説明

地物データ登録システム、地物データ登録方法および地物データ登録プログラム

【課題】広域の多くの地物を測量するために、測量業者に、地物の測量を依頼する場合でも、地物の地点の座標を正確に測量することができることで、品質のよい地物に関するデータのデータベースを構築することができる地物データ登録システム、地物データ登録方法および地物データ登録プログラムを提供する。
【解決手段】地物データ登録システムである施設データ登録システム1は、本部Hの図面管理サーバ2と見取図をデータ入力する入力業者Nの端末装置3と測量業者Sの端末装置4とを備えている。図面データは図面管理サーバ2により見取図上の3点の測量ポイントが指定され、端末装置4へ送信される。測量業者Sは、測量ポイントを示すマークが付与された図面データを参照して測量し、地点の経度、緯度、高さを示す測量座標データを図面管理サーバ2へ送信する。図面管理サーバ2では、測量座標データを検査座標データに関連付けてデータベースを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地物の図面上の測量ポイントと、その測量ポイントに対応する地点の経度・緯度、高さを示す測量座標データを関連付ける地物データ登録システム、地物データ登録方法および地物データ登録プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
位置検出装置は、物品の所在を把握したり、人の所在や移動を把握したりすることができるので、物や人の管理に好適である。また、施設内での人の位置が検出できるので、位置検出装置は、災害から被災者を助けるための救助活動支援装置としても好適である。
【0003】
救助者の活動を支援するための装置の一例として特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載の防災システムは、3Dスキャナを用いて取得された構造物の三次元座標データを含む基礎データを記憶する記憶部と、構造物の内部に存在する発信器の三次元座標を演算する演算部と、基礎データに基づいて構造物の画像をディスプレイに表示させると共に、ディスプレイに表示された構造物の座標系上の位置であって発信器の三次元座標に対応する位置に、発信器に対応する特定画像を表示させる画像合成部とを有するものである。この防災システムは、三次元画像データから、建物全体、任意の高さ又は任意の高さ範囲の建物部分を上、下、横、斜めの方向から見た画像をディスプレイ上に再現することができるものである。
【0004】
特許文献1に記載の防災システムは、3Dスキャナで建物全体を構造物の三次元座標データを含む基礎データとして取得するものであるが、建築するときの紙図面やCADデータなどの二次元データを基礎データとして用いると、容易に取得することができ、データ容量も少なくて済む。この場合には、紙図面やCADデータに経度や、緯度、高さを関連付ける必要がある。
【0005】
例えば、図面を電子化する技術について、図面が地図であるが特許文献2に記載されたものがある。特許文献2に記載の画像表示装置は、予め入力された地図ラスタイメージ内の多数の画素から選択された少なくとも3つの選択画素のx座標・y座標と、3つの選択画素の各々に対応した地図上の地点の緯度・経度とに基づいて、座標コンバータがx座標・y座標と緯度・経度との間の変換規則を決定し、決定された変換規則を用いて、地図ラスタイメージ上の各画素のx座標・y座標を緯度・経度に変換することで、地図の電子化を簡単に低コストで行えるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−11617号公報
【特許文献2】特開2004−62602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の画像表示装置では、地図ラスタイメージ内の多数の画素から選択された少なくとも3つの選択画素のx座標・y座標に、3つの選択画素の各々に対応した地図上の地点の緯度・経度を予め入力することで対応付けしているが、その地点の緯度・経度の測量座標値を取得する方法としては、特に記載されていない。
【0008】
広い地域に存在するそれぞれの地物に関する図面を収集してデータベース化し、その広域のそれぞれの地物における人や物の位置を管理したり、救助活動を支援したりする位置検出装置を構築する場合には、地物の図面上の測量ポイントと、その測量ポイントに対応する地物の地点の座標(経度・緯度・高さ)とを関連付ける必要がある。そのための測量作業は、測量作業量が膨大となるので、測量業者に協力を依頼することになる。その際には、地物の図面上の測量ポイントに対応する地物の地点の座標を正確に測量しなければならない。正確に測量できなければ、地物の図面と地物の位置との関連が取れないために、その地物での人や物の位置を検出する、位置検出装置の信頼性が得られない。
【0009】
そこで本発明は、広域の多くの地物を測量するために、測量業者に地物の測量を依頼する場合でも、地物の地点の座標を正確に測量することができることで、品質のよい地物に関するデータのデータベースを構築することができる地物データ登録システム、地物データ登録方法および地物データ登録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の地物データ登録システムは、測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバと、前記測量業者に設置され、前記図面管理サーバとネットワークを介して接続された端末装置とを備えた地物データ登録システムであって、前記図面管理サーバは、収集された地物の見取図を示す図面データが、他の図面データと識別するための管理識別情報に関連付けられて格納されるデータベース手段と、前記データベース手段に格納された見取図が表示される表示手段と、前記表示手段に表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを指定する入力手段と、指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与するマーク付与手段と、マークが付与された図面データを前記端末装置へ送信する送信手段と、前記端末装置から送信された管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを受信する受信手段と、前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて前記データベース手段に格納する登録手段とを備え、前記端末装置は、前記図面管理サーバからのマークが付与された図面データを受信する受信手段と、前記図面管理サーバから受信した図面データを表示または印刷する出力手段と、受信した図面データに示された測量ポイントに対応する地点の測量座標データを入力する入力手段と、入力された測量座標データを図面データに関連付けられた管理識別情報と共に前記図面管理サーバへ送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の地物データ登録方法は、測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバと、前記測量業者に設置され、前記図面管理サーバとネットワークを介して接続された端末装置とを備えた地物データ登録システムの地物データ登録方法であって、収集された地物の見取図を示す図面データを、他の図面データと識別するための管理識別情報と関連付けて前記図面管理サーバのデータベース手段に格納するステップと、前記データベース手段に格納された見取図を表示手段に表示させ、表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを前記図面管理サーバの入力手段により指定するステップと、指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与して前記図面管理サーバの送信手段を介して前記端末装置へ送信するステップと、前記図面管理サーバからのマークが付与された図面データを前記端末装置が受信手段により前記端末装置が受信するステップと、前記図面管理サーバから受信した図面データを出力手段により表示または印刷するステップと、受信した図面データに示された測量ポイントに対応する地点の測量座標データを入力手段により入力するステップと、入力された測量座標データを図面データに関連付けられた管理識別情報と共に、前記端末装置が送信手段により前記図面管理サーバへ送信するステップと、前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、前記図面管理サーバが受信手段により受信するステップと、前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて登録手段により前記データベース手段に格納するステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の地物データ登録プログラムは、測量業者に設置された端末装置にネットワークを介して接続され、前記測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバとしたコンピュータ上で動作する地物データ登録プログラムであって、前記コンピュータを、収集された地物の見取図を示す図面データが、他の図面データと識別するための管理識別情報に関連付けられて格納されるデータベース手段、前記データベース手段に格納された見取図が表示される表示手段、前記表示手段に表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを指定する入力手段、指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与するマーク付与手段、マークが付与された図面データを前記端末装置へ送信する送信手段、前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを受信する受信手段、前記端末装置から送信された管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて前記データベース手段に格納する登録手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明は、本部に設置される図面管理サーバのデータベース手段に登録されている収集された地物の見取図を示す図面データに、測量された経度、緯度および高さの測量座標値を関連付けて登録するものである。前記図面管理サーバにおいて、表示手段により表示させた図面データに、入力手段により指定した測量ポイントを示すマークを、マーク付与手段により付与する。マークが付与された図面データは送信手段により端末装置へ送信される。端末装置では、受信手段により図面データが受信され、出力手段により表示または印刷される。そして、受信された図面データの測量ポイントが示す地点に基づいて測量され、測量された測量座標データは管理識別情報と共に送信手段を介して図面管理サーバへ送信される。前記図面管理サーバでは、登録手段が管理識別情報に基づいて測量ポイントが示す地点の測量座標データを、管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けてデータベース手段に格納するので、本部が指定した測量ポイントが示す地点について、その位置を正確に測量することができる。ここで「地物」とは、建物や施設などの人工的なものや、河や山などの非人工的な天然のものなど、地上にあるすべての物をいう。
【0014】
前記図面管理サーバは、3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、この3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定する検査手段を備えるのが望ましい。
