説明

在庫管理方法、在庫管理システム、およびプログラム

【課題】商品の出庫にかかるコストに応じて保管場所を変更するようにする。
【解決手段】第1の保管場所特定情報に対応する商品特定情報および第1の出庫コストをメモリから読み出し、商品特定情報に対応する出庫回数決定情報に基づいて出庫回数を決定し、第1の出庫コストに出庫回数を乗じた第1の総コストを算出し、商品が保管されていない第2の保管場所特定情報および第1の出庫コストをメモリから読み出し、第1および第2の保管場所特定情報に対応する移動コストをメモリから読み出し、第2の出庫コストに出庫回数を乗じて移動コストを加算した第2の総コストを算出し、第1の総コストよりも第2の総コストが小さい場合に、第1の保管場所の商品を、第2の保管場所に移動するように指示するメッセージを出力装置に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理方法、在庫管理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の受注から配送までにかかるリードタイムを短縮するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、商品オーダの組合せを最適化し、作業時間を短縮するようにするシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2002−154615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば季節商品や特売商品などについては、時期によって、出荷の頻度に大きな偏りがある。しかしながら、従来の物流配送センターなどでは、出荷の頻度に関わらず、予め商品の保管場所は固定的に決められている。そのため、時期によっては作業効率が悪くなることがある。特許文献1に記載のシステムにおいても、商品の保管位置は作業時間に影響する一要因としてとらえているものの、商品の保管位置を変更することについては考慮されていない。
【0004】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、商品の出庫にかかるコストに応じて保管場所を変更するようにすることのできる、在庫管理方法、在庫管理システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明のうち第1の発明は、在庫管理方法であって、CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータが、商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶し、前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶し、2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶し、前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記メモリから読み出し、読み出した前記商品特定情報に対応する前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、当該出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定し、前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出し、前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記メモリから読み出し、前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記メモリから読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに当該移動コストを加算した第2の総コストを算出し、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力することとする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明の在庫管理方法において、前記コンピュータは、前記保管場所特定情報に対応付けて、入荷した商品の保管場所への1回の入庫にかかるコストである入庫コストを前記メモリに記憶し、入荷された商品を特定する前記商品特定情報の入力を入力インタフェースから受け付け、受け付けた前記商品特定情報に対応する前記保管場所特定情報を前記第1の保管場所特定情報として前記メモリから読み出し、前記第1の保管場所特定情報に対応する前記入庫コストを前記メモリから読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに、前記移動コストと、前記入庫コストとを加算して、前記第2の総コストを算出することとする。
【0007】
第3の発明は、第2の発明において、前記コンピュータは、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記メッセージである第1のメッセージを前記出力装置に出力するとともに、入荷した前記商品を前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に入庫するように指示する第2のメッセージを前記出力装置に出力することとする。
【0008】
第4の発明は、第1の発明において、前記コンピュータは、出庫対象となる商品を特定する前記商品特定情報の入力を入力インタフェースから受け付け、受け付けた前記商品特定情報に対応する前記保管場所特定情報を前記第1の保管場所特定情報としてを前記メモリから読み出し、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記メッセージである第1のメッセージを前記出力装置に出力するとともに、出庫対象の前記商品を出庫するように指示する第2のメッセージを前記出力装置に出力することとする。
【0009】
