外枠
【課題】外枠の剛性を高めることができ、かつ、リサイクルをすることができる外枠を実現する。
【解決手段】外枠20を構成する右側板21はアルミニウムにより形成されている。右側板21の外側の板面21aには、リブ21cが上下方向に形成されており、内側の板面21qには、リブ21k,21mが上下方向に形成されている。また、リブ21kから前方へ間隔を置いた箇所には、突出部21jが上下方向に形成されており、突出部21jの前面21j1は遊技盤5の右側端5aの後面5dと当接している。
【解決手段】外枠20を構成する右側板21はアルミニウムにより形成されている。右側板21の外側の板面21aには、リブ21cが上下方向に形成されており、内側の板面21qには、リブ21k,21mが上下方向に形成されている。また、リブ21kから前方へ間隔を置いた箇所には、突出部21jが上下方向に形成されており、突出部21jの前面21j1は遊技盤5の右側端5aの後面5dと当接している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機をパチンコホールの所定個所に設置するための外枠に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来のパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図であり、図10は、図9に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。
従来のパチンコ機1は、パチンコ機1をパチンコホールの島設備に取付けるための外枠8を備える。外枠8は、枠状に構成されており、上部に配置された天板8aと、底部に配置された底板8bと、天板8aおよび底板8bの各右端間を連結する右側板8cと、天板8aおよび底板8bの各左端間を連結する左側板8dと、右側板8cおよび左側板8dの各前面下端間を連結する幕板8eとを備える。天板8a、底板8b、右側板8c、左側板8dおよび幕板8eは、それぞれ木製で板状に形成されている。
【0003】
外枠8の左上角であって天板8aの左端と左側板8dの上端との連結部には、金属製の蝶番15が取付けられている。蝶番15の前端寄りの部分には、前枠セット2がヒンジ軸16を介して回動可能に軸支されている。前枠セット2には遊技盤5が設けられており、遊技盤5は、前枠セット2の開口部に設けられたガラス3によって覆われている。遊技盤5には、図示しない入賞口、始動口、普通電動役物および変動入賞装置などが設けられており、盤面には遊技球の流下経路を変化させる多数の遊技釘が打ち込まれている。
【0004】
前枠セット2の右下には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置を操作するための発射ハンドル4が設けられており、発射ハンドル4には、発射装置の発射強度を調節するための発射レバー4aが回動可能に設けられている。ガラス3の下方の前枠セット2には、排出口6bから排出される賞球および貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aと、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、パチンコ機1に併設されたプリペイド記録媒体読取装置(図示せず)に挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0005】
上受け皿6の下方には、上受け皿6から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7の底部には遊技球を排出するための球抜き孔7bが開閉可能に形成されており、下受け皿7の前端には、球抜き孔7bを開閉させる球抜きレバー7aがスライド可能に設けられている。また、前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14と、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。
【0006】
図10に示すように、パチンコ機1の裏面には裏セット40が設けられている。裏セット40の上部には、パチンコ機1が設置された島設備から供給される遊技球を貯留するための球タンク41が設けられている。球タンク41の下方にはカバー42が設けられており、そのカバー42の内部には、主制御基板が収容された主制御基板ケース(図示せず)などが設けられている。主制御基板には、入賞の検出、大当りかハズレかの判定などを行うマイクロコンピュータが搭載されている。
【0007】
カバー42の右方には、賞球を払出す賞球払出装置45が設けられている。カバー42の下方には、発射装置を制御する発射制御基板が収容された発射制御基板ケース(図示せず)43と、賞球払出装置45を制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ケース44とが設けられている。また、裏セット40には、パチンコ機1にAC24Vを供給するための電源プラグ46が接続されている。前枠セット2および裏セット40は、外枠8に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−043639号公報(第32〜34段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前述した従来の外枠8は木製で板状の部材を組み付けて構成されているため、剛性が低いという問題がある。
したがって、従来の外枠8は、最近のパチンコ機の重量化に伴い、歪みやすいので、外枠8と遊技盤5との間に隙間が生じやすい。
