説明

基礎パッキン

【課題】空調し断熱防湿施工された湿気が溜まらない床下でコンクリート基礎と土台とを一体化させる気密化機能や防振化機能を有するホース形状の基礎パッキンを提供する。
【解決手段】アンカーボルト25と基礎15上面には、振動を吸収する平板基礎パッキン35を静止状態で建物全体の重量を支え水平を保持するだけの数量として配設する。その外側を気密化機能や防振化機能を得るため圧縮空気で膨らむホース形状である基礎パッキン55を直線的に配設する。平板基礎パッキン35の側面は弓型形状39とし基礎パッキン55をアンカーボルト25に近づける。基礎パッキン55は、地震時に加わる大きな加速度を土台45全体にバランス良く分散させ大きなダメーシが加わらない機能と役割があり、また土台45と基礎15上面との間に挟み一周するように配設することで基礎15と土台45との気密性能を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等建物のコンクリート基礎と土台の間に挟む基礎パッキンで住宅等建物の気密化機能や防振化機能を可能とした基礎パッキンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、既存の住宅等建物のコンクリート基礎床下内換気方法には2方法があり、一つの方法は直接コンクリート基礎の開口部を通じて行う方法、また、他の方法は基礎パッキン工法で外気を基礎パッキンの貫通連気部から基礎床下内に導入する方法が一般的で基礎内床下換気を確保し湿気を逃がしている。
特に、近年は地震に強い基礎の保持を目的にコンクリート基礎自体に開口部を設けない後段の基礎パッキン工法が主流となっている。
【0003】
上記の基礎パッキン工法は、多くの住宅メーカが採用し住宅関係の技術資料にも記載され公知となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公知である既存の基礎パッキン工法では外気が直接床下内に流れ込み、また、外壁板材と内壁板材との間の通気層に外気が直接流れ込むので室内の床面や内壁面などが外気温度の影響を受け易く、その為に高い断熱性能を確保するのに多くの断熱材、例えば、ロックウールやグラスウールまた発泡ポリスチレンやポチエチレンフォーム、フェノールフォーム等を床下面や内壁裏面また天井裏面に貼り断熱効果を持たす住宅等建築工法となっている。
また、気密性能を確保するために気密パッキンを使用したり特殊な電気コンセントを使用するなど多くの部品を使用し気密性能を確保している。
このように既存の住宅等建築工法で高気密高断熱住宅を建築するには多くの種類の断熱材や気密パッキン等を使用することになる。
その為、もし火災が発生した場合には発泡ポリスチレン等から有毒ガスが発生し易く決して安全で安心な住宅とは言えず、気密性能の確保にも多くの手間と費用がかかる住宅等建築工法となっている。
【0005】
そこで、本発明は、コンクリート基礎床下内に湿気が溜まらないよう空調し断熱防湿施工されたコンクリート基礎と土台とを一体化させる高気密高断熱用住宅の基礎パッキンを提供することと併せこの基礎パッキンには地震の振動を吸収する機能も持たせている。
そして、気密化機能や防振化機能付き基礎パッキンを低価格で供給し社会に広く普及させることで地球環境に優しい省エネルギー住宅となり、また、地震に強い住宅を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明は、以下の技術的手段を講じた。
第1に、住宅等建物のコンクリート基礎上面と土台の間に挟む基礎パッキンで、住宅等建物の気密化機能や防振化機能を可能としたことを特徴とする圧縮空気で膨らむホース形状の基礎パッキンとした。
第2に、前記ホース形状の基礎パッキンの内部に圧力制御された圧縮空気を充填する圧縮空気供給手段を備えたことを特徴とする気密化防振化装置とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明のホース形状の基礎パッキンを使用した住宅等建物は、地球温暖化を抑制し地球環境に優しい省エネルギー住宅となります。
それは、住宅等建物のコンクリート基礎と土台との間にホース形状の基礎パッキンを挟み一体化することでコンクリート基礎床下内に外気が入り込まないようにすることができるので外気との温度差による熱の移動をできるたけ最少限にできる。
次に、このホース形状の基礎パッキンの使用方法は、住宅等建築物を平板基礎パッキンで水平調整した後に、ホース形状の基礎パッキンに圧縮空気を充填することで住宅等建物の全重量の多くを支え地震時の振動を住宅等建物にできるだけ伝えないようにする防振化機能をもつ住宅等建築工法への技術開発が可能となるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの組み合わせ概略図。
図2は、平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの配設概念図。
実施形態、図1は防振化機能をもつ平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの組み合わせ概略図で、コンクリート基礎15とアンカーボルト25との関係を図示している。
コンクリート基礎15床下内を空調し断熱防湿施工されたコンクリート基礎には配置されたアンカーボルト25がある。
このアンカーボルト25には振動を吸収する減衰ゴム材の、例えば、ブチルゴム(IIR)を加硫成型した部品で防振化機能をもつ平板基礎パッキン35を配設しており住宅等建物の水平を保持していて、その外側をはわせるようにホース形状の基礎パッキン55がコンクリート基礎15上面に配設されている。
