説明

在庫管理装置

【課題】製品の問題在庫の発見を有効に支援する。
【解決手段】製品の在庫状況を表示する表示部を備え、製品の在庫管理の意思決定を支援する在庫管理装置において、製品の在庫に関する第1の特徴量(累積販売金額)の値の履歴を示すデータと、製品の在庫に関する第2の特徴量(在庫金額)の値の履歴を示すデータとを、製品ごとに記憶しており、ユーザからの指定により、着目日時(2009/09/01)と、在庫状況を示す散布図の第1の座標軸(横軸)を構成する第1の特徴量(累積販売金額)と、在庫状況を示す散布図の第2の座標軸(縦軸)を構成する第2の特徴量(在庫金額)とを特定し、着目日時における第1の特徴量の値と、着目日時における第2の特徴量の値とを、製品ごとに取得し、第1の座標軸では第1の特徴量の値を示し、第2の座標軸では第2の特徴量の値を示すプロットを、製品ごとに生成することで、表示部に散布図を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の在庫管理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製造、物流、小売業では、種々の製品の在庫管理が行われる。在庫管理では、長期滞留在庫の発生、欠品の発生などの、製品に関する問題在庫を早期に発見し、対策を立てることが重要である。
なお、特許文献1には、過去における需要予測値と需要実績値に基づいて安全在庫量(将来の製品の需要が予測よりも大きくなり在庫が欠品状態になることを防ぐために予め生産しておく在庫の在庫量をいう)を算出する在庫管理の技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4369286公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、主に、作業現場に直接関わることの無いマネージャ等が、在庫管理の対象となる何千、何万にものぼる種類の製品を対象にして、限られた時間の中で問題在庫を発見するには、相応の分析手法が必要となる。しかし、従来の在庫管理の技術は、基本的には、製品の在庫推移を表示することで、在庫管理の良し悪しを判断するものであるが、この在庫推移による判断は、膨大な製品の種類別に行われるため時間がかかりすぎる。また、従来では、前記在庫推移を数字の羅列で表示したり、問題在庫を発見するためにいくつもの画面を参照し、多くの操作を必要としたりしていたので尚更である。
特許文献1の技術は、在庫管理の良し悪しを、需要予測値と予測誤差の絶対値との相関で判断するものであるが、この判断も製品の種類別に行われるので同様である。
そこで、このような事情を鑑みて、本発明では、製品の問題在庫の発見を有効に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明では、対象とする製品群について表示部が表示するグラフにおいて、そのグラフの横軸に第1の特徴量をとり、縦軸に第2の特徴量をとり、表示部は、製品ごとに、第1の特徴量および第2の特徴量にて示す値をプロットした散布図を表示する。これにより、例えば、通常とは異なる位置にプロットされた製品について即座に問題在庫として推定することができる。
また、第1の特徴量、第2の特徴量には、例えば、着目日時の製品の累積販売金額、在庫金額、在庫回転率、リードタイム、といった種々の特徴量をとることができるため、在庫管理の詳細な分析を行うことができる。
もし、問題在庫と推定した製品について詳細に調査したいときは、該当するプロットを選択することで、その製品の詳細な情報を表示することもできる。
詳細は、後記する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、製品の問題在庫の発見を有効に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の在庫管理装置のソフトウェア構成図である。
【図2】履歴データ001のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】色分けテーブル002のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】散布図生成手段003による処理内容を示すフローチャートである。
【図5】ステップS403による処理内容の詳細を示すフローチャートである。
【図6A】表示部に画面表示された散布図の具体例である。
【図6B】表示部に画面表示された散布図の具体例である。
【図6C】表示部に画面表示された散布図の具体例である。
【図7】表示部に画面表示された散布図のプロットを色分けして表示するときの具体例である。
【図8】重心算出手段004による処理内容を示すフローチャートである。
【図9】表示部に画面表示された散布図のプロットの重心を表示するときの具体例である。
【図10A】表示部に画面表示された散布図のプロットを対数表示するときの具体例である。
【図10B】表示部に画面表示された散布図のプロットを対数表示するときの具体例である。
