説明

外観検査方法及び外観検査装置

【課題】トレイに収納された検査対象物に迅速かつ確実にフォーカスを合わせる。
【解決手段】検査対象物を収納したトレイを載置するステージとステージを水平方向に駆動する前後駆動機構及び左右駆動機構とトレイに収納された検査対象物を撮影する撮影部と撮影部を垂直方向に駆動する上下駆動機構とを備える装置を用い、前後駆動機構及び左右駆動機構を制御してステージを移動させる第1ステップと、ステージの水平位置に対応する撮影部の垂直位置が予め記憶されているかを判断する第2ステップと、垂直位置が記憶されている場合は、撮影部を当該垂直位置に移動させ、垂直位置が記憶されていない場合は、撮影部の垂直位置が調整された後に、ステージの水平位置と撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶する第3ステップと、撮影部を用いて検査対象物を撮影する第4ステップと、を少なくとも実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査方法及び外観検査装置に関し、特に、検査対象物をトレイに収納した状態で撮影し、撮影した画像に基づいて検査を行う外観検査方法及び外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物をカメラ等の撮影部によって撮影し、撮影した画像を用いて検査対象物が良品であるかどうかを判断する外観検査において、検査対象物の位置が撮影部に対して常に一定である場合は、撮影部を予め検査対象物のフォーカスが合う位置に固定して、検査対象物を撮影する。
【0003】
このような外観検査に関して、例えば、下記特許文献1には、撮影視野で検査対象物を撮影する撮影手段と、撮影視野を移動させる移動手段と、検査対象物の特徴領域を記憶する特徴領域記憶手段と、撮影手段によって撮影視野で撮影された画像から検査対象物の特徴領域を検索し、検索によって得られた情報を参照して検査対象物の姿勢情報を算出する姿勢検出手段と、姿勢情報に基づいて移動手段人よる撮影視野の撮影位置を決定し、移動手段を制御する移動制御手段とを具備する外観検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−093339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術では、検査対象物がトレイのポケット内に収納されている場合は、トレイが変形することがあるため、検査対象物の位置を固定するとフォーカスが合わない検査対象物が発生する。このような場合、トレイの変形による検査対象物の位置変化に応じて撮影部の位置を制御し、フォーカスを合わせる必要がある。
【0006】
一般的な対策としては、測距センサや変位センサを用いて撮影部と検査対象物の距離を測定し、結果に応じて撮影部の位置を制御する方法がある。しかしながら、フォーカス合わせで必要となる高精度な距離測定が可能なセンサは、センサを撮影部よりも検査対象物へ近い位置に取り付ける必要があり、トレイに収納されている検査対象物よりもセンサの方が大きいことが多いため、センサが撮影の障害になるという問題がある。また、高精度のセンサは高価であり、各撮影部にセンサを取り付けることでコストが上昇するという問題がある。
【0007】
別の対策として、検査前にトレイ形状を測定しておく方法が考えられる。しかしながらこの方法ではトレイ形状の測定に時間を要するため、外観検査全体の時間が長くなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、トレイに収納された検査対象物に、迅速かつ確実にフォーカスを合わせることができる外観検査方法及び外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、検査対象物を収納したトレイを載置するステージと、前記ステージを水平方向に駆動する前後駆動機構及び左右駆動機構と、前記トレイに収納された前記検査対象物を撮影する撮影部と、前記撮影部を垂直方向に駆動する上下駆動機構と、を少なくとも備える装置を用いた外観検査方法であって、前記前後駆動機構及び前記左右駆動機構を制御して、前記撮影部が前記検査対象物を撮影可能な位置に前記ステージを移動させる第1ステップと、前記ステージの水平位置に対応する前記撮影部の垂直位置が予め記憶されているかを判断する第2ステップと、前記垂直位置が記憶されている場合は、前記上下駆動機構を制御して前記撮影部を当該垂直位置に移動させ、前記垂直位置が記憶されていない場合は、前記撮影部の垂直位置が調整された後に、前記ステージの水平位置と前記撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶する第3ステップと、前記撮影部を用いて前記検査対象物を撮影する第4ステップと、を少なくとも実行するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の外観検査方法及び外観検査装置によれば、同一種トレイの場合はトレイ変形の傾向が類似の傾向を示すことに着目して、検査位置(ステージの水平位置、すなわち、前後駆動機構及び左右駆動機構の位置)とフォーカス位置(撮影部の垂直位置、すなわち、上下駆動機構の位置)と必要に応じてトレイの種類とを対応付けて記憶し、記憶した情報を参照して撮影位置を決定することで、短時間でのフォーカス合わせが可能になる。
