説明

地球環境改良システム

【課題】地球温暖化、オゾン層破壊、海洋酸性化の防止方法の提供。
【解決手段】大気中の二酸化炭素と、海水を電気分解して発生する水素9を化合管16内で接触させメタンガスを製造する。メタンガスは地下に埋蔵し、酸素は放出して酸素濃度減少に歯止めを掛ける。また副生する酸素が負の酸化熱(エネルギー不変の法則)から大気中の熱を吸収して、酸素の一部に紫外線を充ててオゾンに変化させ、重くなったオゾンを排出する。また、海洋酸性化した海水は、潮の干満現象を利用して満潮時の海水を減圧し、海水に溶け込んでいる二酸化炭素を除去して海水を中性化する。海水に溶け込んだ酸素も、同時に除去され、環境破壊が発生してしまうので排水時に、メタンガス生成で発生した酸素を混入してから干潮時の海水に放水する事で、海の環境保全に役立てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地球温暖化対策、オゾン層修復、及び海洋酸性化防止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球の長い歴史と云う観点から見ると地球温暖化とオゾン層破壊は同時に起きている。
これは両者の原因は同じである、と云う事を暗に示している。
然し現在、提唱されている原因は何故か別々である。(温暖化効果ガス説とフロンガス説)
【0003】
二酸化炭素が温室効果ガスとして問題になっているが、二酸化炭素は化石燃料に含まれる炭素が燃え、酸化熱を放出して出来た、いわば「燃え滓」である。
世界中のエンジニアが、その「燃え滓」を削除しようと躍起になっているが、放出した「酸化熱」には視野が向いていない。
【0004】
地球の酸素の絶対量は一定である。
植物が酸素を製造している様に思われがちだが、実際は二酸化炭素と水を分解して、酸素を排出し、熱を吸収しているに過ぎない。
CO−−−>C+O−energy 2H2O−−−>2H2+O2−energy
(太古の植物は炭素、水素及び、大気熱を吸収して生育し、化石燃料となった。)
然し、人類は化石燃料を乱費し、その限られた酸素を消費している。
これでは酸化熱を放出し、酸素濃度が減少するのは当たり前である。
更には農地拡大による森林伐採、砂漠の拡大化等、酸素の供給源も減少している。
【0005】
フロンガスが上空まで昇り、強い紫外線で分解され、発生した塩素がオゾンを壊していると言われている。
本当だろうか?
フロンガスの質量は大気中に存在する他の気体と比較して、突出して重い。
各元素の1モル当たり重量
水素 2g 酸素 32g オゾン 48g 二酸化炭素 44g 窒素 28g フロンガス:CFC−12 121g CFC−115 154.45g
そのフロンガスが上空まで昇り、強い紫外線で変化し、「塩素がオゾン層を壊す」とは考え難い。
【0006】
土木技術者は酸素濃度に特に敏感である。
地下で作業する労働者の命を守る為に常日頃から酸素濃度を確認している。
その酸素濃度が近年、低くなっている。
(何時の時点か不明だが昔24%、現在20.9%と聞き伝えている。)
二酸化炭素が増えているのだから酸素減少は当然の事と言える。
水も同様に水素と、大気中の酸素の化合で増加している。
(冬には、車のマフラーから水蒸気が吹き出しているのが簡単に確認出来る。)
【0007】
火星の二酸化炭素量は大気の95%である。
地球の3倍の二酸化炭素群とその層の厚さに接触した水素はメタンガスに変化し、あたかも地下から吹き出して居るように思えるのでは、ないのだろうか。
重力が地球の半分以下の火星では、ゆっくりと水素と二酸化炭素が接触しても不思議ではない。(無重力では全ての物体の質量が無くなる。)
火星では二酸化炭素の層の厚さで、水素との「縦の化合」(「図1」参照)が起こっているのではないのか。
【0008】
火星では水が流れた形跡があると前出の記事で知った。
これは火星誕生(灼熱)から現代(酷寒)に至るまでの過程で起こったのではないか?
と推測する。
地球と火星との環境相違点(インターネット「ウキペディア」より)
1.火星の公転1.88年
2.自転周期24時間37分
3.平均温度−43度(−130度〜0度C)
昔、火星が水の流れる環境であったと言う事は、気温激減の理由は何か?
