説明

塵芥類の回収装置

【課題】 取水源から取水ピット内に取り入れた水内に混入した異物を、生物類と生物類よりも大きい塵芥類とに分別し、生物類を取水源に戻し、塵芥類を回収する。
【解決手段】 取水源42から取水ピット40内に取り入れた水43内に混入した異物44を前記取水ピット40内から取り出す異物除去手段2と、該異物除去手段2により前記取水ピット40内から取り出した前記異物44を回収する回収手段11とを備えた塵芥類の回収装置1において、前記異物除去手段2と前記回収手段11との間に、前記異物44を生物類45と該生物類45よりも大きい塵芥類46とに分別して、該生物類45を前記取水源42に戻し、該塵芥類46を前記回収手段11に導く分別手段5を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥類の回収装置に関し、特に、取水源(海、河川、湖等)から取水ピット内に取り入れた水(海水、河川水、湖水等)内に混入した異物を生物類と塵芥類とに分別して、生物類を取水源に戻し、塵芥類を回収するのに有効な塵芥類の回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電プラントや原子力発電プラントでは、発電プラントの冷却水として使用する水(海水、河川水、湖水等)を取水源(海、河川、湖等)から取水ピット内に取り入れているが、この取り入れた水内には、クラゲ等の生物類やペットボトル等の塵芥類等の異物が混入しているため、それらの異物を取水ピット内から取り出して回収する作業が必要になる。
【0003】
例えば、図6及び図7に示すように、取水ピット40内に取り入れた水内に混入した異物44(クラゲ等の生物類45、ペットボトル等の塵芥類46)を異物除去手段2(例えば除塵機)で取水ピット40内から取り出し、この取水ピット40内から取り出した異物44を除塵ポンプ3の作動によって水と一緒に水切り部30に向けて押し出し、水切り部30で水を切った後にバケット13内に回収している。
【0004】
ところで、冷却水に海水を用いる発電プラントにおいては、夏季に取水ピット40の取水口付近に大量のクラゲが発生し、この大量のクラゲが海水と一緒に取水ピット40内に取り入れられるため、取水ピット40内に混入した大量のクラゲを含む生物類45等がペットボトル等の塵芥類46とともに取水ピット40から取り出され、バケット13内に回収されてしまう。
【0005】
このため、短時間でバケット13内が大量のクラゲを含む生物類45とペットボトル等の塵芥類46とからなる異物44で満杯になってしまい、異物44で満杯になったバケット13を搬出し、未使用のバケット13と入れ換える作業を頻繁に行なわなければならず、その作業に非常に手間がかかり、コストが嵩むことになる。
【0006】
一方、特許文献1には、取水口付近のクラゲを、クラゲ誘導手段によって生きたまま洋上クラゲ貯留槽内に移送し、このクラゲを洋上クラゲ貯留槽内で海水中に所定時間貯留させておくことにより、海水に溶けさせて自然消滅させる方法が提案されている。
【0007】
このような方法にあっては、クラゲをバケット内に回収する必要がないので、クラゲの回収に要する手間、費用を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−160154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の方法では、クラゲを洋上で回収するクラゲ回収台船、クラゲ回収台船にクラゲを誘導するクラゲ誘導手段、クラゲ回収台船に回収したクラゲを生きたまま洋上クラゲ貯留槽に移送するサクションパイプ、フィッシュポンプ等の設備が必要になるため、設備費が高くつく。また、洋上でクラゲを死滅させて、海水に溶けさせて自然消滅させているため、自然環境保護の観点から好ましくない。
【0010】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、設備費を安く抑えることができるとともに、取水した水に含まれる異物の回収に要する費用を削減でき、さらに、回収した異物に含まれる生物類を生きたまま取水源に戻すことにより、自然環境保護を図ることができる塵芥類の回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するため、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、取水源から取水ピット内に取り入れた水内に混入した異物を前記取水ピット内から取り出す異物除去手段と、該異物除去手段により前記取水ピット内から取り出した前記異物を回収する回収手段とを備えた塵芥類の回収装置において、前記異物除去手段と前記回収手段との間に、前記異物を生物類と該生物類よりも大きい塵芥類とに分別して、該生物類を前記取水源に戻し、該塵芥類を前記回収手段に導く分別手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の塵芥類の回収装置によれば、取水源から取水ピット内に取り入れた水内に混入した異物は、異物除去手段によって取水ピット内から取り出されるとともに、取水ピット内から取り出された異物は、分別手段で生物類と生物類よりも大きい塵芥類とに分別され、生物類は取水源に戻され、塵芥類は回収手段に導かれて回収されることになる。
