説明

埋め込み型回転手摺りユニット

【課題】 本発明は住宅などで行われる手摺り取り付け工事において取り付けが簡単で圧迫感のない、手摺りの角度を自在に調整でき、長期間の使用に耐えられる丈夫な埋め込み型回転手摺りを提供する事を目的とする。
【解決手段】 本発明は主に埋め込みボックス、化粧カバー、手摺り部、調整枠の4のパーツを壁の施工状況にあわせて組み立てながら取りつけることで住宅などへの設置をしやすくし、壁内に埋め込む部分を箱型にすることで壁内の強度のある柱や間柱に簡単に取り付けられ、ボックスの中の一箇所で固定する事で手摺りを回転可能にして自由な取付け角度が選べる手摺りとし、埋め込まれたボックスと手摺り取り付け用の金具との固定箇所にずれ防止用金具を取り付けることにより手摺りの角度を変えて固定しなおしても、また長期間使用してもずれや緩みがこない機能を持った取り付けが簡単な埋め込み型回転手摺りとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に建物内において行なわれるバリアフリーのための手摺り取り付け工事における、手摺りの角度を自由に取り付けられる壁内埋め込み型手摺りユニットに関するものである。
【技術背景】
【0002】
近年の住宅ではバリアフリー化は必然で、床などの段差をなくし階段以外でもトイレや浴室や廊下、さらに玄関などにも手摺りを取り付けることが多くなってきている。特に高齢者や足の不自由な人にとっては日常生活の中で手摺りは欠かすことができない。一方で日本人の平均身長や体重は大きくなったのに木造住宅の柱間隔などの基本寸法は昔から変らないため、トイレや廊下などの空間は狭く感じるようになっている。そんな環境の中でさらに壁の表面に手摺りをつけることはただでさえ狭い空間を圧迫していた。
【0003】
しかし住宅の壁の中にはコンクリートや金属や木製の構造材などが入っていたり、あるいは空洞になっていたりするために壁の中に手摺りを埋め込んで、空間を圧迫しない埋め込み型の手摺りを取り付けるのは強度や施工性の問題から難しかった。たとえば木造住宅では、構造上壁の縦方向に柱や間柱はおおむね303mm又は405mmの間隔で入っているためこれらを傷つけないで手摺りを埋め込むことは壁の補強や手摺りの長さの問題があり普及していなかった。
【0004】
また壁表面に取り付ける手摺りの多くは強度を得るために、手摺り取り付けようの金具を少なくとも二個以上これらの柱や間柱に下地として利用し取り付けるのが一般的であるため、必要以上に長くなってしまったり、柱や間柱がないために本来必要な位置に取り付けられなかったりすることがあった。このため手摺りを一般的なサイズのトイレや廊下に取り付けることは空間を圧迫し、手摺りを必要とする人や同居する人の体型などによっては特にトイレなどでは手摺りを壁表面に取り付けることで本来の用途を阻害する恐れもあった。
【0005】
さらに階段を除いて手摺りをつける角度としては床面に水平か垂直になるように取り付けるのが一般的で、使用者に合った角度に取り付けたり、取り付け工事が完了してから使用者がより使いやすいように角度を変えたりできる手摺りがなかった。
【0006】
特に使う側からすればトイレなどの狭い空間では壁から飛び出した必要以上に縦横に長い手摺りよりも、トイレに入ってから向きを変えて座ったり立ったりするため両手でつかまれて、壁からあまり飛び出さずに、使用者の一番使いやすい、手摺りの角度の調整が工事関係者でなくてもできる頑丈な手摺りが、壁の両側に欲しかった。
【0007】
従来、この種の埋め込み型手摺りで手摺りの角度を使用者が自由に変えられる構造の物がなく、取付け時に角度を決められる手摺りに次にあげるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−294059号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記文献第5図の丸型の絞り容器体は図10ーAの11に示すように円形で意匠的には手摺りの角度を自由に選べるが、取り付け方法がつば14のところにある取り付け口12から壁に固定し、土壁などの強度の得られない壁では板で補強し上塗りするとあり、仮につば自体に手摺り13と一体になって体重を支えるほどの強度があるとしても、現在の壁材にはほとんどが石膏ボードや合板などの厚さ9mmか12mmが使われていて、手摺りなどの力が繰り返しかかるものを取り付けるには石膏ボードではビスが取れてしまい、合板もこの厚みではビスが貫通してしまい長い間使用するとずれやゆるみが出て最後には壁を傷めて取れてしまう。
