説明

地盤硬化層造成工法とその装置

【課題】螺旋スクリュウ翼を注入ロッドの混合攪拌翼とした場合、ロッド本体の外周面とスクリュウ翼面とが密着し、間に空隙スペースがないため、攪拌による掘削土の流動性に制約が加わり回転トルクが高くなるほか、攪拌翼の引揚げ速度と回転速度とが一定にならざるを得ず、注入調整が困難となる問題があった。
【解決手段】左右に張り出した上段攪拌翼11A、Bの下部に所定の間隔を置いて上段攪拌翼と十文字状に交差する下段攪拌翼12A、Bを設定し、帯状旋回翼2A、Bを上段攪拌翼11Aの先端から下段攪拌翼12Aの先端、上段攪拌翼11Bの先端から下段攪拌翼12Bの先端に接合して攪拌翼体を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右に伸びる上段攪拌翼と所定間隔を開けて上段攪拌翼と十文字に交差する方向に伸びる攪拌翼を2段に設け、上段一方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同下段攪拌翼の先端に接合する帯状旋回翼と、上段他方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同先端に接合する帯状旋回翼を、それぞれ、設定すると共に、一方の下段攪拌翼の取り付け基部上部、他方の下段攪拌翼の取り付け基部下部にそれぞれ水平方向噴射ノズルを設定した攪拌注入ロッドに、硬化材を圧送して各ノズルより高圧噴射しながら、攪拌注入ロッドを回転しつつ対象地盤に下降、上昇させることにより対象地盤中に地盤硬化層を造成する地盤硬化層造成工法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤の構築基礎支保や強化支保については、地盤硬化材を高圧噴射しながら地盤硬化材注入ロッドを回動することにより対象地盤を攪拌掘削する地盤硬化材注入工法が多く行われてきたが、施工環境や地盤の軟弱度によっては、効率が悪く攪拌力も不充分であるという問題があった。
【0003】
これに対応して、攪拌翼による直接的攪拌が行われるようになり、更に、硬化材注入層の径を大きくするために、例えば特許文献1に示されるように、攪拌翼の先端に噴射ノズルを設けて水平方向に硬化材を噴射するなど、攪拌翼に噴射ノズルを設定することも行われるようになってきた。
【0004】
しかし、従来の硬化材噴射が水平方向への噴射を主流としたため、攪拌翼による直接攪拌と硬化材噴流による流体攪拌との調整に問題があり、攪拌領域に硬化材が充分にいきわたらず、土壌と硬化材の混合むらが発生し易く確実かつ均一な土壌の攪拌混合には更なる問題を残していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
このような混合むらや高深度穿孔による回転トルクに掛かる地内圧の問題に対応するため、回転トルクの負担を軽減しロッドの作動を円滑なものとするために、例えば特許文献2に示されるように、螺旋翼の螺旋間隔によって構成される上部と下部の翼端を、スクリュウの旋回方向と逆行する方向に旋回を方向づける旋回翼支柱によって所定間隔ごとに連結してロッドを構成したりすることも行われてきている。
【0006】
また、攪拌翼の引揚げ速度と回転速度とを一定に設定すると、引揚げ回転するスクリュウ翼では固化材スラリーの供給量に見合った量の土砂を排出することができず、過剰排土による土圧の低下や排土不足による土圧の上昇が発生することを防止するため、特許文献3に示されるように、螺旋状のスクリュウ翼を備えたスクリュウロッドと、掘削攪拌翼と固化材吐出口を備える固化材供給手段とを備えた地盤改良装置を用いたりすることも提案されている。
【特許文献1】特開昭50−107714号公報
【特許文献2】特許第3453351号公報
【特許文献3】特許第3527574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
攪拌翼によって直接攪拌を行う場合には、注入ロッドの回動に対して掛かる地盤の抵抗によって発生する回転トルクの増大が問題であり、作業効率に大きく影響している。また、ロッド本体の外周面と攪拌作用をする攪拌翼だけによって排土が行われるため、排土調整が行われる余裕がなくなり、硬化材総注入量に対して体積比で60〜70%程度しか地表に排土されず、地内圧のバランスが崩れて地盤変位を起こすこともあるという問題がある。
【0008】
