説明

壁装材貼設パネルの取付構造およびその取付施工方法

【課題】壁装材を簡単に貼設でき、部分的装飾を可能とし、取付施工並びに取り外しをも省力化した壁装材貼設パネルの取付構造並びにその取付施工方法を提供すること。
【解決手段】シート状の壁装材2と、壁装材を貼設するべく枠状をなし、該壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段3を備えた固定フレーム4と、固定フレームを枠状に規定する基盤プレート5とを含む壁装材貼設パネル1であり、該パネルの裏面側と被取付施工面Wとの間に、該パネルを取付面に取り付ける壁面取付手段25を設けてなり、壁面取付手段が、パネルにおける上辺1Aの裏面側と取付面との間に設けた嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対26、27、及びパネルにおける少なくとも下辺1Bの裏面側と被取付施工面との間に設けた面接触によって接合連結される面接合型連結素子対33、34とを含む壁装材貼設パネル取付構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物などにおける内壁、天井、間仕切り(パーテーション)、衝立、扉、襖、あるいはその他の建具などの表面(以下、この発明において被取付施工面という)に対して、織物などによる壁装材を貼設施工するための壁装材貼設パネルに係るものであって、特に、当該壁装材貼設パネルを被取付施工面に取り付けるための取付構造、並びにその取付施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、建造物などにおける被取付施工面に対する内装として、織物などのシート状の壁装材を被取付施工面に貼設することが一般的に行われている。その際に、壁装材の周縁端部を把持して固定するため、当該壁装材を貼設すべき被取付施工面に対して枠状に取り付け、前記壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定するように構成した長尺のフレーム部材が適用されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のような壁装材の固定部材および壁装材の貼設方法が、本出願人によって開発され、提供されてきている。この特許文献1に記載の壁装材貼設用の固定部材組立体は、挟み込み手段が固定部材本体における突条部並びに保持部と、縁取り部材における立ち上がり部間に、互いに協働して、壁装材の周縁端部を挟み込むように構成されているものである。従って、壁装材の外側に、縁取り部材における立ち上がり部が出てしまい、これが目地となって、前記壁装材だけを敷き詰めたような壁面施工を行うことができなかった。
【0004】
さらに、この特許文献1に記載のものでは、前記挟み込み手段が、上方に向けて開口しているため、壁装材の挟み込みの強度性並びに耐久性に問題があった。さらに、この特許文献1に記載の技術では、当該壁装材貼設パネルを、被取付施工面に取り付けるための有効な構成については、未開発のものであった。
【0005】
一般的に、建材パネルを躯体生地あるいは被取付施工面に取り付ける技術としては、例えば、特許文献2に記載のような構成のものがある。この特許文献2に記載のものは、重量パネルを被取付施工面に取り付けるための技術であって、取付壁に立設されたアンカーボルトに、長孔のある支持板を備えたパネルを、該長孔に沿って可動させながらボルトおよびナットで止め付ける取付構造のものである。この取付構造では、強固にボルト・ナットで締め付けて取り付ける構成でり、一旦取り付けてしまうと、強力な解体作業器具を必要とし、取り付け並びに取り外しに際して、多大な労力を要するものであった。
【0006】
【特許文献1】特開2006−90126号公報
【特許文献2】特許第3637401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明では、上記するような従来技術の問題点を解消すべくなしたものであって、特に重要な要素は、施工現場において壁装材を貼設すべき被取付施工面に対し、壁装材を簡単に貼設することを可能とし、壁装材を貼設すべき被取付施工面を部分的に装飾するという全く新しい壁装の楽しみ方をなし得るためのものであって、且つ、壁装材の仕上がりの美しさをより向上させる壁装材貼設パネルの取付構造、並びに、その取付施工方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、シート状でなる壁装材と、前記壁装材を貼設するべく、枠状に組み立てられていて、該壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段を備えた固定フレームと、前記固定フレームを枠状に規定して支持する基盤プレートとを含むものからなる壁装材貼設パネルであり、前記壁装材貼設パネルの裏面側と前記被取付施工面との間に、前記壁装材貼設パネルを被取付施工面に取り付けるための壁面取付手段を設けてなり、前記壁面取付手段が、前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対、および前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、面接触によって接合連結される面接合型連結素子対とを含むものからなることを特徴とする壁装材貼設パネルの取付構造を構成するものである。
【0009】
