説明

塗布容器

【課題】簡便に容器の内圧を外気圧と同等にでき、塗布の精度を充分に確保できる塗布容器を提供する。
【解決手段】容器2と、容器2の口部に装着される流通筒3と、流通筒3内に先端側に向けて付勢された塗布栓4と、流通筒3及び塗布栓4の先端部41を覆うオーバーキャップ5とを備えた塗布容器10であって、塗布栓4の先端部41には、先端側へ向けて突出する第1突起41bが設けられ、オーバーキャップ5内には、第1突起41bに、周方向に沿ってオーバーキャップ5を口部に締め付ける締付側から対向する第2突起52dが設けられ、第1突起41b及び第2突起52dそれぞれにおいて、周方向で互いに対向する部分の少なくとも一方には、流通筒3の軸線Oに直交する直交面に対して傾斜する摺接面が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液剤等の内容物を適量塗布するのに好適な塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の胴部に収容した液剤等の内容物を適量塗布するための塗布容器として、例えば特許文献1記載のものが知られている。特許文献1記載の塗布容器は、容器の口部に装着された中栓(流通筒)と、中栓の径方向内側にその軸方向に沿って容器の先端側に向けて付勢された状態で配設されるとともに先端部を中栓から前記先端側に突出させた突起(塗布栓)とを備えている。また、前記先端側に付勢された突起の外周面のシール面と、中栓の内周面の被シール面とが密接することで、容器の内部と外部とが気密にシールされている。
そして、内容物を塗布する際には、突起の先端部が下方に向くように容器を傾け、先端部を被塗布面に押し当てて突起を中栓に対し容器の胴部側へ押し込みシールを解除して、流れ出た内容物を被塗布面に塗布するようにしている。
【特許文献1】実用新案登録第2553493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1記載の塗布容器においては、例えば揮発性の比較的高い液剤等の内容物を容器に収容したり、容器が高い外気温に晒されたりすることがあり、容器内部の圧力が容器外部の圧力に対し高められた状態となることがある。このように容器の内圧が外気圧に対し高められた状態で前述の塗布を行った場合、シールが解除されたときに、容器内外の圧力差によって内容物が意図した以上に多量に被塗布面に噴き出してしまうことがあった。
また、このような塗布容器においては、中栓内に、意図せずに内容物が溜まってしまうことがあり、塗布の精度を低減させる場合があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡便に容器の内圧を外気圧と同等にでき、内容物が意図した以上に多量に被塗布面に噴き出してしまうのを防ぐとともに、塗布の精度を充分に確保できる塗布容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、内容物が収容される容器と、前記容器の口部に装着され、内部が前記容器の胴部に連通する流通筒と、前記流通筒内にその軸方向に沿って先端側に向けて付勢された状態で配設されるとともに先端部を該流通筒から前記先端側に突出させた塗布栓と、前記容器の口部に螺合により着脱自在に装着されて、前記流通筒及び前記塗布栓の先端部を覆うオーバーキャップと、を備え、前記塗布栓において前記流通筒内に位置する部分に、前記流通筒内に形成された被シール面に前記軸方向に沿って胴部側から当接するシール面が形成された塗布容器であって、前記塗布栓の先端部には、前記先端側へ向けて突出する第1突起が設けられ、前記オーバーキャップ内には、前記第1突起に、前記流通筒の周方向に沿って該オーバーキャップを前記口部に締め付ける締付側から対向する第2突起が設けられ、前記第1突起及び前記第2突起それぞれにおいて、前記周方向で互いに対向する部分の少なくとも一方には、前記流通筒の軸線に直交する直交面に対して傾斜する摺接面が形成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る塗布容器によれば、第1突起及び第2突起が設けられているので、オーバーキャップ及び容器を、オーバーキャップを容器の口部から緩める緩み側に相対的に回転移動させたときに、第1突起と第2突起とが前記摺接面上で互いに摺接しつつ第2突起が第1突起を前記緩み側に乗り越えるときに、この第2突起で第1突起を前記胴部側に向けて押し込ませることにより、塗布栓を流通筒に対して前記胴部側に押し下げることが可能になる。
したがって、内容物を被塗布面に塗布する前に、塗布栓のシール面と流通筒の被シール面とを前記軸方向に沿って互いに離間させてシールを解除して、容器の内圧が高まっていた場合に、その圧力を容器の外部に開放することができる。
【0007】
これにより、内容物を被塗布面に塗布するときに、外気圧と容器の内圧との差によって内容物が意図した以上に多量に被塗布面に噴き出してしまうことが防止されている。
また、流通筒内に、意図せずに内容物が溜まってしまっていた場合には、前述のようにシールが解除されることで前記内容物が確実に容器内に流れ落とされるので、より精度の高い塗布が行える。
【0008】
