説明

増幅器電流消費制御

【課題】電流消費の制御を可能とする音声増幅器を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの音声チャンネルを含む音声増幅器であって、音声増幅器は、増幅された出力信号を提供するように、各音声チャンネルに対して入力音声信号を増幅するように構成され、音声増幅器は1つ以上音声チャンネルのそれぞれに対する可変ゲイン増幅器であって、可変ゲイン増幅器は、入力音声信号を受信し、出力信号を提供し、出力信号はリミッタゲインにより増幅された入力信号に対応する、可変ゲイン増幅器と、入力電流消費、または音声増幅器の総出力電流を推定するように構成され、推定された電流信号を提供する制御ユニットと、リミッタゲイン算定ユニットとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、音声増幅器に関し、特に音声増幅器の電流消費を制御するためのリミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
移動式(特に自動車での)用途において、音声増幅器の電力消費は、たいてい、移動式エンティティ全体の電力供給に影響を及ぼす問題である。
【0003】
例えば、自動車では、搭載電力供給は、通常12Vのノミナル供給電圧を提供し、ノミナル電力消費が1000Wもしくはそれより多くあり得る音声増幅器のような電気負荷の実質的に高い入力電流消費をもたらす。問題を緩和し、入力電流消費を低減し得る、より高い搭載供給電圧(例えば42V)は多年にわたって論考されてきた。しかし、自動車用途において、標準としていまだ確立されていない。この結果、音声増幅器のような電気負荷の供給線は、オーム抵抗を低く保ち、過熱もしくは供給線の溶解でさえも防止するためには、実質的に大きな切断面(または直径)を有さなければならない。太い供給線は、車両の重量の増加および燃料消費の増加をもたらし、双方とも所望されない結果である。
【0004】
供給線における過電流を回避するために、厳密な最大電流消費が各電気負荷に対して特定され、最大容認可能電流は、車両におけるアクティブな負荷の総数、バッテリーの充電状態などに依存し得る。他の影響を及ぼすファクターが関係し得る。音響機器に関しては、機器メーカーは、増幅器の最大出力電流に関する要件に従順しなければならない。音声増幅器の入力電流消費は、それぞれの音声チャンネル出力電流の直接の結果であるため、電流制限が、入力電流に対してまたは出力電流に対して特定され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音声増幅器の実際の電流消費は、ユーザ設定(ベース、音量など)および再生される音声信号(ボイス信号、支配的なベースなど)に主として依存する。従って、音声増幅器の入力電流消費および/またはその出力電流をモニターし、制御することが可能である音声増幅器に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
増幅された出力信号を提供するように、入力音声信号を増幅するための音声増幅器が開示される。音声増幅器は、入力音声信号を受信し、出力信号を提供する可変ゲイン増幅器を含み、出力信号は、リミッタゲインにより増幅された入力信号に対応する。音声増幅器は、さらに、リミッタゲイン算定ユニットを含み、そのため入力信号は、リミッタゲインにより増幅される。制御ユニットは、入力信号を表す信号を受信し、数理的モデルに基づいて、入力電流もしくは音声増幅器の総出力電流を推定するように構成され、従って、出力信号に対応する(かつ、出力信号がもたらす)推定された電流信号を提供し、リミッタゲイン算定ユニットは、実際の入力電流または音声増幅器の総出力電流が閾値電流値を超えないようなリミッタゲインを、推定に依存して算定するように構成される。
【0007】
本発明は例えば以下を提供する。
(項目1) 少なくとも1つの音声チャンネルを含む音声増幅器であって、上記音声増幅器は、増幅された出力信号(y[n])を提供するように、各音声チャンネルに対して、入力音声信号(x[n])を増幅するように構成され、上記音声増幅器は、
上記少なくとも1つの音声チャンネルのそれぞれに対する可変ゲイン増幅器(31)であって、上記可変ゲイン増幅器(31)は、上記入力音声信号(x[n])を受信し、上記出力信号(y[n])を提供し、上記出力信号(y[n])は、リミッタゲインGLIM[n]により増幅された上記入力信号に対応する、可変ゲイン増幅器(31)と、
数理的モデルに基づいて、入力電流(iIN[n])消費、または代替として上記音声増幅器の総出力電流を推定するように構成され、そのため1つのまたは複数の上記入力音声信号(x[n])による推定された電流信号(iIN’[n])を提供する制御ユニット(33)と、
リミッタゲイン算定ユニット(32)であって、上記リミッタゲイン算定ユニット(32)は、上記実際の入力電流iIN[n]、または、それぞれ、上記音声増幅器の総出力電流が閾値電流値(iMAX)を実質的に超えないような上記リミッタゲイン(GLIM[n])を上記推定された電流信号(iIN’[n])に依存して算定するように構成される、リミッタ算定ユニット(32)と
