説明

基板検査装置および補正情報取得方法

【課題】所望の検査点に各検査用プローブを正確に接触させ得る補正情報を取得する。
【解決手段】補正情報取得処理における位置ずれ状態特定処理において、直線L1に沿って配設された検査用プローブPのプロービングによって形成された打痕M1〜M9のうちの打痕M2〜M9を直線近似した近似直線La1と、直線L2に沿って配設された検査用プローブPのプロービングによって形成された打痕M22〜M26,M1のうちの打痕M22〜M26を直線近似した近似直線La2とが交差する交点Ca1を特定して、直線L1,L2とが交差する交点C1を特定可能に記憶部に記憶された基準位置情報と、特定した交点Ca1の位置情報とに基づいて位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブユニットに配設された検査用プローブを検査対象基板にプロービングさせて検査対象基板を電気的に検査する基板検査装置、およびプロービング時に使用するプロービング情報を補正するための補正情報を取得する補正情報取得方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の基板検査装置として、出願人は、基板検査治具におけるピンボードに植設された複数のプローブピンを介して検査対象の回路基板を電気的に検査する回路基板検査装置(以下、単に「基板検査装置」ともいう)を特開2001−13189号公報に開示している。この基板検査装置では、回路基板が載置されたテーブルを、X軸移動手段およびY軸移動手段によって基板検査治具(ピンボード)の下方に移動させ、その後に、ピンボードをテーブル(回路基板)に向けて下降させることで各プローブピンを回路基板の各検査点にそれぞれ接触させて電気的に検査する構成が採用されている。
【0003】
この場合、この種の検査装置では、移動手段によってテーブル(回路基板)を移動させる際の移動量および移動方向や、テーブルに向けて基板検査治具(ピンボード)を下降させる際の移動量および移動方向に極く小さな個体差が存在する。このため、この種の検査装置においては、基板検査治具(ピンボード)の下方にテーブル(回路基板)を設計値どおりに移動させ、かつ、テーブル(回路基板)に向けて基板検査治具(ピンボード)を設計値どおりに下降させたとしても、各プローブピンが所望の検査点から位置ずれして回路基板に接触することがある。したがって、出願人が開示している基板検査装置では、回路基板上の所望の検査点に対して各プローブピンを正確に接触させるために、上記の移動量や移動方向を、予め取得したオフセットデータに基づいて補正することで個体差をキャンセルする構成が採用されている。
【0004】
具体的には、回路基板の検査に先立って上記のオフセットデータを取得する。この際には、まず、回路基板に代えて打痕シートを載置したテーブルを、位置指定データに従って基板検査治具(ピンボード)の下方に移動させる。次いで、ピンボードをテーブルに向けて下降させることで、打痕シートに対して各プローブピンをプロービングさせる。この際には、打痕シートにおけるプローブピンの接触部位に打痕が形成される。続いて、移動手段によってテーブル(打痕シート)をカメラの下方に移動させた後に、テーブル上の打痕シートをカメラによって撮像する。次いで、カメラから出力された画像データを画像処理手段によって解析することで、打痕位置データを取得する。
【0005】
続いて、CPUが、基板検査治具の下方にテーブルを移動させた際に移動手段に対して出力した位置指定データと、打痕シートを撮像した画像データの解析によって取得した打痕位置データとの差(ずれ)を演算する。これにより、演算結果がオフセットデータとして取得される。一方、回路基板の検査(回路基板に対するプロービング)に際しては、CPUが、上記の位置指定データに対してオフセットデータを加算して両移動手段によるテーブルの移動量等を制御する。これにより、出願人が開示している基板検査装置によれば、各プローブピンを所望の検査点に対して正確に接触させることができる結果、回路基板の良否を正確に検査することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−13189号公報(第3−4頁、第1−3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、出願人が開示している基板検査装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している基板検査装置では、打痕シートに対して各プローブピンをプロービングさせることで形成した打痕の位置を打痕位置データとして取得すると共に、取得した打痕位置データと位置指定データとの差(ずれ)をオフセットデータとして取得する構成が採用されている。この場合、図5に示すように、この種の基板検査装置において使用するピンボードでは、プローブピンの座屈や伸縮を許容するために、プローブピンにおける本体部と、本体部を支持する支持部との間に小さな隙間が存在する、また、各プローブピンに許容範囲内において極く小さな曲がり等が生じたものも存在する。
【0008】
例えば、図5に示すように、この種の基板検査装置において使用するテストヘッド(ピンボード)5xは、一例として、検査用プローブ(プローブピン)P1〜P26(以下、区別しないときには「検査用プローブP」ともいう)を備えて構成されている。このテストヘッド5xでは、一例として、検査用プローブP1〜P9が直線L1に沿って並び、検査用プローブP9〜P14が直線L4に沿って並び、検査用プローブP14〜P22が直線L3に沿って並び、検査用プローブP22〜P26,P1が直線L2に沿って並ぶように設計されている。しかしながら、このように設計されたテストヘッド5xを用いたとしても、上記の隙間や曲がりの影響を受けて、図6に示すように、検査用プローブP1〜P26の接触によって打痕シート30xに形成される打痕M1〜M26(以下、区別しないときには「打痕M」ともいう)が直線L1〜L4から位置ずれした状態となることがある。なお、図6では、各打痕Mの位置ずれについての理解を容易とするために、直線L1〜L4に対する各打痕Mの位置ずれ量を誇張して大きく位置ずれさせて図示している。
【0009】
このようなテストヘッド5xを有する基板検査装置においてオフセットデータを取得する際に、一例として、検査用プローブP1に検査用プローブP2〜P26よりも大きな曲がりが生じていたときには、同図に示すように、打痕M1aが破線で示す正常な打痕M1の位置から大きく位置ずれして形成される。したがって、同図に示す例において、打痕M1aを対象として打痕位置データを取得してオフセットデータを演算したときには、テーブルの移動に際して使用する位置指定データを、打痕M1aの位置ずれの方向とは逆向きに大きく補正する内容のオフセットデータが取得されることとなる。このようなオフセットデータを使用して位置指定データを補正してテーブル(回路基板)を移動させたときには、検査用プローブP1だけでなく、検査用プローブP2〜P26の接触位置についても、打痕M1aの位置ずれの方向とは逆向きに大きく補正されることとなる。
【0010】
このため、テストヘッド5xに植設された検査用プローブP2〜P26の中に、その接触位置が、上記の打痕M1aの位置ずれの方向とは逆向きに位置ずれするような曲がり等が生じている検査用プローブPが存在するときには、その検査用プローブPの接触位置が、上記の打痕M1aの位置ずれの向きとは逆向きにさらに位置ずれすることとなる。したがって、その検査用プローブPに関しては、回路基板上の所望の検査点に対して接触させることが困難となるおそれがある。