一方、前記スクリュウ翼による先行技術の場合、螺旋状のスクリュウ翼を、そのまま攪拌翼、推進翼としているため、ロッド本体の外周面と攪拌作用をする翼面との間に空隙スペースがなく、混合攪拌作動がロッド外周面に密着して行われているため、攪拌による掘削土の流動性に制約が加わり、攪拌翼の引揚げ速度と回転速度とが一定にならざるを得ない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記した課題に対応しようとするものであり、上段攪拌翼から所定間隔を開けた下部に上段攪拌翼と十字状に交差して伸びる下段攪拌翼を設け、上段一方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同下段攪拌翼の先端に接合する帯状旋回翼と、上段他方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同先端に接合する帯状旋回翼を設定することにより、注入ロッド外周面と、上段と下段を連絡する帯状旋回翼との間に直接空隙と段差空隙を作出することで、攪拌によって掘削土に与えられる流動揚力を上記空隙を通じて活用し、更に、注入ロッド回転トルクの低減にも資するようにしたものである。
【0010】
即ち、上段攪拌翼と下段攪拌翼を所定間隔を開けた2段にして、各対応先端部を帯状旋回翼で連結することによりスクリュウ翼の推進機能を保持させることにより、硬化材総注入量に対して体積比で80〜100%までの排土を可能にして、地内圧のバランスを保ち、地盤変位を抑制するようにした。
【0011】
また、攪拌注入ロッドの、一方の下段攪拌翼の取り付け基部上部、他方の下段攪拌翼の取り付け基部下部にそれぞれ水平方向噴射ノズルを設定して、硬化材を圧送して各ノズルより高圧噴射することにより対象地盤に硬化材を注入すると共に、硬化材噴流の噴射力により掘削土砂に帯状旋回翼によって与えられた旋回流動性に方向付けをして揚力を促進するようにした。
【0012】
更に、ロッドの回転による掘削土砂の旋回流動性と混合効果を高めるため、上下各段において対をなす各攪拌翼を、ロッドに対して、互いに、逆方向に傾斜する捻り角度をもって、それぞれに対応して設定すると共に、下段攪拌翼の取り付け基部上部に設定する水平方向噴射ノズルの噴射方向を下降方向に噴射させ、基部下部に設定する水平方向噴射ノズルの噴射方向を上昇方向に噴射させるようにした。
【0013】
下段攪拌翼の取り付け基部からも硬化材を攪拌翼に沿って水平方向に噴射することにより、掘削噴射流の方向が交錯して粘性地盤での共回り防止を行うと共に地盤の破砕力と硬化材噴流の到達距離も伸長するので、これまで小型機械では不可能であった大口径の地盤改良も施工可能とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のように構成したことにより、注入ロッド外周面と、上段と下段を連絡する帯状旋回翼との間に直接空隙と段差空隙が作出され、スクリュー翼の場合にはロッド外周面に密着していた翼面が排除されて空隙化され、この空隙を通じて旋回推進力によって与えられる掘削土砂の旋回流動性が、ロッド外周面に沿った自由な揚力を得て地内圧を開放する効果を得た。
【0015】
また、スクリュー翼の場合に避けることができなかった攪拌翼の引揚げ速度と回転速度とが一定にならざるを得ない制約を、上記空隙の作出により脱することができたことにより、ロッドの回転速度によって硬化材の噴射量を調整することが可能となり、対象地盤の地内圧に対応して回転速度を調整してバランスの取れた地盤硬化層を造成できる効果を基礎として、地盤変位の回避、回転トルクの低減など前述した各効果を得ることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例を示すもので、上段攪拌翼と下段攪拌翼及びその各対応先端部に連結接合する帯状旋回翼、下段攪拌翼の基部噴射ノズルの設定状况を示す攪拌注入ロッド先端モニター部の拡大斜視図
【図2】同じく、図1の攪拌注入ロッド先端モニター部をロッド軸心に沿って縦断面として、ロッド内硬化材流路の状况を示した攪拌注入ロッド先端モニター部の拡大縦断面側面図
【図3】同じく、攪拌注入ロッドを対象地盤中に回転下降させた状態における掘削土砂の流動状况を示す対象地盤を縦断面とした施工状况図
