説明

堤体法尻部分の洗掘・侵食を防止する護岸

【課題】可能な限り自然に近く、河川の景観に配慮しつつ、容易に施工可能であって下層が魚巣に適して上層が植生に適した護岸を提供する。
【解決手段】魚巣・植生用護岸100は、(a)目合いの大きい部分121と、目合いの大きい部分121よりも目が細かい目合いの細かい部分122とを有し、目合いの大きい部分121を下側にして目合いの細かい部分122を上側にして設置されたグリッド112と、(b)目合いの大きい部分121の目よりも粒径が大きく、目合いの大きい部分121の区間(下層101)に投入された中詰め材(割栗石)113と、(c)目合いの細かい部分122の区間(上層102)に投入された中詰め材(土砂)114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、堤体法尻部分の洗掘・侵食を防止する護岸に関し、特に、容易に施工可能であって下層が魚巣に適して上層が植生に適した護岸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、治水や利水を優先した河川の整備事業や改修工事が行われていた。近年では、自然の保全や創出を考慮した河川の整備事業や改修工事が要望されている。
例えば、河川に生息する魚は、自然にできた障害物の陰に生息したり避難したりする。ただし、魚が生息したり避難したりする障害物を水路内に設置することは、水理的に非常に困難な場合が多い。このため、魚巣ブロックを河岸に設置するように(例えば、特許文献1参照。)、魚が生息したり避難したりする障害物を水路内以外に設置することが行われている。
【0003】
ここで、魚巣ブロックとは、主に魚の生息や避難場所を提供することを目的とした人工物である。多くはコンクリート製であり、魚が出入り可能な開口部が設けられ、開口部と繋がった空洞部分が内部に設けられている。空洞部分は、河川形状、設置環境、魚種などによって、大きさや奥行などが異なる。また、河川内の景観に配慮して土砂を内部に収納して植生可能なものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平5−179629号公報
【特許文献2】特開平6−299526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の魚巣ブロックにおいては、多くがコンクリート製であるので、河川の景観を損ねる。また、一度出来上がってしまうと形状を変えることが困難である。このため、護岸を施工するにあたって、魚巣ブロックの配列を調整することで、護岸の形状を調整することができても、護岸の形状が魚巣ブロックに制約されるという問題がある。
【0005】
これに対して、護岸の形状に合わせて魚巣ブロックを現場で作れば、この問題を解決することが可能であるが、施工に手間と時間とが掛かり、施工性が悪くなるという別の問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、可能な限り自然に近く、河川の景観に配慮しつつ、容易に施工可能であって下層が魚巣に適して上層が植生に適した護岸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係わる護岸は、下記(CL1)に示す特徴を備える。
(CL1)護岸は、(a)第1の目合い部分と、前記第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有し、前記第1の目合い部分を下側にして前記第2の目合い部分を上側にして設置されたグリッドと、(b)前記第1の目合い部分の目よりも粒径が大きく、前記第1の目合い部分の区間に投入された第1の中詰め材と、(c)前記第2の目合い部分の区間に投入された第2の中詰め材とを備える。
【0008】
これによって、護岸を形成するにあたってグリッドを使用するので、容易に施工することができる。また、割栗石などのような中詰め材を護岸の下層に投入するので、護岸の下層に適度な空隙ができる。適度な空隙があることによって、水生生物の生育空間(魚巣、産卵場、隠れ家など)を確保することができる。さらに、土砂などのような中詰め材を護岸の上層に投入するので、護岸の上層に植生を施すことができる。そして、可能な限り自然に近く、河川低水部の自然植物による緑化、及び水生生物の生息空間を生み出すことができ、生態系保全効果を発揮することができる。
【0009】
なお、上記目的を達成するために、本発明に係わるグリッドは、下記(CL7)に示す特徴を備える。
