説明

型抜きプレス装置および型抜きプレス装置の平行度測定システム

【課題】
下定盤基台と金属表面板とを密着させることで高い打抜き精度を実現し、また打抜き動作のヒステリシスを解消することで起動時のウォーミングアップ駆動回数を激減できる打抜き型抜きプレス装置、および測定時間を短縮できる平行度測定システムを提供する。
【解決手段】
型抜きプレス装置1は、上下定盤11,13の何れかに型抜き用金型ボード13をセットし、定盤プレスにより型抜き用金型ボード13により薄状体を打抜くもので、上下定盤が、磁性体金属基台111,121と上下定盤の少なくとも一方(実施形態では、前記型抜き用金型ボードがセットされる側)の磁性体金属基台に対して着脱できる金属表面板112,122と、磁性体金属基台と金属表面板との間に介在し一方の面が磁性体金属基台に磁気吸着し、他方の面が前記金属表面板と磁気吸着しまたは接合されているマグネットシート113,123とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下定盤の何れかに型抜き用金型ボードをセットし、定盤プレスにより前記型抜き用金型ボードにより薄状体を打抜く型抜きプレス装置およびこの型抜きプレス装置を用いた平行度測定システムに関し、下定盤基台と金属表面板とを密着させることで高い打抜き精度を実現し、また打抜き動作のヒステリシスを解消することで起動時のウォーミングアップ駆動回数を激減できる打抜き型抜きプレス装置、および測定時間を短縮できる平行度測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄状体を打抜くために、上下定盤の何れかに型抜き用の金型ボードをセットし、プレスにより型抜きする装置が知られている。図8(A)の型抜き装置8では、定盤(81,82)のうち下定盤82に金型ボード83を装着して、打抜き対象84を打抜く様子を示している。下定盤82には、下定盤基台821上に金属表面板822が設けられており、この金属表面板822は適宜交換される。
【0003】
通常の紙器・ダンボールやシートでは、図8(A)の型抜き装置8を使用すれば、要求される精度の打抜きが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、打抜き対象84が高い寸法精度を要求されるフィルムである場合、打抜き刃831の刃先全体が、打抜き対象84に同時に接触し、切断後は打抜き対象84に同時に離れる必要があるが、そのためには下定盤基台821および金属表面板822の平面性が高くなければならない。
【0005】
しかし、実際には図8(B)に示すように下定盤基台821と金属表面板822との間に僅かな隙間C(たとえば、数十ミクロン)が存在しており、金属表面板822の平面性が悪くなり、打抜き精度の低下を招く。
【0006】
さらに、この隙間は、打抜き動作の履歴効果(ヒステリシス)の原因となり連続した均一な打抜きができなくなる。すなわち、抜き刃831の先端と金属表面板822との距離は、隙間Cが存在する部分では小さく、隙間Cが存在しない部分では大きくなり、隙間Cが存在しない部分での打抜き不良が生じる易くなる。この不都合を解消するべく、隙間Cが存在しない部分の金型ボード83下面に金属箔(いわゆるムラ取りテープ等)を貼り付けて高さの均一を図るが、打抜きを続けているうちに隙間Cの大きさが小さくなり、隙間Cが存在する部分の抜き刃831の先端と金属表面板822との距離が大きくなってしまう。すなわち、打ち抜き動作にヒステリシスが生じると、隙間Cが存在する部分での打抜き不良が生じ易くなり、せっかく金型ボード83の下面に金属箔を貼り付けても、打抜き不良を免れないこともある。
この打抜き動作のヒステリシスは、起動時にいわゆる「ウォーミングアップ駆動」を多数回行えば、幾分かは小さくなるが、根本的な解決にはならない。
【0007】
本発明の目的は、磁気力を利用することで、下定盤基台と金属表面板とを密着させることで、高い打抜き精度を実現し、また打抜き動作のヒステリシスを解消することで起動時のウォーミングアップ駆動回数を激減できる打抜き型抜きプレス装置、および上下定盤の平行度の測定に際して測定ごとのバラツキが小さく測定時間を短縮できる平行度測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
上下定盤の何れかに型抜き用金型ボードをセットし、定盤プレスにより前記型抜き用金型ボードにより薄状体を打抜く、型抜きプレス装置において、
前記上下定盤が、
前記磁性体金属基台と、
前記下定盤の少なくとも一方(実施形態では、前記型抜き用金型ボードがセットされる側)の磁性体金属基台に対して着脱できる金属表面板と、
前記磁性体金属基台と前記金属表面板との間に介在し一方の面が前記磁性体金属基台に磁気吸着し、他方の面が前記金属表面板と磁気吸着しまたは接合されているマグネットシートと、
を備えていることを特徴とする型抜きプレス装置。
本発明の型抜きプレス装置では、マグネットシートは可撓性が必須である。圧縮弾性はなるべく小さいことが好ましい。すなわち、マグネットシートは、プレス時に圧縮変形しない材料であることが好ましい。