【0011】
また、トレイ変形の傾向が変わった場合やトレイの種類が変わった場合でも、再度フォーカス合わせを行い、検査位置とフォーカス位置と必要に応じてトレイの種類とを対応付けて記憶することにより、検査を継続することが可能になる。
【0012】
また、検査に用いる画像でフォーカスの確認を行うことで、フォーカス合わせ用の撮像が不要になり、検査時間を増加させることなしにフォーカス合わせが可能になると共に、測距センサや変位センサ等の距離測定用機器が不要になり、安価な構成でフォーカス合わせが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係る外観検査装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る外観検査装置のトレイ形状の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る外観検査装置を用いた検査対象物の外観検査手順を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施例に係る外観検査装置を用い、連続して外観検査を行う場合の手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施例に係る外観検査装置を用いた検査対象物の外観検査手順の他の例を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例に係る外観検査装置を用いた検査対象物の外観検査手順の他の例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
背景技術で示したように、検査対象物を撮影して検査を行う外観検査において、検査対象物にフォーカスを合わせることが重要であるが、監査対象物がトレイのポケット内に収納されている場合は、トレイの変形によってフォーカスがずれてしまう。
【0015】
この問題に対して、測距センサや変位センサを用いて検査対象物までの距離を測定する方法が考えられるが、高精度な距離測定が可能なセンサは、大きくかつ検査対象物に近い位置に取り付けられるため、検査対象物の撮影に支障が生じ、また、高精度のセンサは高価であるためコストが上昇するという問題がある。また、検査前にトレイ形状を測定する方法も考えられるが、この方法では、トレイ形状の測定に時間を要し、外観検査全体の時間が長くなるという問題がある。
【0016】
そこで、本発明では、同一種トレイの場合はトレイ変形の傾向が類似することに着目し、フォーカス合わせを完了した際に、検査位置(ステージの水平位置、すなわち、前後駆動機構及び左右駆動機構の位置)とフォーカス位置(撮影部の垂直位置、すなわち、上下駆動機構の位置)と必要に応じてトレイの種類とを対応付けて記憶し、同一検査位置で検査を行う場合は、撮影部を記憶したフォーカス位置に移動させて検査を行うようにする。また、トレイ変形の傾向が変わった場合やトレイの種類が変わった場合には、再度フォーカス合わせを行い、検査位置とフォーカス位置と必要に応じてトレイの種類とを対応付けて記憶することにより、検査を継続可能にする。また、検査時に撮影する画像を用いてフォーカス合わせを行うことで、フォーカス合わせ用の画像を撮像する時間を不要とし、迅速な検査を可能にすると共に、測距センサや変位センサ等の距離測定用機器を不要とし、安価な構成でフォーカス合わせを可能にする。
【実施例】
【0017】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る電子部品の外観検査方法および外観検査装置について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施例の外観検査装置の構成を模式的に示す図であり、図2は、トレイ形状の一例を示す斜視図である。また、図3乃至図6は、本実施例の外観検査装置を用いた外観検査手順を示すフローチャート図である。
【0018】
図1に示すように、本実施例の外観検査装置は、ICチップ等の検査対象物1をトレイ2に収納した状態で撮影するCCD(Charge Coupled Devices)カメラなどの撮影部3と、トレイ2を載置するステージ4と、ステージ4の面方向の位置(水平位置とする。)を制御する前後駆動機構5及び左右駆動機構6と、ステージ4の面方向に略直交する撮影部3の位置(垂直位置とする。)を制御する上下駆動機構7と、制御部8などを備えており、制御部8の指示により前後駆動機構5と左右駆動機構6と上下駆動機構7を制御すると共に、撮影部3を制御して検査対象物1の撮影を行う。
【0019】
