外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具
【課題】本発明は、外装材取付金具に対して外装材端留め付け金具を着脱自在な構成とすることにより無駄のない作業性の優れた外装材取付金具用外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、外装材取付金具1に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具13は、外壁当接面2Aの両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片14と、外壁当接面2Aの略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部15と、外壁当接面2Aの上端に設けられる連結板部16とを備える。
【解決手段】本発明は、外装材取付金具1に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具13は、外壁当接面2Aの両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片14と、外壁当接面2Aの略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部15と、外壁当接面2Aの上端に設けられる連結板部16とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具に関する。詳しくは建築物等の外壁面に外装材を取り付けるための外装材取付金具に着脱自在とされた外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より建築物等の外壁面に外装材を取り付けるための取付金具が提案されており、例えば特許文献1に記載されている。具体的には図6に示すように、取付金具101の両側に一定幅の通気層が確保され、かつ外装材裏側が接し、固定するための外装材受圧面部102と、その内側に、先端部分が下側に折り曲げられた外装材固定部103と、先端部分が上側に折り曲げられた外装材受け部104とから構成されている。
【0003】
ここで、外壁面に取付けられる外装材の下端および上端は複数個の取付金具によって保持されるが、外装材の端部には、例えば図7に示すような取付金具101が使用されている。この取付金具101は、その下方が延設されて、その下端の略中央に立ち上げられた外装材端留め付け金具105が形成されている。
この外装材端留め付け金具105によって外装材の端部を止めて外装材が左右方向にズレない構成とされている。
このように外壁面に外装材を取り付ける場合には、外装材取付金具と外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の2種類の取付金具からの構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3069030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら外装材取付金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具では、図8に示すように、プレス機等の金型加工によって鋼板が打ち抜いて各部が折り曲げ成型される。
【0006】
したがって、外装材取付金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具を作成するに当たり2種類の金型が必要となるが、外装材取付金具の使用数量に対して外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の使用数量は極端に少ないにもかかわらず金型が複雑、かつ大きなものとなるために歩留まりが悪くコスト高となる問題がある。
【0007】
また、外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の場合には、図8の展開図で示すように、斜線の部分が打ち抜かれる部分となり、外装材取付金具と外装材端留め付け金具とを一体的な構成とした場合には、不必要な部分が多くなると共に鋼板の打ち抜き面積が大きくなる問題がある。
【0008】
更に、外装材端留め付け金具を別個に作成した場合には、外壁面に外装材取付金具と外装材端留め付け金具とを別々にビスなどによって合わせた状態で取り付けなければならず煩雑な作業となる問題がある。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、外装材取付金具に対して外装材端留め付け金具を着脱自在な構成とすることにより無駄のない作業性の優れた外装材取付金具用外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る外装材端留め付け金具は、外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具において、外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを備える。
【0011】
ここで、外装材端留め付け金具が外装材取付金具に対して連結自在な構成とすることにより、通常使用される外装材取付金具に外装材の両側端の取り付けの際の連結することにより外装材端の係止を容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具は、外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具と、外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを有する外装材端留め付け金具とを備える。