(CL7)グリッドは、(a)護岸を構成するグリッドであって、(b)前記護岸の下層を形成する第1の中詰め材の粒径よりも目が細かい第1の目合い部分と、前記第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、護岸を形成するにあたってグリッドを使用するので、容易に施工することができる。また、割栗石などのような中詰め材を護岸の下層に投入するので、下層に適度な空隙ができる。適度な空隙があることによって、水生生物の生育空間(魚巣、産卵場、隠れ家など)を確保することができる。さらに、土砂などのような中詰め材を護岸の上層に投入するので、上層に植生を施すことができる。そして、可能な限り自然に近く、河川低水部の自然植物による緑化、及び水生生物の生息空間を生み出すことができ、生態系保全効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明に係わる実施の形態について説明する。
<概要>
本実施の形態における護岸は、下記(1)〜(4)に示す特徴を備える。
【0012】
(1)護岸は、(a)第1の目合い部分と、第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有し、第1の目合い部分を下側にして第2の目合い部分を上側にして設置されたグリッドと、(b)第1の目合い部分の目よりも粒径が大きく、第1の目合い部分の区間に投入された第1の中詰め材と、(c)第2の目合い部分の区間に投入された第2の中詰め材とを備える。
【0013】
(2)護岸は、グリッドが樹脂製のものである。
(3)護岸は、法尻部分とグリッドとで囲まれた部分に第1の中詰め材と第2の中詰め材とが投入されて形成されたものである。
【0014】
(4)護岸は、第1の中詰め材と第2の中詰め材との間に敷かれたシート材を備える。
なお、上記(3)の代わりに、下記(5)に示す特徴を備えるとしてもよい。
(5)護岸は、グリッドで囲まれた部分に第1の中詰め材と第2の中詰め材とが投入されて形成されたものである。
【0015】
なお、上記(1)〜(5)に示す特徴以外に、下記(6)に示す特徴を備えるとしてもよい。
(6)護岸は、第2の中詰め材が第1の中詰め材と同じものであるとしてもよい。
【0016】
また、本実施の形態におけるグリッドは、下記(7)〜(11)に示す特徴を備える。
(7)グリッドは、(a)護岸を構成するグリッドであって、(b)護岸の下層を形成する第1の中詰め材の粒径よりも目が細かい第1の目合い部分と、第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有する。
【0017】
(8)グリッドは、樹脂製のものであり、1本以上の熱融着性繊維からなる糸によって編網されたものであるとともに、熱処理によって熱融着性繊維同士の接触部分が熱融着したものである。
【0018】
(9)グリッドは、熱融着性繊維の断面構造が芯部と鞘部とからなり、鞘部の融点の方が芯部の融点よりも10℃以上低い。
(10)グリッドは、芯部が極限粘度0.6〜1.0の高粘度ポリエステルによって形成されるとともに、鞘部が融点100〜200℃の共重合ポリエステルによって形成されている。
【0019】
(11)グリッドは、1本以上の熱融着性繊維からなる糸である経糸と緯糸とを使用して、緯糸挿入ラッシェル編み機で編網されたものである。
以上の点を踏まえて、本実施の形態における護岸について説明する。
【0020】
<護岸>
図1に示すように、魚巣・植生用護岸100は、堤体法尻部分11の洗掘・侵食を防止する護岸である。ここでは、一例として、水平方向から見て、魚巣に適した下層101と、植生に適した上層102とを有する。下層101を形成する中詰め材として割栗石(φ150〜200mm)が使用されている。上層102を形成する中詰め材として土砂が使用されている。
【0021】
具体的には、図2(A),図2(B)に示すように、堤体法尻部分11に沿って所定の間隔で杭111が河床12に打設される。目合いの大きい部分121と目合いの細かい部分122とを有するグリッド112が、目合いの大きい部分121を下側にして目合いの細かい部分122を上側にして展開される。展開されたグリッド112が、半円状に撓んだ状態で、打設された杭111に固定される。堤体法尻部分11と半円状に撓んだグリッド112とで囲まれた部分に、中詰め材(割栗石)113と、中詰め材(割栗石)113の粒径よりも小さい中詰め材(土砂)114とが投入される。このとき、河床12から目合いの大きい部分121と目合いの細かい部分122との境界まで中詰め材(割栗石)113が投入される。投入された中詰め材(割栗石)113を覆うようにして仕切用シート材115(例えば、スパンボンド不織布など。)が敷かれる。仕切用シート材115の上に中詰め材(土砂)114が投入される。
