説明

基地局および基地局の制御方法

【課題】不必要な電波の送信による無駄な電力消費を防ぐことができる基地局および基地局の制御方法を提供する。
【解決手段】移動体通信システムの基地局(FAP)は、自局を移動機に検出させるためのパイロットビーコンを送信する送信部(122)と、移動機と通信するための通信用電波を送受信する通信部(126)と、自局を利用する移動機又は該移動機に対応する利用者の情報を登録する登録部(141)と、登録部(141)に登録されている情報に対応する移動機が自身の通信可能エリア内に存在しないときは、通信用電波を送受信せず、移動機が自局へのハンドオフを行っているときに通信用電波の送受信を開始するように通信部(126)を制御する制御部(110)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局およびその基地局の制御方法に関し、特に、一般回線を介して移動体通信網に接続する基地局およびその基地局の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信システムにおいて、フェムトセル(Home eNode B)と呼ばれる、従来の基地局(広域基地局、マクロセル)に比べてごく小さいエリアをカバーする基地局の方式が提案されている。フェムトセルは、例えば家の中や小さなオフィス等に設置される小型基地局であり、従来の携帯電話のセル、つまり1つの広域基地局がカバーするエリアが半径1キロメートル〜数キロメートル程度であるのに対し、フェムトセルがカバーするエリアは、数メートル〜数10メートル程度である。このフェムトセルは、各家庭に引込まれている一般回線(ADSLなどのブロードバンド回線)を介して移動体通信網に接続される。一般回線はアクセス回線として一般に普及しているため、マクロセルのエリア外だったユーザでも、ブロードバンド回線があればマクロセルと同様の携帯電話サービス(通話、メール機能、SMS(Short Message Service)、WEBブラウジング等)を安価でかつ容易に使用できるようになる。さらに、通信事業者は、フェムトセル及びブロードバンド回線の利用によって、本来消費されるはずであった既存の広域基地局のリソース(帯域など)を使わずに済み、低コストで携帯電話のエリア改善ができるメリットを有する。
【0003】
このように、2GHz帯やそれ以上の周波数帯域で運用される第3世代(3G)や第3.9世代(3.9G)およびIMT−ADVANCEDにおいては、屋外の広域基地局と屋内のフェムトセルの組み合わせは必須になっていくものと予想される。さらに、フェムトセルは予め登録された端末(移動機)にのみ利用させることが望ましいとされているため、利用登録した限定数のユーザでフェムトセルを占有することができる。したがって、複数のユーザにより混雑するマクロセルと比べ、より高速、高品質なデータ通信環境が得られる等の利点があり、今後大きな普及が見込まれる。
【0004】
上述の利点により、フェムトセルのサービスを利用可能なユーザは、マクロセル圏内からフェムトセル圏内に入った場合にはフェムトセルへの接続を所望すると考えられる。このような、マクロセルからフェムトセルへのハンドオフ(Handoff)方法として、パイロットビーコン(Pilot Beacon)を用いる方法が想定されている。フェムトセルは、通信用の電波には、マクロセルとの干渉を避けるべく、マクロセルと異なる周波数を使用することが望ましいが、端末が基地局を探すときに利用する信号であるパイロットビーコンには、マクロセルで通信中の端末をフェムトセルに引き込むために、マクロセルと同じ周波数を使用するのが好適である。この場合、フェムトセルにおいて、通信用の電波とパイロットビーコンという2つの異なる周波数の電波を使用することになるが、これらの電波を送信し続けることによる電力消費が問題となる。
【0005】
この問題への対策として、従来技術に、GPSにより携帯電話端末が自身の現在位置を求め、その現在位置と携帯電話端末が使用可能な範囲を示したサービスエリアマップとを比較し、現在位置がサービスエリア外にある場合に、電力制御を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−186955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フェムトセルにおいては、以下の理由から自局に接続する端末が制限される。まず、フェムトセルから移動体通信網までのネットワークは、ユーザが契約した専用回線(フェムトセル利用者契約回線)を利用するため、どんな端末でも接続可能とするのは契約上やセキュリティ上の問題がある。また、フェムトセルのサービスを提供する通信事業者(通信キャリア)が、アクセスコントロールの必要性等により、不特定多数の端末の接続を認めない場合がある。
【0008】