さらに、この発明において、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記挟み込み手段が、前記枠状に組み立てられた固定フレームの最外周縁を、前記壁装材によって包み込むべく、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する間隙、および該間隙内に設けた挟み込み素子とを含むものからなることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、この発明において、請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記固定フレームが、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなり、前記成型部材が、フレーム上部材と、前記フレーム上部材に対して組立連結手段を介して組立られるフレーム下部材とを含み、組み立てた際、前記フレーム上部材とフレーム下部材との間に、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段のための間隙を形成するものからなることを特徴とするものである。
【0011】
さらに、この発明において、請求項4に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記固定フレームが、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなり、前記成型部材が、フレーム上部材と、前記フレーム上部材に対して折り曲げ部を介して一体的に連結されたフレーム下部材とを含み、前記折り曲げ部で折り曲げた際、前記フレーム上部材とフレーム下部材との間に、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段のための間隙を形成するものからなることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、この発明において、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記壁面取付手段における嵌合型連結素子対が、前記壁装材貼設パネルの裏面側に設けられ左右方向にのびる係合部と、被取付施工面側に設けられ左右方向にのびる係止部とからなり、前記係合部は、長手方向を軸として、係止部に回動可能に係止されるものからなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、この発明において、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記壁面取付手段における嵌合型連結素子対が、前記固定フレームにおけるフレーム下部材の裏面に、その長さ方向に沿って一体的に設けた凸条と、前記凸条を挟み込み状に受け入れる受入溝を備えた嵌合型レール部材とからなることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、この発明において、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造であって、前記壁面取付手段における面接合型連結素子対が、前記固定フレームにおけるフレーム下部材の平坦な裏面に設けた一方型の面ファスナーと、前記被取付施工面側に取り付けられる面接合型レール部材の平坦な面に設けた他方型の面ファスナーとからなることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、この発明において、請求項8に記載の発明は、シート状の壁装材と、前記壁装材を貼設するべく、枠状に組み立てられていて、該壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段を備えた固定フレームと、前記固定フレームを枠状に規定して支持する基盤プレートとを含むものからなる壁装材貼設パネルを準備する工程と、
前記壁装材貼設パネルを被取付施工面に取り付けるための壁面取付手段であって、前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対、および前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、面接触によって接合連結される面接合型連結素子対を準備し、前記嵌合型連結素子対を構成する嵌合型レール部材、および面接合型連結素子対を構成する面接合型レール部材を被取付施工面に取り付ける工程と、
前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた嵌合型連結素子対を介して嵌合連結し、しかる後、前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた面接合型連結素子対を介して接合連結する工程とからなる壁装材貼設パネルの取付施工方法を構成するものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造によれば、当該壁装材貼設パネル並びにこれを被取付施工面に取り付けるための壁面取付手段を、予め、工場サイドにおいて製作準備しておくことができ、極めて省力的な取付作業により取り付けられるものであり、当該壁装材貼設のための施工時間を大幅に短縮することができるという点、さらに、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造では、極めて省力的に取り外すこともでき、それらの点において極めて有効に作用するものといえる。
【0017】
