説明

壁面構造体

【課題】断熱材層の上に塗膜層を設けた建築物外壁において、仕上外観の意匠性を高めるとともに、長期にわたり安定した美観性を維持する。
【解決手段】建築物外壁面を構成する基材に対し、断熱材層、塗膜層を順に積層する。当該塗膜層は下塗材塗膜及び装飾性塗膜によって構成する。前記下塗材塗膜は、外層がガラス転移温度−20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−80〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)を含む下塗材によって形成されたもの、前記装飾性塗膜は、装飾性塗材によって多色模様及び/または凹凸模様が形成されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な壁面構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、商業施設、集合住宅、戸建住宅等の建築物においては、高断熱化・高気密化によって、冷暖房費の節約を図り、省資源化を実現しようとする動きが盛んである。
一般に、断熱設計を施していない建築物では、冬期の暖房時には屋根、床、窓、壁等の部位から室内の熱が逃げ、夏期の冷房時にはこれら部位から屋外の熱が侵入してしまう。このような熱損失の約3分の1は壁面に起因すると言われている。そのため、建築物の省資源化を実現するには、室内と屋外を隔てる外壁の高断熱化が不可欠であり、外壁表面に断熱性材料を設けた壁面構造が種々提案されている。一例として、建築物外壁表面に、ポリスチレンフォームやフェノールフォーム等による断熱材層を設け、さらに塗膜を設けた壁面構造が知られている(例えば特許文献1等)。
しかしながら、このような壁面構造では、温度変化等によって断熱材が膨張伸縮しやすいため、塗膜層に割れ、剥れ等の欠陥が生じるおそれがある。また、特許文献1等に記載の塗膜層は、単調な色調のものが殆どであり、意匠性には乏しいのが現状である。
【0003】
【特許文献1】特開2002−235386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、建築物外壁に断熱材を設け、その上に塗膜層を設けた場合において、その仕上外観における意匠性を高めるとともに、長期にわたり安定した美観性を維持することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、建築物外壁面を構成する基材に対し、断熱材層、塗膜層が順に積層された壁面構造体において、塗膜層を特定の下塗材塗膜と装飾性塗膜によって形成させることに想到し、本発明を完成させるに到った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.建築物外壁面を構成する基材に対し、断熱材層、塗膜層が順に積層された壁面構造体において、
当該塗膜層は下塗材塗膜及び装飾性塗膜を有し、
前記下塗材塗膜は、外層がガラス転移温度−20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−80〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)を含む下塗材によって形成されたものであり、
前記装飾性塗膜は、装飾性塗材によって多色模様及び/または凹凸模様が形成されたものであることを特徴とする壁面構造体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の壁面構造体では、仕上外観における意匠性を高めることができ、さらには長期にわたり安定した美観性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0009】
本発明の壁面構造体は、建築物外壁面を構成する基材に対し、断熱材層、塗膜層が順に積層されたものである。このうち基材は、建築物外壁面を構成するものである。具体的には、コンクリート、モルタル、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、プラスチックボード、硬質木片セメント板、レンガ、タイル、等が用いられる。このような基材は、既存塗膜層等を有するものであってもよい。
【0010】
断熱材層は、外壁面に断熱性を付与するものである。断熱材層としては、断熱性能を有する各種材料が使用できるが、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等の発泡有機樹脂断熱材が好適である。このような発泡有機樹脂断熱材は、熱伝導率が低く、優れた断熱性能を有する。板状の発泡有機樹脂断熱材は、接着剤や金具等を用いて基材に固定化することができる。断熱材層の厚みは特に限定されないが、通常5〜150mm程度である。
【0011】
断熱材層と塗膜層の間には、ポリマーセメント層及び/または網状体からなる補強層を設けることもできる。このような補強層を設けることにより、積層体の強度、耐久性、割れ防止性等を高めることができる。補強層においては、ポリマーセメント層に網状体が埋め込まれた形態が好適である。
【0012】
本発明における塗膜層は、下塗材塗膜及び装飾性塗膜を有するものである。このうち、下塗材塗膜は、外層がガラス転移温度−20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−80〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)(以下「(A)成分」という)を含む下塗材によって形成されるものである。この下塗材塗膜は、塗膜層の下地への密着性を確保し、経時的な割れ、剥れ、膨れ等を防止する効果、下地の表面状態を整え、装飾性塗膜の仕上がり性を高める効果等を有する。
