説明

均圧装置を有する容器の蓋

本発明は容器、特に飲料缶の蓋(100)に関し、蓋は、容器の内部に面する蓋(100)の裏面の領域に配された密閉要素(120)によって密閉可能な注入開口部(103)を含み、密閉要素は作動要素(110)によって密閉位置から開放位置まで動かすことができる。均圧装置は、少なくとも1つの作動要素(110)と相互作用し、少なくとも1つの均圧装置は少なくとも1つの密閉要素(112、113)を含む。作動要素(110)が密閉位置にある際、均圧開口部(123)は、密閉要素(112、113、124)によって密閉可能であり、作動要素(110)を密閉位置から開放位置に移動させる際に、全体的に可逆的になり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器、特に飲料缶の蓋に関し、蓋は、ほぼ平らな蓋表面と好ましくは折り畳まれた先端領域、および、蓋表面に配された少なくとも1つの注入開口部を含み、注入開口部は、容器の内部に面する蓋表面の裏面の領域に配された少なくとも1つの密閉要素によって、気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、密閉要素は作動要素によって密閉位置から開放位置まで動かすことができ、および、蓋は、少なくとも1つの作動要素と協動するように設けられた少なくとも1つの均圧装置を含む。
【背景技術】
【0002】
容器、特に飲料缶は炭酸飲料で満たされることがほとんどであり、飲料缶内の圧力は6バールにまでなることがある。このような圧力容器が、例えば、プルタブによって開けられる際、缶内の圧力は急激に低下し、流体は往々にして缶から吹き出る。この急激な均圧化は物を汚してしまう可能性があるため好ましくないので、これを防ぐ装置が開発された。
【0003】
特許文献1は、開口蓋の上に設けられた通気孔を備える補助蓋を含む飲料缶用の蓋について記載しており、補助蓋は、開口蓋を缶に押し込むことによって飲料缶を開ける際に、缶の中身が補助蓋を介して吹き出るのを防ぐ。飲料缶を空にするために、補助蓋をその後取り除く必要がある。
【0004】
飲料缶の急激な吹き出し(venting)を減らすさらなる可能性は、徐々に缶の開口部を露出させることである。缶の密閉にかかるそのような手順が特許文献2に記載されている。この場合、基板は、缶の開口部を露出させるために、缶を開ける間に徐々に少しずつカムプロフィールの上方で下げられる。
【0005】
さらに、食料品容器のための回転式の密閉部が特許文献3に記載され、密閉部は、缶を開けると露出する缶の密閉部内の均圧開口部として実現される均圧装置を含む。
【0006】
特許文献4は、通気装置(venting device)が設けられた上記のタイプの飲料缶用の密閉装置について記載しており、該通気装置は、密封要素に配されたピンを含み、ピンは、均圧開口部の露出をもたらすために、最初の開口中にその位置を変化させる。この均圧開口部は、容器を新たに密閉する間には密封されないか、または、不十分に密封されるのみであるため、容器の中身が漏れかねない。
【0007】
当該技術分野の現状で記載された解決策は、缶の中身が外側に噴き出ることに対する限られた対策のみを提供するか、または、非常に複雑であるために非常に高価なやりかたで配置されるかのいずれかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,370,262A号
【特許文献2】WO2007/128810 A1
【特許文献3】EP1708930B1
【特許文献4】EP1796974B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、当該技術分野の現状の前述した障害を取り除き、かつ、容器を開ける間の安全な通気を可能にする容器の蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、少なくとも1つの均圧装置が、少なくとも1つの密閉要素と、少なくとも1つの均圧開口部を含み、均圧開口部が、作動要素が密閉位置にある際に少なくとも1つの密閉要素によって密閉可能であり、密閉位置から開放位置へと作動要素を移動させると全体的に露出可能となり、均圧開口部の露出が可逆的であるようなやりかたで、上記のタイプの蓋によって本発明に従って達成される。例えば、密閉手段が密閉位置にある際に、蓋を貫通する均圧開口部を密封する密閉要素が本発明で提供される。作動要素を密閉位置から移動させると、少なくとも1つの均圧開口部が露出する。作動要素と、したがって、密閉要素を移動させることで容器を密閉する場合、均圧開口部は、気体密封および/または流体密封するように再度密封される。
【0011】