を含む、音声増幅器。
(項目2) 上記入力電流消費または上記増幅器の総出力電流を表す電流感知信号を提供するように構成された感知ユニットと、
上記増幅器の1つまたは複数の入力信号もしくは出力信号から上記結果する電流感知信号への伝達特性を推定し、上記推定される電流信号(iIN’[n])を算定するために上記推定された伝達特性を使用するように構成された上記制御ユニットと
をさらに含む、上記項目に記載の音声増幅器。
(項目3) 上記制御ユニットは、上記1つまたは複数の増幅器出力チャンネルの上記1つまたは複数の出力信号を表す信号と、上記結果する入力電流消費との間の関係を表す前もって周知でないシステムの上記伝達特性をエミュレートし、そのため推定される伝達関数を提供するように構成される適応フィルタを含み、
上記制御ユニットは、推定された伝達関数を使用して上記1つのまたは複数の入力信号または出力信号から電流推定を提供するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目4) ディレイユニットであって、上記ディレイユニットの上流または下流で上記可変ゲイン増幅器に結合される、ディレイユニット
をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目5) 少なくとも2つの音声チャンネルを含む音声増幅器であって、1つの可変ゲイン増幅器は、各音声チャンネルに連結し、上記リミッタゲインにより上記それぞれの入力信号を増幅するように構成され、
上記制御ユニットは、和信号を提供するように上記音声チャンネルの上記入力信号または上記出力信号を組み合わせるように構成された信号組み合わせユニットを含み、
上記制御ユニットは、上記和信号から上記入力電流消費または上記総出力電流への上記伝達特性を表す伝達関数を推定するように構成された適応フィルタをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目6) 上記制御ユニットは、上流で上記適応フィルタに結合されたディレイをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目7) 上記制御ユニットは、上記和信号を形成するように、組み合される前に上記入力音声信号または上記出力音声信号を正値変換、特に二乗操作または絶対値操作を受けるように構成された機能ユニットをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目8) 上記リミッタゲインは、異なる周波数帯または異なるスペクトル線にわたって異なるゲイン値を提供するように、周波数依存である、上記項目のいずれか一項に記載の音声増幅器。
(項目9) 少なくとも1つの音声チャンネルを含む音声増幅器の電流消費を制限するための方法であって、入力音声信号および出力音声信号は各音声チャンネルに関連し、上記方法は、
各音声チャンネルに対して、上記増幅された入力信号を出力信号として提供するように、可変リミッタゲインにより上記それぞれの入力信号を増幅することと、
数理的モデルに基づいて、入力電流(iIN[n])消費、または代替として上記音声増幅器の総出力電流を推定し、そのため1つまたは複数の上記入力信号からもたらされる推定された電流信号(iIN’[n])を提供することと、
上記実際の入力電流(iIN[n])または、それぞれ、上記音声増幅器の総出力電流が閾値電流値(iMAX)を実質的に超えないようにリミッタゲインを上記推定された電流信号(iIN’[n])に依存して算定することと
を含む、方法。
(項目10) 上記電流信号の推定は、
上記実際の入力電流消費または上記音声増幅器の総出力電流を表す電流感知信号を測定することと、
上記1つまたは複数の増幅器入力信号または出力信号を表す信号から、結果する上記電流感知信号への上記伝達特性を表す伝達関数をエミュレートするように、有限パルス応答(FIR)フィルタ係数を反復的に適応することと、
上記推定される電流信号を算定するために上記推定された伝達関数を使用することと
を含む、上記項目に記載の方法。
(項目11) 上記推定された電流信号を算定するために上記推定された伝達関数を使用するステップは、FIRフィルタの最小位相部とほぼ同じ伝達特性を有するIIRフィルタを得るように、上記反復的に適応されたFIRフィルタ係数を対応する無限インパルス応答(IIR)に変換することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目12) 上記リミッタゲインは周波数依存である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目13) 上記リミッタゲインは周波数依存であり、リミッタゲインを算定するステップは、
上記FIRフィルタまたは上記IIRフィルタの逆伝達関数を算定することと、
リミッタゲインの周波数特性が、上記FIRフィルタまたは上記IIRフィルタの上記逆伝達関数の上記周波数特性に少なくともほぼマッチするように上記周波数依存リミッタゲインを算定することと
