説明

基礎杭及び基礎杭の施工方法

【課題】杭孔の拡大掘削部に、杭本体先端部の根固め部及び拡大杭周部を備えた基礎杭を施工するときに、その機能を確保しつつ施工時間を短縮する。
【解決手段】地盤Gを掘削した杭孔20の底部側で、根固め部11と拡大杭周部12の形成範囲22A、22Bを互いに異なる掘削径で拡大掘削して、拡大掘削部22を形成する。拡大掘削部22の掘削時に、根固め部11の形成範囲22Aに対して拡大杭周部12の形成範囲22Bを小さい掘削径で掘削し、それぞれ杭周充填液や根固め液を供給する。杭孔20内に杭本体2を設置して、杭本体2の外周に硬化した杭周充填部10を形成し、杭本体2の先端部に大径な根固め部11を、根固め部11の上側に小径な拡大杭周部12を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を掘削した杭孔内に杭本体を設置し、杭本体の先端部に根固め部を形成した基礎杭、及び、地盤に基礎杭を設置する基礎杭の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物や構造物の基礎として、地盤に杭孔を掘削する間に、杭孔内に供給する杭周充填液により杭周充填材を形成した後、杭孔内に杭本体(例えば既製杭)を設置して施工される基礎杭が使用されている。また、従来、杭孔の底部側を拡大掘削し、この拡大掘削部に供給する根固め液により根固め材を形成し、根固め材中に杭本体の先端部を埋め込んで、杭本体の先端部に根固め部を設けた基礎杭が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図3は、この根固め部を備えた従来の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
基礎杭100は、図示のように、地盤Gの杭孔(掘削孔)110内に設置された杭本体(既製杭)101を備え、杭本体101が、杭孔110の底部側を拡大掘削した拡大掘削部111まで配置されている。杭孔110には、掘削時に、拡大掘削部111内の上側と下側に上記した杭周充填材と根固め材が形成された後、杭本体101が拡大掘削部111まで配置されて、杭周充填材が地表GH付近まで充填される。その状態で、根固め材と杭周充填材が硬化して杭本体101と一体化し、基礎杭100が築造される。また、基礎杭100には、拡大掘削部111内に、杭本体101の先端部に設けられた根固め部102と、その上側の杭本体101の周面に設けられた拡大杭周部103とが形成される。
【0004】
この従来の基礎杭100は、杭本体101の先端部に大径な根固め部102を設けて先端支持力を大きくし、かつ、その上側の大径で周面(摩擦面)が広い拡大杭周部103により周面摩擦力を増大させている。これにより、基礎杭100は、安定して支持されて大きな支持力を発揮し、負荷される荷重を確実かつ強固に支える。
【0005】
ところが、この基礎杭100は、拡大掘削部111の根固め部102が形成される範囲と拡大杭周部103が形成される範囲が同じ掘削径で掘削される。そのため、施工時に、掘削径に応じて、拡大掘削部111の掘削に比較的長時間を要するとともに、セメントミルク等からなる杭周充填液や根固め液を杭孔110内の拡大掘削部111に多く供給する必要があり、その使用量が多くなる傾向がある。また、掘削が困難な地盤Gであっても、基礎杭としての機能を確保するために大径な根固め部102を形成しており、その形成範囲の拡大掘削部111を掘削するのに時間がかかり、施工時間が一層長くなることもある。従って、この従来の基礎杭100では、これら各問題に対処して施工コストを削減する観点から、更なる改良が求められている。これに対し、従来の他の基礎杭として、根固め部が形成される範囲のみを拡大掘削して、杭本体の先端部に根固め部のみを設けた基礎杭も知られている。