説明

垂直磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置

【課題】より一層の高記録密度化を実現することができる垂直磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置を提供する。
【解決手段】DCイレーズ処理が施されたDCイレーズ部42にサーボパターン22が位置しており、ACイレーズ処理が施されたACイレーズ部41に記録トラック21及びトラック溝部31(ディスクリート部)が位置している。トラック溝部31は円周方向に延びている。ACイレーズ部41及びDCイレーズ部42は、いずれも磁性材料からなる。サーボパターン22には、ほぼ半径方向に延びる4列のプリアンブル部32、及び島状に配置された複数のピット部33が2列をなして形成されている。ピット部33は、磁気ヘッドによる走査方向に関し、プリアンブル部32よりも後方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高記録密度化に好適な垂直磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置の1つであるハードディスク装置では、記録密度が対数的に増加している。そして、高記録密度化を目的として、これまで、磁気記録媒体の表面と平行な方向に磁化させる長手記録方式が用いられているのに対し、磁気記録媒体の表面に垂直な方向に磁化させる垂直磁気記録方式に対する研究が進められている。
【0003】
図22に示すように、垂直磁気記録方式では、磁気ヘッドの主磁極103からの磁場に応じて垂直磁気記録媒体105の記録層が垂直方向に磁化されて情報が記録される。磁気ヘッドには、主磁極に繋がったリターンヨーク(補助磁極)102、及び磁界を発生させるコイル101、垂直記録媒体から情報を読み出す再生素子104も設けられている。
【0004】
図23に示すように、垂直磁気記録媒体では、ガラス基板111上に、密着層112、軟磁性裏打ち層113、中間層114、グラニュラ層(記録層)115、キャップ層116、保護層117及び潤滑層118が積層されている。このような構造の垂直磁気記録媒体では、軟磁性裏打ち層113の存在により、磁気ヘッドからの記録磁界を還流させ、良好な記録特性を得ることができる。なお、垂直磁気記録方式では、図24に示すように、記録媒体の表面から反磁界が発生する。このため、初期化状態によって記録再生特性が変化する。例えば、図25に示すように、垂直磁気記録媒体に垂直な方向から磁界Hを印加した場合の磁化Mの変化を示す曲線(M−H曲線)は、反磁界の影響がない場合には、ほぼ垂直に立ち上がるのに対し(破線)、反磁界の影響がある場合には、傾斜したものになる(実線)。このような反磁界の影響を考慮すると、磁化が揃っているよりも磁化が細かく反転している方がエネルギ的に安定であるため、垂直磁気記録方式は高密度記録に好適であるといえる。
【0005】
また、高記録密度化を目的として、ディスクリートトラック媒体とよばれる記録媒体に対する研究も進められている。図26に示すように、従来の記録媒体121では、複数の記録トラック122が互いに近接しながら配置されており、記録トラック122に記録済部129が形成されている。ところが、このような構造では、図27に示すように、記録時に、所定の記録トラック122からその隣の記録トラック122に寄せ書きが生じたり、書きにじみが生じたりする。この結果、当該隣の記録トラック122に既に記録されている情報が消去されることがある。
【0006】
このような状況に対し、ディスクリートトラック媒体では、図28に示すように、記録トラック122間に溝部123を設けたり、図29〜図31に示すように、磁性部124及び非磁性部125を設けたりしている。図29に示す例では、基部である磁性部124の表面に複数の非磁性部125が形成され、この間が記録トラック122となる。図30に示す例では、基部である磁性部124の内部に複数の非磁性部125が埋め込まれ、この間が記録トラック122となる。図31に示す例では、基部である非磁性部125の表面に複数の磁性部124が形成され、磁性部124自体が記録トラック122となる。
【0007】
そして、図28に示すディスクリートトラック媒体では、図32に示すように、記録済部129が形成され、図29に示すディスクリートトラック媒体では、図33に示すように、記録済部129が形成される。この時、記録トラック122間に溝部123又は非磁性部125が存在するため、寄せ書き又は書きにじみが生じたとしても、隣の記録トラック122での情報の消去(サイドイレーズ)は防止される。図30又は図31に示すディスクリートトラックでも同様である。
【0008】
このように、高記録密度化のためには、垂直磁気記録方式の採用及びディスクリートトラック媒体の採用が有効である。
【0009】
しかしながら、現状では、これらの技術を組み合わせることができない。これは、垂直磁気記録方式に採用されているACイレーズ処理とよばれる初期化処理をディスクリートトラック媒体に行うと、適切な再生が困難となるからである。これは、本願発明者が初めて気付いた事実である。
【0010】
【特許文献1】特開2006−31846号公報
【特許文献2】特開2006−48751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、より一層の高記録密度化を実現することができる垂直磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