【図4】同じく、攪拌注入ロッドを対象地盤に挿入して地盤硬化層を造成する施工状况を示す装置全体の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。1は攪拌注入ロッドで、先端モニター部Mに上段攪拌翼11A、11Bが左右に張り出して設定され、その下部に300mm程度の間隔を置いて下段攪拌翼12A、12Bが上段攪拌翼と十文字状に交差して設定されている。
【0018】
上段攪拌翼11A、11Bはロッドに対して、互いに、逆方向に傾斜する捻り角度をもって設定されており、11Aの先端には上記の間隔を置いた下方270度の部位に設定された下段攪拌翼12Aの先端に接合する帯状旋回翼2Aの基端が接合され、上段攪拌翼11Bの先端には同じく上記の間隔を置いた下方270度の部位に設定された下段攪拌翼12Bの先端に接合する帯状旋回翼2Bの基端が接合されている。
【0019】
下段攪拌翼12A、12Bは上段攪拌翼11から300mm程度の間隔をおいてロッド1に対して捻り傾斜をもって植設され、下面側一側にカッタービット3を装備すると共に、ロッド1の下段攪拌翼12Aの取り付け基部上部に水平方向噴射ノズル31aが下段攪拌翼12Aの翼面に向けた下降方向に向けて設定され、同じく、下段攪拌翼12Bの取り付け基部下部に水平方向噴射ノズル31bが下段攪拌翼12Bの翼面に向けた上昇方向に向けて設定されている。
【0020】
攪拌注入ロッド1は、先端部に以上のように構成された上段攪拌翼11と下段攪拌翼12を備え、対応する各翼体の先端部間において上下段にそれぞれ帯状旋回翼2が連絡し、空隙を形成する旋回スペース21を介して全体的にスクリュウ構造を形成すると共に、先端に掘削刃14を設定したモニター部Mを装着してクロージョイント13により延長接合可能なロッドによって構成される。
【0021】
後端はスイベル15を介して硬化材プラントに連絡する硬化材供給ホース41と連結し、これを通じて硬化材プラントにおいて調製され供給されるスラリー状硬化材を受けて硬化材圧送流路4により、下段攪拌翼12Aの取り付け基部上部の水平方向噴射ノズル31a、同12B取り付け基部下部の水平方向噴射ノズル31bに圧送し、各ノズルから対象地盤中に噴射される。
【0022】
16は攪拌注入ロッド1の昇降駆動をリードする主軸リーダーで、施工地盤上に据え付けた母機、リーダーマシン17によって据え付け支持されると共に、攪拌注入ロッド1を回動可能に包持して昇降駆動を主軸として主導し、回転駆動機構18によってロッド1に回転駆動を与えるものである。
【0023】
以上のように構成した攪拌注入ロッド1を、上下段攪拌翼と各先端に連絡接合される帯状旋回翼によって構成されるスクリュウ構造の正転方向に回転駆動させながら対象地盤中に下降させれば、下段攪拌翼12A、12B下面のカッタービット3によって旋回状に掘削された掘削土は帯状旋回翼によって上方への搬送力を付与される1方、旋回スペース21中の土砂は下降するロッド外周面によって下方に引張されるので、掘削土全体にランダムな流動性が与えられる。
【0024】
更に、攪拌注入ロッド1に対して硬化材プラントから硬化材を圧送すれば硬化材は圧送流路4を通じて下段攪拌翼12の取り付け基部に設定された水平方向噴射ノズル31a、31bからの硬化材噴射が行なわれるが、ノズル31aは攪拌翼12Aの取り付け基部上部から翼先端に照準を合わせ、攪拌翼の上面に沿ってやや斜めに噴流が衝接誘導され翼面にこびり着く粘性土等を弾くと共に翼面に誘導されて飛翔距離が伸長される。
【0025】
このようにしてランダムな流動性が与えられた掘削土は、旋回スペース21の存在により、スクリュウオーガーのように上方への搬送が強制されないので、硬化材注入による地盤圧密度は、対象地盤の地内圧に対応して攪拌注入ロッド1の回転速度を変化させることによって調整することが可能である。
【0026】
攪拌注入ロッド1の対象地盤への下降は、上記のように噴射ノズル31a、31bからの硬化材噴射による吐出量と掘削土の前記ランダムな流動性による揚力による排土によって地内圧のバランスを保ちながら行われ、所定深度に達したところで、対象地盤の状况と造成された地盤硬化層の状態により、更に、硬化材噴射を行いながら、或いは、硬化材噴射を行なわずに攪拌注入ロッド1を正転しつつ上昇して抜去するか、硬化材噴射を行い、或いは行なわずに攪拌注入ロッド1を逆転しつつ上昇して抜去するかが決定される。
【0027】