従って、例えば、海から取水ピット内に海水を取り入れる場合には、クラゲが大量に発生する夏季においても、取水ピット内に取り入れた海水に混入したクラゲを含む異物を異物除去手段で取水ピットから取り出し、この取り出したクラゲを含む異物を分別手段で分別し、クラゲを海に戻し、ペットボトル等の塵芥類を回収手段に導いて回収することができる。この結果、回収手段には、ペットボトル等の塵芥類を回収すればよいことになるので、塵芥類の回収に要する手間、費用を大幅に削減することができる。また、クラゲを生きたまま海に戻すことができるので、自然環境保護を図ることもできる。
【0013】
また、本発明において、前記分別手段は、複数の帯状の板材を各々の長手方向が前記異物除去手段から前記回収手段の方向に向くように間隔をおいて設け、隣接する板材の間に形成された隙間の開口幅を調整可能に構成した分別台を備え、該分別台の上部に前記異物を受け取るように構成されていることとしてもよい。
【0014】
本発明の塵芥類の回収装置によれば、異物除去手段から分別台の上部に受け取った異物は、分別台の隙間によって生物類とそれよりも大きい塵芥類とに分別され、生物類は隙間を介して分別台の下方に導かれて取水源に戻され、塵芥類は分別台の上部を介して回収手段に導かれて回収されることになる。
この場合、分別台は、複数の板材を長手方向が異物除去手段から回収手段の方向に向くように間隔をおいて設け、隣接する板材の間にそれぞれ隙間を形成した簡単な構造のものであるので、設備費を安く抑えることができる。
また、異物に含まれる生物類及び塵芥類の大きさに応じて、分別台の各隙間の開口幅を調整することにより、各種の生物類及び塵芥類の分別に適用することができる。
【0015】
さらに、本発明において、前記分別台は、上部が前記異物除去手段から前記回収手段に向かう下り勾配の傾斜面に形成されていることとしてもよい。
【0016】
本発明の塵芥類の回収装置によれば、異物除去手段から分別台の上部に受け取った異物は、分別台の上部の傾斜面に沿って回収手段の方向に導かれ、この際に、隙間によって生物類と生物類よりも大きい塵芥類とに分別され、生物類は隙間を介して分別台の下方に導かれて取水源に戻され、塵芥類は分別台の上部を介して回収手段に導かれて回収される。
【0017】
さらに、本発明において、前記分別台の各板材は、各板材の長手方向を向く回転軸を中心として回転可能に構成され、各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に前記各隙間が調整されることとしてもよい。
【0018】
本発明の塵芥類の回収装置によれば、分別台の各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に各隙間を調整できるので、各種の生物類及び塵芥類の分別に適用することができる。
【0019】
さらに、本発明において、前記各板材の回転角度を調整する調整手段と、前記分別台の上部に受け取った前記異物の重量又は量を検知する検知手段を備え、該検知手段の検知信号に基づいて、前記調整手段を介して前記各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に前記各隙間が調整されることとしてもよい。
【0020】
本発明の塵芥類の回収装置によれば、検知手段により、分別台の上部に受け取った異物の重量又は量を検知し、この検知手段が検知した検知信号に基づいて、調整手段を介して各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に各隙間を調整することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、本発明の塵芥類の回収装置によれば、取水源から取水ピット内に取り入れた水内に混入した異物を異物除去手段で取水ピットから取り出し、この取水ピットから取り出した異物を分別手段で生物類と生物類よりも大きい塵芥類とに分別し、生物類を取水源に戻し、塵芥類を回収手段に導いて回収することができる。
従って、生物類を生きたまま取水源に戻すことができるので、自然環境保護を図ることができる。また、海水を取水ピット内に取り入れる場合には、クラゲが大量に発生する夏季においても、クラゲを分別手段で分別して海に戻すことができるので、異物に含まれるペットボトル等の塵芥類のみを回収手段で回収すればよいので、塵芥類の回収に要する手間及び費用を大幅に削減することができる。
さらに、分別手段の分別台は、複数の帯状の板材を長手方向が異物除去手段から回収手段の方向に向くように間隔をおいて設けて、隣接する板材間でそれぞれ隙間を形成した簡単な構造のものであるので、設備費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による塵芥類の回収装置の一実施の形態を示した概略図である。