【0010】
手摺りのような力のかかる物を取り付ける場合には手摺りとしての強度に対応できる厚みのある木製材や金属製の材料をツバの取り付け口の下に下地としてしっかりと取り付けておき、できるだけ多くの箇所をその下地にしっかりと固定しないと手摺りとしての使用に耐えうる強度が得られない。
【0011】
しかしこのタイプの場合、仮に図10−Bのようにビスの取り付け口12の数が4箇所としても水平、垂直で取り付ける場合は点線で書かれた四角形の下地でよいが、角度を自由にたとえば図10−Cのように斜めに取付ける場合、あらかじめ角度を決めて取付け口12に合わせて点線でかかれたような複雑な下地▲2▼を作らなければならず、取り付け箇所が増えればさらに複雑な形の下地が必要で、後で好きな角度に取付けるには円形の下地でないと取り付ける事ができないことになる。
【0012】
厚みのある円形の下地を仕上げにあわせてあらかじめ取り付けることは施工難度と手間を要し現実的でなく、埋め込み型の取り付け角度が自由に選べる手摺りの使用を阻む原因になっていた。
【0013】
また手摺りとツバを含めた枠が一体となっているために壁の工事中の埋め込むための開口部のあける時期や取り付けるタイミングが難しく壁表面の仕上がりによっては先に取り付けておかなくては強度が得られなかったり、仕上がった後で取り付けるには仕上がったところを傷つけてしまったりしてしまう。
【0014】
いずれにしてもこの埋め込み手摺りのツバの取り付け口からの固定方法は角度の調整ができる埋め込み手すりとしては施工性や強度や納まりの面での問題があり、さらに一度取り付けてしまうと手摺りの角度の変更する場合に手摺りすべてを取り外してから、新しい角度にした場合のツバの取り付け口の下に下地を用意し取り付けなければならず、その場合の下地等の加工や仕上がり面の補修などの問題があり実質使用者に簡単に角度を変える事ができなかった。
【0015】
このように施工上あるいは強度の点から埋め込み型手すりで手摺り角度を自在に変えられる製品はその必要性があるのにもかかわらず、壁内の構造上や下地の問題、あるいは手摺り自体の強度や納まりの問題等で短期間に安価で取り付けることができなくまた良い製品がないことから普及していないのが実情である。
【0016】
本発明は埋め込みボックス部の取り付けや下地補強が簡単にできるように箱型とし、壁の仕上がる前の設置が行いやすい状況で取り付けておき、取り付け後も壁を傷めずに手摺りの角度の調整ができるように埋め込み部と手摺り部を一箇所で固定する事により、手摺り部を回転して取り付け角度を自在に調整できる機能を有し、長い間使用しても緩みやずれがこなくて、さらに改修工事などで壁に埋め込み時に壁の仕上がりの厚さが決まっていなかったり、塗壁などで壁の厚みが出来上がってみないと分からなかったりしても、壁が仕上がってからその厚みにあわせて調整できるように枠を最後に取り付けることで、すきまなく収まる機能を有した壁の施工状況に対応できる組み立て式の埋め込み型回転手摺りを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明に係る埋め込み型回転手摺りの第一の特徴構成は請求項1に記載したごとく、住宅の壁内に設置するために埋め込み部、埋め込みボックスを隠してしまう化粧カバー、手摺り部、壁表面に取り付ける調整枠の主に4つのパーツとこれらを連結する接続部品からなる構造とし、壁内のコンクリートや金属製あるいは木製の強度の得られる下地に取り付けやすく補強も簡単にできるように埋め込みボックスは箱型にし、4つのパーツが取り付け終わり完成した時には、丸型の化粧カバーと調整枠によって室内側から見えなくしてしまう二重構造の点にある。
【0018】
第二の特徴構成は請求項2に記載したごとく上記の特徴構成に加えて埋め込みボックス部と手摺り部の接続箇所を一箇所にして、手摺りを使いやすい角度に取り付けられるように回転して取り付け角度を選べるようにしてあり、取り付け後も手摺り部分のみを取り外し、簡単に角度を変える事ができる点にある。