上記の理由から、フェムトセルでは、自局を利用可能として登録された端末(登録端末)のみが使用可能になることが想定される。この場合、フェムトセルは家庭内やオフィス内に設置されるものであるため、フェムトセルエリア内に登録端末が存在しないという状況が頻発する。この状況では、フェムトセルは、通信用の電波とパイロットビーコンのどちらも送信する必要がない。また、登録端末がフェムトセルエリア内に存在していても、他の登録端末がフェムトセルエリアに移動してくる時間以外は、パイロットビーコンを送信する必要がない。不必要な電波の送信による無駄な電力消費を防ぐためには、通信用の電波やパイロットビーコンを適切な時間のみ送信することが必要である。
【0009】
また、特許文献1に記載の方式は、GPSにより自身の位置を把握し、電力制御を行うものであるが、GPSが使用不可能な屋内では有効でなく、さらに、フェムトセルで把握する必要があるのは自身の位置ではなく通信対象の端末の現在位置なので、現在位置を定期的に通知してもらうとしても、そのための通信に電力消費が発生する。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、不必要な電波の送信による無駄な電力消費を防ぐことができる基地局および基地局の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、移動体通信システムの基地局であって、自局を移動機に検出させるためのパイロットビーコンを送信する送信部と、前記移動機と通信するための通信用電波を送受信する通信部と、自局を利用する移動機又は該移動機に対応する利用者の情報を登録する登録部と、前記登録部に登録されている情報に対応する移動機が自身の通信可能エリア内に存在しないときは、前記通信用電波を送受信せず、前記移動機が自局へのハンドオフを行っているときに前記通信用電波の送受信を開始するように前記通信部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、前記移動機の自局へのハンドオフが完了したときに、前記パイロットビーコンの送信を停止するように制御することが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記移動体通信システムの他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波を受信する受信部と、前記登録部に登録されている情報に対応する移動機の通信識別子を、前記他の基地局が接続されている移動体通信網から取得する取得部とを更に備え、前記制御部が、前記パイロットビーコンの送信を停止させている状態で、前記取得部によって取得された前記移動機の通信識別子が前記他の基地局から付与されたものであるときは、前記受信部により、前記他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波の受信を開始し、前記受信部によって受信された強度が閾値以上の電波に含まれる前記移動機の通信識別子が、前記取得部で取得した通信識別子と一致する場合は、前記パイロットビーコンの送信を再開するように前記送信部を制御することを特徴とする。
【0014】
前記制御部は、前記移動機の自局へのハンドオフが完了したときに、前記受信部による、前記他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波の受信を停止することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、移動体通信システムの基地局の制御方法であって、自局を移動機に検出させるためのパイロットビーコンを送信するステップと、前記移動機と通信するための通信用電波を送受信するステップと、自局を利用する移動機又は該移動機に対応する利用者の情報を登録するステップと、前記登録するステップで登録されている情報に対応する移動機が自身の通信可能エリア内に1台も存在しないときは、前記通信用電波を送受信せず、前記移動機が自局へのハンドオフを行っているときに前記通信用電波の送受信を開始するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、フェムトセルエリア内に登録端末(移動機)が1台も存在しない場合は通信用電波を送信せず、登録端末(移動機)がハンドオフを行っているときに通信用電波の送信を開始するので、通信用電波の無駄な送信を防ぎ、省電力化を図ることができる。
また、本発明は、登録端末のハンドオフが完了したときに、パイロットビーコンの送信を停止するので、無駄なパイロットビーコンの送信を防ぎ、省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】フェムトセルとマクロセルとを含む移動体通信システムの概略構成図である。
【図2】フェムトセルの概略ブロック図である
【図3】フェムトセルが端末の上り通信の監視を開始するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】フェムトセル管理サーバが登録端末のUATIをフェムトセルに通知する際の概念図である。
【図5】フェムトセルがパイロットビーコンの送信を開始するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】フェムトセルが検出した上り通信の信号の受信電力を測定する際の概念図である。
【図7】フェムトセルが上り通信の信号をデコードする際の概念図である。
