説明

基板ケース及び遊技機

【課題】ケース封印部に開放方向の外力が付加された場合にもピン部材が破損することなくその開放を阻止できる基板ケースを提供する。
【解決手段】制御基板を保持するケース本体20Aの正面開口部をカバー20Bにて密閉する。カバー20Bは、回動支点側と反対側の開放側の縁部に設けられたロック機構により、ケース本体20Aに開放不能に固定される。ロック機構は、ケース本体20Aの開放側の縁部にカバー20Bの開閉方向と交差する方向に保持された内蔵ロックピンユニット40を有する。内蔵ロックピンユニット40は、先端方向に付勢されたロックピン41を有し、カバー20Bの閉止時、その開放側の縁部にピン操作部22Bとして設けられた爪部26Bのテーパー部28Bによりロックピン41が後退し、テーパー部28Bの奥側に設けられた嵌合部27Bにロックピン41が突出嵌合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ機と呼ばれる回胴式遊技機やパチンコ機といった遊技機において、制御基板を機内に安全に取付けるための基板ケース及び基板取付け装置に関する。また、当該基板ケース及び基板取付け装置を内蔵する遊技機そのものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機だけではなく、パチスロ機と称される回胴式遊技機を用いた遊技が、従来のパチンコホールやパチスロ専用ホールで盛んに行われている。これらの遊技機においては、制御用の主基板に搭載されたROM内の情報により当選確率等が支配される。このため、制御用の主基板に対するセキュリティの確保が、機種を問わず重大な技術課題になっている。
【0003】
すなわち、この種の遊技機においては、機器内を頻繁に操作する必要から、前扉により前面が開閉されるため、機器内の制御用主基板は否が応にも人目に曝されることになる。このため、制御用主基板の改造(ROMの付け替えなど)といった不正行為が後を絶たず、これに対処するために、制御用主基板の取付け装置には、不正改造を阻止するための様々な工夫が講じられている。
【0004】
不正改造を阻止するための工夫を講じた典型的な基板取付け装置は、例えば特許文献1に記載されているように、主基板を収容する比較的薄型の基板ケースと、基板ケースを遊技機のキャビネットの背板表面に取り付けるためのケースホルダーとからなる。また、他の不正改造技術として、特許文献2〜4が出願公開されている。
【0005】
基板ケースは、長方形の主基板を内部に保持する長方形の浅いケース本体と、ケース本体の正面開口部を塞ぐための長方形のカバーとを有しており、全方向から内部の主基板が見えるようにいずれも透明樹脂により形成されている。カバーは、下辺の回動係合部と上辺の両側部に取付けられた複数のカシメピンとによりケース本体に取り外し不能に固定される。
【0006】
ケースホルダーは、基板ケースに対応する長方形の樹脂板からなり、キャビネットの背板の表面に固定ピンにより取外し不能に取付けられる一方、正面側に基板ケースを取り外し不能に保持する。具体的には、ケースホルダーの下辺部に設けられた複数の係合突起と、基板ケースの上辺中央部に保持された複数のカシメピンとにより、基板ケースはケースホルダーに取り外し不能に固定される。
【0007】
【特許文献1】特開2007−301126号公報
【特許文献2】特開2007−301126号公報
【特許文献3】特開平11−179026号公報
【特許文献4】特開平11−47402号公報
【0008】
このような基板取付け装置によると、カシメピンによるカシメ封印部をニッパー等の工具で破壊しない限り、基板ケースをケースホルダーから取り外すことができないし、基板ケースを開放することもできない。そして、カシメ封印部をニッパー等の工具で破壊した場合は、その痕跡が明確に残り、その痕跡は遊技機の前扉を開けると直ぐに見付けることができる。これに加えて、透明な基板ケースを通して内部の主基板の表面を直接監視することもできる。これらの結果として、基板ケースを開放して主基板に細工するとか、基板ケースごと主基板を取り替えるといった不正行為は効果的に防止される。
【0009】
ところが、不正行為の手口は年々巧妙化する一方、大胆化しており、基板ケースのカシメ封印側を力ずくでこじ開けるというようなことも行われ始めた。その場合、従来のカシメ封印部では、基板ケースが破壊に至る前にカシメピンが変形して、意外に簡単にケースが開くことがある。こうしてケースを不正に開放された場合、ケースに不正開放の痕跡が殆ど残らず、カシメピンの変形も分かり辛いという問題がある。
【0010】
カシメピンによるカシメ封印部が大きな外力に対して弱点を曝す理由としては、次のようなことが考えられる。カシメピンの特性上、そのピンはケースの開放方向に平行に配置される。その材質としては、カシメピンで基板ケースをロックするとき、カシメピンの変形を利用する関係から、ある程度柔軟な樹脂を使用する必要がある。これらのために、カシメ封印部に開放方向の大きな外力が加わると、意外に簡単に開き、しかも、その痕跡が殆ど残らないのである。
【0011】
カシメ封印部の別の問題として、カシメピンの破壊がある。すなわち、従来のカシメ封印部では、基板ケースを閉じた後に正面側からピン穴にカシメピンを強制的に押し込むことにより、ケースが封印される。このようなカシメ封印部では、カシメピンの後端が正面側に露出しているために、カシメピンのみが破壊され、ケースが不正開放されることがあるのである。この場合は、不正開放の痕跡がケースに残ることはない。この行為は、基板ケースのカシメ封印部だけでなく、基板ケースをケースホルダーに固定するためのカシメ封印部でも問題になっており、基板ケースがケースホルダーから不正に取り外されることにより、ケースの裏面側からケースを破壊して基板の裏面に不正改造をされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、ピン部材によるケース封印部に開放方向の大きな外力が付加された場合にもそのピン部材が破損することなくその開放を阻止できると共に、ピン部材に対する外部からの破壊行為を阻止できるセキュリティ度の高い基板ケースを提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、基板を封入する基板ケースをケースホルダーに固定するためのピン部材に対する外部からの破壊行為を阻止できるセキュリティ度の高い基板取付け装置を提供することにある。また、基板ケースや基板取付け装置を内蔵することにより、セキュリティが格段に向上した遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の基板ケースは、遊技機用の制御基板を封入する基板ケースであって、正面が開放し内側に制御基板を保持するケース本体と、ケース本体の正面開口部を密閉してケース内に制御基板を封入するカバーと備えており、前記カバーは、ケース本体の特定の縁部にその縁部を回動支点として傾動可能に係合すると共に、支点側と反対側の開放側の縁部に設けられたロック機構により、ケース本体に開放不能に固定され、前記ロック機構は、ケース本体又はカバーの何れか一方の部材の開放側の縁部にカバーの開閉方向と交差する方向に内蔵保持され、ピンホルダーにロックピンが進退可能に収容されると共に、ピンホルダーから進出方向にロックピンが付勢されたロックピンユニットと、他方の部材の開放側の縁部に設けられたテーパー部により、カバーの閉止動作に伴ってロックピンがピンホルダー内へ押し込まれ、テーパー部の奥側に設けられた嵌合部にロックピンが突出嵌合することにより、カバーの開放側の縁部を閉止状態に固定する第1ピン操作部とを有する構成である。
【0015】