たとえば、図11は、図10に示すパチンコ機1の右側板8cと遊技盤5との配置関係を示す斜視図であるが、図示のように、右側板8cと遊技盤5の右端との間に隙間Sが生じる。このような隙間Sが生じると、その隙間Sからワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがある。たとえば、大当りの発生時に開閉作動する変動入賞装置の開閉部材を、挿入したワイヤーによって開放させ、大入賞口を強制的に開口させるという不正行為が起きるおそれがある。
【0010】
さらに、従来の外枠8は木製であるため、パチンコ機1の機種が変わって外枠8が適合しなくなった場合にリサイクルすることができないという問題もある。
【0011】
そこで、この発明は、上記の諸問題を解決するために創作されたものであり、外枠の剛性を高めることができ、かつ、リサイクルをすることができる外枠を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、パチンコ機(1)をパチンコホールの所定個所に設置するための枠状の外枠(20)において、板面(21a,21q,22a,22q)に上下方向に形成された複数のリブ(21c,21k,21m,22c,22k,22m)と、内側の板面(21q,22q)において上端から下端に亘って突出した突出部(21j,22j)とを有し、金属または合成樹脂により形成された側板(21,22)を両側に備えるという技術的手段を用いる。
【0013】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の外枠(20)において、前記突出部(21j,22j)の前面(21j1,22j1)が、前記パチンコ機(1)に備えられた遊技盤(5)の側端(5a,5b)の後面(5d)と重なるように配置されているという技術的手段を用いる。
【0014】
請求項3に係る発明では、請求項1に記載の外枠(20)において、前記突出部(21j,22j)の後面(21j2,22j2)が、前記パチンコ機(1)に備えられた遊技盤(5)の側端(5a,5b)の前面(5c)と重なるように配置されているという技術的手段を用いる。
【0015】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明の外枠を実施すれば、板面に上下方向に形成された複数のリブと、内側の板面において上端から下端に亘って突出した突出部とを有する側板を両側に備えるため、外枠の剛性を高めることができる。
したがって、外枠とパチンコ機との間に隙間が発生し難いため、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起き難い。
さらに、両側に備えられた側板は金属または合成樹脂により形成されているため、側板をリサイクルすることができる。
【0017】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明の外枠を実施すれば、突出部の前面が、パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の後面と重なるように配置されているため、側板の端部と遊技盤の端部との間に隙間が形成されないので、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0018】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明の外枠を実施すれば、突出部の後面が、パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の前面と重なるように配置されているため、側板の端部と遊技盤の端部との間に隙間が形成されないので、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係る外枠20の正面図である。
【図2】図1に示す外枠20の上方右角部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示す外枠20を構成する右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示す外枠20を構成する左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図3に示す右側板21に遊技盤5の右端が当接した状態を示す斜視図である。
【図6】図4に示す左側板22に遊技盤5の左端が当接した状態を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態における右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。
【図8】第2実施形態における左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【図9】従来のパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図10】図9に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。
【図11】図10に示すパチンコ機1の右側板8cと遊技盤5との配置関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
この発明の実施形態に係る外枠について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係る外枠20の正面図である。図2は図1に示す外枠20の上方右角部を拡大して示す斜視図である。図3は図1に示す外枠20を構成する右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。図4は図1に示す外枠20を構成する左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。なお、この実施形態に係る外枠に取付けるパチンコ機は、前述した従来のパチンコ機1と同じであるため、同じ符号を用いる。
【0021】