【図8】フェムトセルがパイロットビーコンの送信を開始する際の概念図である。
【図9】端末をフェムトセルに引き込むときのフェムトセルの処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】端末をフェムトセルに引き込むときの端末とフェムトセルとの間のシーケンス図である。
【図11】フェムトセルがパイロットビーコンにより登録端末を引きこむ際の概念図である。
【図12】フェムトセルがフェムトセル電波(通信用電波)の送信を開始する際の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、これ以降では、移動体通信システムとしてCDMA2000 1xEV−DOを想定して説明する。
【0019】
図1は、フェムトセルとマクロセルとを含む移動体通信システムの概略構成図である。図に示すように、移動体通信システム100は、マクロセル(基地局)AN、EV−DOコアネットワークCN、フェムトセルネットワークゲートウェイFNG、広域ネットワークNET、フェムトセルFAP、複数の端末(移動機)AT1〜AT3を含む。EV−DOコアネットワークCNは、図示しないPDSN(Packet Data Serving Node:パケットデータサービスノード)、PCF(Packet Control Function:パケット制御器)等を含む移動体通信ネットワークの基幹部分である。フェムトセルネットワークゲートウェイFNGは、広域ネットワークNETとEV−DOコアネットワークCNとの間の接続を中継する。
【0020】
移動体通信システム100において、マクロセルANは、周波数F1のマクロセル電波を送信している。フェムトセルFAPは、マクロセルANと通信している端末をフェムトセルに引き込む(ハンドオフさせる)ため、マクロセル電波と同じ周波数F1のパイロットビーコンを送信することができる。フェムトセルFAP自体は、自局と端末との間の通信に、周波数F2のフェムトセル電波(通信用電波)を用いる。
【0021】
次に、フェムトセルFAPについて説明する。図2に、フェムトセルFAPの概略ブロック図を示す。図に示すように、フェムトセルFAPは、アンテナANT、制御部110(制御部)、無線通信部120、記憶部140及び有線通信部150を備える。
【0022】
無線通信部120は、パイロットビーコン送信部122(送信部)、上り通信電波受信部124(受信部)及び端末送受信部126(通信部)を備える。パイロットビーコン送信部122は、端末(移動機)ATをフェムトセルFAPに引き込むためのパイロットビーコンを送信する。上り通信電波受信部124は、マクロセルANに位置登録している(セッションを確立している)端末(移動機)ATがマクロセルANに送信する電波(上り通信の電波)を受信する。端末送受信部126は、アンテナANTを介して、端末(移動機)ATと通信するためのフェムトセル電波(通信用電波)の送受信を行う。
【0023】
制御部110は、パイロットビーコン送信制御部111、フェムトセル電波送信制御部112、上り通信検出/判定部113、上り通信復号部114、登録端末判定部115、周辺基地局情報取得部116、端末情報取得部117(取得部)、UATI判定部118及びパイロットビーコン送信要因判定部119を備え、また、フェムトセルFAP全体の制御を行う。
【0024】
パイロットビーコン送信制御部111は、パイロットビーコンの送信開始・停止の制御を行う。フェムトセル電波送信制御部112は、フェムトセル電波(通信用電波)の送信開始・停止の制御を行う。上り通信検出/判定部113は、上り通信電波受信部124で受信される上り通信の電波を検出・監視し、その電波の強度が閾値以上であるか否かを判定する。上り通信復号部114は、上り通信検出/判定部113にて強度が閾値以上であると判定された上り通信の信号を復号(デコード)し、信号に含まれるUATI(Unicast Access Terminal Identifier)を抽出する。登録端末判定部115は、上り通信復号部114にて抽出されたUATIが、事前にフェムトセル管理サーバやマクロセルANから通知された登録端末のUATIのいずれかと一致するか否かを判定する。
【0025】
周辺基地局情報取得部116は、自局の周辺にあるマクロセルANの情報を、EV−DOコアネットワークCNに存在する図示しないフェムトセル管理サーバから、又は、マクロセルANの通信をモニタリングして取得する。取得する情報は、マクロセルANと接続している端末の通信を監視するために必要な情報(バンドクラス(BandClass)、チャネル、PN(Pseudorandom Number)符号等)や、端末の上り通信の信号をデコードするために必要な情報(カラーコード(ColorCode)、セクタID(SectorID)等)を含む。
【0026】