【0011】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、検査対象基板上の所望の検査点に対して各検査用プローブを正確に接触させることが可能な補正情報を取得し得る基板検査装置および補正情報取得方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成すべく請求項1記載の基板検査装置は、接触型の複数の検査用プローブが配設されたプローブユニットと、検査対象基板を保持する基板保持機構と、前記プローブユニットおよび前記基板保持機構の少なくとも一方を他方に対して移動させて前記検査用プローブを前記検査対象基板にプロービングさせる移動機構と、前記基板保持機構における前記検査対象基板の保持位置を撮像して画像データを出力する撮像部と、前記検査対象基板に対するプロービング時に前記少なくとも一方を前記他方に対して移動させる移動量および移動方向を特定可能なプロービング情報を記憶する記憶部と、前記撮像部による撮像、および前記移動機構による前記少なくとも一方の移動を制御すると共に、前記検査対象基板に対するプロービング時に使用する前記プロービング情報を補正するための補正情報を取得する補正情報取得処理を実行する処理部とを備え、前記処理部が、前記補正情報取得処理に際して、前記プロービング情報に従って前記移動機構を制御して前記保持位置に配設されている打痕シートに前記検査用プローブをプロービングさせて当該打痕シートに打痕を形成させる打痕形成処理と、前記撮像部を制御して前記打痕シートを撮像させる撮像処理と、前記撮像部から出力された前記画像データに基づいて特定される前記打痕の位置に基づいて前記打痕形成処理における前記検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する位置ずれ状態特定処理とをこの順で実行して、当該位置ずれ状態特定処理において特定した前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を前記補正情報として取得する基板検査装置であって、前記処理部は、前記位置ずれ状態特定処理において、第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第1の近似直線、および第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第1の近似曲線のいずれかと、第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第2の近似直線、および第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第2の近似曲線のいずれかとが交差する第1の交点を特定して、前記第1の直線および前記第1の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第2の直線および前記第2の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第1の基準点を特定可能に前記記憶部に記憶された基準位置情報と、前記特定した第1の交点の位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0013】
また、請求項2記載の基板検査装置は、請求項1記載の基板検査装置において、前記処理部は、前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したA近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第1の近似直線、および前記第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したA近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第1の近似曲線のいずれかと、前記第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したB近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第2の近似直線、および前記第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したB近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第2の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第1の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0014】
さらに、請求項3記載の基板検査装置は、請求項1または2記載の基板検査装置において、前記処理部は、前記第1の交点を特定すると共に、第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第3の近似直線、および第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第3の近似曲線のいずれかと、第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第4の近似直線、および第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第4の近似曲線のいずれかとが交差する第2の交点を特定して、前記第1の基準点、並びに、前記第3の直線および前記第3の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第4の直線および前記第4の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第2の基準点を特定可能に前記記憶部に記憶された前記基準位置情報と、前記特定した第1の交点および第2の交点の各位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0015】
また、請求項4記載の基板検査装置は、請求項3記載の基板検査装置において、前記処理部は、前記第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したC近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第3の近似直線、および前記第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したC近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第3の近似曲線のいずれかと、前記第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したD近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第4の近似直線、および前記第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したD近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第4の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第2の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0016】