本発明の基板ケースにおいては、ケース本体とカバーの封止にロックピンユニットが使用される。ロックピンユニットは、ピンホルダーにロックピンが進退可能に収容されると共に、ピンホルダーから進出方向にロックピンが付勢された構成であり、ケース本体又はカバーの何れか一方の部材の開放側の縁部にカバーの開閉方向と交差する方向、望ましくは直角な方向に内蔵保持される。そして、カバーを閉じることにより、第1ピン操作部内のロックピンが付勢力に抗してホルダー内に押し込まれ、カバーが完全に閉じた状態で再度突出してカバーを係止することにより、カバーを閉止位置に固定する。
【0016】
ここで、ロックピンはスライド式であって、予めケース内に組み込まれ、ケース外から差し込まれないため、ロック後にケース外に露出しない。このため、従来の変形型ロックピンによる封止部と比べて、ロックピンをケース外から細工することが困難である。しかも、ロックピンはカバーの開放方向と交差する方向、望ましくは直角な方向に配置されると共に、スライド形式であるため、変形が困難な硬質樹脂で形成することができる。このため、カバーに開放方向の大きな外力が加わっても、ロックピンの変形によるカバーの開放は生じない。閉止状態にロックされたカバーを開けるためには、カバーのロックピン周辺部分を破壊して、ロックピンをホルダー内へ強制的に押し込まなければならず、その痕跡は明確にケースに残る。
【0017】
ロックピンユニットにおけるピンホルダーは、ケース本体の開放側縁部の両側部分に対向配置し、その間に、基板ケースをケースホルダーに固定するための固定部を設けるのが、外力が付加されたときのカバーの開放を阻止する上で効果的である。ここにおける固定部は、カバーの開放側縁部、望ましくはその側縁に沿って複数設け、ケース本体の開放側縁部の両側部分に対向配置された一対のピンホルダーの間に設けられた切欠き部を通して当該ケースをケースホルダーに固定する構成が好ましい。
【0018】
なぜなら、制御基板を封入した後の基板ケースは原則開放されない。これに対して、警察等による基板検査の際に基板の裏面の状態を確認するために、基板ケースをケースホルダーから取り外すことは何回かある。このときはケースの固定部を破壊する。固定部をカバーの開放側縁部に側縁に沿って複数設けておけば、固定部の意図的な破壊作業が簡単であり、同じ基板ケース及びケースホルダーを使用して複数回の取り外し、再装着を行うことができる。
【0019】
また、本発明の基板取付け装置は、遊技機用の制御基板を封入する角形の透明な基板ケースと、該基板ケースを遊技機内に固定するために、基板ケースが嵌合した状態で遊技機の内面に固着される角形のケースホルダーとの組合せからなる基板取付け装置であって、基板ケースがケースホルダー内に嵌合後、ケース内でケース表面に沿った方向にスライド可能に構成されると共に、スライドした状態でケースホルダーから分離不能に構成されており、基板ケースとケースホルダーの対向面のいずれか一方に、ピンホルダーにロックピンが進退可能に収容されると共に、ピンホルダーから進出方向にロックピンが付勢されたロックピンユニットを、他方の対向面の側に向けて保持するピンユニット保持部が設けられており、他方の対向面の側には、基板ケースがケースホルダー内に嵌合した状態でロックピンをピンホルダー内に押し込み、嵌合状態からスライドした状態でロックピンを突出させて基板ケースをスライド位置に固定する第2ピン操作部が設けられている基板取付け装置である。
【0020】
本発明の基板取付け装置においては、基板ケースがケースホルダー内でスライド可能に構成されると共に、基板ケースとケースホルダーの対向面のいずれか一方にロックピンユニットが他方の対向面の側に向けて保持され、他方の対向面の側には基板ケースの嵌合、スライドに伴ってロックピンを操作する第2ピン操作部が設けられている。基板ケースがホルダー内に嵌合後、スライドすることによりホルダーに係止される。このとき、ロックピンユニットにおいては、ロックピンが第2ピン操作部によりピンホルダー内に押し込まれている。この状態から基板ケースがスライドすると、ロックピンが突出し、基板ケースをスライド位置にロックする。これにより基板ケースはケースホルダーに完全固定される。
【0021】
基板ケースをケースホルダーに固定するロックピンは、スライド式であって、予め基板ケース及びケースホルダー内に組み込まれ、外部から差し込まれないため、ロック後に外部に露出しない。このため、従来の変形型ロックピンによる封止部と比べて、ロックピンを外部から細工することが困難である。しかも、ロックピンはスライド形式であるため、変形が困難な硬質樹脂で形成することができる。このため、基板ケースに離脱側へのスライド力が加わっても、ロックピンの変形によるスライドは生じない。このため、一旦ケースホルダーに固定された基板ケースは、第2ピン操作部の周辺を破壊してロックピンをホルダー内へ強制的に押し込まない限り、基板ケースは離脱しない。もし不正行為としてこれを行った場合は、その痕跡が基板ケース或いはケースホルダーに確実に残る。
【0022】
本発明の基板取付け装置(請求項1)においては、遊技機用の制御基板を内側に封入する基板ケースと、該基板ケースを遊技機内に嵌合固定するために、遊技機の内面に固着されるケースホルダーとの組合せからなる基板取付け装置であって、 基板ケースがケースホルダー内に嵌合後、ケース内でケース表面に沿った方向にスライド可能に構成されると共に、スライドした状態でケースホルダーから分離不能に構成されており、基板ケースとケースホルダーの対向面のいずれか一方に、ピンホルダーにロックピンが進退可能に収容されると共に、ピンホルダーから進出方向にロックピンが付勢されたロックピンユニットを、他方の対向面の側に向けて保持するピンユニット保持部が設けられており、他方の対向面の側には、基板ケースがケースホルダー内に嵌合した状態でロックピンをピンホルダー内に押し込み、嵌合状態からスライドした状態でロックピンを突出させて基板ケースをスライド位置に固定する第2ピン操作部が設けられている。
【0023】
本発明の基板取付け装置においては、請求項1に記載の基板取付け装置において、前記基板ケースは、正面が開放するケース本体と、ケース本体の正面開口部を密閉してケース内に制御基板を封入するカバーとを備えており、前記カバーは、ケース本体の特定の縁部にその縁部を回動支点として傾動可能に係合すると共に、支点側と反対側の開放側の縁部に設けられたロック機構により、ケース本体に開放不能に固定され、前記ロック機構は、ケース本体又はカバーの何れか一方の部材の開放側の縁部にカバーの開閉方向と交差する方向に内蔵保持され、ピンホルダーにロックピンが進退可能に収容されると共に、ピンホルダーから進出方向にロックピンが付勢されたロックピンユニットと、他方の部材の開放側の縁部に設けられたテーパー部により、カバーの閉止動作に伴ってロックピンがピンホルダー内へ押し込まれ、テーパー部の奥側に設けられた嵌合部にロックピンが突出嵌合することにより、カバーの開放側の縁部を閉止状態に固定する第1ピン操作部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の基板ケースは、ケース本体とカバーの封止にスライド付勢式のロックピンを使用し、しかもそのロックピンをカバーの開放方向と交差する方向に配置すると共に、第1ピン操作部でカバーの閉止操作に伴って操作し、閉止状態に固定するので、第1にカバーの封印操作が容易である。第2に、ロックピンがケース内に内蔵されるので、ロックピンを外部から細工することによるケースの不正開放を効果的に阻止することができる。第3に、カバーに開放方向の大きな外力が付加されても、ロックピンの変形によるケースの開放を阻止できる。したがって、ケース内の制御基板への不正改造を極めて困難にし、万一その不正改造を受けた場合はケースに明確な痕跡が残るので、ケース内の制御基板の不正改造に対するセキュリティ度を飛躍的に高めることができる。
【0025】
