説明

基地局装置及びユーザ装置

【課題】ユーザ装置の能力及び実際にユーザ装置が通信を行う運用バンドに応じて、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行うか否かについて判定し、かかる判定結果に基づいて、上りリンク信号を送信する周波数帯域の割り当てを行う。
【解決手段】本実施形態に係る基地局装置eNBは、ユーザ装置UEより、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知するCapability信号を受信するように構成されているCapability信号受信部202を具備し、かかるCapability信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信の技術分野に関連し、特に、次世代移動通信技術を用いる移動通信システムにおける基地局装置及びユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域符号分割多重接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiplexing)方式や、高速下りリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)方式や、高速上りリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)方式等の後継となる通信方式、すなわち、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)方式が、WCDMAの標準化団体3GPPで検討されて仕様化作業が進められている。
【0003】
LTE方式での無線アクセス方式として、下りリンクについては直交周波数分割多重接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)方式が規定され、上りリンクについてはシングルキャリア周波数分割多重接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access)方式が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
OFDMA方式は、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータを載せて伝送を行うマルチキャリア伝送方式である。
【0005】
OFDMA方式によれば、サブキャリアを周波数軸上に直交させながら密に並べることで高速伝送を実現し、周波数の利用効率を上げることが期待できる。
【0006】
SC-FDMA方式は、周波数帯域をユーザ装置UE(User Equipment)毎に分割し、複数のユーザ装置UE間で異なる周波数帯域を用いて伝送するシングルキャリア伝送方式である。
【0007】
SC-FDMA方式によれば、ユーザ装置UE間の干渉を簡易且つ効果的に低減することができることに加えて、送信電力の変動を小さくできるので、SC-FDMA方式は、ユーザ装置UEの低消費電力化及びカバレッジの拡大等の観点から好ましい。
【0008】
LTE方式では、下りリンク及び上りリンクの両方において、ユーザ装置UEに対して、1以上のリソースブロック(RB:Resource Block)が割り当てられて通信が行われる。
【0009】
基地局装置eNBは、サブフレーム(LTE方式では、1ms)毎に、複数のユーザ装置UEの中で、どのユーザ装置UEに対してリソースブロックを割り当てるかについて決定する(かかるプロセスは「スケジューリング」と呼ばれる)。
【0010】
下りリンクにおいては、基地局装置eNBが、スケジューリングで選択されたユーザ装置UEに対して、1以上のリソースブロックを用いて、下りリンクデータ信号を送信するように構成されている。
【0011】
また、上りリンクにおいては、スケジューリングで選択されたユーザ装置UEが、基地局装置eNBに対して、1以上のリソースブロックを用いて、上りリンクデータ信号を送信する。
【0012】
なお、かかる上りリンクデータ信号は、PUSCH(物理上りリンク共有チャネル、Physical Uplink Shared Channel)を介して送信され、かかる下りリンクデータ信号は、PDSCH(物理下りリンク共有チャネル、Physical Downlink Shared Channel)を介して送信される。
【0013】
ここで、上りリンクデータ信号は、「PUSCH信号」と呼ばれてもよいし、下りリンクデータ信号は、「PDSCH信号」と呼ばれてもよい。
【0014】
また、LTE方式の後継の通信方式として、LTE-Advanced方式(Release10以降のLTE方式)が、3GPPで検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0015】
LTE-Advanced方式では、その要求条件として、「Carrier Aggregation(キャリアアグリゲーション)」を行うことが合意されている。ここで、「Carrier Aggregation」とは、複数のキャリアを用いて同時に通信を行うことを意味する。
【0016】
例えば、上りリンクにおいて「Carrier Aggregation」が行われる場合、Component Carrier(コンポーネントキャリア、以下、CC)毎に異なるキャリアが用いられるため、ユーザ装置UEは、複数のキャリアを用いて上りリンク信号(すなわち、上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号)を送信する。
【0017】
また、下りリンクにおいて「Carrier Aggregation」が行われる場合、CC毎に異なるキャリアが用いられているため、基地局装置eNBは、複数のキャリアを用いて下りリンク信号(すなわち、下りリンクデータ信号及び下りリンク制御信号)を送信する。
【0018】
LTE方式の上りリンクにおいては、上述したように、シングルキャリア伝送方式が用いられため、連続した周波数帯域において、上りリンク信号が送信されていた。
【0019】
