説明

基板被覆用組成物及びその使用

被覆用組成物、該被覆用組成物を施用する方法、及び該被覆用組成物を組み込んでいる物品を提供する。該被覆用組成物は、種々の基板を被覆してそれら基板の外観と印刷性を向上させるのに有用である。該被覆用組成物は、顔料系、バインダー、及び増粘剤系を組み込む。該濃化剤系は、ポリビニルアルコールポリマーと、ホウ酸などのホウ素含有化合物とを組み込む。該被覆用組成物は、慣用的な増粘剤系を組み込んでいる被覆用組成物と等しいか、それより優れた粘度特徴を示す一方、慣用的な増粘剤系を超える費用の利点を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
開示の分野
この開示は、着色基板被覆用組成物と、かかる組成物を製造する方法及び使用する方法とに関する。本被覆用組成物は、ポリビニルアルコールポリマー及びホウ素含有化合物を含有する増粘剤系を組込んでいる。
【0002】
背景情報
多くの製品用途において、基板上への印刷を容易にするため、及び/又は、貴版の外観を改良するために、被覆を伴なう基板が提供されている。被覆の重要な目的は、実質的にへこみやくぼみのない滑らかな基板表面を提供することである。滑らかな表面は、基板上によい品質の画像を印刷するため、及びインクを基板に効果的に移すために必要である。滑らかな基板表面は、基板表面を顔料被覆用組成物で被覆することにより得られる。
【0003】
被覆用組成物は、事実上、主としてクレー、炭酸カルシウム、又は酸化チタンなどの無機顔料と、天然タンパク質(例えば、カゼイン又は大豆タンパク質)、デンプン、又は合成ポリマーエマルジョンである顔料バインダーとを含む水性分散液である。被覆用組成物は、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター及びロールコーターなどの高速被覆機械により、基板材料の連続ウェブに対して適用するのが普通である。基板用の色被覆用組成物の流れ特性は、被覆操作の間における色の進展可能性(又は流れ)に関して極めて重要である。これらの流れ特性は、多くの場合、増粘剤により制御する。
【0004】
基板被覆用組成物は、典型的には、顔料と、ラテックスなどのバインダーと、強度、粘度制御、及び水分保持のための増粘剤とを組込んでいる。被覆用組成物は、多くの場合、光沢剤、消泡剤、架橋剤などのような追加の成分を含んでもよい。顔料は、典型的には、クレーを基材とするが、炭酸カルシウム、二酸化チタン及びシリカのような他の顔料成分を含んでもよい。慣用的な共バインダー又は増粘剤としては、デンプン、タンパク質、及びポリビニルアルコールポリマーが挙げられる。
【0005】
米国特許第6,440,535号は、インクジェット被覆用組成物中において増粘剤としてポリビニルアルコールコポリマーの使用を開示している。米国特許第6,746,713号は、多糖増粘剤を組込んだクレー顔料被覆用組成物を開示している。米国特許第6,746,713号は、ポリビニルアルコールポリマー及びホウ酸を組込んだインクジェット記録媒体用被覆を開示している。かかる組成物は、インク吸収層の製造において使用される。米国特許第4,877,686号は、インクジェット記録媒体を開示し、その媒体においては、媒体中に組込まれたバインダー用のゲル化剤としてホウ酸が使用されている。米国特許第3,438,808号は、ポリビニルアルコール及びホウ酸を組込んだ組成物を伴なう被覆用セルロース繊維ウェブを開示している。
【0006】
開示の簡単な説明
この開示は、被覆用組成物と、その被覆用組成物を適用する方法と、その被覆用組成物を組込んだ商用物品とに関する。本明細書中に説明する被覆用組成物は、種々の基板を被覆して、それら基板の外観と印刷可能性を改良するために有用である。本被覆用組成物は、クレーをはじめとする種々の適する系から選択されてもよい顔料系と、増粘剤系とを組込んでいる。かかる増粘剤系はポリビニルアルコールポリマーとホウ酸などのホウ素含有化合物とを組込んでいる。
【0007】
増粘剤系は、被覆用組成物の粘度をゲル化により高めるために有用であることが分かっており、明確な水分保持特徴を提供する。増粘剤系は、色被覆用組成物において使用される慣用的な増粘剤系に対する代替物を提供するために有用である。増粘剤系は、慣用的な増粘剤組成物と比較して、有益な性能特徴を示すと共に、魅力的なコストの利益を提供する。
【0008】
