説明

外科用噛み切りパンチ

外科用パンチは、それらの基端で結合された上顎部及び下顎部を含んでいる。両顎部はそれらの末端に切縁を有しており、該切縁は両顎部の末端から両顎部の基端への方向に切断するように構成されている。切断軌跡の回転中心は、下顎部の最初の切断ポイントよりも上に配置されていることができる。上顎部は、逆向きに後退して傾斜する先端縁を含んでいることができる。両顎部は、互いにスライド可能に結合されていることができる。結合部材は、可動顎部を作動ロッドに結合するためのピン及びスロットを含んでいることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療装置、特に外科用噛み切りパンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半月板は、大腿骨と頸骨との間の膝関節の周辺面に位置する、線維軟骨のC字形状の片である。各膝には、内側半月及び外側半月の2つの半月板が存在する。2つの半月板は、衝撃を吸収し、かつ、関節にのしかかる体重の力をより大きな領域に分散させる。それらはまた、膝の靱帯を安定させる。大多数の半月板は、ほとんど血液供給を有していない。その理由のため、半月板は、損傷したときに他の組織ほど素早く治癒しない。加えて、半月板は、時間が経つのにつれて劣化し始め、しばしば退行性の裂け目を発展させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、半月板が損傷したとき、裂け片が関節内で異常移動し始める。関節の骨同士の間の空間が非常に小さいことから、半月板組織の異常移動片が移動すると、それが大腿骨と頸骨との間に引っかかるおそれがある。通常、この状態では、裂け片を除去することが必要である。外科医は、裂け目を除去するために「噛み切り(biter)」とよく称されている器具を使用することができる。該器具は、その両切縁が一般に半円あるいは四角の形状であって開閉する両顎部の一部分であることから、噛み切りと称されている。したがって、切縁は、顎部が閉じられたときに半円あるいは四角形状の半月板片を切断して噛み切りを実行する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの特色において、第1の切縁を有する第1の顎部と第2の切縁を有する第2の顎部と結合部材とを含む外科用パンチが存在している。前記結合部材は、前記第1及び第2の切縁の基端部分に配置され、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成されている。さらに、前記両顎部は、該両顎部が互いの方へ移動させられたときに、該両顎部の末端から基端の方への切断を生じさせるように構成されている。
【0005】
他の例において、外科用パンチは、1つ以上の以下の特徴を含んでいることができる。前記第1の切縁の一部は、前記第2の切縁よりも末の方に配置されていることができる。前記第1の切縁が第1の末部分をさらに含んでいることができ、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第1の末部分は、その末端において前記第2の顎部に最も近く、その基端において前記第2の顎部から最も遠い。前記第2の切縁が第2の末部分をさらに含んでいることができ、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第2の末部分は、その末端において前記第1の顎部に最も近く、その基端において前記第1の顎部から最も遠い。
【0006】
外科用パンチはまた、前記結合部材の外側に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントを含んでいることができる。前記第1の顎部が上顎部とされることができ、前記第2の顎部が下顎部とされることができ、該外科用パンチは、前記第2の切縁の初期切断ポイントよりも上に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに含んでいることができる。前記第1の顎部が、後退するように傾斜を有する先端縁をさらに含んでいることができる。前記先端縁が、半月板と該半月板に関連する大腿顆との間に前記第1の顎部をガイドするように構成されていることができる。
【0007】
前記結合部材が旋回ピンを含んでいることができる。前記結合部材がピンなしヒンジを含むことができ、前記第1の顎部が前記第2の顎部にスライド可能に結合されている。前記結合部材が、弧状フランジ及び弧状溝の一方を含んでいることができる。
【0008】
外科用パンチは、前記結合部材が以下のような構成をさらに備えるように構成されていることができる。
前記両顎部の一方が少なくとも1つの第1の弧状フランジを備え、前記両顎部の他方が少なくとも1つの第1の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが、前記第1の顎部を前記第2の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第1の弧状溝にスライド可能に配置され、前記第1の顎部が、前記第2の顎部の方へ旋回移動できるとともに前記第2の顎部から離れる方へ旋回移動でき、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが前記少なくとも1つの第1の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第1の弧状溝が、前記第2の顎部に対する位置に固定された第1の曲率中心を有し、
前記第1の顎部及び作動部材の一方が少なくとも1つの第2の弧状フランジを備え、前記第1の顎部及び前記作動部材の他方が少なくとも1つの第2の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが、前記作動部材を前記第1の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第2の弧状溝にスライド可能に配置され、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが前記少なくとも1つの第2の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第2の弧状溝が、前記作動部材に対する位置に固定されるとともに前記第2の顎部に対する位置に固定されない第2の曲率中心を有し、前記両曲率中心の一方が前記第2の固定顎部及び前記作動部材から側方に変位させられ、