しかしながら、この基礎杭では、上記した基礎杭100の作用や効果が得られず、その機能を効果的に高めるのは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−204516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、杭孔の拡大掘削部に、杭本体先端部の根固め部及び拡大杭周部を備えた基礎杭を施工するときに、その機能を確保しつつ施工時間を短縮するとともに、施工コストを削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、底部側に拡大掘削部を有する杭孔内に設置された杭本体と、杭孔の拡大掘削部に形成され、杭本体の先端部に設けられた根固め部及び根固め部に続いて杭本体の周面に設けられた拡大杭周部と、を備えた基礎杭であって、杭孔の拡大掘削部が、根固め部と拡大杭周部の形成範囲で互いに異なる掘削径で掘削されたことを特徴とする。
また、本発明は、地盤に杭孔を形成する工程と、杭孔の底部側を拡大掘削して拡大掘削部を形成する工程と、杭孔内に杭本体を設置する工程と、杭孔の拡大掘削部に杭本体先端部の根固め部及び根固め部に続く杭本体周面の拡大杭周部を形成する工程と、を有する基礎杭の施工方法であって、拡大掘削部を形成する工程が、根固め部と拡大杭周部の形成範囲を互いに異なる掘削径で掘削する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、杭孔の拡大掘削部に、杭本体先端部の根固め部及び拡大杭周部を備えた基礎杭を施工するときに、その機能を確保しつつ施工時間を短縮でき、施工コストを削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
【図2】他の実施形態の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
【図3】根固め部を備えた従来の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の基礎杭の一実施形態について、図面を参照して説明する。
この基礎杭は、上記した従来の基礎杭100と同様に、地盤に杭孔を掘削して施工されて地中に設置される地中杭であり、例えば建築物や構造物の基礎として使用される。
【0012】
図1は、本実施形態の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
基礎杭1は、図示のように、上下方向に直線状に延びる杭本体2と、杭本体2の外周を覆う杭周充填部10とを備え、それらが地盤Gを掘削して形成された杭孔(掘削孔)20内に一体に築造されている。杭本体2は、外周に突部を有する節杭や、節杭と突部のないストレート杭を連結した既製杭等であり、杭孔20の地表GH側から底部側の所定位置まで配置されている。
【0013】
杭孔20は、地表GH側の通常掘削部21に対し、底部側の所定範囲の地盤Gがより大きな掘削径で拡大掘削されて所定形状の拡大掘削部22が形成され、地盤G中に各掘削部21、22が同芯状に設けられている。この底部側に拡大掘削部22を有する杭孔20内には、杭本体2が鉛直方向に沿って拡大掘削部22まで設置され、上記した根固め液からなる根固め材や杭周充填液(杭周固定液)からなる杭周充填材が硬化した杭周充填部10が全体に亘り充填されている。また、杭孔20は、拡大掘削部22に、根固め材が硬化した底部側の根固め部11、及び、杭周充填材が硬化した上部側の拡大杭周部(拡大周面部)12が一体に形成されている。根固め部11と拡大杭周部12は、拡大掘削部22内で、根固め部11が杭本体2の先端部に、拡大杭周部12が根固め部11の上側に続いて杭本体2の周面に、それぞれ設けられている。
【0014】
ここで、本実施形態の杭孔20の拡大掘削部22は、根固め部11の形成範囲22Aと拡大杭周部12の形成範囲22Bで、互いに異なる所定の掘削径で地盤Gが掘削され、両範囲22A、22Bの境界を挟んで異なる直径になっている。ここでは、拡大掘削部22は、根固め部11の形成範囲22Aに対して、拡大杭周部12の形成範囲22Bで、より小さい掘削径で掘削され、拡大杭周部12が根固め部11よりも小径に形成されている。また、各形成範囲22A、22Bは、基礎杭1に要求される性能や地盤Gの状態等に応じて各掘削径や掘削長さが設定され、それぞれ通常掘削部21に対する拡大比が決定される。杭本体2は、この根固め部11の形成範囲22A内に先端部が比較的長く配置され、先端部に根固め材からなる相対的に大径な根固め部11が、その上側に杭周充填材からなる相対的に小径な拡大杭周部12が形成される。