を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14) 上記項目のいずれか一項に記載の方法であって、上記音声増幅器は、少なくとも2つの音声チャンネルを含み、上記方法は、
和信号を提供するように上記音声チャンネルの入力信号または出力信号を組み合わせることと、
上記和信号から上記入力電流消費または上記総出力電流への上記伝達特性を表す伝達関数を推定することと
を含む、方法。
(項目15) 組み合わせることのステップは、上記少なくとも2つの音声チャンネルの入力信号または出力信号の重み付けされた総和を含み、重み付けファクターは、異なる音声チャンネルで異なるインピーダンスを有するスピーカーを考慮するように選択され、上記重み付けファクターは、オプション的に周波数依存であり、このため上記対応するスピーカーの個別のインピーダンス関数を考慮する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0008】
(摘要)
増幅された出力信号を提供するために入力音声信号を増幅するための音声増幅器が開示される。音声増幅器は、入力音声信号を受信し、出力音声を提供する可変ゲイン増幅器を含み、出力信号は、リミッタゲインにより増幅された入力信号に対応する。音声増幅器は、さらに、リミッタゲイン算定ユニットを含み、そのため入力信号はリミッタゲインにより増幅される。音声増幅器は、さらに、りっみったゲイン算定ユニットを含み、そのため入力信号はリミッタゲインにより増幅される。制御ユニットは、入力信号を表す信号を受信し、数理的モデルに基づいて、入力電流または音声増幅器の総出力電流を推定するように構成され、従って、出力信号に対応する(および出力信号がもたらす)推定される電流信号を提供し、リミッタゲイン算定ユニットは、実際の入力電流または音声増幅器の総出力電流が閾値電流値を超えないようなリミッタゲインを、推定に依存して算定するように構成される。
【0009】
本発明は、以下の図面および記述への参照をもってより理解され得る。図面のコンポーネントは、必ずしも尺度どおりに記述されておらず、本発明の原理を描写することに重きがおかれる。さらに、図面では、同様な参照番号は、対応する部分を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の1つの例に従った音声システムのブロック図であり、簡潔性のために1つの出力チャンネルのみが示される。
【図2】図2は、本発明の別の例に従った音声システムのブロック図を描写する。
【図3】図3は、図2の例をさらに詳細に描写する。
【図4】図4は、図3の例をさらに詳細に描写する。
【図5】図5は、図3および4の例に使用される適応フィルタの1つの例を描写する。
【図6】図6は、図5に描写される例の代替を描写する。
【図7】図7は、図5に示されるように、複数の出力信号を1つの和信号に組み合わせることを示し、さらにスピーカーのインピーダンスを考慮する。
【図8】図8は、周波数依存リミッタゲインを使用する図4の例を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
現在最も好ましい実施形態の生成および使用が以下で詳細に論考される。しかし、本発明は、多くの種類の特定の脈略において具現化され得る数多くの適用可能な発明概念を供給することが認識される。論考される特定の実施形態は本発明を生成し使用する特定の手段の単なる例示にすぎず、本発明の範囲を制限しない。
【0012】
注意すべきは、以下の論考では、(音声)信号は、離散時間信号であることである。信号a[n]は、離散サンプリング時間を表す時間指標nを有する一般的な離散時間信号を示す。さらに注意すべきは、さらなる論考に関連がある記述されたシステムのこれらのコンポーネントのみが図面に含まれることである。アナログデジタルコンバータ、デジタルアナログコンバータ、電力増幅器、および信号伝送および音声信号再生に必要であり得る他のコンポーネントは、簡潔性のために示されない。
【0013】
図1は、本発明の1つの例に従った音声ステムのブロック図を描写し、簡潔性のために1つの出力チャンネルのみが示される。しかし、図1の例により描写される原理は、複数の音声チャンネルに容易に普遍化され得る。(特定の音声チャンネルに関連する)入力信号x[n]は、信号源10により生成され、信号処理ユニット20により前処理され得る。すなわち、実際の入力信号x[n]は、さらなる処理のために信号処理ユニット20の出力で提供される。信号処理ユニット20は、典型的に、音声信号の等化、サラウンドサウンド処理、または同様なもののような様々な信号処理タスクを実行する。しかし、前処理の詳細は、さらなる論考に対し必要でない。
【0014】
入力信号x[n]は、「リミッタゲイン」GLIM[n]と呼ばれる可変ゲインにより増幅され、可変ゲインは、各サンプリング区間で更新される。結果する出力信号y[n]は、そのためy[n]=x[n]×GLIM[n]と表現され得る。出力信号y[n]は、スピーカー40に(デジタルアナログコンバータおよびパワー増幅器ステージを介して)転送され、対応するアコースティック音声信号に変換される。