1.火星は太陽系で4番目の惑星であり、太陽からの距離は地球より長い。
2.メタンガス生成による大気熱吸収が起こっている。
以上から火星の気温が低いのは当然の結果であって、メタンガス大量発生の原因では無いと思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
地球温暖化の原因は化石燃料及び大気中の酸素を消費しての「酸化熱」と考え、減少した酸素を増加させる方法を考える。
【0010】
オゾン層破壊の原因は「慢性的な酸素減少」と考える。
【0011】
海洋酸性化の原因は「海水の二酸化炭素吸収」と考える。
【課題を解決しようとする手段】
【0012】
海水を電気分解することで塩素,水素を発生させる。「図4参照」−−−>アルカリ化する。
その時、海水は水酸化ナトリウムへと徐々に変化する。
−極 2Na+2HO−−−>2NaOH+H−−−(化1)
また、発生した塩素で水酸化ナトリウム溶液を中和すると酸素が発生するので、その酸素を放出し、オゾン層修復に役立てる。
4NaOH+2Cl−−−>4NaCl+2HO+O−−−(化2)
海水に溶け込んだ貴金属が−極に付着する利点もあり、維持管理費用に充てられる。
【0013】
発生した水素(「化1」参照)はエネルギーとして直接使用、又はメタンガス生成の資源として利用する。(「図4」参照)
メタンガスを燃焼すると二酸化炭素と水を発生させ、熱を放出する。
CH+O−−−>CO+2H+energy
逆に水素と二酸化炭素を化合するとメタンガスと酸素を発生させ、熱を吸収する筈である。
(「エネルギー不変の法則」より)
その時、体積変化も生じる。
CO+2H−−−>CH+O−energy−−−(化3)
この時 3モル −−−> 2モル に変化する。
反応と伴に、減圧された化合管に、海水を電気分解して出来た水素と、大気から無風状態で分類した二酸化炭素が徐々に吸引される。(「図5」参照)
その結果、メタンガスと酸素が発生し、熱を吸収する。(「化3」参照)
【0014】
重力が強く、二酸化炭素の層が薄い地球では、両者の接触時間が短く、火星のような「縦の化合」は起こり難い。(「図1」参照)
地球上の狭いスペースで実験すると、発生したメタンガスと酸素は、水素と二酸化炭素との間に入り込み、膜となって両者の化合を阻害する。(「図7」左図参照)
(その為、水素と二酸化炭素は化合しないと思い込んでいたのではないか?)
そこで化合管に緩い勾配を付け、水素流入と伴に(突起物に入り込んでいる)メタンガス、酸素等の重い気体を追い出し、両者を上部に移動させる。
その時、水素も移動してしまうので化合管内の上部に突起物を設け水素の移動を抑制する。(「図6」参照)
突起物の高さは接触面の増やす為の考慮が必要(円形管では半分程度)となる。
【0015】
化合管下部には孔を設け、二酸化炭素だけを吸引して濃度上昇を図る。(「図5」右端参照)
(この時「化3」で示す様に、化合管の内部は化学反応で減圧されている状態になっている。)
【0016】
化合管の最上部には収集ボックスを設ける。
その中には残留水素、メタンガス、酸素、二酸化炭素が混入されている。(「図5」参照)
そこに強い紫外線を照射すると酸素はオゾンに変化する。(「図8」参照)
4者の中で1番重くなったオゾンを収集箱の底部から抜き取りオゾン層修復に充てる。
軽い水素とメタンガスは上部から取り出し、両者の液化温度の違いから分離する。
【0017】
火星では大量のメタンガスが発生しているが原因究明には至っていない。
その為、地球上でメタンガスを発生させる場合、色々な事を想定して対処する必要がある。
酸素に紫外線を照射すると即座にオゾンに変化する様に、自然界では何が起こるか判らない。
そこで、化合管の内部に紫外線、超音波、振動等を与えて反応を見る。(「図5」参照)
【0018】
海洋酸性化対策に付いては、潮の干満を利用して満潮時の大気を海水減圧層にて減圧し、海洋酸性化の原因である二酸化炭素を排出する。(「図9」参照)
然し、この工程で酸素も排出されるので、無酸素状態になった海水には酸素を混入してから排出する。
また、減圧によるプランクトン等、微生物に対する環境破壊を防止する必要がある。
【発明の効果】
【0019】
メタンガスを生成する事で、酸素を増加し、熱を吸収する。
その結果、酸素濃度は増大し、オゾン層修復、地球温暖化防止に寄与出来る。
【0020】
海水に吸収された二酸化炭素を取り除く事で海洋酸性化防止に寄与出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
インフラ整備によって作り上げた都市部及び肥沃な農地である三角洲を地球温暖化による海水面上昇から守る事が出来る。
【0022】
魚貝類を海洋酸性化から守り、「海の生体保護」に貢献する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0023】
車社会、又は産業界等のエネルギーとして水素、又はメタンガスを活用する。
然し製造した水素、メタンガスをエネルギーとして全て消費すると、地球環境改良という当初の目的から大きく外れてしまう。
そこで残った水素、又はメタンガスを地下に埋蔵し封印すれば地球環境改良の効果は大きい。
【0024】
海洋酸性化を防止することで海の環境保全が出来、将来の食料安定に寄与出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】火星での縦の化合状況図(推測) 開放された状態では火星に於ける二酸化炭素の量と、質量の違いから「図7左端」の様にはならず水素と二酸化炭素は直接、接触出来る
