説明

地盤改良装置及び地盤改良工法

【課題】高圧噴射攪拌地盤改良工法に用いる、単管式注入ロッド3の螺旋状土壌押上板によって地盤変位低減のための排土を確実に行う。
【解決手段】単管式の高圧噴射攪拌地盤改良装置の注入ロッド(3)の下端部に設けられた攪拌翼(7)によって地盤を予定深度まで掘削し、前記注入ロッド(3)を通じて地盤中に、前記攪拌翼(7)の固化材噴射口(6)より高圧噴射される固化材スラリーのエネルギーで、攪拌翼の外側の地盤を切削・混合して地盤を改良する工法において、注入ロッド(3)の攪拌翼(7)の上方に近接して設けた、周縁部に板状突起片(9)を付設した螺旋状土壌押上板(8)により固化材噴射口(6)の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、螺旋状土壌押上板(8)の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単管式の高圧噴射攪拌地盤改良装置の攪拌ロッドの攪拌翼の上方に近接して螺旋状土壌押上板を設け、該螺旋状土壌押上板によって地盤変位低減のために排土を行う高圧噴射攪拌地盤改良装置及び工法に関する。
【背景技術】
【0002】
単管式の高圧噴射攪拌地盤改良装置を用いての地盤改良工法は、一般的に他の二重管、三重管の高圧噴射攪拌工法に比べて、施工中に排泥を出さない分経済的であるが、周辺地盤の変位等が発生し易い。
【0003】
この単管式高圧噴射攪拌工法の経済性と、周辺地盤への変位の低減を両立している工法として、攪拌ロッド先端部に設けた攪拌翼とその真上に設けた土壌押上板により、該土壌押上板の投影面積分の板上に載った原土を排土し、該土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を該空隙に吸収することによって、周辺地盤への変位等を低減させる工法が実用化されている。当該工法は、排土された土は固化材が混入しない原土であるので、排泥としての処理が必要なく、その排出量も二重管、三重管工法の排泥に比べて少ない工法として知られている。(特許文献1)
【特許文献1】特許第2739602号公報
【0004】
また、上記発明を進歩させた技術として、土壌押上円板の半径が注入ロッドの軸身に設けられた攪拌翼の半径と同一寸法、又は前記攪拌翼半径より10cm以下望ましくは5cm小さく、且つ、投影平面形状が円周分に加えて中心角が10度程度の扇型状に重複させるか、又は略円周1周分で、螺旋形状土壌押上円板の傾きが10〜20度に形成した土壌押上円板を備えた攪拌装置で、軟弱地盤を削孔する際に、削孔を複数回の再削孔・再引上げで又削孔水を低圧で噴射しながら行うことにより、攪拌翼により形成される攪乱部直径内部と該土壌押上円板の直径内に含まれる軟弱地盤と直径外の領域が、円筒状の泥水膜によって縁切りされ、その際、該土壌押上円板の直径内に含まれる軟弱土が上方に押上げられる時の土のせん断抵抗が少なく、確実な排土が可能になる工法が実用化されている。(特許文献2)
【特許文献2】特開2005−120819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記の排土を伴う単管式高圧噴射攪拌工法では、特に高含水比で軟弱な粘土、鋭敏性の高い粘性土、及び自立しないゆるい砂質土等が改良対象土の場合、前記円筒状の泥水膜が形成されにくく、一旦形成されても容易に泥水膜が塞がることがあり、確実な排土ができない状態となることがあった。
この様な場合には、周辺地盤への変位等の影響が大きくなり、施工上不都合が生じる場合がある。
【0006】
また、土壌押上板の表面が滑らかであるために、排土のためにロッド引上げの時に、土壌押上板に載せられて上昇してくる排土が滑って側方に逸散し、確実な排土ができない状態となることがあった。
この様な場合にも、周辺地盤への変位地盤への変位等の影響が大きくなり施工上不都合が生じる場合がある。
【0007】