また、請求項5記載の補正情報取得方法は、接触型の複数の検査用プローブが配設されたプローブユニットと、検査対象基板を保持する基板保持機構と、前記プローブユニットおよび前記基板保持機構の少なくとも一方を他方に対して移動させて前記検査用プローブを前記検査対象基板にプロービングさせる移動機構と、前記基板保持機構における前記検査対象基板の保持位置を撮像して画像データを出力する撮像部とを備えた基板検査装置を用いて、前記検査対象基板に対するプロービング時に前記少なくとも一方を前記他方に対して移動させる移動量および移動方向を特定可能なプロービング情報を補正するための補正情報を取得するする際に、前記プロービング情報に従って前記移動機構を制御して前記保持位置に配設されている打痕シートに前記検査用プローブをプロービングさせて当該打痕シートに打痕を形成させる打痕形成処理と、前記撮像部を制御して前記打痕シートを撮像させる撮像処理と、前記撮像部から出力された前記画像データに基づいて特定される前記打痕の位置に基づいて前記打痕形成処理における前記検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する位置ずれ状態特定処理とをこの順で実行して、当該位置ずれ状態特定処理において特定した前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を前記補正情報として取得する補正情報取得方法であって、前記位置ずれ状態特定処理において、第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第1の近似直線、および第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第1の近似曲線のいずれかと、第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第2の近似直線、および第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第2の近似曲線のいずれかとが交差する第1の交点を特定して、前記第1の直線および前記第1の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第2の直線および前記第2の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第1の基準点を特定可能な基準位置情報と、前記特定した第1の交点の位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0017】
さらに、請求項6記載の補正情報取得方法は、請求項5記載の補正情報取得方法において、前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したA近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第1の近似直線、および前記第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したA近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第1の近似曲線のいずれかと、前記第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したB近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第2の近似直線、および前記第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したB近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第2の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第1の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0018】
また、請求項7記載の補正情報取得方法は、請求項5または6記載の補正情報取得方法において、前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の交点を特定すると共に、第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第3の近似直線、および第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第3の近似曲線のいずれかと、第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第4の近似直線、および第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第4の近似曲線のいずれかとが交差する第2の交点を特定して、前記第1の基準点、並びに、前記第3の直線および前記第3の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第4の直線および前記第4の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第2の基準点を特定可能な前記基準位置情報と、前記特定した第1の交点および第2の交点の各位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【0019】
さらに、請求項8記載の補正情報取得方法は、請求項7記載の補正情報取得方法において、前記位置ずれ状態特定処理において、前記第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したC近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第3の近似直線、および前記第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したC近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第3の近似曲線のいずれかと、前記第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したD近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第4の近似直線、および前記第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したD近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第4の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第2の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の基板検査装置、および請求項5記載の補正情報取得方法によれば、少なくとも3つの打痕を直線近似した第1の近似直線、および少なくとも3つの打痕を曲線近似した第1の近似曲線のいずれかと、少なくとも3つの打痕を直線近似した第2の近似直線、および少なくとも3つの打痕を曲線近似した第2の近似曲線のいずれかとが交差する第1の交点を特定して、特定した第1の交点の位置情報と基準位置情報とに基づいて、検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定することにより、複数の打痕のなかに、基準プロービング位置からの位置ずれ量がある程度大きな打痕が存在したとしても、各打痕を直線近似、または曲線近似することによって、大きな位置ずれ量の打痕の影響が十分に小さくなるため、直線近似によって特定された近似直線や曲線近似によって特定された近似曲線の交点に基づいて補正情報を取得することで、大きな位置ずれ量の打痕の影響が十分に小さい補正情報を取得することができる。したがって、プロービング情報を必要以上に大きく補正することとなる補正情報が取得される事態が回避されるため、プロービング情報および補正情報に基づいて移動機構を制御することで、各検査用プローブを検査対象基板上の所望の検査点に対して正確に接触させることができる結果、検査対象基板の良否を正確に検査することができる。
【0021】
請求項2記載の基板検査装置、および請求項6記載の補正情報取得方法によれば、第1の近似直線の特定に際してA近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第1の近似曲線の特定に際してA近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第2の近似直線の特定に際してB近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第2の近似曲線の特定に際してB近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定することにより、第1の交点を求めるための第1の近似直線および第1の近似曲線のいずれかと第2の近似直線および第2の近似曲線のいずれかとを特定する際に、その位置ずれ量が大きい打痕の影響を十分に小さくすることができる結果、大きな位置ずれ量の打痕の影響が一層小さい補正情報を取得することができる。したがって、プロービング情報および補正情報に基づいて移動機構を制御することで、各検査用プローブを検査対象基板上の所望の検査点に対して一層正確に接触させることができる結果、検査対象基板の良否を一層正確に検査することができる。