垂直磁気記録方式の初期化処理として有力なACイレーズ処理を行う場合、図34に示すように、磁気ヘッド駆動電流として交流の電流を磁気ヘッド132に供給する。この結果、記録層131内で、互いに隣接するビットの磁化が反転する。なお、面内磁気記録方式の初期化処理としては、従来、DCイレーズ処理が行われている。これを垂直磁気記録方式に採用する場合、図35に示すように、磁気ヘッド駆動電流として直流の電流を磁気ヘッド132に供給する。この結果、記録層131内で、すべてのビットが同一方向に揃う。図35では、磁化の方向を上向きとしているが、直流電流の正負を変えて下向きに揃えることもある。
【0013】
ここで、垂直磁気記録方式においてACイレーズ処理が採用されている理由について説明する。図36に、ACイレーズ処理を行った2個のACイレーズ部間に、DCイレーズ処理を行った1個のDCイレーズ部が配置された垂直磁気記録媒体に、一定の周波数の信号を記録した場合の再生信号を示す。DCイレーズ部に信号を記録した場合は、反磁界の影響が大きく、図36に示すような信号のオフセットが発生しやすい。このため、磁気ヘッドの検出する信号(再生信号)のアシンメトリが大きくなり、記録再生特性が低下する。また、DCイレーズ部では、反磁界により常に一方向に磁界が印加されている状態と同様であるため、時間の経過に連れて逆磁区が発生したり、磁化の一部の反転(熱緩和)が発生したりする虞がある。一方、ACイレーズ部では、オフセットが生じず、また、逆磁区及び熱緩和が生じる虞がない。このような理由から、垂直磁気記録方式では、初期化処理として、ACイレーズ処理が採用されているのである。但し、上述のように、ディスクリートトラック媒体にACイレーズ処理を行うと、適切な再生が困難になる。
【0014】
ここで、ディスクリートトラック媒体にACイレーズ処理を行った場合の問題点について説明する。図37は、サーボパターン及びこれを間に挟む記録トラックを示す図である。この例では、磁性部64に円周方向に延びる複数のディスクリート部61が形成され、その間が記録トラックとなっている。ディスクリート部61は、図28の溝部123と同様の溝により構成されている。また、選択的にサーボパターンが形成されており、サーボパターンには、プリアンブル部62及びピット部63が含まれている。情報の記録及び再生時には、磁気ヘッドを所望の記録トラック上に位置させるためのトラッキングを行うが、この際にサーボパターンを検出する必要がある。
【0015】
しかしながら、本願発明者が検証したところ、ディスクリートトラック媒体にACイレーズ処理を行った場合には、図37に示すように、信号出力が常にゼロレベルとなり、プリアンブル部62及びピット部63を検出することができないことが判明した。即ち、サーボパターンを検出することができず、トラッキングを行うことができなくなってしまう。また、DCイレーズ処理を行った場合には、図37に示すように、プリアンブル部62及びピット部63を検出することは可能となるが、上述のように、ディスクリート部61の間に位置する記録トラックにおける、再生信号のアシンメトリ及び熱緩和等が発生しやすい。
【0016】
このように、従来の技術では、垂直磁気記録方式とディスクリートトラック媒体とを組み合わせると、トラッキングに支障が生じて、適切な再生が困難となっているのである。本願発明者は、このような原因を突き止めた上で、これを解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0017】
本発明に係る垂直磁気記録媒体には、互いに平行に延びる複数の記録トラックと、前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンと、が設けられている。そして、前記記録トラックにACイレーズ処理が施され、前記サーボパターンにDCイレーズ処理が施されている。
【0018】
本発明に係る磁気記録装置には、上述の垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体への情報の記録及び前記垂直磁気記録媒体からの情報の再生を行う磁気ヘッドと、が設けられている。
【0019】
本発明に係る垂直磁気記録媒体の製造方法では、互いに平行に延びる複数の記録トラック、及び前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンを形成し、その後に、前記記録トラック及び前記サーボパターンにDCイレーズ処理を施す。次に、前記記録トラックにACイレーズ処理を施す。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、記録トラックでのオフセットを防止すると共に、サーボパターンの検出を確実に行うことができる。従って、ディスクリートトラック媒体を用いても、高精度でのトラッキングサーボ制御が可能であり、より一層の高記録密度化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気記録装置(ハードディスク装置)の構造を示す模式図である。
【0023】