【0022】
これによって、可能な限り自然に近く、河川の景観に配慮しつつ、河川低水部の自然植物による緑化、及び水生生物の生息空間を生み出すことができ、生態系保全効果を発揮することができる。これは、中詰め材(割栗石)113を投入することによって、適度な空隙ができる。適度な空隙があることによって、水生生物の生育空間(魚巣、産卵場、隠れ家など)を確保することができるからである。また、中詰め材(土砂)114を投入することによって、植生を施すことができるからである。
【0023】
なお、魚巣・植生用護岸100が上記の護岸に該当する。目合いの大きい部分121が上記の第1の目合い部分に該当する。目合いの細かい部分122が上記の第2の目合い部分に該当する。グリッド112が上記の樹脂製のグリッドに該当する。中詰め材(割栗石)113が上記の第1の中詰め材に該当する。中詰め材(土砂)114が上記の第2の中詰め材に該当する。仕切用シート材115が上記のシート材に該当する。
【0024】
<グリッド112>
ここで、グリッド112は、樹脂製のものがよく、ポリエステル繊維を素材とすると、高強度・低伸度・高剛性を有し、耐候性・耐薬品性・耐腐食性に優れるものである。容易に目ズレしないように、非常に高い繊維同士の交点強度を有する。R(カーブ区間)についても容易に対応可能であり、かつ自由な形状(円形、楕円、長方形など)で施工可能である。また、軽量で人力による運搬可能であり、かつハサミ・カッターなどで容易に切断可能である。
【0025】
また、グリッド112は、図3(A),図3(B)に示すように、目合いの大きい部分121と目合いの細かい部分122とが一体となっているものである。目合いの大きい部分121は、中詰め材(割栗石)113の粒径よりも目が細かく、数cm〜十数cm程度の目開きで、幅の短い経編地123と4本で1組とする緯糸125とから構成される。目合いの細かい部分122は、中詰め材(土砂)114が流出しない程度の目合いを有し、幅の広い経編地124と4本で1組とする緯糸125とから構成される。
【0026】
ここで、経編地123,124は、経糸126によって編成されたラッシェル編地である。緯糸125は、経糸126と同じ糸を多数本撚って得られたものである。経糸126は、図4に示すように、芯鞘型の繊維130を多数本撚って得られたマルチフィラメント糸である。芯鞘型の繊維130は、芯部131と鞘部132とからなる断面構造を有する熱融着性繊維である。芯部131は、極限粘度が0.6〜1.0程度である高粘度ポリエステルで形成されている。鞘部132は、芯部131よりも融点が10℃以上低い共重合ポリエステル(融点100〜200℃)で形成されている。
【0027】
具体的には、9ゲージの緯糸挿入ラッシェル編み機を使用して、芯鞘型の繊維130からなる糸が上下左右の格子状に編網される。編網されて得られた格子状のものが鞘部132の融点以上かつ芯部131の融点以下の温度で熱処理される。これによって、芯部131が熱の影響を受けずに鞘部132が溶融して繊維同士が熱接着する。そして、図3(A),図3(B)に示すように、経編地123,124と緯糸125との交点部分の接着が強固になる。そして、形態安定性に優れ、柔軟性と剛性とを適度に兼ね備えたグリッド112が得られる。
【0028】
ここでは、グリッド112の一例として、図5に示すように、幅Wが68±1[cm]であり、長さLが30[m]である。目合いの大きい部分121は、幅Waが38±1[cm]である。目合いの大きい部分121の目合いは、タテ方向の長さMvが60±10[mm]であり、ヨコ方向の長さMhが110±20[mm]である。目合いの細かい部分122は、幅Wbが30±1[cm]である。目合いの細かい部分122の目合いは、2[mm]程度である。引張強度は、タテ方向が1500[N/本]以上であり、ヨコ方向が2200[N/本]以上である。伸び率は、タテ方向が15[%]以上であり、ヨコ方向が15[%]以上である。
【0029】
この場合において、グリッド112の目合いの大きい部分121の目合いの寸法を考慮して、中詰め材(割栗石)113として、φ150〜200[mm]の割栗石を使用するとよい。
【0030】
<まとめ>