地物が人工的な構造物であるときには建設時の図面データと現況では異なる場合がある。また、自然物であっても経年に伴って図面データが作成されたときと地形が異なる場合がある。更に、誤って異なる位置を測量する場合も想定される。検査手段が3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、この3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較する。著しく図形が異なっていれば、壁面の長さが見取図と実際とで異なっていたり、掘削や埋め立てにより変わっていたり、測量ポイントとは違う箇所を測量したりするおそれがあるため、検査座標データに測定ポイントと測量座標データを関連付けてしまうと、品質が悪いデータベースが構築されてしまう。従って、検査手段が、それぞれの図形で所定以上の相違があるときにデータ異常と推定することで、一定の品質を保つことができる。
【0015】
前記図面管理サーバは、前記端末装置を、3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、この3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定する検査手段として機能させるプログラムを生成し、前記端末装置へ送信する検査プログラム生成手段を備えるようにするのが望ましい。図面管理サーバから送信された端末装置を検査手段として機能させるプログラムを、端末装置側で実行することができるので、端末装置側でデータ異常を検出できることで、測量現場で端末装置を操作すれば、データ異常を現場で検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、広域の多くの地物を測量するために、測量業者に測量を依頼する場合でも本部が指定した測量ポイントに対応する地物の地点の座標を正確に測量することができるので、品質のよい地物に関するデータのデータベースを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る施設データ登録システムを示す構成図である。
【図2】図1に示す施設データ登録システムの図面管理サーバを示すブロック図である。
【図3】図1に示す施設データ登録システムの入力業者に設置された端末装置を示すブロック図である。
【図4】図1に示す施設データ登録システムの測量業者に設置された端末装置を示すブロック図である。
【図5】(A)〜(D)は、施設の一例である介護施設の各階を示す見取図である。
【図6】(A)〜(D)は、図5に示す見取図に測量ポイントを示すブロック矢印マークが付与された状態を示す図である。
【図7】測量業者が測量座標データを入力するワークシートの一例を示す図である。
【図8】(A)および(B)はワークシートに内蔵された検査プログラムの動作を説明するための図である。
【図9】図面三角形と測量三角形とが相似でない場合を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る施設データ登録システムの使用状態を説明する図であり、航路・港の掘削工事と拡幅工事が行われたことを受けて、海中や海底の地形の状況を調査したときの平面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る施設データ登録システムの使用状態を説明する図であり、大型船舶の入出港の際の安全確保のために、航路幅や深さ、港の深さを調査確認するためのポイントを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る地物データ登録システムの一例である施設データ登録システムについて、図面に基づいて説明する。
図1に示す施設データ登録システム1は、フランチャイザーである本部(図面管理業者)Hが、フランチャイジーである施設の見取図を収集して見取図のデータ入力を行う入力業者N(加盟店)と、本部Hからの依頼により見取図に基づいて施設の測量を行う測量業者S(加盟店)とを募集してフランチャイズ展開するためのものである。図1においては、入力業者Nと測量業者Sとが一つずつしか図示されていないが、入力業者Nと測量業者Sとはエリアごとに募集されるので、それぞれは数多く配置される。
入力業者Nは、データ入力業務を行う事務所または企業である。測量業者Sは、GPSによる測量が可能な建築士が所在する建築設計事務所または測量士が所在する測量事務所である。
施設データ登録システム1は、本部Hに設置された図面管理サーバ2と、入力業者Nに設置された端末装置3と、測量業者Sに設置された端末装置4とを備え、それぞれがインターネットなどのネットワークWを介して通信可能に接続されている。
【0019】
図2に示す図面管理サーバ2は、通信手段21と、登録手段22と、マーク付与手段23と、データベース手段24と、検査プログラム生成手段25と、表示手段26と、入力手段27とを備えたコンピュータである。このコンピュータに施設データ登録プログラムを動作させることで、図面管理サーバ2として機能させている。
【0020】
通信手段21は、ネットワークWを介してデータを通信相手に送信する送信手段21aと、通信相手からネットワークWを介してデータを受信する受信手段21bとを備えている。通信手段21は、通信相手を高速に通信することができるWANに接続するLANとすることもできる。
登録手段22は、測量業者Sが測量した測量座標データを図面データに関連付ける機能を備えている。
マーク付与手段23は、測量業者Sへ測量を依頼する際に、測量する地点を示すために、測量ポイントを示すマークを図面データに付与する機能を備えている。
データベース手段24は、大容量の情報を高速に読み書き可能な不揮発性のメモリであり、例えばハードディスク装置や、光ディスク装置やフラッシュメモリなどとすることができる。データベース手段24には、施設データとして施設の見取図を示す図面データや、図面データを識別するための管理識別情報、検査座標データ、測量座標データ、施設の外観を示す施設写真、衛星から撮影した衛星写真または飛行機から撮影した航空写真などの空中写真などが、それぞれ関連付けられて格納されている。