【0015】
なお、根固め材と杭周充填材は、杭孔20内に根固め液と杭周充填液を所定のタイミングで各々供給して、杭孔20内の各部に形成される未硬化の材料層であり、杭埋設後、それぞれ硬化して根固め部11と拡大杭周部12を構成する。また、根固め液と杭周充填液は、主にセメントと水を練り混ぜたミルク状の材料(セメントミルク)からなり、配合される水量のセメント量に対する比(セメント比=水量/セメント量)は、根固め液が杭周充填液よりも小さく設定される。
【0016】
この基礎杭1を施工するときには、掘削機、例えばアースオーガー(図示せず)を使用し、先端に機械式又は油圧式の拡縮掘削ヘッドを装着したオーガースクリューを回転させつつ上下動させ、回転する拡縮掘削ヘッドで地盤Gを掘削して杭孔20を形成する。その際、まず、掘削液を適宜供給しながら、縮小状態の拡縮掘削ヘッドを地盤Gに適した速度で下降させて、所定深度まで杭孔20を掘削する。次に、杭孔20の底部で拡縮掘削ヘッドを拡大させ、その掘削径を拡大杭周部12の形成範囲22Bに設定された掘削径に変更して、拡縮掘削ヘッドを所定深度まで上昇させる。これにより、杭孔20の底部側を拡大掘削して、拡大掘削部22の上部側に拡大杭周部12の形成範囲22Bを形成する。続いて、杭孔20の底部で拡縮掘削ヘッドを再度拡大させ、その掘削径を根固め部11の形成範囲22Aに設定された掘削径に変更して、拡縮掘削ヘッドを上昇させる。これにより、杭孔20の底部側を拡大掘削して、拡大掘削部22の底部側に根固め部11の形成範囲22Aを形成する。
【0017】
また、この拡大掘削部22の掘削中や掘削後に、掘削液に替えて、杭周充填液や根固め液を拡大掘削部22内に順次供給し、拡大杭周部12の形成範囲22Bを含む杭孔20の所定範囲に杭周充填材を形成する。一方、根固め部11の形成範囲22A内に供給した根固め液により、根固め部11の形成範囲22A内に根固め材を形成する。次に、拡縮掘削ヘッドを縮小させて杭孔20の外側まで引き上げ、この引き上げに伴い、拡大掘削部22よりも上側で、通常掘削部21の掘削土砂を外部に排出する。ただし、拡大掘削部22の各部を拡大掘削する順序や、拡大杭周部12の形成範囲22Bと根固め部11の形成範囲22Aの形成順序、及び、杭周充填液と根固め液を供給する順序は、各工法により異なる場合がある。
【0018】
このように、杭孔20の底部側を拡大掘削して2段階で拡径する拡大掘削部22を形成するとともに、杭周充填材と根固め材を形成し、それらが硬化する前に、杭孔20に杭本体2を鉛直に建て込む。これにより、杭孔20内の所定位置に杭本体2を設置し、杭本体2の先端部を根固め部11の形成範囲22Aまで配置して根固め材中に根入し、杭周充填材を地表GH付近まで次第に上昇させる。その状態で、根固め材と杭周充填材が硬化して杭本体2の外周に杭周充填部10が形成され、両者が一体化して基礎杭1が地盤G中に築造される。また、杭孔20の拡大掘削部22に、杭本体2の先端部に設けられた大径な根固め部11、及び、根固め部11に続く杭本体2の周面に設けられた、根固め部11よりも小径な拡大杭周部12が、周辺の地盤Gと一体に形成される。
【0019】
この基礎杭1の施工時に、本実施形態では、杭孔20の拡大掘削部22で、根固め部11の形成範囲22Aに対して拡大杭周部12の形成範囲22Bを小さい掘削径で掘削し、各掘削径に応じた直径に根固め部11と拡大杭周部12を形成する。これにより、杭本体2の先端部に大径な根固め部11を設けて先端支持力を大きくし、充分な支持力を発揮させて、基礎杭1に支持杭としての機能を確保し、負荷荷重を基礎杭1により安定して支持する。一方、周面摩擦力を大きくするための拡大杭周部12は、根固め部11よりも小径な、かつ、設定された周面摩擦力に応じた直径に形成することで、基礎杭1に周面摩擦力を付加して支持力を大きくし、基礎杭1に要求性能を確実に確保して負荷荷重を強固に支持させる。
【0020】