【0022】
請求項3記載の基板検査装置、および請求項7記載の補正情報取得方法によれば、上記の第1の交点を特定すると共に、少なくとも3つの打痕を直線近似した第3の近似直線、および少なくとも3つの打痕を曲線近似した第3の近似曲線のいずれかと、少なくとも3つの打痕を直線近似した第4の近似直線、および少なくとも3つの打痕を曲線近似した第4の近似曲線のいずれかとが交差する第2の交点を特定して、特定した第1の交点および第2の交点の各位置情報と基準位置情報とに基づいて、検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定することにより、第1の交点だけに基づいて補正情報を取得する構成(方法)と比較して、基準位置情報と対比する点が第1の交点および第2の交点に増えた分だけ、検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を一層正確に特定することができる。
【0023】
請求項4記載の基板検査装置、および請求項8記載の補正情報取得方法によれば、第3の近似直線の特定に際してC近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第3の近似曲線の特定に際してC近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第4の近似直線の特定に際してD近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定し、第4の近似曲線の特定に際してD近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の打痕を除いて特定することにより、第2の交点を求めるための第3の近似直線および第3の近似曲線のいずれかと第4の近似直線および第4の近似曲線のいずれかとを特定する際に、その位置ずれ量が大きい打痕の影響を十分に小さくすることができる結果、大きな位置ずれ量の打痕の影響が一層小さい補正情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】基板検査装置1の構成を示す構成図である。
【図2】打痕Ma〜Mfの形成位置と、打痕Ma〜Mfを形成した検査用プローブPa〜Pfの配設位置と、近似直線La,Lbおよび直線Lとの関係について説明するための説明図である。
【図3】テストヘッド5における各検査用プローブP1〜P26の配置について説明するための説明図である。
【図4】打痕シート30に形成された打痕M1〜M26の形成位置について説明するための説明図である。
【図5】テストヘッド5xにおける検査用プローブP1〜P26の配置について説明するための説明図である。
【図6】打痕シート30xに形成された打痕M1〜M26の形成位置について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、基板検査装置および補正情報取得方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示す基板検査装置1は、検査対象基板20を電気的に検査可能に構成された検査装置であって、基板保持機構2、搬送機構3、カメラ4、テストヘッド5、移動機構6、測定部7、操作部8、表示部9、処理部10および記憶部11を備えて構成されている。基板保持機構2は、処理部10の制御に従って、予め規定された保持位置に載置された検査対象基板20を保持する。搬送機構3は、処理部10の制御に従って、カメラ4による撮像処理位置、および移動機構6とテストヘッド5とによるプロービング処理位置(検査処理位置)のいずれかに基板保持機構2を搬送する。カメラ4は、「撮像部」に相当し、処理部10の制御に従って、上記の保持位置に保持された検査対象基板20、または、後述するように保持位置に配設された打痕シート30を撮像して、撮像データD1(「画像データ」の一例)を出力する。
【0027】
テストヘッド5は、「プローブユニット」の一例であって、図3に示すように、接触型の検査用プローブP1〜P26(以下、区別しないときには「検査用プローブP」ともいう)が、図示しないプローブ支持板によって支持されて構成されている。なお、実際のテストヘッド5は、検査対象基板20に規定された検査ポイントの数に応じて、図3に示すテストヘッド5よりも少数の検査用プローブP、または、図3に示すテストヘッド5よりも多数の検査用プローブPが配設されて構成されている。
【0028】
この場合、本例のテストヘッド5では、検査用プローブP1〜P9が直線L1(「第1の直線」の一例)に沿って配設され、検査用プローブP9〜P14が直線L1に対して直交する直線L4(「第4の直線」の一例)に沿って配設され、検査用プローブP14〜P22が直線L4に対して直交し、かつ直線L1と平行な直線L3(「第3の直線」の一例)に沿って配設され、検査用プローブP22〜P26,P1が直線L1,L3に対して直交し、かつ直線L4と平行な直線L2(「第2の直線」の一例)に沿って配設されている。また、このテストヘッド5では、前述した隙間や曲がりの存在に起因して、各検査用プローブP1〜P26の先端部が直線L1〜L4から僅かに位置ずれした状態となっている。なお、同図では、各検査用プローブPの先端部を黒丸でそれぞれ図示すると共に、本願発明についての理解を容易とするために、検査用プローブPの先端部の直線L1〜L4に対する位置ずれ量を誇張して大きく位置ずれさせて図示している。
【0029】
移動機構6は、処理部10の制御に従って、搬送機構3がプロービング位置に搬送した基板保持機構2上の検査対象基板20(または、打痕シート30)に向けてテストヘッド5を移動させることで、検査対象基板20(または、打痕シート30)に対して各検査用プローブPを接触(プロービング)させる(「プローブユニットおよび基板保持機構の少なくとも一方」が「プローブユニット」で、「他方」が「基板保持機構」の構成の例)。この場合、移動機構6は、基板保持機構2に対する接離方向(図1における上下方向)、および基板保持機構2の上面におけるX方向・Y方向にテストヘッド5を移動させると共に、基板保持機構2の上面に沿ってテストヘッド5を回転させることができるように構成されている。また、打痕シート30は、一例として、検査対象基板20と同程度の大きさで同程度の厚みの平板(図示せず)の表面に貼付された感圧紙(圧力を加えることで変色するシート)で構成されている。
【0030】
測定部7は、処理部10と相まって検査対象基板20の良否を検査する「検査部」を構成する。この測定部7は、テストヘッド5の各検査用プローブPを介して検査対象基板20に検査用電圧を印加する電源を備え、検査用電圧を印加した状態において検査対象基板20を流れる電流の電流値を測定して測定データとして処理部10に出力する測定処理を実行する。操作部8は、基板検査装置1の動作条件を設定操作するための各種操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部10に出力する。表示部9は、処理部10の制御に従い、基板検査装置1の動作条件を設定するための動作条件設定画面(図示せず)、検査対象基板20についての検査結果表示画面(図示せず)、および、後述するように打痕シート30を撮像した画像データの画像(図示せず)などを表示する。
【0031】
処理部10は、基板検査装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部10は、搬送機構3による基板保持機構2(検査対象基板20および打痕シート30)の搬送、カメラ4による撮像、および移動機構6によるテストヘッド5の移動を制御する。また、処理部10は、検査対象基板20に対するプロービング時に使用するプロービング情報Dpを補正するための補正情報Drを取得する補正情報取得処理を実行する。
