説明

地盤攪拌装置の管理システム

【課題】 バックホウなどバケット式の装置を用いて、地盤の浅層を改良する際に、その地盤の攪拌改良がどれだけ進んだかを示す攪拌改良具合の指標となるものがないために、地盤の攪拌改良具合を、作業者が土の色むら等を見て判断せざるを得ないという課題があった。
【解決手段】 本体に回動可能に支持されたブーム3と、該ブーム3に回動可能に連結されたアーム4と、該アーム4に回動可能に連結されたバケット5とを有する攪拌混合装置の管理システムにおいて、バケット5により地盤を攪拌する攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を攪拌する地盤攪拌装置の管理システムに関する。詳しくは、本体との連結部を中心に回動可能に支持され、ブームシリンダの伸縮に基づいて駆動するブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結され、アームシリンダの伸縮に基づいて駆動するアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結され、バケットシリンダの伸縮に基づいて駆動するバケットとを有し、バケットを揺動することにより地盤が攪拌され、該攪拌回数をカウントする攪拌混合装置の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セメント系固化材や石灰系固化材を使用した化学的固化による地盤改良工法が知られている。この地盤改良工法は、一般的に改良する深度によって大きく2つに分類される。一つは地表面から−3m付近までの改良でこれを浅層改良工法または表層改良工法と呼び、もう一つは−3mより深い部分の改良でこれを深層改良工法と呼んでいる。
【0003】
この浅層改良工法の技術として、ブーム、アームおよびバケットを駆動して自動掘削するバックホウで、ブーム、アームおよびバケットのそれぞれの回動角度を角度センサにより検出し、その角度センサにより検出されたブーム、アームおよびバケットの各回動角度を用いて、バケットの刃先の深さを算出できるというものが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
また、深層改良工法の技術として、リーダーマストに昇降自在に装着された駆動部に、攪拌翼を有する攪拌軸を装着し、この攪拌軸を駆動部のモータにより回転駆動して地盤を掘削すると共に、地盤改良用固化材等と水を混合したセメントミルクを注入し、土砂と地盤攪拌して地盤を改良する地盤改良機が知られている。この地盤改良機は、攪拌ヘッドの深度・昇降速度、攪拌軸の回転数、攪拌ヘッドの羽根枚数から地盤土の単位長さ当たりの地盤攪拌回数が算出できるというものであった(たとえば、特許文献2)。
【0005】
このように、深層改良工法を用いて地盤攪拌回数を算出するものとして、リーダーマストを装着した専用機械に種々の管理装置が装着され、それによって地盤の攪拌を管理するシステムが既に知られているが、浅層改良工法を用いるものとして、バックホウを使用し、バックホウに装着したバケットを揺動させることにより改良材と現地土砂を攪拌混合して固化するものでは、バケットの揺動の動きが複雑なことから攪拌回数を算出して攪拌混合度合いを管理する装置は従来存在しなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平5−311692号公報
【特許文献2】特開2000−220134号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のバックホウ(バケット式)では、地盤の浅層を改良する際に、その地盤の攪拌改良がどれだけ進んだかを示す攪拌改良具合の指標となるものがないために、地盤の攪拌改良具合を、作業者が土の色むら等を見て判断せざるを得なかった。このことから、作業者は作業を行いながら土の色むら等を判断するといった負担が強いられ、また、作業者の熟練の度合いや作業者の感覚によって攪拌改良具合の判断が異なる場合があり、思ったように地盤が攪拌改良できていない場合もあった。また、特許文献2の地盤改良機(ロータリー式)では、地盤土の単位長さ当たりの地盤攪拌回数を算出することができるものの、このロータリー式では、ガラや礫が多く含まれる表層盛土部分を改良する場合や、地盤の固い支持層を改良する場合に、攪拌翼が欠損したり、うまく攪拌できないことが多かった。また、ロータリー式では、ロータリー式専用の油圧配管が必要でコスト高になるのみならず、作業を複雑化するという問題もあった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、地盤の浅層改良の攪拌改良具合を判断する作業者の負担を軽減するとともに、地盤の攪拌を品質よく行うことができる地盤攪拌装置の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、バケットシリンダのシリンダストローク位置を検出する位置検出手段と、あらかじめ入力されたバケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の攪拌基準一端部位置と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の攪拌基準他端部位置を記憶する記憶手段と、位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったかを判定する攪拌判定手段と、該攪拌判定手段によって位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
地盤を攪拌する際には、バケットシリンダのシリンダストローク位置が必ず一定以上変動する。このように、位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に、攪拌回数がカウントされるので、容易かつ確実に攪拌回数を計測することができる。これにより、バケットの揺動により地盤を攪拌する攪拌回数がカウントできるので、この攪拌回数を用いて地盤の攪拌改良具合を判断できる。そして、攪拌改良具合を判断する際の作業者の負担を軽減することができるとともに、作業者により攪拌品質が異なることも少なくなり、均一な品質で攪拌することができる。
【0011】
本発明のうち第2の態様に係るものは、バケットシリンダのシリンダストローク位置を検出する位置検出手段と、あらかじめ入力されたバケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の攪拌基準一端部位置と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の攪拌基準他端部位置を記憶する記憶手段と、位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準一端部位置から攪拌基準他端部位置になり、さらに該攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったかを判定する攪拌判定手段と、該攪拌判定手段によって位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準一端部位置から攪拌基準他端部位置になり、さらに該攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、位置検出手段により検出されたシリンダストローク位置が攪拌基準一端部位置から攪拌基準他端部位置になり、さらに該攪拌基準他端部位置から攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に攪拌回数がカウントされるので、容易かつ確実に攪拌回数を計測することができる。これにより、バケットの揺動により地盤を攪拌する攪拌回数がカウントできるので、この攪拌回数を用いて地盤の攪拌改良具合を判断できる。そして、攪拌改良具合を判断する際の作業者の負担を軽減することができるとともに、作業者により攪拌品質が異なることも少なくなり、均一な品質で攪拌することができる。
【0013】
本発明のうち第3の態様に係るものは、バケットシリンダの作動油室内の油量を検出するシリンダ内油量検出手段と、あらかじめ入力されたバケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準一端部油量と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準他端部油量を記憶する記憶手段と、シリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったかを判定する攪拌判定手段と、該攪拌判定手段によってシリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
地盤を攪拌する際には、バケットシリンダの作動油室内の油量が必ず一定量以上変動する。このように、シリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数がカウントされるので、容易かつ確実に攪拌回数を計測することができる。これにより、バケットの揺動により地盤を攪拌する攪拌回数がカウントできるので、この攪拌回数を用いて地盤の攪拌改良具合を判断できる。そして、攪拌改良具合を判断する際の作業者の負担を軽減することができるとともに、作業者により攪拌品質が異なることも少なくなり、均一な品質で攪拌することができる。
【0015】
本発明のうち第4の態様に係るものは、バケットシリンダの作動油室内の油量を検出するシリンダ内油量検出手段と、あらかじめ入力されたバケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準一端部油量と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準他端部油量を記憶する記憶手段と、シリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準一端部油量から攪拌基準他端部油量になり、さらに、該攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったかを判定する攪拌判定手段と、該攪拌判定手段によってシリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準一端部油量から攪拌基準他端部油量になり、さらに、該攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、シリンダ内油量検出手段により検出されたバケットシリンダの作動油室内の油量が攪拌基準一端部油量から攪拌基準他端部油量になり、さらに、該攪拌基準他端部油量から攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数がカウントされるので、容易かつ確実に攪拌回数を計測することができる。これにより、バケットの揺動により地盤を攪拌する攪拌回数がカウントできるので、この攪拌回数を用いて地盤の攪拌改良具合を判断できる。そして、攪拌改良具合を判断する際の作業者の負担を軽減することができるとともに、作業者により攪拌品質が異なることも少なくなり、均一な品質で攪拌することができる。
