説明

塗装用刷毛の洗浄具

【課題】塗装作業終了後に使用した塗装用刷毛に付着した塗料などを洗い落とすと共に刷毛の保守、再生を行う塗装用刷毛の洗浄具を提供する。
【解決手段】溶剤を入れる上部開口の容器内に、複数の針状の突起部からなる櫛部と、ブラシ部を設け、溶剤が入った容器内で刷毛に付着した塗料などを溶剤で溶かしながら櫛部で刷毛の毛をすきながら刷毛の毛の洗浄を行い、刷毛の毛をすく事で刷毛の毛をほつれさせる事ができ、ブラシで刷毛の柄に付着した塗料などを洗浄する事を特徴とする塗装用刷毛の洗浄具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装作業終了後の塗装用刷毛に付着した塗料などを洗い落とすと共に、刷毛の毛を整え刷毛の毛の再生をおこなう塗装用刷毛の洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、塗装作業終了後に使用者がシンナー等の溶剤を容器に入れて、その中に刷毛を入れ、その中で刷毛に付着した塗料を溶剤で溶かしながら、容器の壁面などに刷毛の毛を押しつけるなどの方法で洗浄していた。
【0003】
なお、塗装用刷毛の洗浄方法として、例えば特許文献1に開示された塗装用刷毛洗浄装置がある。二重構造の洗浄容器に洗浄置換ポンプを取り付け駆動モーター等で刷毛を回転させ自動化したものがある。
【特許文献1】特開11−114479公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次ぎのような問題点があった。
(イ)刷毛の毛の奥に付着した塗料などをきれいに洗い落とす事は、使用者にとって極めて煩わしいことであった。
(ロ)また、何回か使いこまれた刷毛は、十分に洗浄されず微量の塗料が刷毛に残り刷毛の毛が互いに付着し始める。
これらの刷毛を溶剤を使って刷毛に残った微量の塗料を溶かしながら刷毛の毛をほつれさせ再び使用可能にするには困難をようした。
(ハ)近年、一定の時間がたつと硬化する2液性の塗料も多くなって来ている。使用後の刷毛を溶剤の中に浸けて置くだけでは刷毛に付着した塗料が硬化して再び使用する事ができなくる。
(ニ)十分に洗浄されなかった刷毛の寿命は短く経済効率も悪かった。
(ホ)長時間使用された刷毛の根本付近は、乾燥し始め刷毛の毛が互いに付着する事がある。このような刷毛をきれいに洗い落とすには、手もみ洗いする以外に方法がなく手もみ洗いするためには、ビニール手袋を使用するなど煩わしかった。
(ヘ)また、特許文献1で開示された技術では、100ボルトの電源を必要とする欠点があった。塗装作業の現場において電源の取れない場合も多く、また日曜大工のような家庭内で簡単な塗装を行った後の刷毛を洗浄するための装置としては、不向きであった。
(ト)さらに、長時間使用した刷毛の根本付近は乾燥し始め、このような刷毛は、特許文献1で開示された技術のように溶剤の中で刷毛を回転させただけでは、刷毛の毛をほつれさせる事は、難しいという問題点もあった。
(チ)本発明は、以上のよう従来の欠点に鑑みなされたもので電源を必要とせず、一般家庭でも簡単で容易に使用後の刷毛に付着した塗料を除去することができ、また使いこまれた刷毛は、完全に洗浄されずに微量の多量が残り、刷毛の毛が互いに付着し、刷毛の毛をほつれさせる事が困難になる。そのような塗装用刷毛の洗浄と刷毛の毛を整える事のできる器具を提供することを目的としている。
(リ)本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次ぎの説明を添付図面と照らし合わせて読むことにより明らかになるであろう。ただし、図面は解説のものであって本発明の記述的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
溶剤を入れる上部開口の容器の中に複数の針状の突起部からなる櫛部を設け、溶剤で塗料を溶かしながら刷毛の毛をすき溶剤を毛の奥に浸透させる事を特徴とする塗装用刷毛の洗浄具。
【0006】
上部開口の容器の中にブラシ部を設けて構成されている塗装用刷毛の洗浄具。
【発明の効果】
【0007】
本発明にあたって次ぎに示す効果が得られる。
(イ)容器と櫛部とで構成されているので溶剤を入れた容器の中で刷毛に付着した塗料を溶かしながら刷毛の毛をすく事ができる。刷毛の毛をすく事ができるので刷毛の毛の奥に溶剤を浸透させる事ができ刷毛の洗浄の向上を図る事がせきる。
(ロ)また、何回も使用された刷毛には、微量の塗料が残り少しずつ刷毛の毛に残り刷毛の毛が互いに付着し始める。本発明により刷毛の毛を溶剤で溶かしながら毛をすく事ができるので刷毛の毛をほつれさせる事ができ、刷毛の毛を整えることで刷毛の寿命の向上を図ることができる。
(ハ)容器とブラシ部で構成されているので、刷毛の柄に付着した塗料を洗い落とす事がてきる。
【本発明を実施するための最良の形態】
【0008】
同図に示すように、本発明の実施形態による塗装用刷毛の洗浄具は、溶剤を入れる上部開口の容器部(1)と容器内に台座(3)と台座の表面に複数の針状の突起部からなる櫛部(2)を設ける。容器部(1)は、溶剤を入れる上部開口した容器であり例えば金属、プラスチック等で形成できる。櫛部(2)は、金属、硬質プラスチック等で成形することができる。櫛部(2)の台座(3a)は、プラスチック、金属、木等で成形することができる。