上記ステージ4には、トレイ2の位置を固定するための位置決め機構9を備えている。また、上記制御部8は、CPU(Central Processing Unit)等の演算部、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶部を備えており、演算部は、前後駆動機構5と左右駆動機構6と上下駆動機構7からステージ4及び撮影部3の現在位置を読み込むと共に、撮影部3から検査対象物1を撮影した画像を読み込み、これらの情報を関連付けて記憶部に記憶する。
【0020】
以下、上記構成の外観検査装置の動作について説明する。
【0021】
検査開始前に、トレイ2をステージ4に乗せて、位置決め機構9にてトレイ2の位置を固定する。トレイ2の形状としては、図2に示すようなトレイ2の上面にトレイポケット21を設けたものが考えられる。この場合、検査対象物1はトレイポケット21に収納される。また、複数種類のトレイ2を使用する場合は、トレイ2の種類を特定しておく。
【0022】
このような状態において、1つの検査対象物1に対して外観検査を行う場合の手順について、図3のフローチャート図を参照して説明する。
【0023】
検査を開始したら、まず、制御部8は撮影位置(検査位置及びフォーカス位置)を決定する。検査位置(ステージ4の水平位置、すなわち、前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置)は、検査を行う検査対象物1の位置で決定する。一方、フォーカス位置(撮影部3の垂直位置、すなわち、上下駆動機構7の位置)に関しては、予め記憶されている情報から決定する。
【0024】
具体的には、メモリやHDD等の記憶部には、これまでにフォーカスが合って検査を行った際の前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置と、その時の上下駆動機構7の位置とが対応付けて記憶されており、制御部8は、その中にこれから検査しようとする検査対象物1を撮影する際の前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置に対応する上下駆動機構7の位置が記憶されているかどうかを確認する(S101)。
【0025】
なお、検査対象物1を収納するトレイ2が1種類の場合は、トレイ変形の傾向が類似していることから、同じ検査位置であれば同じフォーカス位置を利用することができるが、トレイ2が複数種類の場合は、トレイ変形の傾向が異なる場合もある。そのような場合には、記憶部に前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置と上下駆動機構7の位置とトレイ2の種類(制御部8が自動的に検出してもよいし、図示しない操作部を操作して入力してもよい。)とを対応付けて記憶しておき、同じ種類のトレイ2を使用して検査したときの前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置に対応する上下駆動機構7の位置が記憶されているかどうかを確認することもできる。
【0026】
そして、上下駆動機構7の位置が記憶されている場合は、制御部8は、記憶されている上下駆動機構7の位置を読み出して撮影位置とし(S102)、前後駆動機構5と左右駆動機構6と上下駆動機構7を制御して、ステージ4及び撮影部3を撮影位置へ移動させる(S103)。
【0027】
一方、上下駆動機構7の位置が記憶されていない場合は、制御部8は、撮影部3を移動させてフォーカスが合う位置を検索する。具体的には、制御部8は、前後駆動位置5及び左右駆動機構6を制御してステージ4を撮影位置へ移動させ(S104)、その状態で上下駆動機構7により撮影部3を移動させてフォーカスを合わせる(S105)。フォーカスが合う位置を決定したら、制御部8は、上下駆動機構7の位置を読み出し、その時の前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置と必要に応じてトレイ2の種類とに対応付けて記憶部に記憶する(S106)。なお、フォーカスが合う位置を決定する方法としては、上下駆動機構7の位置を手動で動かして目視で確認する方法などが考えられる。
【0028】
前述の処理が完了したら、制御部8は、撮影部3に検査対象物1を撮影させ(S107)、フォーカスが合っているかどうかを確認する(S108)。フォーカスが合っているかどうかを確認する方法としては、画像全体を微分して、その最大値を用いて判定する方法や、微分を2回行って得られた値を用いて判定する方法などが考えられるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0029】
そして、フォーカスが合っている場合は、撮影部3で撮影した画像を用いて検査を行い(S109)、1つの検査対象物1に対する処理を終了する。
【0030】
一方、フォーカスが合っていない場合は、先に示した上下駆動機構7の位置が記憶されていない場合と同様に、制御部8は、撮影部3を移動させてフォーカスが合う位置を決定し(S105)、上下駆動機構7の位置を読み出して記憶部に記憶する(S106)。記憶が完了したら、再度、検査対象物1を撮影して(S107)、フォーカスが合っているかどうかを確認する(S108)。
【0031】