【0021】
ここで、施設とは、スーパー,デパート,コンビニエンスストア,ショッピングモールなどの商業施設、映画館,ゲームセンター,パチンコなどの娯楽施設、美術館,博物館,科学館などの文化施設、工場,コンビナートなどの工業施設、学校,幼稚園,塾,カルチャースクール,学生寮などの教育施設、運動場,競技場、体育館,武道場などの運動施設、研究所,リサーチセンターなどの研究施設、病院,介護施設などの医療施設、証券取引所,市場などの経済施設、空港,鉄道などの交通施設、一般企業などの会社施設、神社,仏閣,教会,宗教法人関連の建物などの宗教施設、基地,レーダ施設,通信施設などの軍事施設など、あらゆる建物や造形物、また敷地やその地形も含まれる。
【0022】
図面データとは、施設の見取図を示すもので、紙図面をスキャナで読み込んだデータやCADデータとすることができる。紙図面をイメージデータとするときには、BMP(Bit MaP)ファイル,JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイル,TIFF(Tagged Image File Format)ファイル,GIF(Graphics Interchange Format)ファイル,PNG(Portable Network Graphics)ファイルなどの一般的な静止画ファイル形式とすることができる。しかし、管理する施設が増加することで図面データとなるイメージデータが増大することを考慮すれば、イメージデータは圧縮処理されているファイル形式とすることが望ましい。
【0023】
管理識別情報は、それぞれの図面データを識別できればどのような体系のものを使用してもよいが、本実施の形態1では、郵便番号(7桁)+地番(4桁)+枝番(3桁)の合計14桁の数字を管理識別番号として、図面データを識別する。この管理識別情報は、図面データのファイル名とすることで、図面データと関連付けることができる。
検査座標データは、本部Hが測量業者Sに測量を依頼する際の、測量ポイントに対応した見取図上の数学座標である。測量座標データは、測量ポイントにより指示された地点の経度、緯度および高さを示す座標である。
【0024】
検査プログラム生成手段25は、3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、測量業者Sに設置された端末装置4により入力された3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定することで、端末装置4を検査手段として機能させる検査プログラムを生成し、端末装置4へ送信する機能を備えている。
【0025】
表示手段26は、CRT(Cathode Ray Tube)や、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などが使用でき、図面データが表示される。
入力手段27は、キーボード、マウスとすることができ、見取図上の2点以上の測量ポイントを指定する際に使用される。
【0026】
図3に示す入力業者Nに設置された端末装置3は、通信手段31と、機器接続手段32と、登録手段33と、記憶手段34と、表示手段35と、入力手段36とを備えたコンピュータである。
【0027】
通信手段31は、図面管理サーバ2の通信手段21と同様に、ネットワークWを介してデータを通信相手に送信する送信手段31aと、通信相手からネットワークWを介してデータを受信する受信手段31bとを備えている。
機器接続手段32は、外部に設置されたスキャナ装置5と接続してイメージデータを入力する機能を備えている。機器接続手段32は、USB(Universal Serial Bus)としたり、SCSI(Small Computer System Interface)としたりすることができる。
登録手段33は、機器接続手段32を介在させて読み込んだ見取図のイメージデータである図面データを、管理識別情報と関連付けて記憶手段34に格納する機能を備えている。
記憶手段34は、図面管理サーバ2へ送信される図面データが格納される読み書き可能な不揮発性のメモリである。記憶手段34には、施設データとして図面データの他に、施設の外観を示す写真である施設写真および空中写真も格納される。表示手段35は図面管理サーバ2の表示手段26と同様に構成することができ、入力手段36は図面管理サーバ2の入力手段27と同様に構成することができる。
【0028】
図4に示す測量業者Sに設置された端末装置4は、通信手段41と、機器接続手段42と、記憶手段43と、表示手段44と、入力手段45とを備えたコンピュータである。
【0029】
通信手段41は、図面管理サーバ2の通信手段21と同様に、ネットワークWを介してデータを通信相手に送信する送信手段41aと、通信相手からネットワークWを介してデータを受信する受信手段41bとを備えている。
機器接続手段42は、外部に設置されたプリンタ装置6と接続して、図面データを印刷する出力手段として機能するものである。機器接続手段42は、USBとしたり、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1248(双方向パラレルインタフェース)としたりすることができる。
記憶手段43は、図面管理サーバ2から送信された測量ポイントが指示された図面データを格納する読み書き可能な不揮発性のメモリである。表示手段44は図面管理サーバ2からの図面データを表示する出力手段として機能するもので、図面管理サーバ2の表示手段26と同様に構成することができる。入力手段45は、図面管理サーバ2の入力手段27と同様に構成することができる。
【0030】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る施設データ登録システムの動作および使用状態を、図面に基づいて説明する。