また、本発明の基板取付け装置は、基板ケースをケースホルダー内でスライド可能に構成すると共に、基板ケースとケースホルダーの対向面のいずれか一方にロックピンユニットを他方の対向面の側に向けて保持し、他方の対向面の側に設けた第2ピン操作部によりスライド状態に固定して基板ケースのケースホルダーからの脱離を不能とする。ロックピンが基板ケース及びケースホルダー内に内蔵されているために、ロックピンを外部から細工することによる基板ケースの不正な取り外しを効果的に阻止し、万一不正な細工を行った場合はその痕跡が基板ケースやケースホルダーに明確に残るので、基板ケース裏面からの制御基板に対する不正行為を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態(第一実施例及び第二実施例)を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
第一実施例:
図1〜図3は本発明の一実施形態を示す基板ケース及び基板取付け装置の斜視図、図4(a)(b)(c)は本実施形態に使用されているロックピンユニットの構造説明図、図5は本実施形態の基板ケースの組み立て手順を示す斜視図、図6は本実施形態の基板ケースの上縁部の横断平面図、図7は同基板ケースの第1ピン操作部を示す斜視図、図8(a)(b)(c)は同第1ピン操作部の動作を段階的に示す横断平面図である。なお、説明の都合上、図12等に示した上下・左右及び正面と裏面の方向を規定する。
【0028】
また、図9(a)(b)は本実施形態の基板取付け装置における基板ケースのケースホルダーへの取り付け操作を示す正面図、図10(a)(b)は同基板取付け装置におけるケース保持機構を示す縦断側面図、図11(a)(b)は同基板取付け装置の第2ピン操作部の動作を段階的に示す縦断側面図である。
【0029】
本実施形態の基板取付け装置は、図1〜図3に示すように、パチンコ機やパチスロ機の制御用主基板やサブ基板などの基板10をその機器の垂直な内面に取付けるのに使用されるものであり、基板10を封入する基板ケース20と、これを遊技機の機器の垂直な内面に取付けるためのケースホルダー30と、基板ケース20の封止及び基板ケース20とケースホルダー30との連結固定に使用される複数のロックピンユニット40とを備えている。なお、基板10は特に重要な制御用基板であるが、回路基板を意味している。
【0030】
本実施形態の基板ケース20は、内部に封入する長方形の基板10の形状に対応した横に長い長方形の薄い樹脂ケースであり、内部に封入した基板10の様子がよくわかるように透明樹脂により形成されている。この基板ケース20は、正面が開口し内側に基板10を保持するケース本体20Aと、その正面開口部を閉止するカバー20Bとからなる。
【0031】
基板ケース20のケース本体20Aは、長方形の背板とその周囲の角枠状の側壁とにより、基板10が嵌合する横に長い長方形の基板収容部21Aを形成している。基板収容部21Aの下縁部には、カバー20Bの下縁部が回動可能に係合する一対のフック部22A,22Aが一体的に設けられている。基板収容部21Aの両側部上面は、カバー20Bとの固定のために上方へ凸状に突出しており、両側の突出部23A、23Aの各正面には、ロックピンユニット40を保持する円筒形状のユニット保持部24Aがそれぞれ一体的に設けられている。両側の保持部24A,24Aは、ロックピンユニット40,40を内側或いは外側に向けた姿勢でケース上縁に沿って支持する(図ではロックピンユニット40,40は共に内側を向いている)。両側の突出部23A、23Aの間は、凹状の切欠き部25Aになっている。
【0032】
ロックピンユニット40は、図4に示すように、先端がドーム状に湾曲した砲弾形のロックピン41と、ロックピン41を中心軸方向にスライド自在に支持する円筒形状のピンホルダー42と、ロックピン41を先端側へ付勢するために、ピンホルダー42内に圧縮状態で収容されたコイルスプリングからなるバネ43とからなる。ロックピン41は先端側への抜け止めがなされ、バネ43による押圧力により、外力を受けない状態では先端側のほぼ半分をピンホルダー42の先端側に弾性的に突出させている。バネ43は、ピンホルダー42内のロックピン41の後端部とピンホルダー42の後端部に設けられたストッパー45との間に圧縮状態で挿入されて、ロックピン41を先端側へ弾性的に押圧する。この状態で、ロックピン41の先端部に形成された湾曲部に、中心軸に直角な方向から外力が付加されると、ロックピン41はバネ43による付勢力に抗してピンホルダー42内に退入する。ピンホルダー42の先端側の端部には、ユニット保持部24Aの端部に係合する係止用のフランジ部44が設けられている。
【0033】
基板ケース20のカバー20Bは、図1〜図3に示すように、ケース本体20Aに対応する長方形の裏面が開放した厚みが薄い箱形であり、ケース本体20Aの下縁部に設けられた一対のフック部22A,22Aに係合するフック部を下縁部に有している。ケース本体20Aとカバー20Bのフック部同士を係合させることにより、両者は下縁部を回動支点として開閉可能にヒンジ結合される(図5参照)。カバー20Bの両側部は、ケース本体20Aの突出部23A、23Aに対応して上方へ凸状に突出しており、これら両側の突出部21B,21Bの裏面側には、突出部23A、23Aの正面側に保持されたロックピンユニット40,40を操作する第1ピン操作部22B,22B(図6〜図8)が構成されている。第1ピン操作部22B,22Bの詳細な構成は、図6〜図8を参照して後述する。
【0034】
両側の突出部21B,21Bの間には、当該基板ケース20をケースホルダー30に固定するために一体的に形成された複数の固定部23B,23B・・が設けられている。複数の固定部23B,23B・・は、突出部21B,21Bの間に複数個(ここでは4個)が横に並んで連結配置されている。個々の固定部23Bは、正面側に突出する円筒形状であり(図6参照)、基板ケース20をケースホルダー30に固定するための別のロックピン40を操作する第2ピン操作部24Bを内側に形成している(図11参照)。第2ピン操作部24Bの構成は後の基板取付け装置の説明のところで詳しく述べる。
【0035】
カバー20Bの下縁部には、基板ケース20内に封入された基板10の表面に実装された複数のコネクタ11を正面側へ露出させるために、複数の開口部25Bが横に並んで設けられている。
【0036】
カバー20Bの突出部21B、21Bの裏側に形成された第1ピン操作部22B,22Bは、図6及び図7に示すように、基板ケース20を閉じた状態でケース本体20Aの各保持部24Aを両側から挟む一対の爪部26B,26Bからなる。各爪部26Bは、カバー20Bの正面側から背面側へ突出しており、基板ケース20を閉じた状態で、保持部24Aに保持されたロックピンユニット40のロックピン41が嵌合する円形の貫通孔27Bを有すると共に、先端側に向かって外側へ傾斜したテーパー部28Bを先端部に有する。テーパー部28Bは、基板ケース20の閉止動作に伴って、保持部24Aに保持されたロックピンユニット40のロックピン41を押し込み、貫通孔27Bに誘導する(図8参照)。
【0037】
基板ケース20が閉じた状態で、ロックピンユニット40のロックピン41に対する不正操作を防止するために、第1ピン操作部22Bは、箱形の突出部21Bにて完全に包囲されて外部から隔離されており、なお且つ爪部26Bの外側に設けられた保護板29Bと組み合わされている。保護板29Bは、カバー20Bの正面側から背面側へ突出しており、カバー20Bの破壊による外部からロックピン41への不正操作をより困難にする。
【0038】