また、本発明に係る塗布容器において、前記塗布栓から前記軸方向に沿って胴部側に離間して配設されて、前記流通筒に支持される基部と、前記塗布栓及び前記基部を繋ぎ前記塗布栓を前記先端側へ向けて付勢する付勢部と、が前記塗布栓と一体に形成されていてもよく、前記流通筒内に、前記塗布栓の前記流通筒に対する前記周方向への回転移動を規制する回転規制手段が配設されていることとしてもよい。
【0009】
本発明に係る塗布容器によれば、回転規制手段が、塗布栓の流通筒に対する周方向への回転移動を規制しているので、オーバーキャップを容器の口部から取り外す際に、第1突起と第2突起とが摺接面において互いに摺接することで、オーバーキャップから塗布栓に前記周方向の力が加えられても、塗布栓が流通筒に対し回転するのを防ぐことが可能になり、付勢部が捩れることが確実に防止される。従って、付勢部の破損が防止され安定して付勢が行われるとともに、前述したシールの精度が確保されている。
また、オーバーキャップを前記口部に着脱する際に、確実に該オーバーキャップと塗布栓とが相対的に回転移動されることから、前述したように、第2突起で第1突起を前記胴部側に向けて精度よく押し込ませることができる。
【0010】
また、本発明に係る塗布容器において、前記流通筒内に、前記塗布栓の前記流通筒に対する前記周方向に沿って前記オーバーキャップを前記口部から緩める緩み側への回転移動を規制する回転規制手段が配設され、前記塗布栓が、前記周方向に沿って前記締付側に回転移動自在とされていることとしてもよい。
【0011】
本発明に係る塗布容器によれば、塗布栓が、流通筒に対して周方向に沿ってオーバーキャップを容器の口部から緩める緩み側へ回転移動するのを規制する回転規制手段が配設されているので、オーバーキャップを前記口部から取り外す際に、確実に該オーバーキャップと塗布栓とが相対的に回転移動されることから、前述したように、第2突起で第1突起を前記胴部側に向けて精度よく押し込ませることができる。その一方で、塗布栓が周方向に沿って前記締付側に回転移動自在とされているので、オーバーキャップを前記口部へ装着する際は、オーバーキャップの前記締付側への回転移動に伴って塗布栓が前記締付側に回転移動されることから、塗布栓を押し下げることなく、シール(密閉性)を確保することが可能になる。従って、塗布栓が、装着したオーバーキャップによって前記胴部側へ向け押し込まれた状態のままになることが防止され、前述のシールが確実に行われる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る塗布容器によれば、簡便に容器の内圧を外気圧と同等にでき、内容物が意図した以上に多量に被塗布面に噴き出してしまうのを防ぐとともに、塗布の精度を充分に確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の第1の実施形態に係る塗布容器10について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図、図2は本発明の第1の実施形態に係る塗布容器における塗布栓の第1突起を上面側から見た概略平面図、図3は本発明の第1の実施形態に係る塗布容器におけるオーバーキャップの第2突起を下面側から見た概略平面図、図4は本発明の第1の実施形態に係る塗布容器において第1突起及び第2突起の周方向の相対位置関係を説明する図である。
【0014】
図1に示すように、第1の実施形態の塗布容器10は、有底筒状の容器2と、流通筒3と、棒状の塗布栓4と、オーバーキャップ5と、棒状の押し込み規制部材6とを備え、夫々の中心軸が共通軸上に位置させられて配設されている。以下、この共通軸を単に軸(軸線)Oと言い、軸O方向に沿ってオーバーキャップ5側を上側(先端側)、容器2側を下側(胴部側)と言う。そして、塗布容器10は、液剤等の内容物が収容される容器2と、容器2の口部に装着され、内部が容器2の胴部に連通する流通筒3と、流通筒3内に上方に向けて付勢された状態で配設されるとともに後述する先端部41を流通筒3から上方に突出させた塗布栓4と、容器2の口部に螺合により着脱自在に装着されて、流通筒3及び塗布栓4の先端部41を覆うオーバーキャップ5と、塗布栓4内に配設され、塗布栓4の先端部41の下方へ向けた移動を規制する押し込み規制部材6とを備えている。
【0015】
容器2の口部の外周面には、雄ねじ2aが形成されている。
流通筒3の外周面における軸O方向の中央部分には、周方向に沿った環状をなし径方向外側に突出するフランジ部31が形成されている。フランジ部31は、その外径が容器2の口部の外径と同等とされている。また、流通筒3においてフランジ部31よりも下側に位置する部分は、その外径が容器2の口部の内径と同等か、若干大きく設定されていて、口部に嵌合されている。また、流通筒3の内周面の下端部分には、周方向に沿った環状をなし径方向内側に突出する第1係合部32が形成されている。また、フランジ部31の下面は、容器2の口部の上端面に密接されている。
【0016】
また、流通筒3においてフランジ部31よりも上側に位置する上側部分は、下側から上側に向かうに連れ漸次縮径している。また、前記上側部分の上端部における外周面にはテーパ面33が形成されており、上側部分の外周面のうち、上端部は、他の部分よりも軸O方向に沿った単位長さあたりの径方向の変形量が大きくされて形成されている。また、流通筒3の上端部における内周面には、下側から上側へ向かうに連れ漸次縮径する被シール面34が形成されている。
【0017】