【0032】
この場合、プロービング情報Dpは、検査対象基板20に対するプロービング時にテストヘッド5を基板保持機構2(検査対象基板20)に向けて移動させる移動量および移動方向を特定可能情報が記録されて構成されている。また、補正情報Drは、検査対象基板20に対するプロービング時にテストヘッド5を基板保持機構2(検査対象基板20)に向けて移動させる移動量および移動方向を、どの程度どの方向に補正するかを特定可能な情報が記録されて構成されている。この補正情報Drは、使用開始直後(製造完了直後)の基板検査装置1には記憶されておらず、後述する「補正情報取得処理」が実行されることで処理部10によって生成されて記憶部11に記憶される。
【0033】
具体的には、この基板検査装置1では、検査対象基板20の検査に先立って、処理部10が、上記の補正情報取得処理を実行して補正情報Drを取得する。この補正情報取得処理において、処理部10は、「打痕形成処理」、「撮像処理」、「打痕位置特定処理」および「位置ずれ状態特定処理」をこの順で実行して補正情報Drを取得する。より具体的には、「打痕形成処理」では、プロービング情報Dpに従って移動機構6を制御して、基板保持機構2の保持位置に配設されている打痕シート30にテストヘッド5の各検査用プローブPをプロービングさせて、打痕シート30に打痕Mを形成させる。また、「撮像処理」では、カメラ4を制御して、上記の打痕Mが形成された打痕シート30を撮像させる。さらに、「打痕位置特定処理」では、カメラ4から出力された撮像データD1の画像を画像解析することで、形成された打痕Mの位置を特定する。
【0034】
また、「位置ずれ状態特定処理」では、「打痕位置特定処理」において特定した打痕Mの位置に基づいて上記の打痕形成処理における各検査用プローブPのプロービング位置の基準プロービング位置(後述する基準位置情報D0に基づいて特定される位置)に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する。さらに、処理部10は、上記の「位置ずれ状態特定処理」において特定した位置ずれ量および位置ずれ方向を補正情報Drとして取得する。また、処理部10は、測定部7を制御して上記の測定処理を実行させる。さらに、処理部10は、測定部7から出力される測定データと、記憶部11に記憶されている検査用基準データとに基づき、検査対象基板20の良否を検査する。
【0035】
記憶部11は、基準位置情報D0と、上記のプロービング情報Dp、補正情報Drおよび検査用基準データとを記憶すると共に、処理部10の動作プログラムを記憶する。この場合、基準位置情報D0は、一例として、検査用プローブP1〜P9の配列方向の基準線である直線L1と検査用プローブP22〜P26,P1の配列方向の基準線である直線L2との交点C1(図3参照)、検査用プローブP9〜P14の配列方向の基準線である直線L4と検査用プローブP14〜P22の配列方向の基準線である直線L3との交点C2(図3参照)、直線L1,L4との交点C3(図3参照)、および直線L3,L2との交点C4(図3参照)の4点を特定可能な情報と、検査用プローブP1〜P26をプロービングさせるべき基準プロービング位置の各交点C1〜C4に対する相対的な位置を特定可能な情報とが記録されて構成されている。
【0036】
この基板検査装置1によって検査対象基板20を検査する際には、まず、上記の補正情報Drを取得する。具体的には、基板保持機構2の保持位置に打痕シート30を貼付した平板を載置して保持させると共に、操作部8を操作して、補正情報取得処理を開始させる。この際に、処理部10は、搬送機構3を制御して、テストヘッド5によるプロービング位置に基板保持機構2を移動させた後に、プロービング情報Dpに従って移動機構6を制御して、基板保持機構2によって保持されている打痕シート30に向けてテストヘッド5を下降させる。これにより、打痕シート30の表面に各検査用プローブP1〜P26がそれぞれ接触して、図4に示すように、打痕シート30の各部に、各検査用プローブP1〜P26の接触位置を特定可能な打痕M1〜M26が形成される(打痕形成処理)。
【0037】
次いで、処理部10は、搬送機構3を制御して、カメラ4による撮像処理位置に基板保持機構2を移動させた後に、カメラ4を制御して、基板保持機構2上の打痕シート30を撮像させる(撮像処理)。続いて、処理部10は、カメラ4から出力された撮像データD1の画像を画像解析することで、打痕シート30に形成された各打痕Mの位置をそれぞれ特定する(打痕位置特定処理)。なお、撮像データD1の画像を画像解析することで各打痕Mの位置を自動的に特定する構成(方法)に代えて、例えば、撮像データD1の画像を表示部9に表示させ、オペレータが、画面上の打痕Mの位置をポインティングデバイスでポインティングすることで打痕Mの位置を特定させる構成(方法)を採用することもできる。
【0038】
次いで、処理部10は、「位置ずれ状態特定処理」を実行する。この「位置ずれ状態特定処理」において、処理部10は、まず、直線L1に沿って配列されているべき9本の検査用プローブP1〜P9のプロービングによって形成された9つの打痕M1〜M9のうちの8つを直線近似した近似直線La1(「第1の近似直線」の一例)、直線L2に沿って配列されているべき6本の検査用プローブP22〜P26,P1のプロービングによって形成された6つの打痕M22〜M26,M1のうちの5つを直線近似した近似直線La2(「第2の近似直線」の一例)、直線L3に沿って配列されているべき9本の検査用プローブP14〜P22のプロービングによって形成された9つの打痕M14〜M22のうちの8つを直線近似した近似直線La3(「第3の近似直線」の一例)、および直線L4に沿って配列されているべき6本の検査用プローブP9〜P14のプロービングによって形成された6つの打痕M9〜M14のうちの5つを直線近似した近似直線La4(「第4の近似直線」の一例)をそれぞれ特定する。
【0039】
この場合、図2に示すように、直線Lに沿って配列されているべき6本の検査用プローブPa〜Pfのうち、検査用プローブPcに許容範囲内において大きな曲がりが生じていたときには、各検査用プローブPa〜Pfのプロービングによって形成される6つの打痕Ma〜Mfを直線近似したときに、直線Lから大きく離間している検査用プローブPcのプロービングによって形成された打痕Mcの存在に起因して、直線Lから大きく離間した近似直線Lbが特定されることとなる。したがって、この基板検査装置1では、図2の例において、まず、直線Lに沿って配列されているべき検査用プローブPa〜Pfのプロービングによって形成された6つの打痕Ma〜Mfのすべてを対象として、一例として、最小二乗法に従って直線近似することで近似直線Lbを求める。次いで、各打痕Ma〜Mfのうちで、近似直線Lbからの離間距離が最も大きい1つ(この例では、打痕Mc)を除いた打痕Ma,Mb,Md〜Mfを対象として最小二乗法に従って直線近似することで、後に、「交点」を特定するのに使用する近似直線Laを求める。
【0040】
具体的には、近似直線La1の特定に際しては、まず、打痕M1〜M9の全てを対象として直線近似することで、「A近似直線」に相当する近似直線(上記の例における近似直線Lbに対応する直線:図示せず)を特定する。次いで、打痕M1〜M9のうちで、特定した近似直線からの離間距離が最も大きい1つ(この例では、打痕M1:「予め規定された数」が「1」の例)を除いた打痕M2〜M9を対象として直線近似することで、図4に示すように、近似直線La1を特定する。また、近似直線La2の特定に際しては、まず、打痕M22〜M26,M1の全てを対象として直線近似することで、「B近似直線」に相当する近似直線(上記の例における近似直線Lbに対応する直線:図示せず)を特定する。次いで、打痕M22〜M26,M1のうちで、特定した近似直線からの離間距離が最も大きい1つ(この例では、打痕M1:「予め規定された数」が「1」の例)を除いた打痕M22〜M26を対象として直線近似することで、近似直線La2を特定する。
【0041】