そこで、本発明は前記の状態のために確実な排土ができなくなることを防止する地盤改良装置と地盤改良工法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この出願に係る発明は、単管式注入ロッド先端の掘削刃、及び該掘削刃の上方に水平方向に延設された攪拌翼によって地盤を予定深度まで掘削し、前記注入ロッドを通じて地盤中に高圧噴射される固化材スラリーのエネルギーで、攪拌翼の外側の地盤を切削・混合しつつ、注入ロッドの固化材スラリー噴射口の上方に近接して設けた螺旋状土壌押上板により、固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、前記螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し、改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成する工法に用いる地盤改良装置の、前記螺旋状土壌押上板の周縁部に板状突起片を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、螺旋状土壌押上板の周縁部に設けた板状突起片の先端までの螺旋状土壌押上板の半径が、攪拌翼の半径を上回らない半径であって、板状突起片が螺旋状土壌押上板の周縁部から0度(水平)〜60度の範囲で上向きに突起し、かつ、螺旋状土壌押上板の周縁部に2箇所以上設けられていることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記螺旋状土壌押上板の周縁部に設けた板状突起片が、鋸歯状突起片に形成され、また、周縁部に設けられた鋸歯状突起片の先端までの螺旋状土壌押上板の半径が、攪拌翼の半径を上回らない半径であって、鋸歯状突起片が螺旋状土壌押上板の周縁部から0度(水平)〜60度の範囲で上向きに突起していることを特徴とする。
【0011】
また、螺旋状土壌押上板の表面に小突起片を複数個設けたことを特徴とする。
【0012】
また、単管式の高圧噴射攪拌地盤改良装置の注入ロッド先端の掘削刃、及び該掘削刃の上方に水平方向に延設された攪拌翼によって地盤を予定深度まで掘削し、前記注入ロッドを通じて地盤中に、前記攪拌翼の固化材噴射口より高圧噴射される固化材スラリーのエネルギーで、攪拌翼の外側の地盤を切削・混合しつつ、注入ロッドの固化材スラリー噴射口の上方に近接して設けた螺旋状土壌押上板により、固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、前記螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し、改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成する工法において、注入ロッドの攪拌翼の上方に近接して、周縁部に板状突起片、鋸歯状、又は棒状等の突起を付設した螺旋状土壌押上板、及び/又は表面に突起を設けた該土壌押上板を設け、該突起片を有する螺旋状土壌押上板により固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成することを特徴とする。
【0013】
螺旋状土壌押上板の周囲に設けられた板状突起片、又は鋸歯状突起片でロッド回転時に、攪拌翼の先端が通過する攪拌部分と螺旋状土壌押上板の通過する間に形成される泥水膜部分を再攪拌し、確実に泥水膜を形成する。
そして、この泥水膜により螺旋状土壌押上板に載せられて上昇する円柱状土壌が縁切りされ、確実に排土がなされる。
さらに、前記板状突起片又は鋸歯状突起片が、螺旋状土壌板の周縁部に上向き設けられていることによって、円柱状土塊が土壌押上板上を滑るのを防止できる。
【0014】
土壌押上板の周縁部に設けた鋸歯状突起片が、螺旋状土壌押上板の周縁部から0度(水平)〜60度の範囲で上向きに突起しているので、螺旋状土壌押上板に載せられて上昇する円柱状土塊と前記螺旋状土壌押上板表面との摩擦を大きくし、前記螺旋状土壌押上板から円柱状の土塊が滑り散逸するのを防ぐ。
【発明の効果】
【0015】