【0013】
ここで、外装材端留め付け金具が外装材取付金具に対して連結自在な構成とすることにより、外装材端留め付け金具の金型の作成のみでよく、かつ外装材端留め付け金具の展開面積を最小限に抑えることが可能となる。
【0014】
また、外装材受け部の両側端が前記通気路保持部および外装材受圧面部に沿って形成された切欠開口部が形成されると共に、外装材受圧面部に臨む切欠開口部の内側端は、外装材受圧面部に近接状態とされることにより、外装材の重量によって外装材受け部にかかる下方へのモーメントは外装材受圧面部に分散される。
【0015】
また、外装材受け部の先端に外装材上端係留部が垂設されることにより、外装材の下端は外装材受け部の外装材下端係留部によって係止されると共に、この外装材の下方に配置される外装材の上端は外装材上端係留部によって係止される。
【0016】
また、外装材受圧面部に、外装材受け部の内側端が係留される突起部を設けることにより、外装材の重量によって外装材受け部にかかる下方へのモーメントは外装材受圧面部に分散されると共に、外装材受け部の内側端が外装材受圧面部に設けられる突起部によって係留されることにより外装材受け部の変形を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外装材の取り付けに際して最も消費される外装材取付金具に外装材端留め付け金具を連結自在な構成とすることにより、効率の良い取り付け作業が行えると共に、外装材端留め付け金具の金型の作成のみでよく、かつ外装材端留め付け金具の展開面積を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した外装材取付金具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具との取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具とによる外装材の取り付け状態を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具の展開図である。
【図6】従来の外装材取付金具の一例を示す斜視図である。
【図7】従来の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例を示す説明図である。
【図8】従来の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した外装材取付金具の一例を示す斜視図、図2は、本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例を示す斜視図、図3は、本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0020】
ここで示す外装材取付金具1は、外壁当接面2の両側を内側へ略直角状に折り曲げて通気路保持部3とされると共に、その先端を外側へ略直角状に折り曲げて外装材の裏面に接するための外装材受圧面部4が形成されている。
【0021】
また、通気路保持部3、3との間の外壁当接面2には、建築物等の外壁を固定するためのビス穴5が貫設されている。
【0022】
次に、外壁当接面2の下端は前方へ略直角状に折り曲げて外装材受け部6とされ、更にその先端の中央部分が下方に略直角状に折り曲げられて外装材上端係留部7とされ、この外装材上端係留部7の両側に位置する外装材受け部6の先端部分が上方に略直角状に折り曲げられて外装材下端係留部8とされている。
【0023】
また、外装材受け部6の両側端が通気路保持部3と外装材受圧面部4に沿って切り欠いた切欠開口部9が設けられている。この切欠開口部9によって外装材受け部6に臨む切欠開口部9の内側端19が外装材受圧面部4に接するように形成されている。
【0024】
そして外装材受け部6の両側端に形成される切欠開口部9の内側端19が接する外装材受圧面部4の直近下部に、外装材受け部6の内側端19が係留するための係留突起部10が形成されている。
【0025】
ここで、外壁当接面2の略中央位置に外装受け部6との折り曲げ線に、外装材端留め付け金具を連結するための連結用開口部11が開口され、更に外装受け部6の折り曲げ部分には強度向上を目的とする補強用リブ12が形成されている。
【0026】
次に、ここで示す外装材端留め付け金具13は、鋼板状の外壁当接面2Aの両側端を内側へ略直角状に折り曲げられて横ずれ防止片14とされ、この横ずれ防止片14、14間の幅長さが外装材取付金具1の通気路保持部3、3間内に嵌め入れられる長さとされている。
【0027】
また、外壁当接面2Aの下端中央には、その外壁当接面2Aの上下端方向に沿って直角状に折り曲げられた外装材係止板部15が形成されている。
【0028】
更に、外壁当接面2Aの上端中央に、連結板部16が突設形成されている。この連結板部16は、その根元部分に開口端係留用溝部17が形成されると共に、先端に向けて外径が順次縮径されるようにテーパー状に形成され、かつ空間を設けた一対の連結片18、18によって構成されている。
【0029】
ここで、連結片18、18との最大径R1は、外装材取付金具1の外装受け部6に開口される連結用開口部11の最大径R2よりも大きく設けられており、連結片18、18を連結用開口部11に差し入れることにより連結片18、18との最大径部分が当接することになる。そして更に連結片18、18を押し入れることにより連結片18、18との距離が狭まり、開口端係留用溝部17に連結用開口部11の開口端が嵌め合わせられる構成とされている。
【0030】