基板ケース20と共に基板取付け装置を構成するケースホルダー30は、図1〜図3に示すように、基板ケース20が正面側から嵌合する長方形で正面が開放した厚みの薄い外箱であり、ホルダー30内に嵌合した基板ケース20を下方へスライドさせるように構成されている(図9参照)。ケースホルダー30の背板部分には、当該ホルダーを遊技機の機器内面に固定するためのネジ孔31が4つ設けられている。また、下端部の両側には、複数のコネクター11を覆う保護部材(図示せず)を取り付ける為の、ネジ孔つきの張出部36,36が設けられている。これにより、不正行為を防止できる。
【0039】
背板の最上部には、ホルダー30内に嵌合した基板ケース20の下方へのスライドに伴って基板ケース20を係止する2種類のフック32,33が設けられている。2種類のフック32,33は、ケースホルダー30の背板から正面側へ突出し、先端部が上方へ鉤形に屈曲している。第1のフック32は、図9及び図10(a)に示すように、ケース本体20Aの両側の突出部23A,23A及び21B,21Bの内側に位置しており、基板ケース20のケースホルダー30への嵌合に伴って、カバー20Bの突出部21B,21Bの内側に設けられた縦スリットに挿入され、基板ケース20の下方へのスライドに伴ってカバー20Bの縦スリット上側部分に係合し、基板ケース20を固定する。第2のフック33は、ケース本体20Aの両側の突出部23A、23Aの裏側に位置しており、図10(b)に示すように、第1のフック32と同じ原理で、突出部23A、23Aの上面に設けられた横スリット29A,29Aに嵌合して、基板ケース20のケース本体20Aを固定する。
【0040】
ケースホルダー30の最下部には、複数の第3のフック34が横に並んで複数設けられている。第1のフック32及び第2フック33が基板ケース20の上部を固定するのに対し、第3のフック34は、第1のフック32及び第2フック33と同じ原理で基板ケース20の最下部を固定する。
【0041】
ケースホルダー30の背板の最上部には、複数のピンユニット保持部35,35・・が設けられている。複数のピンユニット保持部35,35・・は、基板ケース20の固定部23B(第2ピン操作部24B)に対応して、両側の第1のフック32,32の間に横に並んで設けられている。個々の保持部35は、ケースホルダー30の背板から正面側へ突出した円筒体であり、ロックピンユニット40を正面に向けて脱着可能に保持する。
【0042】
基板ケース20のケース本体20Aの上縁部に前記切欠き部25Aが設けられているために、基板ケース20をケースホルダー30に嵌合させたとき、複数のピンユニット保持部35,35・・は、基板ケース20のケース本体20Aの上縁部と干渉しない。これにより、保持部35に保持されたロックピンユニット40が、基板ケース20のカバー20Bの固定部23Bの裏側に形成された第2ピン操作部24Bにより操作される。
【0043】
具体的には、基板ケース20のカバー20Bの裏面側に設けられたこの第2ピン操作部24Bは、図11(a)(b)に示すように、基板ケース20をケースホルダー30に嵌合させた状態では、円筒状の固定部23Bの下方でロックピン41をピンホルダー42内に押し込み、基板ケース20の下方へのスライドを可能とする。基板ケース20が下方へスライドしてケースホルダー30に固定された状態では、ロックピン41が円筒状の固定部23B内に嵌合する。これにより、基板ケース20は上方へのスライドを阻止され、下方のロック位置に固定される。
【0044】
次に、本実施形態の基板ケース20及び基板取付け装置の使用方法及び機能について説明する。
【0045】
まず、基板ケース20のケース本体20Aの基板収容部21A内に基板10を固定する。また、上縁部両側の保持部24A,24A内にロックピンユニット40,40を内側に向けてセットする。以上の準備が終わると、図5に示すように、カバー20Bをケース本体20Aに取り付ける。具体的には、ケース本体20Aの下縁部に形成されたフック部22A,22Aに、カバー20Bの対応するフック部を係合させ、両者をヒンジ結合する。そして、この状態で、カバー20Bの開放側である上縁部側に閉止方向の外力を加える。そうすると、この上縁部では、図8(a)〜(c)に示すように、ケース本体20Aに保持されたロックピンユニット40,40において、カバー20Bの第1ピン操作部22B、特に爪部26Bのテーパー部28Bによりロックピン41がピンホルダー42内に押し込まれ、カバー20Bが閉じる。カバー20Bが完全に閉じると、ロックピン41が爪部26Bの貫通孔27Bに挿入され、カバー20Bが閉止状態に固定される。
【0046】
なお、図示の都合上、図5においては、ケース本体20A内の基板10は図示が省略されている。
【0047】
こうして、基板ケース20内への基板10の封入が終わると、その基板ケース20を、機器の垂直な内面に固定されたケースホルダー30に固定する。これは次のような手順で行われる。
【0048】
図2及び図3に示すように、ケースホルダー30の上縁部に並んだ複数の保持部35,35・・の一つにロックピンユニット40を正面側に向けて挿入しセットする。この状態で、図9(a)(b)に示すように、基板ケース20をケースホルダー30に挿入し、下方へスライドさせる。ケースホルダー30内での基板ケース20の下方へのスライドにより、基板ケース20は、ケースホルダー30の上縁部に設けられた第1のフック32,32及び第2フック33,33により上縁部がケースホルダー30に固定され、ケースホルダー30の下縁部に設けられた第3のフック34,34により下縁部がケースホルダー30に固定される。固定とは、基板ケース20がケースホルダー30から正面側へ脱離しないということである。
【0049】
これに加え、ケースホルダー30内で基板ケース20が下方へスライドすると、図11(a)(b)に示すように、ケースホルダー30に保持されたロックピンユニット40のロックピン41が、カバー20Bの裏面に設けられた第2ピン操作部24Bにより、ピンホルダー42に押し込まれた状態から、円筒状の固定部23B内に進入する。これにより、基板ケース20の上方へのスライドが阻止され、基板ケース20はケースホルダー30に完全に固定される。
【0050】
基板10を封入した基板ケース20においては、ロックピン41及びピンホルダー42は、スライド式であって変形の必要がないので、硬質樹脂により形成できる。しかも、ロックピン41はカバー20Bの開放方向に直角な方向を向いている。このため、カバー20Bに開放方向の大きな外力が付加されても、ロックピン41が変形してカバー20Bが開くという事態は回避される。また、ロックピンユニット40は、基板ケース20の上縁部内に完全に封入されている。このため、ロックピンユニット40を外部から破壊することもできない。
【0051】
すなわち、基板ケース20内に基板10が一旦、封入されると、ロックピンユニット40,40の近傍部分において、基板ケース20を大きく破壊しない限り、基板ケース20を開放することは不可能である。そして、基板ケース20を大きく破壊した場合は、その痕跡が基板ケース20に明確に残ることになる。また、ロックピンユニット40の前方(爪部26Bの外側)を保護板29Bで補強しているので、ロックピン41を操作するような基板ケース20の破壊も、より困難である。
【0052】
同様に、基板ケース20とケースホルダー30の固定にも、両者内に封入された前記ロックピンユニット40を使用しているので、基板ケース20やケースホルダー30の破壊を伴わない、ロックピン41の外部からの破壊は不可能である。つまり、このときも、破壊の痕跡が基板ケース20やケースホルダー30に明確に残る。
【0053】
一方、遊技機の製作時に機器内に取付けられた基板10に対して、後日、警察等による検査が行われる。このときは、基板ケース20の裏面側から基板10の裏面をチェックするために、基板ケース20をケースホルダー30から意図的に取り外す必要がある。そのときは円筒状の固定部23Bの先端閉塞部を切除する。そうすれば、ロックピン41を押し込むことができ、基板ケース20を上方へスライドさせることが可能となる。そして、このスライドを行えば、基板ケース20はケースホルダー30から容易に取り外すことができる。