(a)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第1の方向に作動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部から離れる方へ開き、(b)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第2の反対方向に移動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部の方へ向かって閉じ、前記第1及び第2の顎部は、前記作動部材を作動させることによって前記両顎部が互いに対して開閉されるのにしたがい、前記第1及び第2の顎部同士の間に配置された人体組織がパンチ動作で切り離され得るように配置されている。
【0009】
前記結合部材はまた、前記第1の顎部及び作動部材に結合されたピンと、前記ピンを受け入れるスロットであって、前記作動部材が作動させられるのにしたがい前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットと、を含んでいることができる。前記スロットが弧状部分を含んでいることができる。前記第1の顎部が可動顎部とされていることができ、前記第2の顎部が固定顎部とされていることができる。前記第1の顎部が固定顎部とされていることができ、前記第2の顎部が可動顎部とされていることができる。前記第1の顎部が、後退するように傾斜を有する先端縁を有する可動顎部を含むことができ、前記第2の顎部が、固定顎部を含むことができ、前記結合部材が、前記第1の顎部を前記第2の顎部にスライド可能に結合する結合部材を含むことができる。前記外科用パンチは、作動部材と、前記第1の顎部を前記作動部材に移動可能に結合するピンと、を含んでいることができる。前記第2の顎部は、前記作動部材が作動させられるのにしたがい、前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットを含むことができ、前記結合部材は、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成されたフランジ及び溝を含むことができる。前記第1の顎部が上顎部とされることができ、前記第2の顎部が下顎部とされることができ、前記結合部材が前記上顎部を前記下顎部に結合する。前記結合部材は、目標組織の予め規定された垂直切断を生じさせるように構成されることができる回転中心を有していることができる。
【0010】
他の特色において、第1の可動顎部と第2の固定顎部と結合部材とを含む外科用パンチが存在している。前記第1の可動顎部が、第1の切縁と、後退するように傾斜を含む先端縁と、を有している。前記第2の固定顎部が、前記第1の切縁の一部よりも基部の方に配置された第2の切縁を有している。前記結合部材が、前記第1の顎部を前記第2の顎部にスライド可能に結合する。前記結合部材が、前記第1及び第2の切縁の基端部分に配置され、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成されている。前記両顎部は、該両顎部が互いの方へ移動させられたときに、該両顎部の末端から基端の方への切断を生じさせるように構成されている。この外科用パンチはまた、上述した特徴のどんな組合せでも含んでいることができる。
【0011】
他の特色において、作動部材と第1の顎部と第2の顎部とピンと結合部材とを含む外科用パンチが存在している。前記第1の顎部は第1の切縁を有している。前記ピンは、前記第1の顎部を前記作動部材に移動可能に結合する。前記第2の顎部は、第2の切縁と、前記作動部材が作動させられるのにしたがい、前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットと、を有している。前記結合部材は、前記第1及び第2の切縁の基端部分に配置されている。前記結合部材は、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成されたフランジ及び溝を含んでいる。この外科用パンチはまた、上述した特徴のどんな組合せでも含んでいることができる。
【0012】
他の特色において、第1の顎部と第2の顎部と結合部材とを含む外科用パンチが存在している。前記上顎部は第1の切縁を有している。前記下顎部は第2の切縁を有している。前記結合部材は前記上顎部を前記下顎部に結合している。前記結合部材は、目標組織の予め規定された垂直切断を生じさせるように構成された回転中心を含んでいる。1つの例において、前記予め規定された切断は、該外科用パンチに関して、前記下顎部に最も近い前記組織の端においてよりも前記上顎部に最も近い前記組織の端において、より末の方とされている。この外科用パンチはまた、上述した特徴のどんな組合せでも含んでいることができる。
【0013】
本発明の1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の説明で明らかになる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面と請求項とから明らかになるであろう。様々な図面における同様の参照符号は、同様のエレメントを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、裂け目210を有する半月板205を修復するのに使用される外科用パンチ100を図示している。外科用パンチ100は、可動上顎部105を含んでおり、該可動上顎部105は、逆向きに傾斜する傾斜先端縁215を有している。言い換えると、末端から基端への先端縁215の傾斜がネガ(負)となっている。この逆傾斜する先端縁215は、矢印225で示されているように、外科医が外科用パンチ100の末端を半月板205と大腿顆220との間にガイドすることを可能にする。先端縁215はまた、外科医が上顎部105を切断処置のために容易に半月板205よりも上に配置することを可能にする。