【0009】
(2)
前記マグネットシートが、合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートに混入された磁界方向が平均して前記合成樹脂シートの表面方向に向いた磁界形成材とを備え、
前記磁界形成材による磁界が前記合成樹脂シートの両面側に形成されていることを特徴とする(1)に記載の型抜きプレス装置。
本発明の型抜きプレス装置では、金属表面板と磁性体金属基台との間に隙間が生じないように(または生じたとしても、隙間の総量が極めて小さいくなるように)、マグネットシートが作用する。マグネットシートの両面に磁界が形成されており、かつ金属表面板が磁性体である場合には、マグネットシートと金属表面板は磁力により密着する。
【0010】
(3)
前記マグネットシートが、合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートに混入された磁界方向が平均して前記合成樹脂シートの表面方向に向いた磁界形成材とを備え、
前記磁界形成材による磁界が前記合成樹脂シートの前記他方の面側には形成されていないことを特徴とする(1)に記載の型抜きプレス装置。
マグネットシートの片面に磁界が形成されている場合には、金属表面板が磁性体であるか否かによらず、マグネットシートと金属表面板はたとえば接着材により密着するか、マグネットシートを金属表面板に熱圧着させることができる。
【0011】
(4)
上下定盤の何れかに型抜き用金型ボードをセットし、定盤プレスにより前記型抜き用金型ボードにより薄状体を打抜く、型抜きプレス装置において、
前記上下定盤が、
前記磁性体金属基台と、
前記上下定盤の少なくとも一方の磁性体金属基台に磁気吸着できる金属表面板と、
を備えていることを特徴とする型抜きプレス装置。
【0012】
(5)
金属箔が前記マグネットシートと前記磁性体金属基台との間、または前記マグネットシートと前記金属表面板との間にセットされていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の抜き方プレス装置。
この金属箔は、高さ調整用であり、前記マグネットシートと前記金属表面板とが着脱不可能に密着している場合には、通常、金属箔は前記マグネットシートと前記磁性体金属基台との間にセットされる。
【0013】
(6)
上下定盤の何れかに上下定盤間距離を測定するセンサを複数点に備えた測定ボードを前記型抜き用金型ボードに代えてセットし、打抜き時に前記測定ボードにより測定された距離情報(下死点情報)に基づき、前記上下定盤の前記複数点での盤面同士の距離が等しくなるように、前記上下定盤の前記型抜き用金型ボードがセットされる側の定盤にムラ取り補正処理を施す型抜きプレス装置の平行度測定システムにおいて、
前記型抜きプレス装置が(1)から(5)の何れかに記載の型抜きプレス装置であることを特徴とする型抜きプレス装置の平行度測定システム。
【発明の効果】
【0014】
(1)磁気力を利用して下定盤基台と金属表面板とを密着させ、高い打抜き精度を実現することができる。
(2)打抜き動作のヒステリシスを解消することで起動時のウォーミングアップ駆動回数を激減できる。
(3)金属箔を使用してムラ取り補正をする場合、金属箔の厚み分が正確に上下定盤間の距離に反映される。
(4)高さ誤差の少ない型抜き用金型ボードを使用して、金属箔等によるムラ取り補正をすることで、上定盤と下定盤との距離が均等になる。
(5)上下定盤の平行度の測定に際して測定ごとのバラツキが小さく測定時間を短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1(A)は本発明の型抜きプレス装置の一実施形態を示す説明図であり、図1(B)は図1(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略した説明図である。
図1(A)において、型抜きプレス装置1は、上定盤11と下定盤12とを備えており、下定盤12に型抜き用金型ボード13がセットされている。型抜き用金型ボード13に打ち抜きを行なう薄状体2(本実施形態では、フィルム)が配置され、上定盤11を下降させることにより(すなわち、上定盤11と型抜き用金型ボード13とをプレス動作することにより)薄状体2の打抜きが行われる。図1(A)では薄状体2と上定盤11との間に定盤保護用面材14を設けてある。
【0016】
上定盤11は、磁性体金属基台111と、金属表面板112とを備えていおり、磁性体金属基台111は上定盤11の本体である。金属表面板112は、磁性体金属基台111にビス等により固定されているが磁性体金属基台111に対して適宜着脱ができる。磁性体金属基台111と金属表面板112との間には、マグネットシート113が介在している。
【0017】