図1に示すように、この実施形態に係る外枠20は枠状に構成されており、上部に配置された天板23と、底部に配置された底板24と、天板23および底板24の各右端間を連結する右側板21と、天板23および底板24の各左端間を連結する左側板22と、右側板21および左側板22の各前面の下端間を連結する幕板25および補強部材28とを備える。この実施形態では、天板23、底板24および幕板25は、それぞれ木製で板状に形成されており、右側板21および左側板22および補強部材28は、それぞれアルミニウムにより形成されている。
【0022】
図2に示すように、天板23の右端と右側板21の上端とは、連結金具31によって連結されている。連結金具31は、板状の金属製部材をL字型に屈曲させた形状に形成されており、その屈曲させた一方の屈曲片31aが天板23の上面23aに当接し、他方の屈曲片31bが右側板21の外側の板面21aに当接している。連結金具31は、ビス33によって天板23および右側板21に固定されている。天板23の後端には、切欠部23bが形成されている。
【0023】
天板23の左端と左側板22の上端とは、金属製の上蝶番29によって連結されている。上蝶番29は、蝶番と連結金具とを兼用している。底板24および幕板25の各左端と左側板22の下端とは、L字型の連結金具30によって連結されている。幕板25の左端の上面には、金属製の下蝶番34が固定されている。底板24および幕板25の各右端と右側板21の下端とは、L字型の連結金具32によって連結されている。パチンコ機1の左上角および左下角は、ヒンジ(図示省略)を介して上蝶番29および下蝶番34に回動可能に軸支される。右側板21の前面の上下には、パチンコ機1の裏面に設けられた係止爪(図示省略)を係止するための鍵受け金具26,27が取付けられている。
【0024】
図3に示すように、右側板21の外側の板面21aであってその後部には、溝21hが上下方向に形成されている。この溝21hにより、外側の後端に凸状のリブ21cが上下方向に形成されている。リブ21cは、溝21hの上端21iから下端に亘って形成されている。内側の板面21qであってその後端には、板状のリブ21mが上下方向に形成されており、そのリブ21mから前方に間隔を置いて板状のリブ21kが上下方向に形成されている。リブ21m,21kは、それぞれ内側の上端21dから下端に亘って形成されている。また、リブ21m,21kは平行に配置されており、それらの先端間は、板状部21nによって連結されている。リブ21m,21kおよび板状部21nによって囲まれた部分には、空間21pが形成されている。
【0025】
上述したように、右側板21の外側には、リブ21cが上下方向に形成されており、かつ、内側には、リブ21k,21mが上下方向に形成されているため、外枠20の剛性を高めることができる。しかも、リブ21m,21kの先端間が板状部21nによって連結されているため、リブ21m,21kの撓みが抑制されるので、外枠20の剛性をより一層高めることができる。しかも、右側板21はアルミニウムにより形成されているため、リサイクルすることができる。
【0026】
また、内側の板面21qには、リブ21kから前方に間隔を置いて突出部21jが形成されている。突出部21jは、板状に形成されており、内側の板面21qの上端から下端に亘って突出している。図5に示すように、突出部21jの前面21j1は、パチンコ機1の遊技盤5の右側端5aの後面5dと当接する位置に形成されている。
したがって、右側板21と遊技盤5の右端との間に隙間が生じることがないため、その隙間から遊技盤5の盤面へワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0027】
図4に示すように、左側板22の外側の板面22aであってその後部には、溝22hが上下方向に形成されている。この溝22hにより、外側の後端に凸状のリブ22cが上下方向に形成されている。リブ22cは、溝22hの上端22iから下端に亘って形成されている。内側の板面22qであってその後端には、板状のリブ22mが上下方向に形成されており、そのリブ22mから前方に間隔を置いて板状のリブ22kが上下方向に形成されている。リブ22m,22kは、それぞれ内側の上端22dから下端に亘って形成されている。また、リブ22m,22kは平行に配置されており、それらの先端間は、板状部22nによって連結されている。リブ22m,22kおよび板状部22nによって囲まれた部分には、空間22pが形成されている。
【0028】
上述したように、左側板22の外側には、リブ22cが上下方向に形成されており、かつ、内側には、リブ22k,22mが上下方向に形成されているため、外枠20の剛性を高めることができる。しかも、リブ22m,22kの先端間が板状部22nによって連結されているため、リブ22m,22kの撓みが抑制されるので、外枠20の剛性をより一層高めることができる。しかも、左側板22はアルミニウムにより形成されているため、リサイクルすることができる。
【0029】
また、内側の板面22qには、リブ22kから前方に間隔を置いて突出部22jが形成されている。突出部22jは、板状に形成されており、内側の板面22qの上端22dから下端に亘って突出している。図6に示すように、突出部22jの前面22j1は、パチンコ機1の遊技盤5の左側端5bの後面5dと当接する位置に形成されている。
したがって、左側板22と遊技盤5の左端との間に隙間が生じることがないため、その隙間から遊技盤5の盤面へワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0030】
[第2実施形態]
次に、この発明の第2実施形態について図を参照して説明する。
図7は右側板21の上部を拡大して示す斜視図であり、図8は左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【0031】