また、塗布栓4は、略多段円柱状をなし上側の小径部分と下側の大径部分とからなる。また、小径部分の先端部41が流通筒3の上端面から上側に突出している。また、先端部41の外周面には、軸O方向に沿って延びる溝41aが周方向に間隔を開け複数形成されている。
【0018】
また、図2に示すように、塗布栓4の先端部41の上端面において周方向に隣り合う溝41a同士の間に位置する部分には、上側に向けて突出する第1突起41bが複数形成されている。詳しくは、第1突起41bは、周方向に沿ってオーバーキャップ5を容器2の口部から緩める緩み側C1から、周方向に沿ってオーバーキャップ5を容器2の口部に締め付ける締付側C2に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第1摺接面(摺接面)7aと、前記締付側C2から緩み側C1に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第2摺接面7bとを有しており、これらの第1、第2摺接面7a,7bの交差稜線部が頂部7cとされている。なお、第1、第2摺接面7a、7bはそれぞれ、前記軸Oに直交する直交面に対して傾斜している。
【0019】
頂部7cは、径方向内側の端部が軸Oに重なり、前記端部から軸Oに直交するように径方向外側へ向け延在している。また、周方向に隣り合う第1突起41b同士の第1、第2摺接面7a,7bが交差する凹部7dは、径方向内側の端部が軸Oに重なり、前記端部から径方向外側へいくに従い軸O方向の上側から下側へ向け傾斜するように延在するとともに、径方向外側の端部が溝41aの上端開口縁に連なっている。
【0020】
また、塗布栓4の大径部分は、略有頂筒状をなし流通筒3内に配設されている。大径部分において小径部分と接続する天壁部41cの外周縁部には、軸O方向の上側から下側へ向かうに連れ漸次拡径するとともに、流通筒3内に形成された被シール面34に下側から当接するシール面44が形成されている。また、大径部分の内周面には、径方向内側に向け突出するとともに、天壁部41cから下側へ向け延びる板状の第1突部8aが周方向に間隔を開け複数形成されている。
【0021】
また、塗布栓4の下側には、塗布栓4を上側へ向けて付勢する弾性部材(付勢部)42と、塗布栓4から下側に離間して配設され、流通筒3の下端開口部内に支持された筒部(基部)43と、が上側から下側に向けてこの順に配設されている。尚、これらの弾性部材42及び筒部43は塗布栓4と一体に形成されている。
また、弾性部材42は、軸O周りに螺旋状に延びる樹脂バネからなり、その上端が塗布栓4の下端縁部に接続され、下端が筒部43の上端縁部に接続されている。
【0022】
また、筒部43の外周面には、周方向に沿って延びる環状をなし径方向内側に窪むとともに流通筒3の第1係合部32に係合する第2係合部43aが形成されている。また第2係合部43aは、前述の係合により、第1係合部32に対する軸O方向への移動を規制されている。
【0023】
このように第1係合部32と第2係合部43aとが係合されることで、筒部43の流通筒3に対する軸O方向の移動が規制されていることから、この筒部43に接続された弾性部材42が塗布栓4を上側へ向け確実に付勢するようにしている。
【0024】
また、オーバーキャップ5は有頂筒状をなしており、多段筒状の本体部51と本体部51の上側を塞ぐ天壁部52とからなる。本体部51の内周面の軸O方向の中央部分には、下側を向き流通筒3のフランジ部31の上面に密接する環状の押さえ面51aが形成されている。また、本体部51の内周面において押さえ面51aよりも下側に位置する部分には、容器2の雄ねじ2aに螺合する雌ねじ51bが形成されている。
【0025】
そして、オーバーキャップ5を容器2に対して周方向に沿って前記締付側C2および前記緩み側C1に回すことで、雄ねじ2aと雌ねじ51bとの螺合が締め付けられたり緩められたりして、オーバーキャップ5が軸O方向に沿って移動することで、容器2の口部に着脱自在とされている。また、本体部51の押さえ面51aよりも上側に位置する部分は、本体部51の押さえ面51aの下側に位置する部分よりも縮径して形成されている。
【0026】
また、天壁部52には、塗布栓4の先端部41を径方向外側から覆う筒状の壁部52aが垂設されている。壁部52aの内径は、流通筒3の上端の内径よりも僅かに大きく設定されている。また、壁部52aの軸O方向の中央部分には、下側を向き流通筒3の上端開口縁に当接する環状の段部52bが形成されている。また、壁部52aの内周面において段部52bの下側に位置する部分には、この段部52bの径方向外縁部に連なり、上側から下側へ向かうに連れ漸次拡径するとともに流通筒3のテーパ面33に密接するテーパ面52cが形成されている。
【0027】
また、壁部52aの内周面において段部52bの上側に位置する部分には、天壁部52の下面9dから下側へ向けて突出する第2突起52dが、周方向に沿って間隔を開け複数形成されている。これらの第2突起52dは、図3に示すように、前記緩み側C1から前記締付側C2に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第1摺接面9aと、前記締付側C2から前記緩み側C1に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第2摺接面(摺接面)9bと、第1、第2摺接面9a,9bの交差稜線部に形成された頂部9cと、を有している。また、前記下面9dにおいて、周方向で隣り合う第2突起52d同士の間に位置する部分の周方向に沿った長さは、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次大きくなっている。なお、第1、第2摺接面9a、9bはそれぞれ、前記軸Oに直交する直交面に対して傾斜している。
