説明

基板パネル、およびこの基板パネルを用いたシャシー

【課題】十分な機械強度を有するとともに軽量且つコンパクトなシャシー、およびこのシャシーを構成する基板パネルを提供することを課題とする。
【解決手段】シャシーは、回路基板に剛性を付与した基板パネルを用いて組み立てられる。基板パネルは、複数個の電子部品を実装した回路基板をモールドすることで機械的な剛性が付与されている。回路基板の縁には、シャシーを組み立てるための連結手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数個の電子部品を実装した回路基板に機械的な剛性を付与した基板パネル、およびこの基板パネルを用いたシャシーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機に搭載される電子機器として、それぞれ複数個の電子部品を実装した複数枚の回路基板を並べて収容配置したシャシーが知られている。このように、複数枚の回路基板を並べてシャシーに収容することで、航空機における電子機器の搭載空間を有効利用できる。
【0003】
この種のシャシーには、外部からの衝撃から回路基板を守るため、或いは回路基板の歪みを防止するため、十分な機械強度が要求される。また、航空機に搭載するため、この種のシャシーは、できるだけ軽くすることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−79429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、十分な機械強度を持たせるため、一般に、シャシーは比較的肉厚の金属フレームによって構成されている。このため、基板の重量に比べてシャシー自体が重くなる。また、シャシーを用いて複数枚の回路基板を収容すると、少なくともフレームの厚さ分だけシャシーのサイズが大きくなり、複数台のシャシーを航空機に搭載した場合、このフレームが占める空間は無視できないものとなる。
【0006】
よって、十分な機械強度を有するとともに軽量且つコンパクトな基板のためのシャシーの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るシャシーは、回路基板に剛性を付与した基板パネルを用いて組み立てられる。基板パネルは、複数個の電子部品を実装した回路基板をモールドすることで機械的な剛性が付与されている。回路基板の縁には、シャシーを組み立てる際に、例えば別の基板パネルと連結するための連結手段が固設されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る基板パネルの内部構造を示す概略図である。
【図2】図2は、第2の実施形態に係る基板パネルの一例を示す正面図(a)、側面図(b)、および底面図(c)である。
【図3】図3は、図2の基板パネルを用いて組み立てられるシャシーの分解斜視図である。
【図4】図4は、第3の実施形態に係る基板パネルを連結するための構造について説明するための部分拡大図である。
【図5】図5は、図4の底パネルを上方から見た部分拡大平面図である。
【図6】図6は、第4の実施形態に係るシャシーを示す概略図である。
【図7】図7は、図6の側面カバーを取り外した状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1には、第1の実施形態に係る基板パネルの内部構造を説明するための概略図を示してある。以下に説明する各実施形態では、この種の基板パネルを少なくとも1枚使って、複数枚の回路基板4を並べて収容するためのシャシー1(例えば、図3参照)を組み立てるようにした。一例として、図1の基板パネルだけでシャシーを組立てても良い。
【0010】
このシャシー1は、例えば、航空機に複数台搭載されるため、できるだけ軽量且つコンパクトにすることが望ましい。当然のことながら、比較的剛性の低い、その上、衝撃に弱い接続を伴う電子部品を多数実装した回路基板4を収容するこの種のシャシー1には、十分な機械強度が必要であり、高い剛性が要求される。
【0011】
図1に示すように、基板パネル10は、複数個の電子部品2を実装した回路基板4を有する。回路基板4の周りには、複数個の電子部品2を埋設して回路基板4の表面全体を覆うように、エポキシ樹脂が、モールド成形により設けられている。この際、このモールド部材6に接する回路基板4の表面には、予め、絶縁性のコーティング材5が適当な厚さで塗布されている。コーティング材5として、本実施形態では、比較的弾力性が高いシリコン樹脂を使用した。つまり、このコーティング材5は、弾性部材としても機能する。