【0015】
図2を参照すると、外科用パンチ100はまた、固定下顎部110と作動ロッド115とを含んでいる。作動ロッド115は、噛み切りパンチ及び他の類似の外科用器具において一般に見受けられるハサミ状ハンドルのようなハンドル(図示せず)に接続されている。ハンドルは、作動ロッド115を、可動顎部105及び固定顎部110の方へ向かって移動させ、また、それらから離れる方へ向かって移動させる。使用中、作動ロッド115がパンチの末端から離れるように移動させられたとき、両顎部105及び110は互いの方へ向かって移動する(つまり閉じる)。外科医が作動ロッド115を顎部105及び110から離れるように移動させると、上顎部105は下顎部110から離れるように移動する(つまり開く)。上側から見ると、上顎部105は、「U」字形状であり、開口部118を有している。この開口部118は、外科用パンチ100によって切断されることになる目標組織の部分を外科医が見ることができるようにする。
【0016】
上顎部105が移動するのを可能にするため、外科用パンチ100は、スライド結合機構120を含んでいる。スライド機構120は、上顎部105の内壁面に配置された半円形状の溝120aを有している。スライド機構120はまた、下顎部110の外壁面に配置された同じく半円形状の対応するフランジ120bを有している。上顎部105が移動すると、溝120aは、フランジ120bに沿ってスライドするとともに該フランジ120bによってガイドされる。上顎部105を作動ロッド115に接続するため、フィーチャ(feature)125はピン520(図5)を含んでいる。ピン520は、上顎部105の一方の側面から作動ロッド115を貫通して上顎部105の他方の側面まで延びている。このピン520を収容するため、下顎部110は、スロット525(図5)を含んでおり、作動ロッド115の移動にしたがいピン520が上顎部105とともに移動するときに障害物が存在しないようにしている。
【0017】
フィーチャ125におけるピン520は、上顎部105が周りを回転する旋回ピンではない。以下に記載される代替例とは異なり、スライド機構120は旋回ピンを含んでいない。上顎部105がスライドすることから、切断軌跡130は、顎部105及び110の外側にかつそれらよりも上側に、突出した回転中心135を有している。以下により詳細に説明されるように、下顎部110の初期切断ポイントよりも上に突出した回転中心135を有することにより、軌跡130に沿った上顎部105による切断が可能となり、該上顎部105は、顎部105及び110が閉じられたときよりも(図示されているように)顎部105及び110が最も遠く離れているときに、より末の方に位置している。
【0018】
図3は、切断処置を開始する準備のできた、半月板205の周りで開いた位置の顎部105及び110を図示している。半月板205は、ポイント305で頸骨プラトーに付着している。半月板205はまた、(ポイント305を含んでこれよりも上の)垂直な後方縁に沿って付着していることもできる。矢印310は、付着平面から切断軌跡130で外科用パンチ100によってなされる切断部までの、半月板205の上部に沿った距離を示している。同様に、矢印315は、付着平面から切断軌跡130で外科用パンチ100によってなされる切断部までの、半月板205の底部に沿った距離を示している。距離315と距離310との間の差が大きくなればなるほど、残りの半月板がより安定するであろう。上述したように、切断軌跡130のための突出した回転中心135は、外科用パンチ100の下顎部110よりも上に位置している。これは、切断軌跡130が、半月板205の底部においてよりも、半月板205の上部において、より末の方に位置することを意味している。突出した回転中心135が下顎部110よりも上に高くなればなるほど、切断軌跡130は、半月板205の底部と比べて半月板205の上部において、より末の方に位置するであろう。言い換えると、突出した回転中心135が高くなればなるほど、距離310と距離315との間の差が大きくなる。
【0019】
図4A及び4Bは、切断処置中に外科用パンチ100が、どのようにパンチの末端からその基端の方へ組織を切断するかを示している。図4Aを参照すると、顎部105及び110が互いの方へ移動するのにしたがい、上顎部105の切縁405が、下顎部110の切縁410に接触する。切縁405及び410が最初に接触したとき、それらは、パンチ100の末端において、下顎部110の最も末の方のポイントにおいて接触している。切縁405及び410は、組織との最初の接点において鋭利な尖縁に構成されているため、切縁405及び410は最初に、パンチ100に関して裂け目210(図3)よりも末の方の位置において半月板205(図3)に突き刺さる。
【0020】
図4Bを参照すると、顎部105及び110が閉じ続けるのにしたがい、切縁405及び410の末端が互いに重なり合い始める。切縁405及び410が重なり合うのにしたがい、顎部105及び110の末端での重なりが、切縁405及び410の最も末のポイントにおいて始まり、矢印415で示されるように基部の方へ移動する。これはまた、切縁405及び410が、矢印415で示されるようにパンチ100の末端からその基端への方向に組織を切断することを意味している。顎部105及び110の基端同士が重なり合うことにも留意する価値があるかもしれない。顎部105及び110が閉じるのにしたがい、矢印415の方向とは反対である基端から末端への方向に、顎部105及び110の基端での重なりが生じる。任意に配置された点線420は、これを図示するのを補助している。点線420よりも末の方である顎部105及び110の部分は、矢印415で示されるように末から基部への方向に互いに重なり合う切縁405及び410を有している。点線420よりも基部の方である顎部105及び110の部分は、矢印415の反対である基部から末への方向に互いに重なり合う。