このハードディスク装置では、ベース1上に、磁気記録媒体2、スピンドルモータ3、磁気ヘッド4、サスペンション5、ボイスコイルモータ6、制御回路7及びランプ8が配置されている。そして、ハードディスク装置は、スピンドルモータ3により所定の回転数で円板状の磁気記録媒体2を回転させながら、磁気ヘッド4を用いて磁気記録媒体2に情報を記録したり、磁気記録媒体2から情報を再生したりする。ハードディスク装置の動作時には、磁気ヘッド4は、磁気記録媒体2の表面から10nm程度浮上しており、この浮上量はサスペンション5により保持されている。また、磁気記録媒体2には、図2に示すように、円周状に複数の記録トラック21が設けられると共に、磁気ヘッド4のトラッキングのために用いられるサーボパターン22が設けられている。トラッキングに際しては、制御回路7が、磁気ヘッド4を介して入力されたサーボパターン22からの信号に基づいて、磁気ヘッド4を駆動するボイスコイルモータ6により磁気ヘッド4の位置を調整することにより、磁気ヘッド4を所望の記録トラック21上に位置させる。なお、ランプ8は、磁気記録媒体2が停止している時に磁気ヘッド4が退避する部位である。
【0024】
また、図3に示すように、磁気記録媒体2としては、ディスクリートトラック媒体が用いられている。そして、例えば、ディスクリート部を構成するトラック溝の深さは10nm程度であり、トラック溝の幅は40nm程度であり、トラック溝のテーパ角は60°程度であり、ランド(記録トラック)の幅は80nm程度である。
【0025】
また、図4に、記録トラック21及びこれを横切るサーボパターン22の詳細を示す。なお、図3は、図4中のI−I線に沿った断面に相当する。本実施形態では、DCイレーズ処理が施されたDCイレーズ部42にサーボパターン22が位置しており、ACイレーズ処理が施されたACイレーズ部41に記録トラック21及びトラック溝部31(ディスクリート部)が位置している。トラック溝部31は円周方向に延びている。ACイレーズ部41及びDCイレーズ部42は、いずれも磁性材料からなる。サーボパターン22には、ほぼ半径方向に延びる4列のプリアンブル部32、及び島状に配置された複数のピット部33が2列をなして形成されている。ピット部33は、磁気ヘッド4による走査方向に関し、プリアンブル部32よりも後方に位置している。
【0026】
また、制御回路7には、図5に示す回路が含まれている。つまり、磁気ヘッド4から出力された信号が入力されるバンドパスフィルタ51、微分フィルタ52、プリアンブル検出部53及びピット検出部54がこの順で接続されている。また、プリアンブル検出部53によるプリアンブル部32の検出結果に応じてクロック信号を発生させるPLL回路55、ピット検出部54によるピット部33の検出結果とクロック信号とを比較する比較器56、比較器56による比較の結果に応じてトラッキングのためのRO(RUN OUT)信号を検出するRO信号検出部57が設けられている。このような構成の回路によって、サーボパターン22上を移動する磁気ヘッド4の位置が検出され、RO信号検出部57からの出力信号がボイルコイルモータ6に入力されて、磁気ヘッド4のトラッキングが行われる。このように、制御回路7により、磁気ヘッド4のサーボ制御が行われる。
【0027】
そして、このように構成されたハードディスク装置では、記録トラック21に情報が記録されていない場合、図4に示すように、記録トラック21からの再生信号(信号出力)にオフセットは生じない。これは、記録トラック21が、ACイレーズ処理が施されたACイレーズ部41内に位置するからである。
【0028】
一方、サーボパターン22に関しては、プリアンブル部32及びピット部33の位置に応じた再生信号が出力される。これは、プリアンブル部32及びピット部33が、DCイレーズ処理が施されたDCイレーズ部42内に位置するからである。
【0029】
従って、本実施形態によれば、サーボパターン22を用いた高精度のトラッキングを行いながら、出力信号のアシンメトリ及び熱緩和等を防止することができる。このため、垂直磁気記録方式とディスクリートトラック媒体とを組み合わせることが可能となり、より一層の高記録密度化を実現することができる。
【0030】
また、本実施形態では、図4に示すように、プリアンブル部32が記録トラック21と交差しているため、磁気ヘッド4が4列のプリアンブル部32上を確実に移動する。図37に示す従来の技術では、4列のプリアンブル部62が断続的に形成されているため、磁気ヘッドの移動経路によっては、プリアンブル部62の全部又は一部を認識できない可能性があるが、本実施形態では、このような不具合が防止される。
【0031】
次に、第1の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法について説明する。図6は、第1の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【0032】
先ず、図7に示すように、基板71上に下地層72を形成する。基板71としては、例えば強化ガラスからなるものを用いる。また、下地層72としては、例えばNiCr層をめっき法により形成する。次に、下地層72に凹部を形成することにより、トラック溝部31、プリアンブル部32及びピット部33を形成する。この凹部の形成に当たっては、金型を下地層72に加圧転写する。金型を形成する際には、図8に示すように、先ず、基板に原板レジストを塗布する(ステップS11)。次に、電子線を原板レジストに照射する(ステップS12)。次いで、原板レジストの現像を行う(ステップS13)。その後、基板にメタライズ処理を行う(ステップS14)。更に、メタライズ処理を行った部分に対してNiめっき処理を行う(ステップS15)。そして、基板の洗浄を行う(ステップS16)。次に、基板の裏面を研磨し(ステップS17)、外形の加工を行う(ステップS18)。図8中のステップS19は、上述の下地層72の形成に相当し、ステップS20は、凹部の形成に相当する。