本部Hが募集するフランチャイズに加盟した入力業者Nは、施設の見取図と、施設写真および空中写真とを収集する。この見取図が紙図面である場合には、スキャナ装置5により見取図を読み取り図面データとして、端末装置3の記憶手段34へ格納する。その際に、図面データを、割り当てられた図面識別情報をファイル名として格納する。そして読み取った図面データを送信手段31aにより図面管理サーバ2へ送信する。例えば、入力業者Nは、図5(A)から同図(D)に示すように介護施設の1階から3階と屋上を示す見取図G1〜G4を読み取り、図面管理サーバ2へ送信する。また各種の写真も図面管理サーバ2へ送信する。
【0031】
本部Hでは、図面管理サーバ2の受信手段21bが端末装置3からの図面データを受信し、データベース手段24に格納する。次に、入力手段27を操作することで、データベース手段24から図面データを読み出し、測量する地点を示すための測量ポイントを指示する。
このとき本部Hでは、施設写真および空中写真を参照して、効率よく測量できる地点を勘案しながら測量ポイントを決定する。例えば、施設の建物に隣接して樹木が植えられていると、GPSによる測定では樹木が遮って測量できないことがある。このような状況を本部Hが施設写真または空中写真を参照して、測量作業に支障のない測量ポイントを指定して可能な限り問題を回避することで、効率のよい測量作業を測量業者Sが行えるようにサポートする。
【0032】
指示された測量ポイントは、マーク付与手段23により、測量ポイントを示すブロック矢印をマークとして図面データに付与する。本実施の形態1では、見取図G1〜G4の図面データに、測量ポイントを示すマークと共に、測量ポイントを識別するための記号が付与されている。例えば、介護施設の1階を示す見取図G1ではポイントP11〜P13が付与されている(図6(A)参照)。同様に、2階を示す見取図G2ではポイントP21〜P23が付与され(図6(B)参照)、3階を示す見取図G3ではポイントP31〜P33が付与され(図6(C)参照)、屋上を示す見取図G4ではポイントP41〜P43が付与されている(図6(D)参照)。
マーク付与手段23により付与されるブロック矢印は、入力手段27を操作することで、向き(上下方向や左右方向に対する角度)、長さ、太さ、移動、消去などを調整や編集をすることができる。
【0033】
ブロック矢印のマークが付与された図面データはデータベース手段24に格納されると共に、送信手段21aにより測量業者Sに設置された端末装置4へ送信される。この端末装置4への送信は、図面データを含む施設データを電子メールに添付して送信することができる。施設データの容量が大きい場合には、データベース手段24に図面データが格納され、準備ができたことを案内する電子メールを端末装置4へ送信することで、端末装置4から図面管理サーバ2へアクセスさせ、送信手段21aがHTTP(HyperText Transfer Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)により端末装置4へ送信するようにしてもよい。
【0034】
このとき、検査プログラム生成手段25が生成した検査プログラムも端末装置4へ送信する。この検査プログラムは、測定ポイントが示す地点の測量座標データを入力することで、測量座標データを検査するもので、例えば、マイクロソフト社製の表計算ソフト(スプレッドシードソフトウェア)であるExcel(商標)のワークシート(図7参照)に内蔵させることができる。このワークシートは、ファイル名を管理識別情報とすることで、管理識別情報と、入力された測量座標データとを関連付けることができる。
図7に示すワークシートの例では、図面データの4枚分(見取図G1〜G4)をまとめて1つのファイルとしているので、管理識別情報の下1桁目の枝番は、見取図G1〜G4で共通を示す「0」とする。
【0035】
測量業者Sでは、端末装置4の受信手段41bによりブロック矢印のマークと測量ポイントを示す記号(P11〜P13など)が付与された図面データを受信して記憶手段43に格納する。測量業者Sは、受信した図面データを、機器接続手段42を介してプリンタ装置6へ印刷したり、表示手段44に表示したりして参照する。
【0036】
端末装置4がノートブック型のパーソナルコンピュータであるときには、現地へ端末装置4を持って行き、表示手段44に見取図G1〜G4を示す図面データを表示させながら測量して、測量した経度、緯度および高さ(地面の標高(GL)を含む)を、入力手段45を操作してワークシートに入力する。
端末装置4がデスクトップ型のパーソナルコンピュータであるときには、印刷した見取図G1〜G4を持って行き測量した結果をメモした後、端末装置4が設置されている場所まで帰り、測量した経度、緯度および高さを、入力手段45を操作してワークシートに入力する。GPSにより測量される高さは、WGS-84系の準拠楕円体面からの高さである。
【0037】
この測量は、GPS(Global Positioning System)などの測位装置により行うことができる。測量を、GPS衛星を使用して三次元測位することで、地上の平面的な位置だけでなく高さ方向の位置も測定できる。なお、実施の形態1では、経度及び緯度はWGS−84座標系を用いることができるが、他の座標系を使用してもよい。また、この測量座標は都市計画地図より緯度及び経度、高さ座標をそれぞれ取得して、測量座標データとすることもできる。
【0038】
ここで、ワークシートに内蔵された検査プログラムについて、図8に基づいて説明する。ワークシートには、図面管理サーバ2の入力手段27により測定ポイントが指示されたときに、測定ポイントに対応する図面データの数学座標による検査座標データが、検査プログラム生成手段25により設定される。そして、ワークシートが測量業者Sの端末装置4へ送信され、端末装置4にて表計算ソフトによりワークシートが開かれると、検査プログラムは端末装置4であるコンピュータを検査手段として機能させる。
