説明

基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法

【課題】基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法において、搬送中の振動等に対しても基板の落下を抑制可能とすることを目的とする。
【解決手段】ディスク状基板を保持する基板ホルダにおいて、開口部を有する本体部と、前記開口部内の前記基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備え、前記複数の爪の各々は、平坦形状を有し前記基板の端部を押し付ける先端部を有し、前記爪の前記先端部の基板把持力は200gf〜400gfであり、前記爪の先端部の表面粗さRzは17μm〜25μmであるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法に係り、特にディスク状基板を保持する基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの外部記憶装置等として用いられている磁気記憶装置の記憶容量は、年々大容量化が進んでいる。高密度記録を可能とする磁気ディスク等の磁気記録媒体を高品質、且つ、安定に製造するためには、スパッタ成膜工程における欠陥障害の低減を図る必要がある。
【0003】
スパッタ成膜工程における欠陥障害の主要因の一つは、スパッタ装置内で発生する発塵である。スパッタ装置内で発生する発塵の主要因の一つは、基板を保持する爪と基板とが相対的にずれることによるものである。基板の両面に同時に成膜するスパッタ成膜工程では、スパッタ装置は基板を基板ホルダに保持した状態で各成膜工程を行う。上記の爪は、基板ホルダに設けられている。
【0004】
図1は、第1の従来例における爪と基板との関係を説明する図である。図1の爪1−1の先端部はV字形状を有し、複数の爪1−1が基板2に押し付けられることで基板2が保持される。基板2は、爪1−1の先端部のV字形状の底部分に保持されることで、基板2が爪1−1から滑り落ちてしまうことを防止している。爪1−1の先端部の表面粗さRaは約2.5μm、又は、表面粗さRzは約10μmである。図1中、2A,2Bは、成膜処理を施される基板2の面(以下、基板表面と言う)である。
【0005】
しかし、基板2が爪1−1の先端部のV字形状の斜面で保持されると、搬送中の振動等により基板2がずれやすく、このずれにより発塵が発生してしまう。又、近年注目されている垂直磁気記録媒体は、水平磁気記録媒体と比べると成膜厚が厚い媒体構造を有するため、このような基板2のずれによる発塵が生じやすい。一方、基板2の端部が爪1−1の先端部のV字形状で保持されると、基板2の端部が爪1−1の先端部のV字形状に覆われてしまい、成膜工程で基板2の端部の成膜を良好に行えない。
【0006】
そこで、爪の先端部を平坦にした第2の従来例がある。図2は、第2の従来例における爪と基板との関係を説明する図である。図1の爪1−2の先端部は平坦形状を有し、複数の爪1−2が基板2に押し付けられることで基板2が保持される。爪1−2の先端部は平坦であり、爪1−1の場合のような斜面がないため、基板2の端部が接触する爪1−2の先端部の位置による基板2のずれは生じにくい。又、爪1−2の先端部は、爪1−1の場合のように基板2の端部を覆うことがないので、成膜工程で基板2の端部まで成膜を良好に行える。爪1−2の先端部の表面粗さは、爪1−1の場合と同様である。
【0007】
爪1−2の場合、基板2に対する成膜工程により爪1−2の先端部にも膜が堆積する。このため、図3に示すように膜4が堆積することで、基板2の爪1−2に対するずれがより確実に防止できる。図3は、基板に対する成膜工程により爪の先端部に堆積する膜を説明する図である。
【特許文献1】特開2001−209981号公報
【特許文献2】特開2006−66008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、図3に示すような膜4が堆積するまでは、基板2は爪1−2の先端部から滑り落ち易いという問題があった。図4は、特に搬送中の振動等により基板2が滑り落ち易い方向を矢印で示す斜視図である。基板2が爪1−2の先端部から滑り落ちてしまうと、磁気記録媒体の生産性が著しく低下してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、搬送中の振動等に対しても基板の落下を抑制可能な基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一観点によれば、ディスク状基板を保持する基板ホルダであって、開口部を有する本体部と、前記開口部内の前記基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備え、前記複数の爪の各々は、平坦形状を有し前記基板の端部を押し付ける先端部を有し、前記爪の前記先端部の基板把持力は200gf〜400gfであり、前記爪の先端部の表面粗さRzは17μm〜25μmである基板ホルダが提供される。
【0011】