【0021】
図5は、切縁405の末部分505と切縁410の末部分510との幾何学的形状を示している。末部分505は、鋭利で、ポジ(正)の、変化する傾斜を有している。上顎部105におけるポジ(正)の傾斜は、顎部105及び110が閉じるのにしたがい、切縁405及び410の重なりが顎部105及び110に関して基部よりも末の方である方向において進行することを確実にする。末部分510は、鋭利で、ネガ(負)の、変化する傾斜を有している。同様に、下顎部110におけるネガ(負)の傾斜は、顎部105及び110が閉じるのにしたがい、切縁405及び410の重なりが顎部105及び110に関して基部よりも末の方である方向において進行することを確実にする。基部よりも末の方である方向での重なりの進行を維持するため、両傾斜は、突出した回転中心135に基づいて構成されていることができる。図1に示されているように、部分505及び510は、顎部105及び110が完全に閉じられたときに、それらが突出しないように構成されている。言い換えると、部分505が下顎部110の底部を越えることはなく、同様に、部分510が上顎部105の上部を越えることはない。
【0022】
図5に戻ってこれを参照すると、さらに図示されているのは、外科用パンチ100の透視図であり、特に、上顎部105を下顎部110に結合するスライド機構120と、上顎部105を作動ロッド115に結合するピン520及びスロット525とが見えている。上述したように、ピン525は、上顎部105と作動ロッド115とに接続されている。外科医が作動ロッド115を作動させるのにしたがい、それは矢印530で示されるように基部方向へ移動させられ、ピン520がスロット525に沿って移動して上顎部105を基部方向に引っ張る。上顎部105が移動するのにしたがい、その湾曲した溝120aが、半円形の路を形成するフランジ120bに乗り上げてこれに沿って移動する。半円形のフランジ120bに沿って移動することは、上顎部105が、突出した回転中心135の周りを回転するようにする。この回転に適合してスロット525も湾曲しており、同一の突出した回転中心135を有している。
【0023】
図6は、噛み切りパンチ600の他の例を示している。噛み切りパンチ600は、固定上顎部605と、結合ピン615に取り付けられた可動下顎部610とを含んでいる。両顎部間の結合がスライド機構ではないため、下顎部610のための回転中心は、ピン615である。この回転中心615は、下顎部610の初期切断ポイントよりも上に位置しており、該初期切断ポイントは、切縁625の末部分620における最も末のポイントである。下顎部610の初期切断ポイントよりも上に位置する回転中心615を有することは、切断軌跡625が、顎部605及び610が閉じているときよりも顎部605及び610が開いているときに、より基部の方に位置するようにする。これは、半月板630の底部における切断が、半月板630の上部における切断よりも、より基部の方に位置することを確実にする。言い換えると、距離635は距離640よりも大きく、外科医が切断処置を完了した後に、より安定した半月板縁が生じることになる。
【0024】
切縁625の末部分620は、末端からその基端までの、鋭利な、ネガ(負)の傾斜を有している。切縁645は、上顎部605の全体に亘って単純なフラットである。他の例では、上顎部605が、上顎部105と類似する鋭いポイントを有していることができる。この構成は、切縁625が最初に、パンチ600に関して裂け目650よりも末の方の位置において、組織との最初の接点で半月板625に突き刺さるようにする。顎部605及び610が閉じ続けるのにしたがい、切縁625の末端が切縁645に重なり合い始める。切縁625が重なり合うのにしたがい、顎部605及び610の末端でのこの重なりが、切縁625の最も末のポイントにおいて始まり、矢印655で示されるように基部の方へ移動する。これはまた、切縁625及び645が、矢印655で示されるようにパンチ600の末端からその基端への方向に組織を切断できることを意味している。
【0025】
本発明のいくつかの実施例が記載された。それにもかかわらず、様々な修正が本発明の思想及び範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されるであろう。単に一例であって他の代替例を制限するものではないが、上顎部の溝と下顎部のフランジとが逆にされて、上顎部がフランジを有するとともに下顎部が溝を有するようにしてもよい。上顎部の「U」字形状は、四角などの異なる幾何学的形状とされていることができる。作動ロッドは、円筒(円柱)形とされていることができる。結合機構は、参照によってここに取り込まれる米国特許第4,712,545号明細書に開示されたもののように、完全にピンなしのものとされていることができ(例えばピン520がない)、作動のために第2の溝/フランジの組を含んでいることができる。外科医あるいはどんな医療関係者でも、半月板以外の組織に外科用パンチを使用することができる。したがって、他の実施例は請求項の範囲内とされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】閉じた顎部を有する外科用パンチの側面図である。
【図2】外科用パンチの斜視図である。
【図3】開いた顎部を有する外科用パンチの側面図である。
【図4A】顎部が閉じようとしている外科用パンチの側面図である。
【図4B】顎部が閉じようとしている外科用パンチの側面図である。
【図5】外科用パンチの透視側面図である。
【図6】外科用パンチの他の例の側面図である。
【符号の説明】
【0027】
100 外科用パンチ
105 上顎部
110 下顎部
115 作動ロッド
118 開口部
120 スライド結合機構
120a 溝
120b フランジ
125 フィーチャ
130 切断軌跡
135 突出した回転中心
205 半月板
210 裂け目
215 先端縁
220 大腿顆
520 ピン
525 スロット
405 切縁
410 切縁
505 末部分
510 末部分
600 噛み切りパンチ
605 上顎部