【0033】
下地層72に凹部を形成した後には、図7に示すように、下地層72上に、軟磁性裏打ち層73、中間層74及びグラニュラ層75を、例えばスパッタリング法により順次形成する。軟磁性裏打ち層73としては、例えばFeCoCrB層、Ru層及びFeCoCrB層からなる積層体を形成する。中間層74としては、例えばTa層及びRu層からなる積層体を形成する。グラニュラ層75(記録層)としては、例えばCoCrPt層の粒界に多量のTiO2粒子が分散した層を形成する。従って、グラニュラ層75内では、CoCrPtからなる結晶粒がTiO2粒子に取り囲まれている。更に、グラニュラ層75上にキャップ層76を形成する。キャップ層76としては、例えばCoCrPtB層をスパッタリング法により形成する。次いで、キャップ層76上に保護層77を形成する。保護層77としては、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)層を低温CVD法により形成する。続いて、保護層77上に潤滑層78を形成する。潤滑層78としては、例えば引き上げ法により潤滑材であるフォンブリン(フッ素樹脂)の層を形成する。このようにして、磁気記録媒体2の原型となる元ディスクが形成される。なお、磁気記録媒体2の表面には、下地層72に形成された凹部を反映する凹部が存在する。
【0034】
その後、図6のステップS1において、第1の初期化処理として、元ディスクに対して全体的なDCイレーズ処理を行う。このDCイレーズ処理では、元ディスクに垂直に磁界が通るように、例えばNdFeCoの永久磁石を配置し、元ディスクを回転させながら、元ディスクの全体に磁界を印加する。この結果、グラニュラ層75内の磁化が元ディスクの表面に垂直な方向に揃う。
【0035】
図9は、DCイレーズ処理後の元ディスクの状態を示す模式図である。図9に示すように、DCイレーズ処理後においては、元ディスクのほぼ全面がDCイレーズ部42となっている。また、元ディスクには、上述のように、トラック溝部31、プリアンブル部32及びピット部33が既に形成されており、トラック溝部31間が記録トラックとして機能する。そして、トラック溝部31内には大気が入り込むため、トラック溝部31内と記録トラックとの間では、磁気的特性が不連続となっているといえる。また、トラック溝部31を間に挟んで隣り合う2個の記録トラックは、当該トラック溝部31により磁気的に分離されているといえる。なお、プリアンブル部32及びピット部33からサーボパターン22が構成されている。
【0036】
そして、このような状態で再生ヘッドが軌跡I上を走査すると、プリアンブル部32及
びピット部33の各凹部を反映した信号出力が得られ、制御回路7は、記録トラック上を正確に移動していると認識する。一方、再生ヘッドが軌跡II上を走査すると、トラック溝部31上を移動する際に信号出力が低下すると共に、ピット部33の一方のみを反映した信号出力が得られる。従って、制御回路7は、再生ヘッドが内側に寄り気味であることを認識する。そして、これらの情報に基づいてトラッキング制御が行われる。このように、プリアンブル部32及びピット部33の検出が確実に行われるのは、DCイレーズ処理が施され、これらの凹部において信号出力が低下するからである。しかしながら、DCイレーズ処理のみが施されているため、図9に示すように、いずれの場合にも、オフセットが生じてしまう。
【0037】
続いて、ステップS2において、第2の初期化処理として、図10に示すように、元ディスクに対して選択的なACイレーズ処理を行う。即ち、サーボパターン22の周囲はDCイレーズ部42としたまま、記録トラック21を構成する部分に対してACイレーズ処理を行うことにより、ACイレーズ部41を形成する。このACイレーズ処理では、例えば、トレーリングシールドタイプのライトヘッドと酸化アルミニウム層を磁気抵抗効果層とするTMR(Tunnel Magneto-Resistive)素子を備えた再生ヘッドとを組み合わせた磁気ヘッドを用いる。また、例えば、この磁気ヘッドには、DFH(Dynamic Flying Height)制御用のヒータを設けておき、ヒータに電流を流すことにより、浮上量を調整する。そして、例えば、トラッキング位置をずらしながら、70.9Mbpm(=1800kBPI)の記録密度でACイレーズ処理を行う。このようなACイレーズ処理を行うことにより、図10に示すように、記録トラック21でのオフセットが消滅する。
【0038】
なお、ディスクリートトラック用の物理的凹凸を形成していない垂直磁気記録媒体において、上述のものと同様の磁気ヘッドを用いて、DFH制御により浮上量を変えながら500kFCIの信号を記録してS/N比を評価したところ、図11に示す結果が得られた。つまり、浮上量が1nm変化すると、S/N比が約0.4dB変化した。このことから、本実施形態では、信号出力が約60%に低下すると考えられる。これは、本実施形態では、トラック溝部31の深さが10nm程度であるからである。
【0039】