顔料系及び増粘剤系に加えて、被覆用組成物には、ラテックス、デンプン、ポリビニルアルコールポリマー、及びこれらの混合物などのバインダーが含まれる。
また、被覆用組成物は、光沢剤、消泡剤、及び慣用的な添加剤のような種々の追加の成分を含んでもよい。
【0009】
被覆用組成物についての使用としては、紙及び板紙などの基板を被覆して、基板上に滑らかな印刷可能な表面を提供することである。
発明の具体的な説明
この開示は、被覆用組成物と、該被覆用組成物を施用する方法及び使用する方法とに関する。かかる被覆用組成物は、慣用的な増粘剤を組込む被覆用組成物と比較して有益な特徴を示す独特な増粘剤系を組込む。被覆用組成物は、一般的には、顔料系、バインダー、及び増粘剤系を含む溶解された固形分を組込んだ水性溶液である。一の態様においては、水性被覆用組成物は、顔料系から由来する全体の約60重量%〜約95重量%の固形分、バインダー系から由来する全体の約4重量%〜約35重量%の固形分、及び増粘剤系から由来する全体の約0.5重量%〜約5重量%の固形分を組込む。
【0010】
一の態様においては、被覆用組成物は、全体で約40重量%〜約67重量%の固形分を含む。第二の態様においては、被覆用組成物は、全体で約45重量%〜約63重量%の固形分を含む。第三の態様においては、被覆用組成物は、全体で約50重量%〜約60重量%の固形分を含む。被覆用組成物は、一の態様においては、約33重量%〜約60重量%の水を含んでいてもよい。別の態様においては、被覆用組成物は、約38重量%〜約55重量%の水を含んでいてもよい。第三の態様においては、被覆用組成物は、約40重量%〜約50重量%の水を含んでいてもよい。
【0011】
顔料系は、基板被覆用組成物に有用な任意の顔料系から選択することができる。例示的な適する顔料は、カオリンクレーなどの被覆用グレードのクレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、酸化カルシウム反応生成物、他の同様な材料、及びこれらの混合物の水性分散液である。一の態様においては、顔料系は、少なくとも90重量%のクレーからなる。
【0012】
これまでに示したように、顔料系は、被覆用組成物の固形分の約60重量%〜約95重量%を含んでいてもよい。別の態様においては、顔料系は、被覆用組成物の固形分全体の約70重量%〜約85重量%を含んでいてもよく、バインダー系は、被覆用組成物の固形分全体の約4重量%〜約10重量%を含み、増粘剤系は、被覆用組成物の固形分全体の約0.5重量%〜約5重量%を含んでいてもよい。
【0013】
バインダー系は、顔料粒子と被覆用組成物中の他の固形分とを結合させるために有用な任意の適するバインダーから選択することができる。例示的なバインダーは、カゼインや大豆タンパク質などの天然タンパク質材料、デンプン、又は、スチレンブタジエン、アクリル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックスを組込んでいるラテックス材料などの合成ポリマーエマルジョン、又は、スチレンアクリル系コポリマー、又は、天然起源のラテックス材料、ポリビニルアルコールポリマー材料である。
【0014】
増粘剤系は、少なくとも2種の成分を組み込んでいる。第一の成分はポリビニルアルコールポリマーであり、第二の成分はホウ素含有化合物である。ポリビニルアルコールポリマーは、ホモポリマーでもよく、エチレン、アクリル酸メチル、ビニルアミン、カルボン酸、レゾリューション・パフォーマンス・プロダクツからVeOVa(登録商標)の商品名で入手可能な5個から9〜11個の炭素原子を有するα−分枝カルボン酸のビニルエステルなどの分枝アルキル酸ビニルエステル、ビニルアミン、他のコモノマー、などの少なくとも1種のコモノマーを組込んでいるコポリマーでもよい。
【0015】
一の態様においては、本明細書中に説明する組成物、製品、及び方法にしたがって有用なポリビニルアルコールポリマーは、以下の特徴を有する:約300〜約4,000の重合度、約10,000〜約200,000の重量平均分子量、約85モル%〜約99.9モル%が加水分解されている。別の態様においては、増粘剤系は、約124,000〜約186,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールにより調製される。
【0016】