【0012】
モールド部材6は、比較的剛性の高い樹脂で形成し、コーティング材5は、比較的弾力性が高い樹脂で形成することが好ましいが、それぞれ、エポキシ樹脂、シリコン樹脂に限定されるものではなく、他の樹脂材料を使用可能である。
【0013】
以上のように、比較的剛性の高いエポキシ樹脂によって回路基板4をモールドすることにより、回路基板4に所望する程度の十分な剛性を付与することができ、回路基板4自体をシャシーの構造部材(すなわち、基板パネル10)として使用することができる。これにより、金属製のシャシーの中に複数枚の回路基板を収容する従来の構造と比較して、回路基板4と別体の金属製のシャシーが不要となり、その分、電子機器全体としてサイズを小さくできる。また、シャシーの構造部材として実施形態の基板パネル10を用いると、その分、シャシーを軽くすることができる。
【0014】
また、複数個の電子部品2を実装した回路基板4が熱膨張および熱収縮した場合、弾力性のあるコーティング材5が回路基板4の熱変形を吸収する。このため、応力集中によって電子部品2と回路基板4との間の接続が切断される心配もなく、基板パネル10の外形が変化することも無い。つまり、本実施形態の基板パネル10をシャシー1の構造部材として使用すると、十分な剛性を付与できるとともに、回路基板4としての信頼性を高めることができる。
【0015】
図2には、第2の実施形態に係る基板パネル10’の正面図(a)、側面図(b)、および底面図(c)を概略的に示してある。また、図3には、この基板パネル10’を用いたシャシー1の分解斜視図を示してある。
【0016】
この基板パネル10’は、2つのコネクタ3、ヒートシンク7、および4つのねじ穴8(連結手段)を有する以外、上述した第1の実施形態の基板パネル10と基本的に同様の構造を有する。このため、ここでは、上述した第1の実施形態の基板パネル10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0017】
この基板パネル10’は、例えば、図3に示すようにシャシー1を組み立てる場合、互いに離間して平行に重なるように並設された複数枚(本実施形態では5枚)の基板パネルのうちの1枚に相当する。つまり、この基板パネル10’が後述する底パネル12の上面12aに面する下端には、2つのコネクタ3が突設されている。これら2つのコネクタ3は、基板パネル10’内の回路基板4に固設されているとともに図示しない配線パターンに電気的に接続されている。
【0018】
当然のことながら、底パネル12の上面12aには、5枚の基板パネル10’に対応して、合計10個のここでは図示しないコネクタが設けられている。これら10個のコネクタは、底パネル12中に埋設された図示しないマザーボードに電気的且つ機械的に接続されている。つまり、底パネル12も、基板パネルの一種と考えられる。
【0019】
また、基板パネル10’において、回路基板4に実装された複数個の電子部品2のうち発熱量の比較的多いCPUなどの電子部品2’には、適宜、ヒートシンク7が密着して取り付けられている。このヒートシンク7は、図2(b)に示すように、モールド部材6の外側、すなわち基板パネル10’の表面から外方へ突出した複数枚の放熱フィン7aを一体に有する。言い換えると、モールド部材6は、ヒートシンク7の放熱フィン7aを外側に突出せしめるようにヒートシンク7を部分的に埋設している。
【0020】
このように、比較的高温になる電子部品2’に取り付けたヒートシンク7の放熱フィン7aを基板パネル10’の外側に突出せしめることにより、当該電子部品2’を効果的に放熱させることができるとともに、弾力性のあるコーティング材5がこれら電子部品2’及びヒートシンク7の実装された回路基板4の熱変形を吸収する。なお、本実施形態では、図3に示すようにシャシー1を組み立てると、ヒートシンク7の複数枚の放熱フィン7aが隣接する他の基板パネル10’との間の隙間に配置されることになる。このため、複数枚の基板パネル10’の間を流通する冷却風に放熱フィン7が晒されて、当該電子部品2’がより効果的に冷却されることになる。
【0021】
ここで、図3を参照して、シャシー1の組み立て方法について説明する。