好ましくは、密閉要素は、作動要素が密閉位置から開放位置に移動すると少なくとも1つの均圧開口部から完全に出ることができるピンとして配置され、作動要素の密閉位置で少なくとも1つの均圧開口部を密封する。
【0012】
少なくとも1つの密閉要素が少なくとも1つの作動要素と一体的に配置される際、本発明に一致した蓋のとりわけ単純な構造が得られる。
【0013】
本発明のさらなる実施形態における代わりになるものとして、密閉要素は、少なくとも1つの均圧開口部に接続した可撓性材料で作られるチューブと協動し、少なくとも1つの作動要素が密閉位置にある際に、チューブが可逆的な断面収縮(reversible cross−sectional constriction)によって気体密封式に密封される。この変更形態において、チューブ状または幹のような密閉要素は、作動要素が開放位置から密閉位置に移動することによって曲がり、こうして、チューブ内の断面収縮をもたらすとともに気体密封および/または流体密封するように均圧開口部を密封する。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの作動要素は、均圧装置のための密閉要素として同時に働き、少なくとも1つの密閉手段は、作動要素が密閉位置にある際に、少なくとも1つの均圧開口部を気体密封および/または流体密封するように密閉する特に望ましい方法で、可撓性材料で作られた加工部分を有する。
【0015】
本発明と一致する蓋内の上記のような均圧装置は、ほぼ直線的で、かつ、蓋に対して平行に動かすことができる密閉手段に特に適している。同様に、それを、蓋表面に関してねじることができる密閉手段に使用することができ、作動要素のねじれは、好ましくは、螺旋状要素に沿って生じ、少なくとも1つの均圧開口部が、例えば、螺旋状要素内に配される。
【0016】
少なくとも1つの注入開口部を開けるか、または、少なくとも1つの注入開口部を再密封するために、少なくとも1つの密閉手段が蓋に対してほぼ垂直に回転可能であることが同様に望ましい。
【0017】
作動要素は、本発明のさらなる実施形態において、密閉位置で固定可能である。飲料缶の不注意による開口がそれによって防がれる。
【0018】
好ましくは、作動要素の固定は、蓋表面にほぼ平行に配されるとともに作動要素の面に従来は配される面から回転可能なハンドルを有する固定要素によって起こり、固定要素は、連結式かつ取り外し不可能なように作動要素と接続している。作動要素は、固定要素を回転させることにより開放され、随意に移動させることができる。
【0019】
不正開封防止装置が付いた密閉部を得るために、ハンドルが、作動要素を解放するための最初の回転の前に、少なくとも1つの予め定義した破断点を介して、蓋表面に配された少なくとも1つの接続要素と接続していることが本発明に従って提供されるのが好ましい。少なくとも1つの予め定義した破断点は、ハンドルを枢動することによってこじ開けられ、作動要素が開放される。
【0020】
特に好ましい実施形態では、密閉要素が少なくとも1つの均圧開口部のために固定要素上に配される。
ハンドルまたは固定要素が枢動する際、まず均圧開口部を開くことによって均圧が生じ、その後にのみ、作動要素が注入開口部を露出させるために開放される。
【0021】
ハンドルがYのように、または、Tのように配される際に、ハンドルの操作がかなり簡略化されることが確認されている。その形状の結果として、まず、予め定義された破断点に強力な力がかけられることで、最初に破断点を開け、その後、弱い力で作動要素を露出させる。
【0022】
特に好ましいやり方で、密閉要素と均圧開口部は共通の一体型の密封部を有する。このようにして、特に、飲料缶用の気体密封および/または流体密封の再密閉可能な蓋が得られる。
【0023】
本発明に従って、作動要素が密閉位置から開放位置まで移動すると、密閉手段がその後注入開口部を露出させる前に、少なくとも1つの密閉要素はまず、少なくとも1つの均圧開口部を露出させる。注入開口部を露出させるための弱い力は、容器(とりわけ加圧された容器の場合)の通気後に、注入開口部を開くために必要とされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、図で示された非限定的な実施形態を参照することによって以下にさらに詳細に説明される。
【図1a】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1b】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1c】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1d】本発明の第1の実施形態を示す。