【0028】
頂部9cは、その径方向内側の端部が軸Oに重なり、前記端部から径方向外側へいくに従い軸O方向の上側から下側へ向け傾斜するように延在している。すなわち、頂部9cは、軸Oから径方向外側へいくに従い天壁部52の下面9dから前記軸O方向に離間するように延びており、その径方向外側の端部が壁部52aの内周面に連なっている。
【0029】
また、図1および図4に示すように、第1突起41bおよび第2突起52dは、互いの周方向の相対位置がずらされて配置されている。これにより、第2突起52dの第1、第2摺接面9a、9bのうち前記緩み側C1を向く第2摺接面9bは、第1突起41bの第1、第2摺接面7a、7bのうち前記締付側C2を向く第1摺接面7aに、前記締付側C2から対向している。また、第2突起52dにおいて前記締付側C2を向く第1摺接面9aは、第1突起41bにおいて前記緩み側C1を向く第2摺接面7bに、前記緩み側C1から対向している。
【0030】
また、図1に示すように、押し込み規制部材6は、塗布栓4の大径部分及び弾性部材42夫々の径方向内側に配設される棒体61と、棒体61の下側に繋がり筒部43の径方向内側に配設される筒体62とを有している。棒体61の外径は、塗布栓4の大径部分の内径よりも小さく設定されており、棒体61の上端面は、前記大径部分の天壁部41cの下面に軸O方向の間隔を開けて対向配置されている。
【0031】
また、棒体61の上端部分の外周面には、径方向外側に向け突出するとともに、前記上端面から下側へ向け延びる板状の第2突部8bが周方向に間隔を開け複数形成されている。これらの第2突部8bは、塗布栓4の第1突部8aに周方向の双方向から近接しており、この第1突部8aと第2突部8bとの係合によって、塗布栓4の流通筒3に対する周方向への回転移動が規制されている。このように、流通筒3内に第1、第2突部8a,8bからなる回転規制手段8が設けられている。
【0032】
また、筒体62の上端部分には、周方向に間隔を開け複数の孔部62aが形成されており、これらの孔部62aが棒体61の径方向外側と筒体62内とを連通している。また、筒体62の軸O方向における中間部分の外径は、筒部43の内径と同等とされており、これら筒体62と筒部43とが嵌め合わされている。また、筒体62は少なくとも流通筒3に対して、軸O方向及び周方向の相対移動を規制されている。また、筒体62と筒部43とが互いに軸O方向及び周方向の相対移動を規制されていてもよい。
【0033】
また、筒体62の前記中間部分における外周面には、軸O方向に沿って延びる溝62bが、周方向に間隔を開け複数形成されている。また、筒体62の前記中間部分における外周面において周方向に隣り合う溝62b同士の間に位置する部分には、径方向外側へ向け突出する脚部62cが夫々形成されており、これらの脚部62cの上面と筒部43の下端面とが当接している。
また、前述の構成により、容器2内、筒体62内、孔部62a、溝62b、棒体61の径方向外側、弾性部材42の径方向内側、及び弾性部材42の径方向外側が連通している。
【0034】
次に、このように構成された塗布容器10を利用した内容物の塗布について説明する。
まず、図1に示すように、オーバーキャップ5が容器2の口部に装着された状態で、このオーバーキャップ5を軸O周りに回し口部から取り外していく過程で、オーバーキャップ5が流通筒3に対し上側へ移動する。そして、オーバーキャップ5の押さえ面51aとフランジ部31の上面、テーパ面52cとテーパ面33、及び段部52bの下面と流通筒3の上端開口縁が、夫々軸O方向に離間することで、壁部52aの径方向内側と容器2の外部とが連通する。
【0035】
また、図4において、オーバーキャップ5の第2突起52dは、オーバーキャップ5が流通筒3に対して前記緩み側C1に回転移動していくに連れ、塗布栓4における第1突起41bの第1、第2摺接面7a、7bのうち前記締付側C2を向く第1摺接面7aに、第2突起52dの第1、第2摺接面9a、9bのうち前記緩み側C1を向く第2摺接面9bが摺接しつつ、第2突起52dが第1突起41bを乗り越える。この際、第2突起52dが第1突起41bを下側に向けて押し込み、塗布栓4が流通筒3に対し下側へ押し下げられる。
【0036】
このように塗布栓4が押し下げられることで、塗布栓4のシール面44と流通筒3の被シール面34とが軸O方向に互いに離間してシールが解除される。
この状態で、容器2内、流通筒3内、オーバーキャップ5内、及び容器2の外部が連通され、容器2内の圧力(内圧)が容器2の外部の圧力(外気圧)に対して高められていた場合には、その圧力が容器2の外部に開放される。
【0037】
この状態からさらにオーバーキャップ5を容器2の口部から取り外していく過程では、第1突起41bと第2突起52dとが前述のように摺接しつつ、第2突起52dが第1突起41bの上側へ移動していき、第1突起41bから離間するとともに、塗布栓4が弾性部材42の上側に向けた付勢により流通筒3に対し上側へ移動して、シール面44と被シール面34とが再びシールされる。
【0038】