測量業者Sが測量ポイントにより指示された地点の測量座標データをワークシートに入力する。測量されたワークシートに内蔵された検査プログラムは、図8(A)および同図(B)に示すように、3点の測量ポイント(例えば、ポイントP11〜P13)が示す検査座標データによる仮想三角形(図面三角形)と、この3点の測量ポイントに基づいて測量された3点の測量座標データによる仮想三角形(測量三角形)との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定し、再度その相違の原因を確認するための判断をすることができる。データ異常は、表示手段44に表示するようにしてもよいし、音声により報知するようにしてもよい。
【0039】
この推定は、次の3つの相似条件から判定できる。
(1)図面三角形と測量三角形との3組の辺の比が所定範囲内である。
(2)図面三角形と測量三角形の2組の辺の比とその間の角度とが所定範囲内である。
(3)図面三角形と測量三角形の2組の角度が所定範囲内である。
この所定範囲は適宜決定できるが、辺の比率の違いや角度の違いは、図面データの尺度によっては大きな違いとなるため、実用上、測定の誤差範囲と同等とするのが望ましい。例えば、その誤差範囲は、距離にして±0.2m〜±0.5m程度とすることができる。
三角形の各辺の長さからその間の角度を算出することはできるが、角度を算出するよりポイント間の距離を算出する方が容易に算出できるため、本実施の形態1では、(1)の方法を採用している。例えば、ポイントP11〜P13のそれぞれを結ぶ線分の距離を、検査座標データと測量座標データとのそれぞれの場合で算出し、距離の比率が所定範囲内か否かによって、相似関係か否かを推定している。
【0040】
図9に示す例では、点線で示す検査座標データによる仮想三角形(図面三角形)と、実線で示す測量座標データによる仮想三角形(測量三角形)とでは、ポイントP11,P12の間の距離に対して、ポイントP11,P13の間の距離と、ポイントP12,P13の間の距離が短い。従って、見取図におけるポイントP13の位置が、実際の位置とは異なっていると推定される。これは、見取図作成時と建設時とで相違したのか、測量を誤って行ったか、または測量座標データの単純な入力ミスかまでは不明であるが、少なくともこの見取図に基づいた図面データを元にデータベースを構築すると、施設図面と施設の位置との関連が取れないために、その施設内での人や物の位置を検出する位置検出装置の信頼性が得られない。ワークシートに内蔵された検査プログラムが、それぞれの図形で所定以上の相違があるときにデータ異常と推定することで、一定の品質を保つことができる。
【0041】
また、端末装置4を検査手段として機能させるプログラムを、端末装置4側で実行することができるので、測量現場で端末装置4を操作すれば、データ異常を現場で検出することができる。
ワークシートへの測量座標データの入力が完了すると、測量業者Sはワークシートを送信手段41aにより図面管理サーバ2へ送信する。
【0042】
図面管理サーバ2では、受信手段21bによりワークシートを受信すると、登録手段22が、測量ポイント(ポイントP11〜P13など)に対応する検査座標データに、測量座標データを関連付けてデータベース手段24に格納する。図面データの見取図上の座標を示す検査座標データに、経度、緯度および高さを示す測量座標データが関連付けられることで、二次元データを基礎データとして、座標系を割り付けることができるので、地理情報システムのデータベースや、位置検出装置用の高品位なデータベースを構築することができる。
【0043】
このようにして、本部Hが測量業者Sに地点の測量を依頼する場合でも、本部Hが指定した測量ポイントに対応する地点の経度、緯度および高さを正確に測量することができるので、品質のよい施設に関するデータのデータベースを構築することができる。
【0044】
なお、本実施の形態1では、3点の測量ポイントを指示して測量を行っているが、2点の測量ポイントを測量すれば、経度および緯度の座標系を割り付けることができる。しかし、入力された測量座標データの検査を行うのであれば、検査座標データによる図形と測量座標データによる図形の相似関係の比較ができる3点以上の測量ポイントとするのが望ましい。
また、本実施の形態1では、図面管理サーバ2に検査プログラム生成手段25を備え、測量業者Sの端末装置4にて検査プログラムを内蔵したワークシートに測量座標データを入力することで、端末装置4側で測量座標データの検査を行っていた。しかし、図面管理サーバ2の検査プログラム生成手段25の代わりに検査手段を設け、検査プログラムを内蔵しないワークシートを図面管理サーバ2から端末装置4へ送信し、測量座標データが入力されたワークシートに基づいて検査手段で、検査することも可能である。また、端末装置4が検査プログラムを予め備え、図面管理サーバ2から測量ポイントが指定された図面データと検査座標データとを送信させて、端末装置4にて検査プログラムが検査座標データを取り込むことで、端末装置4側で測量座標データの検査を行うようにすることもできる。
【0045】
また、本実施の形態1では、図面管理サーバ2にて、図面データを表示して測量ポイントを示すブロック矢印マークを付与していたが、測量ポイントを指示する入力手段27、マークを付与するマーク付与手段23などの機能を複数の装置に分散させ、複数の装置全体で図面管理サーバとして機能させてもよい。
更に、本実施の形態1では、入力業者Nと測量業者Sとが別々の業者であったが、同じ業者で一つの店舗内に端末装置3,4が配置されていてもよいし、端末装置3,4が一台で構成されていてもよい。また、本部(図面管理業者)と入力業者Nと測量業者Sとは、フランチャイズ契約に基づいて、図面データの管理や、見取図の収集、測量などを行っているが、契約形態はフランチャイズ契約に限られたものではなく、個別の契約に基づいて行うようにしてもよい。