一方、LTE-Advanced方式の上りリンクにおいて、以下の場合に、不連続な周波数帯域において、上りリンク信号が送信されることが検討されている。
【0020】
<ケース1>
「Carrier Aggregation」が行われる場合、異なるCCで、上りリンクデータ信号が送信される。
【0021】
<ケース2>
「Carrier Aggregation」が行われる場合、異なるCCで、上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号が送信される。
【0022】
なお、上りリンク制御信号は、PUCCH(物理上りリンク制御チャネル、Physical Uplink Control Channel)を介して送信される信号であって、「PUCCH信号」と呼ばれてもよい。
【0023】
<ケース3>
シングルキャリア内で、不連続な(すなわち、離散的な)周波数帯域で、上りリンクデータ信号が送信される。
【0024】
<ケース4>
シングルキャリア内で、不連続な周波数帯域において、上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号が送信される。
【0025】
上述のケース1又はケース3のように、不連続な(すなわち、離散的な)周波数帯域において、上りリンクデータ信号を送信することにより、より柔軟な周波数帯域の割り当てが可能となり、上りリンクにおける通信効率を向上させることが可能となる。
【0026】
すなわち、一般に、Fading等の影響により、品質の良い周波数帯域及び品質の悪い周波数帯域が存在するが、不連続な周波数帯域の割り当てを行う場合、上りリンク信号を送信する周波数帯域として、品質の良い周波数帯域を選んで割り当てることが可能となるため、上りリンクにおける通信効率を向上させることが可能となる。
【0027】
逆に言うと、連続的な周波数帯域の割り当てのみが行われる場合、そのような品質の良い周波数帯域を選んで割り当てることが困難となるため、離散的な周波数帯域の割り当てが行われる場合に比べて、上りリンクにおける通信効率が良くならない。
【0028】
また、上述のケース2又はケース4のように、不連続な周波数帯域において、上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を送信することにより、PUSCHを介してPUCCHを介して送信すべき上りリンク制御信号を送信するという処理、或いは、一部の信号の送信を停止するといった処理を回避することが可能となる。
【0029】
ところで、上述した不連続な周波数帯域において、上りリンク信号を送信すると、PAPR(Peak-to-Average Ratio)が増大するという問題が発生する。
【0030】
PAPRが増大する場合、ユーザ装置UEは、電力増幅器(電力アンプ)の非線形領域で、上りリンク信号を送信することになり、隣接チャネル(隣接する周波数帯域)への干渉量が増大する。
【0031】
かかる隣接チャネルへの干渉量の増大を抑えるため、ユーザ装置UEは、線形性の高い電力増幅器(電力アンプ)を搭載する必要があるが、ユーザ装置UEのコストやサイズの増大を招くため、システム全体として好ましくない。
【0032】
よって、上述したユーザ装置UEのコストやサイズの増大を回避しつつ、PAPRの増大の影響を回避するため、ユーザ装置UEにおける最大送信電力を低減することが検討されている。このように最大送信電力を低減することは、「MPR(Maximum Power Rreduction)」と呼ばれる(例えば、非特許文献3参照)。
【0033】
かかるMPRの値は、割り当てられた不連続な周波数帯域のそれぞれを「ブロック」と呼ぶ場合に、各ブロックの送信帯域幅やブロック間の周波数の差分等に基づいて決定される。
【0034】
また、このように最大送信電力を低減した場合、上りリンクのセルカバレッジが減少するという問題があるため、一般に、MPRの値としては、必要最低限の値が規定される。
【0035】
また、ユーザ装置UEが基地局装置eNBに対して不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行う能力を具備しているか否かについて通知する制御信号を規定することも検討されている。
【0036】
かかる制御信号を規定することにより、基地局装置eNBは、ユーザ装置UEが不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行う能力を具備していないことを把握することが可能となり、かかるユーザ装置UEに適した方法で、上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を送信すべき周波数帯域の割り当てを行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0037】
【非特許文献1】3GPP TS36.211(V9.1.0)、「Physical Channels and Modulation」、2008年5月
【非特許文献2】3GPP TS36.913(V8.0.1)、「Requirement for further advancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)(LTE-Advanced)」
【非特許文献3】3GPP TS36.101(V9.5.0)、「E-UTRA UE radio transmission and reception」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
しかしながら、上述した従来の移動通信システムには、以下のような問題がある。
【0039】
ユーザ装置UEである移動端末は、高機能(High end)のものから低機能(Low end)のものまで存在する。
【0040】
ここで、高機能の移動端末は、上述したMPRを適用して、上りリンク信号の最大送信電力の低下を最大限に抑えつつ、割り当てられた不連続な周波数帯域において、上りリンク信号を送信し、上りリンクにおける通信の効率を向上させることが可能である。
【0041】