さらに、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造によれば、壁装材を貼設すべき被取付施工面の必要な区画だけに当該壁装材貼設パネルを、例えば、縦方向および横方向に連接設置することで、壁装材を貼設すべき被取付施工面を部分的に装飾することが簡単にできるようになるという点において極めて有効に作用するものといえる。
【0018】
さらにまた、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造によれば、壁装材貼設パネルを縦方向および横方向に格子状に設置する場合、固定部材の一側端が隣り合うパネルに隠れて露出せず、壁装材の仕上がりが美しくなる。また、設置区画の外周には、廻り縁をはめ込むことによって、その仕上がりが一層美しくなるという点においても極めて有効に作用するものといえる。
【0019】
さらに、この発明になる壁装材貼設パネルによる取付施工方法によれば、特に、隣接するパネル間に亘って連続する模様を構成する場合においても、固定部材等により模様が寸断されずに施工することができ、貼設作業においても、隣接するパネル間の柄の繋ぎ合わせを目視しながら行える点においても極めて有効に作用するものといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造について、図1〜図8に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の基本的な構成例を示すものであって、図1Aは、壁装材貼設パネルの突き合わせ施工状態の一例を示す概略的な斜視図、図1Bは、取付壁面に対して一枚の壁装材貼設パネルが取り付けられている状態を一部破断して示す概略的な断面図である。
【0021】
図2は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造の基本構成にあって、取付連結手段が嵌合型の実施例を示すものであって、図2Aは、その施工された状態を一部破断して示す概略的な斜視図、図2Bは、上フレーム部材、嵌合型下フレーム部材、嵌合型レール部材を分離して示す概略的な横断面図、図2Cは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。図3は、取付連結手段が貼着型の実施例を示すものであって、図3Aは、上フレーム部材、貼着型下フレーム部材、貼着型レール部材を分離して示す概略的な横断面図、図3Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【0022】
一方、図4は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を垂直壁面に適用した具体的な実施例を示す概略的な縦断面図であり、図5は、取付連結手段が嵌合型の実施例において、上フレーム部材と嵌合型下フレーム部材とを一体的に接続して構成した例を示すものであって、図5Aは、これを展開した状態で示す概略的な横断面図、図5Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【0023】
図6は、取付連結手段が貼着型の実施例において、上フレーム部材と嵌合型下フレーム部材とを一体的に接続して構成した例を示すものであって、図6Aは、これを展開した状態で示す概略的な横断面図、図6Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。図7は、レール部材の実施例を示すものであって、嵌合型レール部材と貼着型レール部材とを一体的に接続して構成した例を示す概略的な横断面図である。
【0024】
図8は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を用いた壁面施工例を例示するものであって、図8Aは、被取付施工面に対して当該壁装材貼設パネルを格子状に配列施工した例を示す概略的な正面図であり、図8Bは、被取付施工面に対して異なる大きさの壁装材貼設パネルを所望のパターンに配列施工した例を示す概略的な正面図である。
【0025】
まず、この発明になる壁装材貼設パネル1の具体的な構成態様例について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。この発明になる壁装材貼設パネル1は、所望の織物生地などでなる壁装材2と、この壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを挟み込み状に固定する挟み込み手段3を備えていて、この挟み込み手段3によって前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを挟み込み状に固定するべく枠状に組み立てられた固定フレーム4と、前記固定フレーム4を枠状に規定するべく組み合わされた基盤プレート5とを含むものからなっている。特に、この発明では、前記枠状に組み立てられた固定フレーム4の最外周縁を前記壁装材2によって包み込むべく、前記固定フレーム4の外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を設けたものからなっている。
【0026】
この発明になる壁装材貼設用の固定フレーム4は、基本的には、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなっている。すなわち、前記固定フレーム4は、フレーム上部材7と、このフレーム上部材7に対して組立連結手段9を介して組立られるフレーム下部材8とを含むものであり、前記組立連結手段9を介して組み立てた際、前記フレーム上部材7とフレーム下部材8との間に、前記固定フレーム4の外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を形成するものからなっている。
【0027】