【0017】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1〜第4のいずれかの態様に係る地盤攪拌装置の管理システムであって、攪拌回数カウント手段によりカウントされた攪拌回数を表示する表示手段を、さらに有することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、カウントされた攪拌回数が表示手段に表示されるので、作業者はこの表示手段に表示された攪拌回数を見て地盤の攪拌改良具合を判断でき、地盤の攪拌改良効率を向上させることができる。
【0019】
本発明のうち第6の態様に係るものは、第1〜5のいずれかの態様に係る地盤攪拌装置の管理システムであって、攪拌回数のカウントをスタートさせるカウント開始手段を、さらに有することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、攪拌回数のカウントをスタートさせるカウント開始手段を設けているので、攪拌回数のカウントを開始させるタイミングを任意に設定でき、作業者の作業性を向上させることができる。
【0021】
本発明のうち第7の態様に係るものは、第1〜6のいずれかの態様に係る地盤攪拌装置の管理システムであって、攪拌回数を設定する攪拌回数設定手段と、攪拌回数カウント手段によりカウントされた攪拌回数が、攪拌回数設定手段により設定された攪拌回数に達したことを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、攪拌回数カウント手段によりカウントされた攪拌回数が、攪拌回数設定手段により設定された攪拌回数に達したことを報知するので、作業者があらかじめ攪拌したい回数だけ正確かつ確実に攪拌することができる。
【0023】
本発明のうち第8の態様に係るものは、第1〜7のいずれかの態様に係る地盤攪拌装置の管理システムであって、取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、装着手段に装着された記録媒体にデータの記録し、その記録媒体を取り出して、パソコンなどを使用して攪拌状況のデータを集計、分析などを行い、その結果をプリンタなどを用いて出力することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、地盤を攪拌する攪拌回数を容易かつ確実に算出することができ、地盤の攪拌を品質よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の地盤攪拌装置の管理システムの一実施形態について図面を参照にしながら説明する。本実施形態では、地盤攪拌装置としてバックホウについて説明するが、これに限らず、地盤を攪拌する装置であればその他のものも含む。図1は、本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【0027】
図1に示すように、バックホウ1は、上部旋回体2、ブーム3、アーム4、バケット5、および下部走行体6などから構成されている。
【0028】
下部走行体6は、キャタピラ7を備え、該キャタピラ7を駆動させることにより地上を走行することができる。
【0029】
上部旋回体2は、下部走行体6の上部に旋回部8を介して設置され、油圧モー夕101により360度旋回できるようになっている。上部旋回体2には、ブーム3が回動可能に支持されており、上部旋回体2とブーム3の中間部との間にはブームシリンダ(アクチュエータ)9が連結されている。ブーム3は、ブームシリンダ9の伸縮に基づいてブーム3と上部旋回体2との連結部(図示略)を中心に回動するようになっている。ブーム3の先端部にはアーム4が回動可能に支持されており、ブーム3の中間部とアーム4の末端部との間にはアームシリンダ(アクチュエータ)10が連結されている。
【0030】
アーム4は、アームシリンダ10の伸縮に基づいてブーム3とアーム4との連結部3aを中心に回動するようになっている。アーム4の先端部には、バケット5が回動可能に連結(支持)されており、アーム4の中間部とバケット5の基端部との間にはバケットシリンダ(アクチュエータ)11が連結されている。
【0031】
バケット5は、バケットシリンダ11の伸縮に基づいてアーム4とバケット5との連結部4aを中心に回動するようになっている。各シリンダ9〜11は、ピストンロッド9a〜11aの伸縮運動によってストローク(シリンダストローク)が調節され、ブーム3,アーム4,バケット5が夫々個々に駆動されるようになっている。
【0032】
また、ブーム3には、ブーム3の回動角を測定する角度センサ12が設置(図面背面に設置)され、アーム4には、アーム4の回動角を測定する角度センサ13が設置されている。これらの角度センサ12、13としては、ポテンショメータ等が用いられる。なお、上部旋回体2,下部走行体6、および旋回部8により本体1が構成されている。
【0033】
バケット5には、圧送ホース14(図3参照)が取り付けられている。この圧送ホース14を用いて、外部のスラリープラント(図示略)からバックホウ1の後部を介して、セメント系固化材と水を混合したセメントミルクがバケット5に送られ、バケット5に取り付けられた圧送ホース14からセメントミルクが噴射される。圧送ホース14から送られてくるセメントミルクの流量は、流量センサ15により検出される。
【0034】
上部旋回体2の前側には、運転室16が設けられている。この運転室16内には、図2に示すようにシート17が備え付けられている。作業員は、このシート17に座ってバックホウ1の運転を行う。図2は、本発明の一実施形態におけるバックホウの運転室内の座席を示す図である。
【0035】
図2に示すように、シート17の右側には第1操作レバー18が設けられ、シート17の左側には第2操作レバー19が設けられている。この第1操作レバー18を前方に操作することによりブーム3が下がり、後方に操作することによりブーム3が上がり、右方に操作することによりバケット5がダンプし、左方に操作することによりバケット5が堀削する。また、第2操作レバー19を前方に操作することによりアーム4が下がり、後方に操作することによりアーム4が上がり、右方に操作することにより上部旋回体2が右旋回し、左方に操作することにより上部旋回体2が左旋回する。
【0036】
上述したように、バケット5には、圧送ホース14が取り付けられている(図3および図4参照)。この圧送ホース14を用いてスラリープラント(図示略)からバケット5にセメントミルクが送られ、その送られたセメントミルクが圧送ホース吐出口20から吐き出される。また、バケット5には、攪拌プレート21が設けられている。このバケット5が回動(連結部4aを軸に回動)することにより、セメントミルクなどが攪拌プレート21と攪拌プレート21の間を潜り抜け、地盤が攪拌される。ここで、図3は、本発明の一実施形態におけるバケットの正面図であり、図4は、本発明の一実施形態におけるバケットの側面図である。
【0037】
シート17の右側には、移動可能なエスミックスラリー工法管理装置(以下「管理装置」)100が設置されている(図5参照)。図5は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置を示す図である。
【0038】
図5に示すように、管理装置100には、操作パネル22と、開始/完了スイッチ23、中断/再開スイッチ24、電源スイッチ25、そしてフューズケース26が備えられている。
【0039】
操作パネル22は、深度、流量、攪拌回数などを設定および表示するものである。なお、操作パネル22の詳細は、図6を用いて後述する。電源スイッチ25は、管理装置100のON/OFFスイッチであり、この電源スイッチ25が押されることにより管理装置10が作業可能状態になる。
【0040】
開始/完了スイッチ23は、地盤の攪拌回数の計測を開始または開始した後に終了させるスイッチであり、作業者により、この開始/完了スイッチ23が押されることにより、地盤の攪拌回数の計測が開始され、そして、攪拌回数の計測が実行されているときに、この開始/完了スイッチ23が押されることにより、攪拌回数の計測が終了する。また、中断/再開スイッチ24は、地盤の攪拌回数の計測を中断し、またその中断した攪拌回数の計測を再開させるスイッチであり、攪拌回数の計測が実行されているときに、作業者により、中断/再開スイッチ24が押されることにより、攪拌回数の計測が中断し、そして、攪拌回数の計測が中断しているときに、この中断/再開スイッチ24が押されることにより、再び攪拌回数の計測が実行される。
【0041】
次に、図6を用いて、操作パネルについて詳細に説明する。図6は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置の操作パネルを示す図である。なお、この操作パネル22は、タッチパネル式になっている。
【0042】
図6に示すように、操作パネル22には、機械番号表示部27と、格子番号表示部28と、日付時間表示部29が設けられている。
【0043】
機械番号表示部27は、機械が複数ある場合に設定した機械番号を表示するもので、この機械番号表示部27に触れることにより、その設定画面が表示され機械番号を設定することができる。格子番号表示部28は、作業する格子(ブロック)番号を表示するもので、格子番号表示部28に触れることにより、その設定画面が表示され格子番号を設定することができる。日付時間表示部29は、現在の日付・時間を表示するもので、この日付時間表示部29に触れることにより、その設定画面が表示され日付時間を設定することができる。
【0044】
また、操作パネル22には、掘削深度表示部30、深度設定表示部31、積算流量表示部32、および瞬時流量表示部33が設けられている。
【0045】
掘削深度表示部30は、現在の掘削深度を表示するもので、この掘削深度は、後述する設定画面を用いて入力されたブーム3の長さとアーム4の長さ、および角度センサ12、13により検出されたブーム角とアーム角を用いて算出される。なお、この掘削深度は、開始/完了スイッチ23を押すことにより、自動的にゼロリセットして計測が開始される。すなわち、作業者は、後述するように、地盤改良位置にバックホウ1をセットしバケット5をゼロ位置(深度)に合わせ、開始/完了スイッチ23を押すことにより、掘削深度が自動的にゼロリセットされる。深度設定表示部31は、設定した深度を表示するもので、この深度設定表示部31に触れることにより、その設定画面が表示され深度を設定することができる。積算流量表示部32は、開始/完了スイッチ23が押されてから、スラリープラントから送り込まれたセメントミルクの積算流量値を表示するものであり、また、瞬時流量表示部33は、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの流量の瞬間値を表示するものであり、この積算流量および瞬時流量は、流量センサ15を用いて検出される。
【0046】