一方、低機能の移動端末は、逆に、割り当てられた不連続な周波数帯域において上りリンク信号を送信することも、それに伴うMPRもサポートしないことにより、移動端末のコストや複雑性を低減するといったことが考えられる。
【0042】
かかる場合、基地局装置eNBは、上述した高機能の移動端末と低機能の移動端末とを見分ける必要がある。
【0043】
さらに、上述したMPRの値として、隣接チャネルへの干渉量を低減するために必要な最低限の電力低減量が規定される。
【0044】
かかる場合、上りリンク信号の送信を行う周波数帯域に隣接する周波数帯域において、保護するべき周波数帯域が存在する場合、より大きなMPRの値を定義する必要がある。
【0045】
一方、上りリンク信号の送信を行う周波数帯域に隣接する周波数帯域において、保護するべき周波数帯域が存在しない場合、より小さなMPRの値を定義することになる。
【0046】
また、より大きなMPRの値を定義する必要がある場合、カバレッジの減少を最低限に抑えるため、実際に上りリンク信号を送信する周波数帯域に応じて、MPRの値を決定するといった、より複雑な制御が適用される場合がある。
【0047】
かかる場合、ユーザ装置UEの動作として、例えば、実装する処理の簡易化を行うために、隣接する周波数帯域において保護するべき周波数帯域が存在しないような場所でのみ、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行う能力を有し、隣接する周波数帯域において保護するべき周波数帯域が存在しないような場所でのみ、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行う能力を持たないといった動作が好ましい場合がある。
【0048】
しかしながら、上述したように、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行う能力があるか否かについて通知する制御信号が1つである場合、上述した周波数帯域に応じて、その能力を変更することが困難となる。
【0049】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザ装置の能力及び実際にユーザ装置UEが通信を行う周波数帯域に応じて、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行うか否かについて判定し、かかる判定結果に基づいて、上りリンク信号を送信する周波数帯域の割り当てを行うことができる基地局装置及びユーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0050】
本発明の第1の特徴は、移動通信システム内で、ユーザ装置と無線通信する基地局装置であって、前記ユーザ装置より、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知する制御信号を受信するように構成されている受信部を具備し、前記制御信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを要旨とする。
【0051】
本発明の第2の特徴は、移動通信システム内で、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、前記基地局装置に対して、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知する制御信号を送信するように構成されている送信部を具備し、前記制御信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザ装置の能力及び実際にユーザ装置が通信を行う周波数帯域に応じて、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行うか否かについて判定し、かかる判定結果に基づいて、上りリンク信号を送信する周波数帯域の割り当てを行うことができる基地局装置及びユーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るユーザ装置UEの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るユーザ装置UEによって生成される「ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域で上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報」の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置eNBの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
以下、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0055】
本実施形態に係る移動通信システムは、例えば、LTE方式或いはLTE-Advanced方式が適用されるシステムである。
【0056】
すなわち、本実施形態に係る移動通信システムは、基地局装置eNBと、基地局装置eNBと通信するユーザ装置UEとを具備し、基地局装置eNB及びユーザ装置UEは、LTE方式或いはLTE-Advanced方式を用いて、通信を行う。なお、ユーザ装置UEは、移動端末と呼ばれてもよい。
【0057】
本実施形態に係る移動通信システムにおいて、LTE-Advanced方式が適用される場合には、「Carrier Aggregation」が適用されてもよい、すなわち、上りリンク又は下りリンクにおいて、複数のCCを用いた通信が行われる。
【0058】
なお、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、LTE方式が適用される場合には、1つのCCを用いた通信が行われる。
【0059】
ここで、CCとは、LTE方式における1つのシステムキャリアに相当する。すなわち、LTE方式では、1つのCCを用いた通信が行われていたが、LTE-Advanced方式では、2つ以上のCCを用いた通信が行われてもよい。
【0060】