本発明の一観点によれば、基板ホルダを開口部を有する本体部と前記開口部内のディスク状基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備えた構成とし、前記基板を前記基板ホルダに保持された状態で搬送して各成膜工程を実行することで、前記基板上に各種膜を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体製造方法であって、前記爪の先端部の基板把持力を200gf〜400gfに設定し、前記爪の先端部を表面粗さRzが17μm〜25μmの平坦形状とする磁気記録媒体製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法によれば、搬送中の振動等に対しても基板の落下を抑制可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
開示の基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法では、ディスク状基板の端部を、先端部が平坦形状を有する爪で保持する。爪の先端部の基板把持力が200gf〜400gfの場合、この爪の先端部の表面粗さRzが17μm〜25μm、又は、表面粗さRaが4.2μm〜6.3μmである。基板把持力が200gf以上であると、爪の先端部の保持力、即ち、爪の先端部と基板の端部との間の摩擦力が30gf以上となり、搬送時の振動等によっても基板が爪の先端部から滑り落ちにくくなる。
【0014】
以下に、本発明の基板ホルダ及び磁気記録媒体製造方法の各実施例を、図5以降と共に説明する。
【実施例】
【0015】
図5は、本発明の一実施例における基板ホルダを示す斜視図である。図5中、基板ホルダ11は、開口部13が設けられた本体部12を有する。本体部12には、3個の爪21が略等角度間隔で設けられている。各爪21は、基部が本体部12に固定された片持ち支持バネ23の先端部に設けられているか、或いは、片持ち支持バネ23自体により形成されている。開口部13に挿入されたディスク状基板2の端部は、各爪21の先端部に押し付けられた状態で保持される。基板2の両基板表面2A,2Bに同時に成膜するスパッタ成膜工程では、スパッタ装置(図示せず)は基板2を基板ホルダ11に保持した状態で各成膜工程を行う。スパッタ装置自体は周知の構成のものを使用可能であるため、その図示及び説明は省略する。磁気記録媒体製造方法は、基板2を基板ホルダ11に保持された状態で搬送して各成膜工程を実行することで、基板2上に各種膜を形成して磁気記録媒体、即ち、磁気ディスクを製造する。
【0016】
尚、爪21の数は3個に限定されず、4個以上設けても良いが、最小限の爪21の数で基板2を安定に保持するには、図5に示すように3個であることが好ましい。以下の説明では、図5において下側に位置する爪21を下爪21と呼び、上側に位置する一対の爪21を上爪21と呼ぶものとする。
【0017】
図6は、爪21と基板2との関係を説明する図である。図6に示すように、爪21の先端部の面(以下、先端面と言う)21−1は平坦形状を有する。図6の例では、先端面21−1の両端部に突起22−1が設けられており、先端面21−1と突起22−1により基板2の落下を防止するU字形状が形成されているが、突起22−1は省略可能であり、図5では突起22−1を有さない爪21が図示されている。爪21の少なくとも先端部又は先端面21−1及び突起22−1は、インコネル(Inconel、登録商標)(X750)、SUS301−CSP、SUS304−CSP、SUS631−CSP、チタン(Ti)、タングステン(Tg)、SK−CSP、バネ鋼鋼材SUP3等の材料で形成されている。例えば、爪21を上記の如き材料で形成し、面21−1をノズル口径を4mm、エアー圧力を0.5MPaとした周知の吸引式ブラスト洗浄機によるアルミナ#46又はアルミナ#30を用いたブラスト洗浄により加工すると、アルミナ#46を用いた場合は先端面21−1の表面粗さRzを17μm〜20μmに加工でき、アルミナ#30を用いた場合は先端面21−1の表面粗さRzを20μm〜25μmに加工できる。尚、爪21を例えばインコネルで形成した場合、先端面21−1の表面粗さRzを25μmを超える値に形成するには、専用のブラスト設備が必要となることに加え、爪21の変形が生じやすくなるため、コスト及び生産性を考慮すると好ましくない。このため、先端面21−1の表面粗さRzの上限は25μmとすることが好ましい。
【0018】
基板2の端部の面2−1は平坦形状を有する。図6の例では、基板2の基板表面2A,2Bと面2−1との間にはテーパ面が形成されているが、このテーパ面は極力小さくすることが可能である。基板2は、例えばガラスで形成された直径2.5インチのディスクである。この場合の面2−1の表面粗さRzは0.07μm〜0.1μm、又、表面粗さRaは0.02μm〜0.03μmである。
【0019】
本発明者は、把持力搬送時の振動等によっても基板2が爪21の先端部から滑り落ちにくくなる基板把持力及び保持力について検証した。具体的には、図7のように支持された基板2に対して、上爪21の先端部の基板把持力を141gf〜282gfで変化させ、下爪21の先端部の基板把持力を200gf〜400gfで変化させた。図7は、図5における基板ホルダ11の本体部12を取り除いて示す図である。上爪21(片持ち支持バネ23)の基板表面2A,2Bと平行な方向に沿った先端面21−1の長さは0.5mm、下爪21(片持ち支持バネ23)の基板表面2A,2Bと平行な方向に沿った先端面21−1の長さは0.7mm〜0.8mmとした。又、爪21の先端面21−1の表面粗さRzを10μm〜25μmの範囲で変化させた。図7及び後述する図8及び図9のデータは、基板2の重量が4.7g〜12gの場合のデータである。