この発明の地盤改良施工装置は、そのロッド先端部の攪拌翼及び板状突起片を備えた螺旋状土壌押上板から成るモニターに構成したもので、地盤改良を必要とする改良対象土が、高含水比、又は鋭敏性の高い粘性土や、ゆるい砂質土等の地盤改良対象土である場合にも、地盤改良時に確実な排土ができ、周辺地盤に変位等の悪影響を与えることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の最良の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1に示すように、1は単管式高圧噴射地盤改良装置であり、該地盤改良装置の回転上下動機構2で注入ロッド3を上下動可能に支柱4で支持する。
注入ロッド3は先端部に掘削刃5、その上部に噴射ノズル6を有する攪拌翼7を設け、該攪拌翼7の上部に近接して周縁部に板状突起片9を付設した螺旋状土壌押上板8を設けてある。
螺旋状土壌押上板の周縁部に設ける板状突起片の突起は、0度(水平)から図3に示すとおり60度上向きの傾斜角とし、また、攪拌翼7の長さD1を、上記板状突起片9を設けた螺旋状土壌押上板8の投影円の径D2よりも10cm長く設定する。
なお、図中13は改良部、14排土、15はスイベル、16は圧送ホースである。
【0017】
上記の様に構成した注入ロッド3の地中貫入時には、攪拌翼7の一方の先端の噴射ノズル6から削孔水を低圧で噴射して貫入し、攪拌翼7で攪乱された領域を、攪拌翼7の真上に設けられた螺旋状土壌押上板8がスパイラル状に土壌を切りながら貫入する。
その際に、攪拌翼7の回転による攪拌部分10と原地盤11との間に低圧で噴射された削孔水と乱された土壌とで円筒状の泥水膜12が形成され、その周囲の原地盤土壌11と縁切り効果を奏する。
【0018】
前記泥水膜12は、改良対象土が高含水比、又は鋭敏性の高い粘性土や、ゆるい砂質土等である場合、自立性を失いやすく閉塞する場合がある。この様な状態になると周囲の原地盤土壌11と縁切り効果が失われるので、螺旋状土壌押上板8の周縁部に設けた板状突起片9により泥水膜部分を再攪拌し、再度確実な泥水膜12を形成させることができる。
【0019】
前記螺旋状土壌押上板8の周端縁に設ける板状突起片9の大きさと設ける間隔は、対象土質に応じて適宜選定される。
一般的には砂質土が対象の場合は、螺旋状土壌押上板8に設ける板状突起片9を小さめに、また設置間隔を狭くし、粘性土を対象とする場合は、板状突起片9を大きめに、また設置間隔を広くする等の選択が好ましい。
【0020】
また、螺旋状土壌押上板8の大きさは、例えば、攪拌翼7の長さD1が60cm、螺旋状土壌押上板8の直径が50cmから成る注入ロッドの場合、螺旋状土壌押の周縁部に設ける板状突起片9の長さは、3cm〜10cmの方形状の突起片が好ましい。
なお、板状突起片9の長さが3cm未満では、泥水膜12の再攪拌効果が期待できず、10cmを超えると攪拌翼7で乱された攪拌部分10の領域を超えて板状突起片9が土を乱すので、泥水膜12がかえって乱される結果となる。
また、螺旋状土壌押上板8の周縁に設ける板状突起片9の設置間隔は、前記の大きさの螺旋状土壌押上板の場合、5cm〜30cmの範囲で最低2つ以上が好ましく、設置間隔が5cm未満では、土と板状突起片9がかみ合わず突起としての効果が薄れ、30cmを超えると泥水膜12の再攪拌効果が期待できない。
なお、実施例1では、上記螺旋状土壌押上板8の周縁に縦5cm、横3cm、厚さ1.2cmの鉄板製の板状突起片9が、周端縁部より45度上向きに傾斜し、また、所定の間隔をおいて複数個取り付けられている。
【0021】
図4は、この発明の地盤改良装置1の注入ロッド3先端部の螺旋状土壌押上板に付設する板状突起片の他の例を示し、螺旋状土壌押上板8の周縁部を山形の鋸歯状突起片9aに形成する。
この様に形成した地盤改良装置は、実施例1に記載の作用効果と同様である。
すなわち、注入ロッド3の地中貫入時には、攪拌翼7の一方の先端の噴射ノズル4から削孔水を低圧で噴射して貫入し、攪拌翼7で攪乱された領域を、攪拌翼7の真上に設けられた螺旋状土壌押上板8がスパイラル状に土壌を切りながら貫入する。
その際に、攪拌翼7の回転による攪拌部分10と原地盤11との間に低圧で噴射された削孔水と乱された土壌とで円筒状の泥水膜12が形成され、その周囲の原地盤土壌11と縁切り効果を奏す。
【0022】