増粘剤系に組込むためのホウ素含有化合物成分は、種々の材料から選択することができる。例示的な適するホウ素含有化合物は、ホウ酸、ホウ酸メチル、三フッ化ホウ素、三酸化二ホウ素(boric anhydride)、ホウ砂、ペルオキソホウ酸、ボラン、及びこれらの混合物である。一の態様においては、ホウ素含有化合物はホウ酸である。別の態様においては、ホウ素含有化合物はテトラホウ酸ナトリウム十水和物(ホウ砂)である。ホウ素含有化合物は、ポリビニルアルコール被覆用配合物に添加してもよく、あるいは、水溶液オーバーコートして、既に形成されたポリビニルアルコールの層に施用してもよい。
【0017】
ポリビニルアルコールポリマー及びホウ素含有化合物の組合わせは、被覆用組成物の粘度を制御するための増粘剤として有用である。この粘度調節は、ホウ酸とポリビニルアルコールポリマー中の水産基との間で錯体を形成することにより、もたらされる。8より高いpHでは、ホウ酸イオンが存在し、架橋するために利用可能であり、被覆用組成物中のポリビニルアルコールのゲル化を起こさせる。より低いpHでは、ホウ酸塩が水素により堅く結び付けられ、架橋のために利用することができず、したがって、ホウ酸イオンにより引き起こされるゲル化は可逆的である。ポリビニルアルコールをホウ酸化することにより、ゲル化された被覆用組成物を生成することができ、基板ウェブに対して容易に施用及び/又は付着させることができる。
【0018】
これまでに説明したように、一の態様においては、被覆用組成物の全体の固形分は、約0.5重量%〜約5重量%の増粘剤系固形分から構成されてもよい。別の態様において、増粘剤系の固形分は、被覆用組成物の固形分全体の約1重量%〜約3重量を含む。更に、一の態様においては、増粘剤系のポリビニルアルコールポリマー成分及びホウ素含有化合物成分の固形分の濃度は、それぞれ、増粘剤系全体の固形分の約94重量%〜約99.98重量%、及び約0.02重量%〜約6重量%の範囲であってもよい。別の態様においては、ポリビニルアルコールポリマー成分及びホウ素含有化合物成分の固形分の濃度は、それぞれ、増粘剤系全体の固形分の約96重量%〜約98重量%、及び約2重量%〜約4重量%の範囲であってもよい。
【0019】
一の態様においては、ホウ素含有化合物は、被覆用組成物の顔料成分の固形分重量に基づいて、約0.001重量%〜約0.03重量%の固形分濃度で被覆用組成物中に組込まれていてもよい。別の態様においては、ホウ素含有化合物は、顔料成分の固形分の重量全体に基づいて、約0.015重量%〜約0.0025重量%の固形分濃度で被覆用配合物中に組込まれていてもよい。更に別の態様においては、ホウ素含有化合物は、顔料系の固形分の重量全体に基づいて、約0.015重量%〜約0.02重量%の固形分濃度で被覆用配合物中に組込まれていてもよい。
【0020】
本明細書中に説明する増粘剤系は、タンパク質、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸ナトリウム、及びアルカリ膨張性又は反応性のポリアクリレートなどの慣用的な増粘剤と同様に、又はこれらよりも良好に作用する。そのうえ、本明細書中に説明する増粘剤系は、これらの慣用的な増粘剤よりはるかに低いコストで入手可能であるので、被覆用組成物の製造業者らに実質的なコストの利点を提供する。
【0021】
しかし、本明細書中に説明するポリビニルアルコール及びホウ素含有化合物の増粘剤系は、タンパク質、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸ナトリウム、及びアルカリ膨張性又は反応性のポリアクリレートなどの慣用的な増粘剤と組合わせてもよい。組合わせる場合、一の態様においては、ポリビニルアルコール及びホウ素含有化合物の増粘剤系は、組合わせた増粘剤系の固形分の約50重量%〜約99重量%を含む。別の態様においては、ポリビニルアルコール及びホウ素含有化合物の増粘剤系は、組合わせた増粘剤系の固形分の約60重量%〜約80重量%を含む。
【0022】
本明細書中に説明する増粘剤系は、広い範囲にわたって制御可能な粘度を有する被覆用配合物を生成するのに有用である。一の態様においては、被覆用配合物の粘度は、約2,700cps〜約19,000cpsであってもよい。別の態様においては、被覆用配合物の粘度は、約2,700cps〜約10,000cpsであってもよい。第三の態様においては、被覆用配合物の粘度は、約2,700cps〜約5,400cpsであってもよい。
【0023】