前記固定フレーム4を構成するフレーム上部材7は、長さ方向にのびる扁平な固定基部10と、該固定基部10の一側縁10aに沿って長さ方向にのび、上方に向けて突き出る突出部11と、前記突出部11の下方であって、前記固定基部10の一側縁10aに沿って長さ方向にのび、外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を形成する基部下面10cを備えている。
【0028】
さらに、前記フレーム上部材7における前記固定基部10の基部上面10bには、前記基盤プレート5のための当接突起12が設けてあり、前記固定基部10の基部下面10cには、軟質樹脂からなる横断面Y字型の挟み込み素子13が設けられている。前記挟み込み素子13は、摩擦によって、前記間隙6に挟み込まれた壁装材2の戻り止め機能を果たす突条部14を有し、突条部14は、前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを保持する保持突起15を含むものからなっている。前記固定フレーム4の枠内であって、前記壁装材2と基盤プレート5間には、充填下地材16が充填されるようになっている。
【0029】
前記フレーム上部材7における前記固定基部10の基部下面10cには、前記フレーム上部材7とフレーム下部材8とを組立連結するための組立連結手段9における第1の要素17が設けてある。前記第1の要素17は、例えば、図2などに示すように、固定基部10の基部下面10cから下方に向けてのび、平行する二条の突起18、18により形成されていて、該二条の突起18、18の外面側に、長さ方向にのびるフック溝19、19が設けてある。
【0030】
これに対して、前記固定フレーム4を構成するフレーム下部材8は、長さ方向にのびる扁平な固定基部20と、該固定基部10の一側縁10aに沿って長さ方向にのび、上方に向けて突出し、前記フレーム上部材7と組み合わせた際、該フレーム上部材7の基部下面10cに当接する当て部21を備えている。
【0031】
さらに、前記フレーム下部材8における前記固定基部20の基部上面20bには、前記フレーム上部材7とフレーム下部材8とを組立連結するための組立連結手段9における第2の要素22が設けてある。前記第2の要素22は、例えば、図2などに示すように、固定基部20の基部上面20bから上方に向けてのび、平行する二条の突起23、23により形成されていて、該二条の突起23、23の内面側に、長さ方向にのびるフック24、24が設けてある。
【0032】
このフレーム下部材8は、後述する壁面取付手段25によって、図2に示すような、嵌合型のものと、図3に示すような、面接合型のものとが準備される。前記壁面取付手段25が、図2に示すような嵌合型のものである場合、前記壁面取付手段25は、嵌合型連結素子対26、27によって形成される。一方の嵌合型連結素子対26は、例えば、前記フレーム下部材8における固定基部20の基部下面20cに、その長さ方向に沿って一体的に設けた凸条28により形成されており、前記凸条28の先端には、フック部29が設けてある。これに対して、前記他方の嵌合型連結素子対27は、例えば、前記凸条28を挟み込み状に受け入れる受入溝31を備えた嵌合型レール部材30により形成されるものであり、タッカー手段32などにより被取付施工面Wに固着されるようになっている。
【0033】
この発明において、前記壁面取付手段25は、図9に示すような異なる実施例のものとして構成することができる。図9に示す実施例において、前記壁面取付手段25は、嵌合型連結素子対26’、27’によって形成される引っ掛けタイプのものである。この実施例では、一方の嵌合型連結素子対26’は、例えば、前記壁装材貼設パネル1の裏面側上縁に沿って設けられた、左右方向にのびる係合部51と、被取付施工面W側に設けられた、左右方向にのびる係止部52とからなり、前記係合部51は、長手方向を軸として、前記係止部52に回動可能に係止されるものからなっている。すなわち、この実施例では、前記壁装材貼設パネル1の裏面側上縁に沿って設けた係合部51を、前記被取付施工面W側に設けた係止部52に引っ掛けるようにして嵌合し、該引っ掛け部分を軸として、当該壁装材貼設パネル1を壁側に向けて回動し、壁装材貼設パネル1の裏面側の下縁と、被取付施工面W側に設けた面接合型連結素子対により、当該壁装材貼設パネル1を被取付施工面Wに取り付けるようにしたものである。
【0034】
他方、前記壁面取付手段25が、図3に示すような面接合型のものである場合、前記壁面取付手段25は、面接合型連結素子対33、34によって形成される。一方の面接合型連結素子対33は、例えば、前記フレーム下部材8における固定基部20の基部下面20cが平坦面に形成されていて、その平坦面に設けた一方型の面ファスナー35により形成されている。これに対し、前記他方の面接合型連結素子対34は、他方型の面ファスナー36を備えた面接合型レール部材37により形成されるものであり、タッカー手段38などにより被取付施工面Wに固着されるようになっている。
【0035】
前記壁面取付手段25が、面接合型のものである場合、前記面接合型連結素子対33、34は、前記フレーム下部材8における固定基部20の平坦な基部下面20c、あるいは、面接合型レール部材37の平坦面37aの少なくとも一方に設けた接着テープによるものであってもよい。
【0036】