第5の発明は、在庫管理方法であって、CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータが、商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶し、前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶し、2つの前記保管場所の間で商品を1回移動させる場合にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶し、第1の保管場所特定情報に対応する、第1の前記商品特定情報と第1の前記出庫コストとを前記メモリから読み出し、前記第1の商品特定情報に対応する第1の前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、前記第1の出庫回数決定情報に基づいて第1の前記出庫回数を決定し、前記第1の保管場所特定情報を移動元として、移動先となる第2の保管場所特定情報と第1の前記移動コストとを前記メモリから読み出し、前記第2の保管場所特定情報に対応する、第2の前記商品特定情報と第2の前記出庫コストとを前記メモリから読み出し、前記第2の商品特定情報に対応する第2の前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、前記第2の出庫回数決定情報に基づいて第2の前記出庫回数を決定し、前記第1の出庫コストに前記第1の出庫回数を乗じたコストと、前記第2の出庫コストに前記第2の出庫回数を乗じたコストとを加算した第1の総コストを算出し、前記第2の保管場所特定情報を移動元とし、前記第1の保管場所特定情報を移動先とした第2の前記移動コストを前記メモリから読み出し、前記第1の出庫コストに前記第2の出庫回数を乗じたコストと、前記第2の出庫コストに前記第1の出庫回数を乗じたコストと、前記第1の移動コストと、前記第2の移動コストとを加算した第2の総コストを算出し、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される第1の前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される第2の前記保管場所に移動するとともに、前記第2の保管場所に保管されている商品を前記第1の保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力することとする。
【0010】
第6の発明は、商品の在庫を管理する在庫管理システムであって、
商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定する商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて記憶する保管場所情報記憶部と、前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて記憶する出庫回数決定情報記憶部と、2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて記憶する移動コスト記憶部と、前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記保管場所情報記憶部から読み出す保管場所情報取得部と、読み出した前記商品特定情報に対応する前記回数決定情報を前記出庫回数決定情報記憶部から読み出し、読み出した前記出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定する出庫回数決定部と、前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出する第1の総コスト算出部と、前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記保管場所情報記憶部から読み出す空保管場所検索部と、前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記移動コスト記憶部から読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに前記移動コストを加算した第2の総コストを算出する第2の総コスト算出部と、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力するメッセージ出力部と、を備えることとする。
【0011】
第7の発明は、プログラムであって、CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータに、商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶するステップと、前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶するステップと、2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元の前記保管場所特定情報と、移動先の前記保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶するステップと、前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記メモリから読み出すステップと、読み出した前記商品特定情報に対応する前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、当該出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定するステップと、前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出するステップと、前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記メモリから読み出すステップと、前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記メモリから読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに当該移動コストを加算した第2の総コストを算出するステップと、前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力するステップと、を実行させるようにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品の出庫にかかるコストに応じて保管場所を変更するようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る在庫管理システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の在庫管理システムは、顧客からの商品の受注を管理する受注管理サーバ10と、商品の在庫を管理する在庫管理サーバ20とを含んで構成されている。受注管理サーバ10は、例えば、商品を販売する小売業者の運営するデータセンター1に設置され、在庫管理サーバ20は、商品の在庫と配送を行う物流配送センター2に設定される。受注管理サーバ10と在庫管理サーバ20とは通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Are Network)やLAN(Local Area Network)、公衆電話回線網、携帯電話網、無線ネットワーク、専用線などである。