ACイレーズ処理を行った後には、ステップS3において、ピット部33からの信号に基づくトラックサーボを開始し、ステップS4において、磁気記録媒体2のフォーマットを実行する。
【0040】
このような一連の処理を実行することにより、第1の実施形態における磁気記録媒体2を製造することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、プリアンブル部32及びピット部33を含むサーボパターン22を用いて所望のトラックへのトラッキングを行うことが可能である。しかし、図12に示すように、プリアンブル部32及び/又はピット部33の近傍に微小欠陥34等が存在すると、正確に信号を検出することができなくなり、正確なトラッキングが困難となる。これは、次の理由のためである。即ち、記録トラック21にユーザ情報等として記録される信号は、磁化の向きに合わせて+方向及び−方向のピーク・トゥー・ピーク(Peak to Peak)値として検出されるのに対し、サーボトラック22の信号はゼロ・トゥー・ピーク(Zero to Peak)値として検出される。このため、サーボトラック22の検出信号は、その変調振幅が最大の場合であっても、記録トラック21の検出信号の半分となる。つまり、トラッキングの利得が半分以下であり、微小欠陥34等が存在すると、正確な検出が困難となるのである。第2の実施形態は、このような不具合の解消を図っている。
【0042】
第2の実施形態では、図13に示すように、磁気ヘッド4の走査方向に関し、サーボパターン22とそのすぐ後方に位置する記録トラック21との間に、サーボパターン23が位置している。サーボパターン23には、SYNC部(同期部)35、バースト部36及びアドレス部37が含まれている。但し、サーボパターン22とは異なり、SYNC部35、バースト部36及びアドレス部37は、すべて平坦なACイレーズ部41内に、サーボ制御信号の記録により形成されている。即ち、SYNC部35、バースト部36及びアドレス部37と、これらを取り囲む領域(ACイレーズ部41)との間では、材料が同一であり、また、断面形状も同一であるため、磁気的特性が連続しているといえる。
【0043】
このような第2の実施形態によれば、プリアンブル部32及び/又はピット部33の近傍に微小欠陥34等が存在しても、サーボパターン23に基づく正確なトラッキングを行うことができる。そして、サーボパターン23に記録されている信号は、ピーク・トゥー・ピーク値として検出されるので、高い利得に基づく検出が可能である。従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態よりも高い精度でトラッキングを行うことができる。
【0044】
次に、第2の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法について説明する。図14は、第2の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【0045】
先ず、第1の実施形態と同様に、ACイレーズ部41の形成までの処理を行う(ステップS1及びS2)。但し、磁気ヘッド4の走査方向に関し、サーボパターン22とそのすぐ後方に位置するトラック溝部31との間隔を第1の実施形態よりも広くし、この部分もACイレーズ部41とする。
【0046】
次に、ステップS3において、ピット部33からの信号に基づくトラックサーボを開始し、ステップS5において、サーボ制御信号をACイレーズ部41内に選択的に記録することにより、SYNC部35、バースト部36及びアドレス部37を形成する。
【0047】
次いで、ステップS6において、サーボパターン22を用いてトラッキング制御を行った場合とサーボパターン23を用いてトラッキング制御を行った場合のオフセットを確認する。オフセットがある場合には、その量に応じた補正をサーボパターン23に対して行う。なお、実動作時にオフセットの量に応じた補正を検出信号に対して行ってもよい。
【0048】
その後、ステップS7において、サーボパターン23からの信号に基づくトラックサーボを開始し、ステップS8において、磁気記録媒体2のフォーマットを実行する。
【0049】
このような一連の処理を実行することにより、第2の実施形態における磁気記録媒体2を製造することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は、本発明の第3の実施形態における磁気記録媒体2を示す模式図である。
【0051】
第2の実施形態では、サーボパターン22がDCイレーズ部42内に設けられているが、第3の実施形態では、DCイレーズ部42に対してもACイレーズ処理を行うことにより、サーボパターン23の周囲をACイレーズ部43としている。
【0052】
このような第3の実施形態によれば、図15に示すように、サーボパターン22からは信号が検出されなくなるため、必然的に実動作時のトラッキング制御はサーボパターン23に基づいて行うこととなる。このため、図16に示すように、サーボパターン22に異物の付着等の微小欠陥34が存在する場合でも、これに伴って発生するサーマルアスペリティを無視した正確な制御が可能となる。即ち、異物が存在する場合、磁気ヘッド4と異物とが衝突し、これに伴って温度が上昇し、出力値の変動(サーマルアスペリティ)が生じることがあるが、第3の実施形態によれば、これをサーボ制御信号と誤検出する虞がない。従って、より一層正確なトラッキング制御が可能となる。