さらに、近似直線La3の特定に際しては、まず、打痕M14〜M22の全てを対象として直線近似することで、「C近似直線」に相当する近似直線(上記の例における近似直線Lbに対応する直線:図示せず)を特定する。次いで、打痕M14〜M22のうちで、特定した近似直線からの離間距離が最も大きい1つ(この例では、打痕M20:「予め規定された数」が「1」の例)を除いた打痕M14〜M19,M21,M22を対象として直線近似することで、近似直線La3を特定する。また、近似直線La4の特定に際しては、まず、打痕M9〜M14の全てを対象として直線近似することで、「D近似直線」に相当する近似直線(上記の例における近似直線Lbに対応する直線:図示せず)を特定する。次いで、打痕M9〜M14のうちで、特定した近似直線からの離間距離が最も大きい1つ(この例では、打痕M11:「予め規定された数」が「1」の例)を除いた打痕M9,M10,M12〜M14を対象として直線近似することで、近似直線La4を特定する。
【0042】
なお、「A近似直線」、「B近似直線」、「C近似直線」および「D近似直線」からの離間距離が大きい「予め規定された数の打痕」は、「離間距離が大きい1つの打痕」に限定されず、「離間距離が大きい複数の打痕」を除いて直線近似することで、「第1の近似直線」、「第2の近似直線」、「第3の近似直線」および「第4の近似直線」を求める構成(方法)を採用することもできる。
【0043】
次いで、処理部10は、近似直線La1,La2の交点Ca1と、近似直線La3,La4の交点Ca2と、近似直線La1,La4の交点Ca3と、近似直線La2,La3の交点Ca4とをそれぞれ特定する。続いて、処理部10は、特定した交点Ca1〜Ca4の位置情報と、記憶部11から読み出した基準位置情報D0とに基づき、交点Ca1が位置すべき基準点(直線L1,L2の交点C1)と交点Ca1との位置関係、交点Ca2が位置すべき基準点(直線L3,L4の交点C2)と交点Ca2との位置関係、交点Ca3が位置すべき基準点(直線L1,L4の交点C3)と交点Ca3との位置関係、および交点Ca4が位置すべき基準点(直線L2,L3の交点C4)と交点Ca4との位置関係をそれぞれ特定する。これにより、テストヘッド5(検査用プローブP1〜P26)を打痕シート30にプロービングさせることで打痕M1〜M26を形成したときにおける各検査用プローブP1〜P26の位置ずれ量および位置ずれの方向が特定されて、「位置ずれ状態特定処理」が完了する。
【0044】
次いで、処理部10は、「位置ずれ状態特定処理」において特定した位置ずれ量および位置ずれの方向に基づいて補正情報Drを生成して記憶部11に記憶させる。これにより、「補正情報取得処理」が完了する。この後、検査対象基板20の検査に際しては、検査対象基板20を保持した基板保持機構2が搬送機構3によってプロービング処理位置に搬送された状態において、処理部10が、プロービング情報Dpを補正情報Drに基づいて補正して移動機構6を制御することで検査対象基板20に向けてテストヘッド5を下降させる。この際に、この基板検査装置1では、基準位置から大きく位置ずれした位置に接触させられる検査用プローブP1の影響が十分に小さい補正情報Drに基づいてプロービング情報Dpが補正されるため、検査用プローブP2〜P26の接触位置が必要以上に大きく変更される事態が回避される。
【0045】
このように、この基板検査装置1、および基板検査装置1における補正情報Drの取得方法によれば、少なくとも3つの打痕Mを直線近似した近似直線La1と、少なくとも3つの打痕Mを直線近似した近似直線La2とが交差する交点Ca1を特定して、特定した交点Ca1の位置情報と基準位置情報D0に基づいて特定される交点C1とに基づいて、検査用プローブPのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定することにより、複数の打痕Mのなかに、基準プロービング位置からの位置ずれ量がある程度大きな打痕Mが存在したとしても、各打痕Mを直線近似することによって、大きな位置ずれ量の打痕Mの影響が十分に小さくなるため、直線近似によって特定された近似直線同士の交点に基づいて補正情報Drを取得することで、大きな位置ずれ量の打痕Mの影響が十分に小さい補正情報Drを取得することができる。したがって、プロービング情報Dpを必要以上に大きく補正することとなる補正情報Drが取得される事態が回避されるため、プロービング情報Dpおよび補正情報Drに基づいて移動機構6を制御することで、各検査用プローブP1〜P26を検査対象基板20上の所望の検査点に対して正確に接触させることができる結果、検査対象基板20の良否を正確に検査することができる。
【0046】
また、この基板検査装置1、および基板検査装置1における補正情報Drの取得方法によれば、近似直線La1の特定に際して「A近似直線」からの離間距離が大きい予め規定された数(本例では1つ)の打痕Mを除いて特定し、かつ、近似直線La2の特定に際して「B近似直線」からの離間距離が大きい予め規定された数(本例では1つ)の打痕Mを除いて特定することにより、交点Ca1を求めるための近似直線La1,La2の特定に際して、その位置ずれ量が大きい打痕Mの影響を十分に小さくすることができる結果、大きな位置ずれ量の打痕Mの影響が一層小さい補正情報Drを取得することができる。したがって、プロービング情報Dpおよび補正情報Drに基づいて移動機構6を制御することで、各検査用プローブP1〜P26を検査対象基板20上の所望の検査点に対して一層正確に接触させることができる結果、検査対象基板20の良否を一層正確に検査することができる。
【0047】
さらに、この基板検査装置1、および基板検査装置1における補正情報Drの取得方法によれば、上記の交点Ca1を特定すると共に、少なくとも3つの打痕Mを直線近似した近似直線La3と、少なくとも3つの打痕Mを直線近似した近似直線La4とが交差する交点Ca2を特定して、特定した交点Ca1,Ca2の各位置情報と基準位置情報D0とに基づいて、検査用プローブPのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定することにより、交点Ca1だけに基づいて補正情報Drを取得する構成(方法)と比較して、基準位置情報D0と対比する点が交点Ca1,Ca2(本例では、交点Ca1〜Ca4の4点)に増えた分だけ、検査用プローブPのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を一層正確に特定することができる。
【0048】
また、この基板検査装置1、および基板検査装置1における補正情報Drの取得方法によれば、近似直線La3の特定に際して「C近似直線」からの離間距離が大きい予め規定された数(本例では1つ)の打痕Mを除いて特定し、かつ、近似直線La4の特定に際して「D近似直線」からの離間距離が大きい予め規定された数(本例では1つ)の打痕Mを除いて特定することにより、交点C2を求めるための近似直線La3,La4の特定に際して、その位置ずれ量が大きい打痕Mの影響を十分に小さくすることができる結果、大きな位置ずれ量の打痕Mの影響が一層小さい補正情報Drを取得することができる。
【0049】
なお、「基板検査装置」の構成、および「補正情報取得方法」の具体的な方法については、上記の基板検査装置1の構成、および基板検査装置1における補正情報Drの取得方法に限定されない。例えば、交点Ca1〜Ca4の4点と基準位置情報D0とに基づいて補正情報Drを生成する構成(方法)に代えて、交点Ca1と基準位置情報D0(交点C1)とに基づいて補正情報Drを生成する構成(方法)、交点Ca1,Ca2と基準位置情報D0(交点C1,C2)とに基づいて補正情報Drを生成する構成(方法)、および交点Ca1〜Ca4のうちの任意の3つと基準位置情報D0(交点C1〜C4のうちの対応する3つ)とに基づいて補正情報Drを生成する構成(方法)を採用することもできる。このような構成を採用した場合においても、上記の基板検査装置1と同様の効果を奏することができる。
【0050】