【0013】
本発明では、下塗材においてこのような(A)成分を使用することにより、下地への追従性、密着性等において安定した性能を確保することができる。さらには、耐水性、耐候性等においても優れた効果を得ることができ、美観性保持の点で有利である。(A)成分における外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
【0014】
(A)成分の外層にカルボキシル基を生成させるためには、外層を構成するモノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを使用すればよい。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分の樹脂固形分に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。このようなカルボキシル基は、密着性向上に寄与するものである。
【0015】
(A)成分の外層は、上記カルボキシル基含有モノマーと(メタ)アクリル酸エステル、必要に応じその他のモノマーとの共重合体である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他のモノマーとしては、例えばアミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。このうち、(メタ)アクリル酸エステルとしてt−ブチル(メタ)アクリレートを使用すれば、密着性が高まり、塗膜の膨れ発生防止、剥れ発生防止の点で有利である。
【0016】
(A)成分の外層のTgは、通常−20〜100℃、好ましくは−10〜60℃である。Tgが上記範囲から外れる場合は、十分な密着性を得ることができない。また、Tgが低すぎると装飾性塗膜に割れが発生しやすくなり、Tgが高すぎると下塗材塗膜が下地に対して追従し難くなる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式によって求められる値である。
【0017】
(A)成分の内層には、環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂と、Tg−80〜20℃のアクリル樹脂を含む。本発明では、(A)成分の内層がこのような特定2種の樹脂によって構成されることにより、下地への追従性、密着性において優れた性能を発揮することができる。内層におけるシリコーン樹脂とアクリル樹脂の重量比率は、通常70:30〜1:99、好ましくは60:40〜3:97である。また、内層におけるアクリル樹脂のTgは、外層におけるアクリル樹脂のTgよりも低い(好ましくは10℃以上低い)ことが望ましい。
【0018】
このうち、シリコーン樹脂は、環状シロキサン化合物を重合して得られるものである。環状シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
【0019】
(A)成分の内層を構成するアクリル樹脂のTgは−80〜20℃(好ましくは−60〜10℃)に設定する。内層のアクリル樹脂におけるTgがこのような範囲から外れる場合は、十分な密着性を得ることができない。また、このTgが低すぎる場合は、装飾性塗膜に割れが発生しやすくなり、Tgが高すぎる場合は、下塗材塗膜の下地への追従性が不十分となる。(A)成分の内層を構成するアクリル樹脂は、Tgがこのような範囲内となるように、(メタ)アクリル酸エステルと必要に応じその他のモノマーを共重合体して得ることができる。
【0020】
(A)成分の内層におけるこれら2種の樹脂の形態は特に限定されず、相互に均一に混ざり合った形態であってもよく、シリコーン樹脂が内部・アクリル樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂が内部・シリコーン樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂中にシリコーン樹脂が分散した形態、シリコーン樹脂中にアクリル樹脂が分散した形態等であってもよい。
【0021】
(A)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂の水分散物の存在下で、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合した後、外層を構成するアクリル樹脂を乳化重合する方法等を採用することができる。
【0022】
下塗材には、上記(A)成分以外の合成樹脂エマルション、水溶性樹脂等が含まれていてもよい。また、着色顔料、体質顔料等が含まれていてもよい。
【0023】
本発明では、上述の成分に加え、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤(B)(以下「(B)成分」という)を使用することができる。このような(B)成分は、塗膜の密着性向上等に寄与するものである。
【0024】
(B)成分における、カルボキシル基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明では特にエポキシ基が好適である。
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを挙げることもできる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0025】
(B)成分の混合量は、使用する(B)成分の反応性の程度等にもよるが、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
【0026】