【0015】
リミッタゲインGLIM[n]は、入力電流消費を表す予測された電流信号iIN’(すなわち、増幅器の予測された総入力電流消費、または、代替に、増幅器出力ステージにより提供される、予測された総出力電流)と、所望の最大電流を規定する電流閾値iMAX(すなわち、入力電流消費、または、代替に、最大出力電流)とからリミッタゲイン算定ユニット32により算定される。リミッタゲインGLIM[n]は、実際の入力電流iIN(または出力電流)が電流閾値iMAXを超えないように算定される。しかし、短期間の過渡過電流は、実際の用途次第で容認可能であり得る。可変ゲイン増幅器31およびリミッタゲイン算定ユニット32は、共にリミッタ30としてみなされ得る。注意すべきは、以下の記述では、入力電流iINは、予測され、最大入力電流消費を規定するそれぞれの電流閾値と比較されることである。すでに上述されたように、対応する電流閾値は、増幅器の総出力電流に対して規定され得、これは総出力電流を予測することを必要とする。以下の記述では、入力電流消費iIN’が予測されるが、このような入力電流推定iIN’は、総出力電流および入力電流消費が実用的な音声増幅器実装においておおよそ比例するために、容易に対応する出力電流推定に変換され得ることが理解される。
【0016】
将来の入力電流iIN’の値(実際に存在する入力信号x[n]にもたらされる)を予測する場合、ノミナルリミッタゲイン値(例えば、GLIM=1)が仮定される。過電流iIN’>iMAXを予測することは、実際の入力電流iINが実際に予測される値iIN’に達する前に、リミッタゲインGLIM[n]を(例えば、1より低い値へ)低減することを可能にする。あるいは、将来の出力電流値が予測される場合、実際の予測は、入力電流情報を使用して実行され得、出力電流に対する推定に変換され得る入力電流の推定をもたらす。
【0017】
さらなる論考に対し、所与の入力信号x[n]がもたらす入力電流iIN’[n+1](あるいは、出力電流)の算定(すなわち、推定、または予測と呼ばれる)は、1つの重要な局面である。このような予測は、図1に描写される入力電流消費センサ50のような1つ以上の電流センサにより提供される実際の入力または出力電流情報を使用する。図1の例では、この算定は、制御ユニット33により実行される。制御ユニット33は、音声増幅器の実際の供給電圧UIN、再生される音声入力信号x[n]、アクティブなスピーカーの数、増幅器出力ステージの温度などのような影響を及ぼす変数と、結果する入力電流iIN(または出力電流)との間の関係を表す数理モデルを含む。また、様々な他の影響を及ぼす変数が考慮され得る。進行中の推定(予測)を可能にするために、電流センサ50が実際の入力電流iIN[n]を表す信号を制御ユニット33に供給するように構成されて提供され得る。
【0018】
図2から4は、入力信号x[n]と、(増幅された)出力信号y[n]と、(例えば、電流消費センサ50から発生する)現在の入力電流信号iIN[n]を表す測定された入力電流センサ信号との現在値から次に来る入力電流iIN’[n+1]を推定する1つの可能な手段の原理および詳細を描写する。上述されたように、対応する出力電流は、代替として推定され得る。図2は、上述された信号x[n]、y[n]、およびiIN[n]を受信する制御ユニット33を描写する。さらに、図2は、(電力増幅器ステージを介してスピーカー40により出力された)出力信号y[n]から入力電流iIN[n]への伝達特性を表す伝達関数H[z]を描写し、主に出力信号y[n]に依存し、入力電流iIN[n]を表す信号は、電流センサ50により感知され得る。上述された伝達特性は、音声増幅器の作動中に制御ユニット33により推定され得、対応する推定された伝達関数H’[z]は、入力信号x[n]から、次に来る入力電流iIN’[n+1]に対する推定を算定するために使用され得る。これは、H’[z]が低域通過特性を有し、さらにディレイ時間t(例えば、信号y[n]のピークと入力電流iIN[n]の対応するピークとの間のディレイ)として表されるディレイを常に含むため、可能である。この時点で、制御ユニット33のデジタル実装が有利であると思われるため、本論考では離散時間系としてみなされることを留意すべきである。しかし、少なくとも部分的にアナログの実装も適用可能であり得る。
【0019】