前記平板基礎パッキン35の形状とアンカーボルト貫通孔38の位置は、ホース形状の基礎パッキン55をできるたけアンカーボルト25に近づけて直線的に配設可能な位置とするため平板基礎パッキン35の側面の一部が弓型形状39となっている。
そして、土台45の間に挟むホース形状の基礎パッキン55は、住宅の気密化機能や防振化機能を得るため圧縮空気で膨らむホース形状の基礎パッキン55である。
【0009】
住宅等建物全体の重量を支える防振化機能をもつ平板基礎パッキン35とホース形状の基礎パッキン55の機能と役割は次のようになっている。
防振化機能をもつ平板基礎パッキン35の機能と役割は、静止状態で住宅等建物全体の重量を支え水平を保持するだけの最少限の配設数量としている。
ホース形状の基礎パッキン55の機能と役割は、地震時に加わる大きな加速度を住宅等建物の土台45全体にバランス良く分散させることで局部的に大きなダメージが住宅等建物に加わらない機能と役割をもっている。また更に、ホース形状の基礎パッキン55は、住宅等建物の土台45とコンクリート基礎15上面との間に挟み周囲を一周するように配設することでコンクリート基礎15と土台45とを一体化させ気密性能を高めている。
このように、同じ防振化機能をもつ平板基礎パッキン35とホース形状の基礎パッキン55でも全く違う機能と役割を有している。
【0010】
次に、他の部材に関して説明する。
ホース形状の基礎パッキン55の下面には弾性体のゴム製や合成樹脂製の保護平板59が敷かれていて、保護平板59はホース形状の基礎パッキン55の擦れ防止と位置決めの役割を有している。
アンカーボルト25に土台45をナット76で固定する際には、土台45と固定座金75との間に弾性体のゴム製や合成樹脂製の座金パッキン74を挟みナット76で固定する方法を採用しているので、地震時に於いて土台45のアンカーボルト貫通孔46周りに無理が加わらないようにしている。
【0011】
図2は、平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの配設概念図で、コンクリート基礎15上面のアンカーボルト25位置と防振機能をもつ平板基礎パッキン35とホース形状の基礎パッキン55との配設を図示しており、住宅等建物の土台45に関しては図から省略している。
【0012】
住宅等建物の土台45には要所要所に柱48が垂直に建てられている。そのアンカーボルト25と防振化機能をもつ平板基礎パッキン35とホース形状の基礎パッキン55の機能と役割は、前記実施形態で記載し説明した通りでありここでの説明は省略する。
【0013】
次に、本発明のホース形状の基礎パッキン55には、圧縮空気を充填することで前記の機能と役割を保持しており、圧力制御された圧縮機95とホース形状の基礎パッキン55とは逆流防止弁91を経て連通している。
この圧縮空気を充填する圧縮空気供給手段を備えた気密化防振化装置90を常時保持することで、地震による大きな加速度をエアークッション機能を有するホース形状の基礎パッキン55をかえして、激しい振動を減振しその振動エネルギーをバランス良く分散させ住宅等建物の土台45全体に伝えることによって局部的に大きなダメージが住宅等建物に加わらず被害を最小限にするようにしている。
【0014】
本発明の防振化機能をもつ平板基礎パッキン35とホース形状の基礎パッキン55との組み合わせ実施形態は以上からなるが、上記実施形態のみに制約されること無く特許請求範囲に記載の範囲内で自由に使用することができる。
例えば、防振化機能をもつ平板基礎パッキン35の代わりに水平調整可能なスプリングとスプリング受座を組み合わせた水平調整部品をアンカーボルト25に挿入しホース形状の基礎パッキン55と組み合わせる工法であってもよい。
また、実施形態ではホース形状の基礎パッキン55の使用を1本で図示しているが複数本を接続し使用してもよい。
【産業上の利用の可能性】
【0015】
本発明に気密化機能と地震時の振動を減振しバランス良く分散させる防振化機能を有するホース形状の基礎パッキンの具現化は、省エネルギーで地震などの災害に強い住宅等建物の基礎パッキンとなるので、この工法は地球環境にとって優しく安全で安心な健康快適住宅が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの組み合わせ概略図である。
【図2】図2は、平板基礎パッキンとホース形状の基礎パッキンの配設概念図。
【符号の説明】
【0017】
15、コンクリート基礎
25、アンカーボルト
35、平板基礎パッキン
38、アンカーボルト貫通孔
39、弓型形状
45、土台
48、柱
55、ホース形状の基礎パッキン
90、気密化防振化装置
95、圧縮機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅等建物のコンクリート基礎上面と土台の間に挟む基礎パッキンで、住宅等建物の気密化機能や防振化機能を可能としたことを特徴とする圧縮空気で膨らむホース形状の基礎パッキン。
【請求項2】
請求項1の特徴を得るために、前記ホース形状の基礎パッキンの内部に圧力制御された圧縮空気を充填する圧縮空気供給手段を備えたことを特徴とする気密化防振化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−38572(P2008−38572A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232765(P2006−232765)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(501120889)
【出願人】(505122829)株式会社ウィズ・ワン (9)
【Fターム(参考)】