まず、マザーボードを埋設した底パネル12の上面12aにあるコネクタ(ここでは図示せず)に5枚の基板パネル10’それぞれのコネクタ3を接続し、全ての基板パネル10’を底パネル12に電気的に接続する。
【0022】
これにより、各基板パネル10’の下端側にそれぞれ設けられた2つのねじ穴8が、底パネル12を貫通して設けられた対応するねじ孔12b(連結手段)(本実施形態では、2×5=10個)にそれぞれ重なる。底パネル12を貫通した各ねじ孔12bには、ねじ13の頭部を係合するための小径にされたフランジ部が設けられている。
【0023】
次に、底パネル12の下面側から、上記のように重なったねじ穴8およびねじ孔12bにそれぞれねじ13(連結手段)を挿通し、各基板パネル10’の下端を底パネル12の上面12aに締結固定する。このように、全てのねじ13を締結固定することで、各基板パネル10’と底パネル12の上面12aとの間を密着させると同時に、各基板パネル10’と底パネル12との間のコネクタ3による電気的な接続を保証することができる。
【0024】
さらにこの後、フロントパネル14、およびリアパネル16を取り付ける。
フロントパネル14には、シャシー1を図示しない外部機器に接続する図示しないハーネスを接続するための複数(本実施形態では3つ)のコネクタ14aが外方に向けて突設されている。また、フロントパネル14の下端近くの裏面側には、フロントパネル14を底パネル12に電気的に接続するための2つのコネクタ14bが突設されている。
【0025】
一方、リアパネル16には、ここでは図示しないブロアが外方に突出して取り付けられている。また、リアパネル16の下端近くにも、底パネル12に電気的に接続するための図示しないコネクタが裏面から突出して設けられている。リアパネル16は、フロントパネル14と同様に取り付けられるため、ここではリアパネル16の取り付け方法についての説明を省略する。
【0026】
フロントパネル16を取り付ける場合、まず、下端近くにある2つのコネクタ14bを底パネル12の端部に設けた2つのコネクタ12cそれぞれに電気的に接続する。これにより、重ね方向両端の2枚の基板パネル10’の頂部近くの側端にそれぞれ設けられた2つのねじ穴12d(連結手段)と、フロントパネル14の上端角部を貫通して設けられた2つのねじ孔14c(連結手段)と、がそれぞれ重なる。また、このとき、同時に、フロントパネル14の下端角部近くを貫通して設けられた2つのねじ孔14d(連結手段)も、底パネル12のフロント側の端部に対応して設けられたねじ穴12e(連結手段)に重なる。なお、底パネル12の4つのねじ孔14c、14dには、それぞれ、ねじ15(連結手段)の頭部を係合するための小径にされたフランジ部が設けられている。
【0027】
そして、フロントパネル14の前方から、上記のように重なったねじ穴12dとねじ孔14c、およびねじ穴12eとねじ孔14dに、それぞれねじ15を挿通し、フロントパネル14の上端角部を基板パネル10’の上端近くに締結固定するとともに、フロントパネル14の下端角部を底パネル12のフロント側の端部に締結固定する。
【0028】
このとき、全てのねじ15を締め付けることにより、フロントパネル14の裏面を、各基板パネル10’のフロント側の端部および底パネル12のフロント側の端部に密着させることができ、同時に、フロントパネル14と底パネル12との間のコネクタ12c、14bによる電気的な接続を保証することができる。
【0029】
最後に、カバーパネル18を取り付ける。
このカバーパネル18には、5枚の基板パネル10’それぞれの上端角部近くに設けられたねじ穴12f(連結手段)に対向する合計10個のねじ孔18a(連結手段)がパネルを貫通して設けられている。また、カバーパネル18には、フロントパネル14の上端角部近くに設けられたねじ穴14e(連結手段)に対向する2つのねじ孔18b(連結手段)、およびリアパネル16の上端角部近くに設けられたねじ穴16a(連結手段)に対向する2つのねじ孔18c(連結手段)が、それぞれ、パネルを貫通して設けられている。
【0030】
そして、カバーパネル18の上方から、それぞれ上記のように重ねられたねじ穴12fとねじ孔18a、ねじ穴14eとねじ孔18b、およびねじ穴16aとねじ孔18cにねじ19(連結手段)が挿通され、カバーパネル18が締結固定される。これにより、カバーパネル18の裏面が、複数枚の基板パネル10’の上端、フロントパネル14の上端、およびリアパネル16の上端に密着され、シャシー1の組み立てが完了する。
