。すなわち、サーバ10が配置されている場所に行かなくても、固定端末装置30の出力手段40を見れば、パレット6に保管されている被管理部材5の在庫情報が一目で分かるようになる。
【0154】
また、移動可能となっているパレット6の移動中に被管理部材5がパレット6から脱落し、この後、脱落した被管理部材5があやまって他のパレット6に保管されてしまった場合には、移動したパレット6に保管されている被管理部材5の実際の在庫数量が、サーバ10側で管理されている在庫数量と異なることが、固定端末装置30の出力手段40を見れば分かるようになる。
【0155】
このように、本実施形態によると、定位置化されていない被管理部材5の在庫数量の管理をより正確かつ容易に行えるようになる。
【0156】
また、本実施形態では、固定端末装置30の入力手段35から、この固定端末装置30が取り付けられているパレット6から出庫した被管理部材5の出庫数量を入力することができ、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と入力手段35に入力された出庫数量を含む出庫情報が、固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段33によりサーバ10に送信されるようになっている。
【0157】
このため、本実施形態によると、パレット6から出庫した被管理部材5の出庫数量をわざわざサーバ10側で入力する手間が省け、被管理部材5が出庫したパレット6に取り付けられている固定端末装置30からその場で出庫数量を入力できるので、出庫数量の入力の間違いをより少なくすることができる。
【0158】
一方、本実施形態では、サーバ10は、固定端末装置30から送信された被管理部材5の出庫情報を受信した後、サーバ10が備えるサーバ側部材在庫情報更新処理手段14は、受信した出庫情報のうち、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番をキーとして、部材在庫情報データベース17を検索し、被管理部材5の品番及びパレット6の棚番と関連付けられた在庫情報を取得し、少なくとも在庫情報の在庫数量を更新する処理を実行することになる。
【0159】
このように、本実施形態では、被管理部材5が出庫したパレット6に取り付けられている固定端末装置30から出庫数量が入力、送信されると、サーバ10が備える部材在庫情報データベース17の在庫数量が直ちに更新されることになる。このため、本実施形態によると、サーバ10側では、リアルタイムで最新の被管理部材5の在庫数量を把握することが可能となる。
【0160】
また、本実施形態では、サーバ10は、部材在庫情報データベース17を検索し、被管理部材5の品番毎の在庫数量を集計する処理を実行するサーバ側部材別在庫数量集計処理手段15を備えている。
【0161】
このため、本実施形態によると、同一の品番を有する複数の被管理部材5が、複数のパレット6に分散して保管されたとしても、サーバ10に備えられているサーバ側部材別在庫数量集計処理手段15により、複数のパレット6に分散して保管されている同一の品番を有する複数の被管理部材5の総在庫数量を容易に把握することができる。
【0162】
また、本実施形態では、サーバ側部材別在庫数量集計処理手段15による集計処理は、サーバ10に被管理部材5の入庫数量や出庫数量が入力され、部材在庫情報データベース17が更新された後には、必ず実行されるようになっている。そして、サーバ側部材別在庫数量集計処理手段15による集計処理が実行された後は、集計された被管理部材5の在庫数量が、サーバ10の出力手段であるプリンタに出力される。
【0163】
このため、複数のパレット6に分散して保管されている同一の品番を有する複数の被管理部材5の総在庫数量を迅速に把握することができる。
【0164】
本実施形態では、複数のパレット6にそれぞれ取り付けられている各固定端末装置30は、他の固定端末装置30を経由してサーバ10と通信可能となっている。このため、本実施形態によると、固定端末装置30がサーバ10と直接通信できない状態となっても、この固定端末装置30は、他の固定端末装置30を経由してサーバ10と通信することができる。
【0165】
また、本実施形態では、サーバ10、固定端末装置30、ルータ端末装置相互間の通信手段は、省電力タイプの無線通信であるZigBeeとなっているため、固定端末装置30や移動端末装置50を動作させるためのバッテリ(蓄電池)の寿命を長くすることができるようになっている。
【0166】
図19には、別実施形態に係るパレットの斜視図が示されている。この図19に示されているように、本実施形態に係るパレット106が、前述した実施形態のパレット6と異なるのは脚部のみである。すなわち、本実施形態に係るパレット106の脚部109の水平断面積は、パレット6の水平断面積よりも大きく、また、脚部109の裏面部には、パレット106の柱状部8の上端部が嵌合可能な凹部109Aが形成されている。
【0167】
このため、図20に示されているように、本実施形態に係るパレット106を積み上げて配置する場合には、下に配置されているパレット106の柱状部8の上端部が、上に配置されるパレット106の脚部109の凹部109Aに嵌合するため、上に配置されるパレット106が落下することをより確実に防止することができる。
【0168】
なお、図19及び図20に示されているように、本実施形態に係るパレット106に取り付けられる固定端末装置30の高さ位置は、パレット106を積み上げたときに、脚部109の下面と干渉しない位置、すなわち、脚部109から上下方向に離間した高さ位置である上下方向の略中央位置であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、定位置化されていない被管理部材の在庫数量を管理するための在庫管理システムに利用できる。
【符号の説明】
【0170】
5 被管理部材5
6,106 保管庫であるパレット
7 パレットのベース部
8 パレットの柱状部
8A,8C,8E,8F,8G,8H,8I,8J,8K,8L,8M,8N 固定端末装置が取り付けられる柱状部の側面部
10 サーバ
12 サーバ側部材在庫情報取得処理手段
13 サーバ側部材在庫情報送信処理手段
14 サーバ側部材在庫情報更新処理手段
15 サーバ側部材別在庫数量集計処理手段
16 部材仕様情報データベース
16A,17B,34B 被管理部材の識別情報である品番
17 部材在庫情報データベース
17A,34A 固定端末装置の識別情報である棚番
17C,34D 被管理部材の在庫数量
17G,34H,46 被管理部材の出庫数量
30 固定端末装置
32 固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段
33 固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段
34 部材在庫情報ファイル
35 固定端末装置の入力手段
40 固定端末装置の出力手段
50 移動端末装置
80 中継装置であるルータ端末装置
81 通信手段である無線通信
90 フォークリフト
90A フォーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の被管理部材が保管され、移動可能となっている少なくとも1個の保管庫と、