図7に示すように、この実施形態に係る外枠20を構成する右側板21は、前述した第1実施形態の右側板21と比較すると、外側の後部に形成された溝21hに加えて前部に溝21rが上下方向に形成されている点が異なる。この溝21rにより、右側板21の外側の前端にリブ21sが上下方向に形成されている。このリブ21sにより、外枠20の前端における剛性が高められている。また、右側板21の内側の後方に形成されたリブ21kの先端からは、リブ21tが後方へ延びており、このリブ21tにより、外枠20の後端における剛性が高められている。
【0032】
図8に示すように、この実施形態に係る外枠20を構成する左側板22は、前述した第1実施形態の左側板22と比較すると、外側の後部に形成された溝22hに加えて前部に溝22rが上下方向に形成されている点が異なる。この溝22rにより、左側板22の外側の前端にリブ22sが上下方向に形成されている。このリブ22sにより、外枠20の前端における剛性が高められている。また、左側板22の内側の後方に形成されたリブ22kの先端からは、リブ22tが後方へ延びており、このリブ22tにより、外枠20の後端における剛性が高められている。
【0033】
〈他の実施形態〉
(1)右側板21に形成された突出部21jの後面21j2がパチンコ機1の遊技盤5の前面5cと当接し、左側板22に形成された突出部22jの後面22j2が遊技盤5の前面5cと当接するように外枠20を構成することもできる。
【0034】
(2)右側板21および左側板22を合成樹脂により形成することもできる。また、外枠20の全体をアルミニウムなどの金属または合成樹脂により形成することもできる。突出部21j,22jを右側板21および左側板22とは別体で形成して取付けることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1・・パチンコ機、5・・遊技盤、5a・・右側端、5b・・左側端、5c・・前面、
5d・・後面、20・・外枠、21・・右側板(側板)、21a,21q・・板面、
21c,21k,21m・・リブ、21j・・突出部、21j1・・前面、
21j2・・後面、22・・左側板(側板)、22a,22q・・板面、
22c,22k,22m・・リブ、22j・・突出部、22j1・・前面、
22j2・・後面、23・・天板、24・・底板、25・・幕板、
26,27・・鍵受け金具、28・・補強部材、29・・上蝶番、
30〜32・・連結金具、33・・ビス、34・・下蝶番。
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機をパチンコホールの所定個所に設置するための外枠に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来のパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図であり、図10は、図9に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。
従来のパチンコ機1は、パチンコ機1をパチンコホールの島設備に取付けるための外枠8を備える。外枠8は、枠状に構成されており、上部に配置された天板8aと、底部に配置された底板8bと、天板8aおよび底板8bの各右端間を連結する右側板8cと、天板8aおよび底板8bの各左端間を連結する左側板8dと、右側板8cおよび左側板8dの各前面下端間を連結する幕板8eとを備える。天板8a、底板8b、右側板8c、左側板8dおよび幕板8eは、それぞれ木製で板状に形成されている。
【0003】
外枠8の左上角であって天板8aの左端と左側板8dの上端との連結部には、金属製の蝶番15が取付けられている。蝶番15の前端寄りの部分には、前枠セット2がヒンジ軸16を介して回動可能に軸支されている。前枠セット2には遊技盤5が設けられており、遊技盤5は、前枠セット2の開口部に設けられたガラス3によって覆われている。遊技盤5には、図示しない入賞口、始動口、普通電動役物および変動入賞装置などが設けられており、盤面には遊技球の流下経路を変化させる多数の遊技釘が打ち込まれている。
【0004】
前枠セット2の右下には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置を操作するための発射ハンドル4が設けられており、発射ハンドル4には、発射装置の発射強度を調節するための発射レバー4aが回動可能に設けられている。ガラス3の下方の前枠セット2には、排出口6bから排出される賞球および貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aと、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、パチンコ機1に併設されたプリペイド記録媒体読取装置(図示せず)に挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0005】
上受け皿6の下方には、上受け皿6から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7の底部には遊技球を排出するための球抜き孔7bが開閉可能に形成されており、下受け皿7の前端には、球抜き孔7bを開閉させる球抜きレバー7aがスライド可能に設けられている。また、前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14と、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。
【0006】
図10に示すように、パチンコ機1の裏面には裏セット40が設けられている。裏セット40の上部には、パチンコ機1が設置された島設備から供給される遊技球を貯留するための球タンク41が設けられている。球タンク41の下方にはカバー42が設けられており、そのカバー42の内部には、主制御基板が収容された主制御基板ケース(図示せず)などが設けられている。主制御基板には、入賞の検出、大当りかハズレかの判定などを行うマイクロコンピュータが搭載されている。