以上、本実施の形態によれば、魚巣・植生用護岸100を形成するにあたってグリッド112を使用するので、容易に施工することができる。また、中詰め材(割栗石)113を魚巣・植生用護岸100の下層101に投入するので、魚巣・植生用護岸100の下層101に適度な空隙ができる。適度な空隙があることによって、水生生物の生育空間(魚巣、産卵場、隠れ家など)を確保することができる。さらに、中詰め材(土砂)114を魚巣・植生用護岸100の上層102に投入するので、魚巣・植生用護岸100の上層102に植生を施すことができる。そして、可能な限り自然に近く、河川低水部の自然植物による緑化、及び水生生物の生息空間を生み出すことができ、生態系保全効果を発揮することができる。
【0031】
(その他)
なお、魚巣・植生用護岸100の用途として、堤体法尻部の洗掘・侵食防止以外に、ため池法尻箇所洗掘・侵食防止、ワンド箇所等の魚巣空間確保及び植生、ビオトープ造成工事などが挙げられる。
【0032】
なお、魚巣・植生用護岸100の適用箇所として、砂利等が堆積しにくい箇所、水深が0〜65cm程度の箇所、水衝部以外の箇所などが挙げられる。
なお、図6に示すように、魚巣・植生用護岸100の代わりに、魚巣・植生用護岸150としてもよい。ここで、魚巣・植生用護岸150は、グリッド112で囲まれた部分に中詰め材(割栗石)113と中詰め材(土砂)114とが投入されて形成されたものである。
【0033】
なお、図7に示すように、ヌートリア21の繁殖箇所では、堤体に巣穴22を掘るため、水害の危険性が指摘されている。そこで、魚巣・植生用護岸100の代わりに、中詰め材として砕石・割栗石のみを使用してヌートリア対策用護岸160を形成するとしてもよい。具体的には、堤体法尻部分11と半円状に撓んだグリッド112とで囲まれた部分に、中詰め材(割栗石)113と中詰め材(土砂)114との代わりに、中詰め材(砕石・割栗石)173のみが投入される。これによって、ヌートリア21の巣堀り時には、中詰め材(砕石・割栗石)173が沈下し、巣堀防止対策効果が発揮できる。ただし、中詰め材(砕石・割栗石)173が沈下した場合には、随時補充が必要となる。
【0034】
なお、経糸126および緯糸125として、芯鞘型の繊維を多数本撚って得られたマルチフィラメント糸の代わりに、芯鞘型の繊維からなるモノフィラメント糸や複数本の繊維を紡績した紡績糸を使用してもよい。さらに、芯鞘型の繊維または熱融着性樹脂のみからなる繊維と、熱融着性樹脂が溶融する温度では溶解も軟化もしない繊維とを混繊または混紡した糸が使用されるとしてもよい。
【0035】
なお、芯部131と鞘部132との配合割合は、質量比で、鞘部132が1に対して芯部131が1〜5であることが好ましく、取分け、鞘部132が1に対して芯部131が2〜3であることが好ましい。質量比で、鞘部132が1に対して芯部131が5より大きいと、熱接着力が劣るようになり、鞘部132が1に対して芯部131が1より小さいと、その分だけ芯部131の割合が低下し、高い強度を得ることが困難になる。
【0036】
なお、芯部131および鞘部132は、グリッド112が摩擦や屈曲を受けたときに芯部131と鞘部132との間で剥離が生じにくいように、相溶性があることが好ましい。
なお、高粘度ポリエステルとして、寸法安定性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(融点約260℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点約220℃)、ポリエチレンナフタレート(融点約270℃)などが好ましい。取分け、コストの点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、高粘度ポリエステルに、繊維の延伸性や強度を損ねない程度に、耐候剤、顔料、着色剤、難燃剤、艶消剤などが添加されていても差し支えない。
【0037】
なお、共重合ポリエステルとして、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン成分、エチレングリコール成分、および1,4ブタジエン成分のいずれかを含有したものとしてもよい。また、共重合ポリエステルに、製糸性や熱接着性を損ねない程度に、艶消剤、着色剤、抗菌剤、難燃剤、結晶核剤、制電剤などが添加されていても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、堤体法尻部分の洗掘・侵食を防止する護岸などとして、特に、容易に施工可能であって下層が魚巣に適して上層が植生に適した護岸などとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態における魚巣・植生用護岸の概要を示す図である。