【0020】
図8は、保持力(gf)と基板把持力(gf)との関係を示す図である。爪21の先端部の保持力は、爪21の先端面21−1と基板2の端部の面2−1との間の摩擦力と等しい。保持力は、テンションゲージ(図示せず)で基板2が爪21の先端面21−1で保持されている部分を基板表面2A,2Bに垂直な方向に押した時に基板2が落下するまでの荷重を測定することで求めた。図8中、Iは上爪21の先端面21−1の表面粗さRzが10μmの場合のデータ、IIは上爪21の先端面21−1の表面粗さRzが20μmの場合のデータ、IIIは下上爪21の先端面21−1の表面粗さRzが10μmの場合のデータ、IVは下爪21の先端面21−1の表面粗さRzが20μmの場合のデータを示す。
【0021】
本発明者は、上爪21及び下爪21の保持力が30gf以上であると基板2が爪21の先端部から滑り落ち難く、上爪21及び下爪21の保持力が30gfとなるのは基板把持力が200gf以上の場合であることを見出した。又、本発明者は、爪21の変形や破損は、基板把持力が400fgを超える場合であることも見出した。
【0022】
図9は、上爪21及び下爪21について、先端面21−1の表面粗さRzと基板把持力との関係を図8のデータに基づいて示す図である。図9のデータから、例えば先端面21−1の表面粗さRzが10μmの上爪21及び下爪21の基板把持力が200gfである第1のケースの場合、上爪21の保持力は24gf、下爪の保持力は33gfとなり、搬送時の振動等により基板2が爪21の先端部から滑り落ちる確率は1.70%であることを確認した。又、例えば先端面21−1の表面粗さRzが20μmの上爪21及び下爪21の基板把持力が200gfである第2のケースの場合、上爪21の保持力は32gf、下爪の保持力は43gfとなり、搬送時の振動等により基板2が爪21の先端部から滑り落ちる確率は第1のケースの約1/4である0.40%であることを確認した。図8中、二点鎖線で示す範囲RNGXでは、基板2が爪21のの先端部から滑り落ちる確率は1.7%〜100%であった。尚、図8中、一点鎖線で示す範囲RNG1は、爪21の先端部の基板把持力が200gf〜400gfの範囲を示す。上記第1のケースは図2の従来例に相当する比較例であり、上記第2のケースは本実施例に相当する。
【0023】
磁気記録媒体の製造工程で特に問題となるのが基板落下エラーであるが、上記第2のケースでは基板落下エラーの確率を0.4%に抑えることができ、上記第1のケースの1.7%と比べると約1/4に抑えることができることが確認された。このように、本実施例では、製造工程でのエラーが大幅に減少して磁気記録媒体の歩留まりを大幅に向上することが可能であることが確認された。
【0024】
尚、上記第1のケースの場合、スパッタ成膜工程における欠陥障害が基板2のロットの途中から増加する傾向にあった。これは、スパッタ装置内で発生する発塵がロットの途中から蓄積されることによると考えられる。これに対し、上記第2のケースの場合、スパッタ成膜工程における欠陥障害が基板2のロットの途中から増加する傾向は見られなかった。これは、スパッタ装置内で発生する発塵が抑制されていることによると考えられる。
【0025】
又、上記第1のケースの場合、基板2の基板面2A,2B間で発生する欠陥障害の数が大きく異なる傾向が見られた。これは、基板2が爪21の先端面21−1上で搬送時の振動等によりずれることで基板2の位置ずれが生じることによると考えられる。一方、上記第2のケースの場合、基板2の基板面2A,2B間で発生する欠陥障害の数が大きく異なる傾向は見られなかった。これは、基板2が爪21の先端面21−1上で搬送時の振動等によりずれが抑制され基板2の位置ずれが生じにくいことによると考えられる。
【0026】
図10は、爪21の先端面21−1の保持力(gf)と表面粗さRz(μm)の関係を示す図である。図10中、XIは上爪21に対するデータ、XIIは下爪21に対するデータを示す。又、RNGPは、爪21の先端面21−1の表面粗さRzが約10μmの場合を示し、RNGIは爪21の先端面21−1の表面粗さRzが17μm〜25μmの場合を示す。爪21の先端部の基板把持力が200gf〜400gfの場合、爪21の先端面21−1の表面粗さRzが17μm〜25μm(又は、表面粗さRaが4.2μm〜6.3μm)であると、爪21の先端部の保持力が30gf以上となり、搬送時の振動等によっても基板2が爪21の先端部から滑り落ちにくくなることが確認された。
【0027】
尚、本実施例においても、図3の場合と同様に、基板2に対する成膜工程により爪21の先端面21−1にも膜が堆積する。この膜が堆積することで、基板2の爪21の先端面21−1に対するずれがより確実に防止できることは言うまでもない。
【0028】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ディスク状基板を保持する基板ホルダであって、
開口部を有する本体部と、
前記開口部内の前記基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備え、