【0007】
カバー42の右方には、賞球を払出す賞球払出装置45が設けられている。カバー42の下方には、発射装置を制御する発射制御基板が収容された発射制御基板ケース(図示せず)43と、賞球払出装置45を制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ケース44とが設けられている。また、裏セット40には、パチンコ機1にAC24Vを供給するための電源プラグ46が接続されている。前枠セット2および裏セット40は、外枠8に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−043639号公報(第32〜34段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前述した従来の外枠8は木製で板状の部材を組み付けて構成されているため、剛性が低いという問題がある。
したがって、従来の外枠8は、最近のパチンコ機の重量化に伴い、歪みやすいので、外枠8と遊技盤5との間に隙間が生じやすい。
たとえば、図11は、図10に示すパチンコ機1の右側板8cと遊技盤5との配置関係を示す斜視図であるが、図示のように、右側板8cと遊技盤5の右端との間に隙間Sが生じる。このような隙間Sが生じると、その隙間Sからワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがある。たとえば、大当りの発生時に開閉作動する変動入賞装置の開閉部材を、挿入したワイヤーによって開放させ、大入賞口を強制的に開口させるという不正行為が起きるおそれがある。
【0010】
さらに、従来の外枠8は木製であるため、パチンコ機1の機種が変わって外枠8が適合しなくなった場合にリサイクルすることができないという問題もある。
【0011】
そこで、この発明は、上記の諸問題を解決するために創作されたものであり、外枠の剛性を高めることができ、かつ、リサイクルをすることができる外枠を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、パチンコ機(1)をパチンコホールの所定個所に設置するための枠状の外枠(20)において、板面(21a,21q,22a,22q)に上下方向に形成された複数のリブ(21c,21k,21m,22c,22k,22m)と、内側の板面(21q,22q)において上端から下端に亘って突出した突出部(21j,22j)とを有し、金属または合成樹脂により形成された側板(21,22)を両側に備えるという技術的手段を用いる。
【0013】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の外枠(20)において、前記突出部(21j,22j)の前面(21j1,22j1)が、前記パチンコ機(1)に備えられた遊技盤(5)の側端(5a,5b)の後面(5d)と重なるように配置されているという技術的手段を用いる。
【0014】
請求項3に係る発明では、請求項1に記載の外枠(20)において、前記突出部(21j,22j)の後面(21j2,22j2)が、前記パチンコ機(1)に備えられた遊技盤(5)の側端(5a,5b)の前面(5c)と重なるように配置されているという技術的手段を用いる。
【0015】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明の外枠を実施すれば、板面に上下方向に形成された複数のリブと、内側の板面において上端から下端に亘って突出した突出部とを有する側板を両側に備えるため、外枠の剛性を高めることができる。
したがって、外枠とパチンコ機との間に隙間が発生し難いため、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起き難い。
さらに、両側に備えられた側板は金属または合成樹脂により形成されているため、側板をリサイクルすることができる。
【0017】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明の外枠を実施すれば、突出部の前面が、パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の後面と重なるように配置されているため、側板の端部と遊技盤の端部との間に隙間が形成されないので、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0018】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明の外枠を実施すれば、突出部の後面が、パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の前面と重なるように配置されているため、側板の端部と遊技盤の端部との間に隙間が形成されないので、その隙間からワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係る外枠20の正面図である。
【図2】図1に示す外枠20の上方右角部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示す外枠20を構成する右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示す外枠20を構成する左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図3に示す右側板21に遊技盤5の右端が当接した状態を示す斜視図である。
【図6】図4に示す左側板22に遊技盤5の左端が当接した状態を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態における右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。