この発明において、前記固定フレーム4は、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなり、例えば、図1〜図4に示すもののように、フレーム上部材7とフレーム下部材8とを組立連結手段9を介して組み立てる構成のものと、図5および図6に示すもののように、フレーム上部材7とフレーム下部材8とを折り曲げ部39を介して一体的に連結した構成のものとを含むものである。前者の分離型のものは、組み立てた際、前記フレーム上部材7とフレーム下部材8との間に、前記固定フレーム4の外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を形成する。後者の一体型のものは、折り曲げ部39で折り曲げた際、フレーム上部材7とフレーム下部材8との間に、前記固定フレーム4の外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を形成する。この一体型のものは、フレーム上部材7の下面とフレーム下部材8の上面との間にフック結合手段43が設けてある。
【0037】
さらに、この発明において、前記嵌合型レール部材30と面接合型レール部材37とは、図7に示すように、接続部40を介して一体的に成形されたレール部材41とすることができるようになっている。このように一体成形されたレール部材41は、図4に示すようにして、そのまま被取付施工面Wに取り付けることができ、前記接続部40に沿って切り離すことによって、嵌合型レール部材30と面接合型レール部材37とに分離することができるようになっている。
【0038】
前記挟み込み手段3は、専ら、前記固定フレーム4における挟み込み素子13の構造的並びに素材的な要素によって構成されるものである。すなわち、前記突条部14は、図1Bに示す例によれば、前記フレーム上部材7における前記固定基部10の基部下面10cから下方に向けてのびるように設けられていて、その先端部分が若干下向きになるような断面Y字型をなしており、さらに、その内側部位の保持突起15が斜め下向きにのびる断面舌状の突条により形成されていること、並びに、その素材が、軟質樹脂であることによるものであり、図1B、図2〜図6に示すように、前記固定フレーム4における突条部14並びに保持突起15と、前記固定基部20の上面20bとの間に、前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dをヘラなどの工具を用いて差し込んで収納空間42内に挿入した際、前記壁装材2は、当該挟み込み手段3によって抜け止め防止状態で貼設される。
【0039】
この発明では、前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを固定部材組立体4における突条部14並びに保持突起15と、前記固定基部20の上面20bとの間に、ヘラ(図示せず)などの工具を用いて差し込む際、壁装材2の挟み込み量を適宜調節することによって、壁装材2の模様、柄などの平面視描写を微調節することができる。
【0040】
この発明において、前記固定フレーム4並びにレール部材の素材は、特に限定されるものではないが、好ましい材料としては、ABS樹脂、ポリスチレンなどのスチレン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、 ポリカーボネートあるいはポリエステルなどの熱可塑性高分子材料などが好適に用いられる。
【0041】
これに対して、前記挟み込み手段3における挟み込み素子13並びに一体型の固定フレームにおける折り曲げ部39を形成する軟質樹脂の材料としては、例えば、熱可塑性エラストマー、合成ゴム、天然ゴムなどの高分子材料が挙げられる。ここで、前記熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を示すが、高温では可塑化され、成型可能となる高分子材料であり、このような熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SDC)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPEA)、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー(TPVB)、トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー(TPI)、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(T−CM)、動的架橋系熱可塑性エラストマー(DVTP)などが挙げられる。
【0042】
この発明において使用される壁装材2としては、織物、編物、不織布、合成紙、人工皮革、合成皮革、天然皮革、プラスチックフィルムなどの可撓性の面状資材であればいずれのものも使用することができるが、装飾性、他の内装材との調和などを考慮すれば織物が好適なものである。特に、ポリエステル繊維からなる織物であれば、染色性、寸法安定性、 耐久性などの面で好適である。
【0043】
この発明において使用される充填下地材16としては、厚手の繊維ウェブ、不織布、発泡シートなどであればいずれのものも使用することができるが、クッション性、防音性を考慮すると、厚手の繊維ウェブが好適なものである。
【0044】
さらに、ニードルパンチ、フロッキー加工などで壁装材2の裏面にパイル層を積層一体化したものを使用したり、モケット、別珍などのパイル布帛のパイル層を裏面に向けて使用すれば、充填下地材16は、別途必要でなくなる。
【0045】
この発明になる壁装材貼設パネル1は、好ましくは、平面視50cm×50cm程度の正矩形形状のものとして形成される。この発明において、前記壁装材貼設用パネル1の平面視形状並びにそのサイズは、特に限定されるものではなく、平面視において、長方形形状、平行四辺形形状、台形形状、三角形形状あるいは六角形形状などのいずれであってもよい。そのサイズについても、例えば、図8Aに示すように、互いに突き合わせ状にして施工構成するものでは、上記するように、一辺50cm程度のものが好ましく、設計に応じて、20cm〜100cm程度のものであってもよい。さらには、図8Bに示すもののように、一枚のパネルを単独のものとして構成するような場合にあっては、一辺の寸法を100cm〜200cm程度に設計したものであってもよい。