図3は、本発明の1つの例として、システムH[z]の伝達特性を推定するために役立つ実装を描写する。適応フィルタ331は、制御ユニットに(例えば、適応FIRフィルタとして)実装され得、出力信号y[n]を入力として、測定された入力電流iIN[n]を参照として受信する。入力電流iIN[n]は、(出力信号y[n]がプラス値を有するかマイナス値を有するかに関わらず)常にプラスであるため、出力信号y[n]は、適応フィルタ331に供給される前に、正値変換を受け得る。例えば、二乗された出力信号y[n]または絶対信号値|y[n]|が適応フィルタ331に供給され得る。伝達関数H[z]は、通常、低周波音声が音響的に感知可能になるためには高い音圧レベルを必要とするために、簡単な低域通過特性を表す。出力信号y[n]から入力電流iIN[n](あるいは出力電流)への伝達特性が通常漸進的にしか変化しないために、適応フィルタH’[z](フィルタ331)は、通常係数を急速に変更しない。実際の電流の推定iIN’[n+1]は、適応フィルタ331により提供されるフィルタの係数の(継続的なh[n]の再較正を避けるためにファクターGLIM[n]でオプション的にスケール変更される)コピーであるフィルタ332を使用して(オプション的に二乗される)入力信号x[n]をフィルタリングすることにより算定される。図3の例では、フィルタ332は、適応フィルタ331と同じフィルタ係数h[n]を実装し、そのためフィルタ332の出力での電流推定は、現在のリミッタゲインGLIM[n]に等しいスケール変更ファクターによりスケール変更される。しかし、現在のリミッタゲインは、リミッタゲイン算定ユニットに周知であるため、このようなスケール変更は、更新されるリミッタゲインGLIM[n+1]の算定において考慮され得る。
【0020】
図4に描写されるように、(とりわけ、可変ゲイン増幅器31およびリミッタゲイン算定ユニット32から成る)リミッタ30は、さらに、数理的モデル構築のためにディレイユニット34に組み込まれ得るディレイtLIMを含み得る(または必要とする)。ディレイtLIMは、典型的に、実用的な実装におけるフィードフォアードリミッタに対し、1ミリ秒より長い。このディレイは、信号y[n]が、結果する電流信号iIN[n]の後にフィルタ331に到達するため、適応フィルタ331の適応挙動に不利な影響を及ぼし得る。これを避けるために、ディレイライン334(ディレイΔt3LIM−t)は、適応フィルタにより受信された電流感知信号iIN[n]を遅延するように、電流センサ50と、適応フィルタ331との間に含まれなければならない。それぞれのディレイは、少なくとも、リミッタディレイtLIMとシステムH[z]デッドタイムtとの差より大きい。
【0021】
出力信号y[n]は、適応フィルタに供給されるように利用されるべきであることは注意に値する(二乗された後に、図4参照)。また、論理的には、入力信号x[n]が代わりに同じ目的のために利用され得る。しかし、後者の場合、結果する適応フィルタは、リミッタゲインGLIM[n]の変更に応答して恒久的に再スケール変更されるのに対し、収束すると、適応フィルタ331の係数は、信号y[n]を入力として取る場合ほぼ一定にとどまる。現在のリミッタゲイン値GLIM[n]が代わりにゲイン算定ユニット32で考慮され得る。
【0022】
現実世界の音声システムは、典型的に1つより多く、少なくとも2つの出力信号y[n]を有する。以下では、各チャンネルの出力信号は、指標CH1、CH2など、すなわちyCH1[n]、yCH2[n]、〜、yCHN[n]で指標付けされる。出力信号yCH1[n]、yCH2[n]、〜、yCHN[n]は、それぞれ音声増幅器の総電流消費iIN[n]に寄与する。図5は、多チャンネルの場合においての予測される入力電流信号iIN’[n+1]の推測を描写する。各チャンネルの寄与を取り入れるために、各出力信号は二乗され(図4および5のユニット333を参照)、二乗された信号は、全出力チャンネルの出力信号の重ね合せを表す和信号ySUM[n]を形成するように加算される。信号を二乗するのではなく、上述されたように信号の絶対値が取られ得る。和信号ySUM[n]は、図3および図4の例の信号y[n]と実質上同じ手段で処理される。和信号ySUM[n]およびxSUM[n]は、重み付けされた和を表し得る。特に、チャンネルに接続されたスピーカーが同じインピーダンスを有さない場合、個別の信号yCH1[n]、yCH2[n]、〜、yCHN[n](またはxCH1[n]、xCH2[n]、〜、xCHN[n])は、それぞれの和信号を算定する前に対応するスピーカーのインピーダンスに従って重み付けされなければならない。重み付けの詳細は、図7への参照と共に以下でさらに説明される。
【0023】
信号ySUM[n]は、FIRフィルタユニットおよび適応ユニットにより構成される適応フィルタ331に供給され、適応ユニットは、フィルタ伝達関数H’[z]を表す更新されたフィルタ係数h’[n]を反復的に算定する。この目的のため、適応ユニットは、信号ySUM[n]、および適応フィルタの出力(すなわち推定)と、実際の電流信号iIN[n]との差を表すエラー信号e[n]を受信する。反復算定は、例えば最小二乗平均アルゴリズム(LMSアルゴリズム)のような周知の適応アルゴリズムに従ってなされる。適応フィルタ係数h[n]のコピーは、全チャンネルの(例えば二乗された)入力信号x[n]の重ね合せを表す和信号xSUM[n]をフィルタリングするためにフィルタユニット332で使用される。図5に示されるディレイユニット334は、オプション的であり、適応フィルタにより「エミュレートされる」伝達特性H[z]のデッドタイムを取り入れるために提供され得る。デッドタイムは、ディレイユニット335に組み込まれ得、これは適応フィルタ331のより効率的な使用を可能にする。
【0024】