本実施形態の基礎杭1は、このようにして、拡大掘削部22で、根固め部11と拡大杭周部12の形成範囲22A、22Bを互いに異なる掘削径で掘削し、根固め部11と拡大杭周部12を適宜形成して、基礎杭としての機能を確保している。また、拡大掘削部22の全体を、地盤Gの状態や要求される性能等によらずに同じ掘削径で掘削するときに比べて、拡大掘削部22の掘削時間を短縮できるとともに、杭孔20内に供給する杭周充填液や根固め液の量を削減できる。従って、この基礎杭1によれば、拡大掘削部22に根固め部11及び拡大杭周部12を備えた基礎杭1を施工するときに、その機能を確保しつつ施工時間を短縮できる。また、この施工時間の短縮に加えて、杭孔20内に供給する材料の使用量を少なくできるため、基礎杭1の施工コストを削減することもできる。
【0021】
次に、本発明の他の実施形態の基礎杭について説明する。
図2は、他の実施形態の基礎杭を模式的に示す縦断面図である。
なお、この基礎杭1’は、杭孔20の拡大掘削部22以外は、上記した基礎杭1と同様に構成されており、共通する各構成の説明は省略する。
【0022】
基礎杭1’は、図示のように、杭孔20の拡大掘削部22が、拡大杭周部12の形成範囲22Bに対して、根固め部11の形成範囲22Aで、より小さい掘削径で掘削され、根固め部11が拡大杭周部12よりも小径に形成されている。施工時には、例えば、縮小状態の拡縮掘削ヘッドを下降させて杭孔20を掘削し、杭孔20の底部で拡縮掘削ヘッドを拡大させて、その掘削径を根固め部11の形成範囲22Aに設定された掘削径に変更する。続いて、拡縮掘削ヘッドを上昇させて杭孔20の底部側を拡大掘削し、拡大掘削部22の底部側に根固め部11の形成範囲22Aを形成する。また、根固め液を供給して、根固め部11の形成範囲22A内に根固め材を形成する。
【0023】
次に、拡大杭周部12の形成範囲22Bの下端部で、その掘削径に合わせて拡縮掘削ヘッドを再度拡大させ、拡縮掘削ヘッドを上昇させて拡大掘削し、拡大掘削部22の上部側に拡大杭周部12の形成範囲22Bを形成する。また、杭周充填液を供給して、拡大杭周部12の形成範囲22Bを含む所定範囲に杭周充填材を形成する。その後は、上記と同様の工程を経て杭孔20内の所定位置に杭本体2を設置し、杭本体2の外周に杭周充填部10を形成して基礎杭1’を築造する。これにより、杭孔20の拡大掘削部22に、杭本体2の先端部に設けられた小径な根固め部11、及び、根固め部11よりも大径な拡大杭周部12を形成する。
【0024】
この基礎杭1’では、拡大杭周部12を大径にして広い周面積に形成し、大きな周面摩擦力を発揮させて、基礎杭1’に摩擦杭としての機能を確保し、負荷荷重を基礎杭1’により安定して支持する。これに伴い、大きな先端支持力は不要となるため、根固め部11は拡大杭周部12よりも小径な、かつ、設定された先端支持力に応じた直径に形成する。基礎杭1’は、拡大杭周部12の大きな周面摩擦力により要求性能を確保して負荷荷重を確実に支持し、根固め部11の大きさに応じた先端支持力を付加して機能を補助する。
【0025】
このように、この基礎杭1’でも、各形成範囲22A、22Bを互いに異なる掘削径で適宜掘削することで、基礎杭としての機能を確保でき、併せて、施工時間を短縮して、杭孔20内に供給する材料の使用量や施工コストも削減できる。また、特に、根固め部11の形成範囲22Aが位置する地盤Gの支持層において、N値(地盤Gの強度を示す指数)が小さく、充分な先端支持力が得られないときに、この基礎杭1’は有効である。即ち、基礎杭1’は、N値が小さい地盤Gであっても、拡大杭周部12の大きな周面摩擦力により、その機能を確保して負荷される荷重を安定して確実に支持でき、同時に、支持効果が小さい根固め部11は小さくして施工時間の短縮等が図れる。
【0026】
また、基礎杭1’に支持杭としての機能をもたせる場合に、根固め部11は小さくして施工時間の短縮化を図る場合がある。その場合は、根固め部11の形成範囲22Aが拡大掘削困難な地盤Gであるときに、その掘削径を通常掘削部21と同じにし、拡大しないことにより掘削時間及び施工時間を大幅に短縮する。そのために不足する支持力を補うため、拡大杭周部12を拡大し摩擦を増す。
【0027】