【図2】図1の分別台の隙間の全開状態を示した説明図である。
【図3】図1の分別台の隙間の中間状態を示した説明図である。
【図4】図1の分別台の隙間の全閉状態を示した説明図である。
【図5】図1の塵芥類の回収装置のブロック図である。
【図6】従来の塵芥類の回収装置の一例を示した概略図である。
【図7】図6のA部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5には、本発明の塵芥類の回収装置の一実施の形態が示されている。本発明の塵芥類の回収装置1は、例えば、火力発電プラントや原子力発電プラント(以下、発電プラントという。)の冷却水として使用される水43(海水、河川水、湖水等)を取水源42(海、河川、湖等)から取水ピット40内に取り入れ、この水43内に混入した異物44を生物類45と塵芥類46とに分別し、生物類45を取水源42に戻し、塵芥類46を回収するのに有効なものである。
【0024】
なお、本実施の形態においては、発電プラントの冷却水として海水43を使用し、取水源としての海42から海水43を取水ピット40内に取り入れ、この海水43内に混入した異物44を5〜10cm程度の大きさのクラゲ等の生物類45と、生物類45よりも大きいペットボトル等の塵芥類46とに分別し、生物類45を海42に戻し、塵芥類46を回収するのに適用している。
【0025】
本実施の形態の塵芥類の回収装置1は、取水ピット40に連設されるとともに、取水ピット40内に取り入れた海水43内に混入した異物44を取水ピット40から取り出す異物除去手段2と、異物除去手段2で取水ピット40内から取り出した異物44をクラゲ等の生物類45とペットボトル等の塵芥類46とに分別する分別手段5と、分別手段5で分別した塵芥類46を回収する回収手段12とを備えている。
【0026】
異物除去手段2としては、レーキを回転させることにより、取水ピット40内から異物44を取り出すレーキ式の除塵機、ネットを回転させることにより、取水ピット40内から異物44を取り出すネット式の除塵機等、各種のタイプの除塵機を使用することができる。
【0027】
異物除去手段2には、取水ピット40から海水43を吸い上げて吐出させる除塵ポンプ3が連設され、この除塵ポンプ3を作動させて、異物除去手段2に向けて海水43を吐出させることにより、異物除去手段2で取水ピット40内から取り出した異物44を海水43の圧力で後述する分別手段5の分別台6の上部に押し出すことができる。
【0028】
回収手段12は、例えば、上部が開口するバケット13であって、このバケット13の内部に分別手段5を介して異物44に含まれる塵芥類46が回収される。バケット13は、網目状の材料で形成するのが好ましい。バケット13を網目状の材料で形成することにより、分別手段5を介して回収した塵芥類46に含まれる海水43を切ることができ、バケット13内に収容可能な塵芥類46の嵩を増やすことができる。
【0029】
分別手段5は、異物除去手段2側の支持部4と回収手段12側の支持部14の上部間に架設され、上部に異物除去手段2からの異物44を受け取り可能であるとともに、受け取った異物44を生物類45と塵芥類46との分別する複数の隙間9を有し、各々の隙間9の開口幅の調整が可能な分別台6と、分別台6の各隙間9の開口幅を調整する調整手段19と、分別台6の上部に受け取った異物44の重量又は量を検知する検知手段16と、検知手段16が検知した検知信号に基づいて、調整手段19を介して分別台6の各隙間9の開口幅を調整する制御部18とを備えている。
なお、分別台6の下方には、取水源である海42に通じる放水路41が設けられている。
【0030】
分別台6は、複数の帯状の板材7を、各々の長手方向が異物除去手段2から回収手段12の方向に向くように、かつ互いに平行をなすように所定の間隔ごとに設け、隣接する板材7、7の板面8、8間に隙間9をそれぞれ形成したものであって、長手方向の両端が異物除去手段2側の支持部4及び回収手段12側の支持部14によって支持されている。
【0031】
分別台6は、上部が異物除去手段2から回収手段12に向けう下り勾配の傾斜面10に形成され、異物除去手段2から海水43と一緒に押し出された異物44がこの分別台6の傾斜面10を介して回収手段12のバケット13の方向に導かれる。
【0032】
分別台6の各板材7は、図2〜図4に示すように、長手方向の両端に設けられた後述する回転軸20の軸周りに回転可能に構成され、各板材7の回転角度を調整することにより、隣接する板材7、7の板面8、8間に形成される各隙間9の開口幅を調整できるようになっている。
【0033】
なお、本実施の形態においては、分別台6の各板材7は、図2〜図4に示すように、各板材7の板面8が鉛直方向を向く全開状態と、各板材7の板面8が略水平方向を向く全閉状態との間の任意の回転角度に調整可能に構成されている。
【0034】