また、操作パネル22には、1層攪拌計測中スイッチ34、2層攪拌計測中スイッチ35、および3層攪拌計測中スイッチ36が設けられている。この1層攪拌計測中スイッチ34〜3層攪拌計測中スイッチ36は、攪拌回数を計測する層を設定および表示するためのスイッチであり、たとえば、1層の攪拌回数を計測する際には、1層攪拌計測中スイッチ34を押すことにより、1層攪拌計測中スイッチが「ON」となり、1層の攪拌回数がスイッチの色が変化する。
【0047】
また、操作パネル22には、計測値表示部34a、35a、36a、37、設計値表示部34b、35b、36b、38が設けられている。
【0048】
計測値表示部34aは、1層攪拌計測中スイッチ34が押された状態(「ON状態」)で計測された攪拌回数を表示するもので、計測値表示部35aは、2層攪拌計測中スイッチ35が押された状態(「ON状態」)で計測された攪拌回数を表示するもので、また、計測値表示部36aは、3層攪拌計測中スイッチ36が押された状態(「ON状態」)で計測された攪拌回数を表示するものである。また、計測値表示部37は、計測値表示部34a〜36aに表示された回数の合計値を表示するものである。すなわち、計測値表示部37には、1層から3層までの全攪拌回数のトータル攪拌回数が表示される。設計値表示部34b〜36bは、それぞれ1層〜3層までの攪拌回数の設計値(計画値)を表示するもので、この設計値表示部34b〜36bのいずれかに触れることにより、その設定画面が表示され設計値を設定することができる(図7参照)。また、設計値表示部38は、設計値表示部34b〜36bに表示された回数の合計値を表示するものである。
【0049】
また、操作パネル22には、設定画面スイッチ39、およびブーム角アーム角スイッチ40、初期設定スイッチ41が設けられている。
【0050】
設定画面スイッチ39は、ブーム3の長さ、アーム4の長さ、後述するバケットシリンダ11の攪拌基準上部油量と攪拌基準下部油量、およびバケットシリンダ11の最小油量を入力するためのスイッチで、この設定画面スイッチ39を押すことにより、その設定画面が表示されブーム長、アーム長、バケットシリンダ11の攪拌基準上部油量と攪拌基準下部油量、およびバケットシリンダ11の最小油量を入力することができる。この攪拌基準上部油量と攪拌基準下部油量、および最小油量の入力は、本実施形態では「g」単位で入力する。しかしながら、「g」単位で入力するのではなく、「cm」単位で入力してもよいし、バケットシリンダ11の全容積の何%に相当する油量かを「%」単位で入力してもよい。なお、「%」単位で入力した場合は、その入力された「%」単位の油量が「何g」又は「何cm」に相当するかを管理装置100の演算部108により算出される。たとえば、攪拌基準上部油量をバケットシリンダ11の全容積の30%とし、攪拌基準下部油量をバケットシリンダ11の全容積の80%とした場合には、この攪拌基準上部油量は「0.3×全容積質量(g)」と計算され、攪拌基準下部油量は「0.8×全容積質量(g)」と計算される。ここで、バケットシリンダ11の攪拌基準上部油量および攪拌基準下部油量は、後述するように攪拌回数のカウントに用いる油量である。また、バケットシリンダ11の最小油量はバケットシリンダ11が一番縮んだとき(ストロークエンドのとき)のバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a(作動油室)内の油量である。なお、このブーム長、およびアーム長は、それぞれ回転ピン(回転軸)の芯間の寸法(図8参照)が入力される。また、ブーム角アーム角スイッチ40は、深度設定表示部31に入力された深度のときのブーム角およびアーム角を表示させるためのスイッチで、このブーム角アーム角スイッチ40を押すことにより、深度設定表示部31に入力された深度のときのブーム角およびアーム角が表示される。そして、この表示されたブーム角およびアーム角の表示値を、実際のブーム3、アーム4のピン間を結んだ線と水平線からできる角度に合うように調整することにより、正確なブーム角、アーム角を表示させることができる。
【0051】
なお、本実施形態では、後述するように初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)になるようにしているので、設定画面スイッチ39によりバケットシリンダ11の最小油量を入力することにしているが、これに限らず、後述するように初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番伸びた状態になるようにすれば、設定画面スイッチ39によりバケットシリンダ11の最大油量を入力できるようにしてもよい。
【0052】
初期設定スイッチ41は、バケット5を初期設定位置にするためのスイッチであり、この初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)、つまり、バケットシリンダ11のピストンロッド11aが一番縮んだ状態になる。なお、上述したように、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)でのバケットシリンダ11内の油量(最小油量)は、設定画面スイッチ39を用いて入力することにより記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0053】
また、操作パネル19には、攪拌基準上部油量表示部42a、攪拌基準下部油量表示部42b、およびバケットシリンダ油量表示部42cが設けられている。攪拌基準上部油量表示部42aおよび攪拌基準下部油量表示部42bは、設定画面スイッチ39を用いて入力された攪拌基準上部油量および攪拌基準下部油量を表示するものであり、またバケットシリンダ油量表示部42cは、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の現在の油量を表示するものである。ここで、後述するようにバケットシリンダ油量表示部42cに表示される油量が攪拌基準下部油量以上になれば攪拌基準下部油量表示部42bの横のランプが点滅し、また、その後バケットシリンダ油量表示部42cに表示される油量が攪拌基準上部油量以下になれば攪拌基準下部油量表示部42bの横のランプが消灯し攪拌基準上部油量表示部42aの横のランプが点滅する。そして、その後同様に攪拌基準下部油量表示部42bおよび攪拌基準上部油量表示部42aの横のランプがそれぞれ消灯・点滅を行う。これにより、作業者は現在バケット5がダンプする方向に動いているか、掘削する方向に動いているかを把握することができる。計測状態表示部44は、攪拌回数の計測状態を表示するもので、攪拌回数の計測が開始されたときや攪拌回数の計測されているときには、計測状態表示部44の上段に「開始中」と表示され、攪拌回数の計測が完了したときには、計測状態表示部44の上段に「完了」と表示され、また、攪拌回数の計測が中断されているときには、計測状態表示部44の下段に「中断」と表示される。
【0054】
次に、図7を用いて、設計攪拌回数等の設定について説明する。図7は、操作パネルの設定画面を示す図である。設定画面45には、設計攪拌回数表示部47〜49、施工設定表示部50〜52、テンキー53が設けられている。
【0055】
設計攪拌回数表示部47は、1層の設計値34b(図6参照)を表示するもので、設計攪拌回数表示部47に触れることにより設計攪拌回数(設計値34b)が入力できる状態になり、作業者はテンキー53を用いて設計攪拌回数(設計値34b)を入力し、「登録ボタン」を押すことにより設計攪拌回数(設計値34b)が登録される。また、設計攪拌回数表示部48は、2層の設計値35b(図6参照)を設定するもので、また、設計攪拌回数表示部49は、3層の設計値36b(図6参照)を設定するものである。なお、設定の方法は、設計攪拌回数表示部47と同様であるので説明は省略する。ここで、テンキー53の「設定終了」は、設定画面45を用いてすべての入力が終了した後に押すもので、これにより登録された数値が記憶手段(図示略)に記憶される。施工設定表示部50は、設計攪拌回数表示部47の設計値34bが入力されているときに点灯するランプであり、施工設定表示部51は、設計攪拌回数表示部48の設計値35bが入力されているときに点灯するランプであり、施工設定表示部52は、設計攪拌回数表示部49の設計値36bが入力されているときに点灯するランプである。このように、たとえば、設計攪拌回数表示部47と設計攪拌回数表示部49のみに設計攪拌回数が入力されているときには、施工設定表示部50と施工設定表示部52が点灯され、施工設定表示部51は点灯しない。また、これらの施工設定表示部50〜52の中で点灯していない層、すなわち、設計攪拌回数表示部47〜49に設計攪拌回数が入力されていない層については、攪拌計測中スイッチ34〜36(図6参照)を押しても、その攪拌計測中スイッチが「ON」にならず、その層の攪拌回数計測中スイッチの色も変化しない。
【0056】
次に、図9を用いて、バックホウ1の構成の概略について説明する。図9は、本発明の一実施形態におけるバックホウの主たる構成を示す図である。
【0057】
図9に示すように、角度センサ12、13は、管理装置100に接続されている。そして、角度センサ12、13により検出されたブーム角とアーム角が管理装置100に入力されると、その入力されたブーム角とアーム角、およびあらかじめ入力されているブーム3の長さとアーム4の長さを用いて掘削深度が算出される。具体的には、ブーム3の長さとブーム角、アーム4の長さとアーム角を用いて、アーム4とバケット5との連結部4aの位置が求められ、その連結部4aの位置を用いて掘削深度が算出される。そして、その算出された掘削深度は、操作パネル22の掘削深度表示部30(図6参照)に表示される。また、流量センサ15と管理装置100も接続され、流量センサ15により検出されたスラリープラントから送り込まれたセメントミルクの流量が管理装置100に入力されると、その入力された流量が瞬時流量表示部33(図6参照)に表示される。また、開始/完了スイッチ23が押されてからの積算流量が算出され、その算出された積算流量は操作パネル22の積算流量表示部32(図6参照)に表示される。
【0058】
管理装置100には、CFカード挿入口(図示略)が設けられ、そのCFカード挿入口にCFカード54を挿入し、管理装置100内のデータをCFカード54に記憶することができる。そして、データが記憶されたCFカード54を管理装置100から取り出し、その取り出されたCFカード54をパソコン55に差し込んで、そのCFカード54に記憶されているデータの集計、分析などを行い、その結果をプリンタ56を用いて出力することができる。
【0059】
次に、各シリンダ9〜11及び油圧モータ101を作動させるための油圧回路について説明する。図10は、本発明の一実施形態におけるバックホウに用いられる油圧回路図である。
【0060】
図10に示すように、油圧回路にはブーム3のブームシリンダ9に使用するパイロット操作切換弁102、アーム4のアームシリンダ10に使用するパイロット操作切換弁103、バケット5のバケットシリンダ11に使用にするパイロット操作切換弁104、および旋回部8の油圧モータ101に使用するパイロット操作切換弁105が備えられている。パイロット操作切換弁102〜105は、パイロット圧に基づく開度調節により流量制御が可能である。また、各パイロット操作切換弁102〜105に対して、開度操作用のパイロット圧を発生する比例制御弁(図示略)が設けられ、さらに、バックホウ1に搭載されたエンジンにより駆動する油圧ポンプ(図示略)が設けられている。この油圧ポンプ(図示略)により、各シリンダ9〜11と油圧モータ101を動かすための作動油をオイルタンク106から汲み上げ、管路を介して各パイロット操作切換弁102〜105に供給している。