【図8】第2実施形態における左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【図9】従来のパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図10】図9に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。
【図11】図10に示すパチンコ機1の右側板8cと遊技盤5との配置関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
この発明の実施形態に係る外枠について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係る外枠20の正面図である。図2は図1に示す外枠20の上方右角部を拡大して示す斜視図である。図3は図1に示す外枠20を構成する右側板21の上部を拡大して示す斜視図である。図4は図1に示す外枠20を構成する左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。なお、この実施形態に係る外枠に取付けるパチンコ機は、前述した従来のパチンコ機1と同じであるため、同じ符号を用いる。
【0021】
図1に示すように、この実施形態に係る外枠20は枠状に構成されており、上部に配置された天板23と、底部に配置された底板24と、天板23および底板24の各右端間を連結する右側板21と、天板23および底板24の各左端間を連結する左側板22と、右側板21および左側板22の各前面の下端間を連結する幕板25および補強部材28とを備える。この実施形態では、天板23、底板24および幕板25は、それぞれ木製で板状に形成されており、右側板21および左側板22および補強部材28は、それぞれアルミニウムにより形成されている。
【0022】
図2に示すように、天板23の右端と右側板21の上端とは、連結金具31によって連結されている。連結金具31は、板状の金属製部材をL字型に屈曲させた形状に形成されており、その屈曲させた一方の屈曲片31aが天板23の上面23aに当接し、他方の屈曲片31bが右側板21の外側の板面21aに当接している。連結金具31は、ビス33によって天板23および右側板21に固定されている。天板23の後端には、切欠部23bが形成されている。
【0023】
天板23の左端と左側板22の上端とは、金属製の上蝶番29によって連結されている。上蝶番29は、蝶番と連結金具とを兼用している。底板24および幕板25の各左端と左側板22の下端とは、L字型の連結金具30によって連結されている。幕板25の左端の上面には、金属製の下蝶番34が固定されている。底板24および幕板25の各右端と右側板21の下端とは、L字型の連結金具32によって連結されている。パチンコ機1の左上角および左下角は、ヒンジ(図示省略)を介して上蝶番29および下蝶番34に回動可能に軸支される。右側板21の前面の上下には、パチンコ機1の裏面に設けられた係止爪(図示省略)を係止するための鍵受け金具26,27が取付けられている。
【0024】
図3に示すように、右側板21の外側の板面21aであってその後部には、溝21hが上下方向に形成されている。この溝21hにより、外側の後端に凸状のリブ21cが上下方向に形成されている。リブ21cは、溝21hの上端21iから下端に亘って形成されている。内側の板面21qであってその後端には、板状のリブ21mが上下方向に形成されており、そのリブ21mから前方に間隔を置いて板状のリブ21kが上下方向に形成されている。リブ21m,21kは、それぞれ内側の上端21dから下端に亘って形成されている。また、リブ21m,21kは平行に配置されており、それらの先端間は、板状部21nによって連結されている。リブ21m,21kおよび板状部21nによって囲まれた部分には、空間21pが形成されている。
【0025】
上述したように、右側板21の外側には、リブ21cが上下方向に形成されており、かつ、内側には、リブ21k,21mが上下方向に形成されているため、外枠20の剛性を高めることができる。しかも、リブ21m,21kの先端間が板状部21nによって連結されているため、リブ21m,21kの撓みが抑制されるので、外枠20の剛性をより一層高めることができる。しかも、右側板21はアルミニウムにより形成されているため、リサイクルすることができる。
【0026】
また、内側の板面21qには、リブ21kから前方に間隔を置いて突出部21jが形成されている。突出部21jは、板状に形成されており、内側の板面21qの上端から下端に亘って突出している。図5に示すように、突出部21jの前面21j1は、パチンコ機1の遊技盤5の右側端5aの後面5dと当接する位置に形成されている。
したがって、右側板21と遊技盤5の右端との間に隙間が生じることがないため、その隙間から遊技盤5の盤面へワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0027】
図4に示すように、左側板22の外側の板面22aであってその後部には、溝22hが上下方向に形成されている。この溝22hにより、外側の後端に凸状のリブ22cが上下方向に形成されている。リブ22cは、溝22hの上端22iから下端に亘って形成されている。内側の板面22qであってその後端には、板状のリブ22mが上下方向に形成されており、そのリブ22mから前方に間隔を置いて板状のリブ22kが上下方向に形成されている。リブ22m,22kは、それぞれ内側の上端22dから下端に亘って形成されている。また、リブ22m,22kは平行に配置されており、それらの先端間は、板状部22nによって連結されている。リブ22m,22kおよび板状部22nによって囲まれた部分には、空間22pが形成されている。
【0028】