前記複数の爪の各々は、平坦形状を有し前記基板の端部を押し付ける先端部を有し、
前記爪の前記先端部の基板把持力は200gf〜400gfであり、
前記爪の先端部の表面粗さRzは17μm〜25μmである、基板ホルダ。
(付記2)
前記爪は、等角度間隔で設けられた3個の爪からなり、基部が前記本体部に固定された片持ち支持バネの先端部に設けられているか、或いは、前記片持ち支持バネ自体により形成されている、付記1記載の基板ホルダ。
(付記3)
前記爪の少なくとも先端部又は先端面は、インコネル(X750)、SUS301−CSP、SUS304−CSP、SUS631−CSP、チタン(Ti)、タングステン(Tg)、SK−CSP、バネ鋼鋼材SUP3から選択された1つの材用で形成されている、付記1又は2記載の基板ホルダ。
(付記4)
前記基板の端部の表面粗さRzは0.07μm〜0.1μmである、付記1乃至3のいずれか1項記載の基板ホルダ。
(付記5)
前記爪の先端部と前記基板の端部との間の摩擦力は30gf以上である、付記1乃至4のいずれか1項記載の基板ホルダ。
(付記6)
基板ホルダを開口部を有する本体部と前記開口部内のディスク状基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備えた構成とし、前記基板を前記基板ホルダに保持された状態で搬送して各成膜工程を実行することで、前記基板上に各種膜を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体製造方法であって、
前記爪の先端部の基板把持力を200gf〜400gfに設定し、
前記爪の先端部を表面粗さRzが17μm〜25μmの平坦形状とする、磁気記録媒体製造方法。
(付記7)
前記基板の端部の表面粗さRzは0.07μm〜0.1μmである、付記6記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記8)
前記爪の先端部と前記基板の端部との間の摩擦力を30gf以上に設定する、付記6又は7記載の磁気記録媒体製造方法。
【0029】
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の従来例における爪と基板との関係を説明する図である。
【図2】第2の従来例における爪と基板との関係を説明する図である。
【図3】基板に対する成膜工程により爪の先端部に堆積する膜を説明する図である。
【図4】基板が滑り落ち易い方向を矢印で示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例における基板ホルダを示す斜視図である。
【図6】爪と基板との関係を説明する図である。
【図7】図5における基板ホルダの本体部を取り除いて示す図である。
【図8】保持力と基板把持力との関係を示す図である。
【図9】上爪及び下爪について、先端面の表面粗さRzと基板把持力との関係を図8のデータに基づいて示す図である。
【図10】爪の先端面の保持力と表面粗さRzの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
2 基板
2A,2B 基板面
11 基板ホルダ
12 本体部
13 開口部
21 爪
21−1 先端面
23 片持ち支持バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状基板を保持する基板ホルダであって、
開口部を有する本体部と、
前記開口部内の前記基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備え、
前記複数の爪の各々は、平坦形状を有し前記基板の端部を押し付ける先端部を有し、
前記爪の前記先端部の基板把持力は200gf〜400gfであり、
前記爪の先端部の表面粗さRzは17μm〜25μmである、基板ホルダ。
【請求項2】
前記爪は、等角度間隔で設けられた3個の爪からなり、基部が前記本体部に固定された片持ち支持バネの先端部に設けられているか、或いは、前記片持ち支持バネ自体により形成されている、請求項1記載の基板ホルダ。
【請求項3】
前記基板の端部の表面粗さRzは0.07μm〜0.1μmである、請求項1又は2記載の基板ホルダ。
【請求項4】
前記爪の先端部と前記基板の端部との間の摩擦力は30gf以上である、請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板ホルダ。
【請求項5】
基板ホルダを開口部を有する本体部と前記開口部内のディスク状基板の端部を押し付けて保持する複数の爪を備えた構成とし、前記基板を前記基板ホルダに保持された状態で搬送して各成膜工程を実行することで、前記基板上に各種膜を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体製造方法であって、
前記爪の先端部の基板把持力を200gf〜400gfに設定し、
前記爪の先端部を表面粗さRzが17μm〜25μmの平坦形状とする、磁気記録媒体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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