【0061】
パイロット操作切換弁102は、ブームシリンダ9への作動油の供給を制御するための切換弁である。第1操作レバー18を後方に操作することにより、パイロット操作切換弁102の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がブームシリンダ9のシリンダボトム室9aに供給され、シリンダロッド室9bの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、ブームシリンダ9が伸動し、ブーム3が上がる(右回転する)。また、第1操作レバー18を前方に操作することにより、パイロット操作切換弁102の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がブームシリンダ9のシリンダロッド室9bに供給され、シリンダボトム室9aの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、ブームシリンダ9が縮動し、ブーム3が下がる(左回転する)。
【0062】
パイロット操作切換弁103は、アームシリンダ10への作動油の供給を制御するための切換弁である。第2操作レバー19を前方に操作することにより、パイロット操作切換弁103の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がアームシリンダ10のシリンダボトム室10aに供給され、シリンダロッド室10bの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、アームシリンダ10が伸動し、アーム4が下がる(左回転する)。また、第2操作レバー19を後方に操作することにより、パイロット操作切換弁103の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がアームシリンダ10のシリンダロッド室10bに供給され、シリンダボトム室10aの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、アームシリンダ10が縮動し、アーム4が上がる(右回転する)。
【0063】
パイロット操作切換弁104は、バケットシリンダ11への作動油の供給を制御するための切換弁である。第1操作レバー18を左方に操作することにより、パイロット操作切換弁104の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がバケットシリンダ11のシリンダボトム室11aに供給され、シリンダロッド室11bの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、バケットシリンダ11が伸動し、バケット5が掘削する。また、第1操作レバー18を右方に操作することにより、パイロット操作切換弁104の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油がバケットシリンダ11のシリンダロッド室11bに供給され、シリンダボトム室11aの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、バケットシリンダ11が縮動し、バケット5がダンプする。
【0064】
パイロット操作切換弁105は、油圧モータ101への作動油の供給を制御するための切換弁である。第2操作レバー19を右方に操作することにより、パイロット操作切換弁105の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油が油圧モータ101の油圧モータ左側室101aに供給され、油圧モータ右側室101bの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、油圧モータ101が右方向に回転する。また、第2操作レバー19を左方に操作することにより、パイロット操作切換弁105の切換位置が比例制御弁(図示略)のパイロット圧により制御され、油圧ポンプ(図示略)からの作動油が油圧モータ101の油圧モータ右側室101bに供給され、油圧モータ左側室101aの作動油が管路を介してオイルタンク106に排出される。これにより、油圧モータ101が左方向に回転する。
【0065】
バケットシリンダ11のシリンダボトム室11aとパイロット操作切換弁104との間に、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11aに供給され、またバケットシリンダ11のシリンダボトム室11aから排出される油量を検出する流量検出手段(流量センサ)107が設けられている。そして、この流量検出手段107により検出された作動油の流量値は管理装置100に送られ、管理装置100の演算部108により、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量が算出される。算出の方法について詳述すると、初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンド)になり、この状態でのバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量(最小油量)が設定画面スイッチ39を用いてあらかじめ入力され記憶手段109に記憶されていることから、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量は、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンド)のシリンダボトム室11a内の油量に流量検出手段107により検出された油量を加減算することにより求めることができる。このように、本実施形態では、バケットシリンダ11の作動油室内の油量として、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量と検出している。
【0066】
なお、本実施形態では、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量を求めることとしたが、これに限らず、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b内の油量を求めることとしてもよい。この場合において、最小油量はバケットシリンダ11が一番伸びた状態のシリンダロッド室11b内の油量とし、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b内の油量を、バケットシリンダ11が一番伸びた状態のシリンダロッド室11b内の油量に流量検出手段107により検出された油量を加減算することにより求める。この場合は、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11bとパイロット操作切換弁104との間に、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11bに供給され、またバケットシリンダ11のシリンダロッド室11bから排出される油量を検出する流量検出手段(流量センサ)が設けられ、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b(作動油室)内の油量が検出されることとなる。
【0067】
次に、図11を用いて、地盤の攪拌工程について説明する。図11は、本発明の一実施形態におけるバックホウの攪拌工程を説明する図ある。
【0068】
作業者は、まず、バックホウ1を作業領域付近に移動させて停止させ、バケット5が掘削作業位置にくるように上部旋回体2を所定位置まで回動させる。そして、作業者により初期設定スイッチ41が押されると、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンド)になり、バケット5が上がった状態になる。このときのバケットシリンダ11内の油量(最小油量)は、上述したように設定画面スイッチ39を用いてあらかじめ入力され記憶手段(図示略)に記憶されている。なお、攪拌回数を計測する際には、上述したようにあらかじめ攪拌基準上部油量、攪拌基準下部油量(図6参照)、および設計攪拌回数(図7参照)が管理装置100の操作パネル22を用いて入力されている。
【0069】
作業者により初期設定スイッチ41が押されることにより、バケット5がダンプしている状態、つまりバケット5のバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(攪拌基準上部油量以下の状態)に達するので、地盤を攪拌するためには、まず、ブーム3およびアーム4を引き下げることによりバケット5の先端部を地盤の中に入り込ませ(図11(a))、バケット5の先端が地盤の中に入り込めば、その後、ブーム3、アーム4およびバケット5を回動させることにより、地盤が攪拌される(図11(b))。
【0070】
そして、バケット5により地盤が掘削された状態、つまりバケット5のバケットシリンダ11が一番伸びた状態(攪拌基準下部油量以上の状態)に達すると、ブーム3およびアーム4を引き上げることにより、地盤が攪拌され、その後、バケット5がダンプしている状態、つまりバケット5のバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(攪拌基準上部油量以下の状態)にすることにより、バケット5内の土砂がバケット5外に落下する(図11(d))。本発明は、バケット5の攪拌動作とバケットシリンダ11の伸縮動作(シリンダボトム室11a内の油量の変化)が連動していることに着目し、シリンダボトム室11a内の油量の変化を検出することにより攪拌回数をカウントしている。詳細は、図15〜図16を用いて後述する。
【0071】
次に、図12および図13を用いて、バケット5の動きとバケットシリンダ11のシリンダストローク位置との関係について説明する。図12は、本発明の一実施形態におけるバケットの動作図であり、図13は、同バケットの動きとバケットシリンダのシリンダストローク位置との関係を示す図である。なお、バケットシリンダ11は円柱形状をしていることから、バケットシリンダ11のそれぞれのシリンダストローク位置のときのシリンダボトム室11a内の油量の変化もシリンダストローク位置の変化と比例して変化する。
【0072】
