説明

増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法

【課題】連続したブランチ信号を生成し、出力高周波信号の歪を抑える増幅回路を提供する。
【解決手段】信号分離部2は、入力信号を分離して、入力信号の振幅が小さくなるに応じて振幅が小さくなり且つ位相差が大きくなり、入力信号の振幅が大きくなるに応じて振幅が大きくなり且つ位相差が小さくなる、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成する。そして、増幅器10は、第1ブランチ信号を増幅する。増幅器11は、第2ブランチ信号を増幅する。合成部12は、増幅器10及び増幅器11から出力された信号を合成して出力信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年周波数資源が逼迫し、無線通信に於いてディジタル化による高能率伝送が多く用いられるようになってきた。一般に高能率伝送には多値QAM(quadrature amplitude modulation)変調方式が用いられ、増幅器には高い線形性が要求される。また、無線送信装置の小型化、低消費電力化を図るために、増幅器には高効率動作が要求される。そこで、高効率な線形増幅器を実現する手段として、LINC(Linear Amplification with Nonlinear Components)による飽和増幅器を用いた高周波増幅回路が提案されている。
【0003】
ここで、従来のLINCを用いた高周波増幅回路(以下では、「LINC方式増幅回路」と言う場合がある。)の動作について説明する。LINC方式増幅回路は、入力された包絡線変動を伴う入力信号Sin(t)を振幅に応じた位相差を有する2つの位相変調信号Sc1(t)、Sc2(t)に分離して出力する。この入力信号を分離して生成された信号を「ブランチ信号」と呼ぶ場合がある。そして、Sc1(t)は、アナログ信号に変換され、フィルタを通過することで、不要な周波数成分が抑圧されSc1(t)に対応する成分が抽出される。そして、LINC方式増幅回路は、抽出されたSc1(t)に対応する成分を直交変調し、RF信号である高周波信号S1(t)を生成する。また、LINC方式増幅回路は、Sc2(t)に対しても同様の処理を行い、RF信号であるS2(t)を生成する。ここで、LINC方式増幅回路は、S1(t)及びS2(t)に対応する並列に設けられた増幅器を有している。そして、S1(t)及びS2(t)は、それぞれに対応する利得Gの増幅器によって増幅される。この場合、増幅器は飽和増幅器として用いられる。これにより、増幅器で増幅された高周波信号GS1(t)及びGS2(t)が生成される。その後、LINC方式増幅回路は、高周波信号GS1(t)及びGS2(t)を合成して出力高周波信号Sout(t)を生成する。そして、LINC方式増幅回路は、生成したSout(t)を出力する。このようにして、LINC増幅回路は、入力信号Sin(t)を増幅した出力高周波信号Sout(t)を生成し、効率的な信号の増幅を行っている。
【0004】
そして、従来のLINC方式増幅回路における信号の分離方法の一例として、以下の数式1で表されるように信号を分離する方法があった。数式1では、入力信号を極座標表示しており、xが上述したSin(t)にあたり、xaが上述したSc1にあたり、xbが上述したSc2にあたる。
【0005】
【数1】

【0006】
ここで、rは入力信号の振幅である。また、θは入力信号の位相変調分である。この場合、ブランチ信号xa及びxbの位相差が2×cos−1(r)となるように、ブランチ信号xa及びxbにはそれぞれ位相の角度が与えられている。
【0007】
図10は、従来例における入力信号が2トーンの信号の場合の各ブランチ信号のコンステレーションを示す図である。コンステレーションとは信号を2次元座標上にプロットしたものである。図10は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。そして、ブランチ信号xaは、実線で表される信号901であり、ブランチ信号xbは、点線で表される信号902である。
【0008】
また、LINC方式増幅回路として、ダイナミックレンジが広い場合や、PARが大きい場合にも高効率で増幅するために、入力信号のある区間のブランチ信号の振幅、区間の平均電力及び最大値を用いて求める従来技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−28509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、LINC方式増幅回路において、入力変調信号xとしてPSK信号などのような位相が反転する信号を入力すると、信号を分離した場合に、生成されるブランチ信号xa及びxbには位相が180度反転する部分が存在する。言い換えれば、生成されるブランチ信号xa及びxbは、不連続となる部分が存在する。これにより、ブランチ信号xa及びxbの帯域幅も大幅に広くなる。例えば、図10においては、点903付近が180度反転している部分である。
【0011】