次いで、オーバーキャップ5を容器2の口部から取り外した後に、塗布栓4の先端部41が下方に向くように容器2を傾け、先端部41を被塗布面に押し当て流通筒3に対し押し込み、シールを解除して内容物を塗布栓4の溝41aから流出させ塗布する。尚、このとき、容器2内の内容物と流通筒3内の空気(及び外気)とは、筒体62の溝62bと筒体62の孔部62aによって良好に置換される。
【0039】
また、塗布が終わった後、オーバーキャップ5を容器2の口部に装着していく過程では、前述とは逆の順序でオーバーキャップ5が容器2の口部に装着される。
オーバーキャップ5を容器2の口部に装着すると、図1に示すように、オーバーキャップ5の押さえ面51aとフランジ部31の上面、テーパ面52cとテーパ面33、及び段部52bの下面と流通筒3の上端開口縁が、夫々密接することで、壁部52aの径方向内側と容器2の外部とが遮断される。
【0040】
尚、前述したように、塗布栓4が流通筒3に対し下側に押し込まれた際に、意図しないほど下側に大きく移動してしまった場合には、塗布栓4の天壁部41cの下面が押し込み規制部材6における棒体61の上端面に当接して、塗布栓4の前記下側への移動を規制するようになっている。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器10によれば、第1突起41b及び第2突起52dが設けられているので、オーバーキャップ5及び容器2を、オーバーキャップ5を容器2の口部から緩める緩み側C1に相対的に回転移動させたときに、第1突起41bと第2突起52dとが第1摺接面7a、第2摺接面9b上で互いに摺接しつつ第2突起52dが第1突起41bを前記緩み側C1に乗り越えるときに、この第2突起52dで第1突起41bを下側に向けて押し込ませることにより、塗布栓4を流通筒3に対して下側に押し下げることが可能になる。
したがって、内容物を被塗布面に塗布する前に、塗布栓4のシール面44と流通筒3の被シール面34とを前記軸O方向に沿って互いに離間させてシールを解除して、容器2の内圧が高まっていた場合に、その圧力を容器2の外部に開放することができる。
【0042】
これにより、内容物を被塗布面に塗布するときに、外気圧と容器2の内圧との差によって内容物が意図した以上に多量に被塗布面に噴き出してしまうのを防ぐことが可能になり、使用初期から精度よく塗布が行える。
また、本実施形態では、第1突起41bおよび第2突起52dの双方に第1摺接面7a、第2摺接面9bを形成したので、第2突起52dが第1突起41bを抵抗少なく乗り越えることとなり、オーバーキャップ5を容器2の口部に着脱する際の抵抗が低減される。
【0043】
また、流通筒3内に、意図せずに内容物が溜まってしまっていた場合には、前述のようにシールが解除されることで内容物が確実に容器2内に流れ落とされるので、より精度の高い塗布が行える。
【0044】
また、回転規制手段8が、塗布栓4の流通筒3に対する周方向への回転移動を規制しているので、オーバーキャップ5を容器2の口部から取り外す際に、第1突起41bと第2突起52dとが第1、第2摺接面7a,7b,9a,9bにおいて互いに摺接することで、オーバーキャップ5から塗布栓4に周方向の力が加えられても、塗布栓4が筒部43に対し回転するのを防ぐことが可能になり、弾性部材42が捩れるようなことが確実に防止される。従って、弾性部材42の破損が防止され安定して付勢が行われるとともに、前述したシールの精度が確保されている。
また、オーバーキャップ5を前記口部に着脱する際に、確実にオーバーキャップ5と塗布栓4とが相対的に回転移動されることから、前述したように、第2突起52dで第1突起41bを下側に向けて精度よく押し込ませることができる。
【0045】
なお、塗布栓4が、流通筒3に対し周方向に回転移動自在とされた場合には、オーバーキャップ5の口部への装着が完了した際に、第1突起41b及び第2突起52dそれぞれの頂部7c,9cが当接することで先端部41が流通筒3に対して押し下げられていた場合においても、塗布栓4を上側に向け付勢する弾性部材42の付勢力によって、第1突起41bと第2突起52dとを第1、第2摺接面7a,7b,9a,9bにおいて互いに摺接させつつ、塗布栓4を流通筒3に対して回転させることが可能になる。従って、塗布栓4が、装着したオーバーキャップ5によって下側へ向け押し込まれた状態のままになることが防止され、前述のシールを確実に行うことができる。
【0046】
また、押し込み規制部材6の筒体62内及び筒体62の外周面の溝62bによって、内容物と空気との置換を効率よく行うように構成されているので、塗布栓4の先端部41を被塗布面に押し当てシールを解除して内容物を塗布する際に、内容物が先端部41からよりスムースに注出される。
【0047】
次に、本発明の第2の実施形態に係る塗布容器20について説明する。
図5は本発明の第2の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図、図6は図5の矢視Aを示す図である。
尚、前述の第1の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図5に示すように、本実施形態の塗布容器20のオーバーキャップ5において、壁部52aの内周面における段部52bの上側に位置する部分には、天壁部52の下面19dから下側へ向けて突出する第2突起52eが、周方向に沿って複数形成されている。また、これらの第2突起52eは、壁部52aの内周面から径方向内側に向け延びて形成されており、その径方向内側の端部は軸Oから径方向外側に離間して配置されている。