【0053】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、磁気記録媒体2の製造方法が第2の実施形態と相違している。図17は、本発明の第4の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【0054】
第4の実施形態では、ステップS3におけるトラックサーボの開始から、ステップS5におけるSYNC部35、バースト部36及びアドレス部37の形成までの間に、テストライト(ステップS8)及びトラックプロファイルの確認(ステップS9)を行う。
【0055】
ステップS8のテストライトでは、ステップS3のトラックサーボを継続したまま、トラッキング位置を少しずつずらしながら、記録トラック21に予め定められた信号を記録する。
【0056】
そして、ステップS9では、記録された信号を再生して、トラックプロファイルの確認を行う。トラックプロファイルとして信号の振幅(RF信号出力振幅)を検証した場合には、例えば、図18に示すようなプロファイルが得られる。また、トラックプロファイルとして信号のバイトエラー率(byte error rate)を検証した場合には、例えば、図19に示すようなプロファイルが得られる。図18及び図19には、任意に選択した3箇所での検証結果を示してある。そして、振幅の検証を行った場合には、極大値同士を比較し、図18に示すように、極大値が最大となる位置を記録ヘッドの最適位置と判断すると共に、その時の再生ヘッドの位置とのずれ量を最適オフセット量と判断する。一方、バイトエラー率を検証した場合には、極小値同士を比較し、図19に示すように、極小値が最小となる位置を記録ヘッドの最適位置と判断すると共に、その時の再生ヘッドとのずれ量を最適オフセット量と判断する。一例として、図20に、最適オフセット量が0nmの場合にバイトエラー率が極小となる位置をプロットした結果を示す。
【0057】
記録ヘッドの最適位置及び最適オフセット量を求めた後には、第2の実施形態と同様にして、サーボパターン23の形成以降の処理を実行する。
【0058】
このような第4の実施形態によれば、サーボパターン23を所望の位置に確実に形成することができる。第2の実施形態では、例えば、ピット部33同士の中心位置にずれが発生する虞がある。また、上述のように、サーボパターン22からの信号の振幅は比較的小さいため、十分な精度が得られないことがある。このような場合、記録ヘッドの位置を適切に定めることができず、サーボパターン23を所望の位置に形成することができないこともある。これに対し、第4の実施形態によれば、記録ヘッドの位置を調整した後に、サーボパターン23を形成するため、より正確なサーボパターン23を得ることができる。そして、このサーボパターン23を用いてトラッキング制御を行うこととなるため、より正確な再生を行うことが可能となる。即ち、情報の記録再生特性をより一層向上することができる。
【0059】
なお、第4の実施形態に対して、第3の実施形態のように、DCイレーズ部42をACイレーズ部43としてもよい。この場合、図21に示すように、フォーマット(ステップS4)を行う前に、DCイレーズ部42に対してACイレーズ処理を行えばよい。このような処理を行うことにより、第3及び第4の実施形態の効果を得ることができる。
【0060】
また、これらの実施形態では、ディスクリートトラック媒体の形成に当たり、トラック溝部31を用いることとしているが、図29〜図31に示すような磁性部と非磁性部とを組み合わせた構成のディスクリートトラック媒体を形成してもよい。また、互いに保磁力等の磁気特性の異なる材料同士を組み合わせた構成のディスクリートトラック媒体等を形成してもよい。つまり、ディスクリートトラック媒体の種類を問わず、本願発明の効果は発揮され得る。
【0061】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0062】
(付記1)
互いに平行に延びる複数の記録トラックと、
前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンと、
を有する垂直磁気記録媒体であって、
前記記録トラックにACイレーズ処理が施され、
前記サーボパターンにDCイレーズ処理が施されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【0063】
(付記2)
前記複数の記録トラック同士を磁気的に分離するディスクリート部を有することを特徴とする付記1に記載の垂直磁気記録媒体。
【0064】
(付記3)
前記サーボパターンは、
前記記録トラックが延びる方向と交差する方向に延びるプリアンブル部と、
前記記録トラックに記録された情報を読み取る再生ヘッドが移動する方向において前記プリアンブル部よりも後方に位置するピット部と、
を有することを特徴とする付記1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
【0065】
(付記4)
前記記録トラックと前記サーボパターンとの間に設けられ、磁気的なサーボ制御情報が記録された第2のサーボパターンを有し、
前記第2のサーボパターンにACイレーズ処理が施されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
【0066】
(付記5)
