説明

外国語と母国語を同時に聞く、外国語学習法

【課題】 外国語を学習する際に最も困難となる外国語の聞き取りを容易にするために、外国語の音節を音として記憶することができる学習教材を提供する。
【解決手段】 外国語を聞き取れない理由は、言語によって使用される音節が異なるためである。
幼児期に外国語を学んでいない人は、外国語を聞いたときにも、母国語の音節に照らし合わせて聞き取ろうとしてしまう。
ステレオヘッドホンを使用して、左耳から外国語を聞かせ、同時に右耳から同じ意味の母国語を聞かせることで、外国語の音節を音として記憶することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語の修得をより容易にするものである。
【背景技術】
【0002】
読み書きを中心とした単語と文法重視の外国語学習法。この方法では、外国語で会話ができるようにはならない。
外国語をできるだけ多く聞く、聞き取り重視の外国語学習法。意味を理解できないまま外国語を聞き続けるのは困難が伴い、修得には長期間を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外国語を聞き取ることができない理由は、言語によって使用される音節が異なるためである。
音節とは、言葉を発するときの音の最小単位であり、言葉を聞き取るときも音節で区切りながら聞き取っている。
言葉を学ぶときに最初に覚えなければならないことは、その言語がどのような音節で成り立っているかである。
言葉を修得していない幼児期では、聞こえて来るものはすべて音である。幼児は、言葉を繰返し聞くことで、言葉がどのような音の組合せで成り立っているかを学んでいき、やがて、聞こえてくる音の中から言葉を識別することができるようになる。
言葉を聞き取れるようになると、言葉の意味を学ぶ段階へと進むことになる。しかし、この段階になると、徐々に新しい音節を覚えることができなくなり、やがて、外国語を聞いたときも母国語の音節に照らし合わせて聞き取ろうとするようになる。外国語の修得が成長と共に困難になるのはこのためである。
幼児期に外国語を学んでいない人にとって、言葉とは母国語の音節でのみ構成されるものであり、それ以外は雑音として無意識に除外してしまう。
本発明の解決しようとする課題は、外国語の音節を音として覚えることを可能とし、外国語の修得を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
左耳で外国語を聞きながら、同じ意味の母国語を右耳で同時に聞くことで、外国語固有の音節を音として覚えることを可能にする。
人間の脳は、左脳と右脳とに分かれていて、それぞれ異なる機能を有している。左脳は論理的な思考や分析を受け持ち、右脳は直観的なひらめきや感覚、知覚を受け持つ。
幼児は、まず右脳を使い言葉の音節を音として記憶していく。やがて、右脳で記憶した音節をたよりに、左脳を使い言葉を分析し、言葉の意味を分類するようになる。成長するとともに、言葉は左脳のみで処理されるようになり、右脳はほとんど使われなくなる。
人間の左半身は右脳で制御され、右半身は左脳で制御されている。外国語を左耳で聞き、同時に同じ意味の母国語を右耳で聞くと、外国語は右脳に直接届き、母国語は左脳に直接届く。左脳は母国語を言葉として処理しその意味を理解する。同時に右脳は外国語を音として処理し、外国語特有の音節を音として記憶する。
最初は、右耳から聞こえる母国語にだけ意識が集中してしまい、左耳から聞こえる外国語を聞き取れない状態が続く。しかし、右脳による音の記憶は、左脳による言葉の理解に比べるとはるかに単純な作業であり、無意識に行なわれるので、意識が母国語に集中している状態でも、右脳は外国語を音として記憶することができる。
続けていると、左耳から聞こえる外国語にも意識を向けることができるようになってくる。
左耳から聞こえる外国語を聞き取れるようになれば、文字で表示された外国語を目で追って確認しながら行なうとより効果的である。
【発明の効果】
【0005】
この方法により、外国語を母国語の音節に照らし合わせて聞き取ろうとすることなく、外国語の音節を右脳を使って音として覚えることが可能になる。
外国語の音節を音として記憶できれば、外国語のみを聞いたときにも正確に聞き取れるようになる。
母国語を聞いて意味を理解しながら外国語の聞き取りを学習するので、意味が分からずに退屈することもなく、意味を調べるために中断する必要もない。
外国語の学習を幼児期から始める必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ステレオ音声の映像記録または音声記録の教材を作成する。
左側音声には外国語(3)を記録し、右側音声には同じ意味の母国語(4)を記録して、ステレオヘッドホン(2)を使用した使用者(1)が、外国語(3)と母国語(4)を同時に聞けるようにする。
映像記録(5)では、外国語の字幕(6)を表示して、視覚からも情報を得られるようにする。
音声記録では、テキストを使って文字でも外国語を確認できるようにする。
必要に応じて、単語の意味、文法などの言語学的情報を確認できるようにする。
ステレオ音声が出力可能な、次のような従来からある学習教材での利用が可能である。
磁気テープやDVD、CDなどの記録メディアでの販売、貸出。テレビ、ラジオでの放送。
CD−ROM、DVD−ROMを使った、テレビゲーム。
インターネットによる配信。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の使用状態を示す図である。
母国語を日本語、外国語を英語とした場合である。
【符合の説明】
【0008】
1 使用者
2 ステレオヘッドホン
3 左側から聞こえる外国語
4 右側から聞こえる母国語
5 動画または挿絵
6 外国語の字幕
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステレオヘッドホンを使用して、左の耳から外国語を、右の耳から母国語を同時に聞きながら、文字で表示された外国語を目で追う外国語学習方。