【0014】
本実施形態では、受注管理サーバ10に管理されている商品の受注情報が在庫管理サーバ20に送信され、物流配送センター2では、受注情報に応じた在庫商品の出荷が行われることを想定している。図2に物流配送センター2において行われる業務の流れを示す。物流配送センター2で行われる業務には、入荷された商品が棚に格納される入荷・保管フェーズと、在庫されている商品が出荷される出荷フェーズがある。
【0015】
入荷・保管フェーズでは、商品が入荷され(S21)、入荷の検品が行われ(S22)、検品が終了すると、入荷された商品は物流配送センター2内の保管場所である棚に入庫される(S23)。入荷された商品が格納される先となる棚の指示などは、後述するように在庫管理サーバ20により出力される。
【0016】
出荷フェーズでは、商品が格納されている棚を特定してその棚から商品を出庫するように指示するメッセージ(以下、「出庫指示」という。)が在庫管理サーバ20から出力され(S24)、在庫されている商品は、作業者により取り出されて、仕分けやトラック等への荷積みが行われる場所(以下、「出荷場所」という。)まで搬送(出庫)され(S25)、出荷場所まで出庫された商品は、仕分けや荷積みが行われて出荷される(S26)。また、後述するように、上記の出庫指示とともに、在庫されている商品を入庫や出庫に係るコストに応じた最適な棚に移動するように指示するメッセージが在庫管理サーバ20から出力されると、作業者により在庫商品の移動(配置替え)が行われる(S27)。
【0017】
なお、本実施形態では、入庫や出庫にかかるコストとして、時間を用いる。すなわち、在庫管理サーバ20は、入庫や出庫にかかる時間が短くなるように、商品を移動する先となる棚を決定する。
【0018】
図3は、物流配送センター2の模式図である。図3に示すように、本実施形態の物流配送センター2の1階には、入荷された商品が荷降ろしされる場所(以下、「入荷場所」という。)301と、在庫商品の出荷場所302が設けられている。入荷場所301に入荷された商品は、所定の棚に搬送(入庫)される。例えば、入荷された商品の保管されるべき棚が3階の棚303である場合、入荷場所301に入荷された商品は、垂直搬送機311を通って棚303まで搬送され(S321)、棚303に保管される。また、各棚に保管されている商品は、出荷場所302に搬送され、仕分けや荷積みが行われて出荷される。例えば、2階の棚304に保管されている商品を出荷する場合、その商品は垂直搬送機311を通って棚304から出荷場所302まで搬送(出庫)される(S322)。
【0019】
ここで、棚304が空棚になっており、棚303に保管されている商品の出荷頻度が高く、その商品を棚304に移動(S323)させた方が、移動にかかる時間を考慮しても、出庫にかかる時間が全体として短縮されることがある。このことについて、商品の入荷から出荷までにかかる時間を説明する図4を用いて説明する。図4に示すように、棚303に格納される商品は、入荷時には入荷場所301から棚303までの搬送時間331がかかり、出荷時には1回の商品の出庫につき棚303から出荷場所302までの搬送時間332がかかる。この商品を棚303から棚304に移動させる場合、1回の移動につき移動時間333がかかるが、移動後の出荷時には、1回の出庫にかかる時間は搬送時間334となる。したがって、例えば、搬送時間332よりも搬送時間334の方が短く、商品の出庫回数が多くなるような場合には、移動時間333をかけてでも、棚303に保管されている商品を棚304に移動させた方がよい。
【0020】
本実施形態の在庫管理サーバ20は、上記のように、移動することにより出庫にかかる時間が短縮されるかどうかを判断し、短縮される場合には商品を移動するように指示するメッセージ(以下、「移動指示」という。)を出力するようにしている。なお、在庫管理サーバ20が移動指示を出力する処理の詳細については後述する。
【0021】
===在庫管理サーバ20===
図5は、在庫管理サーバ20のハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、在庫管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、記録媒体読取装置204、入力装置205、出力装置206、通信インタフェース207を備えている。
【0022】
記憶装置203は、プログラムやデータを記憶する、例えば、ハードディスクドライブなどである。記録媒体読取装置204は、記録媒体208に記録されているプログラムやデータを記憶装置203に読み出す。記録媒体208としては、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカード、磁気テープなどを用いることができる。記録媒体読取装置204は、記録媒体208に合わせて、例えば、CD−ROMドライブやDVD−ROMドライブ、メモリカードリーダ、磁気テープドライブなどを用いることができる。CPU201は、記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することで各種の機能を実現する。
【0023】
入力装置205は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクなど、作業者からデータの入力を受け付ける入力装置である。出力装置206は、例えば、ディスプレイや電光掲示板、スピーカなどのデータを出力する装置である。通信インタフェース207は、通信ネットワーク30に接続するインタフェースである。通信インタフェース207としては、例えば、電話回線に接続するモデムやLANに接続するイーサネット(登録商標)アダプタなどを用いることができる。