【0019】
第三の特徴構成としては請求項3に記載したごとく埋め込みボックスと手摺り部の接続箇所に歯車のような円形の外周に細かい山型の加工を施した部品をボックス側に固定し、接続される手摺り側の部品にもこの山型の部品がはめ込めるように加工を施し、手摺りがどんな角度になってもこの山形が噛み合わさるために、一箇所しかない手摺りとボックスとの接続部に長期間強い力が断続的に加わっても、あるいは工事に不慣れな人が手摺りの角度を変えてもずれが起こりにくいように考えられたずれ防止用金具を備えた点にある。
【0020】
第四の特徴構成として請求項4に記載したごとく埋め込みボックスから最終的に仕上がった壁の仕上がりまでの厚みが、材料などの違いや下地の段階で埋め込みボックスを取り付けるために想定していた仕上がり時の壁の厚みに誤差が出て予定した寸法と違っていても、化粧カバーとの重なり部をスライドさせる事で壁の厚さ調整機能を持った調整枠を設けた点にある。
【0021】
第五の特徴構成としては請求項5に記載したごとく住宅等の壁が仕上がる前、骨組みの施工しやすい段階で補強等を行い強度の得られるように取り付ける箱型の埋め込みボックス、その埋め込みボックスを取り付けが完了した時点では隠してしまう化粧カバーまで取り付けておき壁の仕上がり時にその化粧カバーにあわせて壁を切り抜いて施工し、壁表面が仕上がってから手摺り部と調整枠を取り付ける為、施工性がよく強度が得られ納まりのよい取り付けができる壁の施工状況に合わせて取り付けながら組み立てる設置方法にある。
【0022】
これはほとんどの埋め込み手摺りが埋め込み部と手摺り部が一体型となっていたために、補強方法や取り付ける位置を限定したのに対して、壁の進捗状況に応じて取りつけるために下地補強や施工が容易で手摺りとしての強度が保てる固定ができ壁の仕上がりに対して隙間などができないできれいに納まることになる。
【0023】
尚、埋め込みボックスと手摺り部の接続方法としては埋め込みボックスから突き出たネジの代わりに、ボックス裏側にナットを取り付けておき、ネジを締めこんで接続する方法等もある。ずれ防止金具に関しても穴あきコインのような円形の部材に中心部から放射状に細かな山型の加工が連続して施されたものなども考えられ、いずれにしても先にボックスに固定するずれ防止金具が手摺り取り付け金具と合致する加工がなされていて手摺りをどんな角度にしても接続できるものとする。また化粧カバーもすり鉢型のもの意外に半円型なども考えられる。その場合手摺り取り付け金具の形状も化粧カバーの形に合った半円状のものなどが考えられる。また手摺りに関してはつかまりやすいように片側のみが固定されているタイプも可能で木製、樹脂製、金属製など強度の得られるものとして、表面は皮や樹脂などの製品で覆うことも考えられる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の埋め込み型回転手摺りを主に埋め込みボックス、化粧カバー、手摺り部、調整枠の4つのパーツで構成され、化粧カバーで埋め込みボックスを隠す形にすることで埋め込みボックスを箱型のシンプルな形にすることができ、柱や間柱などの壁の中の構造物に簡単に強度を得られるように取り付けることが可能になる。
【0025】
請求項2に記載の手摺り部を埋め込みボックスに一箇所で固定し回転できる機能とすることで、今まで埋め込み手摺りとしては一般的に水平か垂直に取り付けていた手摺りを、使用者にとってより力の入りやすく使いやすい角度で固定でき、取り付け後にも全体を取り外さずに簡単に角度を調整できる事が可能になる。
【0026】
請求項3に記載のずれ防止金具を埋め込みボックスに固定し手すり側の金具の部材にはめ込めるようにする事で、体重などの大きな力が繰り返し加わり長期間使用される手摺りを微妙な角度で調整し一箇所で固定しても、ずれやゆるみが起こらない安全な手摺りが可能となる。また使用し始めてから手摺りの角度を変更したい時、取り付けた施工者に頼らずに簡単に手摺りの角度を変えても安全性を保つ事が可能になる。
【0027】
請求項4に記載の調整枠を使用する事で最初に壁内の構造物に取り付けておいた埋め込みボックスから壁仕上げまでの厚さが予定寸法と多少違っていても、あらかじめ取り付けておいた化粧枠と壁が仕上がってから取り付ける調整枠の重なり寸法に余裕があるために出来上がった壁の厚さにあわせて隙間なく取り付けることが可能となる。