610 下顎部
615 ピン
620 末部分
625 切縁
625 切断軌跡
630 半月板
645 切縁
650 裂け目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用パンチであって、
第1の切縁を有する第1の顎部と、
第2の切縁を有する第2の顎部と、
前記第1及び第2の切縁の基端部分に配置され、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成された結合部材と、を備え、
前記両顎部は、該両顎部が互いの方へ移動させられたときに、該両顎部の末端から基端の方への切断を生じさせるように構成されている外科用パンチ。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁の一部が、前記第2の切縁よりも末の方に配置されている外科用パンチ。
【請求項3】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁が第1の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第1の末部分は、その末端において前記第2の顎部に最も近く、その基端において前記第2の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項4】
請求項3に記載の外科用パンチにおいて、
前記第2の切縁が第2の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第2の末部分は、その末端において前記第1の顎部に最も近く、その基端において前記第1の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項5】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材の外側に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項6】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が上顎部とされ、前記第2の顎部が下顎部とされ、該外科用パンチは、前記第2の切縁の初期切断ポイントよりも上に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項7】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が、逆向きの傾斜を有する先端縁をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項8】
請求項7に記載の外科用パンチにおいて、
前記先端縁が、半月板と該半月板に関連する大腿顆との間に前記第1の顎部をガイドするようにさらに構成されている外科用パンチ。
【請求項9】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が旋回ピンを備えている外科用パンチ。
【請求項10】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材がピンなしヒンジを備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部にスライド可能に結合されている外科用パンチ。
【請求項11】
請求項10に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、弧状フランジ及び弧状溝の一方を備えている外科用パンチ。
【請求項12】
請求項10に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が以下のような構成をさらに備えている外科用パンチ:
前記両顎部の一方が少なくとも1つの第1の弧状フランジを備え、前記両顎部の他方が少なくとも1つの第1の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが、前記第1の顎部を前記第2の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第1の弧状溝にスライド可能に配置され、前記第1の顎部が、前記第2の顎部の方へ旋回移動できるとともに前記第2の顎部から離れる方へ旋回移動でき、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが前記少なくとも1つの第1の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第1の弧状溝が、前記第2の顎部に対する位置に固定された第1の曲率中心を有し、
前記第1の顎部及び作動部材の一方が少なくとも1つの第2の弧状フランジを備え、前記第1の顎部及び前記作動部材の他方が少なくとも1つの第2の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが、前記作動部材を前記第1の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第2の弧状溝にスライド可能に配置され、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが前記少なくとも1つの第2の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第2の弧状溝が、前記作動部材に対する位置に固定されるとともに前記第2の顎部に対する位置に固定されない第2の曲率中心を有し、前記両曲率中心の一方が前記第2の固定顎部及び前記作動部材から側方に変位させられ、