【0054】
検査後、基板ケース20をケースホルダー30に再度セットするときは、ケースホルダー30の上縁部に並んだ複数の保持部35,35・・の別の一つにロックピンユニット40を正面側に向けてセットし、同様のことを行う。本実施形態では、保持部35及びこれに対応する第2ピン操作部24B及び固定部23Bが4セット設けられているので、3回の基板ケース20の取り外しに対応することができる。
【0055】
このように、本実施形態の基板ケース20及び基板取付け装置は、不正行為を行った場合、基板ケース20又はケースホルダー30若しくはそれらの両方に明確な痕跡が残る。ロックピンの変形による基板ケース20の開放等は起こし得ない。その一方で、基板ケース20のケースホルダー30からの意図的な取り外しは非常に容易である。また、基板ケース20のケースホルダー30への再装着も容易である。
【0056】
第二実施例:
本発明の他の実施形態(第一実施例の改良)を、第一実施例で使用した図1〜図11に対応する図12〜図22及び追加図面を用いて詳細に説明する。なお、第一実施例で既に説明した同一又は類似構成について、重複する部分を省略する場合もある。また、説明の都合上、図面中に示した上下・左右及び正面と裏面の方向を規定する。他の図面においても、基本的に同じ方向を用いて説明する。
【0057】
本実施形態の基板取付け装置は、図12〜図14に示すように、遊技機(パチンコ機又はパチスロ機等)の制御用主基板やサブ基板など不正行為を受けやすい基板10を、その機器の垂直な内面(例えば、背面又は側面)に取付けるのに使用される。
【0058】
この基板取付け装置は、遊技機内面に直接取付けるケースホルダー30と、基板10を封入する基板ケース20と、基板ケース20の封止及び基板ケース20とケースホルダー30との連結固定に使用される複数のロックピンユニット40とを備えている。なお、このロックピンユニット40は、同じものであり、封止及び連結固定に共用できる構造となっている。
【0059】
本実施形態の基板ケース20は、内部に封入する基板10の形状(この場合、長方形)に対応した横に長い長方形の薄い樹脂ケースであり、基板10の様子がよくわかるように透明樹脂により形成されている。この基板ケース20は、正面側が開口(正面開口部)したケース本体20Aと、その正面開口部の全体を覆って閉止(又は、蓋を)するカバー20Bとからなる(特に、図14参照)。
【0060】
ケース本体20Aの外形は、略凹字状の背板にその周囲を囲む外枠が付いたもので、結果的に正面が開口した凹盆状となっている。別の言い方をすれば、ケース本体20Aは、長方形の背板とその周囲を囲う角枠状の側壁とにより、基板10を封入する横に長い長方形盆状の基板収容部21Aと、上側壁上面の左右両側に凸状に突出した突出部23A、23Aを有している。
【0061】
この2つの突出部23Aも、それぞれ背板と角枠状の側壁とを有しており、基板収容部21Aと同様に長方形盆状となっている。つまり、ケース本体20Aは、長方形盆状の基板収容部21Aと、その上側壁の上面左右両端に長方形盆状の突出部23Aが二つ一体的に設けられて、結果的に正面が開口した外形が凹形の盆状となっている。
【0062】
両側の突出部23A、23Aの各正面側には、ロックピンユニット40を保持する円筒形状のユニット保持部24Aがそれぞれ一体的に設けられている。両側の保持部24A,24Aは、ロックピンユニット40,40を内側或いは外側に向けた姿勢でケース上縁に沿って保持する(図ではロックピンユニット40,40は共に内側を向いている)。また、両側の突出部23A、23Aの間は、凹状の切欠き部25A(特に、図16参照)になっている。
【0063】
ケース本体20Aには、基板収容部21Aの下側壁下面から下方向に延びるフック部22A,22Aが一体的に設けられており、後述するカバー20Bの下縁部が回動可能に係合する。例えば、フック部22Aは、ケース本体20Aの下縁部にフック穴が、及びカバー20Bの下縁部にフック爪が形成されている。なお、その位置構成は、逆になっていてもよい(すなわち、ケース本体20Aにフック爪、カバー20Bにフック穴)。
【0064】
ロックピンユニット40は、図15に示すように、先端がドーム状に湾曲した砲弾形のロックピン41と、ロックピン41を中心軸方向にスライド自在に支持する円筒形状のピンホルダー42と、ロックピン41を先端側へ付勢するために、ピンホルダー42内に圧縮状態で収容されたコイルスプリングからなるバネ43とからなる。ロックピン41は先端側への抜け止めがなされ、バネ43による押圧力により、外力を受けない状態では全長のほぼ半分をピンホルダー42の先端側に弾性的に突出させている。
【0065】
バネ43は、ピンホルダー42の後端部(底面)のストッパー45とピンホルダー42内のロックピン41との間に圧縮状態で挿入されて、ロックピン41を先端側へ弾性的に押圧する。この状態で、ロックピン41の先端部に形成された湾曲部に、中心軸に直角な方向から外力が付加されると、ロックピン41はバネ43による付勢力に抗してピンホルダー42内に退入する。ピンホルダー42の先端側の端部には、ユニット保持部24Aの端部に係合する係止用のフランジ部44が設けられている。
【0066】
基板ケース20のカバー20Bは、図12〜図14に示すように、凹形盆状のケース本体20Aを完全に覆う、裏面が開口(開放)した比較的厚みが薄い長方形の箱形であり、複数のコネクタ11を嵌合して正面側へ露出させる開口部25Bが複数設けられた前板にその周囲を囲む四角形の外枠が付いたもので、裏面が開口した箱蓋状となっている。別の言い方をすれば、カバー20Bは、コネクタ11が嵌合する開口部25Bが複数設けられた長方形の前板とその周囲を囲う角枠状の側壁とにより、基板10を封入する横に長い長方形箱蓋状の基板収容部20C(図14参照)と、上側壁の上面に横幅が同じ長さで裏面が開口した箱蓋状の取付部21C(図14参照)が一体的に設けられている。なお、取付部21Cは、後述する左右両側の突出部21B及びその間の固定部23B,23Bからなる。なお、必要に応じて開口部25Bを自由に設けることができる。
【0067】
カバー20Bの下側壁の下面には、上述したフック部22A,22Aに回動可能に係合するカバーフック部(図示せず)が形成されている。例えば、このカバーフック部は、カバー20Bの下縁部に形成されたフック爪であり、ケース本体20A下縁部のフック穴22Aに係合する。ケース本体20Aとカバー20Bのフック部同士を係合させることにより、両者は下縁部を回動支点として開閉可能にヒンジ結合される(図16参照)。
【0068】
カバー20Bの前板の裏面四つ角内側近辺には、裏面方向に円柱状のボスが4本立設されており、このボスによって基板収容部20C内に位置決めされた基板10が、ボス上端に形成されたネジ穴によってビス止め固定される。つまり、基板10とカバー20Bが先に位置決め固定されるので、コネクタ11と開口部25Bを隙間なく嵌合可能であり、後は組み立てたカバー20Bをケース本体20Aに系合回動させるだけなので、正確な位置決めが不要となり、基板ケース20の組み立てそのものが容易になる。
【0069】
カバー20Bの両側部は、部分的にみると、ケース本体20Aの突出部23A、23Aに対応して上方へ凸状に突出している。つまり、取付部21Cから固定部23Bを無くした状態では、基板収容部20Cとその上側壁左右の突出部21B,21Bだけになり、ケース本体20Aと外形が同じ凹形で、裏面が開口した箱蓋状となる。ただし、カバー20Bは一体成型されているので、取付部21Cから固定部23Bを無くした状態にすることはできない。
【0070】