端末情報取得部117は、有線通信部150を介して、EV−DOコアネットワークCN(移動体通信網)内のフェムトセル管理サーバやマクロトセルANから、更新された登録端末のUATIと、UATIに対応するESN(Electric Serial Number)を取得する。なお、UATIやESNについては後述する。UATI判定部118は、端末情報取得部117が取得したUATIと、事前に周辺のマクロトセルANから取得したカラーコードを対比し、当該UATIが周辺のマクロトセルANから取得されたものであるか否かを判定する。パイロットビーコン送信要因判定部119は、自局にハンドオフした登録端末のESNが、パイロットビーコンを送信する要因となった端末のESNであるか否かを判定する。
【0027】
記憶部140は、登録端末記憶部141、周辺基地局情報記憶部142、UATI記憶部143、パイロットビーコン送信要因記憶部144及び閾値記憶部145を備える。登録端末記憶部141は、登録端末の情報又は登録端末に対応する利用者(登録端末の契約者や使用者)の情報や、対応周波数(バンドクラス等)を登録する。自局に登録する端末の情報としては、例えば、ESNを用いることができる。ESNとは、端末が持つ固有番号(端末識別子)であり、端末が携帯電話である場合は、例えば電話番号等から算出することができる。また、登録端末に対応する利用者の情報としては、フェムトセルFAPを提供する通信事業者と契約している、フェムトセルFAPを利用可能なユーザとすることができる。ユーザが複数の端末を使用する場合は、後者の情報が有益である。なお、端末識別子としてはESNに限られるものではなく、フェムトセルが広域ネットワークNETから取得可能な識別子であれば、ESN以外の識別子を用いてもよい。
【0028】
周辺基地局情報記憶部142は、周辺基地局情報取得部116が取得した、マクロセルANと接続している端末の通信を監視するために必要な情報(バンドクラス、チャネル、PN符号等)や、端末の上り通信の信号をデコードするために必要な情報(カラーコード、セクタID等)を格納する。UATI記憶部143は、フェムトセル管理サーバやマクロトセルANから通知された登録端末のUATIと、UATIに対応するESNとを格納する。パイロットビーコン送信要因記憶部144は、パイロットビーコンを送信する要因となった端末のESNを格納する。閾値記憶部145は、マクロセルANと接続している端末の送信する電波の強度に対する閾値を格納する。
【0029】
有線通信部150は、ルータや一般回線(ADSL等のブロードバンド回線)を介して、インターネット等の広域ネットワークNETに接続される。
【0030】
なお、フェムトセルFAPは、例えば設置時や、設置場所が変更された時及び/又は自局を利用する端末の登録時に、登録端末のESNや対応周波数(バンドクラス等)、フェムトセルFAPの契約者の識別番号等を登録端末記憶部141に格納する。これらの情報は、フェムトセルFAPに備えられた図示しないキーボード等の操作入力部を介してユーザが直接入力してもよいし、端末が無線でフェムトセルFAPに送信してもよい。
【0031】
まず、フェムトセルFAPが、マクロセルANと通信を行う端末の上り通信の監視を開始する処理について説明する。図3は、フェムトセルFAPが端末の上り通信の監視を開始するときの処理の一例を示すフローチャートである。なお、前提としてフェムトセルFAPのエリア内に登録端末が1台も存在せず、フェムトセルFAPは、フェムトセル電波(通信用電波)とパイロットビーコンの送信を停止しているものとする。また、EV−DOコアネットワークCN内のフェムトセル管理サーバやマクロトセルANは、登録端末のUATIが更新されるたびに、広域ネットワークNET経由で、フェムトセルFAPに当該UATIと、UATIに対応するESNとを通知するものとする。
【0032】
フェムトセルFAPは、端末の上り通信の監視を停止している間はループ1(ステップS11〜S14)を繰り返す。フェムトセル管理サーバやマクロトセルANから通知された登録端末のUATIと、UATIに対応するESNとを、端末情報取得部117が有線通信部150を介して取得すると(ステップS12)、UATI判定部118は、取得されたUATIと事前に周辺のマクロトセルANから取得したカラーコードを対比し、当該UATIが周辺のマクロトセルANから取得したものであるか否かを判定する(ステップS13)。当該UATIが周辺のマクロトセルANから取得したものであると判定できた場合、UATI判定部118は、通知された登録端末のUATIと、UATIに対応するESNとをUATI記憶部143に格納し、上り通信検出/判定部113は、マクロトセルANと通信を行う端末の上り通信の監視を開始する(ステップS15)。この際に監視するチャネルは、事前に取得した登録端末の対応周波数や周辺のマクロトセルANのバンドクラス、チャネル、PN符号等の情報などを元に決定する。
なお、ステップS12にてフェムトセル管理サーバやマクロトセルANから登録端末のUATIと、UATIに対応するESNとが通知されない場合には、ステップS14へ進み、ループ1の処理が継続される。
【0033】
図4は、EV−DOコアネットワークCNに存在する図示しないフェムトセル管理サーバが登録端末のUATIをフェムトセルFAPに通知する際の概念図である。図4に示すように、マクロトセルANは周波数F1で電波を送信し、フェムトセルFAPはフェムトセル電波(通信用電波)、パイロットビーコンのどちらも送信していない。EV−DOコアネットワークCN内のフェムトセル管理サーバやマクロトセルANは、フェムトセルFAPの登録端末のUATIが更新されるたびに、当該UATIと、UATIに対応するESNとをフェムトセルFAPに通知する。フェムトセルFAPは、通知されたUATIが周辺のマクロトセルANを表すものであれば、マクロトセルANと通信を行う端末の上り通信の監視を開始する。