図12に示すように、バケット5が「1」〜「10」の動きをすることにより地盤が攪拌される。バケット5の動き(「1」〜「10」)に対応するバケットシリンダ11のシリンダストローク位置が図13に示されている。バケット5の動き「1」の状態のときのバケットシリンダ11のシリンダストローク位置は、バケットシリンダ11のシリンダ長(図14参照)の23%の位置となり、このときのバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量もバケットシリンダ11内の全容量の23%となる。なお、この「1」の状態はバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)である。この状態からバケット5が「1」→「2」→「3」の順の動きを行い、地盤が攪拌される。そして、バケット5の動き「6」の状態になると、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置は、バケットシリンダ11のシリンダ長(図14参照)の90%の位置となり、このときのバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量もバケットシリンダ11内の全容量の90%となる。なお、この「6」の状態はバケットシリンダ11が一番伸びた状態である。
そして、その「6」の状態から「10」の状態に進むにつれ、バケットシリンダ11が徐々に縮動し、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量も少なくなる。
このように、バケット5の1回の攪拌動作が行われる。
【0073】
次に、図15〜図18を用いて、攪拌回数の計測方法について詳述する。図15は、本発明の一実施形態における攪拌回数処理のフローチャートである。
【0074】
まず、S11において、電源が「ON」かが判断される。電源が「ON」か否かは、電源スイッチ25(図5参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S11で「NO」場合は終了して再度攪拌回数処理を実行し、「YES」の場合はS12に進む。
【0075】
次に、S12において、開始/完了ボタンが「ON」かが判断される。開始/完了ボタンが「ON」か否かは、開始/完了スイッチ23(図5参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S12で「NO」場合は終了して再度攪拌回数処理を実行し、「YES」の場合はS13に進む。
【0076】
S13において、画面設定条件が入力されているかが判断される。画面設定条件は、設定画面スイッチ39(図6)を用いて入力される。この画面設定条件が入力されているか否かは、ブーム3の長さ、アーム4の長さ、バケットシリンダ11の攪拌基準上部油量と攪拌基準下部油量、およびバケットシリンダ11の最小油量のすべてが入力されているか否かにより判断される。S13で「NO」の場合はS132に進み、S132により画面設定条件が入力されていないことを報知(報知手段(ブザーや音声)「ON」)し、画面設定条件が入力されるまで、S13→S132→S13の処理が繰り返し行われる。そして、画面設定条件が入力されることにより(S13で「YES」)S133に進み、S133により報知手段を「OFF」にし、S134により処理中フラグSSを「0」に設定する。この処理中フラグSSは、攪拌回数計測処理を実行しているときに「1」になるフラグである。そして、S14により、計測値34a、35a、36a、37がリセットされる(図6参照)。これにより、計測値34a、35a、36a、37が、すべて「0回」となる。
【0077】
S15において、計測フラグ処理が実行される。この計測フラグ処理により、1層〜3層のいずれの攪拌回数を計測するかが決定される。なお、計測フラグ処理については図16を用いて後述する。
【0078】
S16において、攪拌回数計測処理が実行される。この攪拌回数計測処理により、攪拌回数が計測される。なお、攪拌回数計測処理については図17を用いて後述する。
【0079】
S17において、開始/完了ボタン23が「OFF」かが判断される。この開始/完了ボタン23が「OFF」かは、開始/完了ボタン23が「ON」の状態のときに、再度開始/完了ボタン23が押されたか否かにより判断される。そして、S17により「NO」と判断された場合にはS18に進み、S18により中断/再開スイッチ24が「ON」かが判断され、S18により「NO」と判断されたときには、S17により「YES」と判断されるまで、S15→S16→S17→S18→S15の処理が実行される。また、S18で「YES」と判断された場合は、S18により「NO」と判断されるまでS17→S18→S17の処理が実行される。なお、S17で「YES」と判断された場合は、攪拌回数処理が終了し再度攪拌回数処理を実行する。これにより、攪拌回数が計測される。
【0080】
次に、図16を用いて、攪拌回数処理のサブルーチンである計測フラグ処理について説明する。図16は、攪拌回数処理のサブルーチンである計測フラグ処理を示す図である。この計測フラグ処理は、1層〜3層のいずれの攪拌回数を計測するかを決定するためのものである。
【0081】
まず、S21において、3層攪拌回数スイッチが「ON」かが判断される。この3層攪拌回数スイッチが「ON」かは、3層攪拌回数スイッチ36(図6参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S21により「YES」と判断された場合にはS22に進み、S22により3層計測フラグが「ON」となる。この3層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が3層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S21により「NO」と判断されたときはS23に進む。
【0082】
S23において、2層攪拌回数スイッチが「ON」かが判断される。この2層攪拌回数スイッチが「ON」かは、2層攪拌回数スイッチ35(図6参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S23により「YES」と判断された場合にはS24に進み、S24により2層計測フラグが「ON」となる。この2層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が2層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S23により「NO」と判断されたときはS25に進む。
【0083】
S25において、1層攪拌回数スイッチが「ON」かが判断される。この1層攪拌回数スイッチが「ON」かは、1層攪拌回数スイッチ34(図6参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S25により「YES」と判断された場合にはS26に進み、S26により1層計測フラグが「ON」となる。この1層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が1層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S25により「NO」と判断された場合は、S27により報知手段(ブザー、ランプなど(図示略))を「ON」にし、再びS21に進み、1層攪拌回数スイッチ34〜3層攪拌回数スイッチ36のいずれかが押されるまで、S21→S23→S25→S27→S21の処理が実行される。そして、S21、S23、またはS25のいずれかにより「YES」と判断された場合は、S22、S24、またはS26の処理が実行され、S28により報知手段が「OFF」となり計測フラグ処理が終了する。
【0084】
次に、攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理について説明する。図17は、攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。この攪拌回数計測処理により、攪拌回数が計測される。
【0085】
まず、S30において、処理フラグSSが「1」であるかが判断される。この処理フラグSSは、S134(図15参照)において「0」にされているので、S30により「NO」と判断されS31に進む。なお、この処理フラグSSは、上述したように、攪拌回数計測処理が実行されているときに「1」となるフラグである。
【0086】
S31において、攪拌回数Nが「0」であるかが判断され、S31により「YES」と判断された場合はS32に進み、「NO」と判断された場合はS36に進む。そして、S32において、初期設定が行われているかが判断される。この初期設定が行われているか否かは、初期設定スイッチ41が押されてバケット5が初期設定位置、すなわちバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)にされているかにより判断される。そして、S32により「NO」と判断された場合にはS33に進み、S33により初期設定条件が入力されていないことが報知(報知手段(ブザーや音声)「ON」)され、初期設定条件が入力されるまで、S32→S33→S32の処理が繰り返し実行される。なお、このバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)でのバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量(最小油量)は、設定画面スイッチ39を用いて入力され記憶手段(図示略)に記憶されている。そして、S32により、初期設定条件が入力されている場合はS34に進み、報知手段が「ON」になっている場合はその報知手段を「OFF」にし、S35により位置フラグF1が「1」に設定され、処理中フラグSSが「1」に設定される。この位置フラグ(FI)は、攪拌基準下部油量を判断するのか攪拌基準上部油量を判断するのかを切り換えるためのフラグである。
【0087】
次に、S36において、位置フラグFIが「1」かが判断される。位置フラグFIは、S35により「1」に設定されているので、S36において「YES」と判断されS37に進む。そして、S37により、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が検出(計測)される。このバケットシリンダ油量は、初期設定スイッチ41を押しバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)になったときのシリンダボトム室11a内の油量(最小油量)が設定画面スイッチ39を用いてあらかじめ入力され記憶手段109に記憶されていることから、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量は、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)のシリンダボトム室11a内の油量に流量センサ(流量検出手段)107により検出された油量を加減算することにより求めることができる。
【0088】