また、補正情報Drの取得に際して、「第1の近似直線」に代えて「第1の曲線に沿って配設された複数の検査用プローブのプロービングによって形成された複数の打痕のうちの少なくとも3つの打痕を曲線近似した第1の近似曲線」を利用したり、「第2の近似直線」に代えて「第2の曲線に沿って配設された複数の検査用プローブのプロービングによって形成された複数の打痕のうちの少なくとも3つの打痕を曲線近似した第2の近似曲線」を利用したり、「第3の近似直線」に代えて「第3の曲線に沿って配設された複数の検査用プローブのプロービングによって形成された複数の打痕のうちの少なくとも3つの打痕を曲線近似した第3の近似曲線」を利用したり、「第4の近似直線」に代えて「第4の曲線に沿って配設された複数の検査用プローブのプロービングによって形成された複数の打痕のうちの少なくとも3つの打痕を曲線近似した第4の近似曲線」を利用したりすることもできる。このような構成(方法)を採用する際には、前述した「各打痕Mの直線近似」に代えて「各打痕Mの曲線近似」を実施して「近似曲線」を特定すればよい。したがって、このような構成を採用した場合においても、上記の基板検査装置1と同様の効果を奏することができる。
【0051】
さらに、「第1の近似直線」と「第2の近似曲線」との交点を「第1の交点」としたり、「第1の近似曲線」と「第2の近似直線」との交点を「第1の交点」としたり、「第3の近似直線」と「第4の近似曲線」との交点を「第2の交点」としたり、「第3の近似曲線」と「第4の近似直線」との交点を「第2の交点」としたりすることもできる。このような構成(方法)を採用した場合においても、前述した基板検査装置1、基板検査装置1における補正情報Drの取得方法と同様の効果を奏することができる。加えて、検査対象基板20や打痕シート30に対するプロービングに際して、固定的に配設されたテストヘッド5に向けて基板保持機構2を移動させる「移動機構」や、基板保持機構2に向けてテストヘッド5を移動させると共にテストヘッド5に向けて基板保持機構2を移動させる「移動機構」を備えて「基板検査装置」を構成することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1 基板検査装置
2 基板保持機構
3 搬送機構
4 カメラ
5 テストヘッド
6 移動機構
7 測定部
8 操作部
9 表示部
10 処理部
11 記憶部
20 検査対象基板
30 打痕シート
C1〜C4,Ca1〜Ca4 交点
D0 基準位置情報
D1 撮像データ
Dp プロービング情報
Dr 補正情報
L,L1〜L4 直線
La,Lb,La1〜La4 近似直線
M1〜M26,Ma〜Mf 打痕
P1〜P26 検査用プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触型の複数の検査用プローブが配設されたプローブユニットと、検査対象基板を保持する基板保持機構と、前記プローブユニットおよび前記基板保持機構の少なくとも一方を他方に対して移動させて前記検査用プローブを前記検査対象基板にプロービングさせる移動機構と、前記基板保持機構における前記検査対象基板の保持位置を撮像して画像データを出力する撮像部と、前記検査対象基板に対するプロービング時に前記少なくとも一方を前記他方に対して移動させる移動量および移動方向を特定可能なプロービング情報を記憶する記憶部と、前記撮像部による撮像、および前記移動機構による前記少なくとも一方の移動を制御すると共に、前記検査対象基板に対するプロービング時に使用する前記プロービング情報を補正するための補正情報を取得する補正情報取得処理を実行する処理部とを備え、前記処理部が、前記補正情報取得処理に際して、前記プロービング情報に従って前記移動機構を制御して前記保持位置に配設されている打痕シートに前記検査用プローブをプロービングさせて当該打痕シートに打痕を形成させる打痕形成処理と、前記撮像部を制御して前記打痕シートを撮像させる撮像処理と、前記撮像部から出力された前記画像データに基づいて特定される前記打痕の位置に基づいて前記打痕形成処理における前記検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する位置ずれ状態特定処理とをこの順で実行して、当該位置ずれ状態特定処理において特定した前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を前記補正情報として取得する基板検査装置であって、
前記処理部は、前記位置ずれ状態特定処理において、第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第1の近似直線、および第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第1の近似曲線のいずれかと、第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第2の近似直線、および第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第2の近似曲線のいずれかとが交差する第1の交点を特定して、前記第1の直線および前記第1の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第2の直線および前記第2の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第1の基準点を特定可能に前記記憶部に記憶された基準位置情報と、前記特定した第1の交点の位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する基板検査装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したA近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第1の近似直線、および前記第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したA近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第1の近似曲線のいずれかと、前記第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したB近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第2の近似直線、および前記第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したB近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第2の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第1の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項1記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1の交点を特定すると共に、第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第3の近似直線、および第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第3の近似曲線のいずれかと、第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第4の近似直線、および第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第4の近似曲線のいずれかとが交差する第2の交点を特定して、前記第1の基準点、並びに、前記第3の直線および前記第3の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第4の直線および前記第4の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第2の基準点を特定可能に前記記憶部に記憶された前記基準位置情報と、前記特定した第1の交点および第2の交点の各位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項1または2記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したC近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第3の近似直線、および前記第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したC近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第3の近似曲線のいずれかと、前記第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したD近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第4の近似直線、および前記第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したD近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第4の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第2の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項3記載の基板検査装置。