【0046】
次に、この発明になる壁装材貼設パネル1を、被取付施工面Wに対して施工する手順について説明する。
【0047】
この発明では、先ず、壁装材貼設パネル1が、例えば、工場生産ラインにより予め準備される。前記壁装材貼設パネル1は、壁装材2と、前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを挟み込み状に固定する挟み込み手段3を備え、前記挟み込み手段3によって前記壁装材2の周縁端部を挟み込み状に固定するべく枠状に組み立てられた固定フレーム4と、前記固定フレーム4を枠状に規定するべく組み合わされた基盤プレート5とを含むものからなり、前記枠状に組み立てられた固定フレーム4の最外周縁を前記壁装材2によって包み込むべく、前記固定フレーム4の外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段3のための間隙6を設けたものからなっている。
【0048】
この発明では、前記壁装材貼設パネル1を準備する段階において、前記壁装材貼設パネル1の外周縁1a、1b、1c、1dを突き合わせ状に当接させることにより、予め選択されたデザインを連続状に具現するように、前記挟み込み手段3のための間隙6に、前記壁装材2の周縁端部2a、2b、2c、2dを挟み込んで張装する際、挟み込み量を調節しながら挟み込む工程を含んでいる。
【0049】
さらに、この発明になる壁装材貼設パネル1の施工方法では、前記壁装材貼設パネル1を、予め選択されたデザインを連続状に具現するように、被取付施工面W上に配列して固定する工程を含むものからなっている。
【0050】
さらにまた、この発明になる壁装材貼設パネル1の施工方法では、工場サイドにおいて、予め選択されたデザインを連続状に具現する複数個の壁装材貼設パネル1を準備し、それらを突き合わせ状に当接させて、予め選択されたデザインを連続状に具現する壁装材貼設パネル集合体とすることもできる。ここでいうデザインとは、プリント、エンボッシング加工などによって付与される柄、模様だけでなく、織物などにおいては、地組織の模様をも含むものである。
【0051】
この場合、前記壁装材貼設パネル集合体の最外周囲に、廻り縁部材44を嵌め合わせて、固定部材の一側端を目隠しすると同時に、それ自体に木目調、メタリック調などの意匠性を付与することにより、該壁装材貼設パネル集合体の側縁が露出する最外周囲を整えておくこともできる。前記廻り縁部材44は、図2Aに示すような長尺な成型材によるものであり、固定フレーム4における挟み込み素子13と、前記固定基部20の上面20bとの間に差し込まれる差し込み片45と、壁装材貼設パネル集合体の最外周囲を整える廻り縁46とを有するものからなっている。
【0052】
この発明になる壁装材貼設パネル1を、被取付施工面Wに取り付ける取付施工方法について説明する。この発明では、まず、壁装材貼設パネル1並びに被取付施工面W側に取り付けられるレール部材30、37、41が準備される。前記壁装材貼設パネル1は、シート状の壁装材2と、前記壁装材2を貼設するべく、枠状に組み立てられていて、該壁装材2の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段3を備えた固定フレーム4と、前記固定フレーム4を枠状に規定して支持する基盤プレート5とからなっている。
【0053】
前記壁装材貼設パネル1は、前記壁面取付手段25によって被取付施工面Wに取り付けられる。この壁面取付手段25は、例えば,図4に示すように、壁装材貼設パネル1における上辺1Aの裏面側と前記被取付施工面Wとの間に設けた、嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対26、27と、前記壁装材貼設パネル1における少なくとも下辺1Bの裏面側と前記被取付施工面Wとの間に設けた、面接触によって接合連結される面接合型連結素子対33、34として構成される。
【0054】
前記嵌合型連結素子対26、27を構成する嵌合型レール部材30と、面接合型連結素子対33、34を構成する面接合型レール部材37と、これを一体化したレール部材41とが準備され、予め設計されたパネル取付パターンに従って、該レール部材を被取付施工面Wに取り付ける。
【0055】
上記する準備段階の後、前記壁装材貼設パネル1を被取付施工面Wに取り付けて行く。この場合、まず、前記壁装材貼設パネル1における上辺1Aの裏面側と前記被取付施工面Wとの間に設けた嵌合型連結素子対26、27を介して嵌合連結し、しかる後、前記壁装材貼設パネル1における少なくとも下辺1Bの裏面側と前記被取付施工面Wとの間に設けた面接合型連結素子対33、34を介して接合連結する。
【0056】
この発明になる壁装材貼設パネル1の取付施工方法では、当該壁装材貼設パネル1の上辺1A側において、嵌合型連結素子対26、27により嵌合連結するように構成されており、当該壁装材貼設パネル1の少なくとも下辺1B側、好ましくは、下辺1Bおよび両側辺の三辺において、面接合型連結素子対33、34により面接合連結するように構成されているので、取付施工が極めて省力的に行うことができ、且つ、取り外しも極めて省力的に行うことができる。
【0057】