調整手段19は、分別台6の各板材7の長手方向の両端の中央部に突出した状態で設けられる回転軸20と、各回転軸20に取り付けられる従動スプロケット21、22と、駆動モータ22と、駆動モータ22の駆動軸に取り付けられる駆動スプロケット23と、駆動スプロケット23と図中右側の従動スプロケット21との間に巻回されるチェーン26と、駆動スプロケット23に連結軸25を介して連結される遊動スプロケット24と、遊動スプロケット24と図中左側の従動スプロケット21との間に巻回されるチェーン26とを備えている。
【0035】
駆動モータ22を駆動させて、駆動スプロケット23、連結軸25、遊動スプロケット24、チェーン26、各従動スプロケット21、各回転軸20を介して、各板材7を回転軸20の軸周りに図2〜4の矢印方向に回転させることにより、各板材7の板面8の傾斜角度を調整できる。本実施の形態では、図2〜図3に示すように、各板材7の板面8が鉛直方向を向く全開状態と、各板材7の板面8が略水平方向を向く全閉状態との間の任意の角度に、各板材7の板面8の傾斜角度を調整することができ、それに応じた開口幅に各隙間9を調整することができる。
【0036】
なお、各回転軸20は、先端が異物除去手段2側の支持部4に設けられた軸受(図示せず)、及び回収手段12側の支持部14に設けられた軸受(図示せず)によって支持されているものとする。
【0037】
検知手段16は、分別台6の下面と回収手段12側の支持部14の上面との間に設けられるロードセル等の計量器17、又は分別台6の幅方向の端部に隣接して設けられるカメラ(図示せず)等であって、検知手段16により、分別台6の上部に受け取った異物39の重量又は量が検知される。
【0038】
検知手段16で検知した検知データ(異物35の重量又は量)は制御部18に送られ、制御部18で検知手段16からの検知データに基づいて、調整手段19の駆動モータ22の回転角度が制御され、駆動モータ22の回転角度に応じた角度に各板材7が傾斜され、各板材7の傾斜角度に応じた開口幅に各隙間9が調整される。
【0039】
そして、上記のように構成した本実施の形態の塵芥類の回収装置1でペットボトル等の塵芥類46を回収するには、取水源である海42から取水ピット40内に海水43を取り入れ、この海水43内に混入した異物44(クラゲ等の生物類45及びペットボトル等の塵芥類46)を異物除去手段2により取水ピット40内から取り出し、除塵ポンプ3を作動させることにより、異物除去手段2で取水ピット40から取り出した異物44(生物類45及び塵芥類46)を海水43と一緒に分別台6の上部に押し出し、分別台6の上部の傾斜面10を介して回収手段12のバケット13の方向に導く。
【0040】
この際、予め、調整手段19により、分別台6の各隙間9の開口幅をクラゲ等の生物類45は通過させるがペットボトル等の塵芥類46は通過させない寸法に調整しておく。これにより、クラゲ等の生物類45を各隙間9を介して下方の放水路41に導き、放水路41を通じて取水源の海42に戻し、ペットボトル等の塵芥類46を分別台6の上部を介して回収手段12のバケット13に導き、バケット13内に回収することができる。
【0041】
従って、取水ピット40の取水口付近に大量のクラゲが発生する夏季においても、取水ピット40内に取り入れた海水43内に、大量のクラゲを含む生物類45及びペットボトル等の塵芥類46からなる異物44が混入し、この異物44を異物除去手段2で取水ピット40から取り出し、異物除去手段2から海水43と一緒に分別台6の上部に押し出しても、クラゲ等の生物類45は分別台6の各隙間9を介して下方の放水路41を通じて海42に戻すことができるので、ペットボトル等の塵芥類46のみを分別台6を介して回収手段12のバケット13内に回収すればよいことになる。
【0042】
この結果、バケット13内が大量のクラゲを含む生物類45及びペットボトル等の塵芥類46からなる異物44で短時間で満杯なり、この満杯になったバケット13を搬出して、未使用のバケット13と入れ換える作業を頻繁に行なう必要がなくなり、ペットボトル等の塵芥類46の回収に要する手間、及び費用を大幅に削減することができる。
【0043】
また、取水ピット40内から取り出したクラゲ等の生物類45は、分別台6から放水路41を通じて生きたままの状態で海42に戻すことができるので、自然環境保護を図ることもできる。
【0044】
さらに、分別台6は、複数の帯状の板材7を所定の間隔ごとに設けて、隣接する板材7、7の板面8、8間でそれぞれ隙間9を形成した簡単な構造のものであるので、設備費を安く抑えることもできる。
【0045】
なお、前記の説明においては、異物除去手段2で取水ピット40から取り出した異物44を、分別台6により、5〜10cm程度の大きさのクラゲ等の生物類45と、それよりも大きいペットボトル等の塵芥類46とに分別したが、他の大きさの生物類と塵芥類とに分別する場合には、調整手段19の駆動モータ22の駆動により、分別台6の各板材7を回転軸20の軸周りに回転させて、各板材7の板面8の傾斜角度を調整することにより、隣接する板材7、7の板面8、8間の各隙間9の開口幅を所望の寸法に調整すればよい。