S38において、S37により検出されたバケットシリンダ油量が攪拌基準下部油量より大きいかが判断される。この攪拌基準下部油量は、設定画面スイッチ39を押すことによりあらかじめ入力されている。なお、本実施形態では、バケットシリンダ11内の全容積の80%に相当する油量を攪拌基準下部油量としている。そして、S38により「YES」と判断された場合には、S39により位置フラグFIが「2」に設定され攪拌回数計測処理が終了し、S38により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。そして、図15を用いて上述したように、開始/完了スイッチ23が「OFF」になるまで、再度攪拌回数計測処理が実行される(S17→S18→S15→S16(図15参照))。なお、S38により「NO」と判断された場合は、バケットシリンダ油量が攪拌基準下部油量より大きくなるまで、S17→S18→S15→S30→S36→S37→S38→S17の処理が繰り返し実行される(図15および図17参照)。このように、再度実行される攪拌回数計測処理では、S30により「NO」と判断(S35により処理フラグSSは「1」に設定)され、S36に進む。このように、本実施形態では、攪拌基準他端部油量として攪拌基準下部油量が相当し、攪拌基準一端部油量として攪拌基準上部油量が相当する。
【0089】
なお、本実施形態では、バケットシリンダ油量をバケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量としているので、S38において、S37により検出されたバケットシリンダ油量が攪拌基準下部油量より大きいかを判断したが、バケットシリンダ油量をバケットシリンダ11のシリンダロット室11b内の油量とした場合には、S38において、S37により検出されたバケットシリンダ油量が攪拌基準下部油量より小さいか(バケットシリンダ油量<攪拌基準下部油量)を判断することとなる。
【0090】
次に、S36において、位置フラグFIが「1」かが判断される。位置フラグFIは、S39により「2」に設定されているので、S36において「NO」と判断されS40に進む。そして、S40により、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が検出(計測)される。このバケットシリンダ油量の検出方法はS37と同様であるので説明は省略する。
【0091】
S41において、S40により検出されたバケットシリンダ油量が攪拌基準上部油量より小さいかが判断される。この攪拌基準上部油量は、設定画面スイッチ39を押すことによりあらかじめ入力されている。なお、本実施形態では、バケットシリンダ11内の全容積の30%に相当する油量を攪拌基準上部油量としている。そして、S41により「YES」と判断された場合には、S42により、攪拌回数カウント処理が実行される。この攪拌回数カウント処理では、攪拌回数のカウントが行われる。なお、攪拌回数カウント処理の詳細は、図18を用いて後述する。そして、S41により「YES」と判断された場合には、S39により位置フラグFIが「1」に設定され攪拌回数計測処理が終了し、S41により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。そして、図15を用いて上述したように、開始/完了スイッチ23が「OFF」になるまで、再度攪拌回数計測処理が実行される(S17→S18→S15→S16(図15参照))。なお、S41により「NO」と判断された場合は、バケットシリンダ油量が攪拌基準上部油量より小さくなるまで、S17→S18→S15→S30→S36→S40→S41→S17の処理が繰り返し実行される(図15および図17参照)。
【0092】
次に、攪拌回数計測処理のサブルーチンである攪拌回数カウント処理について説明する。図18は、攪拌回数計測処理のサブルーチンである攪拌回数カウント処理を示す図である。この攪拌回数カウント処理により、攪拌回数がカウントされる。
【0093】
まず、S51において、攪拌回数(N)に「1」加算される。ここで、この攪拌回数(N)は、攪拌回数(N1〜N3)の総和である。
【0094】
次に、S52において、3層計測フラグが「ON」かが判断される。この3層計測フラグは、3層攪拌回数スイッチ36(図6参照)が押された場合に「ON」となる(S21(図16))。そして、S52により「YES」と判断された場合にはS53に進み、S53により攪拌回数(N3)が「1」加算され、攪拌回数カウント処理が終了する。また、S52により「NO」と判断されたときはS54に進む。
【0095】
次に、S54において、2層計測フラグが「ON」かが判断される。この2層計測フラグは、2層攪拌回数スイッチ35(図6参照)が押された場合に「ON」となる(S23(図16))。そして、S54により「YES」と判断された場合にはS55に進み、S55により攪拌回数(N2)が「1」加算され、攪拌回数カウント処理が終了する。また、S54により「NO」と判断されたときはS56に進む。
【0096】
次に、S56において、1層計測フラグが「ON」かが判断される。この1層計測フラグは、1層攪拌回数スイッチ34(図6参照)が押された場合に「ON」となる(S25(図16))。そして、S56により「YES」と判断された場合にはS57に進み、S57により攪拌回数(N1)が「1」加算され、攪拌回数カウント処理が終了する。また、S56により「NO」と判断されたときは再びS52に進む。そして、S52、S54、またはS56のいずれかが「ON」になるまで、S56→S52→S54→S56の処理が行われ、「ON」になれば1層〜3層のいずれかの攪拌回数を「1」加算して攪拌回数カウント処理が終了する。
【0097】
なお、攪拌回数カウント処理により、攪拌回数(N1、N2、N3、N)が加算され、その加算された攪拌回数が、設計値(34b、35b、36b、38)に達したときに報知手段(ブザー、ランプなど)に報知するようにしてもよい。このようにすれば、作業者は、攪拌回数(N1、N2、N3、N)が設計値(34b、35b、36b、38)に達したことを知ることができ、作業者があらかじめ攪拌したい回数だけ正確かつ確実に攪拌することができる。またこの場合、攪拌回数(N1、N2、N3、N)によって、ブザー(報知手段)の音を異ならせたり、ランプ(報知手段)の色を異ならすようにしてもよい。
【0098】
本実施形態では、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)から攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)になり、さらに攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明しているが、実質的には、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントしているといえる。
【0099】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における攪拌混合装置の管理システムについて説明する。
なお、第1実施形態における攪拌混合装置の管理システムと同一の構成については、同一の符号を用い、同一の作用効果を奏するものとし説明は省略する。
【0100】
本発明の第2実施形態の攪拌混合装置の管理システムと第1実施形態の攪拌混合装置の管理システムの違いは、第1実施形態の攪拌混合装置の管理システムでは、バケットシリンダの油量を用い、その油量が攪拌基準下部油量より大きいか、また攪拌基準上部油量より小さいかを判断して、攪拌回数をカウントしたが、第2実施形態の攪拌混合装置の管理システムでは、バケットシリンダ油量の代わりにバケットシリンダ11のシリンダストローク位置(図19参照)を求め、そのシリンダストローク位置が攪拌基準下部位置より大きいか、また攪拌基準上部位置より小さいかを判断して、攪拌回数をカウントするところである。
【0101】
第2実施形態の攪拌混合装置の管理システムでは、図6の設定画面スイッチ39で、ブーム長、アーム長、バケットシリンダ11の攪拌基準上部位置と攪拌基準下部位置、およびバケットシリンダ11の最小位置を入力することができる。この攪拌基準上部位置と攪拌基準下部位置、最小位置は、本実施形態では「cm」単位で入力する。しかしながら、「cm」単位に入力するのではなく、バケットシリンダ11の全容積の何%に相当する位置かを「%」単位で入力してもよい(図19参照)。なお、「%」単位で入力した場合は、その入力された「%」単位の位置が「何cm」に相当するかを管理装置100の演算部108により算出される。たとえば、攪拌基準上部位置をバケットシリンダ11の全容積の30%とし、攪拌基準下部位置をバケットシリンダ11の全容積の80%とした場合には、この攪拌基準上部位置は「0.3×シリンダ長」と計算され、攪拌基準下部位置は「0.8×シリンダ長」と計算される(図19参照)。ここで、バケットシリンダ11の最小位置はバケットシリンダ11が一番縮んだとき(ストロークエンドのとき)のバケットシリンダ11のシリンダストローク位置である。
【0102】
なお、本実施形態では、初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)になるようにしているので、設定画面スイッチ39によりバケットシリンダ11の最小位置を入力することにしているが、これに限らず、初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番伸びた状態になるようにすれば、設定画面スイッチ39によりバケットシリンダ11の最大位置を入力できるようにしてもよい。このバケットシリンダ11の最大位置は、バケットシリンダ11が一番伸びたときのバケットシリンダ11のシリンダストローク位置である。
【0103】
また、初期設定スイッチ41はバケット5を初期設定位置にするためのスイッチであり、この初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)、つまり、バケットシリンダ11のピストンロッド11aが一番縮んだ状態になる。なお、上述したように、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態でのバケットシリンダ11のシリンダストローク位置(最小位置)は、設定画面スイッチ39を用いて入力することにより記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0104】
また、図6の操作パネル19では、第1実施形態の攪拌基準上部油量表示部42a、攪拌基準下部油量表示部42b、およびバケットシリンダ油量表示部42cの代わりに。攪拌基準上部位置表示部42a、攪拌基準下部位置表示部42b、およびバケットシリンダ位置表示部42cが設けられている。攪拌基準上部位置表示部42aおよび攪拌基準下部位置表示部42bは、設定画面スイッチ39を用いて入力された攪拌基準上部位置および攪拌基準下部位置を表示するものであり、またバケットシリンダ位置表示部42cは、バケットシリンダ11の現在のシリンダストローク位置を表示するものである。ここで、後述するようにバケットシリンダ位置表示部42cに表示される位置が攪拌基準下部位置以上になれば攪拌基準下部位置表示部42bの横のランプが点滅し、また、その後バケットシリンダ位置表示部42cに表示される位置が攪拌基準上部位置以下になれば攪拌基準下部位置表示部42bの横のランプが消灯し攪拌基準上部位置表示部42aの横のランプが点滅する。そして、その後同様に攪拌基準下部位置表示部42bおよび攪拌基準上部位置表示部42aの横のランプがそれぞれ消灯・点滅を行う。これにより、作業者は現在バケット5がダンプする方向に動いているか、掘削する方向に動いているかを把握することができる。