前記泥水膜12は、改良対象土が高含水比、又は鋭敏性の高い粘性土や、ゆるい砂質土等である場合、自立性を失いやすく閉塞する場合がある。この様な状態になると周囲の原地盤土壌11と縁切り効果が失われるので、螺旋状土壌押上板8の周縁部に設けた鋸歯状突起片9aにより泥水膜部分を再攪拌し、再度確実な泥水膜12を形成させることができる。
【0023】
山形の鋸歯状突起片9aの三角形状の刃の底辺(螺旋状土壌押上板8の周端縁の接触面)の長さが3cm〜10cmで、高さ3cm〜10cmの範囲が好ましい。
山形の鋸歯状突起片9aの高さが3cm未満では、泥水膜12の再攪拌効果が期待できず、10cmを超えると攪拌翼7で乱された攪拌領域10を超えて鋸歯状突起片9aが乱すので泥水膜12をかえって乱す結果となる。
【0024】
また、実施例1に示す板状突起片9及び第2実施例に示す鋸歯状突起片9aの螺旋状土壌押上板8に対する取り付け角度は、0度から60度が好ましく、取付け角度が0度の場合は、改良対象土が螺旋状土壌押上板8の盤面を滑りにくい土壌の場合、又は図5で説明する実施例の螺旋状土壌押上板8の上面(表面)8aに付設した角柱あるいは台形状の小突起9bのみで滑りを押さえることが出来る場合に用いられる。
鋸歯状突起片9aの角度が60度を超えると、泥水膜部分を再攪拌する領域が小さくなり、再攪拌の効果が薄れてくる。
【0025】
図5は他の実施例の形態図である。
螺旋状土壌押上板8の上面8aの適宜箇所に、四角柱あるいは図に示す台形状の小突起片9bを配設する。
この小突起片9bは螺旋状土壌押上板8の上面(表面)8aのほぼ10cm×10cmの範囲に一個の割合で設けられており、この範囲に配置される小突起片10の大きさは、角柱の場合は縦×横×高さが3cm×3cm×4cmである。
また、該小突起は直径φ1cm〜3cm、長さ2〜5cm程度の棒状でもよい。
これらの小突起を前記螺旋状土壌押上板に設ける頻度は、突起の大きさにもよるが、突起配置面積の割合で2cm×2cm=4cm/個〜20cm×20cm=400cm/個の範囲が好ましく、これ以上の頻度では土と突起がかみ合わず突起としての効果が薄れ、これ以下であると摩擦効果が期待できない。
【0026】
また、他の実施例として図示はしていないが、機械式攪拌処理装置に設けた螺旋式土壌押上板の周縁部に、前記各実施例と同様の板状突起片又は鋸歯状突起を設け、必要に応じて螺旋状土壌押上板の表面に角柱あるいは台形状の小突起片を配設しても良い。
【0027】
以上記載した螺旋状土壌押上板は、単管式高圧噴射攪拌装置のみならず、周辺地盤への変位低減を目的とした機械式攪拌処理装置にもそのまま適用できる。装備方法としては、攪拌ロッド先端部の攪拌翼の真上付近に設けるとよい。
攪拌翼が複数段あるときは、最上段の攪拌翼の真上付近に装着するのが適している。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は地盤改良工における単管式高圧噴射攪拌工法の変位抑制に多大な効果を奏し、変位抑制と経済性を兼ね備えた当該工法の適応性を大きくするものであり、土木・建築工事に対する利用性が大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係る地盤改良装置を用いた改良状態を示す図である。
【図2】この発明に係る地盤改良装置のロッド先端部の螺旋状土壌押上板を示す図である。
【図3】螺旋状土壌押上板に設ける板状突起片の傾斜角度を説明するための図である。
【図4】本発明に係る地盤改良装置のロッド先端部の螺旋状土壌押上板の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明に係る地盤改良装置のロッド先端部の螺旋状土壌押上板の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 地盤改良装置
2 回転上下動機構
3 注入ロッド
4 支柱
5 掘削刃
6 噴射ノズル
7 攪拌翼
8 螺旋状土壌押上板
8a 上面
8b 周縁部
9 板状突起片
9a 鋸歯状突起片
9b 角柱状小突起片
10 攪拌部分
11 原地盤