【0031】
以上のように、本実施形態の基板パネル10’を用いて組み立てたシャシー1は、高い剛性を有し、軽量且つコンパクトにできる。特に、本実施形態のシャシー1は、回路基板4と別体のフレームを必要としないため、部品点数も少なくて済み、組み立ても容易にできる。
【0032】
また、本実施形態の基板パネル10’によると、回路基板4を樹脂によりモールドしているため、回路基板4に実装した電子部品2が外気に晒されることがない。このため、シャシー1を組み立てた状態で、基板パネル10’の間に空気を流通させて空冷する際に、従来のように回路基板に埃や湿気が付着する心配がなく、メンテナンスの必要もない。
【0033】
なお、本実施形態のフロントパネル14、リアパネル16、カバーパネル18なども、回路基板をモールドした基板パネルと見做すことができる。このため、例えば、フロントパネル14の前面に回路符号を印刷することもできる。
【0034】
また、本実施形態では、基板パネル同士を連結する連結手段として、ねじ穴とねじを用いた締結構造について説明したが、これに限らず、基板パネル同士を接着したり、一方の基板パネルに他方の基板パネルに係合する係合爪を設けたりすることもできる。
【0035】
また、本実施形態のシャシー1を組み立てる際に基板パネル同士を互いに位置決めするための位置決め手段として、ここでは図示しない位置決めピンや位置決め段部を基板パネルに設けることもできる。
【0036】
図4には、第3の実施形態の基板パネル10”の下端を他の実施形態の底パネル12’の上面12aに連結するための構造を部分的に拡大して示してある。また、図5には、図4の底パネル12’を上方から見た部分拡大平面図を示してある。ここで、図4および図5を参照して、基板パネル10”の底パネル12’に対する連結手段の一例について説明する。
【0037】
本実施形態の基板パネル10”および底パネル12’は、互いを連結するための連結手段として、それぞれ、アルミニウム製の締結ブロック22、24を有する。また、底パネル12’の上面12aのコネクタ25の周囲には、Oリング26を配置するための環状溝27が設けられている。これ以外の構造は、上述した実施形態と略同じであるため、ここでは、同様に機能する構成要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
各基板パネル10”の締結ブロック22は、パネルの4角にそれぞれ取り付けられる比較的小さなブロックであり、底パネル12’の締結ブロック24は、パネルのフロント側の端辺に沿って、およびリア側の端辺に沿って延設された、比較的細長いブロックである。なお、ここでは図示しないカバーパネル18も、底パネル12’と同様に、その両端に細長い締結ブロックを備えている。
【0039】
例えば、底パネル12’のフロント側の細長い締結ブロック24は、回路基板4の縁に係合して位置決めするための段部として、回路基板4のフロント側の端辺を受け入れる細長い溝24aを有する。また、リア側の締結ブロック24も、同様に、位置決めのための段部として機能する、回路基板4のリア側の端辺を受け入れる細長い溝24aを有する。一方、基板パネル10”の締結ブロック22も、回路基板4の4つの角部を受け入れて位置決めするための段部22aを有する。
【0040】
そして、各締結ブロック22、24は、それぞれ、回路基板4の縁部或いは角部を溝24a或いは段部22aに係合せしめることで、回路基板4に対して位置決めされ、この状態で、回路基板4に固定される。このとき、締結ブロック22、24は、回路基板4の図示しない配線パターンに対して、例えば、半田付けにより固定される。すなわち、本実施形態の連結手段は、電子部品2と同様に、回路基板4に取り付けられる。さらに、このように締結ブロック22、24を固定した回路基板4が、エポキシ樹脂によってモールドされ、基板パネル10”や底パネル12’が構成されている。
【0041】
上記構造の基板パネル10”を底パネル12’に連結する際には、基板パネル10”の下端から突出した2つのコネクタ3を、それぞれ、底パネル12’の対応する2つのコネクタ25に差し込む。このとき、基板パネル10”の下端角部に固設した2つの締結ブロック22の平らな下面22bと、底パネル12’のフロント側およびリア側にそれぞれ固設した締結ブロック24の平らな上面24bと、が面で接触し、締結ブロック22の下面22bに刻設したねじ穴8と締結ブロック24を貫通して刻設したねじ孔12bが重なる。