しかしながら、ディジタル信号のブランチ信号xa及びxbは、ナイキスト定理により、サンプリング周波数の半分の周波数までしか表現できない。このため、図10で表されるブランチ信号を、D/A(Digital/Analog)コンバータでアナログ信号に変換し、スムージングフィルタで折り返し成分を除去すると、図11の実線で表される信号904及び点線で表される信号905で表される増幅器への入力信号が生成されることになる。図11は、従来例における増幅器への入力信号のコンステレーションを示す図である。図11は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。ここで、図11に示すように、信号904及び信号905は共に波打っており、増幅器への入力信号はいずれも大きなリンギングが生じていることが分かる。すなわち、増幅器への入力信号は定包絡線の信号とは異なった信号になってしまっている。このリンギングは、図10の点903のように180度反転する部分の影響により発生している。この場合、増幅器への入力信号は、リンギングによる影響により振幅成分を有することになる。振幅成分を有する信号を増幅器で増幅すると、増幅器のAM/AM歪やAM/PM歪の影響を受け、合成後の出力高周波信号Xoutが劣化して、歪が発生することになる。図12は、従来例における増幅器からの出力信号及び合成信号のコンステレーションを示す図である。図12は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。各増幅器からの出力信号は、実線で表される信号906及び点線で表される信号907である。また、信号906及び信号907の合成信号は、一点鎖線で表される信号908である。図12に示すように、信号906、信号907、信号908はいずれも歪が発生している。
【0012】
この歪成分は、増幅器への入力信号の周波数に依存するため、従来の非線形補償回路(リニアライザ)を用いて補償を行うことは困難である。また、増幅器への入力信号の周波数帯域が広いため、個々の増幅器に非線形特性を補償する補償回路を適用することも困難である。図13は、従来のLINC方式増幅回路に非線形補償回路を付加した場合の増幅器からの出力信号及び合成信号のコンステレーションを示す図である。図13は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。各増幅器からの出力信号は、実線で表される信号909及び点線で表される信号910である。また、信号909及び信号910の合成信号は、一点鎖線で表される信号911である。図13に示すように、信号909、信号910、信号911はいずれも歪が発生している。
【0013】
このように、従来の信号の分離方法ではひずみが発生してしまい、合成後の出力高周波信号の劣化を抑えることは困難であった。
【0014】
また、入力信号のある区間のブランチ信号の振幅を、区間の平均電力及び最大値を用いて求める従来技術を用いても、ブランチ信号における不連続性を回避し歪の発生を抑えることは困難である。
【0015】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、連続したブランチ信号を生成し、出力高周波信号の歪を抑える増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願の開示する増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法は、一つの態様において、信号分離部は、入力信号を分離して、前記入力信号の振幅が小さくなるに応じて振幅が小さくなり且つ位相差が大きくなり、前記入力信号の振幅が大きくなるに応じて振幅が大きくなり且つ位相差が小さくなる、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成する。そして、第1増幅器は、前記第1ブランチ信号を増幅する。第2増幅器は、前記第2ブランチ信号を増幅する。合成部は、前記第1増幅器及び前記第2増幅器から出力された信号を合成して出力信号を生成する。
【発明の効果】
【0017】
本願の開示する増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法の一つの態様によれば、連続したブランチ信号を生成することができ、出力高周波信号の歪を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施例1に係る送信機の構成図である。
【図2】図2は、実施例1に係る増幅回路の信号分離部のブロック図である。
【図3】図3は、信号分離部から出力されるブランチ信号のコンステレーションを示す図である。
【図4】図4は、各増幅器に入力される第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号のコンステレーションを示す図である。
【図5】図5は、各増幅器からの出力信号及び送信信号のコンステレーションを示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る増幅回路におけるブランチ信号の生成の処理のフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2に係る送信機の構成図である。
【図8】図8は、実施例1に係る増幅回路を用いて2トーン信号を増幅した場合の各増幅器からの出力信号及び送信信号のコンステレーションを示す図である。
【図9−1】図9−1は、本実施例に係る増幅回路を用いて4キャリアW‐CDMA信号を増幅した場合の送信信号のスペクトラムを示す図である。
【図9−2】図9−2は、従来のLINC方式の増幅回路を用いて4キャリアW‐CDMA信号を増幅した場合の送信信号のスペクトラムを示す図である。
【図10】図10は、従来例における入力信号が2トーンの信号の場合の各ブランチ信号のコンステレーションを示す図である。