下塗材を着色する場合には、着色顔料を用いて適宜調色を行えばよい。この際、下塗材の色調を、装飾性塗材に近似した色相(共色)に設定しておけば、下塗材塗膜が露出した場合であっても違和感のない仕上りとなる。しかも、本発明における下塗材は、耐候性においても優れた性能を有するため、露出部分の劣化、変色等を抑制することができる。
また、本発明では、下塗材塗膜を装飾性塗膜の目地部として露出させることもできる。この場合には、所望の目地色に合わせて下塗材の色調を適宜選定すればよい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等を使用することができる。
【0027】
下塗材塗膜は、上記下塗材を公知の方法で塗装することによって形成できる。塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。下塗材塗膜の塗付け量は、下塗材の形態にもよるが、通常は0.05〜0.5kg/m程度である。塗装時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。下塗材の乾燥は通常、常温で行えばよい。
【0028】
塗膜層における装飾性塗膜は、装飾性塗材によって多色模様及び/または凹凸模様が形成されたものである。このような装飾性塗材としては、多色模様及び/または凹凸模様が形成可能なものであれば、特に制限されず使用することができる。なお、ここに言う多色模様とは、少なくとも2色以上の色彩が視認可能な状態で混在する模様のことである。また、凹凸模様とは、概ね0.2〜5mm程度の高低差を有する表面模様のことである。
【0029】
装飾性塗材の具体例としては、(1)石材調仕上塗材、(2)JIS K5667の多彩模様塗料、(3)JIS A6909の薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材等が挙げられる。
【0030】
(1)石材調仕上塗材
石材調仕上塗材は、骨材の発色によって多色模様が形成可能な塗材であり、構成成分として合成樹脂エマルション及び骨材を必須成分とする塗材である。このうち、合成樹脂エマルションとしては、例えば酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。
【0031】
骨材としては、通常、粒子径0.05〜5mmの骨材を使用する。かかる骨材としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭等の粉砕物を使用することもできる。さらに、これらの表面を、顔料、染料、釉薬等で表面処理を行うことにより着色コーティングしたもの等も使用できる。このような骨材の2種以上を適宜組み合せて使用することにより、種々の多色模様を表出することができる。
骨材は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常100〜4000重量部、好ましくは150〜3000重量部、より好ましくは200〜2000重量部の比率で混合する。骨材の混合比率がこのような範囲内であれば、形成塗膜の意匠性、ひび割れ防止性等の点において好適である。
【0032】
石材調仕上塗材には、上記以外の成分を混合することができる。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、繊維、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
【0033】
石材調仕上塗材の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、コテ塗り、刷毛塗り等が可能であり、1種または2種以上の塗材を重ねて塗付してもよい。このような石材調仕上塗材では、塗装器具や塗装条件等を適宜選択・調整することで、種々の凹凸模様を付与することもできる。また、塗膜乾燥後に凸部をサンダー等で切削処理することも可能である。
石材調仕上塗材の塗付け量は、通常1〜10kg/m程度である。塗装時には水等の希釈剤を混合して、塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。石材調仕上塗材の乾燥は通常、常温で行えばよい。
【0034】
(2)多彩模様塗料
多彩模様塗料は、液状またはゲル状の2色以上の色粒が分散媒に懸濁したものである。これらは(1)水中油型(O/W型)、(2)油中水型(W/O型)、(3)油中油型(O/O型)、(4)水中水型(W/W型)に分類することができる。このうち、水中油型(O/W型)及び水中水型(W/W型)の多彩模様塗料については、いずれも分散媒が水性であり、環境面等において好ましいものである。
【0035】
多彩模様塗料における色粒は、樹脂と着色剤、及び必要に応じ各種添加剤等を含む着色塗料が、分散媒中に粒状に分散されたものである。
着色塗料中の樹脂としては、塗料のビヒクルとして作用するものであればよく、公知の樹脂を特に制限なく使用することができる。このような樹脂としては、例えば、アクリル、ウレタン、酢酸ビニル、アクリル酢酸ビニル、アクリルウレタン、アクリルシリコン、フッ素、ポリビニルアルコール、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸誘導体、セルロース誘導体等が挙げられる。これら樹脂の形態は、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、水溶性樹脂、水分散性樹脂等のいずれであってもよい。また、これら樹脂は、硬化剤や硬化触媒によって架橋可能な官能基を有するものであってもよい。
【0036】