【0034】
次に、フェムトセルFAPがパイロットビーコンの送信を開始する処理について説明する。図5は、フェムトセルFAPがパイロットビーコンの送信を開始するときの処理の一例を示すフローチャートである。フェムトセルFAPは、パイロットビーコンの送信を停止している間はループ2(ステップS21〜S30)を繰り返す。まず、上り通信検出/判定部113は、上述した周辺基地局情報記憶部142に格納されている情報を用いて、上り通信電波受信部124で受信される、マクロセルANと端末との間の上り通信の信号を検出する(ステップS22)。上り通信検出/判定部113は、上り通信の信号を検出した場合に、その受信電力を測定し(ステップS23)、閾値記憶部145に格納されている閾値以上であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0035】
マクロセルANと端末ATとの通信において、端末ATの送信電力は、マクロセルANでの受信電力がほぼ一定となるように通常制御されるので、フェムトセルFAPにおいて、マクロセルANで設定されている一定値を越える電波が測定された場合、その電波を送出した端末ATは、マクロセルANよりフェムトセルFAPに近い位置に存在するとみなすことができる。従って、閾値記憶部145に格納される閾値は、マクロセルANで設定されている一定値に設定する。なお、受信電力の一定値からある程度マージンを持たせ、フェムトセルFAPに近いと判定されるエリアをより狭く、又はより広くしてもよい。
【0036】
図5のフローチャートの説明を続ける。ステップS24にて、上り通信電波受信部124で受信される電波の受信電力が閾値以上であると判定された場合、上り通信復号部114は、周辺基地局情報記憶部142に格納されているマクロセルANの情報を用いて、検出した上り通信の信号のデコードを試みる(ステップS25)。デコードに成功すると(ステップS26にてYESの場合)、上り通信復号部114は、デコード結果から、マクロセルANと通信中の端末ATのUATIの抽出を試みる(ステップS27)。上り通信復号部114によって、UATIの抽出に成功すると(ステップS28にてYESの場合)、登録端末判定部115は、抽出したUATIが、事前にフェムトセル管理サーバやマクロトセルANから通知された登録端末のUATIのいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS29)。
【0037】
ここで、UATIとは、基地局が自局に接続する(自局とセッションを確立する)端末に一時的に付与する識別子(通信識別子)である。従って、マクロセルANは、自局と通信を要求する端末にUATIを割り当て、割り当てたUATIを、端末の識別子であるESN等と紐付けている。
【0038】
ステップS29にて、抽出したUATIが、事前にフェムトセル管理サーバやマクロトセルANから通知された登録端末のUATIのいずれかと一致したと判定された場合、同様に事前に通知された、当該UATIに対応するESNをパイロットビーコン送信要因としてパイロットビーコン送信要因記憶部144に格納する(ステップS31)。次に、パイロットビーコン送信制御部111は、パイロットビーコン送信部122を制御してパイロットビーコンの送信を開始する(ステップS32)。さらに、ステップS33にて、パイロットビーコンを一定時間で停止させるためのタイマが設定される(詳細は後述する)。
【0039】
なお、ステップS22にて上り通信を検出しない場合、ステップS24にて上り通信電波受信部124で受信された電波の受信電力が閾値より小さいと判定された場合、ステップS26にて上り通信のデコードに失敗したと判定された場合、ステップS28にてUATIの抽出に失敗した場合、又は、ステップS29にてマクロセルANと通信中の端末ATが登録端末でないと判定された場合には、ステップS30へ進み、ループ2の処理が継続される。
【0040】
図5のフローチャートにおける処理の流れを、図6、図7及び図8を用いて説明する。図6は、フェムトセルFAPが検出した上り通信の信号の受信電力を測定する際の概念図であり、図7は、フェムトセルFAPが上り通信の信号をデコードする際の概念図であり、図8は、フェムトセルFAPがパイロットビーコンの送信を開始する際の概念図である。なお、図6、図7及び図8において、端末AT1は、フェムトセルFAPの登録端末である。また、端末AT1〜3は、マクロセルANに位置登録(セッション確立)しているとする。まず、図6に示すように、フェムトセルFAPは、端末AT1〜3とマクロセルANとの間の上り通信の電波を検出すると、その受信電力を判定する。図6の場合、端末AT1から受信した電波の受信電力が閾値以上であると判定される。受信電力が閾値以上であると、図7に示すように、フェムトセルFAPは、上り通信の信号をデコードし、マクロセルANと端末AT1との間の通信に割り当てられたUATIを抽出する。そのUATIがフェムトセルFAPの登録端末のものであれば、図8に示すように、フェムトセルFAPは、端末AT1を引き込む(ハンドオフさせる)べく、パイロットビーコンを一定時間送信する。パイロットビーコンは周波数F1で送信される。