この保管庫に入庫した前記被管理部材の入庫数量と、前記保管庫から出庫した前記被管理部材の出庫数量が入力され、少なくとも前記入庫数量と前記出庫数量に基づき前記被管理部材の在庫数量を管理するための処理を実行するサーバと、
前記保管庫に取り付けられ、前記サーバと通信手段を介して通信可能となっている固定端末装置と、
を含んで構成される在庫管理システムであって、
前記サーバには、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む在庫情報が記憶されており、前記固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫情報を前記サーバから受信し、この受信した前記在庫情報を出力することを特徴とする在庫管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の在庫管理システムにおいて、
前記サーバは、前記被管理部材の仕様情報をこの被管理部材の識別情報と関連付けて記憶する部材仕様情報データベースと、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む前記在庫情報を、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報データベースと、特定の前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫情報を、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記特定の保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得する処理を実行するサーバ側部材在庫情報取得処理手段と、このサーバ側部材在庫情報取得処理手段により取得された前記在庫情報を、前記特定の保管庫に取り付けられている前記固定端末装置に送信する処理を実行するサーバ側部材在庫情報送信処理手段と、を備えており、
前記固定端末装置は、この固定端末装置が取り付けられている前記保管庫に保管されている前記被管理部材の前記在庫数量を含む前記在庫情報を、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けて記憶する部材在庫情報ファイルと、前記サーバの前記サーバ側部材在庫情報送信処理手段により送信された前記在庫情報を受信し、この受信した前記在庫情報に基づいて、前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報ファイルを検索し、前記保管庫に保管されている前記被管理部材の識別情報及び前記保管庫に取り付けられている前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を更新する処理を実行する固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段と、この固定端末装置側部材在庫情報更新処理手段により更新された前記部材在庫情報ファイルの前記在庫情報を出力するための出力手段と、
を備えていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の在庫管理システムにおいて、
前記固定端末装置は、少なくともこの固定端末装置が取り付けられている前記保管庫から出庫した前記被管理部材の前記出庫数量を入力するための入力手段と、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と前記入力手段に入力された前記出庫数量を含む出庫情報を前記サーバに送信する処理を実行する固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段を備えており、
前記サーバは、前記固定端末装置の前記固定端末装置側部材出庫情報送信処理手段により送信された前記出庫情報を受信し、この受信した出庫情報のうち、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報をキーとして、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報及び前記固定端末装置の前記識別情報と関連付けられた前記在庫情報を取得し、少なくとも前記在庫情報の前記在庫数量を更新する処理を実行するサーバ側部材在庫情報更新処理手段を備えていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の在庫管理システムにおいて、前記サーバは、前記部材在庫情報データベースを検索し、前記被管理部材の前記識別情報毎の在庫数量を集計する処理を実行するサーバ側部材別在庫数量集計処理手段を備えていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の在庫管理システムにおいて、前記保管庫は複数あり、それぞれの保管庫に取り付けられている前記固定端末装置同士は互いに通信可能となっており、前記固定端末装置は他の前記固定端末装置を経由して前記サーバと通信可能となっていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の在庫管理システムにおいて、前記保管庫はパレットであることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の在庫管理システムにおいて、前記パレットは、前記被管理部材が載置されるベース部と、このベース部の周縁部に複数個設けられ、上向きに突出する柱状部を有していることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の在庫管理システムにおいて、前記固定端末装置は、前記パレットの前記柱状部の側面部に取り付けられていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の在庫管理システムにおいて、前記固定端末装置は、前記柱状部の前記側面部における前記被管理部材と干渉しない位置に取り付けられていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の在庫管理システムにおいて、前記パレットは単独で配置されるものであり、前記固定端末装置は、前記パレットの前記柱状部の前記側面部のうち、他の前記柱状部の前記側面部と対向する前記側面部であって、前記被管理部材と干渉しない前記側面部に取り付けられていることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項11】
請求項8に記載の在庫管理システムにおいて、前記パレットは複数個あり、これらのパレットは互いに隣接して配置されるものであり、前記固定端末装置は、それぞれの前記パレットの前記柱状部の前記側面部のうち、他の前記柱状部と対向しない前記側面部であって、かつ、他の前記パレットの前記柱状部とも対向しない前記側面部に取り付けられていることを特徴とする在庫管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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