【0024】
なお、在庫管理サーバ20を作業者が操作する端末と通信可能に接続するようにし、入力装置206を端末からデータを受信する受信装置とし、出力装置206を端末にデータを送信する送信装置とするようにしてもよい。この場合、例えば、端末をPDAなどの携帯端末として、在庫管理サーバ20とは赤外線や電波などによる無線通信を行うようにすることができる。
【0025】
図6は、在庫管理サーバ20の機能ブロック図である。図6に示すように、在庫管理サーバ20は、受注情報受信部211、出庫指示出力要求受付部212、メッセージ出力部213、出庫回数決定部214、空棚検索部215、総作業時間算出部216、入荷情報入力部217の各機能部と、受注情報記憶部251、棚情報記憶部252、移動時間情報記憶部253の各記憶部とを備えている。
【0026】
受注情報記憶部251(本発明の「出庫回数決定情報記憶部」に該当する。)には、商品の受注情報が記憶される。図7に受注情報記憶部251が記憶している受注情報の構成を示す。図7に示すように、受注情報には、商品を特定する情報(以下、「商品ID」という。本発明の「商品特定情報」に該当する。)、商品の受注数、および商品の配送先が含まれている。
【0027】
棚情報記憶部252(本発明の「保管場所情報記憶部」に該当する。)には、商品が格納される棚に関する情報(以下、「棚情報」という。)が記憶される。図8に棚情報記憶部252に記憶されている棚情報の構成を示す。図8に示すように、棚情報には、棚を特定するための情報(以下、「棚番」という。本発明の「保管場所特定情報」に該当する。)、この棚に格納可能な商品の最大個数(最大格納数)、現在棚に保管されている商品の個数(以下、「在庫数」という。本発明の「在庫情報」に該当する。)、格納されている商品の商品ID、入荷場所304からこの棚に商品を搬送するのにかかる時間(以下、「入庫時間」という。)、この棚から出荷場所301まで商品を搬送するのにかかる時間(以下、「出庫時間」という。)が含まれている。なお、本実施形態では、物流配送センター2において管理される商品は、例えばパレットやコンテナなどの、統一の大きさにまとめられた単位(ロット)で棚に格納されるものとし、異なる商品であっても棚に格納する個数は同様に数えることができるものとする。
【0028】
移動時間情報記憶部253(本発明の「移動コスト記憶部」に該当する。)は、各棚間での商品の移動にかかる移動時間を含む移動時間情報が記憶される。図9に移動時間情報記憶部253に記憶されている移動時間情報の構成を示す。図9に示すように、移動時間情報には、移動元となる棚の棚番(移動元棚番)と、移動先となる棚の棚番(移動先棚番)と、移動元の棚から移動先の棚に商品を移動したときにかかる移動時間とが含まれている。
【0029】
受注情報受信部211は、受注管理サーバ10から送信される受注情報を受信し、受信した受信情報を受信情報記憶部251に登録する。なお、受注情報受信部211は、受注管理サーバ10に対して、受注情報を送信するように指示するリクエストを送信するようにしてもよい。
【0030】
出庫指示出力要求受付部212は、作業員から出庫指示を出力するように要求する旨(以下、「出庫指示出力要求」という。)の入力を受け付ける。出庫指示出力要求受付部212は、例えば、ボタンやキーボード、マウス、マイクなどの入力装置から上記の入力を受け付けるようにしてもよいし、作業員の携帯端末から出庫指示を取得するためのコマンドを受信するようにしてもよい。
【0031】
入荷情報入力部217は、入荷した商品の商品IDと個数とを含む入荷情報の入力を受け付ける。
【0032】
メッセージ出力部213は、受注情報記憶部251に記憶されている受注情報を一つ読み出し、読み出した受注情報の商品IDにより特定される商品(以下、受注商品という。)を出庫するように指示する出庫指示を出力装置206に出力する。また、メッセージ出力部213は、入荷情報の入力に応じて、その商品を入庫するべき棚に商品を入庫するように指示するメッセージ(以下、「入庫指示」という。)を出力装置206に出力する。
【0033】
また、出庫指示出力要求が入力された場合、メッセージ出力部213は、後述するように、総作業時間算出部216が算出する商品の総作業時間に応じて、受注商品をその受注商品が保管されている棚から他の棚に移動するべきかどうかを判断し、他の棚に移動するべきと判断した場合には、受注商品を他の棚に移動するように指示するメッセージ(以下、移動指示という。)も併せて出力装置206に出力する。また、入荷情報が入力された場合も同様に、メッセージ出力部213は入荷された商品についての移動指示を出力装置206に出力する。なお、メッセージ出力部213による上記の判断処理や移動指示の出力処理の詳細については後述する。
【0034】
出庫回数決定部214は、商品を出庫する回数を決定する。本実施形態では、出庫回数決定部214は、商品IDをキーとして、受注情報記憶部251に記憶されている受注情報をカウントした数を出庫回数として決定する。なお、出庫回数決定部214は、例えば、配送先や受注数に応じて出庫回数を決定するようにしてもよい。
【0035】
空棚検索部215(本発明の「空保管場所検索部」に該当する。)は、商品が保管されていない棚を検索する。具体的には、空棚検索部214は、棚情報記憶部252から、棚に入庫する商品の個数が最大格納数以下であり、かつ在庫数が「0(ゼロ)」である棚情報を検索する。
【0036】
総作業時間算出部216(本発明の「第1の総コスト算出部」および「第2の総コスト算出部」に該当する。)は、商品の出庫時間と商品の出庫回数とに基づいて、出庫にかかる作業時間を集計した総作業時間を算出する。また、総作業時間算出部216は、出庫時間と出庫回数以外にも、商品の入庫時間や、商品の棚間の移動時間などに応じた総作業時間も算出する。なお、総作業時間算出部216が総作業時間を算出する処理についての詳細は後述する。
【0037】
なお、上記の各機能部211〜217は、在庫管理サーバ20のCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。また、上記の各記憶部251〜253は、在庫管理サーバ20のメモリ202や記憶装置203により提供される記憶領域として実現される。なお、上記の各記憶部251〜253は、例えば、在庫管理サーバ20とは別体のデータベースサーバ上の記憶領域に実現するようにしてもよい。この場合、在庫管理サーバ20とデータベースサーバとは例えばLANやSANなどの通信路によって接続されるようにし、在庫管理サーバ20は、データベースサーバとの間で通信を行うことで上記の各記憶部251〜253にアクセスするようにする。