図6は、図5の例の代替を描写する。図6のリミッタ制御ユニット33では、和信号xSUM[n]ではなく、ディレイのない和信号ySUM[n]が、電流推定iIN[n+1]を算定するためにフィルタ332に与えられる。この例に関して、上述されたディレイユニット335(ndelayサンプルのディレイ)が必要とされることと、ディレイされた信号ySUM(n−ndelay)は、適応フィルタ331に提供されるのに対し、ディレイのない信号ySUM[n]は、電流推定iIN’[n+1]を算定するためにフィルタユニット332に提供されることとに留意することが重要である。注意すべきは、図5の例により提供される電流推定iIN’[n+1]は、図6の例により提供される電流推定iIN’[n+1]に比べ、GLIM[n]のファクターによりスケール変更されていることである。しかし、このスケール変更は、リミッタゲイン算定において考慮され得、そのため問題ではない。
【0025】
図7は、図5および6の例で描写されるように、出力信号yCH1[n]、〜、yCHN[n]を1つの和信号ySUM[n]に組み合わせることの向上された例を描写する。図7に従って、出力信号yCH1[n]、〜、yCHN[n]は、それぞれ1つずつ二乗され(または、他の手段により正値信号に変換され)、次に対応する重み付けファクターc、c、〜、cにより重み付けされる(すなわち掛け算される)。あるいは、重み付けは、二乗操作の前に、sqrt(c)(またはsqrt(c)など)のファクターでなされ得る。重み付けファクターc、c、〜、cは、異なる音声チャンネルに接続された異なるインピーダンスを有するスピーカーに対して補正するように算定される。例えば、4オームスピーカーを供給する音声チャンネルは、同じ出力信号y[n]、y[n]を供給される場合、8オームスピーカーを供給するチャンネルより2倍の出力電流を供給しなければならない。その結果、第一のチャンネルに対する重み付けファクターcは、この例において、第二のチャンネルに対する重み付けファクターの2倍に等しい。スピーカーのインピーダンスは、操作中に有意に変化しないため、重み付けファクターc、c、〜、cは、定数として考慮され得る。さらに高度な実装では、重み付けファクターは、周波数依存であり得る(すなわち、異なる重み付けファクターc1k、c2k、〜、cNkが、出力信号yCH1[n]、〜、yCHN[n]の異なるスペクトル範囲(スペクトル線k)に対して使用される)。これにより、周波数依存の重み付けファクターは、それぞれのスピーカーの周波数依存のインピーダンスを表し得る。図5の例では、入力信号x[n]、x[n]、〜、x[n]は、対応する和信号xSUM[n]を形成するように、出力信号と同じ手段(図7参照)で処理され得る。
【0026】
効率的な実装のために、適応フィルタは、周知の重畳保留法に連結する高速フーリエアルゴリズムを使用して周波数ドメインで実現され得る(Oppenheim−Schafer:Discrete Time Signal Processing,Prentice Hall,1999の8.7.3章Implementing Linear Time−Invariant Systems using DFT参照)。さらに、FIRフィルタ332(図4参照)のさらに演算効率の良い実装を可能にするために、FIR伝達関数H[z]は、LPC分析を使用する、さらに演算効率の良い無限インパルス応答(IIR)に変換され得(従って近づけられ得)、LPC分析は、Levinson−Durbin帰納法を使用して効率的に実装され得る。そのため、結果するIIRフィルタの位相応答は本出願に関連しないため、推定された(FIR)伝達関数H’[z]の最小位相コンポーネントのみが、対応するIIRフィルタH’’[z]の変換のために考慮されなければならない。この特徴は、図8に描写されるリミッタ制御器33に含まれ、IIRフィルタは、同様な周波数応答を示すFIRフィルタより実質的に少ない係数を必要とするために、低減された演算の複雑さという利点を伴う。
【0027】
図8の例に含まれるリミッタ30は、それぞれのリミッタゲイン算定ユニット32が、周波数依存リミッタゲインGLIM,K[n]を算定するように構成されることにより図3または4の例に描写されるリミッタと異なり、下付き文字kはそれぞれの周波数帯(または信号が離散時間および離散周波数信号として処理されるために、離散する「スペクトル線」)を示す。この周波数依存リミッタゲインGLIM,K[n]は、他のコンポーネントのゲインより入力信号x[n]の一部のスペクトルコンポーネントのゲインを低減することを可能にする。ベース周波数帯(例えば、180Hzより低い周波数)に関連するリミッタゲインの低減は、トレブル周波数帯(例えば1kHzより高い)に関連するリミッタゲインの低減よりも、より大きな電流消費におけるインパクトを有する。
【0028】