【図2】酸素が十分に有る場合のオゾン層生成図 参考文献 地球冷却化システム (特許文献)特開2010−031380号広報 ▲1▼オゾンより軽い酸素は上昇し、▲2▼酸素は上空の強い紫外線でオゾンに変化する。▲3▼オゾンは酸素より重いため下降する。▲4▼下降したオゾンは、弱い紫外線の下では不安定になり、▲1▼酸素に変化する。以上が正常なオゾン層生成サークルと推定出来る。
【図3】酸素が欠乏している場合のオゾン層破壊図 参考文献 地球冷却化システム (特許文献)特開2010−031380号広報 ▲5▼酸素減少のため酸素と▲9▼酸素減少分だけ二酸化炭素が上昇 ▲6▼酸素が供給されない分だけオゾン生成が少ない。▲7▼オゾンは二酸化炭素より重いため下降し▲8▼弱い紫外線の元、酸素に変化する。▲8▼で発生した酸素は化石燃料の燃焼で使用され、更に二酸化炭素が増える。以上が酸素不足によるオゾン層減少の原因と推測できる。結果、オゾン層が底尽きた時点で地上の酸素不足が急激に起こると推測される。即ちオゾン層破壊は、地球上に於ける酸素欠乏の黄色信号と云えるのではないか。
【図4】海水の電気分解図 2NaCl−−−>2Na+Cl ※1 海水の電気分解には大量の電気を使用するので原価償却期間の短いクリーンな発電方法が必要になってくる。※2 −極に発生したナトリウムは水と激しく反応し、水酸化ナトリウムに変化する。2Na+2HO−−−>2NaOH+H(水素発生)
【図5】地球環境改良システム図
【図6】A部拡大図 ※3 化合管内部はメタンガス、酸素生成で減圧される。(「化3」参照) ※4 化合して発生したメタンガス、酸素は補給した水素に質量の違いから上方に追い出され、下方の突起物内は軽い水素で充満する。順次、繰り返されるが、時間が経つにつれ、下段の水素は二酸化炭素と直接接触し、メタンガス、酸素に変化する。※5 メタンガス生成を補助する目的で紫外線、超音波、振動等を与える。(「図6」参照)
【図7】酸素分類システム図 メタンガスより重く、二酸化炭素より軽い酸素は、そのままでは抽出が困難である。そこで、収集ボックス内に紫外線を照射する。強い紫外線で酸素はオゾンに変化し、3者の中では1番重くなる。下方に降りたオゾンを排出しオゾン層修復に使用する。残留水素とメタンガスは液化温度の違いから分離する。
【図8】海水中和化システム図 海水が変化して出来た水酸化ナトリウム溶液と「図4」で発生した塩素を化合し中和する。(「化2」参照)
【図9】海水改良システム図 潮の干満差を利用し満水時の大気を減圧し、二酸化炭素を排出する。
【図10】潮の干満差説明図 P(圧力)・V(体積)=一定、より、減圧された海水では溶け込んだ気体の体積が膨張して浮力が増し、排出する。その為、潮の干満差の激しい場所での設置が好ましい。
【符号の説明】
【0026】
1.紫外線
2.重い
3.軽い
4.不安定
5.オゾンより軽い
6.燃焼等で消費
7.通電
8.塩素発生
9.水素発生
10.海水
11.収集ボックス
12.無風状態の空気
13.残留水素及びメタンガス、酸素発生
14.二酸化炭素流入
15.その他の気体
16.化合管
17.水酸化ナトリウム溶液
18.軽い水素を取り出す。
19.−極の電解槽
20.酸素増加
21.塩+水
22.オゾン放出
23.減圧状態
24.水抜きバルブ
25.干満時の海水
26.満潮時の海水
27.水位差で水抜き
28.干潮時に、酸素と海水を攪拌して放水
29.酸素混入バルブ
30.突起物
31.生成物発生
32.放置
33.放出
34.空気取入れ口
35.バルブ
36.空気流入
37.+極の電解槽
38.紫外線、超音波、振動等の補助装置
39.電解槽
40.海水減圧槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水を電気分解して、塩素,水素を発生させる。
発生した水素と、大気中の二酸化炭素からメタンガス、酸素を生成する。
メタンガスは地下に埋蔵し、酸素は放出して酸素濃度減少に歯止めを掛ける。
更に生成過程で生じた冷却熱「エネルギー不変の法則」で大気熱を吸収する「地球環境改良システム」
【請求項2】
電気分解で発生した塩素を、アルカリ化した海水に接触させ、海水の中和化と共に酸素を発生させる「海水中和化システム」
【請求項3】
軽い水素と二酸化炭素をゆっくりと接触させる為に、管に緩い勾配を付ける。
更に水素を通過させる管内上部には突起物、更に管の下部には孔を設け、化合反応で生じた減圧状態を利用して大気中の二酸化炭素を吸収する構造を併せ持つ持つ「化合管」
【請求項4】
潮の干満差を利用する事で、満潮時の海水を減圧して二酸化炭素を除去し、海洋酸性化された海水を中性化する。
更に減圧に依って生じる海水の酸素欠乏を防ぐ為、排水時に「請求項1」,「請求項2」で生成した酸素を混入する「海水改良システム」
【請求項5】
火星に於けるメタンガス生成時の「縦の化合論」(推測)
【請求項6】
酸素に紫外線を充ててオゾンに変化させ、重くなったオゾンを排出する「酸素分類システム」
【請求項7】
メタンガス生成時に紫外線、超音波、振動等でアシストする「メタンガス生成補助論」(推測)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−173883(P2011−173883A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−43002(P2011−43002)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(311011047)
【Fターム(参考)】