【0041】
次に、フェムトセルFAPが、端末を引き込む(ハンドオフさせる)処理について説明する。図9は、端末をフェムトセルFAPに引き込む(ハンドオフさせる)ときのフェムトセルFAPの処理の一例を示すフローチャートであり、図10は、端末ATをフェムトセルFAPに引き込む(ハンドオフさせる)ときの、端末ATとフェムトセルFAPとの間のシーケンス図である。
図9のフローチャートにおいて、フェムトセルFAPは、パイロットビーコンを送信している間はループ3(ステップS41〜S48)の処理を繰り返す。まず、フェムトセルFAPは、パイロットビーコン送信中に、端末ATからUATI Requestを受信した場合(ステップS42にてYESの場合)、端末ATをフェムトセルFAPにハンドオフさせる引き込み処理(ハンドオフ処理)を開始する(ステップS43)。端末ATのフェムトセルFAPへの引き込み処理は、端末ATがフェムトセルFAPのセッションを取り直すところから開始する。
本発明におけるフェムトセルFAPは、パイロットビーコンの周波数上で引き込み処理の一部を行うことが可能であり、また、Traffic Channel Assignmentの送信前にHardwareID Requestの送信を行うものとする。
【0042】
引き込み処理を開始すると、フェムトセルFAPは、端末ATにHardwareID Requestを送信し(ステップS44、図10のステップP11)、それに対してHardwareID Responseを端末ATから受信する(ステップS45、図10のステップP11)。なお、Hardware IDとは、端末固有の識別子であり、ESNやMEID(Mobile Equipment Identifier:移動体識別番号)等が含まれる。
【0043】
Hardware ID Responseを受信した場合、パイロットビーコン送信要因判定部119は、Hardware ID Responseに含まれるESNと、パイロットビーコン送信要因記憶部144にパイロットビーコン送信要因として記憶されているESNとが一致するか否かを判定する(ステップS46)。パイロットビーコン送信要因とは、図5のフローチャートを用いて説明したように、フェムトセルFAPがパイロットビーコンの送信を開始するときにパイロットビーコン送信要因記憶部144に格納された、パイロットビーコンを送信する要因となった端末のことを指す(図5のステップS31)。
【0044】
ステップS46にて、Hardware ID Responseに含まれるESNが、パイロットビーコン送信要因として記録されているESNに一致するとパイロットビーコン送信要因判定部119によって判定されると、フェムトセル電波送信制御部112は、フェムトセル電波(通信用電波)で通信を開始するように端末送受信部126を制御する(ステップS49)。次に、フェムトセルFAPは、端末ATにTraffic Channel Assignmentを送信し、端末ATをフェムトセルFAPのチャネルに遷移させる(ステップS50、図10のステップP12)。フェムトセルFAPは、端末ATからTraffic Channel Completeを受信すると(ステップS51、図10のステップP13)、パイロットビーコン送信タイマを解除し(ステップS52)、パイロットビーコンの送信を停止し(ステップS56)、端末ATの引き込み処理を継続する(ステップS57)。そして、EV−DOのプロトコルに則って端末ATとフェムトセルFAPとの間でセッションが確立されるまで(図10におけるSession Configuration)、端末ATとフェムトセルFAPとの間で所定の処理を行う。さらに、上り通信の監視を停止する(ステップS58)。
ステップS51にて、端末ATからTraffic Channel Completeを受信できなかった場合は、フェムトセル電波(通信用電波)の送信を停止する(ステップS53)。
【0045】
ステップS42にて、端末ATからUATI Requestを受信しなかった場合、ステップS45にて、端末ATからHardwareIDResponseを受信しなかった場合、ステップS46にて、Hardware ID Responseに含まれるESNがパイロットビーコン送信要因記憶部144に記憶されているESNと一致しなかった場合、及びステップS53にて、フェムトセル電波(通信用電波)の送信を停止した場合は、パイロットビーコン送信タイマが満了したか否かを判定し(ステップS47)、パイロットビーコン送信タイマが満了していない場合には、ステップS48へ進み、ループ3の処理が継続される。
また、ステップS47にて、パイロットビーコン送信タイマが満了した場合には、タイマを解除し(ステップS54)、パイロットビーコンの送信を停止する(ステップS55)。その後、上り通信の監視を停止する(ステップS58)。
【0046】