【図10C】表示部に画面表示された散布図のプロットを対数表示するときの具体例である。
【図11】表示部に画面表示された散布図が示す在庫状況の日を設定するインターフェースを表示するときの具体例である。
【図12】詳細グラフ生成手段005による処理内容を示すフローチャートである。
【図13】表示部に画面表示された、散布図のプロットを選択したときの当該製品の在庫推移の具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0009】
≪構成≫
図1は、本実施形態の在庫管理装置のソフトウェア構成図である。この在庫管理装置は、履歴データ001、色分けテーブル002、散布図生成手段003、重心算出手段004、詳細グラフ生成手段005、XY軸項目選択手段006、プロット色分け項目選択手段007、プロット選択手段008、日付指定手段009、自動更新間隔指定手段010、自動更新開始手段011、自動更新終了手段012といったソフトウェア構成を備えている。
【0010】
この在庫管理装置は、入力部(例:ポインティングデバイス、タッチパネル)、表示部(例:ディスプレイ、タッチパネル)、制御部(例:CPU(Central Processing Unit))および記憶部(例:メモリ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive))をハードウェア構成として備えるコンピュータである。この在庫管理装置は、記憶部にソフトウェア構成としての散布図生成手段003などを実現する在庫管理用のプログラムを記憶する。制御部がこのプログラムを実行することにより、在庫管理に要する処理が実行される。
【0011】
履歴データ001は、在庫管理の対象となる製品の在庫実績を記憶するデータベースである。
図2は、履歴データ001のデータ構造の一例を示す図である。履歴データ001は、「製品コード」、「事業グループ」、「カテゴリ」、「ブランド」、「日付」、「累積販売金額」、「在庫金額」といったフィールドを備えている。
【0012】
「製品コード」は、在庫管理の対象となる製品の識別番号(単に、製品コードと称する場合がある)である。
「事業グループ」は、在庫管理の対象となる製品の生産、販売などの事業グループの名称である。
「カテゴリ」は、在庫管理の対象となる製品を、特性、品質などで分類したときの分類の名称である。
「ブランド」は、在庫管理の対象となる製品の銘柄の名称である。
【0013】
「日付」は、製品の在庫実績を決定する日であり、製品の在庫推移を日単位で追跡することができる。製品の種類などに応じて週、月、年を決定するようにし、週単位、月単位、年単位などで追跡してもよい。説明の便宜上、履歴データ001は日単位の製品に関するレコードを備えているものとする。
【0014】
「累積販売金額」は、該当する製品が「日付」が示す日までのある期間において、市場で販売されたときの実際の販売量の合計を金額として示したものである。説明の便宜上、金額として示すが、基本的には、製品の単価は決定されているので、製品の数量として示してもよい。
「在庫金額」は、該当する製品がその日において、所定のスペースで在庫されたときの実際の在庫量を金額として示したものである。
【0015】
図2の履歴データ001において、例えば、1行目のレコードに着目すると、製品コード100001の製品は、X事業GRが手がけたものであり、カテゴリAに属するとともにブランドαという銘柄を備えている。そして、2009年2月1日において、これまでに¥40,000分の販売がなされ、¥77,000,000分の金額に相当する在庫量が存在することが示されている。
なお、「事業グループ」、「カテゴリ」、「ブランド」は、後記する分類項目の選択候補となる。
また、「累積販売金額」、「在庫金額」は、後記する散布図のグラフのX軸(横軸)およびY軸(縦軸)となる特徴量(第1の特徴量、第2の特徴量)のひとつである。
【0016】
色分けテーブル002は、製品ごとに打たれ、散布図に表示されるプロットの色を定めるデータベースである。
図3は、色分けテーブル002のデータ構造の一例を示す図である。色分けテーブル002は、「値」、「色」といったフィールドを備えている。
【0017】
「値」は、散布図に表示されるプロットの色を決定するための値である。図3においては、製品のブランドによりプロットの色分けを行うため、履歴データ001の「ブランド」に登録された値が登録される。
「色」は、散布図に表示されるプロットの色である。図3の色分けテーブル002によれば、例えば、ブランドαである製品のプロットの色は赤(Red)とするように設定される。
【0018】
プロットの色分けは、この他に事業グループや、カテゴリなどに関して行うこともでき、履歴データ001の「事業グループ」、「カテゴリ」に登録された値を用いて、色分けテーブル002の「値」を構成することで達成することができる。
【0019】
散布図生成手段003は、履歴データ001に登録されている製品に対応するプロットを、所定の特徴量が横軸および縦軸(第1の座標軸、第2の座標軸)に定められたグラフに描写する散布図を生成する。