【請求項5】
接触型の複数の検査用プローブが配設されたプローブユニットと、検査対象基板を保持する基板保持機構と、前記プローブユニットおよび前記基板保持機構の少なくとも一方を他方に対して移動させて前記検査用プローブを前記検査対象基板にプロービングさせる移動機構と、前記基板保持機構における前記検査対象基板の保持位置を撮像して画像データを出力する撮像部とを備えた基板検査装置を用いて、前記検査対象基板に対するプロービング時に前記少なくとも一方を前記他方に対して移動させる移動量および移動方向を特定可能なプロービング情報を補正するための補正情報を取得するする際に、前記プロービング情報に従って前記移動機構を制御して前記保持位置に配設されている打痕シートに前記検査用プローブをプロービングさせて当該打痕シートに打痕を形成させる打痕形成処理と、前記撮像部を制御して前記打痕シートを撮像させる撮像処理と、前記撮像部から出力された前記画像データに基づいて特定される前記打痕の位置に基づいて前記打痕形成処理における前記検査用プローブのプロービング位置の基準プロービング位置に対する位置ずれ量および位置ずれ方向を特定する位置ずれ状態特定処理とをこの順で実行して、当該位置ずれ状態特定処理において特定した前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を前記補正情報として取得する補正情報取得方法であって、
前記位置ずれ状態特定処理において、第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第1の近似直線、および第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第1の近似曲線のいずれかと、第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第2の近似直線、および第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第2の近似曲線のいずれかとが交差する第1の交点を特定して、前記第1の直線および前記第1の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第2の直線および前記第2の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第1の基準点を特定可能な基準位置情報と、前記特定した第1の交点の位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する補正情報取得方法。
【請求項6】
前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したA近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第1の近似直線、および前記第1の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したA近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第1の近似曲線のいずれかと、前記第2の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したB近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第2の近似直線、および前記第2の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したB近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第2の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第1の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項5記載の補正情報取得方法。
【請求項7】
前記位置ずれ状態特定処理において、前記第1の交点を特定すると共に、第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第3の近似直線、および第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第3の近似曲線のいずれかと、第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を直線近似した第4の近似直線、および第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕のうちの少なくとも3つの当該打痕を曲線近似した第4の近似曲線のいずれかとが交差する第2の交点を特定して、前記第1の基準点、並びに、前記第3の直線および前記第3の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方と前記第4の直線および前記第4の曲線のうちの前記いずれかに対応する一方とが交差する第2の基準点を特定可能な前記基準位置情報と、前記特定した第1の交点および第2の交点の各位置情報とに基づいて前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項5または6記載の補正情報取得方法。
【請求項8】
前記位置ずれ状態特定処理において、前記第3の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したC近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第3の近似直線、および前記第3の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したC近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第3の近似曲線のいずれかと、前記第4の直線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を直線近似したD近似直線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を直線近似した前記第4の近似直線、および前記第4の曲線に沿って配設された複数の前記検査用プローブのプロービングによって形成された複数の前記打痕を曲線近似したD近似曲線からの離間距離が大きい予め規定された数の当該打痕を除く当該打痕を曲線近似した前記第4の近似曲線のいずれかとが交差する点を前記第2の交点として前記位置ずれ量および前記位置ずれ方向を特定する請求項7記載の補正情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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