即ち、攪拌注入ロッド1を正転しつつ上昇抜去する場合には、帯状旋回翼2は下降方向への推進力として作用するが、掘削土に対しては押し上げ排土する方向に働き、掘削土を上方に整序しつつ、リーダーマシン17の上昇駆動により抜去されることになるが、逆転しつつ上昇抜去する場合には、帯状旋回翼2は上昇方向への推進力として作用し、掘削土を押し下げるので掘削土を下方に整序しつつ、リーダーマシン17の上昇駆動により抜去されるので、対象地盤の状况と造成された地盤硬化層の状態により、仕上げ方法として選択されることになる。
【実施例1】
【0028】
実施例1は、攪拌注入ロッド1を帯状旋回翼の旋回方向に沿って正転回動しながら、対象地盤に下降挿入し、同じく正転回動しながら上昇抜去するもので、例えば、攪拌注入ロッドの対象地盤への挿入下降時に下段攪拌翼基部ノズルから5〜15Mpaの噴射圧力で硬化材としてセメントミルクを吐出量100リッター/minで噴射しながら40〜50rpmで回転させる。
【0029】
この場合、掘削土砂は帯状旋回翼2により地表方向に押し上げられる一方、下段攪拌翼基部ノズルから5〜15Mpaの噴射圧力、硬化材としてセメントミルクを吐出量100リッター/minで噴射される硬化材が地盤注入されるが、従来のスクリュウ翼と異なり、旋回スペース21の存在が地表への排土を抑制するので、攪拌注入ロッド1の回転速度を調整することにより、注入される硬化材と略同量の土砂が地表に排土されて地内圧のバランスが保たれる。
【0030】
以上のように攪拌注入ロッド1の下死点において地内圧のバランスが保たれている場合には、攪拌注入ロッド1の上昇抜去は周辺地盤への影響を抑えるように攪拌注入ロッド1を正転回動により上昇抜去させるが、攪拌土砂が、更に、押し上げ排土されることになるので、回転速度を10〜30rpm程度に抑え、下段攪拌翼ノズル31a、31bからの噴射圧力5〜15Mpaの硬化材噴射により排土分を補うようにした。
【0031】
旋回スペース21の存在により、下段攪拌翼基部ノズルから硬化材を噴射しながらのロッド下降時における回転トルクが減少し、40〜50rpmでの回転が可能なので、上昇時にはセメントミルクを噴射圧力5〜15Mpa、吐出量100リッター/minで噴射しながら10〜30rpmで回転させることで、地内圧のバランスを一定に保ち、地盤変位を起こさずに造成できた。
【0032】
従来例の場合、φ1000の基準径層造成については、セメントミルクの噴射圧力5〜15MPa、吐出量100リッター/minで噴射しながら30〜50rpmでの回転によっている。
【実施例2】
【0033】
実施例2は攪拌注入ロッド1の下降挿入時には、下段攪拌翼ノズル31a、31bからの硬化材噴射を行わずに、必要があれば潤滑液を供給して正転下降させ、所定深度に達したところで下段攪拌翼ノズル31a、31bから硬化材を噴射圧力10〜20Mpa、吐出量150リッター/minで噴射しながら40〜50rpmで回転上昇させるものである。
【0034】
この方法では、ロッド1の下降挿入時に、帯状旋回翼2による下降推進による掘削土の押し上げ作用と、下降するロッド外周面の圧接による旋回スペース21を通じての押し下げによって攪拌された土壌が、比較的低い噴射圧力ても高い吐出量の硬化材をこなし、ロッド回転速度の調整によって排土揚力が地内圧のバランスを取って地盤変位を低く抑えることができる。
【0035】
実施例2の方法はN値の高い地盤が対象となるがこれによれば、旋回スペース21による回転トルクの軽減により、攪拌注入ロッド1の下降挿入時に硬化材注入を行わないことができ、硬化材の節約と施工についての時間と労力を大幅に軽減することができる。
【実施例3】
【0036】
実施例3は、攪拌注入ロッド1を上昇抜去する際にロッドを逆転上昇させるもので、帯状旋回翼2による上昇推進による掘削土の押し下げ作用により、硬化層W造成部の土砂が制圧され土壌の圧密が強化されるが、ロッド下降挿入時の土壌の過剰疎密に対応し、或いは、対象地盤が互層によって構成される場合に対応するものである。
【0037】
対象地盤の地内圧の状况は、計測機器を用いることもできるが、図3に示すようにロッド挿入口に掘削土の流動揚力によって揚出される排土量と硬化材吐出量の比較によって把握することができるので、ロッド回転速度の調整や逆転上昇と正転上昇の転換を行いながら、硬化層をより大径のものとして地内圧のバランスを崩すことなく構築基礎造成を行うようにした。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る地盤硬化層造成工法とその装置は、上記のように帯状旋回翼による掘削土の積極的排土と、旋回スペースによる掘削土に対する流動性付与の組合せによる複合攪拌により切削土壌と硬化材の極めて混合度の高い均質な改良混合層を地内圧のバランスを崩すことなく造成を可能としたもので、軟弱地盤の効率的強化により軟弱な地質のため利用できなかった土地の活用を積極的に押し進めることに利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 攪拌注入ロッド