【0042】
また、このとき、底パネル12’のコネクタ25の周囲に配置したOリング26が僅かに潰れて、基板パネル10”側のコネクタ3と底パネル12’側のコネクタ25の周囲が密閉される。つまり、上述したように、締結ブロック22、24が面22b、24bで接触したとき、基板パネル10”のモールド部材6の下端面6aと底パネル12’の上面12aとの間には僅かな隙間が形成されるが、Oリング26がこの隙間をつなぐように変形することでコネクタ周囲が密閉される。
【0043】
このため、本実施形態によると、上述したような締結ブロック22、24同士を当接せしめてねじ13によって両者を締結することによって、パネル10”、12’同士を高い位置精度で位置決めでき、その上、コネクタ3、25の密閉状態での接続も保証できる。これにより、コネクタを保護することができる。
【0044】
また、本実施形態のように金属製の締結ブロック22、24を連結手段として用いることで、上述した第2の実施形態のようにモールド部材6にねじ留めする場合と比較して、より強固で確実な締結が可能となる。さらに、本実施形態では、締結ブロック22、24を回路基板4の配線パターンに半田付けにより固定したため、締結ブロック22、24を接地部材として機能させることもできる。なお、本実施形態で説明したようなパネル同士の接続は、基板パネル10”と底パネル12’との間の接続に限るものではなく、フロントパネル14、リアパネル16、カバーパネル18などの接続にも適用できることは言うまでも無い。
【0045】
図6には、上述したような締結ブロック(連結手段)を備えた基板パネルを図3のように組み立てた第4の実施形態に係るシャシー30の概略図を示してある。また、図7には、図6のシャシー30の側面カバー39を取り外した状態を示してある。
【0046】
このシャシー30は、フロント側およびリア側の端部にそれぞれ細長い締結ブロック31a(連結手段)を備えた底パネル31、それぞれ4つの角部に比較的小さい締結ブロック32a(連結手段)を備えた複数枚の基板パネル32、上端部および下端部にそれぞれ細長い締結ブロック33a(連結手段)を備えたフロントパネル33、上端部および下端部にそれぞれ細長い締結ブロック34a(連結手段)を備えたリアパネル34、およびフロント側およびリア側の端部にそれぞれ細長い締結ブロック35a(連結手段)を備えたカバーパネル35を有する。
【0047】
また、フロントパネル33の前面側には、外部機器に接続するハーネスを接続するための複数のコネクタ36が突設されている。また、リアパネル34の後面側には、ブロア37が取り付けられている。また、カバーパネル35の上には、蓋体38が取り付けられ、シャシー30の側面には、側面カバー39が取り付けられている。
【0048】
このシャシー30を組み立てる場合、まず、底パネル31の上面に複数枚の基板パネル32を立位で平行に並べて配置し、底パネル31の締結ブロック31aと各基板パネル32の下端角部にある締結ブロック32aを図示しないねじ(連結手段)でそれぞれ締結固定する。
【0049】
そして、カバーパネル35を複数枚の基板パネル32の上端上に載置して、カバーパネル35の締結ブロック35aと各基板パネル32の上端角部にある締結ブロック32aを図示しないねじ(連結手段)でそれぞれ締結固定する。
【0050】
さらに、フロントパネル33をシャシーのフロント側に配置して、フロントパネル33の上端にある締結ブロック33aとカバーパネル35のフロント側の締結ブロック35aを図示しないねじ(連結手段)で締結し、フロントパネル33の下端にある締結ブロック33aと底パネル31のフロント側の締結ブロック31aを図示しないねじ(連結手段)で締結する。
【0051】
また、リアパネル34をシャシーのリア側に配置して、リアパネル34の上端にある締結ブロック34aとカバーパネル35のリア側の締結ブロック35aを図示しないねじ(連結手段)で締結し、リアパネル34の下端にある締結ブロック34aと底パネル31のリア側の締結ブロック31aを図示しないねじ(連結手段)で締結する。
【0052】