本明細書中に説明する増粘剤系は、広い被覆用組成物pH範囲にわたって制御可能な年度を有する被覆用配合物を生成するのに有用である。一の態様においては、増粘剤系は、6.5〜9.0のpH範囲にわたって被覆用配合物の粘度を制御するのに有用である。別の態様においては、増粘剤系は、7.0〜8.5のpH範囲にわたって被覆用配合物の粘度を制御するのに有用である。
【0024】
実験的評価:
以下の各成分を有する対照配合物を調製した:
(1)No.1クレー 83部
(2)エチレンビニルアセテートラテックス(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルス社から商業的に入手可能なAirflex 100HS) 16部
(3)CELVOL 325(4%固形分及び20℃にて粘度28cps〜32cps、pH5.0〜7.0、セラニーズ・ケミカルスから商業的に入手可能) 1部
(4)全体の固形分濃度は58%を目標とした。
【0025】
対照配合物を用いて、以下の検討を行った:
(1)ホウ酸の4%溶液(10モル%結合水)、CELVOL 325乾燥部に基づいて、1、1.5、2.0%にて対照配合物に添加した(顔料系固形分に基づいて、0.01%、0.015%、0.02%ホウ酸)。この手順を三回繰り返して再現性を確認した。
(2)2.0%NaOH溶液及び1.75%NHOH溶液をpH制御用添加物として調製した。
(3)7.0〜9.0の範囲によりpHはしご検討を行って、種々の配合物に関して粘度に対するpHの効果を観察した。
【0026】
検討#1及び#2の被覆用配合物は以下の方法工程により調製した:
(1)希釈水及び消泡剤をはじめにクレースラリーに添加した。
(2)ラテックス、ポリビニルアルコールポリマー、及びホウ酸を高剪断混合下で添加した。
(3)添加を終えた後、この被覆物を1500rpmで更に10分間混合した。
(4)初期pHを記録し、次いで連続的に混合しながらpH7.3に調節した。
(5)所望のpHに到達した後、被覆用の色(coating color)を更に5分間混合した。
【0027】
以下に説明するpHはしご検討のための被覆用配合物を、以下の例外を除いてはこれまでに説明した方法により調製した:
(1)Airflex HS100、PVOH、及び2.0%ホウ酸(乾燥PVOHに基づく)によりマスターバッチクレースラリーを調製した。
(2)このスラリーのpHを2.0%NaOHにより次のレベルに調節した:7.0、7.5、8.0、8.5及び9.0。
【0028】
これら配合物を、高剪断混合の間と後で、局在化されたゲルについて確認した。ゲルはどのホウ酸レベルにおいてもみられなかった。以下の試験を各配合物について行った:pH、マイクロ波固形分、及び60rpmでのブルックフィールド粘度。
【0029】
実験的評価の結果を図1、図2及び図3に示す。図1は、ホウ素含有化合物を被覆用配合物に添加することによる粘度向上効果を記録している。図2は、ホウ素含有化合物を添加した組成物の粘度について、組成物のpHに関する変動性を実証する。図3は、ホウ素含有化合物を被覆用配合物に添加することによる粘度向上効果の再現性を記録している。
【0030】
図1に示すように、粘度の増加は、評価したすべてのホウ酸添加レベルについて示された。0.02%ホウ酸では、被覆物粘度は、NHOHにより対照より67%高く、NaOHにより117%高かった。
【0031】
被覆用組成物のpHに関しては、これまでに説明したように、ホウ素イオンとポリビニルアルコールポリマーの水酸基との間で錯体を形成することにより、粘度調節がもたらされる。8より高いpHでは、ホウ酸イオンが存在し、架橋するために利用可能であり、被覆用組成物中のポリビニルアルコールのゲル化を起こさせる。より低いpHでは、ホウ酸塩が水素により堅く結び付けられ、架橋のために利用することができず、したがって、ホウ酸イオンにより引き起こされるゲル化は可逆的である。pHはしご検討において、これらの結果は図2に記録してあり、ホウ酸レベルは一定であり、被覆用組成物中の顔料の重量の0.02重量%であった。図3に関して、被覆用組成物の粘度はpHが8.5まで増加するにつれて高くなることがわかる。このデータから、本明細書中に説明する被覆用組成物の一態様においては、7.0〜8.5のpHが望ましいと結論付けられる。
【0032】
図3は、図1に関して説明した被覆用組成物の性能の再現性を報告している。図3においてわかるように、被覆用組成物は、被覆用組成物を生成するたびごとに、一貫した粘度性能を示した。第四のデータセットは、58.6の固形分含量の被覆用組成物について非常に高い粘度を示していることがわかる。この粘度の値は、他の粘度の値よりはるかに高く、配合の誤差又は粘度測定の誤差によるものと考えられる。