ここで、パイロットビーコン送信タイマについて説明する。例えば、パイロットビーコンの送信要因となった端末が、フェムトセルFAPのエリアから離れたり、電源をオフにしたりすることも考えられる。このような、フェムトセルFAPへのハンドオフを完了することができない場合に、パイロットビーコンの送信が継続されるのは望ましくない。従って、ループ3において、パイロットビーコン送信タイマが満了したか否かを判定する(ステップS47)。パイロットビーコン送信タイマは、図5のステップS33において、パイロットビーコンの送信が開始されたときに設定されたものである。このようにすれば、パイロットビーコン送信要因となった端末が何らかの原因でハンドオフ不可能となった場合にも、パイロットビーコンの送信を停止させることができ、マクロセルANへ与える干渉を抑えることができる。
【0047】
なお、ステップS46にて、Hardware ID Responseに含まれるESNが、パイロットビーコン送信要因として記録されているESNに一致しないとパイロットビーコン送信要因判定部119によって判定された場合、そのESNに対応する端末は、フェムトセルFAPがパイロットビーコンを送信中にフェムトセルFAPのエリアに移動してきた別の端末であることを意味する。すなわち、「別の端末」とは、フェムトセルFAPがパイロットビーコンの送信を開始する要因となった端末とは異なる端末である。従って、フェムトセルFAPはパイロットビーコンの送信を継続する(ステップS48)。つまり、フェムトセルFAPは、パイロットビーコンの送信要因となった端末との引き込み処理が行われない限り、パイロットビーコンの送信を停止しない。このようにすれば、マクロセルANのエリアからフェムトセルFAPのエリアに複数の登録端末が移動した場合でも、それら端末の1つひとつを確実にフェムトセルFAPにハンドオフさせることができる。
【0048】
なお、フェムトセルFAPは、ステップS58で上り通信の検出(監視)を停止した後に、フェムトセルFAPでセッションを確立していた登録端末がハンドオフしてマクロセルANでセッションを確立した場合は、登録端末を自局にハンドオフさせるために、上り通信電波の検出を再開する必要がある。そのためには、登録端末がマクロセルANでセッションを確立したことをフェムトセルFAPに認識させる必要がある。この方法としては、例えば、ハンドオフした登録端末やEV−DOコアネットワークCNから、フェムトセルFAPへ通知させることができる。また、フェムトセルFAPが、キープアライブ(Keep Alive)機能を用いて、一定時間毎に自局で待ち受けている端末の確認を行ってもよい。
【0049】
図9のフローチャートにおける処理の流れを、図11及び図12を用いて説明する。図11は、フェムトセルがパイロットビーコンにより登録端末を引きこむ際の概念図であり、図12は、フェムトセルがフェムトセル電波(通信用電波)の送信を開始する際の概念図である。まず、図11に示すように、フェムトセルFAPは、マクロトセルと同じ周波数F1で送信されるパイロットビーコンにより、登録端末を自身の周波数F2に引きこむ。登録端末の引き込みが完了した場合、フェムトセルFAPは、図12に示すように、フェムトセル電波の送信を開始し、パイロットビーコンの送信を停止する。フェムトセル電波は周波数F2で送信される。
【0050】
なお、上述の実施例は、1台目の登録端末がフェムトセルFAPとの通信を開始するまでのものであり、フェムトセルFAPのエリア内に既に登録端末が存在する場合は、上述の実施例中の、フェムトセル電波に関する部分を除いた処理が行われることとする。
【0051】
上述したように、本発明は、フェムトセルエリア内に登録端末が1台も存在しない場合は通信用電波を送信せず、登録端末の引き込み中に通信用電波の送信を開始するので、通信用電波の無駄な送信を防ぎ、省電力化を図ることができる。フェムトセルは家庭や小さなオフィス内での、限られた端末による限られた時間での利用がメインとなることが予想され、登録端末がフェムトセルエリア内に存在する時間は限られるため、本発明により電力消費を大幅に減らすことが可能である。
また、本発明は、端末のマクロトセルへの上り通信を監視することで、受信電力が一定の閾値以上である登録端末の上り通信を検出したときのみパイロットビーコンの送信を開始し、登録端末の引き込みが完了した場合に、パイロットビーコンの送信を停止するので、無駄なパイロットビーコンの送信を防ぎ、省電力化を図ることができる。フェムトセルは家庭や小さなオフィス内での、限られた端末による限られた時間での利用がメインとなることが予想され、登録端末がフェムトセルエリアに移動してくる時間は限られるため、本発明により電力消費を大幅に減らすことが可能である。
また、本発明は、マクロトセルと同じ周波数で送信されるパイロットビーコンの送信を極力控えることにより、マクロトセルとの干渉を低減することができる。
【0052】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0053】