【0105】
バケットシリンダ11の現在のシリンダストローク位置は、流量検出手段(流量センサ)107により検出された作動油の流量値が管理装置100に送られ、管理装置100の演算部108により算出される。算出の方法について詳述すると、図6の初期設定スイッチ41を押すことによりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)になり、この状態でのバケットシリンダ11のシリンダストローク位置(最小位置)が図6の設定画面スイッチ39を用いてあらかじめ入力され記憶手段109に記憶されていることから、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置は、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)のシリンダストローク位置に流量検出手段107により検出された油量(「g」単位を「cm」に変換)をシリンダ口径(cm)で割った値を加減算することにより求めることができる。
【0106】
なお、本実施形態では、バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a側からシリンダストローク位置(図19参照)を求めたが、これに限らず、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b側からシリンダストローク位置を求めることとしてもよい。この場合において、最小位置はバケットシリンダ11が一番伸びた状態のシリンダロッド室11b側から求めたシリンダストローク位置とし、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b側から求めたシリンダストローク位置を、バケットシリンダ11が一番伸びた状態のシリンダストローク位置に流量検出手段107により検出された油量(「g」単位を「cm」に変換)をシリンダ口径(cm)で割った値を加減算することにより求める。この場合は、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11bとパイロット操作切換弁104との間に、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11bに供給され、またバケットシリンダ11のシリンダロッド室11bから排出される油量を検出する流量検出手段107(流量センサ)が設けられ、バケットシリンダ11のシリンダロッド室11b(作動油室)内の油量が検出されることとなる。
【0107】
次に、第2実施形態における攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理について説明する。図20は、本発明の第2実施形態における攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。この攪拌回数計測処理により、攪拌回数が計測される。なお、図20の攪拌回数計測処理については、図17の攪拌回数計測処理の異なるところについてのみ説明し、その他については図17の攪拌回数計測処理と同様であるので説明は省略する。
【0108】
S337およびS340において、バケットシリンダ位置(バケットシリンダ11のストローク位置)が検出される。このバケットシリンダ位置については次のようにして検出される。すなわち、S32によりバケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)になり、この状態でのバケットシリンダ11のシリンダストローク位置(最小位置)が設定画面スイッチ39を用いてあらかじめ入力(S13)され記憶手段109に記憶されていることから、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置は、バケットシリンダ11が一番縮んだ状態(ストロークエンドの状態)のシリンダストローク位置に流量検出手段107により検出されたバケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量(cm))をシリンダ口径(cm)で割った値を加減算することにより求めることができる。
【0109】
S338において、S337により検出されたバケットシリンダ位置が攪拌基準下部位置より大きいかが判断される。この攪拌基準下部位置は、設定画面スイッチ39を押すことによりあらかじめ入力されている。なお、本実施形態では、バケットシリンダ11内の全容積の80%に相当するシリンダストローク位置(cm)を攪拌基準下部位置としている。このように、第2実施形態では、攪拌基準他端部位置として攪拌基準下部位置が相当し、攪拌基準一端部位置として攪拌基準上部位置が相当する。
【0110】
S341において、S340により検出されたバケットシリンダ位置(バケットシリンダ11のストローク位置)が攪拌基準上部位置より小さいかが判断される。この攪拌基準上部位置は、設定画面スイッチ39を押すことによりあらかじめ入力されている。なお、本実施形態では、バケットシリンダ11内の全容積の30%に相当するシリンダストローク位置(cm)を攪拌基準上部位置としている。
【0111】
本実施形態では、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)から攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)になり、さらに攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明しているが、実質的には、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントしているといえる。
【0112】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0113】
以下、本発明の変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明したが、これに限らず、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準上部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準下部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントするようにしてもよい。
【0114】
(2) 本実施形態では、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)から攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)になり、さらに攪拌基準下部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準上部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明したが、これに限らず、バケットシリンダ油量(バケットシリンダ11のシリンダボトム室11a内の油量)が攪拌基準下部油量(攪拌基準一端部油量)から攪拌基準上部油量(攪拌基準他端部油量)になり、さらに攪拌基準上部油量(攪拌基準他端部油量)から攪拌基準下部油量(攪拌基準一端部油量)になった場合に攪拌回数をカウントするようにしてもよい。
【0115】
(3) 本実施形態では、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明したが、これに限らず、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準上部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準下部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントするようにしてもよい。
【0116】
(4) 本実施形態では、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)から攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)になり、さらに攪拌基準下部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準上部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントするように説明したが、これに限らず、バケットシリンダ11のシリンダストローク位置が攪拌基準下部位置(攪拌基準一端部位置)から攪拌基準上部位置(攪拌基準他端部位置)になり、さらに攪拌基準上部位置(攪拌基準他端部位置)から攪拌基準下部位置(攪拌基準一端部位置)になった場合に攪拌回数をカウントするようにしてもよい。
【0117】
(5) 本実施形態では、バケット5に取り付けられた圧送ホース14からセメントミルクを噴射させるものを用いて説明したが、これに限定されず、バケット5を用いて、地盤を攪拌するものであれば本発明の範囲にすべて含まれる。
【0118】
(6) 本実施形態では、管理装置100および角度センサ12、13を設けたバックホウ1を用いて地盤の攪拌を行い、その攪拌回数を計測することについて説明したが、このバックホウ1は、地盤の攪拌のみならず、土砂の移動などその他の作業も行うことができるものであってのよい。また、管理装置100および角度センサ12、13は、バックホウ1に着脱自在に設けられているので、管理装置100および角度センサ12、13を、他の同種のバックホウ1のみならず異種のバックホウ1にも容易に取り付けることができる。また、攪拌回数の計測については角度センサ12、13を用いない攪拌混合装置の管理システムについても適用することができる。
【0119】
(7) 第2実施形態におけるシリンダストローク位置の求め方として、次のようにしてもよい(たとえば、特開2007−333628号参照)。すなわち、シリンダの壁であるシリンダチューブの外部にシリンダストロークセンサとしての磁力センサが設けられ、ピストンには磁力線を生成する磁石が設けられ、この磁石はピストン、ロッドの直動方向に沿って、N極、S極が配置されるように設けられている。そして、磁力センサは、ピストンの直動方向に沿って所定距離離間されて配置された2個の磁力センサからなり、この磁力センサは、磁石で生成された磁力線を透過して、磁力(磁束密度)を検出し、磁力(磁束密度)に応じた電気信号(電圧)Sを出力する。磁力センサの検出結果に基づいて、回転センサの検出結果から得られる計測位置が、原点位置(基準位置)にリセットされる。このようにして、コントローラは、磁力センサの検出信号と、回転センサの検出信号とが演算処理されて、ピストンのストローク位置が計測される。
【0120】
本実施形態では、角度センサを用いたが、攪拌回数のカウントについては角度センサを用いる必要はなく、本発明は角度センサを用いない
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【図2】同バックホウの運転室内の座席を示す図である。