【図11】図11は、従来例における増幅器への入力信号のコンステレーションを示す図である。
【図12】図12は、従来例における増幅器からの出力信号及び合成信号のコンステレーションを示す図である。
【図13】図13は、従来のLINC方式増幅回路に非線形補償回路を付加した場合の増幅器からの出力信号及び合成信号のコンステレーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願の開示する増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法が限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1に係る送信機の構成図である。図1に示すように、本実施例に係る送信機100は、ベースバンド処理部1、信号分離部2、D/Aコンバータ3、D/Aコンバータ4、LPF(Low Pass Filter)5及びLPF6を有している。さらに、送信機100は、図1に示すように、直交変調器7、直交変調器8、局部発振器9、増幅器10、増幅器11、合成部12及びアンテナ13を有している。ここで、信号分離部2、D/Aコンバータ3、4、LPF5、6、直交変調器7、8、局部発振器9、増幅器10、11、合成部12を含む点線で囲われた部分が増幅回路101である。なお、ベースバンド処理部1及び信号分離部2は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などにより実現される。また、LPF5、LPF6、直交変調器7、直交変調器8、局部発振器9、増幅器10、増幅器11及び合成部12は、アナログ回路により実現される。
【0021】
ベースバンド処理部1は、送信データの入力を受ける。そして、ベースバンド処理部1は、入力された送信データをベースバンド信号に変換する。そして、ベースバンド処理部1は、ベースバンド信号を信号分離部2へ出力する。
【0022】
図2は、信号分離部の詳細を表すブロック図である。図2に示すように、本実施例に係る信号分離部2は、極座標変換部21、ブランチ信号生成部22を有している。また、以下の説明では、入力信号が信号分離部2によって分離され生成される2つのブランチ信号の一方を「第1ブランチ信号」と呼び、他方を「第2ブランチ信号」と呼ぶ。そして、第1ブランチ信号は、増幅器10によって増幅される側の信号とし、第2ブランチ信号は増幅器11によって増幅される側の信号とする。
【0023】
極座標変換部21は、ベースバンド信号の入力をベースバンド処理部1から受ける。以下では、極座標変換部21に入力されたベースバンド信号を、単に「入力信号」と呼ぶ場合がある。ここで、入力信号は、直交座標で表されるI/Q信号である。
【0024】
極座標変換部21は、受信した入力信号に対して極座標変換を行う。以下では、極座標表示された入力信号がr・ejθ(r≦1)と表される場合で説明する。そして、極座標変換部21は、極座標表示された入力信号から、入力信号の振幅値r及び位相値θを求める。そして、極座標変換部21は、後述するブランチ信号生成部22の振幅演算部221及び位相演算部224に対して入力信号の振幅値rを出力する。また、振幅演算部221は、後述するブランチ信号生成部22の移相器228及び移相器229に対して入力信号の位相値θを出力する。極座標変換部21が「パラメータ取得部」の一例にあたる。
【0025】
図2は、実施例1に係る増幅回路の信号分離部のブロック図である。ブランチ信号生成部22は、図2に示すように、振幅演算部221、単位ベクトル発生部222、乗算器223、位相演算部224、乗算器225及び移相器226〜229を有している。
【0026】
振幅演算部221は、ブランチ信号の振幅値を算出するためのパラメータαの値を予め記憶している。ここで、本実施例では、増幅回路の効率を優先させる場合には、αの値は大きくされる。また、増幅回路の線形性を優先させる場合には、αの値は小さくされる。このように、αの値は、増幅器の特性、動作点及び要求特性などによって決定されることが好ましい。振幅演算部221は、極座標変換部21から入力信号の振幅値rの入力を受ける。そして、振幅演算部221は、受信した入力信号の振幅値rからブランチ信号の振幅値r1/αを算出する。そして、振幅演算部221は、算出したブランチ信号の振幅値r1/αを乗算器223及び位相演算部224へ出力する。
【0027】
単位ベクトル発生部222は、1+j・0と表される単位ベクトルを生成する。単位ベクトルは、振幅値が1で位相量が0の信号である。そして、単位ベクトル発生部222は、生成した単位ベクトルを乗算器223へ出力する。
【0028】
乗算器223は、ブランチ信号の振幅値r1/αの入力を振幅演算部221から受ける。また、乗算器223は、単位ベクトルの入力を単位ベクトル発生部222から受ける。そして、乗算器223は、単位ベクトルとブランチ信号の振幅値r1/αとを乗算する。これにより、r1/α+j・0と表されるベクトルを生成する。そして、乗算器223は、乗算結果であるベクトルを移相器226及び移相器227へ出力する。
【0029】
位相演算部224は、入力信号の振幅値rの入力を極座標変換部21から受ける。さらに、位相演算部224は、ブランチ信号の振幅値r1/αの入力を振幅演算部221から受ける。
【0030】