(a)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第1の方向に作動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部から離れる方へ開き、(b)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第2の反対方向に移動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部の方へ向かって閉じ、前記第1及び第2の顎部は、前記作動部材を作動させることによって前記両顎部が互いに対して開閉されるのにしたがい、前記第1及び第2の顎部同士の間に配置された人体組織がパンチ動作で切り離され得るように配置されている。
【請求項13】
請求項10に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、
前記第1の顎部及び作動部材に結合されたピンと、
前記ピンを受け入れるスロットであって、前記作動部材が作動させられるのにしたがい前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットと、を備えている外科用パンチ。
【請求項14】
請求項13に記載の外科用パンチにおいて、
前記スロットが弧状部分をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項15】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が可動顎部とされ、前記第2の顎部が固定顎部とされている外科用パンチ。
【請求項16】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が固定顎部とされ、前記第2の顎部が可動顎部とされている外科用パンチ。
【請求項17】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が、逆向きの傾斜を含む先端縁を有する可動顎部を備え、
前記第2の顎部が、固定顎部を備え、
前記結合部材が、前記第1の顎部を前記第2の顎部にスライド可能に結合する結合部材を備えている外科用パンチ。
【請求項18】
請求項17に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁が第1の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第1の末部分は、その末端において前記第2の顎部に最も近く、その基端において前記第2の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項19】
請求項18に記載の外科用パンチにおいて、
前記第2の切縁が第2の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第2の末部分は、その末端において前記第1の顎部に最も近く、その基端において前記第1の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項20】
請求項17に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材の外側に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項21】
請求項17に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が上顎部とされ、前記第2の顎部が下顎部とされ、該外科用パンチは、前記第2の切縁の初期切断ポイントよりも上に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項22】
請求項17に記載の外科用パンチにおいて、
前記先端縁が、半月板と該半月板に関連する大腿顆との間に前記第1の顎部をガイドするようにさらに構成されている外科用パンチ。
【請求項23】
請求項17に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材がピンなしヒンジを備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部にスライド可能に結合されている外科用パンチ。
【請求項24】
請求項23に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、弧状フランジ及び弧状溝の一方を備えている外科用パンチ。
【請求項25】
請求項23に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が以下のような構成をさらに備えている外科用パンチ:
前記両顎部の一方が少なくとも1つの第1の弧状フランジを備え、前記両顎部の他方が少なくとも1つの第1の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが、前記第1の顎部を前記第2の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第1の弧状溝にスライド可能に配置され、前記第1の顎部が、前記第2の顎部の方へ旋回移動できるとともに前記第2の顎部から離れる方へ旋回移動でき、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが前記少なくとも1つの第1の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第1の弧状溝が、前記第2の顎部に対する位置に固定された第1の曲率中心を有し、
前記第1の顎部及び作動部材の一方が少なくとも1つの第2の弧状フランジを備え、前記第1の顎部及び前記作動部材の他方が少なくとも1つの第2の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが、前記作動部材を前記第1の顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第2の弧状溝にスライド可能に配置され、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが前記少なくとも1つの第2の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第2の弧状溝が、前記作動部材に対する位置に固定されるとともに前記第2の顎部に対する位置に固定されない第2の曲率中心を有し、前記両曲率中心の一方が前記第2の固定顎部及び前記作動部材から側方に変位させられ、