【0046】
また、クラゲ等の生物類45が殆ど発生しない冬季においては、図4に示すように、分別台6の各板材7の板面8の傾きを略水平状態に調整して、隣接する板材7、7の板面8、8間の隙間9を全閉状態とすることにより、異物除去手段2で取水ピット35から取り出したペットボトル等の塵芥類46を効率良く回収手段12のバケット13内に回収することができる。
【0047】
なお、前記の説明においては、調整手段19を、駆動モータ22、駆動モータ22の駆動軸に取り付けられる駆動スプロケット23、分別台6の各板材7に設けられる回転軸20、各回転軸20に取り付けられる従動スプロケット21、駆動スプロケット23に連結軸25を介して連結される遊動スプロケット24、駆動スプロケット23と従動スプロケット21との間に巻回されるチェーン26、遊動スプロケット24と従動スプロケット21との間に巻回されるチェーン26によって構成したが、駆動モータ22の代わり油圧又は空圧のシリンダを用いるとともに、分別台6の複数の板材7の長手方向の両端をそれぞれ4リンク機構によって連結し、各4リンク機構をシリンダのロッドに連結し、シリンダの作動によって両4リンク機構を介して各板材7を回転させることにより、各板材7の板面8の傾斜角度を調整し、それに応じた開口幅に各隙間9を調整するように構成してもよい。
【0048】
さらに、前記の説明においては、取水源を海42として、海43から取水ピット40内に海水43を取り入れ、海水43に混入した異物44をクラゲ等の生物類45とペットボトル等の塵芥類46とに分別して、クラゲ等の生物類45を海42に戻し、ペットボトル等の塵芥類46を回収する場合に本発明を適用したが、河川や湖を取水源として、河川水や湖水を取水ピットに取り入れ、河川水や湖水に混入した異物を生物類と塵芥類とに分別して、生物類を河川や湖に戻し、塵芥類を回収する場合に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 塵芥類の回収装置
2 異物除去手段
3 除塵ポンプ
4 支持部
5 分別手段
6 分別台
7 板材
8 板面
9 隙間
10 傾斜面
11 支持部
12 回収手段
13 バケット
14 支持部
16 検知手段
17 計量器
18 制御部
19 調整手段
20 回転軸
21 従動スプロケット
22 駆動モータ
23 駆動スプロケット
24 遊動スプロケット
25 連結軸
26 チェーン
30 水切り部
40 取水ピット
41 放水路
42 取水源
43 水(海水)
44 異物
45 生物類
46 塵芥類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水源から取水ピット内に取り入れた水内に混入した異物を前記取水ピット内から取り出す異物除去手段と、該異物除去手段により前記取水ピット内から取り出した前記異物を回収する回収手段とを備えた塵芥類の回収装置において、
前記異物除去手段と前記回収手段との間に、前記異物を生物類と該生物類よりも大きい塵芥類とに分別して、該生物類を前記取水源に戻し、該塵芥類を前記回収手段に導く分別手段を設けたことを特徴とする塵芥類の回収装置。
【請求項2】
前記分別手段は、複数の帯状の板材を各々の長手方向が前記異物除去手段から前記回収手段の方向に向くように間隔をおいて設け、隣接する板材の間に形成された隙間の開口幅を調整可能に構成した分別台を備え、
該分別台の上部に前記異物を受け取るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥類の回収装置。
【請求項3】
前記分別台は、上部が前記異物除去手段から前記回収手段に向かう下り勾配の傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の塵芥類の回収装置。
【請求項4】
前記分別台の各板材は、各板材の長手方向を向く回転軸を中心として回転可能に構成され、各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に前記各隙間が調整されることを特徴とする請求項2又は3に記載の塵芥類の回収装置。
【請求項5】
前記各板材の回転角度を調整する調整手段と、前記分別台の上部に受け取った前記異物の重量又は量を検知する検知手段を備え、
該検知手段の検知信号に基づいて、前記調整手段を介して前記各板材の回転角度を調整することにより、それに応じた開口幅に前記各隙間が調整されることを特徴とする請求項4に記載の塵芥類の回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−132197(P2012−132197A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284872(P2010−284872)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】