【図1e】本発明の第1の実施形態を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す。
【図4a】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4b】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4c】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4d】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4e】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4f】本発明の第4の実施形態を示す。
【図4g】本発明の第4の実施形態を示す。
【図5a】本発明の第5の実施形態を示す。
【図5b】本発明の第5の実施形態を示す。
【図5c】本発明の第5の実施形態を示す。
【図5d】本発明の第5の実施形態を示す。
【図5e】本発明の第5の実施形態を示す。
【図6】本発明の第6の実施形態を示す。
【図7】本発明の第7の実施形態を示す。
【図8】本発明の第8の実施形態を示す。
【図9】本発明の第9の実施形態を示す。
【図10a】本発明の第9の実施形態を示す。
【図10b】本発明の第9の実施形態を示す。
【図11a】本発明の第9の実施形態を示す。
【図11b】本発明の第9の実施形態を示す。
【図12a】本発明の第9の実施形態を示す。
【図12b】本発明の第9の実施形態を示す。
【図12c】本発明の第9の実施形態を示す。
【図12d】本発明の第9の実施形態を示す。
【図13a】本発明の第9の実施形態を示す。
【図13b】本発明の第9の実施形態を示す。
【図14】本発明の第9の実施形態を示す。
【0025】
図1a乃至1eは、例えば、飲料缶で見られるように、蓋表面(101)とビーズのついた先端(102)を備えた蓋(100)を示す。蓋(100)は、密閉手段(110)によって密閉される注入開口部(103)を含み、密閉手段はこの場合、摺動要素である。蓋表面(101)は、摺動要素の操作要素(111)が係合する操作開口部(104)をさらに含む。
【0026】
密閉要素(120)は蓋表面(101)の下に配され、密閉手段(110)が図1aおよび図1cに示されるような密閉位置にある場合、密閉要素は注入開口部(103)を密封する。密閉要素(120)は、作動要素(110)の操作要素(111)のためのレシーバ(121)を含み、レシーバは操作開口部(104)の下に配され、レシーバ内において、操作要素(111)は上り傾斜(run−up slope)(122)に沿って移動可能である。
【0027】
密閉手段(110)が(図1b)の矢印の方向に移動する際に、均圧開口部(123)は密閉要素(120)内で露出され(図1dおよび1e)、均圧開口部は、作動要素(110)の密閉位置において、操作要素(111)によって気体密封および/または流体密封式に密封される。均圧開口部(123)の露出により、缶の内部での減圧がもたらされる。密閉要素(110)はさらに、缶の任意の中身が吹き出るのを防ぐ。
【0028】
作動要素(110)のさらなる移動の結果としてのみ、密閉要素は、上り傾斜(122)に沿って操作要素(111)を移動させることによって、缶の内部にほぼ垂直に枢動し、その結果として、注入開口部(103)は図1eに従って露出される。
【0029】
図1a乃至1eに示されるような本発明の実施形態において、飲料缶を随意に再密封することができる密閉部が記載され、密閉手段(111)と好ましくは一体的に配された操作要素(111)は、均圧開口部(123)のための密閉要素として同時に働く。本明細書に示されるような実施形態は、1つの均圧開口部(123)を単に含んでもよい。レシーバ(121)内に互いの反対側に配された複数の、例えば、2つの均圧開口部を設けることも可能である。
【0030】
本発明の2つのさらなる変更形態が図2および3に示される。図2は、図1a乃至1eと類似する密閉装置を備えた蓋(100)を示し、操作要素(111)は、作動要素(110)の密閉位置で特に信頼できるやり方で注入開口部(123)を密封する弾性密封部(130)をさらに含む。
【0031】
図3に示される実施形態において、弾性密封部(130)は、均圧開口部(123)の周囲に環状に配され、この図で示すように、密閉手段(110)と、それゆえ、操作要素(111)が密閉位置にあるとき、周辺環境に対して均圧開口部(123)を密閉する。
【0032】