(a)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第1の方向に作動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部から離れる方へ開き、(b)前記作動部材が前記第2の顎部に対して第2の反対方向に移動させられたときに、前記第1の顎部が前記第2の顎部の方へ向かって閉じ、前記第1及び第2の顎部は、前記作動部材を作動させることによって前記両顎部が互いに対して開閉されるのにしたがい、前記第1及び第2の顎部同士の間に配置された人体組織がパンチ動作で切り離され得るように配置されている外科用パンチ。
【請求項26】
請求項23に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、
前記第1の顎部及び作動部材に結合されたピンと、
前記ピンを受け入れるスロットであって、前記作動部材が作動させられるのにしたがい前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットと、を備えている外科用パンチ。
【請求項27】
請求項26に記載の外科用パンチにおいて、
前記スロットが弧状部分をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項28】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
作動部材と、前記第1の顎部を前記作動部材に移動可能に結合するピンと、をさらに備え、
前記第2の顎部が、前記作動部材が作動させられるのにしたがい前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットを備え、
前記結合部材が、作動させられたときに前記第1及び第2の顎部を互いの方へ移動させるように構成されたフランジ及び溝を備えている外科用パンチ。
【請求項29】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記両顎部は、該両顎部が互いの方へ移動させられたときに、該両顎部の末端から基端の方への切断を生じさせるように構成されている外科用パンチ。
【請求項30】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁の一部が、前記第2の切縁よりも末の方に配置されている外科用パンチ。
【請求項31】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁が第1の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第1の末部分は、その末端において前記第2の顎部に最も近く、その基端において前記第2の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項32】
請求項31に記載の外科用パンチにおいて、
前記第2の切縁が第2の末部分をさらに備え、前記第1の顎部が前記第2の顎部と平行なときに、前記第2の末部分は、その末端において前記第1の顎部に最も近く、その基端において前記第2の顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項33】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材の外側に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項34】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が上顎部とされ、前記第2の顎部が下顎部とされ、該外科用パンチは、前記第2の切縁の初期切断ポイントよりも上に配置された、前記切断についての突出した回転ポイントをさらに備えている外科用パンチ。
【請求項35】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が、逆向きの傾斜を有する先端縁をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項36】
請求項35に記載の外科用パンチにおいて、
前記先端縁が、半月板と該半月板に関連する大腿顆との間に前記第1の顎部をガイドするようにさらに構成されている外科用パンチ。
【請求項37】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が可動顎部とされ、前記第2の顎部が固定顎部とされている外科用パンチ。
【請求項38】
請求項28に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が固定顎部とされ、前記第2の顎部が可動顎部とされている外科用パンチ。
【請求項39】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の顎部が上顎部とされ、前記第2の顎部が下顎部とされ、
前記結合部材は、前記上顎部を前記下顎部に結合し、該結合部材は、目標組織の予め規定された垂直切断を生じさせるように構成された回転中心を含んでいる外科用パンチ。
【請求項40】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記予め規定された切断が、該外科用パンチに関して、前記下顎部に最も近い前記組織の端においてよりも前記上顎部に最も近い前記組織の端において、より末の方とされている外科用パンチ。
【請求項41】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁の一部が、前記第2の切縁よりも末の方に配置されている外科用パンチ。