なお、上記樹脂が溶剤可溶型樹脂及び/または非水分散型樹脂である場合は、溶剤型着色塗料が得られ、これを水性分散媒に分散させると水中油型(O/W型)の多彩模様塗料となる。また、上記樹脂が水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂である場合は、水性着色塗料が得られ、これを水性分散媒に分散させると水中水型(W/W型)の多彩模様塗料となる。
【0037】
着色塗料中の着色剤としては、一般的に塗料に配合可能なものを使用することができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0038】
着色塗料においては、公知の塗料用添加剤を適宜使用することができる。このような添加剤としては、例えば、粘性調整剤、架橋剤、触媒、充填剤、繊維類、顔料分散剤、造膜助剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、可塑剤、艶消剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、防黴剤、防腐剤等が挙げられる。
【0039】
着色塗料を粒状に分散させる方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、分散安定剤等を含む水性分散媒に、着色塗料を分散させる方法等を採用することができる。
分散安定剤は、着色塗料を粒状に安定化せしめる成分であり、着色塗料の種類等に応じて選定することができる。分散安定剤の具体例としては、例えば、着色塗料の架橋剤として作用する成分等が挙げられる。このような成分としては、例えば、エポキシ類、イソシアネート類、アミン類、アルコシシシラン類、有機チタネート類、アルミニウムキレート類、マグネシウム塩類、カルシウム塩類、バリウム塩類、アルミニウム塩類、ナトリウム塩類、カリウム塩類、ホウ酸塩類、リン酸塩類等が挙げられる。この他、分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、セルロースアセテートフタレート、ベントナイト、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ペクチン、キサンタンガム、澱粉等を使用することもできる。
【0040】
色粒の粒子径や形状は、適宜設定することができる。具体的には、製造時における攪拌羽根の形状、攪拌槽に対する攪拌羽根の大きさや位置、攪拌羽根の回転速度、着色塗料の粘性、分散安定剤の添加方法や濃度、水性分散媒の粘性等を適宜選択・調整すればよい。
色粒の粒子径は、特に限定されないが、通常0.01〜10mm(好ましくは0.1〜5mm)程度である。
【0041】
多彩模様塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を採用することができる。多彩模様塗料を用いて凹凸模様を表出する場合には、下塗材によって所望の凹凸模様を形成させた後に、多彩模様塗料の塗装を行えばよく、例えば特開平8−173899号公報に記載の方法等を採用することができる。また、目地棒や目地型枠等を用いて、タイル調模様、幾何学的模様等を形成させることもできる。
多彩模様塗料の塗付量は、通常は0.2〜1kg/m程度である。塗付時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。多彩模様塗料の乾燥は通常、常温で行えばよい。
【0042】
(3)薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材
JIS A6909に規定されている薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材は、合成樹脂エマルションを結合剤とし、これに着色顔料、体質顔料、骨材、及びその他混和剤(分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して得ることができるものである
【0043】
このうち、合成樹脂エマルションとしては、例えば酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を使用することができる。
【0044】
着色顔料としては、例えば、前記下塗材において例示したもの等を使用することができる。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することで、所望の色彩を表出することができる。着色顔料の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常1〜300重量部(好ましくは2〜200重量部)程度である。
【0045】
体質顔料は、主に増量剤として作用するものであり、厚膜の塗膜形成に有効にはたらく成分である。体質顔料の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。かかる体質顔料の粒子径は、通常50μm未満(好ましくは0.5μm以上50μm未満)である。体質顔料の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常10〜1000重量部(好ましくは20〜500重量部)程度である。
【0046】
骨材としては、例えば、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が使用できる。かかる骨材の粒子径は、通常0.05〜5mmである。骨材の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常10〜2000重量部(好ましくは30〜1500重量部)程度である。
【0047】