【0038】
===出庫指示===
本実施形態の在庫管理サーバ20は、作業者から出庫指示出力要求を受け付けると出庫指示を出力する。図10は、在庫管理サーバ20が出庫指示を出力する処理の流れを示す図である。
【0039】
メッセージ出力部213は、受注情報記憶部251に記憶されている受注情報を一つ読み出し(S401)、出庫回数決定部214は、メッセージ出力部213が読み出した受注情報(以下、「出荷対象受注情報」という。)の商品ID(以下、「受注商品ID」という。)をキーとして受注情報記憶部251に記憶されている受注情報をカウントした出庫回数を決定する(S402)。総作業時間算出部216は、受注商品IDに対応する棚情報(以下、「保管棚情報」という。)を棚情報記憶部252から読み出し(保管場所情報取得部)、読み出した保管棚情報の出庫時間(以下、「第1の出庫時間」という。本発明の「第1の出庫コスト」に該当する。)に上記の出庫回数を乗じた総作業時間(以下、「第1の総作業時間」という。本発明の「第1の総コスト」に該当する。)を算出する(S403)。
【0040】
次に、空棚検索部215は、棚情報記憶部252から、最大格納数が保管棚情報の在庫数以上であり、かつ在庫数が「0(ゼロ)」である棚情報(以下、「空棚情報」という。空棚情報の棚番は、本発明の「商品が保管されていない第2の棚番」に該当する。)を検索する(S404)。空棚情報がある場合(S405:YES)、総作業時間算出部216は、移動時間情報記憶部253から、受注商品IDが移動元棚番であり、空棚情報の商品IDが移動先棚番である移動時間情報を読み出す。総出荷時間算出部216は、空棚情報の出庫時間(以下、「第2の出庫時間」という。本発明の「第2の出庫コスト」に該当する。)に上記出庫回数を乗じた時間に、上記移動時間情報の移動時間を加算した総作業時間(以下、「第2の総作業時間」という。本発明の「第2の総コスト」に該当する。)を算出する(S406)。なお、複数の空棚情報がある場合には、第2の総作業時間が最も小さくなる空棚情報を用いるものとする。
【0041】
第2の総作業時間が第1の総作業時間よりも短い場合(S407:YES)、メッセージ出力部213は、保管棚情報の棚番により特定される棚に保管されている商品を、空棚情報の棚番により特定される棚に移動させるように指示する移動指示を出力する(S408)とともに、移動先となった空棚情報により特定される棚から受注商品を出庫するように指示する出庫指示を出力する(S409)。
【0042】
一方、空棚がなかった場合(S405:NO)、又は第2の総作業時間が第1の総作業時間以上であった場合(S407:NO)、メッセージ出力部213は、保管棚情報の棚番により特定される棚から受注商品を出庫するように指示する出庫指示を出力する(S410)。
【0043】
上記のように、本実施形態の在庫管理システムでは、商品が格納されている保管棚から出庫にかかる時間に出庫回数を乗じた総作業時間よりも、商品を移動した場合の移動先となる空棚からその商品を出庫するのにかかる時間に出庫回数を乗じて移動時間を加えた総作業時間が短い場合には、保管棚から空棚に商品が移動される。つまり、出庫時間、出庫回数、移動時間に応じて、商品の保管される棚が変更される。これにより、商品の出庫頻度(回数)に応じて、その商品を出庫するのにかかる時間が短縮するように商品が配置されるようになる。したがって、物流配送センター2の稼動効率が向上し、商品の受注から商品が配送されるまでのリードタイムを短縮することができる。
【0044】
また、本実施形態の在庫管理サーバ20からは、出庫指示とともに商品の移動指示も出力されるため、作業者はその出力にしたがって、移動に係る商品と出荷に係る商品とをまとめて搬送することができる。したがって、物流配送センター2におけるより効率的な商品の搬送が可能となり、さらにリードタイムを短縮することができる。
【0045】
また、在庫管理サーバ20は、受注管理サーバ10から受信する受注情報に基づいて出庫回数を決定するので、実際の受注の頻度に応じた総作業時間を算出することができる。したがって、出庫頻度を調べるために、例えば出庫された商品の個数を記憶するなどの別の資源を利用する必要がない。よって、在庫管理サーバ20を低コストに実現することができる。
【0046】
===入庫指示===
本実施形態の在庫管理サーバ20は、商品の入荷情報の入力に応じて入庫指示を出力する。図11に、在庫管理サーバ20が入庫指示を出力する処理の流れを示す。
【0047】
入荷情報入力部217に入荷情報が入力されると(S421)、メッセージ出力部213は、受注情報の読み出しに代えて、入荷情報に含まれている商品ID(以下、「入庫商品ID」という。)に対応する棚情報を保管棚情報として棚情報記憶部252から読み出す(S422)。
【0048】
次に、在庫管理サーバ20は、上述の図10の処理と同様に(S402)〜(S405)の処理を行い、空棚情報がある場合(S405:YES)、総作業時間算出部216は、第2の出庫時間に出庫回数を乗じ、移動時間を加算し、さらに保管棚情報の入庫時間を加算して第2の総作業時間を算出する(S423)。
【0049】
第2の総作業時間が第1の総作業時間よりも短い場合(S407:YES)には、メッセージ出力部213は、上述した移動指示を出力する(S408)とともに、空棚情報により特定される移動先の棚に、入荷された商品を入庫するように指示する入庫指示を出力する(S424)。
【0050】
一方、空棚がなかった場合(S405:NO)、又は第2の総作業時間が第1の総作業時間以上であった場合(S407:NO)、メッセージ出力部213は、保管棚情報の棚番により特定される棚に入荷した商品を入庫するように指示する入庫指示を出力する(S425)。
【0051】
上記のように、在庫管理サーバ20は、出庫のタイミングのみならず、商品の入庫のタイミングでも最適な在庫の配置を指示することができる。また、上記の処理によれば、在庫管理サーバ20は、入庫にかかる時間も考慮に入れて総作業時間を算出するため、より正確な総作業時間を見積もることができる。したがって、入庫にかかる時間と移動にかかる時間とを加えてもなお出庫にかかる総作業時間が短くなるような棚に商品を移動することができるため、物流配送センター2全体としての作業効率を向上し、効率的な作業を行うようにすることができる。
【0052】
===棚の入替指示===