本発明のさらなる実施形態が図4aから図4gに示される。チューブ(124)はレシーバ(121)に備え付けられ、前記チューブの内部は均圧開口部(123)として作用する。密閉手段(110)が密閉位置にある場合(図4a、図4e)、可撓性材料で作られるチューブ(124)は、チューブ(124)の断面が変わり、それにより均圧開口部(123)と容器の周囲環境との接続が遮られるような方法で(図4b、図4e)、操作要素(111)のピン(112)によって曲げられる。この単一または多重の折り畳みによって、均圧開口部(123)の気体密封および流体密封がもたらされる。
【0033】
チューブ(124)は、この実施形態では密閉要素(120)の上り傾斜(122)に配され、曲げられたチューブ(124)は、図4eの矢印の方向に作動要素(110)を移動させることによって、操作要素(111)のピン(112)によりまず開放され、それゆえ、チューブはそれ自体の弾性特性を受けて真っすぐになり、その結果、均圧開口部(123)は、注入開口部(103)を開口することなく露出する(図4f)。これは、缶の中身を噴き出させることなく、周辺環境による圧力をかけられた飲料缶の均圧をもたらす。なぜなら、密閉手段(110)が噴き出し予防手段として随意に作用するためである。注入開口部(103)は、作動要素(110)がさらに動いた後、密閉要素(120)の枢動によって露出され(図4g)、その前に均圧が生じていたため、注入開口部を露出させるために必要な力は、容器が依然として加圧されていた場合よりも小さくなる。
【0034】
本発明のさらなる実施形態が図5aから図5eに示される。プラグ(113)は操作要素(111)のピン(112)に配され、容器が密封される際、均圧開口部(123)に係合する。作動要素(110)が矢印の方向に動かされるとき(図5c)、プラグ(113)が均圧開口部(123)から移動し、容器に随意に広く行き渡る過剰な圧力が、密閉要素(120)と均圧開口部(123)の凹部(126)を介して容器の内部から外部へと抜け出るようになる(図5d)。作動要素(110)がさらに動かされると、操作要素(111)はレシーバ(121)の上り傾斜(122)に沿って導かれ、その結果、蓋表面(101)よりも下に配される密閉要素(120)は、てこの原理の効果(lever effect)が働いたことを受けて容器の内部に枢動し、それにより注入開口部(103)が露出する(図5e)。
【0035】
容器が再密封されると、密閉要素(110)は再び密閉位置へと動かされ、事前に張力をかけられた(pretensioned)密閉手段(120)が注入開口部(103)を再密封し、プラグ(113)が均圧開口部(123)を再密封する。好ましくは、容器の中身の液体が漏れ出るのを防ぐ適切な密封手段が、注入開口部(103)と均圧開口部(123)の周囲の領域に設けられる。
【0036】
図6は、本発明のさらに好ましい実施形態を示すものであり、作動手段(110)が蓋表面(101)上に配される摺動部として配され、その一方で、作動要素(111)は、密閉要素(120)の凹部(121)において、蓋表面(101)の下で移動可能に埋め込まれ、凹部は組み立てられた状態の蓋(100)の蓋表面(101)に面する。均圧開口部(123)は凹部(121)の側壁に配され、該均圧開口部は作動要素(110)の密閉位置で操作要素(111)により密封される(図示せず)。
【0037】
図7は、図6の蓋(100)のさらなる改良型を示すものであり、密閉要素(120)は均圧開口部(123)を含み、該均圧開口部へと操作要素(111)のピン(112)が動かされる。
【0038】
図7に代わるものとして、図8は改良型の断面図を示し、密閉要素(120)の領域(131)は、例えば、薄い材料部分(127)により、および/または、異なる材料を使用することにより、弾性的に配される。作動要素(110)(図6)が動かされると、操作要素(111)も同様に矢印の方向に動かされる。この場合、操作要素(111)上に配される止め具(114)は、密閉要素(120)の表面にある斜面(128)に沿って摺動し、その結果、てこの原理が働いたことを受けて弾性領域(131)が下降し、薄い材料部分(127)も下降する。この下降は、蓋表面(101)に対して密閉要素(120)を密封する周辺密封部(132)が変形し、それにより密封部(132)と缶の蓋(101)の間に均圧開口部が形成され、それらによって均圧が生じるという結果をもたらす。
【0039】
図9から図14は、本発明に従った蓋(100)の特に好ましい実施形態を示す。
【0040】
図9は、最初の開口前の密閉された状態の蓋(100)を示すものであり、作動要素(110)は、例えば、フィルムヒンジ(film hinge)のような連結式接続部(articulated connection)(116)により固定要素(115)に接続される。固定要素(115)は、ハンドル(117)を備え、該ハンドルは略T型で本発明のこの改良型では配されている。