これら両側の突出部21B,21Bの裏面側には、突出部23A、23Aの正面側に保持されたロックピンユニット40,40を操作する(ロックピン41を退進出させる操作をする)第1ピン操作部22B,22B(図17〜図19)が形成されている。第1ピン操作部22B,22Bの詳細な構成は、図17〜図19を用いて後述する。
【0071】
両側の突出部21B,21Bの間には、当該基板ケース20をケースホルダー30に固定するために一体的に形成された複数の固定部23B,23B・・が設けられている。複数の固定部23B,23B・・は、突出部21B,21Bの間に複数個(ここでは4個)が横に並んで連結配置されている。個々の固定部23Bは、正面側に突出する円筒形状であり(図17参照)、基板ケース20をケースホルダー30に固定するための別のロックピン40を操作(ロックピン41を退進出させる操作)する第2ピン操作部24Bを内側に形成している(図22参照)。第2ピン操作部24Bの構成は後の基板取付け装置の説明のところで詳しく述べる。なお、これらの図では、個々の固定部23Bが正面側に突出する円筒形状としているが、それを樹脂で埋めて、カバー20Bの前板と同じ高さとしてもよい。また、個々の固定部23Bには破壊工具を挿入する工具穴23C(縦3mm×横10mm×深さ10mm程度。図20(b)参照)が形成されており、ドライバーの先などを工具穴に突っ込み、力を入れて上下にこねるように折り曲げると1つの固定部23Bだけが破壊される。その結果、ロックピンユニット40による固定が解除されるので、基板ケース20を上にスライドさせてケースホルダー30から取り出すことが可能となる。
【0072】
同様に、個々の(図では、4つの)第1ピン操作部22Bにも工具穴26C(縦10mm×横3mm×深さ10mm程度。図19(c)及び図20(b)参照)が形成されており、左右に折り曲げると1つの第1ピン操作部22Bだけを破壊することができる。その結果、ロックピンユニット40による固定が解除されるので、ケースホルダー30から取り出された基板ケース20を開いて、制御基板10を再び取り出すことが可能となる(図16参照)。なお、工具穴23Cと工具穴26Cは、図19(c)及び図20(b)に代表して記載したものであり、他図に記載がなくても全て同じ構造である。
【0073】
カバー20Bの突出部21B、21Bの裏側に形成された第1ピン操作部22B,22Bは、図17及び図18に示すように、基板ケース20を閉じた状態でケース本体20Aの各保持部24Aを両側から挟む一対の爪部26B,26Bからなる。各爪部26Bは、カバー20Bの正面側から背面側へ突出しており、基板ケース20を閉じた状態で、保持部24Aに保持されたロックピンユニット40のロックピン41が嵌合する円形の貫通孔27Bを有すると共に、先端側に向かって外側へ傾斜したテーパー部28Bを先端部に有する。テーパー部28Bは、基板ケース20の閉止動作に伴って、保持部24Aに保持されたロックピンユニット40のロックピン41を押し込み、貫通孔27Bに誘導する(図19参照)。なお、図19(C)にのみ記載しているが、全ての爪部26Bに工具穴26Cが形成されており、その深さは貫通孔27Bの上までとなっているので、押し込まれたロックピン41を外部から操作してロック解除させることはできない。これにより、不正行為を防止でき、且つ爪部26Bが破壊された場合には、その痕跡が残るようになっているので、一目で不正行為があったことを判別できる。
【0074】
また、基板ケース20が閉じた状態で、ロックピンユニット40のロックピン41に対する不正操作を防止するために、第1ピン操作部22Bは、箱形の突出部21Bにて完全に包囲されて外部から隔離されており、なお且つ爪部26Bの外側に設けられた保護板29Bと組み合わされている。保護板29Bは、カバー20Bの正面側から背面側へ突出しており、カバー20Bの破壊による外部からロックピン41への不正操作をより困難にする。つまり、図19(C)の左側壁よりドリルで穴を開けようとしても、保護板29Bが邪魔をし、且つ穴が開けられたらその痕跡が残るようになっている。
【0075】
基板ケース20と共に基板取付け装置を構成するケースホルダー30は、図12〜図14に示すように、基板ケース20が正面側から嵌合する長方形で正面が開放した厚みの薄い外箱であり、ホルダー30内に嵌合した基板ケース20を下方へスライドさせるように構成されている(図20参照)。ケースホルダー30の背板38の中央部分には、当該ホルダーを遊技機の機器内面に固定するためのネジ孔31が4つ設けられている。また、下端部の両側には、複数のコネクター11を覆う保護部材(図示せず)を取り付ける為の、ネジ孔つきの張出部36,36が設けられている。これにより、不正行為を防止できる。
【0076】
背板38の最上部には、ホルダー30内に嵌合した基板ケース20の下方へのスライドに伴って基板ケース20を係止する2種類のフック32,33が設けられている。なお、基板ケース20が完全に下方へスライドした状態では、ケースホルダー30を遊技機内面に固定したネジは隠されるので、ケースホルダー30を取り外すことが不能になる。
【0077】
2種類のフック32,33は、ケースホルダー30の背板38から正面側へ突出し、先端部が上方へ鉤形に屈曲している(つまり、L字状フックである)。第1のフック32は、図20及び図21(a)に示すように、ケース本体20Aの両側の突出部23A,23A及び21B,21Bの内側に位置しており、基板ケース20のケースホルダー30への嵌合に伴って、カバー20Bの突出部21B,21Bの内側に設けられた縦スリットに挿入され、基板ケース20の下方へのスライドに伴ってカバー20Bの縦スリット上側部分に係合し、基板ケース20を固定する。第2のフック33は、ケース本体20Aの両側の突出部23A、23Aの裏側に位置しており、図21(b)に示すように、第1のフック32と同じ原理で、突出部23A、23Aの上面に設けられた横スリット29A,29Aに嵌合して、基板ケース20のケース本体20Aを固定する。
【0078】
ケースホルダー30の最下部には、複数の第3のフック34が横に並んで複数設けられている。第1のフック32及び第2フック33が基板ケース20の上部を固定するのに対し、第3のフック34は、基板ケース20の最下部を挟み込んで固定する。つまり、第1のフック32及び第2フック33及び第3のフック34により、基板ケース20は上下にスライド可能であるが、ケースホルダー30の正面側への離脱はできない。また、後述するように、ピンユニット保持部35が保持するロックピンユニット40によって、基板ケース20は上下にスライドもできなくなる。
【0079】
ケースホルダー30の背板38の最上部には、複数のピンユニット保持部35,35…が設けられている。このピンユニット保持部35,35…は、基板ケース20の固定部23B(第2ピン操作部24B)に対応して、両側の第1のフック32,32の間に横に並んで設けられている。個々のピンユニット保持部35は、ケースホルダー30の背板38から正面側へ突出した円筒体であり、ロックピンユニット40を正面に向けて脱着可能に保持する。
【0080】
基板ケース20のケース本体20Aの上縁部(つまり、突出部23A、23Aの間)に前記切欠き部25Aが設けられているために、基板ケース20をケースホルダー30に嵌合させたとき、複数のピンユニット保持部35,35…は、基板ケース20のケース本体20Aの上縁部(つまり、取付部21Cから固定部23B)と干渉しない。これにより、保持部35に保持されたロックピンユニット40が、上から下へのスライドに伴って、基板ケース20のカバー20Bの固定部23Bの裏側に形成された第2ピン操作部24Bにより操作される。
【0081】