なお、上記の説明では、在庫管理サーバ20は在庫数が「0(ゼロ)」である空棚に商品を移動するかどうかを判断するようにしていたが、総作業時間に応じて、商品が格納されている棚間で商品を入れ替えるようにすることもできる。この場合に在庫管理サーバ20が出庫指示を出力する処理の流れを図12に示す。
【0053】
メッセージ出力部213は、上述した図10に示す処理における(S401)〜(S402)と同様に、出荷対象受注情報を一つ読み出し(S441)、出庫回数決定部214は、出庫回数(以下、「第1の出庫回数」という。)を決定する(S442)。
【0054】
空棚検索部215は、受注商品IDに対応する保管棚情報を棚情報記憶部252から読み出し、棚情報記憶部252に記憶されている棚情報のうち、棚情報の在庫数が保管棚情報の最大格納数以下であり、棚情報の最大格納数が保管棚情報の在庫数以上であるもの(以下、「候補棚情報」という。)を検索する(S443)。
【0055】
候補棚情報がある場合(S444:YES)、出庫回数決定部214は、候補棚情報の商品IDをキーとして、受注情報記憶部251に記憶されている受注情報をカウントした出庫回数(以下、「第2の出庫回数」という。)を決定する(S445)。総作業時間算出部216は、保管棚情報の出庫時間(以下、「第1の出庫時間」という。)に第1の出庫回数を乗じた時間に、候補棚情報の出庫時間(以下、「第2の出庫時間」という。)に第2の出庫回数を乗じた時間を加算して第1の総作業時間を算出する(S446)。
【0056】
総作業時間算出部216は、移動時間情報記憶部253から、移動元棚番が保管棚情報の棚番であり、移動先棚番が候補棚情報の棚番である移動時間情報の移動時間(以下、「第1の移動時間」という。)と、移動元棚番が候補棚情報の棚番であり、移動先棚番が保管棚情報の棚番である移動時間情報の移動時間(以下、「第2の移動時間」という。)とを読み出す。総作業時間算出部216は、第2の出庫時間に第1の出庫回数を乗じた時間と、第1の出庫時間に第2の出庫回数を乗じた時間と、第1の移動時間と、第2の移動時間とを加算して第2の総作業時間を算出する(S447)。
【0057】
第2の総作業時間が第1の総作業時間よりも短い場合(S448:YES)、メッセージ出力部213は、保管棚情報の棚番により特定される棚(以下、「保管棚」という。)に保管されている商品を、候補棚情報の棚番により特定される棚(以下、「候補棚」という。)に移動するとともに、候補棚に保管されている商品を保管棚に移動するように指示するメッセージ(以下、「入替指示」という。)を出力する(S449)。また、メッセージ出力部213は、上記入替指示とともに、候補棚から受注商品を出庫するように指示する出庫指示を出力する(S450)。
【0058】
一方、候補棚がなかった場合(S444:NO)、又は第2の総作業時間が第1の総作業時間以上であった場合(S448:NO)、メッセージ出力部213は、保管棚情報の棚番により特定される棚から受注商品を出庫するように指示する出庫指示を出力する(S451)。
【0059】
上記の処理によれば、2つの棚間で保管されている商品を入れ替えることにより、それぞれの商品の出荷頻度に応じて、出庫にかかる総作業時間が短縮されるように商品を配置することができる。したがって、物流配送センター2における商品のリードタイムをさらに短縮することができる。
【0060】
また、商品が保管されている棚間での入れ替えを行うため、空棚が存在しないような稼働率の高い物流配送センター2にも適用することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、入庫や出庫にかかるコストとして時間を用いるものとしたが、これに限らず、例えば、距離を用いるようにしてもよい。また、商品の配送に必要な機器や人件費等の金銭的なコストに応じて、入庫や出庫にかかるコストを増減するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、作業者から出庫指示出力要求が入力されたときに在庫管理サーバ20において処理が行われるようにしたが、例えば、定期的に受注情報を読み出して出庫指示や移動指示を出力するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、出庫指示や入庫指示とともに移動指示を出力するようにしたが、別々に出力するようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、入庫に際して総作業時間を算出する場合に、入庫時間を1回分のみ加算するようにしたが、入庫の回数に応じて入庫時間を加算するようにしてもよい。この場合、在庫管理サーバ20は、入荷される商品数などを含む入荷情報を記憶する入荷情報記憶部を備えるようにし、上述の図11の処理の(S423)において、総作業時間算出部216は、入庫商品IDをキーとして、入荷情報記憶部に記憶されている入荷情報をカウントした数に入庫時間を乗じた時間と、第2の出庫時間に出庫回数を乗じた時間と、移動時間とを加算して第2の出庫時間を算出するようにする。これにより、入庫の頻度と出庫の頻度との両方に応じて、入庫・出庫全体にかかる作業時間を短縮することができるので、物流配送センター2全体の作業効率を向上することができる。
【0065】
また、在庫管理サーバ20のメッセージ出力部213が出力する出庫指示や移動指示、入庫指示などのメッセージは、ディスプレイや電光掲示板などに表示されるようにしてもよいし、作業者の携帯端末に送信するようにしてもよい。また、上記のメッセージは、自動搬送装置などに対する指令として出力するようにしてもよい。
【0066】
また、本実施形態の在庫管理サーバ20は1台のコンピュータとして実現されることを想定しているが、これに限らず、例えば複数台のコンピュータに機能部を分散させるようにしてもよい。例えば、メッセージ出力部213による、商品を移動するべきかどうかの判断処理を別のコンピュータで計算させるようにすることもできる。また、在庫管理サーバ20を、複数台のコンピュータによるクラスタとして実現するようにしてもよい。