本実施形態に係る移動通信システムでは、下りリンクにおいて、各ユーザ装置UEで共有して使用されるPDSCH及びPDCCH(物理下りリンク制御チャネル、Physical Downlink Control Channel)が用いられる。
【0061】
なお、LTE方式又はLTE-Advanced方式では、運用が行われる周波数帯域の集合として、「Operating band(運用バンド)」が定義されている(非特許文献3の5.5章)。
【0062】
かかる「Operating band」は、例えば、2GHz帯の「Operating band」である「Band 1」や、800MHz帯の「Operating band」である「Band 5」等が定義されている。
【0063】
一般的に、ユーザ装置UEは、自局がサポートする「Operating band」を基地局装置eNBに通知する。すなわち、ユーザ装置UEは、一般的に、1つ乃至2つ以上の「Operating band」において、通信を行う能力を有しており、かかる通信を行う能力を有する「Operating band」を、基地局装置eNBに通知する。
【0064】
また、基地局装置eNBは、自局が提供する移動通信サービスが、どの「Operating band」で提供されているかについて、報知情報により、自局のエリア内のユーザ装置UEに通知する。
【0065】
なお、CCは、LTE方式の1つのシステムキャリアに相当するため、「Operating band」のいずれかに属する。
【0066】
本実施形態に係る移動通信システムでは、PDSCHを介して、下りリンクデータ信号(ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号)が伝送される。
【0067】
また、PDCCHを介して、PDSCHを用いて通信を行うユーザ装置UEのIDや、下りリンクデータ信号のトランスポートフォーマットの情報(すなわち、下りスケジューリング情報)や、PUSCHを用いて通信を行うユーザ装置UEのIDや、上りリンクデータ信号のトランスポートフォーマットの情報(すなわち、上りスケジューリンググラント)等の下りリンク制御信号が通知される。
【0068】
PDCCHは、「下りL1/L2制御チャネル(Downlink L1/L2 Control Channel)」と呼ばれてもよい。また、「下りスケジューリング情報」や「上りスケジューリンググラント」は、まとめて「下りリンク制御情報(DCI)」と呼ばれてもよい。
【0069】
本実施形態に係る移動通信システムでは、上りリンクにおいて、各ユーザ装置UEで共有して使用されるPUSCH及びPUCCHが用いられる。
【0070】
かかるPUSCHを介して、上りリンクデータ信号(ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号)が送信される。
【0071】
また、PUCCHを介して、PDSCHに関するスケジューリング処理や適応変復調及び符号化処理(AMCS:Adaptive Modulation and Coding Scheme)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)や、PDSCHに関する送達確認情報(Acknowledgement Information)が送信される。
【0072】
かかる下りリンクの品質情報は、「CQI」や「PMI(Pre-coding Matrix Indicator)」や「RI(Rank Indicator)」をまとめたインディケータである「CSI(Channel State Information(or Indicator))と呼ばれてもよい。
【0073】
また、かかる送達確認情報の内容は、下りリンク信号が適切に受信されたことを示す肯定応答(ACK:Acknowledgement)又は下りリンク信号が適切に受信されなかったことを示す否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)の何れかで表現される。
【0074】
図1に示すように、本実施形態に関わるユーザ装置UEは、Capability信号生成部102と、上りリンク信号送信部104と、下りリンク信号受信部106とを具備する。
【0075】
なお、Capability信号生成部102と上りリンク信号送信部104と、下りリンク信号受信部106とは互いに接続されている。
【0076】
Capability信号生成部102は、ユーザ装置UEの能力(すなわち、Capability)を通知するCapability信号を生成するように構成されている。
【0077】
ここで、かかるCapability信号には、ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域(すなわち、不連続な周波数帯域)で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて通知する情報が含まれる。
【0078】
すなわち、Capability信号生成部102は、ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができる場合には、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報を「1」とし、ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができない場合には、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報を「0」とするように構成されていてもよい。
【0079】
なお、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報は、離散的な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号を送信する場合、及び、離散的な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を送信する場合のそれぞれに関して設定されてもよい。
【0080】
また、Capability信号生成部102は、図2に示すように、ユーザ装置UEがサポートする周波数バンド毎に、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報を含むCapability信号生成するように構成されていてもよい。