このような塗材の塗装においては、塗装器具の種類とその使用方法を適宜選定することで、種々の凹凸模様、例えば砂壁状、ゆず肌状、繊維壁状、さざ波状、スタッコ状、凹凸状、月面状、櫛引状、虫喰状等の模様を形成することができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、コテ等が使用できる。この際、塗材が乾燥するまでに塗面をデザインローラー、コテ、刷毛、櫛、へら等で処理することで、種々の凹凸模様を形成させることもできる。また、色彩の異なる2種以上の塗材を組み合わせて多色模様を形成することも可能である。
塗付け量は、形成される模様の種類等にもよるが、通常は0.3〜10kg/m程度である。塗装時には水等の希釈剤を混合して、塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。乾燥は通常、常温で行えばよい。
【0048】
本発明では、下塗材塗膜及び装飾性塗膜層を積層して得られる塗膜層の上に、必要に応じクリヤー層を設けることもできる。このようなクリヤー層は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等を結合材とするクリヤー塗料によって形成することができる。このようなクリヤー層は、公知の艶消し剤等によって艶の程度を調整することができる。また、本発明の効果を阻害しない限り、着色を施すこともできる。
【実施例】
【0049】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0050】
(下塗材1の製造)
下記樹脂1を65重量部、造膜助剤6.5重量部、増粘剤2.5重量部、酸化チタン60重量%分散液4.2重量部、黄色酸化鉄60重量%分散液13重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液0.2重量部、弁柄60重量%分散液1.8重量部、水6重量部、消泡剤0.8重量部を常法により均一に混合して、下塗材1を製造した。
【0051】
・樹脂1:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg5℃、構成成分;メチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、アクリル樹脂(Tg−35℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂と内層アクリル樹脂の重量比18:82、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
【0052】
(下塗材2の製造)
下記樹脂2を65重量部、造膜助剤6.5重量部、増粘剤2.5重量部、酸化チタン60重量%分散液4.2重量部、黄色酸化鉄60重量%分散液13重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液0.2重量部、弁柄60重量%分散液1.8重量部、水6重量部、消泡剤0.8重量部を常法により均一に混合して、下塗材2を製造した。
【0053】
・樹脂2:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg5℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、アクリル樹脂(Tg−35℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂と内層アクリル樹脂の重量比18:82、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
【0054】
(下塗材3の製造)
下記樹脂3を65重量部、造膜助剤6.5重量部、増粘剤2.5重量部、酸化チタン60重量%分散液4.2重量部、黄色酸化鉄60重量%分散液13重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液0.2重量部、弁柄60重量%分散液1.8重量部、水6重量部、消泡剤0.8重量部を常法により均一に混合して、下塗材3を製造した。
【0055】
・樹脂3:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg5℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;アクリル樹脂(Tg−35℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比50:50、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
【0056】
(下塗材4の製造)
下記樹脂4を65重量部、造膜助剤6.5重量部、増粘剤2.5重量部、酸化チタン60重量%分散液4.2重量部、黄色酸化鉄60重量%分散液13重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液0.2重量部、弁柄60重量%分散液1.8重量部、水6重量部、消泡剤0.8重量部を常法により均一に混合して、下塗材4を製造した。
【0057】
・樹脂4:アクリル樹脂エマルション(Tg−10℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中))
【0058】
(多彩模様塗料1の製造)
・黒色粒子分散液1
まず、容器内に下記樹脂5を85.0重量部仕込み、攪拌羽根の回転速度を1800rpmとして攪拌を行いながら、造膜助剤8.3重量部、水5.7重量部、ゲル化剤として硫酸アルミニウム0.5重量部、消泡剤0.5重量部を均一に混合することにより、水性分散媒1を製造した。