【0033】
本明細書中で言及するすべての特許及び印刷物は、そのすべてを参照により援用する。
本発明及びその利点を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲により規定される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更、置換、及び改変をなし得ることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、ホウ素含有化合物を被覆用配合物に添加することによる粘度向上効果を示す。
【図2】図2は、ホウ素含有化合物を添加した組成物の粘度について、組成物のpHに関する変動性を示す。
【図3】図3は、ホウ素含有化合物を被覆用配合物に添加することによる粘度向上効果の再現性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板被覆用組成物であって:
(a)該被覆用組成物の固形分全体の約60重量%〜約95重量%を含む顔料系と;
(b)該被覆用組成物の固形分全体の約4重量%〜約35重量%を含むバインダーと;
(c)該被覆用組成物の固形分全体の約0.5重量%〜約5重量%を含む増粘剤系であって:
(i)約300〜約4,000の重合度、約10,000〜約200,000の分子量を有しかつ約88.0モル%〜約99.9モル%が加水分解されている、該増粘剤系の固形分全体の約94重量%〜約99.98重量%を含むポリビニルアルコールポリマー;及び
(ii)該増粘剤系の固形分全体の約0.02重量%〜約6重量%を含むホウ素含有化合物、を含む前記増粘剤系と
を含み、全体で約40重量%〜約67重量%の固形分を含む、前記被覆用組成物。
【請求項2】
約2,700cps〜約10,000cpsの粘度を有する、請求項1記載の基板被覆用組成物。
【請求項3】
ホウ素含有化合物が、顔料系の固形分の約0.001重量%〜約0.03重量%の濃度で存在する、請求項1又は2に記載の基板被覆用組成物。
【請求項4】
顔料系が、クレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、硫酸亜鉛、又は硫酸アルミニウムの反応生成物、酸化カルシウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含み、バインダーがラテックスを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項5】
7.0〜8.5のpHを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項6】
約33重量%〜約60重量%の水を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項7】
固形分全体の含量が約45重量%〜約63重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項8】
ホウ素含有化合物がホウ酸であり、顔料系の固形分全体の0.01重量%〜0.025重量%の濃度で存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項9】
顔料系が、被覆用組成物の固形分全体の約70重量%〜約85重量%を含み、また、少なくとも90重量%のクレーを含み、かつポリビニルアルコールポリマーが、約124,000〜約186,000の分子量を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項10】
バインダーがラテックスを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項11】
タンパク質、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、及びこれらの混合物が、増粘剤系の固形分の約20重量%〜約40重量%を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の基板被覆用組成物。
【請求項12】
(1)基板;及び
(2)被覆
を含む被覆基板であって、前記被覆が、