具体的には、基板ケース20のカバー20Bの裏面側に設けられたこの第2ピン操作部24Bは、図22(a)(b)に示すように、基板ケース20をケースホルダー30に嵌合させた状態では、円筒状の固定部23Bの下方でロックピン41をピンホルダー42内に押し込み、基板ケース20の下方へのスライドを可能とする。また、基板ケース20が下方へ完全にスライドした状態では、ロックピン41が円筒状の固定部23B内に嵌合してケースホルダー30に固定される。これにより、基板ケース20は上方へのスライドを阻止され、下方のロック位置に固定される。
【0082】
次に、本実施形態の基板ケース20及び基板取付け装置の使用方法及び機能について説明する。
【0083】
まず、基板ケース20を構成するカバー20Bの円柱状のボスにより基板10を基板収容部20Cに位置決めし、コネクタ11と開口部25Bを嵌合させてビス止め固定する。また、ケース本体20Aの突出部23A(上縁部両側)に形成された保持部24A,24A内にロックピンユニット40,40をそれぞれ外側に向けてセットする。これは基板ケース20の左右両側を確実に封止するためである。なお、図14に示した通り、ロックピンユニット40,40の取り付け方向は、内側であっても何ら問題ない。
【0084】
以上の準備が完了すると、図16に示すように、カバー20Bをケース本体20Aに取り付ける。具体的には、ケース本体20Aの下縁部に形成されたフック部22A,22Aに、それらに対応するカバー20Bのフック部を係合させ、両者をヒンジ結合する(例えば、ケース本体20A下縁部に形成されたフック穴に、カバー20B下縁部のフック爪を係合させる)。そして、この状態で、カバー20Bの開放側である上縁部に閉止方向(図16では、時計回り)の外力を加えて、カバー20Bとケース本体20Aを閉じる。そうすると、この上縁部では、図19(a)〜(c)に示すように、ケース本体20Aに保持されたロックピンユニット40,40において、カバー20Bの第1ピン操作部22B、特に爪部26Bのテーパー部28Bによりロックピン41がピンホルダー42内に押し込まれ、カバー20Bが閉じる。カバー20Bが完全に閉じると、ロックピン41が爪部26Bの貫通孔27Bに挿入され、カバー20Bが閉止状態に固定される。なお、図16においては、基板10はカバー20B内に固定されている。
【0085】
こうして、基板ケース20内(ケース本体20A及びカバー20Bで形成される封入空間内)への基板10の封入が終わると、その基板ケース20を、機器の垂直な内面にネジ孔31を通してビス止め固定されたケースホルダー30に取り付ける。これは次のような手順で行われる。
【0086】
図13及び図14に示すように、ケースホルダー30の上縁部に並んだ複数の保持部35,35…の一つにロックピンユニット40を正面側に向けて挿入しセットする(特に、図13のロックピンユニット40参照)。この状態で、図20(a)(b)に示すように、基板ケース20をケースホルダー30に挿入し(図20(a)参照)、下方へスライドさせる(図20(b)参照)。ケースホルダー30内での基板ケース20の下方へのスライドにより、基板ケース20は、ケースホルダー30の上縁部に設けられた第1のフック32,32及び第2フック33,33により上縁部がケースホルダー30に固定され、ケースホルダー30の下縁部に設けられた第3のフック34,34により下縁部がケースホルダー30に固定される。固定とは、基板ケース20がケースホルダー30から正面側へ脱離しないということである。
【0087】
これに加え、ケースホルダー30内で基板ケース20が下方へスライドすると、図22(a)(b)に示すように、ケースホルダー30に保持されたロックピンユニット40のロックピン41が、カバー20Bの裏面に設けられた第2ピン操作部24Bにより、ピンホルダー42に押し込まれた状態(図22(a)参照)から、円筒状の固定部23B内に進入する(図22(b)参照)。これにより、基板ケース20の上方へのスライド移動が阻止され、基板ケース20はケースホルダー30に完全に固定される。
【0088】
基板10を封入した基板ケース20においては、ロックピン41及びピンホルダー42は、前後に移動するスライド式であって変形の必要がないので、硬質樹脂により形成できる。しかも、ロックピン41はカバー20Bの開放方向に直角な方向を向いている。このため、カバー20Bに開放方向の大きな外力が付加されても、ロックピン41が変形してカバー20Bが開くという事態は回避される。また、ロックピンユニット40は、基板ケース20の上縁部内に完全に封入されている。このため、ロックピンユニット40を外部から破壊することもできない。
【0089】
すなわち、基板ケース20内に基板10が封入され、一旦基板ケース20がロックされると、ロックピンユニット40,40の近傍部分において、基板ケース20を大きく破壊しない限り、基板ケース20を開放することは不可能である。そして、基板ケース20を大きく破壊した場合は、その痕跡が基板ケース20に明確に残ることになる(つまり、基板ケース20を開封すると、第1ピン操作部ブロック全体を破壊した痕跡が必ず残る)。また、ロックピンユニット40の前方(爪部26Bの外側)を保護板29Bで補強しているので、ロックピン41を外部操作するための基板ケース20の破壊も、より困難である。
【0090】
同様に、基板ケース20とケースホルダー30の固定にも、両者内に封入された同じロックピンユニット40を使用しているので、基板ケース20やケースホルダー30の破壊を伴わない、ロックピン41の外部からの取り外しは不可能である。つまり、この時も、破壊の痕跡が基板ケース20やケースホルダー30に明確に残る。
【0091】
一方、遊技機の製作時に機器内に取付けられた基板10に対して、後日、警察等による検査が行われる。このときは、基板ケース20の裏面側から基板10の裏面をチェック(目視確認)するために、基板ケース20をケースホルダー30から意図的に取り外す必要がある。そのときは円筒状の固定部23Bの先端閉塞部を切除する(又は、上述した工具穴23Cによる破壊方法によって、固定部23Bを含む1つの固定ブロックだけを破壊する)。そうすれば、ロックピン41を押し込むことができ(又は、ロックが解除されることにより)、基板ケース20を上方へスライドさせることが可能となる。そして、このスライドを行えば、基板ケース20はケースホルダー30から容易に取り外すことができる。
【0092】
検査後、基板ケース20をケースホルダー30に再度セットするときは、ケースホルダー30の上縁部に並んだ複数の保持部35,35…の別の一つにロックピンユニット40を正面側に向けてセットし、同様のことを行う。本実施形態では、保持部35及びこれに対応する第2ピン操作部24B及び固定部23Bが4セット設けられているので、3回の基板ケース20の取り外しに対応することができる。
【0093】
このように、本実施形態の基板ケース20及び基板取付け装置は、不正行為を行った場合、基板ケース20又はケースホルダー30若しくはそれらの両方に明確な痕跡が残る。ロックピンの変形による基板ケース20の開放等は起こし得ない。その一方で、基板ケース20のケースホルダー30からの意図的な取り外しは非常に容易である。また、基板ケース20のケースホルダー30への再装着も容易である。
【0094】
本発明の遊技機等の特徴的構成要件:
(1)ケース本体とカバーとが嵌合することにより形成される箱状の内部空間内に、遊技機用の回路基板を封入する基板ケースを有する。
【0095】
(2)基板ケースは、背板とその周囲の側壁によって箱状となるケース本体とカバーの上側壁上面の両側には、対応位置にそれぞれ突出部が形成されている。
【0096】
(3)基板ケースは、ケース本体とカバーとの閉止動作に伴って、一方の突出部に保持されたロックピンユニットのロックピンが、他方の突出部に設けられた第1ピン操作部の嵌合孔に進入して、ケース本体とカバーとが開放不能に固定される。
【0097】
(4)ケース本体の突出部の間にはケース本体切欠き部が形成されている。
【0098】