本発明のさらなる例に従って、周波数依存リミッタゲインGLIM,K[n]は、適応フィルタ331により推定された周波数応答H[z]の逆数の(オプション的にスケールされた)周波数特性に(少なくともほぼ)マッチする周波数特性を示す。上記されたように推定されたFIRフィルタをIIRフィルタに「簡潔化」するためにLevinson−Durbin帰納法を使用する場合、逆数は、IIRフィルタH’’[z](フィルタ332)の伝達関数の分子と分母を入れ替えることにより容易に得られ得る。しかし推定されたFIRフィルタの上述された「簡潔化」は、周波数依存リミッタゲインGLIM,K[n]を実装するために必要ではない。リミッタゲイン算定ユニット32は、周波数依存リミッタゲインGLIM,K[n]を算定するために異なる方策を使用し得る。さらに、異なるリミッタ閾値iMAX,kがそれぞれ周波数帯(スペクトル線)に対して提供され得、典型的に、低周波数の減衰は、高周波数の減衰よりも電流消費においてより大きなインパクトを有する。しかし、低周波数のみを減衰する場合、感知される音の大きさは、図3もしくは4の例のように広帯域で減衰が使用される場合ほど減少しない。
【0029】
複数の音声チャンネルの場合、和信号ySUM[n]は、音声増幅器の総電流消費iIN[n]に寄与する全ての出力信号yCH1[n]、yCH2[n]、〜、yCHN[n]から形成される。結果する和信号は、図5および6の例のSISOシステム(単入力単出力システム)である適応フィルタ331に与えられる。しかし、出力信号を加算することへの代替として多次元適応フィルタ(すなわちMISOシステム、多入力単出力システム)が使用され得る。多次元適応フィルタは、出力電流ベクトル(信号yCH1[n]、yCH2[n]、〜、yCHN[n])から結果する入力電流消費iIN[n](あるいは出力電流消費)への伝達特性を表す伝達ベクトルを推定するために使用され得る。しかし、実用的な実装においては、図5および6の例で充分であり、実装することがより簡単であると思われる。
【0030】
本発明を実現するための様々な例が開示されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明のいくつかの利点を達成する様々な変更および改変がなされ得ることが当業者に認識される。同じ機能を実行する他のコンポーネントが適切に代入され得ることは当業者に明白である。このような発明的概念への改変は、添付の特許請求により取り扱われることが意図される。さらに本発明の範囲は自動車用途に制限されず、任意の他の環境(例えばホームシネマもしくは同様の消費者向け用途と、また映画館およびコンサートホールもしくは同様のもの)で適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの音声チャンネルを含む音声増幅器であって、該音声増幅器は、増幅された出力信号(y[n])を提供するように、各音声チャンネルに対して、入力音声信号(x[n])を増幅するように構成され、該音声増幅器は、
該少なくとも1つの音声チャンネルのそれぞれに対する可変ゲイン増幅器(31)であって、該可変ゲイン増幅器(31)は、該入力音声信号(x[n])を受信し、該出力信号(y[n])を提供し、該出力信号(y[n])は、リミッタゲインGLIM[n]により増幅された該入力信号に対応する、可変ゲイン増幅器(31)と、
数理的モデルに基づいて、入力電流(iIN[n])消費、または代替として該音声増幅器の総出力電流を推定するように構成され、そのため1つのまたは複数の該入力音声信号(x[n])による推定された電流信号(iIN’[n])を提供する制御ユニット(33)と、
リミッタゲイン算定ユニット(32)であって、該リミッタゲイン算定ユニット(32)は、該実際の入力電流iIN[n]、または、それぞれ、該音声増幅器の総出力電流が閾値電流値(iMAX)を実質的に超えないような該リミッタゲイン(GLIM[n])を該推定された電流信号(iIN’[n])に依存して算定するように構成される、リミッタ算定ユニット(32)と
を含む、音声増幅器。
【請求項2】
前記入力電流消費または前記増幅器の総出力電流を表す電流感知信号を提供するように構成された感知ユニットと、
前記増幅器の1つまたは複数の入力信号もしくは出力信号から該結果する電流感知信号への伝達特性を推定し、前記推定される電流信号(iIN’[n])を算定するために該推定された伝達特性を使用するように構成された前記制御ユニットと
をさらに含む、請求項1に記載の音声増幅器。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記1つまたは複数の増幅器出力チャンネルの前記1つまたは複数の出力信号を表す信号と、前記結果する入力電流消費との間の関係を表す前もって周知でないシステムの前記伝達特性をエミュレートし、そのため推定される伝達関数を提供するように構成される適応フィルタを含み、
該制御ユニットは、推定された伝達関数を使用して前記1つのまたは複数の入力信号または出力信号から電流推定を提供するように構成される、請求項1〜2のいずれかに記載の音声増幅器。
【請求項4】
ディレイユニットであって、該ディレイユニットの上流または下流で前記可変ゲイン増幅器に結合される、ディレイユニット
をさらに含む、請求項3に記載の音声増幅器。
【請求項5】
少なくとも2つの音声チャンネルを含む音声増幅器であって、1つの可変ゲイン増幅器は、各音声チャンネルに連結し、前記リミッタゲインにより前記それぞれの入力信号を増幅するように構成され、