上記フローは、1つの検査対象物1に対する検査であるが、複数の検査対象物1に対する検査を行う場合は、前述の手順を繰り返すことで可能である。この場合、検査対象物1の画像を撮影した後のフォーカスが合っているかどうかの確認及び検査と、次に検査を行う検査対象物1の位置へ移動する動作を並列に行うことが考えられる。これにより、フォーカスの確認が、次に検査を行う検査対象物1の位置へ移動する動作中に実施出来るため、検査時間を増加させることなく処理が可能となる。
【0032】
次に、複数のトレイ2に対して外観検査を行う場合の手順について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0033】
新しいトレイ2が供給されたら(S201のYes)、最初に検査を行う検査対象物1の撮影位置を設定し(S202)、上述した図3のフローチャートに従って検査対象物1の外観検査を行い(S203)、検査が終了したら次の撮影位置を設定する(205)。この処理を、トレイ2に収納されている全ての検査対象物1に対して行う。
【0034】
トレイ2に収納されている全ての検査対象物1に対して検査が終了したら(S204のYes)、新しいトレイ2を供給して、同様の処理を行う。新しいトレイ2の変形が先のトレイと異なる場合や異なる種類のトレイ2を使用する場合は、外観検査中に再度フォーカスを合わせて処理を継続する。
【0035】
このように、外観検査において、検査位置(前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置)に対応するフォーカス位置(上下駆動機構7の位置)が記憶されているかどうかを確認し、記憶されている場合には撮影部3をそのフォーカス位置に調整し、記憶されていない場合には、フォーカスを合わせた後、上下駆動機構7の位置を前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置に対応付けて記憶するため、同じ位置に収納された検査対象物1を検査する場合のフォーカス合わせを迅速に行うことができる。また、検査時に撮影する画像を用いてフォーカスが合っているかどうかを確認することで、フォーカス合わせ用の画像を撮像する時間を不要として迅速な検査を行うと共に、測距センサや変位センサ等の距離測定用機器を不要とし、安価な構成でフォーカス合わせを行うことが出来る。
【0036】
また、フォーカス位置を自動的に調整した場合でも、フォーカスが合っているかを確認した後に外観検査が行われるため、トレイ変形の傾向が変わった場合に、フォーカスがずれた状態で検査が行われることを未然に防止することができる。
【0037】
また、上下駆動機構7の位置を前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置及びトレイ2の種類に対応付けて記憶することにより、同じ種類のトレイ2が使用された場合のみフォーカス位置が自動的に調整されるため、トレイ2の種類が変わった場合に、フォーカスがずれた状態で検査が行われることを未然に防止することができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御方法は適宜変更可能である。例えば、上記フローでは、検査フローの中でフォーカス位置の測定を行ったが、検査開始前に予めフォーカス位置の測定を行い、その位置情報を制御部8へ記憶しておくことも可能である。
【0039】
また、上記フローでは、前後駆動機構5及び左右駆動機構6の位置に対応する上下駆動機構7の位置が記憶されていない場合には、フォーカス合わせを行ったが、位置情報を間欠的に記憶して、記憶していない部分の位置情報は計算式で近似して算出することも可能である。
【0040】
また、上記フローでは、検査対象物1を撮影するたびにフォーカスが合っているかどうかの確認を行ったが、撮影部3の視野範囲に比べて検査対象物1の大きさが大きい場合など、検査対象物1を複数の視野に分割して撮影する場合は、図5のフローチャート図に示すように、最初の視野でフォーカスが合っていると判断した場合の上下駆動機構7の位置を、残りの視野に対して適用することも可能である。この際、図6のフローチャート図に示すように、最初の視野でのみ上下駆動機構7の位置を記憶して、最初の視野でなければ、既に記憶されている最初の視野の上下駆動機構7の位置を読み出すようにすることも可能である。
【0041】
また、前後駆動機構5と左右駆動機構6と上下駆動機構7について、各々基準となる位置を設定し、記憶する情報を基準位置からの距離とすることも可能である。また、記憶する情報を、前後駆動機構5と左右駆動機構6の位置に代えて、トレイポケット21の位置とすることも可能である。この場合、トレイポケット21の位置を、右端から何番目、上端から何番目、というように記憶することができる。
【0042】
また、前後駆動機構5と左右駆動機構6は、撮影部3に取り付けることも可能である。同様に、上下駆動機構7はステージ4に取り付けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、半導体などの電子部品の外観検査、特に、トレイに収納した状態で行う半導体などの電子部品の外観検査の方法及び装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 検査対象物