【0081】
ここで、かかる周波数バンドは、上述した「Operating band(運用バンド)」であってもよい。かかる「Operating band(運用バンド)」は、「Frequency band」と呼ばれてもよい。
【0082】
すなわち、ユーザ装置UEは、ユーザ装置UEがサポートする運用バンド毎に、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報を含むCapability信号生成するように構成されていてもよい。
【0083】
なお、かかる周波数バンドは、より一般的には、周波数帯域であってもよい。
【0084】
なお、ユーザ装置UEと基地局装置eNBとの間で、キャリアアグリゲーションが行われる場合には、キャリアアグリゲーションが行われる各キャリアに対して、上述の離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報が通知されてもよい。
【0085】
或いは、ユーザ装置UEと基地局装置eNBとの間で、キャリアアグリゲーションが行われる場合には、キャリアアグリゲーションが行われる際の複数のキャリアが、2つ以上の運用バンドに属する場合には、かかる2つ以上の運用バンドのそれぞれに対して、かかる離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報が通知されてもよい。
【0086】
或いは、ユーザ装置UEと基地局装置eNBとの間で、キャリアアグリゲーションが行われる場合で、かつ、上述したように、各運用バンドに対して、かかる離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて示す情報が通知されている場合には、キャリアアグリゲーションが行われる際の複数のキャリアが属する運用バンドに関する、前記情報に基づいて、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かが判定されてもよい。
【0087】
より具体的には、キャリアアグリゲーションが行われる際の複数のキャリアが属する運用バンドの全てに関して、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができると通知されている場合のみ、離散的な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信することができると判定されてもよい。
【0088】
上りリンク信号送信部104は、基地局装置eNBに対して、PUSCHやPUCCHを介して、上りリンクデータ信号や上りリンク制御信号を送信するように構成されている。
【0089】
なお、上りリンク信号送信部104は、基地局装置eNBに対して、Capability信号生成部102によって生成されたCapability信号を送信するように構成されている。
【0090】
下りリンク信号受信部106は、基地局装置eNBから、PDSCHやPDCCHを介して、下りリンクデータ信号や下りリンク制御信号を受信するように構成されている。
【0091】
図3に示すように、本実施形態に関わる基地局装置eNBは、Capability信号受信部202と、上りリンク信号受信部204と、上りリンクリソース割り当て部206と、下りリンク信号送信部208とを具備する。
【0092】
上りリンク信号受信部204は、ユーザ装置UEから、PUSCHやPUCCHを介して、上りリンクデータ信号や上りリンク制御信号を受信するように構成されている。
【0093】
Capability信号受信部202は、上りリンク信号受信部204によって受信された上りリンク信号から、Capability信号を取得するように構成されている。
【0094】
かかるCapability信号には、上述したように、ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域(すなわち、不連続な周波数帯域)で同時に上りリンク信号を送信することができるか否かについて通知する情報が含まれる。また、かかる情報は、上述したように、ユーザ装置UEがサポートする周波数バンド毎に通知されてもよい。
【0095】
下りリンク信号送信部208は、ユーザ装置UEに対して、PDSCHやPDCCHを介して、下りリンクデータ信号や下りリンク制御信号を送信するように構成されている。
【0096】
上りリンクリソース割り当て部206は、サブフレーム毎に、複数のユーザ装置UEの中で、どのユーザ装置UEに対してリソースブロックを割り当てるかについて決定し、かかるユーザ装置UEに対して上りリンク信号を送信するリソースブロックを割り当てるように構成されている。
【0097】
具体的には、上りリンクリソース割り当て部206は、Capability信号受信部202によって受信されたCapability信号に基づいて、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行うか否かについて判定し、かかる判定結果に基づいて、上りリンク信号を送信する周波数帯域(リソースブロック)の割り当てを行うように構成されている。
【0098】
すなわち、上りリンクリソース割り当て部206は、ユーザ装置UEが離散的な周波数帯域(すなわち、不連続な周波数帯域)で同時に上りリンク信号を送信することができると通知されている場合には、離散的な周波数帯域でのリソースの割り当てを行う、それ以外の場合に、連続的な周波数帯域でのリソースの割り当てを行う。
【0099】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、基地局装置eNBが、ユーザ装置UEから取得したCapability信号に基づいて、ユーザ装置の能力及び実際にユーザ装置が通信を行う周波数バンドを考慮して、不連続な周波数帯域における上りリンク信号の送信を行うか否かについて判定し、かかる判定結果に基づいて、上りリンク信号を送信する周波数帯域の割り当てを行うことができる。