【0028】
請求項5に記載の部材を壁の施工状況に合わせて組み立てながら取り付ける設置方法を行うことで、組み立てられた製品を壁が仕上がってから一度に取り付けをした場合のように壁の空間部などによる強度が得られないような事や取り付けのための補強がうまくいかなくなること、あるいは先に取り付けておくことで仕上げの壁に対しての納まりが悪くなるような事がなくなり、埋め込み部分を施工しやすい工程のうちに取り付けるために強度のある構造材に補強材などを使う事で簡単にすばやくしっかりと取り付けられ、壁が仕上がってから取り付ける調整枠により取り付け完了後の形も違和感がなく壁にきれいに収まる事が可能になる。
【0029】
上記記載の事柄から主に建物の壁内に、今までにない埋め込み型の角度が自由に選べる手摺りを安価に取り付けることが可能になり、特に空間の狭いトイレなどでは今まで一面のみの壁かに出っ張って取り付いていた手摺りに対して、反対側の壁に、あるいは三面の壁に本発明の埋め込み型回転手摺りを取り付けることで,高齢者や足の不自由な人が解除者に世話にならずにトイレに入って用を足せるようになる事も考えられる。また手摺りの角度が使いやすいように選べて、埋め込まれて圧迫感が少ないために椅子やベッドの脇に使用者の使いやすい角度にあわせて取り付けることで,ベッドから起き上がることや家族と一緒に椅子に座って食事をすることなどが可能になり、生活をしながらのリハビリに大いに役立つと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 本発明の埋め込み型回転手摺りのトイレ内での実施図
【図2】 拡大実施図
【図3】 分解図
【図4】 木造壁組みへの埋め込みボックス及び化粧カバー取付け図
【図5】 手摺り部及び調整枠組立図
【図6】 手摺り部取り付け金具の裏側とずれ防止金具の斜視図
【図7】 別の手摺り部取り付け金具の裏側とずれ防止金具の斜視図
【図8】 別の手摺り部と化粧カバーの斜視図
【図9】 別の手摺り部の斜視図
【図10−A】 先行特許文献にある実施図
【図10−B】 水平に取り付けたときの取付け予想図
【図10−C】 斜めに取り付けたときの取付け予想図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の埋め込み型回転手摺りユニットのトイレ内での実施例の斜視図である。101が本発明の埋め込み型回転手摺りユニットである。
【0032】
図2はその拡大図で実線で書かれている部分がトイレ内から見える形であり点線で書かれている部分102が壁内に取り付けられている埋め込みボックスである。
【0033】
図3は埋め込み型回転手摺りユニット101の分解図で下のほうから102が埋め込みボックス,103がそのボックスを壁内の柱などにビスなどで取付けるための穴である。104は壁が仕上がった後に調整枠を壁を傷めないで取付けるために、埋め込みボックス側にあらかじめあけておくネジ穴である。このネジ穴があれば壁自体に枠をとめる必要がなくなり枠を取付けるための下地もいらなくなる。その横の105は化粧枠を固定するためのネジ穴である。106はボックスと一体となっている手摺り金具113の固定用のネジである。107はずれ防止金具111をボックスに102にビス112で固定するためのネジ穴である。
【0034】
108は化粧カバーで施工性のよい箱型の埋め込みボックスを室内から見ると手摺りが回転するために都合のいい丸型の形にするため埋め込みボックスを隠す役割をしている。109はその化粧カバー108を埋め込みボックスの105に固定するためのネジ穴である。110は固定用のネジである。111はずれ防止金具で112のビスによってボックス102のそこの部分にある107のビス穴に取付けられる。このずれ防止金具111が113の手摺り部の手すり金具の裏側にはまり込むようになっている。
【0035】
このずれ防止金具111の拡大図が図6の(b)である。111のずれ防止金具は歯車のように円形の外周部に細かく山型の加工が施されていて120の穴を埋め込みボックスから突き出ている手摺り固定用ネジに通し、112のビスを121のネジ穴から埋め込みボックスに固定される。図6の(a)ように重なる手摺り金具113の裏側にもこの山型のずれ防止金具がぴったりはまり込むような加工が施されているため、手摺りをどんな角度で取り付けようとしてもこの山形がはまり込み手摺りの角度にずれが来ない状態にして、手摺り固定ナット115で固定すれば長期間大きな力が断続的にかかる手摺りでも,ずれや緩みを起こさずに安全に固定できる。