【0067】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による、在庫管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、物流配送センターにおける業務の流れを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、物流配送センター2の模式図を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、商品の入荷から出荷までにかかる時間を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態による、在庫管理サーバ20のハードウェア構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、在庫管理サーバ20の機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、受注情報記憶部251が記憶している受注情報の構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による、棚情報記憶部252に記憶されている棚情報の構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による、移動時間情報記憶部253に記憶されている移動時間情報の構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による、在庫管理サーバ20が出庫指示を出力する処理の流れを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による、在庫管理サーバ20が入庫指示を出力する処理の流れを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、在庫管理サーバ20が出庫指示を出力する処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 データセンター 2 物流配送センター
10 受注管理サーバ 20 在庫管理サーバ
30 通信ネットワーク
201 CPU 202 メモリ
203 記憶装置 204 記録媒体読取装置
205 入力装置 206 出力装置
207 通信インタフェース 208 記録媒体
211 受注情報受信部 212 出庫指示出力要求受付部
213 メッセージ出力部 214 出庫回数決定部
215 空棚検索部 216 総作業時間算出部
217 入荷情報入力部 251 受注情報記憶部
252 棚情報記憶部 253 移動時間情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータが、
商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶し、
前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶し、
2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶し、
前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記メモリから読み出し、
読み出した前記商品特定情報に対応する前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、当該出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定し、
前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出し、
前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記メモリから読み出し、
前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記メモリから読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに当該移動コストを加算した第2の総コストを算出し、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力すること、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の在庫管理方法であって、
前記コンピュータは、
前記保管場所特定情報に対応付けて、入荷した商品の保管場所への1回の入庫にかかるコストである入庫コストを前記メモリに記憶し、
入荷された商品を特定する前記商品特定情報の入力を入力インタフェースから受け付け、
受け付けた前記商品特定情報に対応する前記保管場所特定情報を前記第1の保管場所特定情報として前記メモリから読み出し、
前記第1の保管場所特定情報に対応する前記入庫コストを前記メモリから読み出し、
前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに、前記移動コストと、前記入庫コストとを加算して、前記第2の総コストを算出すること、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の在庫管理方法であって、
前記コンピュータは、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記メッセージである第1のメッセージを前記出力装置に出力するとともに、入荷した前記商品を前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に入庫するように指示する第2のメッセージを前記出力装置に出力すること、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の在庫管理方法であって、
前記コンピュータは、
出庫対象となる商品を特定する前記商品特定情報の入力を入力インタフェースから受け付け、
受け付けた前記商品特定情報に対応する前記保管場所特定情報を前記第1の保管場所特定情報としてを前記メモリから読み出し、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記メッセージである第1のメッセージを前記出力装置に出力するとともに、出庫対象の前記商品を出庫するように指示する第2のメッセージを前記出力装置に出力すること、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項5】
CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータが、
商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶し、