【0049】
また、これらの第2突起52eは、図6に示すように、前記緩み側C1から前記締付側C2に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第1摺接面19aと、前記締付側C2から前記緩み側C1に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第2摺接面(摺接面)19bと、第1、第2摺接面19a,19bの交差稜線部に形成された頂部19cと、を有している。頂部19cは、軸Oに直交する直交面において径方向に沿って延在しており、その径方向外側の端部が壁部52aの内周面に連なっている。また、周方向に隣り合う第2突起52e同士の第1、第2摺接面19a,19bが交差する部分には、凹部19eが形成されている。なお、第1、第2摺接面19a、19bはそれぞれ、前記軸Oに直交する直交面に対して傾斜している。
【0050】
また、図5および図6に示すように、第1突起41bおよび第2突起52eは、互いの周方向の相対位置がずらされて配置されている。これにより、第2突起52eの第1、第2摺接面19a、19bのうち前記緩み側C1を向く第2摺接面19bは、第1突起41bの第1、第2摺接面7a、7bのうち前記締付側C2を向く第1摺接面7aに、前記締付側C2から対向している。また、第2突起52eにおいて前記締付側C2を向く第1摺接面19aは、第1突起41bにおいて前記緩み側C1を向く第2摺接面7bに、前記緩み側C1から対向している。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器20においては、オーバーキャップ5及び容器2を、オーバーキャップ5を容器2の口部から緩める緩み側C1に相対的に回転移動させたときに、第1突起41bと第2突起52eとが第1摺接面7a、第2摺接面19b上で互いに摺接しつつ第2突起52eが第1突起41bを前記緩み側C1に乗り越えるときに、この第2突起52eで第1突起41bを下側に向けて押し込ませることにより、塗布栓4を流通筒3に対して下側に押し下げることが可能になる。従って、前述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0052】
次に、本発明の第3の実施形態に係る塗布容器30について説明する。
図7は本発明の第3の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図、図8は図7の矢視Bを示す図である。
尚、前述の第1、第2の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
図7に示すように、本実施形態の塗布容器30のオーバーキャップ5において、壁部52aの内周面における段部52bの上側に位置する部分には、天壁部52の下面29dから下側へ向けて突出する第2突起52fが、周方向に沿って間隔を開け複数形成されている。詳しくは、これらの第2突起52fは、壁部52aの内周面において軸O方向に沿って下面29dから下側へ向け延びる板状に形成されている。また、第2突起52fの径方向内側の端部は、軸Oから離間して配置されている。
【0054】
また、図8に示すように、第2突起52fにおける下端部分に形成された頂部29cは、下側を向く略矩形面状をなし、軸Oに直交する直交面において、径方向に沿って延在しており、その径方向外側の端部が壁部52aの内周面に連なっている。また、頂部29cにおける前記周方向の両端部分は、第2突起52fにおいて前記周方向を向く両側面に連なる凸曲面状に夫々形成されている。
【0055】
また、図7および図8に示すように、第1突起41bおよび第2突起52fは、互いの周方向の相対位置がずらされて配置されている。これにより、第2突起52fにおいて前記緩み側C1を向く側面は、第1突起41bにおいて前記締付側C2を向く第1摺接面7aに、前記締付側C2から対向している。また、第2突起52fにおいて前記締付側C2を向く側面は、第1突起41bにおいて前記緩み側C1を向く第2摺接面7bに、前記緩み側C1から対向している。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器30においては、オーバーキャップ5及び容器2を、オーバーキャップ5を容器2の口部から緩める緩み側C1に相対的に回転移動させたときに、第1突起41bと第2突起52fとが第1摺接面7a、頂部29c上で互いに摺接しつつ第2突起52fが第1突起41bを前記緩み側C1に乗り越えるときに、この第2突起52fで第1突起41bを下側に向けて押し込ませることにより、塗布栓4を流通筒3に対して下側に押し下げることが可能になる。従って、前述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0057】
次に、本発明の第4の実施形態に係る塗布容器40について説明する。
図9は本発明の第4の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図、図10は本発明の第4の実施形態に係る塗布容器における塗布栓を示す概略部分側面図、図11は本発明の第4の実施形態に係る塗布容器における塗布栓を示す概略部分平面図、図12は図9の矢視D−Dを示す図である。