前記第2のサーボパターンを構成する材料の磁気的特性は、それを取り囲む領域の材料の磁気的特性と実質的に同一であり、
前記第2のサーボパターンとそれを取り囲む領域とが実質的に平坦となっていることを特徴とする付記4に記載の垂直磁気記録媒体。
【0067】
(付記6)
互いに平行に延びる複数の記録トラックと、
前記記録トラックの途中に設けられ、磁気的なサーボ制御情報が記録されたサーボパターンと、
を有する垂直磁気記録媒体であって、
前記記録トラック及び前記第2のサーボパターンにACイレーズ処理が施されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【0068】
(付記7)
付記1乃至6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
前記垂直磁気記録媒体への情報の記録及び前記垂直磁気記録媒体からの情報の再生を行う磁気ヘッドと、
を有することを特徴とする磁気記録装置。
【0069】
(付記8)
互いに平行に延びる複数の記録トラック、及び前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンを形成する工程と、
前記記録トラック及び前記サーボパターンにDCイレーズ処理を施す工程と、
前記記録トラックにACイレーズ処理を施す工程と、
を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0070】
(付記9)
前記複数の記録トラックを形成する工程は、前記複数の記録トラック同士を磁気的に分離するディスクリート部を形成する工程を有することを特徴とする付記8に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0071】
(付記10)
前記サーボパターンを形成する工程は、前記記録トラックが延びる方向と交差する方向に延びるプリアンブル部、及び前記記録トラックに記録された情報を読み取る再生ヘッドが移動する方向において前記プリアンブル部よりも後方に位置するピット部を形成する工程を有することを特徴とする付記8又は9に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0072】
(付記11)
前記ACイレーズ処理を施す工程において、前記記録トラックと前記サーボパターンとの間の領域にもACイレーズ処理を施し、
その後に、前記記録トラックと前記サーボパターンとの間のACイレーズ処理が施された領域内に、磁気的なサーボ制御情報を第2のサーボパターンとして記録する工程を有することを特徴とする付記8乃至10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0073】
(付記12)
前記サーボ制御情報が記録される領域の材料の磁気的特性を、それを取り囲む領域の材料の磁気的特性と実質的に同一なものとし、
前記サーボ制御情報が記録される領域とそれを取り囲む領域とを実質的に平坦としておくことを特徴とする付記11に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0074】
(付記13)
前記第2のサーボパターンを形成する工程の後に、前記サーボパターンにACイレーズ処理を施す工程を有することを特徴とする付記11又は12に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【0075】
(付記14)
前記サーボ制御情報を記録する工程の前に、前記サーボパターンに基づくトラッキング制御を行いながら前記記録トラックにテストライトを行う工程を有し、
前記サーボ制御情報を記録する工程において、前記テストライトの結果に基づいて記録ヘッドの位置を制御することを特徴とする付記11乃至13のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気記録装置(ハードディスク装置)の構造を示す模式図である。
【図2】磁気記録媒体2の概要を示す図である。
【図3】磁気記録媒体2の断面形状を示す図である。
【図4】第1の実施形態におけるパターンの詳細を示す模式図である。
【図5】制御回路7の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【図7】磁気記録媒体2の層構成を示す図である。
【図8】凹部を形成する方法を示すフローチャートである。
【図9】DCイレーズ処理後の元ディスクの状態を示す模式図である。
【図10】ACイレーズ処理後の元ディスクの状態を示す模式図である。
【図11】磁気ヘッドの浮上量とS/N比との関係を示すグラフである。
【図12】微小欠陥に伴う不具合を示す模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態におけるパターンの詳細を示す模式図である。
【図14】第2の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施形態におけるパターンの詳細を示す模式図である。
【図16】第3の実施形態の作用を示す模式図である。
【図17】本発明の第4の実施形態における磁気記録媒体2を製造する方法を示すフローチャートである。
【図18】RF信号出力振幅のプロファイルの一例を示すグラフである。
【図19】バイトエラー率のプロファイルの一例を示すグラフである。