そして、位相演算部224は、受信した入力信号の振幅値r及びブランチ信号の振幅値r1/αから第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)を算出する。そして、位相演算部224は、算出した第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)を移相器226及び乗算器225へ出力する。図2では、φ=cos−1(r/r1/α)として表している。以下では、式の後の括弧の中の統合の後に図2での表記を記載する。
【0031】
移相器226は、ブランチ信号の振幅値r1/αの入力を乗算器223から受ける。また、移相器226は、第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)(=φ)の入力を位相演算部224から受ける。
【0032】
そして、移相器226は、振幅値r1/αを有し、位相値cos−1(r/r1/α)(=φ)を有する信号r1/αexp(j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(j・φ))を生成する。そして、移相器226は、生成した信号r1/αexp(j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(j・φ))を移相器228へ出力する。移相器226が、「第1移相器」の一例にあたる。
【0033】
移相器228は、入力信号の位相値θの入力を極座標変換部21から受ける。また、移相器228は、信号r1/αexp(j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(j・φ))の入力を移相器226から受ける。
【0034】
そして、移相器228は、移相器226から入力された信号の位相に対して入力信号の位相値θ分の移相を行う。この移相は、極座標上で言えば、移相器226から入力された信号のベクトルに対してθの位相回転を施すことにあたる。そして、移相器228は、第1ブランチ信号r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α)))(=r1/αexp(j(θ+φ)))を算出する。そして、移相器228は、第1ブランチ信号r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α)))(=r1/αexp(j(θ+φ)))をD/Aコンバータ3(図1参照)へ出力する。移相器228が、「第3移相器」の一例にあたる。
【0035】
また、乗算器225は、第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)(=φ)の入力を位相演算部224から受ける。そして、乗算器225は、入力されたブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)(=φ)に−1を乗算して、符号を反転させ、第2ブランチ信号の位相値−cos−1(r/r1/α)(=−φ)を算出する。そして、乗算器225は、第2ブランチ信号の位相値−cos−1(r/r1/α)(=−φ)を移相器227に出力する。乗算器225が「位相反転部」の一例にあたる。
【0036】
移相器227は、ブランチ信号の振幅値r1/αの入力を乗算器223から受ける。また、移相器227は、第2ブランチ信号の位相値−cos−1(r/r1/α)(=−φ)の入力を乗算器225から受ける。
【0037】
そして、移相器227は、振幅値r1/αを有し、位相値−cos−1(r/r1/α)(=−φ)を有する信号r1/αexp(−j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(−j・φ))を生成する。そして、移相器227は、生成した信号r1/αexp(−j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(−j・φ))を移相器229へ出力する。移相器227が、「第2移相器」の一例にあたる。
【0038】
移相器229は、入力信号の位相値θの入力を極座標変換部21から受ける。また、移相器229は、信号r1/αexp(−j・cos−1(r/r1/α))(=r1/αexp(−j・φ))の入力を移相器227から受ける。
【0039】
そして、移相器229は、移相器227から入力された信号の位相に対して入力信号の位相値分の移相を行う。そして、移相器229は、第2ブランチ信号r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α)))(=r1/αexp(j(θ−φ)))を算出する。そして、移相器229は、第2ブランチ信号r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α)))(=r1/αexp(j(θ−φ)))をD/Aコンバータ4(図1参照)へ出力する。移相器229が、「第4移相器」の一例にあたる。
【0040】
以上のように、信号分離部2は、第1ブランチ信号r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α)))及び第2ブランチ信号r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α)))を出力する。これら2つの信号のコンステレーションは、図3のように表される。ここで、図3は、信号分離部から出力されるブランチ信号のコンステレーションを示す図である。図3は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。第1ブランチ信号のコンステレーションは実線301で表される。また、第2ブランチ信号のコンステレーションは点線302で表される。ただし、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号ともに、この時点ではディジタル信号であるので、実際は不連続な点の集合となる。実線301及び点線302は、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号の全体的な形状を分かり易くするため、各信号を2次元座標上にプロットした点を滑らかに繋いだものである。実線301及び点線302はいずれも、不連続な部分を有さない連続した滑らかな曲線となっている。