したがって、外装材端留め付け金具13の連結板部15を外装材取付金具1の連結用開口部11に挿し入れることによって外装材端留め付け金具13の横ずれ防止片14、14が外装材取付金具1の通気路保持部3、3間内に嵌め入れられて横ずれすることなく外装材端留め付け金具13を備えた外装材取付金具1を形成することが可能となる。
【0031】
なお、本実施例では外装材端留め付け金具13の連結手段として、連結板部16と連結開口部11とによる連結手段を詳述するものであるが、必ずしもこれに限定する必要性は無く、金型成型により単純な機構によって連結することができるものであればいかなる連結手段であっても構わない。
【0032】
ここで、図4(図4(イ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の装着状態を示す正面説明図を示す、図4(ロ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の装着状態の側面断面説明図を示す。)に示すように、外装材取付金具1に外装材端留め付け金具13を連結した状態で、建築物等の外壁Aに対して外装材取付金具1の外壁当接面2裏面を当接し、ビスBをビス穴5にねじ込ませることによって外装材取付金具1および外装材端留め付け金具13が取り付けられる。
【0033】
そこで、外装材Cの下端面に設けられる差込み溝Dを、外装材下端係留部8に挿入することにより外装材Cの下端は外装材受圧面部4と外装材受け部6との間によって保持される。
【0034】
また、外装材Dの上端面に設けられる挿し込み溝Eを、外装材受け部6の外装材上端係留部7に挿入すると共に、外装材Dの端部Fを外装材端留め付け金具13の外装材係止板部15によって当接されることにより外装材Dの横ずれを防止することが可能となる。このようにして外壁Aに対して取り付けられるそれぞれの外装材Dの両側端に配置される外装材取付金具1に外装材端留め付け金具13を連結することにより外装材Dを固定することが可能となる。
【0035】
以上の構成よりなる本発明では、外装材の取り付けに際して最も消費される外装材取付金具に外装材端留め付け金具を連結自在な構成とすることにより効率の良い取り付け作業が可能となる。
【0036】
また、通気路保持部3によって外装材Cと外壁Aとの間に一定間隔の通気路Gが確保される。更に、外装材受け部6の両側端に形成される切欠開口部9の内側端19は外装材受圧面部4を接した状態とされると共に、外装材受圧面部4の直近下部に係留突起部10が形成されているために外装材Cの重量による下方へのモーメントが外装材受け部6に分散され、かつ係留突起部10によって外装材受け部6の切欠開口部9の内側端19が係止されることにより外装材受け部6の下方への変形が防止される。
【0037】
また、図5(図5(イ)は、本発明を適用した外装材取付金具の一例の展開図を示す、図5(ロ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例の展開図を示す。)に示すように、外装材取付金具と外装材端留め付け金具とをそれぞれ金型によって製作する場合には、それぞれの展開面積を最小限に抑えることが可能となり、前記図8に示す外装材端留め付け金具を備えた一体型の外装材取付金具と比較して歩留まりが一段と向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
1 外装材取付金具
2、2A 外壁当接面
3 通気路保持部
4 外装材受圧面部
5 ビス穴
6 外装材受け部
7 外装材上端係留部
8 外装材下端係留部
9 切欠開口部
10 係留突起部
11 連結用開口部
12 補強用リブ
13 外装材端留め付け金具
14 横ずれ防止片
15 外装材係止板部
16 連結板部
17 開口端係留用溝部
18 連結片
19 内側端
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具に関する。詳しくは建築物等の外壁面に外装材を取り付けるための外装材取付金具に着脱自在とされた外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より建築物等の外壁面に外装材を取り付けるための取付金具が提案されており、例えば特許文献1に記載されている。具体的には図6に示すように、取付金具101の両側に一定幅の通気層が確保され、かつ外装材裏側が接し、固定するための外装材受圧面部102と、その内側に、先端部分が下側に折り曲げられた外装材固定部103と、先端部分が上側に折り曲げられた外装材受け部104とから構成されている。
【0003】
ここで、外壁面に取付けられる外装材の下端および上端は複数個の取付金具によって保持されるが、外装材の端部には、例えば図7に示すような取付金具101が使用されている。この取付金具101は、その下方が延設されて、その下端の略中央に立ち上げられた外装材端留め付け金具105が形成されている。
この外装材端留め付け金具105によって外装材の端部を止めて外装材が左右方向にズレない構成とされている。
このように外壁面に外装材を取り付ける場合には、外装材取付金具と外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の2種類の取付金具からの構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3069030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら外装材取付金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具では、図8に示すように、プレス機等の金型加工によって鋼板が打ち抜いて各部が折り曲げ成型される。
【0006】