重心算出手段004は、履歴データ001に登録されている製品に対応するプロットの集合の重心を算出する。
【0020】
詳細グラフ生成手段005は、入力部からの入力により、散布図のプロットのひとつが選択されたとき、該当する製品の在庫推移を示すグラフを生成する。
XY軸項目選択手段006は、入力部からの入力により、散布図のグラフのX軸(横軸)およびY軸(縦軸)に定める特徴量を、履歴データ001のフィールドの一部から選択する。XY軸項目選択手段006は、表示部の画面上のGUI(Graphic User Interface)操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0021】
プロット色分け項目選択手段007は、入力部からの入力により、散布図のプロットの色を定める分類項目を、履歴データ001のフィールドの一部から選択する。選択した分類項目(着目分類項目)は、色分けテーブル002の「値」を構成する。プロット色分け項目選択手段007は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0022】
プロット選択手段008は、入力部からの入力により、散布図のプロットの少なくともひとつを選択する。プロット選択手段008は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
日付指定手段009は、入力部などからの入力により、ユーザが着目したい日を指定する。その日(着目日時)を指定することにより、履歴データ001のレコードのうち、「日付」の値がその指定の日であるものが特定され、結果的に、その指定の日における散布図のプロットが描写される。日付指定手段009は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0023】
自動更新間隔指定手段010は、入力部からの入力により、日付指定手段009が指定する日を、例えば1日ごとに繰り下げるための時間間隔を指定する。自動更新間隔指定手段010は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0024】
自動更新開始手段011は、入力部からの入力により、散布図のプロットの描写を、自動更新間隔指定手段010により指定された時間間隔で自動更新する処理を開始する。自動更新間隔指定手段010による時間間隔が例えば1秒であれば、「1秒」と指定し、自動更新開始手段011により自動更新を開始することにより、履歴データ001のレコードのうち、「日付」の値が該当する日であるものが逐一特定され、結果的に、散布図に描写されたプロットの1秒ごとの経時変化を表示することができる。自動更新開始手段011は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0025】
自動更新終了手段012は、入力部からの入力により、自動更新開始手段011による自動更新を終了する。自動更新終了手段012は、表示部の画面上のGUI操作による指定、または外部ファイルによる指定により実現する。
【0026】
≪処理≫
次に、本実施形態の在庫管理装置の処理内容について詳細に説明する。以下に説明する処理の主体は、在庫管理装置の制御部である。
【0027】
図4は、散布図生成手段003による処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS401において、日付指定手段009により指定された日付を変数dに代入して日付dとするとともに、プロット色分け項目選択手段007により選択された分類項目を変数Iに代入して分類項目Iとし、日付dと分類項目Iをメモリ上に展開する。展開した後、ステップS402に進む。
【0028】
ステップS402において、分類項目Iに応じた色分けテーブル002を読み出し、変数Dにその色分けテーブル002を代入して色分けテーブルDとし、色分けテーブルDをメモリ上に展開する。展開した後、ステップS403に進む。
【0029】
ステップS403において、メモリ上に展開された日付d、分類項目Iおよび色分けテーブルDを参照して散布図を生成する。散布図の生成の処理の詳細は後記する。
【0030】
図5は、ステップS403による処理内容の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS501において、履歴データ001の「製品コード」に登録されている製品コードを全て抽出し、抽出した製品コードにおいて重複の無い製品コードのリストを、例えば昇順に並べて作成する。なお、変数Cにこのリストを代入してリストCとする。リストCを作成した後、ステップS502に進む。
【0031】
ステップS502において、リストCから1件(例えば、先頭から1件)の製品コードを取り出す。なお、変数cにこの取り出した製品コードを代入して製品コードcとする。製品コードcを取り出した後、ステップS503に進む。
【0032】
ステップS503において、履歴データ001から製品コードcに対応する製品pのレコードを抽出する。なお、抽出されたレコードは日付d(ステップS401参照)のものだけである。抽出した後、ステップS504に進む。
【0033】
ステップS504において、分類項目Iおよびプロットの色分けテーブルDを参照して、製品の分類項目(プロット色分け項目選択手段007により選択されたもの)の値に対応する色をプロットに設定する。ただし、分類項目Iが選択されていない場合は規定値の色(例:黒)を設定する。設定した後、ステップS505に進む。
【0034】
ステップS505において、製品pの、日付dにおける累積販売金額をX軸の値とするとともに、在庫金額をY軸の値とした散布図を生成し、その散布図に製品pに対応するプロットを描画する。描画した後、ステップS506に進む。
【0035】
ステップS506において、リストCに未処理のデータ、つまり製品コードがあるか否か判定する。存在すれば(ステップS506でYes)、ステップS502に戻り、別の製品コードcについてステップS502〜ステップS506処理を繰り返し、存在しなければ(ステップS506でNo)、すべてのプロットが描画されたことを意味するので、処理全体を終了する。
なお、描画された散布図のグラフィックデータはメモリ上に記憶され、表示部に表示される。
【0036】
〔所望の座標軸を定めた散布図の表示〕
図6(図6A〜図6Cの総称)は、表示部に画面表示された散布図の具体例である。図6Aは、横軸に製品群の累積販売金額をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が示されている。図6Bは、横軸に製品群の在庫回転率をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が示されている。図6Cは、横軸に製品群のリードタイム(日単位)をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が示されている。
【0037】
なお、在庫回転率とは、一定期間における製品の在庫量の平均に対するその製品の販売量の合計の割合である。この割合が高いほど、在庫の製品の入れ替わりが多い(在庫の回転が大きい)ことを意味し、製品の仕入れから販売までの効率性を示す指標となる。
【0038】
また、リードタイムとは、製品の発注から納品までに要する期間を意味し、作業工程に応じて、主に、開発リードタイム、調達リードタイム、生産リードタイム、配送リードタイムに分解される。オペレーション品質の測定として、特に、作業工程を完了するときのスピードを測定する指標として使われている。横軸にとるリードタイムとして、開発リードタイム、調達リードタイム、生産リードタイム、配送リードタイムをとってもよい。
【0039】
図6Aに着目すると、表示部の表示画面のコンボボックス104において、「累積販売金額」を指定することにより、散布図のX軸の特徴量が決定される。また、コンボボックス105において、「在庫金額」を指定することにより、散布図のY軸の特徴量が決定される。コンボボックス104,105は、XY軸項目選択手段006を具現化したインターフェースであり、これらに登録されているメニューは、履歴データ001のフィールドの一部のフィールド名である。
【0040】
また、表示部の表示画面において、再描画ボタン106を押下することにより、散布図生成手段003による処理(図5参照)が実行され、グラフ表示エリア107には、コンボボックス104,105で指定した特徴量に対応した散布図のプロットが描画される。散布図に描画されるプロットのサイズ、形状は適宜変更することができる。また、プロットの色は、コンボボックス103から指定することができるが、詳細は後記する。なお、図6ではコンボボックス103において「なし」を指定しているので、プロットの色は規定値の色となる。
【0041】
コンボボックス104において、「在庫回転率」を指定することにより、散布図のX軸の特徴量が決定され、この状態で再描画ボタン106を押下すると、例えば図6Bに示す散布図が表示される。また、コンボボックス104において、「リードタイム」を指定することにより、散布図のX軸の特徴量が決定され、この状態で再描画ボタン106を押下すると、例えば図6Cに示す散布図が表示される。なお、このような表示を行ううえで、「在庫回転率」および「リードタイム」は、履歴データ001のフィールドを構成し、製品ごとに相応の値が登録されている。
【0042】
〔プロットの色分け〕
図7は、表示部に画面表示された散布図のプロットを色分けして表示するときの具体例である。表示部の表示画面のコンボボックス103において、「事業グループ」を指定することにより、散布図のプロットの色を定める分類項目が決定される。コンボボックス103は、プロット色分け項目選択手段007を具現化したインターフェースであり、これらに登録されているメニューは、履歴データ001のフィールドの一部のフィールド名である。
【0043】
ここで、表示部の表示画面において、再描画ボタン106を押下することにより、散布図生成手段003による処理(図5参照)が実行され、グラフ表示エリア107には、コンボボックス103で指定した事業グループごとに色分けされた、散布図のプロットが描画される。また、エリア1031には、プロットの色とプロットの色分けを決定する事業グループの名称との対応関係が描画される。この表示により、各事業グループの在庫管理の良し悪しを把握することができる。
【0044】
〔重心表示〕
次に、表示部に画面表示された散布図のプロットの重心の表示に関する説明をする。
図8は、重心算出手段004による処理内容を示すフローチャートである。
【0045】
まず、ステップS801において、散布図の各プロットのX座標の値(XY軸項目選択手段006にで選択した特徴量が示す値)を履歴データ001から参照し、それらの値の加算平均Gxを算出する。算出した後、ステップS802に進む。
【0046】
ステップS802において、散布図の各プロットのY座標の値(XY軸項目選択手段006にで選択したもう一方の特徴量が示す値)を履歴データ001から参照し、それらの値の加算平均Gyを算出する。算出した後、ステップS803に進む。
【0047】
ステップS803において、重心G=(Gx、Gy)を求め、重心Gを表すプロットと、そのプロットと交わる横直線および縦直線を散布図上に表示して、処理全体を終了する。
【0048】
図9は、表示部に画面表示された散布図のプロットの重心を表示するときの具体例である。散布図のX軸には、「累積販売金額」が指定されており、Y軸には、「在庫金額」が指定されている。表示部の表示画面の「重心を表示」と示されたテキストボックス110にチェックを入れると、グラフ表示エリア107において、散布図上に重心1101および重心と交わる横直線および縦直線が表示される。テキストボックス110は、重心算出手段004を具現化したインターフェースである。
【0049】
散布図を重心により四分割することにより、ユーザの在庫管理の意思決定が容易になる。すなわち、散布図の右下のエリアに属するプロットは、当該製品の在庫量が小さいのに、売り上げは大きい製品であることを示し、その製品の在庫管理の効率が高い(よく回転している)ことがわかる。
【0050】
また、散布図の右上のエリアに属するプロットは、当該製品の在庫量が大きく、かつ、売り上げが大きい製品であることを示す。現時点では、売れ行きが好調であるので在庫量が多くても問題ないが、将来的には、在庫量を抑えるように管理する(右下のエリアに移動するように管理する)必要があることがわかる。
【0051】
一方、散布図の左下のエリアに属するプロットは、当該製品の在庫量が小さく、かつ、売り上げが小さい製品であることを示す。在庫管理そのものに支障をきたす可能性は低いものの、当該製品の市場規模は小さいため、売り上げを増やすか事業撤退するか、といった判断をする必要があることがわかる。
【0052】
最後に、散布図の左上のエリアに属するプロットは、当該製品の在庫量が大きいが、売り上げは小さい製品であることを示す。その製品の在庫管理の効率は低い(あまり回転していない)ので、長期滞留などの在庫管理上の問題があることがわかる。
【0053】
通常、散布図を四分割するのに必要となる点を決めるには、ユーザの高度な判断が必要となる。しかし、前記した重心を用いることには、判断の高度性は不要であるため、専門家でなくても容易に在庫管理の良し悪しを把握することができる。
【0054】
〔対数表示〕
図10(図10A〜図10Cの総称)は、表示部に画面表示された散布図のプロットを対数表示するときの具体例である。図10Aは、横軸に製品群の累積販売金額をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が示されている。図10Bは、横軸に製品群の在庫回転率をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が示されている。図10Cは、横軸に製品群のリードタイム(日単位)をとり、縦軸に製品群の在庫金額をとったときの散布図が対数表示で示されている。
【0055】
図10Aは、図6Aに示した散布図を対数表示化したものに等しい。図10Aに着目すると、表示部の表示画面の「対数表示」と示されたテキストボックス111にチェックを入れると、グラフ表示エリア107において、散布図の座標軸(X軸、Y軸の両方)が常用対数座標軸となる。図10B、図10Cについても同様であり、それぞれ、図6B、図6Cに示した散布図を対数表示化したものに等しい。なお、在庫管理装置は、テキストボックス110のようなインターフェースを具現化するためのソフトウェア構成を例えば記憶部に備える。
【0056】
対数表示にすれば、散布図のプロットが均等にばらつくようになり、プロットの重なり度合いが減少し、見やすい表示を実現することができる。
なお、図10ではX軸、Y軸の両方を常用対数軸にしたが、片方のみを常用対数軸にしてもよいし、「常用」以外の対数軸を用いてもよい。この場合、例えばテキストボックス111は、相応の選択ができるように、その数を増やすなどの設計変更を行うようにする。
【0057】
〔日付設定〕
表示部に画面表示する散布図が示す在庫状況の日の設定に関する説明をする。
図11は、表示部に画面表示された散布図が示す在庫状況の日を設定するインターフェースを表示するときの具体例である。図11に図示された内容は、基本的には、図6Aに準拠する。
【0058】
前記インターフェースとして、日付設定エリア108が表示されている。日付設定エリア108には、日付設定テキストボックス1081、戻るボタン1082、開始ボタン1083、終了ボタン1084、進むボタン1085、自動更新間隔設定テキストボックス1086が含まれている。
【0059】
日付設定テキストボックス1081は、日付指定手段009を具現化したインターフェースである。入力部から、ユーザが希望する日付(例:2009/09/01)を入力し(ステップS401参照)、再描画ボタン106を押すと、履歴データ001のレコードのうち「日付」の値が一致するものが抽出され、抽出したレコードに応じたプロットを含む散布図が生成、表示される。
【0060】
戻るボタン1082は、押下すると、日付設定テキストボックス1081に入力された日付の前日(または、例えば前営業日)の日付が日付設定テキストボックス1081に入力される。ここで、再描画ボタン106を押すと、履歴データ001のレコードのうち「日付」の値が一致するものが抽出され、抽出したレコードに応じたプロットを含む散布図が生成、表示される。なお、在庫管理装置は、戻るボタン1082のようなインターフェースを具現化するためのソフトウェア構成を例えば記憶部に備える。
【0061】
開始ボタン1083は、自動更新開始手段011を具現化したインターフェースである。入力部から、開始ボタン1083が押下されると、自動更新間隔指定手段010による時間間隔ごとに、日付設定テキストボックス1081に入力される日付が、例えば1日ずつ進むように切り替わる。そして、履歴データ001のレコードのうち「日付」の値が一致するものが次々と抽出され、抽出したレコードに応じたプロットを含む散布図が生成、表示される。
なお、履歴データ001に該当する日付のレコードが存在しないときは、自動更新を終了し、例えば最新の日における散布図が表示される。
【0062】
終了ボタン1084は、自動更新終了手段012を具現化したインターフェースである。入力部から、終了ボタン1084が押下されると、自動更新開始手段011による自動更新を終了する。結果的に、終了ボタン1084が押下された時点で、日付設定テキストボックス1081に入力された日付が定まり、履歴データ001のレコードのうち「日付」の値が一致するものが抽出され、抽出したレコードに応じたプロットを含む散布図が生成、表示されて静止する。
【0063】
進むボタン1085は、押下すると、日付設定テキストボックス1081に入力された日付の翌日(または、例えば翌営業日)の日付が日付設定テキストボックス1081に入力される。ここで、再描画ボタン106を押すと、履歴データ001のレコードのうち「日付」の値が一致するものが抽出され、抽出したレコードに応じたプロットを含む散布図が生成、表示される。なお、在庫管理装置は、進むボタン1085のようなインターフェースを具現化するためのソフトウェア構成を例えば記憶部に備える。
【0064】
自動更新間隔設定テキストボックス1086は、自動更新間隔指定手段010を具現化したインターフェースである。入力部から、ユーザが希望する時間間隔(例:1秒)を入力し、開始ボタン1083が押下されると、すでに説明した自動更新が実行される。
【0065】
日付設定エリア108を設けることにより、散布図の表示の切り替えを容易、迅速に行うことができる。
また、散布図の自動更新をアニメーション表示するように描画の制御をすれば、着目したプロットの足跡を辿ることができ、在庫状況の良し悪しを容易に判断することができる。この場合、在庫管理装置は、前記アニメーション表示を実現するソフトウェア構成を例えば記憶部に備える。
【0066】
〔在庫の詳細表示〕
次に、表示部に画面表示された散布図のプロットの詳細表示に関する説明をする。
図12は、詳細グラフ生成手段005による処理内容を示すフローチャートである。この処理は、プロット選択手段008により、散布図のプロットの選択(例:ポインティングデバイスのクリック、タッチパネルであればそのプロットの表示箇所の押下)が実現されたときに開始する。
【0067】
まず、ステップS1201において、プロット選択手段008により指定(選択)されたプロットに関連付けられている製品pの製品コードc(図5参照)を参照する。参照した後、ステップS1202に進む。
【0068】
ステップS1202において、履歴データ001から製品コードcに対応する製品pのレコードを抽出する。抽出した後、ステップS1203に進む。
ステップS1203において、変数dに、抽出したレコードの日付(履歴データ001の「日付」に登録された値)を代入する。代入した後、ステップS1204に進む。
【0069】
ステップS1204において、変数vに、抽出したレコードの在庫金額(履歴データ001の「在庫金額」に登録された値)を代入する。代入した後、ステップS1205に進む。
【0070】
ステップS1205において、変数sに、抽出したレコードの累積販売金額(履歴データ001の「累積販売金額」に登録された値)を代入する。代入した後、ステップS1206に進む。
【0071】
ステップS1206において、dの位置、つまり、後記する在庫推移を示すグラフの横軸(X軸:日付)の該当位置に、変数vが示す在庫金額の値を棒グラフとして描画する。描画した後、ステップS1207に進む。
【0072】
ステップS1207において、dの位置に、変数sが示す累積販売金額の値を線グラフとして描画する。描画した後、ステップS1208に進む。
【0073】
ステップS1208において、履歴データ001に製品pの未処理のデータがあるか否か判定する。存在すれば(ステップS1208でYes)、ステップS1202に戻り、別の製品pについてステップS1202〜ステップS1208処理を繰り返し、存在しなければ(ステップS1208でNo)、プロット選択手段008により選択したすべてのプロットについて在庫推移の描画が完了したことを意味するので、処理全体を終了する。
なお、描画された在庫推移のグラフィックデータはメモリ上に記憶され、表示部に表示される。
【0074】
図13は、表示部に画面表示された、散布図のプロットを選択したときの当該製品の在庫推移の具体例である。この在庫推移の画面は、例えば前画面(散布図の画面)からの画面推移による画面ではなく、新しいウィンドウを開いて表示される画面である。また、図6Aに示したプロットPをクリックなどすることにより、対応する製品の在庫推移の画面が表示される。
【0075】
この画面の詳細グラフ表示エリア201には、横軸(X軸)に日付をとり、縦軸(Y軸)に在庫金額または累積販売金額を含む金額ととるグラフが描画される。そして、そのグラフにおいて、在庫金額203が棒グラフで描画されるとともに(ステップS1206)、累積販売金額204が線グラフで描画される(ステップS1207)。これにより、ユーザは、着目したい製品の在庫に関する詳細な情報を見て、その在庫に潜む問題を発見しやすくなる。
なお、閉じるボタン202を押せば、この在庫推移を示すウィンドウが閉じる。
【0076】
詳細グラフ表示エリア201において、横軸(X軸)に日付以外の特徴量をとり、縦軸(Y軸)に在庫金額または累積販売金額以外の特徴量をとって、製品に関する詳細な情報を表示することも可能である。この場合、それらの特徴量は、履歴データ001のフィールドの一部を構成する。
【0077】
≪まとめ≫
本実施形態により、以下の効果を奏する。すなわち、在庫管理の対象となる製品に関し、所定の特徴量を座標軸に定めた散布図を表示するので、マネージャ等のユーザに対し、製品の問題在庫の発見を有効に支援することができる。
前記特徴量には、例えば累積販売金額、在庫金額、在庫回転率、リードタイムをとることで、在庫管理の詳細な分析手法を提供することができる。
注目したい製品については、散布図の該当するプロットを選択することで、その製品の在庫推移などの詳細な情報を提示するため、よりいっそう製品の問題在庫の発見を有効に支援することができる。
【0078】
≪その他≫
なお、前記した実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形することが可能である。
【0079】
例えば、本実施形態では、散布図には、履歴データ001に登録されている一通りの製品について、そのプロットを表示するようにした。しかし、プロットを表示するためのフィルタリングを行い、プロットの一部のみを表示するように制御してもよい。
【0080】
具体的には、表示部の表示画面において、フィルタリングに用いるフィルタ条件をメニューに含むコンボボックスを備えるようにする。前記コンボボックスには、履歴データ001のフィールドごとに備えるようにし、前記フィルタ条件には、前記フィールドに登録されている値が用いられるとする。例えば、履歴データ001の「カテゴリ」別にフィルタリングを行うのであれば、「カテゴリ」用のコンボボックスを用意し、そのコンボボックスに登録されるメニューには、「カテゴリA」、「カテゴリB」が含まれるようにする(図2参照)。
【0081】
これにより、ユーザが入力部から「カテゴリ」用のコンボボックスで「カテゴリA」を選択すれば、散布図に表示されるプロットは、カテゴリAに属する製品のプロットのみになる。このような表示により、散布図の表示が見やすくなり、在庫管理の分析が容易になる。
【0082】
また、本実施形態の履歴データ001において他のフィールドを備えるようにすることができる。具体的には、製品の販売計画を示す販売予定金額(ある期間中は目標とする数量分販売するという予定を立てたときのその数量に応じた金額)をフィールドに備えるようにすることができる。
【0083】
例えば夏のボーナス商戦に向けて多く販売するという販売計画を立てたときに、ある製品におけるその販売予定金額が、夏までには相当量の在庫量を蓄えておくことが必要となるような金額として設定され、相応の値がその製品の履歴データ001に登録されていたとする。この場合、その製品の「在庫金額」の値は夏に向けて徐々に増加していくことになる。すると、図9に示す重心表示を行ったときに、元々、右下のエリアにプロットされていたものの、徐々に右上、場合によっては左上のエリアに移動することになり、この製品の在庫管理に問題があるとみなされてしまう。しかし、実際は販売計画に沿った結果であるので特に問題はないわけであるから、散布図においてそのことを示す表示をする(左上のエリアにあっても問題在庫ではない、という旨を示す表示)ことが好ましい。
【0084】
また、例えば、販売予定金額と在庫金額との乖離度を、所定のアルゴリズムを用いて算出し、その乖離度が所定値以上となる製品については、基本的には販売計画に沿っていないわけであるから、散布図中の当該プロットをハイライト表示するとよい。
【0085】
その他ハードウェア、ソフトウェア、フローチャート、データベース等の具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
001 履歴データ
002 色分けテーブル
003 散布図生成手段
004 重心算出手段
005 詳細グラフ生成手段
006 XY軸項目選択手段
007 プロット色分け項目選択手段
008 プロット選択手段
009 日付指定手段
010 自動更新間隔指定手段
011 自動更新開始手段
012 自動更新終了手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の在庫状況を表示する表示部を備え、製品の在庫管理の意思決定を支援する在庫管理装置において、
前記在庫管理装置の記憶部は、
製品の在庫に関する第1の特徴量の値の履歴を示すデータと、製品の在庫に関する第2の特徴量の値の履歴を示すデータとを、製品ごとに記憶しており、
前記在庫管理装置の制御部は、
入力部からの入力により、着目日時と、前記在庫状況を示す散布図の第1の座標軸を構成する前記第1の特徴量と、前記在庫状況を示す散布図の第2の座標軸を構成する前記第2の特徴量とを特定する制御と、
前記記憶部から、前記着目日時における第1の特徴量の値と、前記着目日時における第2の特徴量の値とを、製品ごとに取得し、前記第1の座標軸では前記第1の特徴量の値を示し、前記第2の座標軸では前記第2の特徴量の値を示すプロットを、製品ごとに生成することで、前記表示部に前記散布図を表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする在庫管理装置。
【請求項2】
前記第1の特徴量および前記第2の特徴量は、累積販売金額、在庫金額、在庫回転率、リードタイムのうちの2つである
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
製品を分類する分類項目において決められた値を示すデータを製品ごとに記憶するとともに、前記分類項目により分類された製品に対応する前記プロットに付す色を定めるデータと、記憶しており、
前記在庫管理装置の制御部は、
前記入力部からの入力により、着目分類項目を特定する制御と、
前記記憶部を参照して、前記着目分類項目により分類された製品ごとに、当該製品に対応するプロットに付す色を特定することで、前記表示部に前記プロットを色分け表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記在庫管理装置の制御部は、
前記第1の座標軸と、前記第2の座標軸とを常用対数軸とする制御、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記在庫管理装置の制御部は、
前記散布図に表示されている前記プロットの集合の重心を算出する制御と、
前記表示部に、前記算出した重心を示すプロットを前記散布図に表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
前記在庫管理装置の制御部は、
前記入力部からの入力により、前記散布図上のあるプロットが選択されると、前記記憶部から、当該プロットに対応する製品の在庫に関する前記第1の特徴量の値の履歴と、前記第2の特徴量の値の履歴を取得する制御と、
前記表示部に、当該製品の前記第1の特徴量の値と、前記第2の特徴量の値との在庫推移を表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項7】
前記在庫管理装置の制御部は、
前記入力部からの入力により、前記着目日時における前記散布図の表示を所定時間間隔ごとに変更する旨の要求を取得する制御と、
前記記憶部から、前記変更がなされた着目日時における前記第1の特徴量の値と、前記着目日時における前記第2の特徴量の値とを、製品ごとに取得し、前記表示部に前記散布図を前記所定時間間隔ごとに表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−180677(P2011−180677A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42163(P2010−42163)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000233538)株式会社 日立東日本ソリューションズ (53)
【出願人】(390008866)STARLECS株式会社 (8)
【Fターム(参考)】