前記制御ユニットは、和信号を提供するように該音声チャンネルの前記入力信号または前記出力信号を組み合わせるように構成された信号組み合わせユニットを含み、
該制御ユニットは、該和信号から前記入力電流消費または前記総出力電流への前記伝達特性を表す伝達関数を推定するように構成された適応フィルタをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音声増幅器。
【請求項6】
前記制御ユニットは、上流で前記適応フィルタに結合されたディレイをさらに含む、請求項5に記載の音声増幅器。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記和信号を形成するように、組み合される前に前記入力音声信号または前記出力音声信号を正値変換、特に二乗操作または絶対値操作を受けるように構成された機能ユニットをさらに含む、請求項5〜6のいずれか一項に記載の音声増幅器。
【請求項8】
前記リミッタゲインは、異なる周波数帯または異なるスペクトル線にわたって異なるゲイン値を提供するように、周波数依存である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の音声増幅器。
【請求項9】
少なくとも1つの音声チャンネルを含む音声増幅器の電流消費を制限するための方法であって、入力音声信号および出力音声信号は各音声チャンネルに関連し、該方法は、
各音声チャンネルに対して、該増幅された入力信号を出力信号として提供するように、可変リミッタゲインにより該それぞれの入力信号を増幅することと、
数理的モデルに基づいて、入力電流(iIN[n])消費、または、代替として、該音声増幅器の総出力電流を推定し、そのため1つまたは複数の該入力信号からもたらされる推定された電流信号(iIN’[n])を提供することと、
該実際の入力電流(iIN[n])または、それぞれ、該音声増幅器の総出力電流が閾値電流値(iMAX)を実質的に超えないようにリミッタゲインを該推定された電流信号(iIN’[n])に依存して算定することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記電流信号の推定は、
前記実際の入力電流消費または前記音声増幅器の総出力電流を表す電流感知信号を測定することと、
前記1つまたは複数の増幅器入力信号または出力信号を表す信号から、結果する該電流感知信号への前記伝達特性を表す伝達関数をエミュレートするように、有限パルス応答(FIR)フィルタ係数を反復的に適応することと、
該推定される電流信号を算定するために該推定された伝達関数を使用することと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記推定された電流信号を算定するために前記推定された伝達関数を使用するステップは、FIRフィルタの最小位相部とほぼ同じ伝達特性を有するIIRフィルタを得るように、前記反復的に適応されたFIRフィルタ係数を対応する無限インパルス応答(IIR)に変換することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リミッタゲインは周波数依存である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記リミッタゲインは周波数依存であり、リミッタゲインを算定するステップは、
前記FIRフィルタまたは前記IIRフィルタの逆伝達関数を算定することと、
リミッタゲインの周波数特性が、該FIRフィルタまたは該IIRフィルタの該逆伝達関数の該周波数特性に少なくともほぼマッチするように該周波数依存リミッタゲインを算定することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法であって、前記音声増幅器は、少なくとも2つの音声チャンネルを含み、該方法は、
和信号を提供するように前記音声チャンネルの入力信号または出力信号を組み合わせることと、
該和信号から前記入力電流消費または前記総出力電流への前記伝達特性を表す伝達関数を推定することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記組み合わせるステップは、前記少なくとも2つの音声チャンネルの入力信号または出力信号の重み付けされた総和を含み、重み付けファクターは、異なる音声チャンネルで異なるインピーダンスを有するスピーカーを考慮するように選択され、該重み付けファクターは、オプション的に周波数依存であり、このため該対応するスピーカーの個別のインピーダンス関数を考慮する、請求項14に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−134945(P2012−134945A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207957(P2011−207957)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】