最後に、カバーパネル35の上に蓋体38を取り付けて、シャシーの両側面に側面カバー39を取り付ける。例えば、側面カバー39は、フロント側の端部が3つのねじ39a(連結手段)を用いてフロントパネル33のモールド部材6の側面に締結され、リア側の端部が3つのねじ39a(連結手段)を用いてリアパネル34のモールド部材6の側面に締結され、上端側の端部が3つのねじ39a(連結手段)を用いてカバーパネル35のモールド部材6の側面に締結され、下端側の端部が3つのねじ39a(連結手段)を用いて底パネル31のモールド部材6の側面に締結される。以上のように、本実施形態のシャシー30の組み立てが完了する。
【0053】
本実施形態によると、各基板パネルを連結する連結部材として金属製のブロックを採用したため、シャシー30として、第3の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0054】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の基板パネルによると、回路基板4自体に剛性を付与することにより、十分な機械強度を有するとともに軽量且つコンパクトなシャシーを提供できる。
【0055】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、全ての回路基板4をモールドしてシャシーの構造部材として利用した場合について説明したが、これに限らず、少なくとも1枚の回路基板4に剛性を持たせてシャシーの一部として使用すれば良い。
【符号の説明】
【0057】
1、30…シャシー、2…電子部品、4…回路基板、5…コーティング材、6…モールド部材、7…ヒートシンク、10、10’、10”…基板パネル、12、12’…底パネル、14…フロントパネル、16…リアパネル、18…カバーパネル、22、24…締結ブロック、26…Oリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の電子部品を実装した回路基板と、
この回路基板をモールドして機械的な剛性を付与したモールド部材と、
このモールド部材で剛性を付与した上記回路基板を用いてシャシーを組み立てるための連結手段と、
を有する基板パネル。
【請求項2】
上記連結手段は、上記回路基板の縁に固設されている請求項1の基板パネル。
【請求項3】
上記モールド部材は、上記複数個の電子部品を埋設して上記回路基板の表面全体を覆うように設けられている請求項1または請求項2の基板パネル。
【請求項4】
上記モールド部材に接する上記回路基板の表面には、絶縁性のコーティング材が塗布されている請求項3の基板パネル。
【請求項5】
上記モールド部材は、比較的剛性の高い樹脂であり、上記コーティング材は、比較的弾力性が高い樹脂である請求項4の基板パネル。
【請求項6】
上記連結手段は、上記回路基板上の配線パターンに半田付けにより固定され、当該回路基板とともに上記モールド部材によってモールドされる請求項2の基板パネル。
【請求項7】
上記連結手段は、上記回路基板の縁に係合して位置決めするための段部を有する請求項2または請求項6の基板パネル。
【請求項8】
上記連結手段を介して連結する他の基板パネルとの間の電気的な接続のためのコネクタをさらに有する請求項1または請求項2の基板パネル。
【請求項9】
上記電子部品に接触して取り付けられたヒートシンクをさらに有し、
このヒートシンクは、上記モールド部材の外にその少なくとも一部が突出している請求項1または請求項2の基板パネル。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかの基板パネルを少なくとも1枚用いて組み立てた、回路基板を収容するためのシャシー。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれかの基板パネルを複数枚並べて組み立てたシャシー。
【請求項12】
第1の基板パネルと、
この第1の基板パネルに一端を連結して互いに離間して並べて配置された複数枚の第2の基板パネルと、を有し、
上記第1および第2の基板パネルのうち少なくとも1枚を、請求項1乃至請求項9のいずれかの基板パネルで構成したシャシー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182218(P2012−182218A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42688(P2011−42688)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】