次に、別の容器内に樹脂5を40.0重量部仕込み、攪拌羽根の回転速度を1800rpmとして攪拌を行いながら、造膜助剤4.0重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液12.0重量部、ゲル形成物質としてカルボキシメチルセルロース2重量%水溶液43.5重量部、消泡剤0.5重量部を均一に混合することにより黒色水性塗料1を製造した。
上述の水性分散媒1(100重量部)に対し、黒色水性塗料1を100重量部加えて分散(攪拌羽根の回転速度;600rpm)することにより、粒径約2mmの黒色粒子が分散した黒色粒子分散液1を得た。
【0059】
・褐色粒子分散液1
容器内に樹脂5を40.0重量部を仕込み、攪拌羽根の回転速度を1800rpmとして攪拌を行いながら、造膜助剤4.0重量部、酸化チタン60重量%分散液3.5重量部、黄色酸化鉄60重量%分散液11.5重量部、黒色酸化鉄50重量%分散液0.2重量部、弁柄60重量%分散液1.5重量部、ゲル形成物質としてカルボキシメチルセルロース2重量%水溶液43.5重量部、消泡剤0.5重量部を均一に混合することにより褐色水性塗料1を製造した。この褐色水性塗料1と上記黒色水性塗料1との色差は40であった。
上述の水性分散媒1(100重量部)に対し、褐色水性塗料1を100重量部加えて分散(攪拌羽根の回転速度;1600rpm)することにより、粒径約1mmの褐色粒子が分散した褐色粒子分散液1を得た。
【0060】
以上の方法で得られた黒色粒子分散液1と褐色粒子分散液1とを2:8の重量比率にて混合することにより、多彩模様塗料1を得た。
【0061】
・樹脂5:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体、ガラス転移温度:35℃、固形分:50重量%)
【0062】
(石材調仕上塗材1の製造)
樹脂5を200重量部用意し、これに対し粒子径0.1〜2mmの着色骨材混合物(黒色:褐色=2:8)を380重量部、造膜助剤18重量部、増粘剤5重量部、消泡剤3重量部を常法により均一に混合して、石材調仕上塗材1(表中では「石調塗材1」と表記)を製造した。
【0063】
(試験例1)
スレート板上に板状のポリスチレンフォームを貼りつけたものを塗装対象の基材とした。 この基材の全面に対し、下塗材1を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗装し、2時間養生後、装飾性塗材として多彩模様塗料1を塗付け量0.4kg/mでスプレー塗装し、7日間養生した。なお、以上の工程はすべて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)下で行った。
【0064】
・耐候性試験
上記方法で作製した試験体(60×40mm)を耐候性試験に供した。耐候性試験は、促進耐候性試験機「メタルウェザー」(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を用い、光照射4時間・結露4時間(計8時間)を1サイクルとして80サイクルまで実施した。評価は、80サイクル後の塗膜外観を観察し、異常が認められなかったものを「A」、色変化、膨れ、剥れ等が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。試験結果を表1に示す。
【0065】
・追従性試験
上記方法で作製した試験体(300×150mm)について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜表面の状態を観察した。評価は、異常が認められなかったものを「A」、膨れ、剥れ等が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。試験結果を表1に示す。
【0066】
・密着性試験
上記方法で作製した試験体(300×150mm)を50℃の温水に6時間浸漬した後、試験体中央部の塗膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価は、異常が認められなかったものを「A」、剥れが認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。試験結果を表1に示す。
【0067】
(試験例2〜5)
下塗材、装飾性塗材として、それぞれ表2に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を実施した。試験結果を表2に示す。なお、試験例5における装飾性塗材の塗付け量は1kg/mとした。
【0068】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物外壁面を構成する基材に対し、断熱材層、塗膜層が順に積層された壁面構造体において、
当該塗膜層は下塗材塗膜及び装飾性塗膜を有し、
前記下塗材塗膜は、外層がガラス転移温度−20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−80〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)を含む下塗材によって形成されたものであり、
前記装飾性塗膜は、装飾性塗材によって多色模様及び/または凹凸模様が形成されたものであることを特徴とする壁面構造体。

【公開番号】特開2008−274699(P2008−274699A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121894(P2007−121894)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(000180287)エスケー化研株式会社 (227)
【Fターム(参考)】