上述したように、左側板22の外側には、リブ22cが上下方向に形成されており、かつ、内側には、リブ22k,22mが上下方向に形成されているため、外枠20の剛性を高めることができる。しかも、リブ22m,22kの先端間が板状部22nによって連結されているため、リブ22m,22kの撓みが抑制されるので、外枠20の剛性をより一層高めることができる。しかも、左側板22はアルミニウムにより形成されているため、リサイクルすることができる。
【0029】
また、内側の板面22qには、リブ22kから前方に間隔を置いて突出部22jが形成されている。突出部22jは、板状に形成されており、内側の板面22qの上端22dから下端に亘って突出している。図6に示すように、突出部22jの前面22j1は、パチンコ機1の遊技盤5の左側端5bの後面5dと当接する位置に形成されている。
したがって、左側板22と遊技盤5の左端との間に隙間が生じることがないため、その隙間から遊技盤5の盤面へワイヤーを挿入して強制的に賞球を払出させる不正行為が起きるおそれがない。
【0030】
[第2実施形態]
次に、この発明の第2実施形態について図を参照して説明する。
図7は右側板21の上部を拡大して示す斜視図であり、図8は左側板22の上部を拡大して示す斜視図である。
【0031】
図7に示すように、この実施形態に係る外枠20を構成する右側板21は、前述した第1実施形態の右側板21と比較すると、外側の後部に形成された溝21hに加えて前部に溝21rが上下方向に形成されている点が異なる。この溝21rにより、右側板21の外側の前端にリブ21sが上下方向に形成されている。このリブ21sにより、外枠20の前端における剛性が高められている。また、右側板21の内側の後方に形成されたリブ21kの先端からは、リブ21tが後方へ延びており、このリブ21tにより、外枠20の後端における剛性が高められている。
【0032】
図8に示すように、この実施形態に係る外枠20を構成する左側板22は、前述した第1実施形態の左側板22と比較すると、外側の後部に形成された溝22hに加えて前部に溝22rが上下方向に形成されている点が異なる。この溝22rにより、左側板22の外側の前端にリブ22sが上下方向に形成されている。このリブ22sにより、外枠20の前端における剛性が高められている。また、左側板22の内側の後方に形成されたリブ22kの先端からは、リブ22tが後方へ延びており、このリブ22tにより、外枠20の後端における剛性が高められている。
【0033】
〈他の実施形態〉
(1)右側板21に形成された突出部21jの後面21j2がパチンコ機1の遊技盤5の前面5cと当接し、左側板22に形成された突出部22jの後面22j2が遊技盤5の前面5cと当接するように外枠20を構成することもできる。
【0034】
(2)右側板21および左側板22を合成樹脂により形成することもできる。また、外枠20の全体をアルミニウムなどの金属または合成樹脂により形成することもできる。突出部21j,22jを右側板21および左側板22とは別体で形成して取付けることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1・・パチンコ機、5・・遊技盤、5a・・右側端、5b・・左側端、5c・・前面、
5d・・後面、20・・外枠、21・・右側板(側板)、21a,21q・・板面、
21c,21k,21m・・リブ、21j・・突出部、21j1・・前面、
21j2・・後面、22・・左側板(側板)、22a,22q・・板面、
22c,22k,22m・・リブ、22j・・突出部、22j1・・前面、
22j2・・後面、23・・天板、24・・底板、25・・幕板、
26,27・・鍵受け金具、28・・補強部材、29・・上蝶番、
30〜32・・連結金具、33・・ビス、34・・下蝶番。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ機をパチンコホールの所定箇所に設置するための枠状の外枠において、
板面に上下方向に形成された複数のリブと、内側の板面において上端から下端に亘って突出した突出部とを有し、金属または合成樹脂により形成された側板を両側に備えることを特徴とする外枠。
【請求項2】
前記突出部の前面が、前記パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の後面と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の外枠。
【請求項3】
前記突出部の後面が、前記パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の前面と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の外枠。
【請求項1】
パチンコ機をパチンコホールの所定箇所に設置するための枠状の外枠において、
板面に上下方向に形成された複数のリブと、内側の板面において上端から下端に亘って突出した突出部とを有し、金属または合成樹脂により形成された側板を両側に備えることを特徴とする外枠。
【請求項2】
前記突出部の前面が、前記パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の後面と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の外枠。
【請求項3】
前記突出部の後面が、前記パチンコ機に備えられた遊技盤の側端の前面と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の外枠。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−42892(P2013−42892A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182111(P2011−182111)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]