【請求項42】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記第1の切縁が第1の末部分をさらに備え、前記上顎部が前記下顎部と平行なときに、前記第1の末部分は、その末端において前記下顎部に最も近く、その基端において前記下顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項43】
請求項42に記載の外科用パンチにおいて、
前記第2の切縁が第2の末部分をさらに備え、前記上顎部が前記下顎部と平行なときに、前記第2の末部分は、その末端において前記上顎部に最も近く、その基端において前記上顎部から最も遠い外科用パンチ。
【請求項44】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記回転中心が前記結合部材の外側に配置されている外科用パンチ。
【請求項45】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記回転中心が前記第2の切縁の初期切断ポイントよりも上に配置されている外科用パンチ。
【請求項46】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記上顎部が、逆向きの傾斜を有する先端縁をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項47】
請求項46に記載の外科用パンチにおいて、
前記先端縁が、半月板と該半月板に関連する大腿顆との間に前記上顎部をガイドするようにさらに構成されている外科用パンチ。
【請求項48】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が旋回ピンを備えている外科用パンチ。
【請求項49】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材がピンなしヒンジを備え、前記上顎部が前記下顎部にスライド可能に結合されている外科用パンチ。
【請求項50】
請求項49に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、弧状フランジ及び弧状溝の一方を備えている外科用パンチ。
【請求項51】
請求項49に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が以下のような構成をさらに備えている外科用パンチ:
前記両顎部の一方が少なくとも1つの第1の弧状フランジを備え、前記両顎部の他方が少なくとも1つの第1の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが、前記上顎部を前記下顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第1の弧状溝にスライド可能に配置され、前記上顎部が、前記下顎部の方へ旋回移動できるとともに前記下顎部から離れる方へ旋回移動でき、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジが前記少なくとも1つの第1の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第1の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第1の弧状溝が、前記下顎部に対する位置に固定された第1の曲率中心を有し、
前記上顎部及び作動部材の一方が少なくとも1つの第2の弧状フランジを備え、前記上顎部及び前記作動部材の他方が少なくとも1つの第2の弧状溝を備え、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが、前記作動部材を前記上顎部に旋回可能に結合するように、前記少なくとも1つの第2の弧状溝にスライド可能に配置され、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジが前記少なくとも1つの第2の弧状溝に配置されたときに、前記少なくとも1つの第2の弧状フランジ及び前記少なくとも1つの第2の弧状溝が、前記作動部材に対する位置に固定されるとともに前記下顎部に対する位置に固定されない第2の曲率中心を有し、前記両曲率中心の一方が前記下顎部及び前記作動部材から側方に変位させられ、
(a)前記作動部材が前記下顎部に対して第1の方向に作動させられたときに、前記上顎部が前記第2の顎部から離れる方へ開き、(b)前記作動部材が前記下顎部に対して第2の反対方向に移動させられたときに、前記上顎部が前記下顎部の方へ向かって閉じ、前記上及び下顎部は、前記作動部材を作動させることによって前記両顎部が互いに対して開閉されるのにしたがい、前記上及び下顎部同士の間に配置された人体組織がパンチ動作で切り離され得るように配置されている。
【請求項52】
請求項49に記載の外科用パンチにおいて、
前記結合部材が、
前記上顎部及び作動部材に結合されたピンと、
前記ピンを受け入れるスロットであって、前記作動部材が作動させられるのにしたがい前記ピンの自由な通過を許容するように構成されたスロットと、を備えている外科用パンチ。
【請求項53】
請求項52に記載の外科用パンチにおいて、
前記スロットが弧状部分をさらに備えている外科用パンチ。
【請求項54】
請求項39に記載の外科用パンチにおいて、
前記上顎部が可動顎部とされ、前記下顎部が固定顎部とされている外科用パンチ。
【請求項55】
請求項1に記載の外科用パンチにおいて、
前記上顎部が固定顎部とされ、前記下顎部が可動顎部とされている外科用パンチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−511273(P2006−511273A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563770(P2004−563770)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/040381
【国際公開番号】WO2004/058076
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】