【0036】
図7の(a)と(b)は同じようなずれ防止金具機能を持つちがう形を書いたもので(b)のずれ防止金具は円形の手摺り金具と接する面のネジで固定される以外の部分を円の中心から放射状に小さな山型の凹凸が連続した形状に加工し、重なる手摺り金具側にもこの山形と合致する加工を施したものである。形状はほかにも考えられるが、ずれ防止金具を使うということは手摺り金具のボックスと接して固定される面がどんな角度に固定してもずれ防止金具を使う事で、簡単にずれや緩みが起きないように安全性を高めるという本発明の思想である。
【0037】
図3に戻るが113の手摺り金具と114の手摺り棒でできた手摺り部を、ずれ防止金具との噛み合わせを確認してから、手摺り固定用ナット115で105の埋め込みボックスから突き出たねじに固定し、116のナットカバーをつける。
【0038】
そして最後に調整枠117を取り付けようネジ119で取り付けようの穴118に通して埋め込みボックス側のネジ穴104に取付けて完成となる。
【0039】
また、117の調整枠に書かれているEと108の化粧カバーに書かれているFは調整枠が化粧カバーの内側にはまり込むときの重なり合う面の幅で、調整枠が壁の厚みにあわせて調整できる範囲を表している。
【0040】
図4と図5は埋め込み型回転手摺りを壁の施工状況に合わせて取付ける工程を表した図で、図4は木造住宅の壁内への取り付け例の図で柱▲1▼や間柱▲2▼が取り付いた施工のしやすい段階で、それらの強度のある材料を利用して、埋め込みボックス取り付け用下地材▲3▼を取り付け、ボックスの内側に開いているボックス取り付けよう穴103を利用して埋め込みボックス102を取付ける。そしてこの段階で108の化粧カバーまで取付けて置く。
【0041】
図5は図4の状態で置いた埋め込みボックスが、化粧カバーの大きさで切り抜かれ壁仕上げ材の石膏ボードにクロスを貼って仕上がった所で、点線で見えるところが図4で描いた埋め込まれたボックスのツバの部分である。壁が▲4▼ンお石膏ボードを張りクロスを貼って仕上がった状態で、111のずれ防止金具や113の手摺り金具などを埋め込みボックスに取り付けて、最後に117の調整枠を取付ける。この場合埋め込みボックスにあいている104のネジ穴に取付けるため壁もいたまずに見た目も隙間なくしっかりと取付ける事ができる。しかも壁に取付けていないので後で枠にぶつかっても壁を壊す事はない。
【0042】
このようにこの埋め込み回転ユニットは手摺りとしての強度を得るために施工がしやすい時期にボックスや化粧カバーを先行して取り付けておき、壁が仕上がってから先に取り付けてあったボックスに手摺りや枠を取付ける作業工程を行う事で複雑な下地や加工をしなくても済み、壁が仕上がった後で、壁の厚みに対して調整して枠が取り付くために、仕上がりもきれいな埋め込み手摺りが取付けられる。
【0043】
図8の(a)は手摺り金具113の形状が角型ではなく丸型にしたタイプで、金具の形状はほかにもいろいろ考えられ、その形状に対して化粧カバー108の形も(b)のようにおわん形などが考えられる。
【0044】
図9は手摺り金具113と手摺り棒114のいろいろな形の図で、(a)のように金具の片側をなくしてつかまりやすくしたものや、(b)のように手摺り棒114に凹凸を持たしたものや(C)のように曲線をつけたものなど埋め込みボックスへの固定方法は同じでもいろいろな形状が考えられる。
【0045】
さらに材質としても木製、金属製、樹脂製などまた皮などで表面を仕上げる事も可能である。
【符号の説明】
【0046】
101 埋め込み型回転手摺りユニット
102 埋め込みボックス
103 埋め込みボックス固定用穴
104 調整枠取り付けようネジ穴(ボックス側)
105 化粧カバー取り付けようネジ穴(ボックス側)
106 手摺り金具取り付けようネジ
107 ずれ防止金具取り付けようネジ穴(ボックス側)
108 化粧枠
109 化粧カバー取り付けようネジ穴(化粧カバー側)