12 泥水膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単管式注入ロッド先端の掘削刃、及び該掘削刃の上方に水平方向に延設された攪拌翼によって地盤を予定深度まで掘削し、前記注入ロッドを通じて地盤中に高圧噴射される固化材スラリーのエネルギーで、攪拌翼の外側の地盤を切削・混合しつつ、注入ロッドの固化材スラリー噴射口の上方に近接して設けた螺旋状土壌押上板により、固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、前記螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し、改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成する工法に用いる地盤改良装置の、前記螺旋状土壌押上板の周縁部に板状突起片を設けたことを特徴とする地盤改良装置。
【請求項2】
前記螺旋状土壌押上板の周縁部に設けた板状突起片の先端までの螺旋状土壌押上板の半径が、攪拌翼の半径を上回らない半径であって、突起片が螺旋状土壌押上板の周縁部から0度(水平)〜60度の範囲で上向きに傾斜し、かつ、該突起片が螺旋状土壌押上板の周縁部に2箇所以上設けられていることを特徴とする請求項1記載の地盤改良装置。
【請求項3】
前記螺旋状土壌押上板の周縁に設けた板状突起片が、鋸歯状突起片であることを特徴とする請求項1記載の地盤改良装置。
【請求項4】
前記周縁部に設けた鋸歯状突起の先端までの螺旋状土壌押上板の半径が、攪拌翼の半径を上回らない半径であって、鋸歯状突起片が螺旋状土壌押上板の周縁部から0度(水平)〜60度の範囲で上向きに傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1記載の地盤改良装置。
【請求項5】
螺旋状土壌押上板の表面に突起を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の地盤改良装置。
【請求項6】
前記螺旋状土壌押上板の表面に設けた突起が、小突起片で螺旋状土壌押上板の表面に複数個設けられていること特徴とする請求項1〜4記載の地盤改良装置。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の、周縁部に突起を設け、及び/又は表面に突起を設けた螺旋状土壌押上板を機械式攪拌処理装置に備えたことを特徴とする地盤改良装置。
【請求項8】
単管式の高圧噴射攪拌地盤改良装置の注入ロッド先端の掘削刃、及び該掘削刃の上方に水平方向に延設された攪拌翼によって地盤を予定深度まで掘削し、前記注入ロッドを通じて地盤中に、前記攪拌翼の固化材噴射口より高圧噴射される固化材スラリーのエネルギーで、攪拌翼の外側の地盤を切削・混合しつつ、注入ロッドの固化材スラリー噴射口の上方に近接して設けた螺旋状土壌押上板により、固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、前記螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し、改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成する工法において、注入ロッドの攪拌翼の上方に近接して、周縁部に板状、鋸歯状又は棒状等の突起片を付設した螺旋状土壌押上板、及び/又は表面に突起を設けた該土壌押上板を設け、該螺旋状土壌押上板により固化材スラリー噴射口の近傍の撹乱土を上方へ押し上げて、螺旋状土壌押上板の下方に空隙を形成し、固化材スラリーと混合された混合土を、該空隙に吸収し改良予定地盤中に円柱状の改良体を造成することを特徴とする地盤改良工法。
【請求項9】
請求項7に記載の機械式攪拌処理装置を用いて行うことを特徴とする地盤改良工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−243191(P2009−243191A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92279(P2008−92279)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000185972)小野田ケミコ株式会社 (58)
【Fターム(参考)】