また、櫛部(2)と、台座(3a)からなる櫛状の洗浄部(9)(図8)は、金属、硬質プラスチック等で一体成形することもできる。
ブラシ部(4)は金属繊維、合成繊維、天然繊維等のブラシ状の部材である。ブラシ部(4)の台座(3b)は木、金属、プラスチック等で成形する事ができる。
本発明は、以上の構成からなっているので使用する時は、容器部(1)の中に溶剤を入れて使用後の刷毛に付着した塗料を溶剤で溶かしながら、櫛部(2)で刷毛の毛をすくように刷毛を洗浄する。刷毛の毛を溶剤の中ですく事で刷毛の奥に付着した塗料に溶剤が浸透し洗浄効果の向上を図る事ができる。また、洗浄後の刷毛は刷毛保存用箱などの中で刷毛を吊り下げ刷毛の毛が溶剤の中に常に浸るように保管するが、完全に洗浄されきらない刷毛の毛には、微量の塗料が残り、毛は互いにからむように付着し始める。
このような刷毛を使用する前に再び溶剤で洗い流しながら、櫛部(2)により刷毛の毛をほつれさせる事が出来る。
また、ブラシ部(4)により刷毛の柄に付着した塗料を洗浄する事ができる。
【実施例1】
【0009】
例えば、図2に示すように台座(3)と櫛部(2)からなる櫛状の洗浄部(9)は、単数列ではなく複数列にする事ができる。
【実施例2】
【0010】
また、櫛状の洗浄部(9)は、図3に示すように剣山状に構成してもよい。このように図2、図3に変更する事により最良の形態同様、刷毛の毛の奥に溶剤を浸透させる事がてきると同時に刷毛の毛を整える事が出来るので、刷毛の寿命の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0011】
さらに、櫛状の洗浄部(9)は、図4に示すように吸盤(5)を取りつけることにより着脱を可能にする事もできる。このような変更において櫛状の洗浄部(9)を例えば容器の底に取り付けるなど、使用者の使いかっての良い位置に取り付けることができ、しかも容器内に水平方向、垂直方向に併設する事もでき使用済みの空き缶や市販されている容器に取り付けることも可能となる。
【実施例4】
【0012】
また、櫛状の洗浄部(9)は、図5に示すように磁石(6)を取り付けることにより着脱を可能にする事もできる。このような変更において実施例3の場合同様の利便性が得られる。
【実施例5】
【0013】
また、櫛状の洗浄部(9)は、図6に示すようにフック(7)を設けることで着脱可能にする事ができる。
本実施例においも使用済み後の空き缶や、市販されている容器に取り付ける事ができる。
【実施例6】
【0014】
さらに、図7に示すようにフックにねじ止め金具(8)を取り付ける事により、より確実に容器部(1)に取り付け可能になる。
このように櫛状の洗浄部(9)を着脱可能にする事により、使用者が櫛状の洗浄部(9)を複数併設したり自由な位置に取り付ける事ができ、使用済み後の空き缶や市販されている容器に取り付け可能にすることができる。
【実施例7】
【0015】
台座(3b)とブラシ部(4)からなるブラシ状の洗浄部(10)(図9)も櫛状の洗浄部(9)同様に吸盤を取り付ける、磁石を取り付ける、フックを設ける、フックにねじ止め金具を備える、この様な変更を行う事により、ブラシ状の洗浄部(10)においても使用者が自由な位置や複数取り付けれる事ができ、着脱可能になる事で使用済み後の空き缶、市販されている容器に取り付けて使用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の斜視図
【図2】実施例1に係る櫛部の斜視図
【図3】実施例2に係る櫛部の斜視図
【図4】実施例3に係る櫛部の斜視図
【図5】実施例4に係る櫛部の斜視図
【図6】実施例5に係る櫛部の斜視図
【図7】実施例6に係る櫛部の斜視図
【図8】本発明に係る台座(3)と櫛部(2)からなる櫛状の洗浄部(9)
【図9】本発明に係る台座(3)とブラシ部(4)からなるブラシ状の洗浄部(10)
【図10】本発明の使用状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0017】
1…容器
2…櫛部
3…台座
4…ブラシ部
5…吸盤
6…磁石
7…フック
8…フック止めねじ
9…櫛状の洗浄部
10…ブラシ状の洗浄部
11…刷毛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤を入れる上部開口の容器の中に、複数の針状の突起部からなる櫛部を設け、溶剤で刷毛に付着した塗料を溶かしながら櫛部で刷毛の毛をすき、刷毛の毛をほつれさせる事を特徴とする塗装用刷毛の洗浄具。
【請求項2】
溶剤を入れる上部開口の容器の中に、ブラシ部を設け、刷毛の柄に付着した塗料を洗浄することを特徴とする請求項1の塗装用刷毛洗浄具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−245134(P2007−245134A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111339(P2006−111339)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(506126303)
【Fターム(参考)】