【0041】
また、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号は、それぞれ以下の数式2のように表すこともできる。
【0042】
【数2】

【0043】
図1に戻って、D/Aコンバータ3は、第1ブランチ信号r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α)))の入力を移相器228から受ける。そして、D/Aコンバータ3は受信した第1ブランチ信号をアナログ信号に変換する。そして、D/Aコンバータ3は、アナログ信号に変換した第1ブランチ信号をLPF5へ出力する。
【0044】
LPF5は、スムージングフィルタである。LPF5は、アナログ信号に変換された第1ブランチ信号の入力をD/Aコンバータ3から受ける。そして、LPF5は、受信した第1ブランチ信号に対してフィルタ処理を施し、折り返し周波数成分を除去する。そして、LPF5は、フィルタ処理を施した第1ブランチ信号を直交変調器7へ出力する。
【0045】
直交変調器7は、フィルタ処理が施された第1ブランチ信号の入力をLPF5から受ける。そして、直交変調器7は、局部発振器9から供給される搬送波信号を用いて、第1ブランチ信号を変調する。そして、直交変調器7は、変調した第1ブランチ信号を増幅器10へ出力する。
【0046】
増幅器10は、変調された第1ブランチ信号の入力を直交変調器7から受ける。そして、増幅器10は、受信した第1ブランチ信号を増幅する。そして、増幅器10は、増幅した第1ブランチ信号を合成部12へ出力する。増幅器10が「第1増幅器」の一例にあたる。
【0047】
D/Aコンバータ4は、第2ブランチ信号r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α)))の入力を移相器229から受ける。そして、D/Aコンバータ4は受信した第2ブランチ信号をアナログ信号に変換する。そして、D/Aコンバータ4は、アナログ信号に変換した第2ブランチ信号をLPF6へ出力する。
【0048】
LPF6は、スムージングフィルタである。LPF6は、アナログ信号に変換された第2ブランチ信号の入力をD/Aコンバータ4から受ける。そして、LPF6は、受信した第2ブランチ信号に対してフィルタ処理を施し、折り返し周波数成分を除去する。そして、LPF6は、フィルタ処理を施した第2ブランチ信号を直交変調器8へ出力する。
【0049】
直交変調器8は、フィルタ処理が施された第2ブランチ信号の入力をLPF6から受ける。そして、直交変調器8は、局部発振器9から供給される搬送波信号を用いて、第2ブランチ信号を変調しRF信号を生成する。そして、直交変調器8は、変調した第2ブランチ信号を増幅器11へ出力する。
【0050】
増幅器11は、変調された第2ブランチ信号の入力を直交変調器8から受ける。そして、増幅器11は、受信した第2ブランチ信号を増幅する。そして、増幅器11は、増幅した第2ブランチ信号を合成部12へ出力する。増幅器11が「第2増幅器」の一例にあたる。
【0051】
合成部12は、増幅された第1ブランチ信号の入力を増幅器10から受ける。また、合成部12は、増幅された第2ブランチ信号の入力を増幅器11から受ける。そして、合成部12は、RF信号である第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を合成し送信信号を生成する。そして、合成部12は、アンテナ13を介して生成した送信信号を外部装置へ送信する。
【0052】
図4は、各増幅器に入力される第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号のコンステレーションを示す図である。図4は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。増幅器10に入力される第1ブランチ信号のコンステレーションは、実線401で表される。また、増幅器11入力される第2ブランチ信号のコンステレーションは、点線402で表される。第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号のコンステレーションはいずれも、図4に示すように滑らかな連続した曲線になる。すなわち、各増幅器に入力される第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号のいずれにおいてもリンギングが抑えられていることが分かる。
【0053】