尚、前述の第1乃至第3の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図9乃至図11に示すように、本実施形態の塗布容器40の塗布栓14において、先端部41の上端面の周方向に隣り合う溝41a同士の間に位置する部分には、上側に向けて突出する第1突起41eが複数形成されている。詳しくは、第1突起41eは、周方向に沿って前記緩み側C1から前記締付側C2に向かうに従い漸次突出高さが低くなる摺接面37aを有しており、摺接面37aは、前記軸Oに直交する直交面に対して傾斜している。
【0059】
また、摺接面37aの前記緩み側C1の端部には、径方向内側の端部が先端部41の上端面の周縁部に連なり、前記直交面に沿って径方向外側に向かって延びる頂部37cが形成されている。また頂部37cにおいて、緩み側C1の端部は、溝41aの上端開口縁に連なっている。
【0060】
また、図9に示すように、第1突起41eおよび第2突起52fは、互いの周方向の相対位置がずらされて配置されている。これにより、第2突起52fにおいて前記緩み側C1を向く側面は、第1突起41eにおいて前記締付側C2を向く摺接面37aに、前記締付側C2から対向している。また、第2突起52fにおいて前記締付側C2を向く側面は、溝41aの上端部分において前記緩み側C1を向く面に、前記緩み側C1から対向している。
【0061】
また、図12に示すように、本実施形態では、前述の実施形態において説明した回転規制手段8の替わりに、流通筒3と塗布栓14との間にラチェット機構からなる回転規制手段18を配設している。回転規制手段18としては、周知のラチェット機構を用いることができる。すなわち、塗布栓14における大径部分の外周面に、径方向外側に向けて突出するとともに軸O方向に沿って延びる第1突部18aが周方向に間隔を開け複数形成され、前記第1突部18aに対応する流通筒3における内周面に、径方向内側に向けて突出するとともに軸O方向に沿って延びる第2突部18bが周方向に間隔を開け複数形成されていて、これらの第1、第2突部18a,18bが互いに周方向に僅かに間隔を開けた状態で噛み合わされてなるラチェット機構が構成されており、これらの第1、第2突部18a,18bからなる回転規制手段18とされている。この回転規制手段18により、塗布栓14の流通筒3に対する前記緩み側C1への回転移動が規制され、前記締付側C2への回転移動が自在とされている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器40においては、オーバーキャップ5及び容器2を、オーバーキャップ5を容器2の口部から緩める緩み側C1に相対的に回転移動させたときに、第1突起41eと第2突起52fとが摺接面37a、頂部29c上で互いに摺接しつつ第2突起52fが第1突起41eを前記緩み側C1に乗り越えるときに、この第2突起52fで第1突起41eを下側に向けて押し込ませることにより、塗布栓14を流通筒3に対して下側に押し下げることが可能になる。従って、前述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0063】
また、回転規制手段18が配設されているので、塗布栓14の流通筒3に対する前記緩み側C1への回転移動が規制され、オーバーキャップ5を前記口部から取り外す際に、確実にオーバーキャップ5と塗布栓4とが相対的に回転移動されることから、前述したように、第2突起52fで第1突起41eを下側に向けて精度よく押し込ませることができる。その一方で、塗布栓14が前記締付側C2に回転移動自在とされているので、オーバーキャップ5を前記口部へ装着する際は、オーバーキャップ5の前記締付側C2への回転移動に伴って塗布栓14が前記締付側C2に回転移動されることから、塗布栓14を押し下げることなく、シール(密閉性)を確保することが可能になる。従って、塗布栓14が、装着したオーバーキャップ5によって下側へ向け押し込まれた状態のままになることが防止され、前述のシールが確実に行われる。
【0064】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、第1突起において、周方向に沿って緩み側C1から締付側C2に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第1摺接面(摺接面)が形成され、第2突起において、締付側C2から緩み側C1に向かうに従い漸次突出高さが低くなる第2摺接面が形成されていることとしたが、このように傾斜面によって形成される摺接面は、第1突起及び第2突起それぞれにおいて、周方向で互いに対向する部分の少なくとも一方に設けられていればよく、前述の実施形態に限定されるものではない。
【0065】
すなわち、第1突起の締付側C2を向く部分に摺接面を設ける場合には、第2突起の緩み側C1を向く部分に摺接面を設けなくともよく、第2突起の緩み側C1を向く部分に摺接面を設ける場合には、第1突起の締付側C2を向く部分に摺接面を設けなくとも構わない。
また、第1突起及び第2突起それぞれが、周方向に沿って複数形成されていることとして説明したが、第1突起及び第2突起は、一つだけ形成されていても構わない。
【0066】