【0041】
ハンドル(117)を持ち上げることによって(図10a)、該ハンドルは、1つまたは複数の所定の破断点で接続していた接続要素(118)から切り離される。接続要素(118)の主な機能は、蓋表面(101)上の飲料缶の密閉を固定することである。図10bの断面図は、密閉式要素(closing element)として作用するピン(113)が密閉要素(120)の均圧開口部(123)に配されることを明確に示す。
【0042】
固定要素(115)は、ハンドル(117)の実質的な引っ張り開口によってさらなる工程では持ち上げられ、接続要素(118)から全体的に切り離され、同時にピン(113)が均圧開口部(123)から引っ張られて、均圧が生じる(図11aおよび図11b)。この引っ張り動作により、通常は、ハンドル(117)が確実に固定要素(115)の凹部内に再び配される。
【0043】
密閉要素(120)が缶の内部に枢動し、注入開口部(103)が露出されることにより、作動要素(110)は接続要素(118)の方向に動かされる(図12aから図12b)。
【0044】
缶を再密封するために、作動要素(110)は元の位置に再び戻るように摺動し、それによって密閉要素(120)が再び蓋表面(101)に平行に配され、周囲密封部(132)が均圧開口部(123)も同様に囲っていることを受けて、注入開口部(103)が気体密封および流体密封するように密封される(図13aおよび図13b)。
【0045】
同様に、固定要素(115)の下降によってピン(113)が均圧開口部(123)に再び配され(図14)、その結果、該均圧開口部は同様に気体密封および流体密封するように密封される。ハンドル(117)と固定要素(115)の間の接続部(119)が意図的に薄い材料で作られるため、ハンドル(117)の最初の動作中、とりわけ、所定の破断点を引き裂くように開く際にこの接続部(119)は伸長し、その結果、飲料缶の再密封時に接続部が接続要素(118)の周囲に正確に配されることは当然もはやない。したがって、飲料缶が既に開けられたということがすぐにわかる。
【0046】
何も知らずに固定要素(115)を持ち上げて、それによって均圧開口部(123)を露出させることがないように固定要素(115)を密閉位置に保つために、ロック要素(120)の各凹部を係止し(latch)、特定の力を加えるだけで固定要素(115)の枢動を可能にする2つの係止ピン(latching pin)(119)が提供される。
【0047】
上記のような本発明の実施形態は、限定されない方法で見られるものとする。それゆえ、ハンドルでの引っ張り動作による飲料缶の開口も同様に、缶の縁から生じるだけでなく、本発明の第9の実施形態で記載されるように蓋の表面の中央領域からも生じる。特に、作動要素は摺動要素として配されないが、作動要素をねじることによって容器が開口されるということも提供される。この場合、例えば、容器を開口するために密閉手段と接触して作動要素と相互作用する螺旋状要素(操作要素として作用する)内の均圧開口部によって均圧が生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器、特に飲料缶の蓋(100)であって、
前記蓋は、
ほぼ平らな蓋表面(101)と好ましくは折り畳まれた先端領域(102)、
蓋表面(101)に配された少なくとも1つの注入開口部(103)を含み、
注入開口部(103)は、容器の内部に面する蓋表面(101)の裏面の領域に配された少なくとも1つの密閉要素(120)によって、気体密封および/または流体密封するように密閉可能であり、
密閉要素(120)は作動要素(110)によって密閉位置から開放位置まで動かすことができ、および、
前記蓋は、
少なくとも1つの作動要素(110)と協動するように設けられた少なくとも1つの均圧装置を含み、
少なくとも1つの均圧装置が、少なくとも1つの密閉要素(112、113)と、少なくとも1つの均圧開口部(123)を含み、均圧開口部は、作動要素(110)が密閉位置にある際に少なくとも1つの密閉要素(112、113、114)によって密閉可能であり、密閉位置から開放位置へと作動要素(110)を移動させると全体的に露出可能となり、均圧開口部(123)の露出が可逆的であることを特徴とする蓋(100)。
【請求項2】
密閉要素(112、113、114)は、作動要素(110)が密閉位置から開放位置に移動すると少なくとも1つの均圧開口部(123)から完全に出ることができるピンとして配置されることを特徴とする請求項1に記載の蓋(100)。
【請求項3】
少なくとも1つの密閉要素(112、113)が少なくとも1つの作動要素(110)と一体的に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の蓋(100)。