【図2】(A)は、実施の形態における魚巣・植生用護岸を示す斜視図であり、(B)は、その断面図である。
【図3】実施の形態におけるグリッドを示す図であり、(A)は、ロール状に丸められた状態を示す図であり、(B)は、展開された状態を示す図である。
【図4】実施の形態における芯鞘型の繊維の構造を示す図である。
【図5】実施の形態におけるグリッドの寸法を示す図である。
【図6】実施の形態の変形例における魚巣・植生用護岸を示す斜視図である。
【図7】実施の形態の変形例におけるヌートリア対策用護岸の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
11 堤体法尻部分
12 河床
21 ヌートリア
22 巣穴
100 魚巣・植生用護岸
101 下層
102 上層
111 杭
112 グリッド
113 中詰め材(割栗石)
114 中詰め材(土砂)
115 仕切用シート材
121 目合いの大きい部分
122 目合いの細かい部分
123,124 経編地
125 緯糸
126 経糸
130 芯鞘型の繊維
131 芯部
132 鞘部
150 魚巣・植生用護岸
160 ヌートリア対策用護岸
173 中詰め材(砕石・割栗石)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の目合い部分と、前記第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有し、前記第1の目合い部分を下側にして前記第2の目合い部分を上側にして設置されたグリッドと、
前記第1の目合い部分の目よりも粒径が大きく、前記第1の目合い部分の区間に投入された第1の中詰め材と、
前記第2の目合い部分の区間に投入された第2の中詰め材とを備える
ことを特徴とする護岸。
【請求項2】
前記グリッドが樹脂製のものである
ことを特徴とする請求項1に記載の護岸。
【請求項3】
法尻部分と前記グリッドとで囲まれた部分に前記第1の中詰め材と前記第2の中詰め材とが投入されて形成されたものである
ことを特徴とする請求項1に記載の護岸。
【請求項4】
前記グリッドで囲まれた部分に前記第1の中詰め材と前記第2の中詰め材とが投入されて形成されたものである
ことを特徴とする請求項1に記載の護岸。
【請求項5】
前記第1の中詰め材と前記第2の中詰め材との間に敷かれたシート材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の護岸。
【請求項6】
前記第2の中詰め材が前記第1の中詰め材と同じものである
ことを特徴とする請求項1に記載の護岸。
【請求項7】
護岸を構成するグリッドであって、
前記護岸の下層を形成する第1の中詰め材の粒径よりも目が細かい第1の目合い部分と、前記第1の目合い部分よりも目が細かい第2の目合い部分とを有する
ことを特徴とするグリッド。
【請求項8】
樹脂製のものであり、1本以上の熱融着性繊維からなる糸によって編網されたものであるとともに、熱処理によって熱融着性繊維同士の接触部分が熱融着したものである
ことを特徴とする請求項7に記載のグリッド。
【請求項9】
前記熱融着性繊維の断面構造が芯部と鞘部とからなり、前記鞘部の融点の方が前記芯部の融点よりも10℃以上低い
ことを特徴とする請求項8に記載のグリッド。
【請求項10】
前記芯部が極限粘度0.6〜1.0の高粘度ポリエステルによって形成されるとともに、前記鞘部が融点100〜200℃の共重合ポリエステルによって形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載のグリッド。
【請求項11】
前記1本以上の熱融着性繊維からなる糸である経糸と緯糸とを使用して、緯糸挿入ラッシェル編み機で編網されたものである
ことを特徴とする請求項8に記載のグリッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−53578(P2010−53578A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218886(P2008−218886)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【出願人】(390039114)株式会社田中 (21)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100100000
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 洋平
【Fターム(参考)】