また、図5は、各増幅器からの出力信号及び送信信号のコンステレーションを示す図である。図5は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。増幅器10から出力された第1ブランチ信号は、実線501で表される。また、増幅器11から出力された第2ブランチ信号は、点線502で表される。また、合成部12で生成された送信信号は、一点鎖線503で表される。実線501、点線502及び一点鎖線503はいずれもほとんど波を打っていない。すなわち、各増幅器から出力された第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号は、いずれもリンギングが抑えられていることがわかる。そして、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を合成した送信信号もリンギングが抑えられていることが分かる。
【0054】
次に、図6を参照して、本実施例に係る増幅回路におけるブランチ信号の生成の処理について説明する。図6は、実施例1に係る増幅回路におけるブランチ信号の生成の処理のフローチャートである。
【0055】
極座標変換部21は、入力信号を受信する(ステップS101)。この時、入力信号は、Sin(t)として直交座標で表されている。
【0056】
そして、極座標変換部21は、直交座標でSin(t)と表される入力信号を極座標に変換する。これにより、入力信号はr・exp(jθ)と表される。そして、極座標変換部21は、入力信号の振幅値r及び入力信号の位相値θを取得する(ステップS102)。
【0057】
振幅演算部221は、入力信号の振幅値rの入力を極座標変換部21から受ける。そして、振幅演算部221は、予め記憶しているαを用いて、ブランチ信号の振幅値r1/αを生成する(ステップS103)。
【0058】
位相演算部224は、入力信号の振幅値rの入力を極座標変換部21から受ける。また、位相演算部224は、ブランチ信号の振幅値r1/αの入力を振幅演算部221から受ける。そして、位相演算部224は、第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)を生成する(ステップS104)。
【0059】
そして、移相器226は、ブランチ信号の振幅値r1/α及び第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)を用いて、信号r1/αexp(jcos−1(r/r1/α))を生成する。続いて、移相器226は、信号r1/αexp(jcos−1(r/r1/α))に対して入力信号の位相値θの移相を行い、第1ブランチ信号r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α)))生成する(ステップS105)。
【0060】
乗算器225は、第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)の入力を位相演算部224から受ける。そして、乗算器225は、受信した第1ブランチ信号の位相値cos−1(r/r1/α)に−1を乗算し符号を反転させ、第2ブランチ信号の位相値−cos−1(r/r1/α)を求める(ステップS106)。
【0061】
移相器227は、ブランチ信号の振幅値r1/α及び第2ブランチ信号の位相値−cos−1(r/r1/α)を用いて、信号r1/αexp(−jcos−1(r/r1/α))を生成する。続いて、移相器227は、信号r1/αexp(−jcos−1(r/r1/α))に対して入力信号の位相値θの移相を行い、第2ブランチ信号r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α)))生成する(ステップS107)。
【0062】
ここで、図6のフローでは、説明の都合上、第1ブランチ信号を生成した後に第2ブランチ信号を生成するように記載しているが、実際には第1ブランチ信号の生成と第2ブランチ信号の生成は平行して行われる。
【0063】
以上に説明したように、本実施例に係る増幅回路では、増幅器に入力されるブランチ信号おけるリンギングの発生を軽減することができる。これにより、ブランチ信号を合成して生成される出力高周波信号である送信信号の劣化を軽減することができる。
【0064】
また、以上の説明では、ブランチ信号の振幅値としてr1/αを用いて説明したが、これに限られず、ブランチ信号の振幅値は、rが0に近づけば0に近づくrの多項式f(r)であり、|f(r)|≦1を満たす関数f(x)であればよい。ブランチ信号の振幅値をf(r)とした場合、第1ブランチ信号の位相値はcos−1(r/f(x))と表され、第2ブランチ信号の位相値は、−cos−1(r/f(x))と表される。この場合、第1ブランチ信号は、f(x)exp(j(θ+cos−1(r/f(x))))と表される。また、第2ブランチ信号は、f(x)exp(j(θ−cos−1(r/f(x))))と表される。
【実施例2】
【0065】
図7は、実施例2に係る送信機の構成図である。本実施例に係る送信機は、実施例1の構成にインダイレクトラーニング構成の非線形補償回路を付加したものである。そこで、以下では、非線形補償回路について主に説明する。図7において図2と同様の符号を有する各部は、特に説明の無い限り同様の機能を有するものとする。また、以下では、信号分離部2、D/Aコンバータ3及び4、LPF5及び6、直交変調器7及び8、増幅器10及び11、並びに合成部12までをまとめて「増幅部」と呼ぶ場合がある。
【0066】
本実施例に係る送信機は、図7に示すように、実施例1の送信機に、プリディストーション部14、直交復調器15、A/Dコンバータ16、増幅器モデル17及び減算器18を加えたものである。なお、増幅器モデル17及び減算器18はディジタル回路、CPU、DSP等により実現され、直交復調器15はアナログ回路により実現される。
【0067】