【図20】最適オフセット量が0nmの場合にバイトエラー率が極小となる位置を示すグラフである。
【図21】第4の実施形態に第3の実施形態を適用する場合の磁気記録媒体2を製造する方法をフローチャートである。
【図22】垂直磁気記録方式における磁気ヘッド及び磁気記録媒体を示す模式図である。
【図23】従来の垂直磁気記録媒体の層構成を示す図である。
【図24】反磁界を示す図である。
【図25】従来の垂直磁気記録媒体の記録再生特性を示すグラフである。
【図26】従来の記録媒体を示す図である。
【図27】従来の記録媒体における不具合を示す図である。
【図28】ディスクリートトラック媒体の第1の例を示す図である。
【図29】ディスクリートトラック媒体の第2の例を示す図である。
【図30】ディスクリートトラック媒体の第3の例を示す図である。
【図31】ディスクリートトラック媒体の第4の例を示す図である。
【図32】ディスクリートトラック媒体の第1の例の作用を示す図である。
【図33】ディスクリートトラック媒体の第2の例の作用を示す図である。
【図34】ACイレーズ処理の概要を示す図である。
【図35】DCイレーズ処理の概要を示す図である。
【図36】ACイレーズ部及びDCイレーズ部の再生信号を示す図である。
【図37】従来の磁気記録媒体におけるパターンの詳細を示す模式図である。
【符号の説明】
【0077】
1:ベース
2:磁気記録媒体
3:スピンドルモータ
4:磁気ヘッド
5:サスペンション
6:ボイスコイルモータ
7:制御回路
8:ランプ
21:記録トラック
22:サーボパターン
31:トラック溝部
32:プリアンブル部
33:ピット部
34:微小欠陥
35:SYNC部
36:バースト部
37:アドレス部
41:ACイレーズ部
42:DCイレーズ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に延びる複数の記録トラックと、
前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンと、
を有する垂直磁気記録媒体であって、
前記記録トラックにACイレーズ処理が施され、
前記サーボパターンにDCイレーズ処理が施されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
前記複数の記録トラック同士を磁気的に分離するディスクリート部を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
前記記録トラックと前記サーボパターンとの間に設けられ、磁気的なサーボ制御情報が記録された第2のサーボパターンを有し、
前記第2のサーボパターンにACイレーズ処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
互いに平行に延びる複数の記録トラックと、
前記記録トラックの途中に設けられ、磁気的なサーボ制御情報が記録されたサーボパターンと、
を有する垂直磁気記録媒体であって、
前記記録トラック及び前記第2のサーボパターンにACイレーズ処理が施されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
前記垂直磁気記録媒体への情報の記録及び前記垂直磁気記録媒体からの情報の再生を行う磁気ヘッドと、
を有することを特徴とする磁気記録装置。
【請求項6】
互いに平行に延びる複数の記録トラック、及び前記記録トラックの途中に位置するサーボパターンを形成する工程と、
前記記録トラック及び前記サーボパターンにDCイレーズ処理を施す工程と、
前記記録トラックにACイレーズ処理を施す工程と、
を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記複数の記録トラックを形成する工程は、前記複数の記録トラック同士を磁気的に分離するディスクリート部を形成する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
前記ACイレーズ処理を施す工程において、前記記録トラックと前記サーボパターンとの間の領域にもACイレーズ処理を施し、
その後に、前記記録トラックと前記サーボパターンとの間のACイレーズ処理が施された領域内に、磁気的なサーボ制御情報を第2のサーボパターンとして記録する工程を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項9】
前記第2のサーボパターンを形成する工程の後に、前記サーボパターンにACイレーズ処理を施す工程を有することを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項10】
前記サーボ制御情報を記録する工程の前に、前記サーボパターンに基づくトラッキング制御を行いながら前記記録トラックにテストライトを行う工程を有し、
前記サーボ制御情報を記録する工程において、前記テストライトの結果に基づいて記録ヘッドの位置を制御することを特徴とする請求項8又は9に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2008−77772(P2008−77772A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256343(P2006−256343)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】