前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶し、
2つの前記保管場所の間で商品を1回移動させる場合にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶し、
第1の保管場所特定情報に対応する、第1の前記商品特定情報と第1の前記出庫コストとを前記メモリから読み出し、
前記第1の商品特定情報に対応する第1の前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、前記第1の出庫回数決定情報に基づいて第1の前記出庫回数を決定し、
前記第1の保管場所特定情報を移動元として、移動先となる第2の保管場所特定情報と第1の前記移動コストとを前記メモリから読み出し、
前記第2の保管場所特定情報に対応する、第2の前記商品特定情報と第2の前記出庫コストとを前記メモリから読み出し、
前記第2の商品特定情報に対応する第2の前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、前記第2の出庫回数決定情報に基づいて第2の前記出庫回数を決定し、
前記第1の出庫コストに前記第1の出庫回数を乗じたコストと、前記第2の出庫コストに前記第2の出庫回数を乗じたコストとを加算した第1の総コストを算出し、
前記第2の保管場所特定情報を移動元とし、前記第1の保管場所特定情報を移動先とした第2の前記移動コストを前記メモリから読み出し、
前記第1の出庫コストに前記第2の出庫回数を乗じたコストと、前記第2の出庫コストに前記第1の出庫回数を乗じたコストと、前記第1の移動コストと、前記第2の移動コストとを加算した第2の総コストを算出し、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される第1の前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される第2の前記保管場所に移動するとともに、前記第2の保管場所に保管されている商品を前記第1の保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力すること、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項6】
商品の在庫を管理する在庫管理システムであって、
商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定する商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて記憶する保管場所情報記憶部と、
前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて記憶する出庫回数決定情報記憶部と、
2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元となる保管場所を特定する第1の保管場所特定情報と、移動先となる保管場所を特定する第2の保管場所特定情報とに対応付けて記憶する移動コスト記憶部と、
前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記保管場所情報記憶部から読み出す保管場所情報取得部と、
読み出した前記商品特定情報に対応する前記回数決定情報を前記出庫回数決定情報記憶部から読み出し、読み出した前記出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定する出庫回数決定部と、
前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出する第1の総コスト算出部と、
前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記保管場所情報記憶部から読み出す空保管場所検索部と、
前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記移動コスト記憶部から読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに前記移動コストを加算した第2の総コストを算出する第2の総コスト算出部と、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力するメッセージ出力部と、
を備えることを特徴とする在庫管理システム。
【請求項7】
CPUとメモリと出力装置とを備えるコンピュータに、
商品の保管場所を特定するための保管場所特定情報と、前記保管場所に保管されている商品を特定するための商品特定情報と、前記保管場所に商品が保管されているかどうかを示す在庫情報と、前記保管場所からの商品の出庫にかかるコストである出庫コストとを対応付けて前記メモリに記憶するステップと、
前記商品特定情報と、商品を出庫する出庫回数を決定するための出庫回数決定情報とを対応付けて前記メモリに記憶するステップと、
2つの前記保管場所の間での1回の商品の移動にかかるコストである移動コストを、移動元の前記保管場所特定情報と、移動先の前記保管場所特定情報とに対応付けて前記メモリに記憶するステップと、
前記第1の保管場所特定情報に対応する、前記商品特定情報および第1の前記出庫コストを前記メモリから読み出すステップと、
読み出した前記商品特定情報に対応する前記出庫回数決定情報を前記メモリから読み出し、当該出庫回数決定情報に基づいて前記出庫回数を決定するステップと、
前記第1の出庫コストに前記出庫回数を乗じた第1の総コストを算出するステップと、
前記保管場所に商品が保管されていないことを示す前記在庫情報に対応する、前記第2の保管場所特定情報および第2の前記出庫コストを前記メモリから読み出すステップと、
前記第1および第2の保管場所特定情報に対応する前記移動コストを前記メモリから読み出し、前記第2の出庫コストに前記出庫回数を乗じたコストに当該移動コストを加算した第2の総コストを算出するステップと、
前記第1の総コストよりも前記第2の総コストが小さい場合に、前記第1の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に保管されている商品を、前記第2の保管場所特定情報により特定される前記保管場所に移動するように指示するメッセージを前記出力装置に出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate