説明

地図情報提供支援方法、地図情報提供支援システム、および地図情報提供支援プログラム。

【課題】地図情報クライアントに対する簡便確実かつ効率的な地図情報の提供を可能とする。
【解決手段】。各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体210の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベース125と、地図情報の提供を受ける地図情報クライアント200より、当該地図情報クライアント200における電子ペン201による前記印刷媒体210の光学的な読取り結果を受信する、読取り結果取得部110と、前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベース125において照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定する、提供地図情報特定部111と、前記提供地図情報を前記地図情報クライアント200に返信する、情報提供部112と、からシステムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報提供支援方法、地図情報提供支援システム、および地図情報提供支援プログラムに関し、特に電子ペンによる地図情報または位置情報の提供に係わり、光学的にドットパターンを読み取ることの出来る電子ペンと 固有の情報を持ったドットパターンを縮尺,緯度,経度からなる地図情報に対応させて管理し、かつドットパターンを印刷物として提供することで地図上の位置情報入力を容易する情報提供サービスの提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムのように電子地図を利用した地図情報の提供システムが一般化している。例えば、地図にその地名とともに、当該地名を指すコードを付与した地図帳と、前記地図帳のコードを読みとる光学式または磁気式のコード読み取り手段と、前記コード読み取り手段により読み込まれたコードを地名情報として処理する制御手段と、前記制御部により処理された処理情報を表示する表示手段とを備えたナビゲーション装置(特許文献1参照)などが提案されている。
【0003】
また、ドットパターンが印刷された特殊ペーパと、ドットパターンを読み取って当該特殊ペーパへの書き込み内容をデジタル化する電子ペンとを利用したシステムにおいて、上記特殊ペーパに対して所定の識別マークを印刷する手段と、上記識別マーク部分に書き込んだチェックマーク図形のデジタル化データに基づいて,特殊ペーパに書き込んだ内容のデジタル化データがどの特殊ペーパに書き込まれたものであるかを識別する手段とを有することを特徴とする特殊ペーパ管理装置(特許文献2参照)なども提案されている。
【特許文献1】特開平5−241507号公報
【特許文献2】特開2004−88676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで従来方法では、地図情報クライアントにおいて所望の目的地を位置指定するに際し、キーボードやマウス、スクロールポインタといった入力装置が使用されている。しかしながら、位置指定に際しては、地図縮尺の設定、地図画面の切り替え、地図画面自体の移動(スクロールなど)、位置指定用ポインタの移動、ならびに目的位置の確定、といった多くの作業を行なう必要があり、地図情報クライアントの利用者に煩雑な作業を強いることとなり入力効率に優れない。
【0005】
しかも、こういった従来方法で指定できる目的地は、例えば1操作で1地点という場合が多く、複数目的の指定や移動経路の設定といった処理に際しては、利用者への作業負担が更に増大することとなる。他方、特許文献1のごとく目的地の特定にバーコードを利用するとしてもバーコードの印刷面積や印刷形態は固定的であり、印刷媒体の大小に拘泥されたり、或いは地図上の各所全てに対応したバーコードを印刷媒体上に印刷することが非効率で実現困難であったりと、解決すべき課題が残されている。加えて、複数目的地の指定やバーコードで指定されていない位置の入力では、上記従来のスクロールポインタ等を用いた手法と同様の処理手順を必要とし、操作が煩雑となってしまう。
【0006】
一方、地図情報を提供しようとする側としても、例えば地図帳をコピーするなどして提供相手に直接送るなどするしかなく、地図情報の被提供者側にたとえカーナビゲーションシステム等があっても、この被提供者側で従来通り、地図の縮尺設定や目的地の設定を行う必要があり、地図情報の提供を簡便かつ効率的に行うことが困難であった。
【0007】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、地図情報クライアントに対する簡便確実かつ効率的な地図情報の提供を可能とする、地図情報提供支援方法、地図情報提供支援システム、および地図情報提供支援プログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の地図情報提供支援方法は、地図情報の提供支援をコンピュータにより行う方法であって、各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースを利用し、地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信し、前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定し、前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の地図情報提供システムは、地図情報の提供支援を行うシステムであって、各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースと、地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信する、読取り結果取得部と、前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定する、提供地図情報特定部と、前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信する、情報提供部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の地図情報提供プログラムは、地図情報の提供支援方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースを利用して、地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信するステップと、前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定するステップと、前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、地図情報クライアントに対する簡便確実かつ効率的な地図情報の提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態における地図情報提供支援システム100を含むネットワーク構成図である。本発明の地図情報提供支援システム100(以下、システム100)は例えばサーバコンピュータであり、本発明の地図情報提供支援方法を実行する機能を実現するプログラム101をハードディスクドライブなどの記憶装置102などからメモリ103に読み出し、演算装置たるCPU104により実行する。
【0014】
また、システム100は、LANやインターネット等のネットワーク150を介して、地図情報クライアント200らの外部装置と接続してデータ授受を実行するI/O部105を備える。更に、システム100は、地図ドットパターンデータベース125、利用型ドットパターンデータベース126、提供型ドットパターンデータベース127、地図座標データベース128、および課金管理データベース129を利用可能である。
【0015】
以下に、前記システム100が例えばプログラム101に基づき構成・保持する機能部につき説明を行う。システム100は、地図情報の提供を受ける地図情報クライアント200より、当該地図情報クライアント200における電子ペン201による印刷媒体210の光学的な読取り結果を受信する、読取り結果取得部110を備える。
【0016】
また、システム100は、前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベース125において照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定する、提供地図情報特定部111を備える。ここで、前記地図ドットパターンデータベース125は、各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体210の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納したデータベースである。
【0017】
また、システム100は、前記提供地図情報を前記地図情報クライアント200に返信する、情報提供部112を備える。
【0018】
また、システム100は、前記地図ドットパターンデータベース125における各ドットパターン情報毎に、前記提供地図情報の提供代金の決済未済または前記提供地図情報の利用期限を含む、提供可否情報を格納した課金管理データベース129を利用し、前記提供地図情報を特定するに際し、前記ドットパターン情報に対応する前記提供可否情報を前記課金管理データベース129において検索し、ここで検索した提供可否情報に基づき、該当提供地図情報の提供代金が決済済みであるか、前記利用期限を越えてないものであると判定できる場合に、該当する提供地図情報を地図情報クライアント200に送信する提供可否判定部113を備えるものとできる。
【0019】
なお、図1に示す地図情報クライアント200は、利用者が前記システム100より地図情報提供支援のサービス提供を受けるためのコンピュータであり、前記システム100と同様に、地図情報クライアントとして必要とされる各種入出力処理機能等を実現したプログラムをメモリに読み出し、演算装置により実行する。また、地図情報クライアント200は、LANやインターネット等のネットワーク150を介して、前記システム100らの外部装置と接続してデータ授受を実行する通信インターフェイスを備える。更に、地図情報クライアント200は、システム100から取得した各種情報を出力するディスプレイ等の表示装置や、印刷媒体210におけるドットパターンの光学的読取りを可能とする電子ペン201など、利用者の指示を受け付ける入力装置を備える。
【0020】
また、前記地図情報クライアント200は、緯度、経度の情報と地図画像データとが対になって格納された地図データベース203を備えており、GPS(Global Positioning System)を利用し地図情報クライアント200の現在位置や所定の目的地までの移動コースといったナビーゲーション情報を提供することができるものとする。なお、この地図データベース203は、ハードディスクなどの記憶装置の他、コンパクトディスクなどの各種媒体とその読み出し装置とすることもできる。また、この地図データベース203の具体的データ構造は、図8(c)に示す通り、例えば縮尺毎に設定された緯度経度の情報をキーとして、地図番号(例:地図画像のファイル番号)、表示位置のデータ、ならびに該当住所といった情報が関連づけされたレコードの集合体となっている。
【0021】
地図情報の被提供者は、前記地図情報クライアント200に接続された電子ペン201により、地図販売者や地図情報の提供事業者などが作成した、電子ペン用地図(印刷媒体)210におけるドットパターンの情報を光学的に読み取らせることができる。ここで読み取られた電子ペン用地図210のドットパターン情報は、地図情報クライアント200からネットワーク150を経由して前記システム100に通知される。そして、地図情報クライアント200は、前記電子ペン201で被提供者が指定した電子ペン用地図210上の所定位置の提供地図情報を、システム100から取得する。地図情報クライアント200では、この提供地図情報に基づき、前記地図データベース203から該当地区の地図画像などを抽出し、ディスプレイ等の適宜な出力インターフェイスに出力することとなる。
【0022】
次に、本実施形態における前記電子ペン201について説明する。図2(a)は、本実施形態において用いる電子ペン201の概要図である。この電子ペン201は、そのペン先において筆圧感知手段を備えた筆記機能202を有し、また、前記ペン先付近にカメラ機能203を備えて、筆記位置における印刷媒体210上のドットパターン211を撮影可能となっている。このカメラ機能203により撮影されたドットパターンの情報は、電子ペン201内部のメモリ機能204に蓄積され、所定のプロトコルにしたがった通信機能205により地図情報クライアント200などの上位機器へ送信される。
【0023】
こうした電子ペン201がドットパターン情報を読み取る対象が、前記印刷媒体たる電子ペン用地図210である。図2(b)は電子ペン用地図210におけるドットパターン211の印字配列212を示す図である。一つのドットパターン211は、縦横等間隔に配置された仮想線220の交点221の上下左右いずれかにドット230が配置され形成される。つまり、1つ交点221に対し4パターンのドット230の配置が表現できる訳である。
【0024】
こうしたドットパターン211は、図2(c)に示す通り、例えば、前記交点221より下にドット230が配置されていれば“0”、同様に交点221より上にドット230が配置されていれば“1”、同様に交点221より左にドット230が配置されていれば“2”、同様に交点221より右にドット230が配置されていれば“3”といった具合に、数値情報227に変換することができる。こうしたドットパターン211を、例えば縦横6×6(仮想線220が6本×6本)の印字配列212として構成すれば、4^36種類の数値情報227を表現することができることとなる。なお、前記ドットパターン211毎の数値情報227を前記仮想線220毎に並列させたものを数値情報群213とする。
【0025】
図2(c)の例では、前記印字配列212における各仮想線220を“カラム”としてとらえ、このカラム上における各ドットパターン211から変換できる数値情報227を例えば16進数で表示している。またこのカラム毎の各数値情報227を連結させることで、本発明におけるドットパターン情報たる、ドットパターン管理ID235を構成することができる。
【0026】
次に、本実施形態における印刷媒体たる電子ペン用地図210について説明する。図3は電子ペン用地図210の概要図である。この電子ペン用地図210は、当該電子ペン用地図210の縮尺に対応付けした前記ドットパターン211の印字配列212を、地図上で対応する緯度経度に合わせて地図とともに印刷媒体210上に印刷したものとなる。一方、地図情報の被提供者が前記電子ペン用地図210を利用する状況を想定せず、例えば、名刺やパンフレット、チラシなどの配布者(システム100を介して地図情報を提供する“情報提供者”とも言える)が所望の目的地へ前記被提供者を案内したいといった状況であれば、前記印刷媒体210に地図を印刷する必要はなく、前記目的地のみに対応する前記ドットパターン211の印字配列212を、名刺等の配布印刷物214へ重ねて印刷することで対応できる。
【0027】
なお、本実施形態において、ドットパターン211の印字配列212を地図とともに印刷媒体210上に印刷し被提供者側の利用に供する形態を「利用型」のサービス、一方、前記前記ドットパターン211の印字配列212を、名刺等の配布印刷物214へ地図を伴わずに印刷し被提供者側の利用に供する形態を「提供型」のサービスと称する。
【0028】
次に、本実施形態の地図情報提供支援システムが利用可能なデータベースについて説明する。図4はドットパターン211と縮尺、緯度経度、ならびに情報提供者との対応付けパターンを示す図であり、(a)利用型サービス時の対応付け例、(b)提供型サービス時の対応付け例である。上述した「利用型」におけるドットパターン211は、例えば同一住所を中心として所定地域を示す地図ではあるが、それぞれ縮尺が異なる複数の電子ペン用地図210の存在に対応し、同じ緯度経度に対応付けされた電子ペン用地図210の縮尺毎に関連づけられることとなる。他方、「提供型」におけるドットパターン211は、各情報提供者と縮尺とに関連づけられることとなる。
【0029】
こうしてドットパターン211と縮尺、緯度経度、ならびに情報提供者との対応付けがなされたデータベースが、図5に示す地図ドットパターンデータベース125である。この地図ドットパターンデータベース125は、各印字位置を一意に特定出来るドットパターン211が印字された印刷媒体210の各ドットパターンの情報(ここではドットパターン管理ID)と、地図上の縮尺、緯度、および経度とを対応付けて格納したデータベースある。なお、前記縮尺、緯度経度の情報を地図情報とし、前記地図情報クライアント200に提供されるに際しては提供地図情報となる。この地図ドットパターンデータベース125のデータ構造は、例えばドットパターン管理IDをキーとして、縮尺、緯度経度といった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0030】
なお、この地図ドットパターンデータベース125においては、ドットパターン管理IDに、当該ドットパターン管理IDに対応した地図情報の提供費用を負担する前記情報提供者のIDを、利用者IDとして関連づけて管理することができる。また、前記ドットパターン管理IDに対応した地図情報の提供期限についても、期限情報として関連づけて管理することができる。
【0031】
また、システム100は、図6に示すように、提供型地図ドットパターンデータベース127を備えるものとできる。この提供型地図ドットパターンデータベース127は、前記地図ドットパターンデータベース125において利用者IDの設定がなされているレコード、つまり地図情報の提供費用の負担を情報提供者で行うドットパターン管理IDに該当する地図情報、のレコードを選択的に集約したものである。
【0032】
また、システム100は、上述した「利用型」の地図情報提供に対応して、図7に示すような利用型地図ドットパターンデータベース126を備えるとしてもよい。この利用型地図ドットパターンデータベース126は、前記地図ドットパターンデータベース125において利用者IDの設定がないレコード、つまり地図情報の提供費用の負担を特に考慮しないドットパターン管理IDに該当する地図情報のレコードを選択的に集約したものである。
【0033】
このような利用型または提供型の地図ドットパターンデータベース126、127をシステム100が備えることで、例えば、「提供型」の地図情報提供サービスとのシステム100上での競合を避けて処理効率の向上を図ることが可能となる。また、システムリソースやネットワーク等の占有を抑制し効率的なシステム運用を図ることとできる。
【0034】
他にシステム100は、課金管理データベース129を備えるものとできる。この課金管理データベース129は、前記地図ドットパターンデータベース125における各ドットパターン情報毎に、前記提供地図情報の提供代金の決済未済または前記提供地図情報の利用期限を含む、提供可否情報を格納したデータベースである。具体的には、例えば図8(a)に示す通り、地図ドットパターンデータベース125で設定されている利用者IDを引いてキーとし(つまり、間接的にドットパターン管理IDをキーとする)、この利用者ID毎に、各利用者の認証用情報たるセキュリティ情報、課金未済の内容を示す課金情報、および利用履歴の情報が関連づけされたレコードの集合体となっている。
【0035】
また、地図座標データベース128は、例えば図8(b)に示すように、地図番号とその縮尺、位置データの座標値ならびに該当住所とを対応付けて格納したデータベースである。
【0036】
なお、これまで示したシステムにおける機能部110〜113は、ハードウェアとして実現してもよいし、HDDやメモリなどの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、前記CPU104がプログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラムをメモリ103に読み出して、これを実行することとなる。
【0037】
また、前記ネットワーク150に関しては、インターネットやLANの他、専用回線やWAN(Wide Area Network)、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網など様々なネットワークを採用することも出来る。また、VPNなど仮想専用ネットワーク技術を用いれば、インターネットを採用した際にセキュリティ性を高めた通信が確立され好適である。
【0038】
以下、地図情報提供支援方法の実際手順について、図に基づき説明する。なお、以下で説明する地図情報提供支援方法に対応する各種動作は、システム100がメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0039】
図9は本実施形態における地図情報クライアント200での実際手順を示すフロー図である。まず、本発明の地図情報提供支援方法を説明するにあたり、地図情報クライアント200における処理から概説しておく。なお、予め被提供者側には電子ペン用地図210が存在しているものとする。地図情報クライアント200において、前記電子ペン201による前記電子ペン用地図210の光学的な読取りが実行されると(s1000)、地図情報クライアント200は電子ペン用地図210におけるドットパターン211の情報を取得して、前記ドットパターン管理IDを生成の上、このドットパターン管理IDを含む問合わせ要求をシステム100に送信する(s1100:処理A)。
【0040】
また、前記問合わせ要求に応じて処理された処理結果をシステム100から受信し、この処理結果が地図情報の利用に際して課金発生を告げるものであれば、利用者IDを含む課金承認要求をシステム100に返信する(s1200:処理B)。前記利用者IDは、例えば前述の「提供型」の地図情報提供における前記情報提供者のID、つまり地図ドットパターンデータベース125における利用者IDとなる。
【0041】
システム100において前記課金承認要求に応じた課金処理が実行されると、システム100から地図情報クライアント200に宛てて提供地図情報が送信されてくる。地図情報クライアント200はこれを受信して取得し(s1300)、この提供地図情報に該当する地図を地図データベース203で抽出して出力インターフェイスなどに出力する(s1400:処理C)。地図情報クライアント200での処理は以上で終了する。
【0042】
次に、本実施形態における地図情報提供支援方法の実際手順をシステム100での処理に即して説明する。図10は、本実施形態における地図情報提供支援方法の実際手順を示すフロー図である。システム100は、地図情報クライアント200における前記処理Aに伴って、まず、地図情報クライアント200より、当該地図情報クライアント200における電子ペン201による前記電子ペン用地図210の光学的な読取り結果、つまり、前記問合わせ要求を受信する。そして、この問合わせ要求に含まれるドットパターン管理ID(ドットパターン情報)を抽出し、このドットパターン管理IDを前記地図ドットパターンデータベース125において照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定する(s1101)。
【0043】
次にシステム100は、前記提供地図情報に関し、前記課金管理データベース129における該当ドットパターン管理IDに対応する前記提供可否情報を参照する。ここでシステム100は、該当ドットパターン管理IDのレコードが「利用者ID」を含まない「提供型」であり、また前記期限情報が現時点を越えないものであるか判定する(s1102)。前記レコードが「提供型」であり、かつ期限内であるならば(s1102:YES)、地図情報クライアント200へに提供地図情報の送信に問題が無いとして、該当する提供地図情報を地図情報クライアント200に提供し(s1107)、処理を終了する。
【0044】
一方、前記判定において前記レコードが「提供型」であり、かつ期限内であると判定されなければ(s1102:NO)、つまり、電子ペン用地図210を手にした被情報提供者が誰でも利用できる「提供型」のレコードではなく、地図情報の利用にあたって決済が必要となる「利用型」である、或いは利用可能な期限を越えてしまっているレコードであるとシステム100は認識する。
【0045】
そこで、システム100は、前記地図情報クライアント200に対して、例えば課金の決済が必要となる旨の課金確認の情報を送信し、前記処理Bのフローを実行する。地図情報クライアント200ではこの課金確認を受けて、例えば前記配布印刷物214(図3参照)のドットパターン212に基づく利用者IDをシステム100に送信し、課金承認要求を実行する。
【0046】
システム100では、前記課金承認要求を受信し(s1103)、前記課金管理データベース129において該当利用者IDが存在するか判定する(s1104)。この判定により、課金管理データベース129に該当利用者IDが存在しないと判定されたならば(s1104:NO)、「提供型」でもなく、「利用型」ではあるが課金決済がなされていないドットパターン管理IDに対応した処理要求であるとしてエラー情報を地図情報クライアント200に提供に返し(s1105)、処理を終了する。
【0047】
他方、前記判定s1104により、課金管理データベース129に該当利用者IDが存在すると判定されたならば(s1104:YES)、システム100は課金管理データベース129において利用履歴などの各種情報更新を行って課金処理を実行するとともに(s1106)、前記提供地図情報を地図情報クライアント200に送信し(s1107)、処理を終了する。
【0048】
なお、地図ドットパターンデータベースの作成手順についても説明しておく。図11は利用型地図ドットパターンデータベース126の作成処理例である。まずシステム100は、例えば予め利用希望を受け付けている情報提供者の利用者IDを取得し(s1600)、また、地図情報となる縮尺、緯度、経度の各情報、並びに期限の情報についても、前記情報提供者からの要望を受けて取得する(s1601)。また、システム100は、予め利用型として「利用者ID」の設定や課金管理を前提として縮尺や緯度、経度等に合わせて生成した利用型ドットパターンデータ1100を取り込む(s1602)。システム100は、前記情報提供者から取得した地図情報と利用型のドットパターンデータとを合成し(s1603)、利用型地図ドットパターンデータベース126に格納することとなる。
【0049】
また同様に、図12に示すごとく提供型地図ドットパターンデータベース127の作成処理例についても説明する。システム100は、地図座標データベース128から縮尺、緯度、経度の各情報を取りこむ(s1500)。そして、予め提供型として「利用者ID」の設定を要しない前提で縮尺や緯度、経度等に合わせて生成した提供型のドットパターンデータ1200を取り込む(s1501)。システム100は、前記地図座標データベース128からの取得したデータと提供型のドットパターンデータとを合成し(s1502)、提供型地図ドットパターンデータベース127に格納する。このステップs1500〜s1502までの処理は、地図座標データベース128における該当情報が無くなるまで繰り返すこととする。
【0050】
本発明によれば、地図情報クライアントに対する簡便確実かつ効率的な地図情報の提供が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態における地図情報提供支援システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態における(a)電子ペンの概要図、(b)電子ペン用地図におけるドットパターンの印字配列を示す図、(c)ドットパターン管理IDの生成例を示す図である。
【図3】本実施形態における電子ペン用地図の概要図である。
【図4】本実施形態におけるドットパターンと縮尺、緯度経度、ならびに情報提供者との対応付けパターンを示す図であり、(a)利用型サービス時の対応付け例、(b)提供型サービス時の対応付け例である。
【図5】本実施形態における地図ドットパターンデータベースを示す図である。