【図3】同バックホウに用いられるバケットの正面図である。
【図4】同バックホウに用いられるバケットの側面図である。
【図5】同バックホウの管理装置を示す図である。
【図6】同バックホウの管理装置の操作パネルを示す図である。
【図7】同操作パネルの設定画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるバックホウのブーム長、アーム長とブーム角、アーム角の関係を示す図である。
【図9】同バックホウの主たる構成を示す図である。
【図10】同バックホウに用いられる油圧回路図である。
【図11】同バックホウの攪拌回数の計測方法を説明する図ある。
【図12】本発明の一実施形態におけるバケットの動作図である。
【図13】同バケットの動きとバケットシリンダのシリンダストローク位置との関係を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態におけるバケットシリンダを示す図である。
【図15】本発明の一実施形態におけるバックホウの攪拌回数処理を示すフローチャートである。
【図16】同攪拌回数処理のサブルーチンである計測フラグ処理を示す図である。
【図17】同攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。
【図18】同攪拌回数計測処理のサブルーチンである攪拌回数カウント処理を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態におけるバケットシリンダを示す図である。
【図20】本発明の第2実施形態における攪拌回数処理のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 バックホウ
2 上部旋回体
3 ブーム
3a 連結部
4 アーム
4a 連結部
5 バケット
6 下部旋回体
7 キャタピラ
8 旋回体
9 ブームシリンダ
9a ピストンロッド
10 アームシリンダ
10a ピストンロッド
11 バケットシリンダ
11a ピストンロッド
12 角度センサ
13 角度センサ
14 圧送ホース
18 第1操作レバー
19 第2操作レバー
22 操作パネル
23 開始/完了スイッチ
25 電源スイッチ
30 掘削深度表示部
31 深度設定表示部
34b 設計値表示部
35b 設計値表示部
36b 設計値表示部
38 設計値表示部
39 設定画面スイッチ
41 初期設定スイッチ
45 設定画面
46 攪拌基準設定表示部
47 設計攪拌回数表示部
54 CFカード
100 管理装置
101 油圧モータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体との連結部を中心に回動可能に支持され、ブームシリンダの伸縮に基づいて駆動するブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結され、アームシリンダの伸縮に基づいて駆動するアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結され、バケットシリンダの伸縮に基づいて駆動するバケットとを有し、前記バケットを揺動することにより地盤が攪拌され、該攪拌回数をカウントする攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記バケットシリンダのシリンダストローク位置を検出する位置検出手段と、
あらかじめ入力された前記バケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の攪拌基準一端部位置と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の攪拌基準他端部位置を記憶する記憶手段と、
前記位置検出手段により検出された前記シリンダストローク位置が前記攪拌基準他端部位置から前記攪拌基準一端部位置になったかを判定する攪拌判定手段と、
該攪拌判定手段によって前記位置検出手段により検出された前記シリンダストローク位置が前記攪拌基準他端部位置から前記攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、
を有することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項2】
本体との連結部を中心に回動可能に支持され、ブームシリンダの伸縮に基づいて駆動するブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結され、アームシリンダの伸縮に基づいて駆動するアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結され、バケットシリンダの伸縮に基づいて駆動するバケットとを有し、前記バケットを揺動することにより地盤が攪拌され、該攪拌回数をカウントする攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記バケットシリンダのシリンダストローク位置を検出する位置検出手段と、
あらかじめ入力された前記バケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の攪拌基準一端部位置と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の攪拌基準他端部位置を記憶する記憶手段と、
前記位置検出手段により検出された前記シリンダストローク位置が前記攪拌基準一端部位置から前記攪拌基準他端部位置になり、さらに該攪拌基準他端部位置から前記攪拌基準一端部位置になったかを判定する攪拌判定手段と、
該攪拌判定手段によって前記位置検出手段により検出された前記シリンダストローク位置が前記攪拌基準一端部位置から前記攪拌基準他端部位置になり、さらに該攪拌基準他端部位置から前記攪拌基準一端部位置になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、
を有することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項3】
本体との連結部を中心に回動可能に支持され、ブームシリンダの伸縮に基づいて駆動するブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結され、アームシリンダの伸縮に基づいて駆動するアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結され、バケットシリンダの伸縮に基づいて駆動するバケットとを有し、前記バケットを揺動することにより地盤が攪拌され、該攪拌回数をカウントする攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記バケットシリンダの作動油室内の油量を検出するシリンダ内油量検出手段と、
あらかじめ入力された前記バケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準一端部油量と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準他端部油量を記憶する記憶手段と、
前記シリンダ内油量検出手段により検出された前記バケットシリンダの作動油室内の油量が前記攪拌基準他端部油量から前記攪拌基準一端部油量になったかを判定する攪拌判定手段と、
該攪拌判定手段によって前記シリンダ内油量検出手段により検出された前記バケットシリンダの作動油室内の油量が前記攪拌基準他端部油量から前記攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、
を有することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項4】
本体との連結部を中心に回動可能に支持され、ブームシリンダの伸縮に基づいて駆動するブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結され、アームシリンダの伸縮に基づいて駆動するアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結され、バケットシリンダの伸縮に基づいて駆動するバケットとを有し、前記バケットを揺動することにより地盤が攪拌され、該攪拌回数をカウントする攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記バケットシリンダの作動油室内の油量を検出するシリンダ内油量検出手段と、
あらかじめ入力された前記バケットシリンダのシリンダストロークの一端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準一端部油量と該バケットシリンダのシリンダストロークの他端部付近の該バケットシリンダの作動油室内の攪拌基準他端部油量を記憶する記憶手段と、
前記シリンダ内油量検出手段により検出された前記バケットシリンダの作動油室内の油量が前記攪拌基準一端部油量から前記攪拌基準他端部油量になり、さらに、該攪拌基準他端部油量から前記攪拌基準他端部油量になったかを判定する攪拌判定手段と、
該攪拌判定手段によって前記シリンダ内油量検出手段により検出された前記バケットシリンダの作動油室内の油量が前記攪拌基準一端部油量から前記攪拌基準他端部油量になり、さらに、該攪拌基準他端部油量から前記攪拌基準一端部油量になったと判定された場合に、攪拌回数をカウントする攪拌回数カウント手段と、
を有することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項5】
前記攪拌回数カウント手段によりカウントされた攪拌回数を表示する表示手段を、さらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項6】
前記攪拌回数のカウントをスタートさせるカウント開始手段を、さらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項7】
前記攪拌回数を設定する攪拌回数設定手段と、
該攪拌回数カウント手段によりカウントされた攪拌回数が、前記攪拌回数設定手段により設定された攪拌回数に達したことを報知する報知手段と、
を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項8】
取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、
該装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−18982(P2010−18982A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179569(P2008−179569)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(391051049)株式会社エステック (28)
【出願人】(506343704)株式会社トーメック (12)
【Fターム(参考)】