説明

変位量検出機構及びこれを備えた斜軸式油圧ポンプ

【課題】 外形寸法を大きくせず、しかも、0点調整が容易な変位量検出機構を提供する。
【解決手段】 複数本のバネを直列に接続し、前記バネ間の接続部の変位をセンサにて検知することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の変位量を検出する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の変位量検出機構は、図4に示すように、シリンダ1内にピストン2を備え、ピストン2の先端部からシリンダ1の上部を貫通して設けられた棒状の部材3の変位量をシリンダ1の内部上方に設けられた検出器4で検出することにより、ピストン2の変位量を検出する構造をしている。例えば、斜軸式ポンプの傾転角を測定する場合には、斜軸式ポンプ5の揺動部分をピストン2と接続して傾転角を測定する。従って、測定対象物の変位量が大きい場合には、検出機構を備えた装置自体の寸法が大きくなり、装置への実装に対して適当でない場合がある。
また、図示された変位量検出機構の場合、検出器4からの出力信号のための基準となる0点の調整が煩わしいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本願発明は外形寸法を大きくせず、しかも、0点調整が容易な変位量検出機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本願発明は、請求項1記載の通り、複数本のバネを直列に接続し、前記バネ間の接続部の変位をセンサにて検知することを特徴とする。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記センサは、ポテンショメーターであることを特徴とする。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の変位量検出機構を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、変位量検出装置の外形寸法をコンパクトにするとともに、0点調整を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施の変位量検出機構の説明図
【図2】図1の変形例の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の斜軸式のピストンポンプの説明図
【図4】従来の変位量検出機構の説明図
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1に示される変位量検出機構は、シリンダ1内にピストン2を備えており、ピストン2の上面に1本のバネ6を接続し、板材7を介して、その上に2本のバネ8,9を並列にして設けて、これら2本8,9のバネの端部をシリンダ1の内壁の上端に接続されて構成される。
図示したものでは、斜軸式のピストンポンプ5の傾転角を測定するために、斜軸式のピストンポンプの揺動方向に併せてピストン2が接続されている。そして、このピストン2の変位量を、上記板材7の変位により測定する。具体的には、板材7の上端からシリンダ1の上部を貫通して設けられた棒状の部材3の変位量を、シリンダ1の上部に設けられた検出器4により検出する。
これにより、斜軸式ポンプの揺動する変位を直接測定する場合に比べて、板材の変位は小さくなるので検出機構の外形をコンパクトにすることができる。
【0008】
図2は、図1に示した機構の変形例であり、揺動運動用ポテンショメータにより変位量を測定するものである。揺動用ポテンショメータにより揺動角を測定するために、図示されたものでは、円盤状の部材10a,10bを円筒部材10cの両端面に設け、円筒状部材10cの側面の長手方向に沿って傾斜した溝10dを設け、この溝10dとポテンショメータ10fとを棒状部材10eにより接続して、この棒状部材10eが前記溝10d内で左右に移動するに伴い、揺動用ポテンショメータ10fが左右に揺動して揺動角を測定する構成をしたものである。尚、円盤状10a,10bの部材のそれぞれは、図1と同様に、バネ6及びバネ8,9に接続されている。また、図2においては、ポテンショメーター10fの初期位置を機構の外側から調整できるように、2本のバネ8、9の弾発力をシリンダ1の外側に設けられた調整ねじ12により調整できるようにしているので、0点調整が容易となる。尚、この機構は、図1に示した機構にも適用することができる。
【0009】
上記図2で示した機構を、斜軸式のピストンポンプに接続した例を図3に示す。
図3に示すように、ポンプ13の揺動角(傾転角α)に併せて、変位量検出機構のピストン2がシリンダ1内を移動することができるように、ポンプ13のポンプ傾転作動用ピストン14に、バネ15とバネ16とを直列に接続し、バネ15,16間の接続部に図2で説明した機構を設けて、ポテンショメーター10fで測定することにより、ポンプ13の傾転角αを、変位W1に変換し、この変位W1を前記機構により揺動角度α'として測定することにより、斜軸式のピストンポンプの揺動角の検出機構の外形をコンパクトにすることが可能となる。
【符号の説明】
【0010】
1 シリンダ
2 ピストン
3 棒状の部材
4 検出器
5 斜軸式ポンプ
6 バネ
7 板材
8,9 バネ
10f ポテンショメーター
12 調整機構
13 斜軸式ポンプ
14 傾転作動用ピストン
15,16 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のバネを直列に接続し、前記バネ間の接続部の変位をセンサにて検知することを特徴とする変位量検出機構。
【請求項2】
前記センサは、ポテンショメーターであることを特徴とする請求項1記載の変位量検出機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の変位量検出機構を備えたことを特徴とする斜軸式油圧ポンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−98051(P2012−98051A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243388(P2010−243388)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(591005693)ボッシュ・レックスロス株式会社 (27)
【Fターム(参考)】