110 化粧カバー取り付けようネジ
111 ずれ防止金具
112 ずれ防止金具取り付けようネジ
113 手摺り金具
114 手摺り棒
115 手摺り部取り付けようナット
116 ナットカバー
117 調整枠
118 調整枠取り付けよう穴
119 調整枠取り付けようネジ
120 手摺り金具取り付けようネジにはめ込むための穴
121 ずれ防止用金具固定用ネジ穴(ずれ防止金具側)
11 絞り容器体
12 取付け口
13 手摺り
14 ツバ
▲1▼ 柱
▲2▼ 間柱
▲3▼ 埋め込みボックス取り付け用補強下地材
▲4▼ 石膏ボードにクロス貼り仕上げの壁
E 調整枠の化粧カバーにはめ込まれる部分の長さ
F 化粧カバーの調整枠がはめ込まれる部分の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁などへ取付ける埋め込み型の手摺りで、埋め込みボックス、化粧カバー、手摺り部、調整枠の主に4つのパーツとこれらを連結する継ぎ手からなる組み立て型とし、埋め込みボックスは施工性のよい箱型として取り付け完成後には化粧カバーや調整枠によって表面から見えなくなる二重構造とした事を特徴とする埋め込み型回転手摺りユニット。
【請求項2】
前記手摺りユニットは埋め込みボックスと手摺り部の固定方法を一箇所で固定する事により、手摺りの接地角度を使用者の使いやすい角度に固定でき、且つ一度固定後もユニットすべてを取り外さなくても手摺り部のみの固定をはずすことで手摺りの角度を変えることができることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み型回転手摺りユニット。
【請求項3】
前記手摺りユニットは埋め込みボックスと手摺り部との接続箇所において、歯車のような円形で外周の面に細かな山型の形状の加工を施した部品をボックス側に固定し、その歯車がはまり込むように手摺り側の部品にも加工を施して、手摺りの角度をどの状態でボックスに取り付けても山型の加工が合致して手摺りにずれがおきないように考えられた、ずれ防止用金具を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の埋め込み型回転手摺りユニット。
【請求項4】
前記手摺りユニットはあらかじめ壁の中に埋め込みボックスを取り付けておくために、壁の仕上がりの段階で想定していた壁の厚みに多少の違いができても壁表面と隙間なく取り付けられるように、壁の仕上げ厚さに対して納まりの調整ができる、調整枠を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の埋め込み型回転手摺りユニット。
【請求項5】
前記手摺りユニットは、取り付ける壁の施工状況が柱や間柱が施工された状態の時、あるいは壁表面を取り除きコンクリートや金属製や木製の構造材などの強度の得られる下地の状態の時に、箱型の埋め込みボックスをそれらの部材にしっかり固定しておき、壁表面が仕上がる前に化粧カバーまで取り付けて、その化粧カバーの大きさに合わせて壁表面を切り抜いて、壁表面が仕上がった後手摺り部や化粧枠を取り付ける。組み立てられた製品を埋め込むのではなく、壁の施工状況にあわせて取り付けながら組み立てる設置方法を特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の埋め込み型回転手摺りユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−A】
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【図10−B】
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【図10−C】
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【公開番号】特開2011−17244(P2011−17244A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144243(P2010−144243)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(508124257)
【Fターム(参考)】