【0100】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0101】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信システム内で、ユーザ装置UEと無線通信する基地局装置eNBであって、ユーザ装置UEより、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知するCapability信号(制御信号)を受信するように構成されているCapability信号受信部202を具備し、かかるCapability信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを要旨とする。
【0102】
本実施形態の第1の特徴において、Capability信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号を送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていてもよい。
【0103】
本実施形態の第1の特徴において、Capability信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を同時に送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていてもよい。
【0104】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信システム内で、基地局装置eNBと無線通信するユーザ装置UEであって、基地局装置UEに対して、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知するCapability信号を送信するように構成されている上りリンク信号送信部104を具備し、かかるCapability信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを要旨とする。
【0105】
本実施形態の第2の特徴において、Capability信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号を送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていてもよい。
【0106】
本実施形態の第2の特徴において、Capability信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を同時に送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていてもよい。
【0107】
なお、上述のユーザ装置100及び基地局装置200の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0108】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0109】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、ユーザ装置100及び基地局装置200内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ装置100及び基地局装置200内に設けられていてもよい。
【0110】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0111】
100…ユーザ装置
102…Capability信号生成部
104…上りリンク信号送信部
106…下りリンク信号受信部
200…基地局装置
202…Capability信号受信部
204…上りリンク信号受信部
206…上りリンクリソース割り当て部
208…下りリンク信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システム内で、ユーザ装置と無線通信する基地局装置であって、
前記ユーザ装置より、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知する制御信号を受信するように構成されている受信部を具備し、
前記制御信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記制御信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号を送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記制御信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を同時に送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
移動通信システム内で、基地局装置と無線通信するユーザ装置であって、
前記基地局装置に対して、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンク信号を送信する能力を有するか否かについて通知する制御信号を送信するように構成されている送信部を具備し、
前記制御信号は、運用バンド毎に通知されるように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項5】
前記制御信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で同時に上りリンクデータ信号を送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記制御信号は、割り当てられた不連続な周波数帯域で上りリンクデータ信号及び上りリンク制御信号を同時に送信する能力を有するか否かについて通知するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のユーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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