なお、基礎杭1、1’を施工するときには、例えば、拡大掘削部22を掘削中に、その各部に杭周充填液と根固め液を供給して、それぞれ掘削土砂と撹拌混合し、未硬化のソイルセメントからなる杭周充填材と根固め材を形成する。この場合には、拡大掘削部22の各範囲22A、22Bを掘削するときに、上記した拡縮掘削ヘッドを上下反復動させ、拡縮掘削ヘッドで、それぞれ供給された杭周充填液や根固め液と掘削土砂とを撹拌混合する。これにより、拡大杭周部12の形成範囲22Bを含む杭孔20の所定範囲に杭周充填材を、根固め部11の形成範囲22A内に根固め材を各々形成し、それらを硬化させて、杭本体2の外周にソイルセメント柱である杭周充填部10を形成する。ただし、杭周充填材と根固め材は、ソイルセメントに限定されず、杭周充填液と根固め液のみを拡大掘削部22内の各部に充填して杭周充填材と根固め材にする等、種々の硬化性を有する材料を使用できる。
【0028】
また、以上説明した基礎杭1、1’では、根固め部11と拡大杭周部12の形成範囲22A、22Bを、地盤Gの状態や要求される性能等により設定された互いに異なる所定の掘削径で掘削し、一方を小さくして上記した効果を発揮させている。その際、各基礎杭1、1’の杭孔20の拡大掘削部22は、拡大杭周部12の形成範囲22Bの全体を同じ掘削径で掘削せずに、この形成範囲22Bで、それぞれ掘削径を変化させて掘削するようにしてもよい。具体的には、拡大杭周部12の形成範囲22Bは、例えば、部分的に大きく(又は小さく)掘削して1以上の段付形状に形成し、掘削径を連続して変化させて曲面状の突部(又は凹部)を形成してもよい。このようにすることで、拡大杭周部12の周面摩擦力を大きくし、或いは、適宜調節できるため、基礎杭1、1’の支持力を必要に応じて大きく、又は、適切に設定でき、地盤Gの状態や施工条件に柔軟に対応できる。
【符号の説明】
【0029】
1、1’・・・基礎杭、2・・・杭本体、10・・・杭周充填部、11・・・根固め部、12・・・拡大杭周部、20・・・杭孔、21・・・通常掘削部、22・・・拡大掘削部、G・・・地盤、GH・・・地表。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部側に拡大掘削部を有する杭孔内に設置された杭本体と、杭孔の拡大掘削部に形成され、杭本体の先端部に設けられた根固め部及び根固め部に続いて杭本体の周面に設けられた拡大杭周部と、を備えた基礎杭であって、
杭孔の拡大掘削部が、根固め部と拡大杭周部の形成範囲で互いに異なる掘削径で掘削されたことを特徴とする基礎杭。
【請求項2】
請求項1に記載された基礎杭において、
杭孔の拡大掘削部が、拡大杭周部の形成範囲に対して根固め部の形成範囲で小さい掘削径で掘削されたことを特徴とする基礎杭。
【請求項3】
請求項1に記載された基礎杭において、
杭孔の拡大掘削部が、根固め部の形成範囲に対して拡大杭周部の形成範囲で小さい掘削径で掘削されたことを特徴とする基礎杭。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載された基礎杭において、
杭孔の拡大掘削部が、拡大杭周部の形成範囲で掘削径を変化させて掘削されたことを特徴とする基礎杭。
【請求項5】
地盤に杭孔を形成する工程と、杭孔の底部側を拡大掘削して拡大掘削部を形成する工程と、杭孔内に杭本体を設置する工程と、杭孔の拡大掘削部に杭本体先端部の根固め部及び根固め部に続く杭本体周面の拡大杭周部を形成する工程と、を有する基礎杭の施工方法であって、
拡大掘削部を形成する工程が、根固め部と拡大杭周部の形成範囲を互いに異なる掘削径で掘削する工程を有することを特徴とする基礎杭の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−117192(P2011−117192A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275664(P2009−275664)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(505408686)ジャパンパイル株式会社 (67)
【Fターム(参考)】