プリディストーション部14は、後述する増幅器モデル17で求められた誤差信号の電力が最小となる係数(増幅回路101の非線形特性の逆特性)の入力を受ける。プリディストーション部14は、増幅部の非線形特性の逆特性を付加しプリディストーション信号を生成する。そして、プリディストーション部14は、生成したプリディストーション信号を信号分離部2に出力する。また、プリディストーション部14は、生成したプリディストーション信号を減算器18へ出力する。
【0068】
信号分離部2、D/Aコンバータ3及び4、LPF5及び6、直交変調器7及び8、増幅器10及び11、並びに合成部12の動作は、入力信号がプリディストーション信号であること以外は実施例1と同様である。ただし、合成部12から出力された送信信号は、カップラー(不図示)分岐されて直交復調器15へフィードバック信号として供給されている。
【0069】
直交復調器15は、入力されたフィードバック信号に対して復調を行い、フィードバックベースバンド信号を生成する。そして、直交復調器15は、フィードバックベースバンド信号をA/Dコンバータ16へ出力する。
【0070】
A/Dコンバータ16は、フィードバックベースバンド信号の入力をA/Dコンバータから受ける。そして、A/Dコンバータ16は、受信したフィードバックベースバンド信号をディジタル信号系列に変換する。そして、A/Dコンバータ16は、ディジタル信号系列に変換したフィードバックベースバンド信号を増幅器モデル17へ出力する。
【0071】
増幅器モデル17は、ディジタル信号系列に変換されたフィードバックベースバンド信号の入力をA/Dコンバータ16から受ける。そして、増幅器モデル17は、受信したフィードバックベースバンド信号を非線形増幅する。そして、増幅器モデル17は、増幅したフィードバックベースバンド信号を減算器18へ出力する。
【0072】
さらに、増幅器モデル17は、誤差信号の入力を減算器18から受ける。そして、増幅器モデル17は、誤差信号の電力が最小となる利得及び係数を求める。求めた利得及び係数は増幅回路101の逆特性を表す。そして、増幅器モデル17は、求めた係数をプリディストーション部14へ出力する。
【0073】
減算器18は、プリディストーション信号の入力をプリディストーション部14から受ける。また、減算器18は、フィードバックベースバンド信号の入力を増幅器モデル17から受ける。そして、減算器18は、プリディストーション信号とフィードバックベースバンド信号とを減算し誤差信号を生成する。そして減算器18は、算出した誤差信号を増幅器モデル17へ出力する。
【0074】
図8は、実施例1に係る増幅回路を用いて2トーン信号を増幅した場合の各増幅器からの出力信号及び送信信号のコンステレーションを示す図である。図8は、縦軸をQ成分とし、横軸をI成分としている。増幅器10から出力された第1ブランチ信号は、実線601で表される。また、増幅器11から出力された第2ブランチ信号は、点線602で表される。また、合成部12で生成された送信信号は、一点鎖線603で表される。実線601、点線602及び一点鎖線603はいずれもほとんど波を打っていない。すなわち、各増幅器から出力された第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号は、いずれもリンギングが抑えられている。そして、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を合成した送信信号もリンギングが抑えられている。さらに、送信信号は図5で示した実施例1の場合と比較して、合成信号が直線に近くなっている。したがって、本実施例に係る増幅回路では、実施例1に比べて増幅回路による歪をより軽減できている。これにより、本実施例に係る増幅回路では、実施例1の増幅回路に比べてブランチ信号を合成して生成される出力高周波信号である送信信号の劣化がより軽減されている。
【0075】
図9−1は、本実施例に係る増幅回路を用いて4キャリアW‐CDMA信号を増幅した場合の送信信号のスペクトラムを示す図である。また、図9−2は、従来のLINC方式の増幅回路を用いて4キャリアW‐CDMA信号を増幅した場合の送信信号のスペクトラムを示す図である。図9−1及び図9−2はいずれも、縦軸を電力とし、横軸を周波数としている。図9−1に示すように、本実施例に係る増幅回路では、最大の振幅レベルを有する周波数と他の周波数帯の振幅レベルとの電圧差701は、およそ55(dB)ある。これに対して、図9−2に示すように、従来のLINC方式の増幅回路では、リンギングが発生し送信信号が劣化しているため、点702のように振幅が大きい周波数帯が発生してしまっている。このため、図9−2に示すように、従来のLINC方式の増幅回路では、最大の振幅レベルを有する周波数と他の周波数帯の振幅レベルの電圧差703は、およそ40(dB)になってしまっている。すなわち、本実施例に係る増幅回路では、従来のLINC方式の増幅回路に比べて、送信したい信号を強調することができている。このように、本実施例に係る増幅回路では、従来のLINC方式の増幅回路に比べてより適切な送信信号を生成することが可能である。
【0076】
以上に説明したように、本実施例に係る増幅回路は歪補償を行うとともに、増幅器に入力されるブランチ信号おけるリンギングの発生を軽減することができる。これにより、実施例1に係る増幅回路の効果に加えて、増幅器の歪を押さえることができるので、実施例1の増幅回路に比べて送信信号の劣化をより軽減することができる。
【0077】