本発明の基地局は、移動機が自局へハンドオフを行っているときに通信用電波の送受信を開始する。上述の実施例では、移動機が自局へハンドオフを行っているときとして、ステップS46にて、Hardware ID Responseに含まれるESNが、パイロットビーコン送信要因として記録されているESNに一致するとパイロットビーコン送信要因判定部119によって判定されたとき、を一例として挙げて説明したが、本発明の基地局はこれに限定されず、移動機が自局へハンドオフを行っているときは、例えば、端末ATをフェムトセルFAPにハンドオフさせる引き込み処理(ハンドオフ処理)を開始したときであってもよく、ステップS43にて引き込み処理(ハンドオフ処理)を開始してから、ステップS50にて移動機をフェムトセル周波数に引き込む(ハンドオフ)させるまでの間なら任意のときでよい。
【符号の説明】
【0054】
100 移動体通信システム
110 制御部
111 パイロットビーコン送信制御部
112 フェムトセル電波送信制御部
113 上り通信検出/判定部
114 上り通信復号部
115 登録端末判定部
116 周辺基地局情報取得部
117 端末情報取得部
118 UATI判定部
119 パイロットビーコン送信要因判定部
120 無線通信部
122 パイロットビーコン送信部
124 上り通信電波受信部
126 端末送受信部
140 記憶部
141 登録端末記憶部
142 周辺基地局情報記憶部
143 UATI記憶部
144 パイロットビーコン送信要因記憶部
145 閾値記憶部
150 有線通信部
ANT アンテナ
AT1〜AT3 端末(移動機)
AN マクロセル(広域基地局)
CN EV−DOコアネットワーク
FNG フェムトセルネットワークゲートウェイ
NET 広域ネットワーク
FAP フェムトセル
F1 マクロセル電波、パイロットビーコン
F2 フェムトセル電波(通信用電波)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信システムの基地局であって、
自局を移動機に検出させるためのパイロットビーコンを送信する送信部と、
前記移動機と通信するための通信用電波を送受信する通信部と、
自局を利用する移動機又は該移動機に対応する利用者の情報を登録する登録部と、
前記登録部に登録されている情報に対応する移動機が自身の通信可能エリア内に存在しないときは、前記通信用電波を送受信せず、前記移動機が自局へのハンドオフを行っているときに前記通信用電波の送受信を開始するように前記通信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動機の自局へのハンドオフが完了したときに、前記パイロットビーコンの送信を停止するように制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基地局において、
前記移動体通信システムの他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波を受信する受信部と、
前記登録部に登録されている情報に対応する移動機の通信識別子を、前記他の基地局が接続されている移動体通信網から取得する取得部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記パイロットビーコンの送信を停止させている状態で、前記取得部によって取得された前記移動機の通信識別子が前記他の基地局から付与されたものであるときは、前記受信部により、前記他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波の受信を開始し、前記受信部によって受信された強度が閾値以上の電波に含まれる前記移動機の通信識別子が、前記取得部で取得した通信識別子と一致する場合は、前記パイロットビーコンの送信を再開するように前記送信部を制御する、
ことを特徴とする基地局。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動機の自局へのハンドオフが完了したときに、前記受信部による、前記他の基地局に位置登録している移動機が前記他の基地局に送信する電波の受信を停止する、ことを特徴とする請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
移動体通信システムの基地局の制御方法であって、
自局を移動機に検出させるためのパイロットビーコンを送信するステップと、
前記移動機と通信するための通信用電波を送受信するステップと、
自局を利用する移動機又は該移動機に対応する利用者の情報を登録するステップと、
前記登録するステップで登録されている情報に対応する移動機が自身の通信可能エリア内に1台も存在しないときは、前記通信用電波を送受信せず、前記移動機が自局へのハンドオフを行っているときに前記通信用電波の送受信を開始するステップと、
を含むことを特徴とする基地局の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−138674(P2012−138674A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288323(P2010−288323)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】