11A 上段攪拌翼
11B 上段攪拌翼
12A 下段攪拌翼
12B 下段攪拌翼
13 クロージョイント
14 モニター部先端の掘削刃
15 スイベル
16 主軸リーダー
17 リーダーマシン
18 ロッドの回転駆動機構
2 帯状旋回翼
21 ロッドと帯状旋回翼間の旋回スペース
3 カッタービット
31a 下段攪拌翼12Aの水平方向噴射ノズル
31b 下段攪拌翼12Bの水平方向噴射ノズル
4 硬化材圧送流路
41 硬化材供給ホース
G 対象地盤
M ロッド先端のモニター部
W 造成硬化材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドの左右に伸びる上段攪拌翼と、その下部に所定間隔を開けて上段攪拌翼と十字状に交差して伸びる下段攪拌翼を設け、上段一方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同下段攪拌翼の先端に接合する帯状旋回翼と、上段他方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同先端に接合する帯状旋回翼を、それぞれ、設定すると共に、一方の下段攪拌翼の取り付け基部上部、他方の下段攪拌翼の取り付け基部下部にそれぞれ水平方向噴射ノズルを設定した攪拌注入ロッドに、硬化材を圧送して各ノズルより高圧噴射しながら、攪拌注入ロッドを回転しつつ対象地盤に下降、上昇或いはその双方を行うようにしたことを特徴とする地盤硬化層造成工法
【請求項2】
下段攪拌翼基部ノズルから硬化材を高圧噴射しながら、攪拌注入ロッドを帯状旋回翼の旋回方向に沿った正転回動をして対象地盤に下降挿入し、所定深度に達したところで、攪拌注入ロッドを同じく正転回動して下段攪拌翼基部ノズルから硬化材を高圧噴射しながら上昇抜去するように構成した請求項1記載の地盤硬化層造成工法
【請求項3】
攪拌注入ロッドを下段攪拌翼基部ノズルからの硬化材噴射を行わないで正転下降させ、所定深度に達したところで、下段攪拌翼基部ノズルから硬化材を高圧噴射しながら攪拌注入ロッドを正転回動させて上昇抜去するように構成した請求項1記載の地盤硬化層造成工法
【請求項4】
対象地盤の所定深度に挿入された攪拌注入ロッドを、下段攪拌翼基部ノズルから硬化材を高圧噴射しながら逆転回動させて上昇抜去するように構成した請求項1記載の地盤硬化層造成工法
【請求項5】
攪拌注入ロッドの対象地盤への高圧噴射回転下降、高圧噴射回転上昇の作動を、対象地盤の地内圧に対応して回転速度を調整するように構成した請求項1又は請求項2又は請求項4記載の地盤硬化層造成工法
【請求項6】
ロッドの左右に伸びる上段攪拌翼と、その下部に所定間隔を開けて上段攪拌翼と十字状に交差して伸びる下段攪拌翼を設け、上段一方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同下段攪拌翼の先端に接合する帯状旋回翼と、上段他方の攪拌翼の先端から下方270度に位置して対応する下段攪拌翼の先端に旋回下降して同先端に接合する帯状旋回翼を、それぞれ、設定すると共に、一方の下段攪拌翼の取り付け基部上部、他方の下段攪拌翼の取り付け基部下部にそれぞれ水平方向噴射ノズルを設定した攪拌注入ロッドを回転上下駆動機構によって支持して成る地盤硬化層造成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−219569(P2012−219569A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88754(P2011−88754)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(395022904)フローテクノ株式会社 (5)
【出願人】(000128027)株式会社エヌ・アイ・ティ (18)
【出願人】(595015579)株式会社富士建 (5)
【Fターム(参考)】