(5)カバーの突出部の間には、基板ケースをケースホルダーに固定するための固定部が設けられている。
【0099】
(6)固定部は、ケース本体切欠き部を通して、基板ケースをケースホルダーに固定する。
【0100】
(7)固定部は、基板ケースとケースホルダーとの閉止動作に伴って、一方の固定部に保持されたロックピンユニットのロックピンが、他方の固定部に設けられた第2ピン操作部の嵌合孔に進入して、基板ケースとケースホルダーとが開放不能に固定される。
【0101】
(8)カバーの突出部の間に設けられた固定部には、固定部を破壊するための工具穴が形成されている。
【0102】
(9)第1ピン操作部には、1つの第1ピン操作部を破壊するための工具穴が形成されている。
【0103】
(10)保持部は、ロックピンユニットを内向きと外向きの2つの方向に保持する。
【0104】
(11)爪部の外側に設けられた保護板が設けられ、ロックピンへの不正操作をより困難にしている。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の一実施形態を示す基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図2】同じく本実施形態の基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図3】同じく本実施形態の基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図4】(a)(b)(c)は本実施形態に使用されているロックピンユニットの構造説明図である。
【図5】本実施形態の基板ケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図6】本実施形態の基板ケースの上縁部の横断平面図である。
【図7】同基板ケースの第1ピン操作部を示す斜視図である。
【図8】(a)(b)(c)は同第1ピン操作部の動作を段階的に示す横断平面図である。
【図9】(a)(b)は本実施形態の基板取付け装置における基板ケースのケースホルダーへの取り付け操作を示す正面図である。
【図10】(a)(b)は同基板取付け装置におけるケース保持機構を示す縦断側面図である。
【図11】(a)(b)は同基板取付け装置の第2ピン操作部の動作を段階的に示す縦断側面図である。
【図12】本発明の一実施形態を示す基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図13】同じく本実施形態の基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図14】同じく本実施形態の基板ケース及びその取付け装置の全体構造を示す斜視図である。
【図15】(a)(b)(c)は本実施形態に使用されているロックピンユニットの構造説明図である。
【図16】本実施形態の基板ケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図17】本実施形態の基板ケースの上縁部の横断平面図である。
【図18】同基板ケースの第1ピン操作部を示す斜視図である。
【図19】(a)(b)(c)は同第1ピン操作部の動作を段階的に示す横断平面図である。
【図20】(a)(b)は本実施形態の基板取付け装置における基板ケースのケースホルダーへの取り付け操作を示す正面図である。
【図21】(a)(b)は同基板取付け装置におけるケース保持機構を示す縦断側面図である。
【図22】(a)(b)は同基板取付け装置の第2ピン操作部の動作を段階的に示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0106】
10 制御基板
20 基板ケース
20A ケース本体
21A 基板収容部
22A フック部
23A 突出部
24A ピンユニット保持部
25A 切欠き部
20B カバー
21B 突出部
22B 第1ピン操作部
23B 固定部
24B 第2ピン操作部
25B 開口部
26B 爪部
27B 貫通孔(嵌合部)
28B テーパー部
29B 保護板
30 ケースホルダー
31 ネジ孔
32,33,34 フック
35 ピンユニット保持部
36 張出部
40 ロックピンユニット
41 ロックピン
42 ピンホルダー
43 バネ
44 フランジ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体とカバーとが嵌合することにより形成される箱状の内部空間内に、遊技機用の回路基板を封入する基板ケースであって、
背板とその周囲の側壁によって箱状となるケース本体とカバーの上側壁上面の両側には、対応位置にそれぞれ突出部が形成されており、
ケース本体とカバーとの閉止動作に伴って、一方の突出部に保持されたロックピンユニットのロックピンが、他方の突出部に設けられた第1ピン操作部の嵌合孔に進入して、ケース本体とカバーとが開放不能に固定され、
ケース本体の突出部の間にはケース本体切欠き部が形成され、
カバーの突出部の間には、基板ケースをケースホルダーに固定するための固定部が設けられており、
固定部は、ケース本体切欠き部を通して、基板ケースをケースホルダーに固定すること、
を特徴とする基板ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の基板ケースにおいて、
固定部は、基板ケースとケースホルダーとの閉止動作に伴って、一方の固定部に保持されたロックピンユニットのロックピンが、他方の固定部に設けられた第2ピン操作部の嵌合孔に進入して、基板ケースとケースホルダーとが開放不能に固定されること、
を特徴とする基板ケース。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の基板ケースにおいて、
カバーの突出部の間に設けられた固定部には、固定部を破壊するための工具穴が形成されていること、
を特徴とする基板ケース。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の基板ケースにおいて、
第1ピン操作部には、第1ピン操作部を破壊するための工具穴が形成されていること、
を特徴とする基板ケース。
【請求項5】
機内に固定されたケースホルダーに基板ケースを保持する遊技機において、
基板ケースは、ケース本体とカバーとが嵌合することにより形成される箱状の内部空間内に遊技機用の回路基板を封入すると共に、背板とその周囲の側壁によって箱状となるケース本体とカバーの上側壁上面の両側には、対応位置にそれぞれ突出部が形成されており、
ケース本体とカバーとの閉止動作に伴って、一方の突出部に保持されたロックピンユニットのロックピンが、他方の突出部に設けられた第1ピン操作部の嵌合孔に進入して、ケース本体とカバーとが開放不能に固定され、
ケース本体の突出部の間にはケース本体切欠き部が形成され、
カバーの突出部の間には、基板ケースをケースホルダーに固定するための固定部が設けられており、
固定部は、ケース本体切欠き部を通して、基板ケースをケースホルダーに固定すること、
を特徴とする遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−88465(P2010−88465A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258274(P2008−258274)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【特許番号】特許第4401426号(P4401426)
【特許公報発行日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(500553844)ネット株式会社 (200)
【Fターム(参考)】