【請求項4】
密閉要素(112、113)は、少なくとも1つの均圧開口部(123)に接続した可撓性材料で作られるチューブ(124)と協動し、少なくとも1つの作動要素(110)が密閉位置にある際に、チューブ(124)は可逆的な断面収縮によって気体密封式に密封されることを特徴とする請求項1に記載の蓋(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの作動要素は、均圧装置のための密閉要素として同時に働くことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項6】
密閉要素(120)は、作動要素(110)が開放位置にある際に変形によって少なくとも1つの均圧開口部(123)を露出させる弾性領域(131)を有することを特徴とする請求項1に記載の蓋(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの作動要素(110)が、ほぼ直線的で、かつ、蓋(100)に対して平行に動かされることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項8】
操作要素(111)は作動要素(110)に取り外し可能に接続し、作動要素(110)が開放位置にある際に、少なくとも1つの均圧開口部(123)を露出させる密閉要素(112、113)を含むことを特徴とする請求項6に記載の蓋(100)。
【請求項9】
少なくとも1つの作動要素(110)は蓋表面(101)に関連してねじることができることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項10】
作動要素(110)は螺旋状要素に沿ってねじることができ、少なくとも1つの均圧開口部(123)は螺旋状要素内に配されることを特徴とする請求項9に記載の蓋(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの密閉要素(120)が蓋(100)に対してほぼ垂直に回転可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項12】
作動要素(110)が密閉位置で固定可能であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項13】
作動要素(110)の固定は、蓋表面(101)にほぼ平行に配された面から回転可能なハンドル(117)を有する固定要素(115)によって起こり、固定要素(115)は、連結式かつ取り外し不可能なように作動要素(110)と接続していることを特徴とする請求項12に記載の蓋(100)。
【請求項14】
作動要素(110)を露出させるための最初の回転の前に、ハンドル(117)は、少なくとも1つの予め定義した破断点を介して、蓋表面(101)に配された少なくとも1つの接続要素(118)に接続していることを特徴とする請求項13に記載の蓋(100)。
【請求項15】
均圧開口部(123)のための密閉要素(113)は、固定要素(115)上に配されることを特徴とする請求項14に記載の蓋(100)。
【請求項16】
ハンドル(117)がY形状のように、または、T形状のように配されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項17】
密閉要素(120)と均圧開口部(123)は共通の密封部(132)を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の蓋(100)。
【請求項18】
少なくとも1つの注入開口部(103)が再密閉可能であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1つに記載の蓋(100)。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−503792(P2013−503792A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527354(P2012−527354)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063102
【国際公開番号】WO2011/026993
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(509227296)エクソリューション ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】