【図6】本実施形態における利用型地図ドットパターンデータベースを示す図である。
【図7】本実施形態における提供型地図ドットパターンデータベースを示す図である。
【図8】本実施形態における課金管理データベースを示す図である。
【図9】本実施形態における地図情報クライアントでの実際手順を示すフロー図である。
【図10】本実施形態における地図情報提供支援方法の実際手順を示すフロー図である。
【図11】本実施形態における利用型地図ドットパターンデータベースの作成処理例である。
【図12】本実施形態における提供型地図ドットパターンデータベースの作成処理例である。
【符号の説明】
【0052】
100 地図情報提供支援システム、システム 101 プログラム
102 記憶装置 103 メモリ
104 CPU 105 I/O部
110 読取り結果取得部 111 提供地図情報特定部
112 情報提供部 113 提供可否判定部
125 地図ドットパターンデータベース
126 利用型ドットパターンデータベース
127 提供型ドットパターンデータベース
128 地図座標データベース 129 課金管理データベース
130 電子ペン指定位置管理サーバ 131 地図管理サーバ
132 ユーザ管理サーバ 150 ネットワーク
200 地図情報クライアント 201 電子ペン
202 (電子ペンの)ペン先 203 (電子ペンの)カメラ機能
204 (電子ペンの)メモリ機能 205 (電子ペンの)通信機能
203 地図データベース 210 印刷媒体
211 ドットパターン 212 ドットパターンの印字配置
213 ドットパターン数値例 214 ドットパターン付きの印刷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報の提供支援をコンピュータにより行う方法であって、
各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースを利用し、
地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信し、
前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定し、
前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信する、
ことを特徴とする地図情報提供支援方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記印刷媒体が、前記ドットパターンと前記地図情報との対応関係に応じて地図が縮尺毎に印刷されたものであることを特徴とする地図情報提供支援方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記印刷媒体が、特定の場所に関する地図情報と対応するドットパターンのみが印字されたものであることを特徴とする地図情報提供支援方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記地図ドットパターンデータベースにおける各ドットパターン情報毎に、前記提供地図情報の提供代金の決済未済または前記提供地図情報の利用期限を含む、提供可否情報を格納した課金管理データベースを利用し、
前記提供地図情報を特定するに際し、前記ドットパターン情報に対応する前記提供可否情報を前記課金管理データベースにおいて検索し、ここで検索した提供可否情報に基づき、該当提供地図情報の提供代金が決済済みであるか、前記利用期限を越えてないものであると判定できる場合に、該当する提供地図情報を地図情報クライアントに送信する、
ことを特徴とする地図情報提供支援方法。
【請求項5】
地図情報の提供支援を行うシステムであって、
各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースと、
地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信する、読取り結果取得部と、
前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定する、提供地図情報特定部と、
前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信する、情報提供部と、
を備えることを特徴とする地図情報提供支援システム。
【請求項6】
地図情報の提供支援方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
各印字位置を一意に特定出来るドットパターンが印字された印刷媒体の各ドットパターンの情報と、地図上の縮尺、緯度、および経度を対応付けた地図情報とを対応付けて格納した地図ドットパターンデータベースを利用して、
地図情報の提供を受ける地図情報クライアントより、当該地図情報クライアントにおける電子ペンによる前記印刷媒体の光学的な読取り結果を受信するステップと、
前記読取り結果から当該読取り結果が含むドットパターン情報を抽出し、このドットパターン情報を前記地図ドットパターンデータベースにおいて照合して、該当縮尺における該当緯度および該当経度の情報を提供地図情報として特定するステップと、
前記提供地図情報を前記地図情報クライアントに返信するステップと、
を含むことを特徴とする地図情報提供支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−3791(P2006−3791A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182376(P2004−182376)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】