【0046】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る施設データ登録システムについて、図面に基づいて説明する。
本実施の形態2では、施設データ登録システムが登録する施設として、港湾施設を対象としており、施設データ登録システムの構成としては、実施の形態1に係る施設データ登録システムと同じであるため、構成の説明は省略する。
【0047】
図10に示す港湾の平面図は、近年、航路・港の掘削工事と拡幅工事が行われたことを受けて、海中や海底の地形の状況を調査したときの図面である。また、図11に示す港湾の平面図は、大型船舶の入出港の際の安全確保のために、航路幅や深さ、港の深さを調査確認するためのポイントを示す図である。
【0048】
この平面図は、入力業者Nが測量平面図(見取図)を収集して、図面識別情報をファイル名とした図面データとして入力業者Nの端末装置3の記憶手段34へ格納すると共に、端末装置3を操作して図面管理業者である本部Hに設置された図面管理サーバ2へ送信したものである(図1参照)。
本部Hでは、図面管理サーバ2の受信手段21bが端末装置3からの図面データを受信し、データベース手段24に格納する。図面管理サーバ2では、入力手段27を操作することでデータベース手段24から図面データを読み出し、調査確認する地点を示すための調査確認ポイント(測量ポイント)を指示する。
【0049】
調査確認ポイントは、入力手段27を操作して指示することで、マーク付与手段23により、図面データに、ポイントPx〜Pz,Pa1〜Pa20の表示と共に、マークが付与される。図11に示す例では、この調査確認ポイントは、マークとして、港C1や航路C2の地形や現況を確認するための基準点(図11においては一点鎖線で示される三角形の各頂点に位置する。)が「△(三角形)」印により示され、港の深さや航路の幅や深さを調査確認するためポイントが「●(黒丸)」により示される。
【0050】
「△」や「●」が付与された図面データはデータベース手段24に格納されると共に、送信手段21aにより調査確認する調査会社(測量業者S)に設置された端末装置4へ送信される。このとき、実施の形態1と同様に、検査プログラム生成手段25が生成した検査プログラムも端末装置4へ送信することができる。調査会社では、端末装置4の受信手段41bにより図面データを受信して記憶手段43に格納する。調査会社は、受信した図面データを、機器接続手段42を介してプリンタ装置6へ印刷したり、表示手段44に表示したりして参照する。
【0051】
そして、調査会社は、この図面データに基づいて港や航路の調査確認を行い、経度、緯度および高さ(深さ)を測量座標データとして、検査プログラムを内蔵したワークシートに入力する。地上での測量は、GPS測量機を用いて測定することができる。また、海底の測量は、海上で緯度および経度を測定し、深さを錘測、音響測深、レーザー測深などにより測定することができる。
【0052】
ワークシートに測量座標データが入力されることで、検査プログラムは、図面データの3点の測量ポイント(ポイントPx〜Pz)が示す検査座標データによる仮想三角形(図11では一点鎖線で示す。)と、この3点の測量ポイントに基づいて測量された3点の測量座標データによる仮想三角形との相似関係を比較する。そうすることで、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定できるので、検査プログラムは、このデータ異常である旨の通知を表示手段44に表示するか、音声により報知する。
【0053】
ポイントPx〜Pz,Pa1〜Pa20に対応する測量座標データが入力されたワークシートを送信手段41aにより図面管理サーバ2へ送信する。
図面管理サーバ2では、受信手段21bによりワークシートを受信すると、登録手段22が、調査確認ポイント(測量ポイント)に対応する検査座標データに、測量座標データを関連付けてデータベース手段24に格納する。このことにより、航路幅の位置確認を行うことや港の深さの境界線の位置確認を行うことができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態1では、施設の高さごとの見取図(各階の見取図)を示す平面図データを例に説明し、実施の形態2では、港湾施設を示す図面データを例に説明したが、橋やダムなどの構造物の他、山や河、沿岸などの自然物の所定高さごとの断面図や平面図を図面データとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、施設の建物や敷地、設備などの見取図を二次元の図面データとしたり、橋梁やダムの構造物の水平断面図を図面データとしたり、河や山、沿岸などの自然物の水平断面図や平面図を図面データとしたりして、地物の外形や物品の所在を把握したり、人の所在や移動を把握したりするためのデータベースを構築する際に好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 施設データ登録システム
H 本部
2 図面管理サーバ
21 通信手段
21a 送信手段
21b 受信手段
22 登録手段
23 マーク付与手段
24 データベース手段
25 検査プログラム生成手段
26 表示手段
27 入力手段
N 入力業者
3 端末装置
31 通信手段
31a 送信手段
31b 受信手段
32 機器接続手段
33 登録手段
34 記憶手段
35 表示手段
36 入力手段
S 測量業者
4 端末装置
41 通信手段
41a 送信手段
41b 受信手段
42 機器接続手段
43 記憶手段
44 表示手段
45 入力手段
5 スキャナ装置
6 プリンタ装置
W ネットワーク
G1〜G4 見取図
P11〜P13,P21〜P23,P31〜P33,P41〜P43 ポイント
Px,Py、PZ ポイント
Pa1〜Pa20 ポイント
C1 港
C2 航路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバと、前記測量業者に設置され、前記図面管理サーバとネットワークを介して接続された端末装置とを備えた地物データ登録システムであって、