また、以上の説明では、インダイレクトラーニング構成の非線形補償回路を用いて歪補償を行っているが、これは他の歪補償方式を用いてもよい。例えば、フィードバック信号に対してもプリディストーションを施し、フォワード側とフィードバック側のそれぞれのプリディストーション信号を比較して誤差信号を求める方法を用いてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 ベースバンド信号処理部
2 信号分離部
3、4 D/Aコンバータ
5、6 LPF
7、8 直交変調器
9 局部発振器
10、11 増幅器
12 合成部
13 アンテナ
14 プリディストーション部
15 直交復調器
16 A/Dコンバータ
17 増幅器モデル
18 減算器
21 極座標変換部
22 ブランチ信号生成部
100 送信機
101 増幅回路
221 振幅演算部
222 単位ベクトル発生部
223 乗算器
224 位相演算部
225 乗算器
226、227、228、229 移相器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を分離して、前記入力信号の振幅が小さくなるに応じて振幅が小さくなり且つ位相差が大きくなり、前記入力信号の振幅が大きくなるに応じて振幅が大きくなり且つ位相差が小さくなる、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成する信号分離部と、
前記第1ブランチ信号を増幅する第1増幅器と、
前記第2ブランチ信号を増幅する第2増幅器と、
前記第1増幅器及び前記第2増幅器から出力された信号を合成して出力信号を生成する合成部と
を備えたことを特徴とする増幅回路。
【請求項2】
前記信号分離部は、
前記入力信号の振幅及び位相値を取得するパラメータ取得部と、
前記パラメータ取得部により取得された前記振幅及び前記位相値を基に第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成するブランチ信号生成部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
【請求項3】
前記ブランチ信号生成部は、
前記入力信号の振幅からブランチ信号の振幅を算出する振幅演算部と、
前記入力信号の振幅及び前記振幅演算部により算出された前記ブランチ信号の振幅を基に、前記第1ブランチ信号の位相量を算出する位相演算部と、
前記第1ブランチ信号の位相量の符号を反転させて前記第2ブランチ信号の位相量を算出する位相反転部と、
振幅が1であり位相が0である単位ベクトルと前記ブランチ信号の振幅とを乗算する乗算器と、
前記乗算器から出力された前記ブランチ信号の振幅を、前記位相演算部が算出した前記第1ブランチ信号の位相量移相する第1移相器と、
前記乗算器から出力された前記ブランチ信号の振幅を、前記位相反転部が算出した前記第2ブランチ信号の位相量移相する第2移相器と、
前記第1移相器から出力された信号を、前記入力信号の位相値分移相させる第3移相器と、
前記第2移相器から出力された信号を、前記入力信号の位相値分移相させる第4移相器と
を有することを特徴とする請求項2に記載の増幅回路。
【請求項4】
前記信号分離部は、
前記入力信号がr・exp(jθ)(|r|≦1)(r:振幅、θ:位相値)の時に、
Sc1=f(r)exp(j(θ+cos−1(r/f(r)))
Sc2=f(r)exp(j(θ−cos−1(r/f(r)))
(f(r)は、rが0に近づけば0に近づくrの多項式であり、|f(r)|≦1である。)
という2つのブランチ信号を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の増幅回路。
【請求項5】
前記信号分離部は、所定の値を有するαを用いて、
Sc1=r1/αexp(j(θ+cos−1(r/r1/α))
Sc2=r1/αexp(j(θ−cos−1(r/r1/α))
という2つのブランチ信号を生成することを特徴とする請求項4に記載の増幅回路。
【請求項6】
ベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、
入力信号を分離して、前記入力信号の振幅が小さくなるに応じて振幅が小さくなり且つ位相差が大きくなり、前記入力信号の振幅が大きくなるに応じて振幅が大きくなり且つ位相差が小さくなる、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成する信号分離部と、
前記第1ブランチ信号を増幅する第1増幅器と、
前記第2ブランチ信号を増幅する第2増幅器と、
前記第1増幅器及び前記第2増幅器から出力された信号を合成して出力信号を生成し外部装置に該出力信号を送信する合成部と
を備えたことを特徴とする送信機。
【請求項7】
入力信号を分離して、前記入力信号の振幅が小さくなるに応じて振幅が小さくなり且つ位相差が大きくなり、前記入力信号の振幅が大きくなるに応じて振幅が大きくなり且つ位相差が小さくなる、第1ブランチ信号及び第2ブランチ信号を生成し、
前記第1ブランチ信号を第1増幅器で増幅し、
前記第2ブランチ信号を第2増幅器で増幅し、
前記第1増幅器及び前記第2増幅器から出力された信号を合成して出力信号を生成する
ことを特徴とする増幅回路制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−175188(P2012−175188A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32521(P2011−32521)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】