図1(B)に示すように、本実施形態では、マグネットシート113は、下面が磁気を有しており磁性体金属基台111に磁気吸着する。本実施形態では、マグネットシート113の上面側は、金属表面板112に接合されている。本実施形態では、この接合は接着材により行われており、図1(B)では接着面Cで示してある。本実施形態および以下の実施形態では、マグネットシート1の厚さは、通常は、0.3mmから0.7mm程度のものが使用できる。マグネットシート1の構成素材は、可撓性を有するが圧縮しにくいものを使用する必要がある。マグネットシート1の構成素材として、圧縮し易いものを使用すると、後述するムラ取り用の金属箔13(数μmから数十数μm、厚いものでは数百μm)の厚み補正の効果が低下する、圧縮しにくいものを使用する必要がある。
【0018】
下定盤12も、磁性体金属基台121と、金属表面板122と、マグネットシート123とを備えており、これらの配置は上定盤12と対称となっている。すなわち、金属表面板122は、磁性体金属基台(下定盤本体)121にビス等により固定されているが磁性体金属基台121に対して適宜着脱ができる。磁性体金属基台121と金属表面板122との間には、マグネットシート123が介在している。マグネットシート123は、下面が磁気吸着機能を有しており磁性体金属基台121に磁気吸着し、上面が金属表面板122に接合されている。
【0019】
図1(A)の型抜きプレス装置1では、下定盤12側において、ムラ取り用の金属箔15が、マグネットシート123と磁性体金属基台121との間に配置されている。金属箔15は、マグネットシート123に接着材や両面粘着テープにより取り付けることもできるが、金属箔15が磁性体の場合には、金属箔15はマグネットシート113に接着材なしに貼り付けることもできる。上定盤11側にも、下定盤12側と同様に金属箔を配置することもできるが、通常は、図1(B)に示すように、下定盤12側だけに金属箔を配置すれば、ムラ取りは十分である。
【0020】
下定盤12の金属表面板111は、本来は繰り返しの使用に平面性が損なわれたり、傷が付いたりしたときに適宜交換される。型抜き用金型ボード13が下定盤12にセットされる構造の場合には、図2(A)に示すように、金属表面板111が設けられないことも多い。この場合には、上定盤11には当然マグネットシートは設けられない。図2(B)に、図2(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略したマグネットシート123の作用図を示す。
【0021】
図3(A)は、図1(A)と同様、下定盤12に型抜き用金型ボード13がセットされている型抜きプレス装置1の実施形態を示す説明図であり、図3(B)は図3(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略した説明図である。
図3(A)では金属表面板112および122は磁性体であり、かつマグネットシート113および123の両面が磁気吸着機能を有している。図1(B)に示したようにの図1の実施形態では、マグネット113と金属表面板112とは接着材により接合されているが、本実施形態では、図3(B)に示すように金属表面板112はマグネット113に磁気吸着されている。
【0022】
図3(B)に示すように本実施形態では、下定盤12側において、ムラ取り用の金属箔15が、マグネットシート123と金属表面板122との間に配置されている。この場合にも、図1(B)で説明したと同様、金属箔15は、マグネットシート123に接着材や両面粘着テープにより取り付けることもできるが、金属箔15が磁性体の場合には、金属箔15は接着材なしにマグネットシート113に貼り付けることもできる。上定盤11側にも、下定盤12側と同様に金属箔を配置することもできるが、通常は、図2(B)に示したように下定盤12側だけに金属箔15を配置すればムラ取りは十分である。
【0023】
図4(A)に示すように、上定盤11側に型抜き用金型ボードやマグネットシートを設けないようにもできる。図4(B)に、図4(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略したマグネットシート123の作用図を示す。
【0024】
図5(A)は、上定盤11に型抜き用金型ボード13が取り付けられた実施形態を示す説明図である。図5(B)に、図5(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略したマグネットシート123の作用図を示す。
図5(A)では、型抜き用金型ボード13は上定盤11にソレノイド装置16により磁気固定されている。下定盤12は、磁性体金属基台121と、金属表面板122と、マグネットシート123とを備えている。図5(A)では、型抜き用金型ボード13は上定盤11に強固に取り付けられているので、空隙Cによる誤差は下定盤12の金属表面板121に起因するもののみを考慮すればよい。
【0025】