2 トレイ
3 撮影部
4 ステージ
5 前後駆動機構
6 左右駆動機構
7 上下駆動機構
8 制御部
9 位置決め機構
21 トレイポケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を収納したトレイを載置するステージと、前記ステージを水平方向に駆動する第1駆動機構及び第2駆動機構と、前記トレイに収納された前記検査対象物を撮影する撮影部と、前記撮影部を垂直方向に駆動する第3駆動機構と、を少なくとも備える装置を用いた外観検査方法であって、
前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構を制御して、前記撮影部が前記検査対象物を撮影可能な位置に前記ステージを移動させる第1ステップと、
前記ステージの水平位置に対応する前記撮影部の垂直位置が予め記憶されているかを判断する第2ステップと、
前記垂直位置が記憶されている場合は、前記第3駆動機構を制御して前記撮影部を当該垂直位置に移動させ、前記垂直位置が記憶されていない場合は、前記撮影部の垂直位置が調整された後に、前記ステージの水平位置と前記撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶する第3ステップと、
前記撮影部を用いて前記検査対象物を撮影する第4ステップと、を少なくとも実行することを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
前記撮影部が前記検査対象物を撮影した画像に基づいてフォーカスが合っているかを判断する第5ステップを更に実行し、
フォーカスが合っていないと判断した場合は、前記第3ステップに戻り、前記垂直位置が記憶されていない場合の処理を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の外観検査方法。
【請求項3】
前記第5ステップにおける前記検査対象物を撮影した画像は、外観検査に使用する画像と同一である、ことを特徴とする請求項2に記載の外観検査方法。
【請求項4】
前記第2ステップでは、前記ステージの水平位置及び前記トレイの種類に対応する前記撮影部の垂直位置が記憶されているかを判断し、
前記第3ステップでは、前記垂直位置が記憶されていない場合は、前記撮影部の垂直位置が調整された後に、前記ステージの水平位置及び前記トレイの種類と前記撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の外観検査方法。
【請求項5】
検査対象物を収納したトレイを載置するステージと、前記ステージを水平方向に駆動する第1駆動機構及び第2駆動機構と、前記トレイに収納された前記検査対象物を撮影する撮影部と、前記撮影部を垂直方向に駆動する第3駆動機構と、制御部と、を少なくとも備え、
前記制御部は、前記撮影部が前記検査対象物を撮影可能な位置に前記ステージを移動させた後、前記ステージの水平位置に対応する前記撮影部の垂直位置が予め記憶されているかを判断し、前記垂直位置が記憶されている場合は、前記第3駆動機構を制御して前記撮影部を当該垂直位置に移動させ、前記垂直位置が記憶されていない場合は、前記撮影部の垂直位置が調整された後に、前記ステージの水平位置と前記撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶し、その後、前記撮影部に前記検査対象物を撮影させる制御を行う、ことを特徴とする外観検査装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮影部が前記検査対象物を撮影した画像に基づいてフォーカスが合っているかを判断し、フォーカスが合っていないと判断した場合は、前記垂直位置が記憶されていない場合の制御を行う、ことを特徴とする請求項5に記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮影部が前記検査対象物を撮影した画像に基づいてフォーカスが合っているかの判断と、外観検査とで、同一の画像を使用する、ことを特徴とする請求項6に記載の外観検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ステージの水平位置及び前記トレイの種類に対応する前記撮影部の垂直位置が記憶されているかを判断し、前記垂直位置が記憶されていない場合は、前記撮影部の垂直位置が調整された後に、前記ステージの水平位置及び前記トレイの種類と前記撮影部の垂直位置とを対応付けて記憶する、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−13009(P2011−13009A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155449(P2009−155449)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】