(a)被覆用組成物の固形分全体の約60重量%〜約95重量%を含む顔料系と;
(b)被覆用組成物の固形分全体の約4重量%〜約35重量%を含むバインダーと;
(c)該被覆用組成物の固形分全体の約0.5重量%〜約5重量%を含む増粘剤系であって:
(i)約300〜約4,000の重合度、約10,000〜約200,000の分子量を有しかつ約88.0モル%〜約99.9モル%が加水分解されている、該増粘剤系の固形分全体の約94重量%〜約99.98重量%を含むポリビニルアルコールポリマー;及び
(ii)該増粘剤系の固形分全体の約0.02重量%〜約6重量%を含むホウ素含有化合物、を含む前記増粘剤系
とを含み、該被覆用組成物が全体で約40重量%〜約67重量%の固形分を含む、前記被覆基板。
【請求項13】
基板が、板紙及び紙からなる群より選択される、請求項12記載の被覆基板。
【請求項14】
ホウ素含有化合物が、顔料系の固形分の約0.01重量%〜約0.03重量%の濃度で存在するホウ酸である、請求項12又は13に記載の被覆基板。
【請求項15】
顔料系が、クレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、硫酸亜鉛、又は硫酸アルミニウムの反応生成物、酸化カルシウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の被覆基板。
【請求項16】
ホウ酸が、顔料系の固形分の0.01重量%〜0.025重量%の濃度で存在する、請求項14又は15に記載の被覆基板。
【請求項17】
顔料系が、少なくとも90重量%のクレーを含み、ポリビニルアルコールポリマーが、約124,000〜約186,000の分子量を有する、請求項12又は16のいずれか1項に記載の被覆基板。
【請求項18】
基板が板紙から構成される、請求項12〜17のいずれか1項に記載の被覆基板。
【請求項19】
基板を被覆する方法であって:
(1)該基板を被覆用組成物により被覆し、
該被覆用組成物が:
(a)該被覆用組成物の固形分全体の約60重量%〜約95重量%を含む顔料系と;
(b)該被覆用組成物の固形分全体の約4重量%〜約35重量%を含むバインダーと;
(c)該被覆用組成物の固形分全体の約0.5重量%〜約5重量%を含む増粘剤系であって:
(i)約300〜約4,000の重合度、約10,000〜約200,000の分子量を有しかつ約88.0モル%〜約99.9モル%が加水分解されている、該増粘剤系の固形分全体の約94重量%〜約99.98重量%を含むポリビニルアルコールポリマー;及び
(ii)該増粘剤系の固形分全体の約0.02重量%〜約6重量%を含むホウ素含有化合物、を含む前記増粘剤系と
を含み、ここで、該被覆用組成物は、全体で約40重量%〜約67重量%の固形分を含み、そして、
(d)該被覆用組成物を乾燥させることを含む、前記方法。
【請求項20】
被覆基板から構成される印刷基板製品であって:
該被覆基板が、
(a)該被覆用組成物の固形分全体の約60重量%〜約95重量%を含む顔料系と;
(b)該被覆用組成物の固形分全体の約4重量%〜約35重量%を含むバインダーと;
(c)該被覆用組成物の固形分全体の約0.5重量%〜約5重量%を含む増粘剤系であって:
(i)約300〜約4,000の重合度、約10,000〜約200,000の分子量を有しかつ約88.0モル%〜約99.9モル%が加水分解されている、該増粘剤系の固形分全体の約94重量%〜約99.98重量%を含むポリビニルアルコールポリマー;及び
(ii)該増粘剤系の固形分全体の約0.02重量%〜約6重量%を含むホウ素含有化合物、を含む前記増粘剤系と
を含む、前記印刷基板製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−504458(P2008−504458A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518095(P2007−518095)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/019892
【国際公開番号】WO2006/011948
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500175107)セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション (77)
【Fターム(参考)】