この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を用いた壁面施工例としては、図8Aに示すように、建造物の内壁面Wに対して、床面Fから天井面Cにかけて全面的に当該壁装材貼設パネル1を格子状に配列施工することができ、あるいは、図8Bに示すように、被取付施工面Wに対して、異なる大きさの壁装材貼設パネルを所望のパターンに配列施工することもできる。
【0058】
さらに、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を用いた壁面施工例としては、上記するような建造物の内壁面Wに限定されるものではなく、例えば、天井壁面、間仕切り(パーテーション)、衝立、扉、襖、あるいはその他の建具などの表面に対して変更することなく施工することができる。図10に示す実施例は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を、室内装飾パネル様のものとして衝立壁面54に適用した例を示すものである。この実施例では、複数の壁装材貼設パネル1を格子状に配列し、外枠部材55により衝立壁面54を形成する。この衝立壁面54は、その表面に他の装飾構造物56を組み合わせることもできる。衝立壁面54は、脚体57を備えていて、該脚体57を介して、床面Fに固定することもでき、移動可能なものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、この発明の基本的な構成例を示すものであって、図1Aは、壁装材貼設パネルの突き合わせ施工状態の一例を示す概略的な斜視図、図1Bは、取付壁面に対して一枚の壁装材貼設パネルが取り付けられている状態を一部破断して示す概略的な断面図である。
【図2】図2は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造の基本構成にあって、取付連結手段が嵌合型の実施例を示すものであって、図2Aは、その施工された状態を一部破断して示す概略的な斜視図、図2Bは、上フレーム部材、嵌合型下フレーム部材、嵌合型レール部材を分離して示す概略的な横断面図、図2Cは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【図3】図3は、取付連結手段が貼着型の実施例を示すものであって、図3Aは、上フレーム部材、貼着型下フレーム部材、貼着型レール部材を分離して示す概略的な横断面図、図3Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【図4】図4は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を垂直壁面に適用した具体的な実施例を示す概略的な縦断面図である。
【図5】図5は、取付連結手段が嵌合型の実施例において、上フレーム部材と嵌合型下フレーム部材とを一体的に接続して構成した例を示すものであって、図5Aは、これを展開した状態で示す概略的な横断面図、図5Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【図6】図6は、取付連結手段が貼着型の実施例において、上フレーム部材と嵌合型下フレーム部材とを一体的に接続して構成した例を示すものであって、図6Aは、これを展開した状態で示す概略的な横断面図、図6Bは、各部材を組み合わせた施工状態を示す概略的な横断面図である。
【図7】図7は、レール部材の実施例を示すものであって、嵌合型レール部材と貼着型レール部材とを一体的に接続して構成した例を示す概略的な横断面図である。
【図8】図8は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を用いた壁面施工例を例示するものであって、図8Aは、被取付施工面Wに対して当該壁装材貼設パネル1を格子状に配列施工した例を示す概略的な正面図であり、図8Bは、被取付施工面に対して異なる大きさの壁装材貼設パネルを所望のパターンに配列施工した例を示す概略的な正面図である。
【図9】図9は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造において、取付連結手段が嵌合型の実施例であって、引っ掛け型の実施例を示す概略的な側断面図である。
【図10】図10は、この発明になる壁装材貼設パネルの取付構造を衝立壁面に適用した例を示す概略的な正面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 壁装材貼設パネル
1a、1b、1c、1d 壁装材貼設パネルの外周縁
1A 壁装材貼設パネルの上辺
1B 壁装材貼設パネルの下辺
2 壁装材
2a、2b、2c、2d 壁装材の周縁端部
3 挟み込み手段
4 固定フレーム
5 基盤プレート
6 挟み込み手段のための間隙
7 フレーム上部材
8 フレーム下部材
9 組立連結手段
10 フレーム上部材の固定基部
10a 一側縁
10b 上面
10c 下面
11 突出部
12 当接突起
13 挟み込み素子
14 突条部
15 保持突起
16 充填下地材
17 第1の要素
18 二条の突起
19 フック溝
20 フレーム下部材の固定基部
21 当て部
22 第2の要素
23 二条の突起
24 フック
25 壁面取付手段
26、27 嵌合型連結素子対
28 凸条
29 先端フック部
30 嵌合型レール部材
31 受入溝
32 タッカー手段
W 被取付施工面
33、34 面接合型連結素子対
35 一方型の面ファスナー
36 他方型の面ファスナー
37 面接合型レール部材
38 タッカー手段
39 折り曲げ部
40 接続部
41 一体レール部材
42 収納空間
43 フック結合手段
44 廻り縁部材
45 差し込み片
46 廻り縁
51 係合部
52 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の壁装材と、