したがって、外装材取付金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具を作成するに当たり2種類の金型が必要となるが、外装材取付金具の使用数量に対して外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の使用数量は極端に少ないにもかかわらず金型が複雑、かつ大きなものとなるために歩留まりが悪くコスト高となる問題がある。
【0007】
また、外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の場合には、図8の展開図で示すように、斜線の部分が打ち抜かれる部分となり、外装材取付金具と外装材端留め付け金具とを一体的な構成とした場合には、不必要な部分が多くなると共に鋼板の打ち抜き面積が大きくなる問題がある。
【0008】
更に、外装材端留め付け金具を別個に作成した場合には、外壁面に外装材取付金具と外装材端留め付け金具とを別々にビスなどによって合わせた状態で取り付けなければならず煩雑な作業となる問題がある。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、外装材取付金具に対して外装材端留め付け金具を着脱自在な構成とすることにより無駄のない作業性の優れた外装材取付金具用外装材端留め付け金具および外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る外装材端留め付け金具は、外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具において、外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを備える。
【0011】
ここで、外装材端留め付け金具が外装材取付金具に対して連結自在な構成とすることにより、通常使用される外装材取付金具に外装材の両側端の取り付けの際の連結することにより外装材端の係止を容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具は、外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具と、外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを有する外装材端留め付け金具とを備える。
【0013】
ここで、外装材端留め付け金具が外装材取付金具に対して連結自在な構成とすることにより、外装材端留め付け金具の金型の作成のみでよく、かつ外装材端留め付け金具の展開面積を最小限に抑えることが可能となる。
【0014】
また、外装材受け部の両側端が前記通気路保持部および外装材受圧面部に沿って形成された切欠開口部が形成されると共に、外装材受圧面部に臨む切欠開口部の内側端は、外装材受圧面部に近接状態とされることにより、外装材の重量によって外装材受け部にかかる下方へのモーメントは外装材受圧面部に分散される。
【0015】
また、外装材受け部の先端に外装材上端係留部が垂設されることにより、外装材の下端は外装材受け部の外装材下端係留部によって係止されると共に、この外装材の下方に配置される外装材の上端は外装材上端係留部によって係止される。
【0016】
また、外装材受圧面部に、外装材受け部の内側端が係留される突起部を設けることにより、外装材の重量によって外装材受け部にかかる下方へのモーメントは外装材受圧面部に分散されると共に、外装材受け部の内側端が外装材受圧面部に設けられる突起部によって係留されることにより外装材受け部の変形を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外装材の取り付けに際して最も消費される外装材取付金具に外装材端留め付け金具を連結自在な構成とすることにより、効率の良い取り付け作業が行えると共に、外装材端留め付け金具の金型の作成のみでよく、かつ外装材端留め付け金具の展開面積を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した外装材取付金具の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具との取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具とによる外装材の取り付け状態を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具の展開図である。
【図6】従来の外装材取付金具の一例を示す斜視図である。
【図7】従来の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例を示す説明図である。
【図8】従来の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した外装材取付金具の一例を示す斜視図、図2は、本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例を示す斜視図、図3は、本発明を適用した外装材取付金具と外装材端留め付け金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0020】
ここで示す外装材取付金具1は、外壁当接面2の両側を内側へ略直角状に折り曲げて通気路保持部3とされると共に、その先端を外側へ略直角状に折り曲げて外装材の裏面に接するための外装材受圧面部4が形成されている。
【0021】
また、通気路保持部3、3との間の外壁当接面2には、建築物等の外壁を固定するためのビス穴5が貫設されている。
【0022】