また、流通筒3内に、回転規制手段8,18が配設されていることとしたが、これに限定されるものではなく、回転規制手段8,18は、配設されていなくとも構わない。
【0067】
また、塗布栓4の小径部分の外周面に軸O方向に沿って延びる溝41aが周方向に間隔を開け複数形成されていることとしたが、溝41aは前記小径部分の外周面において下側から上側へと内容物を通すように形成されていればよく、本実施形態の形状に限定されるものではない。すなわち、例えば先端部41の外周面に螺旋状の溝を形成することとしても構わない。
【0068】
また、押し込み規制部材6が配設されていることとしたが、これに限定されるものではなく、押し込み規制部材6は、配設されていなくとも構わない。
【0069】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る塗布容器における塗布栓の第1突起を上面側から見た概略平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る塗布容器におけるオーバーキャップの第2突起を下面側から見た概略平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る塗布容器において第1突起及び第2突起の周方向の相対位置関係を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図である。
【図6】図5の矢視Aを示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図である。
【図8】図7の矢視Bを示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る塗布容器の概略構成を示す部分側断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る塗布容器における塗布栓を示す概略部分側面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る塗布容器における塗布栓を示す概略部分平面図である。
【図12】図9の矢視D−Dを示す図である。
【符号の説明】
【0071】
2 容器
2a 雄ねじ
3 流通筒
4,14 塗布栓
5 オーバーキャップ
7a 第1摺接面(摺接面)
8,18 回転規制手段
9b,19b 第2摺接面(摺接面)
10,20,30,40 塗布容器
34 被シール面
37a 摺接面
41 先端部
41b,41e 第1突起
42 弾性部材(付勢部)
43 筒部(基部)
44 シール面
51b 雌ねじ
52d,52e,52f 第2突起
C1 周方向の緩み側
C2 周方向の締付側
O 流通筒の軸(軸線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器と、
前記容器の口部に装着され、内部が前記容器の胴部に連通する流通筒と、
前記流通筒内にその軸方向に沿って先端側に向けて付勢された状態で配設されるとともに先端部を該流通筒から前記先端側に突出させた塗布栓と、
前記容器の口部に螺合により着脱自在に装着されて、前記流通筒及び前記塗布栓の先端部を覆うオーバーキャップと、を備え、
前記塗布栓において前記流通筒内に位置する部分に、前記流通筒内に形成された被シール面に前記軸方向に沿って胴部側から当接するシール面が形成された塗布容器であって、
前記塗布栓の先端部には、前記先端側へ向けて突出する第1突起が設けられ、
前記オーバーキャップ内には、前記第1突起に、前記流通筒の周方向に沿って該オーバーキャップを前記口部に締め付ける締付側から対向する第2突起が設けられ、
前記第1突起及び前記第2突起それぞれにおいて、前記周方向で互いに対向する部分の少なくとも一方には、前記流通筒の軸線に直交する直交面に対して傾斜する摺接面が形成されていることを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布容器であって、
前記塗布栓から前記軸方向に沿って胴部側に離間して配設されて、前記流通筒に支持される基部と、前記塗布栓及び前記基部を繋ぎ前記塗布栓を前記先端側へ向けて付勢する付勢部と、が前記塗布栓と一体に形成されていることを特徴とする塗布容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の塗布容器であって、
前記流通筒内に、前記塗布栓の前記流通筒に対する前記周方向への回転移動を規制する回転規制手段が配設されていることを特徴とする塗布容器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の塗布容器であって、
前記流通筒内に、前記塗布栓の前記流通筒に対する前記周方向に沿って前記オーバーキャップを前記口部から緩める緩み側への回転移動を規制する回転規制手段が配設され、前記塗布栓が、前記周方向に沿って前記締付側に回転移動自在とされていることを特徴とする塗布容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−52821(P2010−52821A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222789(P2008−222789)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】