前記図面管理サーバは、
収集された地物の見取図を示す図面データが、他の図面データと識別するための管理識別情報に関連付けられて格納されるデータベース手段と、
前記データベース手段に格納された見取図が表示される表示手段と、
前記表示手段に表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを指定する入力手段と、
指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与するマーク付与手段と、
マークが付与された図面データを前記端末装置へ送信する送信手段と、
前記端末装置から送信された管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを受信する受信手段と、
前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて前記データベース手段に格納する登録手段とを備え、
前記端末装置は、
前記図面管理サーバからのマークが付与された図面データを受信する受信手段と、
前記図面管理サーバから受信した図面データを表示または印刷する出力手段と、
受信した図面データに示された測量ポイントに対応する地点の測量座標データを入力する入力手段と、
入力された測量座標データを図面データに関連付けられた管理識別情報と共に前記図面管理サーバへ送信する送信手段とを備えたことを特徴とする地物データ登録システム。
【請求項2】
前記図面管理サーバは、3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、この3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定する検査手段を備えた請求項1記載の地物データ登録システム。
【請求項3】
前記図面管理サーバは、前記端末装置を、3点以上の測量ポイントが示す検査座標データによる図形と、この3点以上の測量ポイントに基づいて測量された3点以上の測量座標データによる図形との相似関係を比較して、所定以上の相違があるときにデータ異常と推定する検査手段として機能させるプログラムを生成し、前記端末装置へ送信する検査プログラム生成手段を備えた請求項1記載の地物データ登録システム。
【請求項4】
測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバと、前記測量業者に設置され、前記図面管理サーバとネットワークを介して接続された端末装置とを備えた地物データ登録システムの地物データ登録方法であって、
収集された地物の見取図を示す図面データを、他の図面データと識別するための管理識別情報と関連付けて前記図面管理サーバのデータベース手段に格納するステップと、
前記データベース手段に格納された見取図を表示手段に表示させ、表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを前記図面管理サーバの入力手段により指定するステップと、
指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与して前記図面管理サーバの送信手段を介して前記端末装置へ送信するステップと、
前記図面管理サーバからのマークが付与された図面データを前記端末装置が受信手段により前記端末装置が受信するステップと、
前記図面管理サーバから受信した図面データを出力手段により表示または印刷するステップと、
受信した図面データに示された測量ポイントに対応する地点の測量座標データを入力手段により入力するステップと、
入力された測量座標データを図面データに関連付けられた管理識別情報と共に、前記端末装置が送信手段により前記図面管理サーバへ送信するステップと、
前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、前記図面管理サーバが受信手段により受信するステップと、
前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて登録手段により前記データベース手段に格納するステップとを含むことを特徴とする地物データ登録方法。
【請求項5】
測量業者に設置された端末装置にネットワークを介して接続され、前記測量業者を統括する本部に設置された図面管理サーバとしたコンピュータ上で動作する地物データ登録プログラムであって、
前記コンピュータを、
収集された地物の見取図を示す図面データが、他の図面データと識別するための管理識別情報に関連付けられて格納されるデータベース手段、
前記データベース手段に格納された見取図が表示される表示手段、
前記表示手段に表示された見取図上の2点以上の測量ポイントを指定する入力手段、
指定された測量ポイントを示すマークを図面データに付与するマーク付与手段、
マークが付与された図面データを前記端末装置へ送信する送信手段、
前記端末装置からの管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを受信する受信手段、
前記端末装置から送信された管理識別情報に関連付けられた測量ポイントが示す地点の経度、緯度および高さを示す測量座標データを、当該管理識別情報が示す図面データの測量ポイントに対応する検査座標データに関連付けて前記データベース手段に格納する登録手段として機能させることを特徴とする地物データ登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−287218(P2010−287218A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96343(P2010−96343)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(307010694)トモデータサービス有限会社 (5)
【Fターム(参考)】