次に、外壁当接面2の下端は前方へ略直角状に折り曲げて外装材受け部6とされ、更にその先端の中央部分が下方に略直角状に折り曲げられて外装材上端係留部7とされ、この外装材上端係留部7の両側に位置する外装材受け部6の先端部分が上方に略直角状に折り曲げられて外装材下端係留部8とされている。
【0023】
また、外装材受け部6の両側端が通気路保持部3と外装材受圧面部4に沿って切り欠いた切欠開口部9が設けられている。この切欠開口部9によって外装材受け部6に臨む切欠開口部9の内側端19が外装材受圧面部4に接するように形成されている。
【0024】
そして外装材受け部6の両側端に形成される切欠開口部9の内側端19が接する外装材受圧面部4の直近下部に、外装材受け部6の内側端19が係留するための係留突起部10が形成されている。
【0025】
ここで、外壁当接面2の略中央位置に外装受け部6との折り曲げ線に、外装材端留め付け金具を連結するための連結用開口部11が開口され、更に外装受け部6の折り曲げ部分には強度向上を目的とする補強用リブ12が形成されている。
【0026】
次に、ここで示す外装材端留め付け金具13は、鋼板状の外壁当接面2Aの両側端を内側へ略直角状に折り曲げられて横ずれ防止片14とされ、この横ずれ防止片14、14間の幅長さが外装材取付金具1の通気路保持部3、3間内に嵌め入れられる長さとされている。
【0027】
また、外壁当接面2Aの下端中央には、その外壁当接面2Aの上下端方向に沿って直角状に折り曲げられた外装材係止板部15が形成されている。
【0028】
更に、外壁当接面2Aの上端中央に、連結板部16が突設形成されている。この連結板部16は、その根元部分に開口端係留用溝部17が形成されると共に、先端に向けて外径が順次縮径されるようにテーパー状に形成され、かつ空間を設けた一対の連結片18、18によって構成されている。
【0029】
ここで、連結片18、18との最大径R1は、外装材取付金具1の外装受け部6に開口される連結用開口部11の最大径R2よりも大きく設けられており、連結片18、18を連結用開口部11に差し入れることにより連結片18、18との最大径部分が当接することになる。そして更に連結片18、18を押し入れることにより連結片18、18との距離が狭まり、開口端係留用溝部17に連結用開口部11の開口端が嵌め合わせられる構成とされている。
【0030】
したがって、外装材端留め付け金具13の連結板部15を外装材取付金具1の連結用開口部11に挿し入れることによって外装材端留め付け金具13の横ずれ防止片14、14が外装材取付金具1の通気路保持部3、3間内に嵌め入れられて横ずれすることなく外装材端留め付け金具13を備えた外装材取付金具1を形成することが可能となる。
【0031】
なお、本実施例では外装材端留め付け金具13の連結手段として、連結板部16と連結開口部11とによる連結手段を詳述するものであるが、必ずしもこれに限定する必要性は無く、金型成型により単純な機構によって連結することができるものであればいかなる連結手段であっても構わない。
【0032】
ここで、図4(図4(イ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の装着状態を示す正面説明図を示す、図4(ロ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具の一例の装着状態の側面断面説明図を示す。)に示すように、外装材取付金具1に外装材端留め付け金具13を連結した状態で、建築物等の外壁Aに対して外装材取付金具1の外壁当接面2裏面を当接し、ビスBをビス穴5にねじ込ませることによって外装材取付金具1および外装材端留め付け金具13が取り付けられる。
【0033】
そこで、外装材Cの下端面に設けられる差込み溝Dを、外装材下端係留部8に挿入することにより外装材Cの下端は外装材受圧面部4と外装材受け部6との間によって保持される。
【0034】
また、外装材Dの上端面に設けられる挿し込み溝Eを、外装材受け部6の外装材上端係留部7に挿入すると共に、外装材Dの端部Fを外装材端留め付け金具13の外装材係止板部15によって当接されることにより外装材Dの横ずれを防止することが可能となる。このようにして外壁Aに対して取り付けられるそれぞれの外装材Dの両側端に配置される外装材取付金具1に外装材端留め付け金具13を連結することにより外装材Dを固定することが可能となる。
【0035】
以上の構成よりなる本発明では、外装材の取り付けに際して最も消費される外装材取付金具に外装材端留め付け金具を連結自在な構成とすることにより効率の良い取り付け作業が可能となる。
【0036】
また、通気路保持部3によって外装材Cと外壁Aとの間に一定間隔の通気路Gが確保される。更に、外装材受け部6の両側端に形成される切欠開口部9の内側端19は外装材受圧面部4を接した状態とされると共に、外装材受圧面部4の直近下部に係留突起部10が形成されているために外装材Cの重量による下方へのモーメントが外装材受け部6に分散され、かつ係留突起部10によって外装材受け部6の切欠開口部9の内側端19が係止されることにより外装材受け部6の下方への変形が防止される。
【0037】
また、図5(図5(イ)は、本発明を適用した外装材取付金具の一例の展開図を示す、図5(ロ)は、本発明を適用した外装材端留め付け金具の一例の展開図を示す。)に示すように、外装材取付金具と外装材端留め付け金具とをそれぞれ金型によって製作する場合には、それぞれの展開面積を最小限に抑えることが可能となり、前記図8に示す外装材端留め付け金具を備えた一体型の外装材取付金具と比較して歩留まりが一段と向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
1 外装材取付金具
2、2A 外壁当接面
3 通気路保持部
4 外装材受圧面部
5 ビス穴
6 外装材受け部
7 外装材上端係留部
8 外装材下端係留部