前記壁装材を貼設するべく、枠状に組み立てられていて、該壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段を備えた固定フレームと、
前記固定フレームを枠状に規定して支持する基盤プレートとを含むものからなる壁装材貼設パネルであり、
前記壁装材貼設パネルの裏面側と被取付施工面との間に、前記壁装材貼設パネルを被取付施工面に取り付けるための壁面取付手段を設けてなり、
前記壁面取付手段が、前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対、および前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、面接触によって接合連結される面接合型連結素子対とを含むものからなることを特徴とする壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項2】
前記挟み込み手段が、前記枠状に組み立てられた固定フレームの最外周縁を、前記壁装材によって包み込むべく、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する間隙、および該間隙内に設けた挟み込み素子とを含むものからなることを特徴とする請求項1に記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項3】
前記固定フレームが、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなり、前記成型部材が、フレーム上部材と、前記フレーム上部材に対して組立連結手段を介して組立られるフレーム下部材とを含み、組み立てた際、前記フレーム上部材とフレーム下部材との間に、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段のための間隙を形成するものからなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項4】
前記固定フレームが、長尺成型材から得られる成型部材の組み合わせでなり、前記成型部材が、フレーム上部材と、前記フレーム上部材に対して折り曲げ部を介して一体的に連結されたフレーム下部材とを含み、前記折り曲げ部で折り曲げた際、前記フレーム上部材とフレーム下部材との間に、前記固定フレームの外周縁側部に外方に向けて開口する前記挟み込み手段のための間隙を形成するものからなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項5】
前記壁面取付手段における嵌合型連結素子対が、前記壁装材貼設パネルの裏面側に設けられ左右方向にのびる係合部と、被取付施工面側に設けられ左右方向にのびる係止部とからなり、前記係合部は、長手方向を軸として、前記係止部に回動可能に係止されるものからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項6】
前記壁面取付手段における嵌合型連結素子対が、前記固定フレームにおけるフレーム下部材の裏面に、その長さ方向に沿って一体的に設けた凸条と、前記凸条を挟み込み状に受け入れる受入溝を備えた嵌合型レール部材とからなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項7】
前記壁面取付手段における面接合型連結素子対が、前記固定フレームにおけるフレーム下部材の平坦な裏面に設けた一方型の面ファスナーと、前記被取付施工面側に取り付けられる面接合型レール部材の平坦な面に設けた他方型の面ファスナーとからなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の壁装材貼設パネルの取付構造。
【請求項8】
シート状の壁装材と、前記壁装材を貼設するべく、枠状に組み立てられていて、該壁装材の周縁端部を挟み込み状に固定する挟み込み手段を備えた固定フレームと、前記固定フレームを枠状に規定して支持する基盤プレートとを含むものからなる壁装材貼設パネルを準備する工程と、
前記壁装材貼設パネルを被取付施工面に取り付けるための壁面取付手段であって、前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、嵌め合わせによって嵌合連結される嵌合型連結素子対、および前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた、面接触によって接合連結される面接合型連結素子対を準備し、前記嵌合型連結素子対を構成する嵌合型レール部材、および面接合型連結素子対を構成する面接合型レール部材を被取付施工面に取り付ける工程と、
前記壁装材貼設パネルにおける上辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた嵌合型連結素子対を介して嵌合連結し、しかる後、前記壁装材貼設パネルにおける少なくとも下辺の裏面側と前記被取付施工面との間に設けた面接合型連結素子対を介して接合連結する工程とからなることを特徴とする壁装材貼設パネルの取付施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−46924(P2009−46924A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215716(P2007−215716)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【出願人】(000148151)株式会社川島織物セルコン (104)
【Fターム(参考)】