図1(A),(B)および図3(A),(B)の実施形態では、上定盤11側の上定盤基台111と金属表面板112との間、および下定盤12側の下定盤基台121と金属表面板122との間に空隙は生じないし(生じたとしても、マグネットシート113,123を用いない場合と比較して極めて僅かである)、金属表面板811および822の平面性が保たれ、打抜き精度が低下することはなくなる。また、打抜き動作のヒステリシスが短いウォーミングアップ駆動回数で生じなくなるので、作業効率が向上するとともに、電力節減も達成できる。従来では、下定盤12側の下定盤基台121と金属表面板122との間に空隙が生じているため、ムラ取り用金属箔15を配置してもその効果が空隙により減殺されることも多かった。図1(A),(B)および図3(A),(B)の実施形態では空隙が生じない(または、生じたとしても極めて僅かである)ので、ムラ取り用金属箔15の効果が顕著となる。
【0026】
図2(A),(B)、図4(A),(B)および図5(A),(B)の実施形態では、下定盤12側の下定盤基台121と金属表面板122との間に空隙は実質生じないし、金属表面板122の平面性が保たれ、打抜き精度が低下することはなくなる。また、図1(A),(B)および図3(A),(B)の場合と同様、作業効率が向上するとともに、電力節減も達成できるし、ムラ取り用の金属箔15の効果が顕著となる。
なお、マグネットシート113と下定盤基台111と金属表面板112との間、マグネットシート123と下定盤基台121と金属表面板122との間にエアーが溜まることがある。このエアーは、マグネットシート113,123に連通または非連通の切り込みを入れたり溝を形成したりすることで、このエアーを排除することができる。本発明では、高さ誤差の少ない型抜き用金型ボード13を使用して、金属箔15等による高さ補正をすることで、上定盤11と下定盤12との距離が均等になる。
【0027】
本発明では、図6(A)に示すように、マグネットシート113,123を使用せずに、金属表面板112,122に磁気吸着力を持たせておき、上記の各実施形態と同様の作用を奏することができる。図6(A)では上定盤11側との金属表面板112と、下定盤12側のの金属表面板122に磁気吸着力を持たせてあるが、何れか一方に磁気吸着力を持たせるようにしてもよい。図6(B)に、図6(A)に示す型抜き用金型ボード13と薄状体2を省略した作用図を示す。
図7は本発明の平行度測定システムの実施形態を示す説明図である。
図7の平行度測定システム4では、本発明の型抜きプレス装置であればどのようなものも用いることができるが、本実施形態では、図3に示した型抜きプレス装置1を用いることにする。
【0028】
図7の平行度測定システム4では、型抜き用金型ボード13に代えて、測定ボード41が下定盤12上にセットされ、測定ボード41にはコンピュータ42が接続されている。
測定ボード41は、型抜きプレス装置1の上定盤11と下定盤12との平行度を測定するために使用されるもので、ボード本体411とラバープレート412と複数のセンサU1〜U5とを備えている。
センサU1〜U5は、上定盤11の下面(すなわち、金属表面板112の下面)と下定盤12の上面(すなわち、金属表面板122の下面)との間の距離を測定する。
型抜きプレス装置1の駆動時(プレス動作時)に、センサU1〜U5により測定された距離情報(下死点情報)がデータ出力端子413を介してコンピュータ42に送出される。
コンピュータ42は、この下死点情報に基づき、上定盤11と下定盤12の複数点での盤面間の距離(または、盤面間の距離が等しくなるような補正数値)を計算する。
【0029】
作業員は、この計算結果に基づき、型抜き用金型ボード13がセットされた側の定盤、すなわち下定盤12にムラ取り補正処理を施す。このムラ取り補正処理は、上述したように通常は金属箔15をマグネットシート123や金属表面板122に貼り付けることにより行われるが、たとえば金属表面板122の下面を削り取るような他の手法を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】上下定盤にマグネットシートが備えられ、マグネットシートと金属表面板とが接着された本発明の型抜きプレス装置(型抜き用金型ボードが下定盤に取り付けられている)の一実施形態を示す図であり、(A)は本発明の型抜きプレス装置の一実施形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図2】下定盤にマグネットシートが備えられ、マグネットシートと金属表面板とが接着された本発明の型抜きプレス装置の一実施形態を示す図であり、(A)は本発明の型抜きプレス装置の変形形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図3】上下定盤にマグネットシートが備えられ、マグネットシートと金属表面板とが磁気吸着された本発明の型抜きプレス装置(型抜き用金型ボードが下定盤に取り付けられている)の一実施形態を示す図であり、(A)は本発明の型抜きプレス装置の他の実施形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図4】下定盤にマグネットシートが備えられ、マグネットシートと金属表面板とが磁気吸着された本発明の型抜きプレス装置の一実施形態を示す図であり、(A)は本発明の型抜きプレス装置の変形形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図5】下定盤にマグネットシートが備えられ、マグネットシートと金属表面板とが磁気吸着された本発明の型抜きプレス装置(型抜き用金型ボードが上定盤に取り付けられている)の一実施形態を示す図であり、(A)は本発明の型抜きプレス装置の変形形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図6】マグネットシートを使用せずに、金属表面板に磁気吸着力を持たせておき、上記の実施形態と同様の作用を奏する実施形態を示す図であり、(A)はマグネットシートを使用しない型抜きプレス装置の実施形態を示す説明図、(B)は(A)に示す型抜き用金型ボードと薄状体を省略した説明図である。
【図7】本発明の平行度測定システムの実施形態を示す説明図である。
【図8】(A)は従来の型抜きプレス装置を示す図であり、(B)は(A)は型抜きプレス装置の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 型抜きプレス装置
2 薄状体
4 平行度システム
11 上定盤
12 下定盤
13 型抜き用金型ボード
14 定盤保護用面材
15 金属箔
16 ソレノイド装置
41 測定ボード
42 コンピュータ
111,121 磁性体金属基台
112,122 金属表面板
113,123 マグネットシート
411 ボード本体
412 ゴム板
413 データ出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下定盤の何れかに型抜き用金型ボードをセットし、定盤プレスにより前記型抜き用金型ボードにより薄状体を打抜く、型抜きプレス装置において、
前記上下定盤が、
前記磁性体金属基台と、
前記上下定盤の少なくとも一方(実施形態では、前記型抜き用金型ボードがセットされる側)の磁性体金属基台に対して着脱できる金属表面板と、
前記磁性体金属基台と前記金属表面板との間に介在し一方の面が前記磁性体金属基台に磁気吸着し、他方の面が前記金属表面板と磁気吸着しまたは接合されているマグネットシートと、
を備えていることを特徴とする型抜きプレス装置。
【請求項2】
前記マグネットシートが、合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートに混入された磁界方向が平均して前記合成樹脂シートの表面方向に向いた磁界形成材とを備え、
前記磁界形成材による磁界が前記合成樹脂シートの両面側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の型抜きプレス装置。
【請求項3】
前記マグネットシートが、合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートに混入された磁界方向が平均して前記合成樹脂シートの表面方向に向いた磁界形成材とを備え、
前記磁界形成材による磁界が前記合成樹脂シートの前記他方の面側には形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の型抜きプレス装置。
【請求項4】
上下定盤の何れかに型抜き用金型ボードをセットし、定盤プレスにより前記型抜き用金型ボードにより薄状体を打抜く、型抜きプレス装置において、
前記上下定盤が、
前記磁性体金属基台と、
前記上下定盤の少なくとも一方の磁性体金属基台に磁気吸着できる金属表面板と、
を備えていることを特徴とする型抜きプレス装置。
【請求項5】
金属箔が前記マグネットシートと前記磁性体金属基台との間、または前記マグネットシートと前記金属表面板との間にセットされていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の抜き方プレス装置。
【請求項6】
上下定盤の何れかに上下定盤間距離を測定するセンサを複数点に備えた測定ボードを前記型抜き用金型ボードに代えてセットし、打抜き時に前記測定ボードにより測定された距離情報(下死点情報)に基づき、前記上下定盤の前記複数点での盤面同士の距離が等しくなるように、前記上下定盤の前記型抜き用金型ボードがセットされる側の定盤にムラ取り補正処理を施す型抜きプレス装置の平行度測定システムにおいて、
前記型抜きプレス装置が請求項1から請求項5の何れかに記載の型抜きプレス装置であることを特徴とする型抜きプレス装置の平行度測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−166220(P2009−166220A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10076(P2008−10076)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】