9 切欠開口部
10 係留突起部
11 連結用開口部
12 補強用リブ
13 外装材端留め付け金具
14 横ずれ防止片
15 外装材係止板部
16 連結板部
17 開口端係留用溝部
18 連結片
19 内側端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部を有する外装材取付金具に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具において、
外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、
前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、
前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを備える
外装材端留め付け金具。
【請求項2】
外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、
前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、
前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具と、
外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、
前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、
前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを有する外装材端留め付け金具とを備える
外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項3】
前記外装材受け部の両側端が前記通気路保持部および外装材受圧面部に沿って形成された切欠開口部が形成されると共に、前記外装材受圧面部に臨む該切欠開口部の内側端は、前記外装材受圧面部に近接状態とされた
請求項2に記載の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項4】
前記外装材受け部の先端に外装材上端係留部が垂設された
請求項2または請求項3に記載の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項5】
前記外装材受圧面部に、前記外装材受け部の内側端が係留される突起部を設けた
請求項2、請求項3または請求項4に記載の装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項1】
外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部を有する外装材取付金具に対して着脱自在とされる外装材端留め付け金具において、
外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、
前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、
前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを備える
外装材端留め付け金具。
【請求項2】
外壁固定用のビス穴が貫設された外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された通気路保持部と、
前記通気路保持部の先端に形成された外装材受圧面部と、
前記外壁当接面の下端より略水平状に折り曲げられた外装材受け部とを有する外装材取付金具と、
外壁当接面と、
前記外壁当接面の両端が折り曲げ形成された横ずれ防止片と、
前記外壁当接面の略下端中央に立ち上げられた外装材係止板部と、
前記外壁当接面の上端に設けられる連結板部とを有する外装材端留め付け金具とを備える
外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項3】
前記外装材受け部の両側端が前記通気路保持部および外装材受圧面部に沿って形成された切欠開口部が形成されると共に、前記外装材受圧面部に臨む該切欠開口部の内側端は、前記外装材受圧面部に近接状態とされた
請求項2に記載の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項4】
前記外装材受け部の先端に外装材上端係留部が垂設された
請求項2または請求項3に記載の外装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【請求項5】
前記外装材受圧面部に、前記外装材受け部の内側端が係留される突起部を設けた
請求項2、請求項3または請求項4に記載の装材端留め付け金具を備えた外装材取付金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−229637(P2010−229637A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75449(P2009−75449)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000210975)中央発条工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000210975)中央発条工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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