外観検査機の監視装置及びプログラム
【課題】虚報数が最適化され目視検査の検査数を最小化でき、また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができるようにすること。 【解決手段】自動外観検査機1が良品を不良品と判断する割合である虚報率を算出する虚報率算出手段31と、不適切な検査部品を警告する警報部品判断手段33とを備え、前記虚報率算出手段31で、ある監視期間の虚報率を算出し、前記警報部品判断手段33で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に実装された部品実装部やはんだ付け部の外観検査(部品やはんだが正しく付いているか否かの検査)を行う検査機の監視装置及びプログラムに関連する。特に本装置は、検査結果をリアルタイムに監視して、プリント基板毎に作成され、検査時の良否判定等に使われる「検査データ」の適正性を判断する技術に関する。
【0002】
ある製造物の製造品質の良不良を決める外観検査工程において、その良不良判定における判定基準が、検査人の官能に基づく曖昧としたものが多く、判定基準データの的確な設定が困難であり、その設定は外観自動検査工程の管理者の経験と感に頼る場合が多かった。また、この判定基準データは、不良品を良品と判定するいわゆる見逃し現象を完全になくすために出来る限り厳しく設定するのが通例であった。したがって、その判定情報には、真実の「不良」と偽の「不良」すなわち「良」の複数の検査対象事項の良否判定結果が混入されているのが一般的である。
【0003】
適正な検査データとは、見逃し現象がなく、偽の「不良」が最小限に抑えられている検査データのことである。
【背景技術】
【0004】
従来、プリント基板の外観検査では、自動外観検査機が用いられ、検査機が不良と判定したものに対して再び人の目による目視検査が行われるのが一般的である。この際、検査機に使われる検査データは、「不良品の見逃しをなくすため、厳しく設定される」傾向がある。それ故、良品を不良品と判断する虚報が多発する傾向にあり、厳しすぎないように検査データを調整する必要がある。
【0005】
図12は検査データの調整の説明図である。図12において、(1) 外観検査前の複数の部品がある。(2) この部品を外観検査機で厳しく試験する。(3) 外観検査後には、不良判定の部品と良品判定の部品ができる。この不良判定の部品は、目視検査が行われる。(4) この目視検査後にも不良判定の部品と良品判定の部品ができる。この不良判定の部品は修理に回される。良品判定の部品は、虚報となる。(5) この虚報数が多いと再検査工数が大きくなるので、できるだけ少なくする必要がある。このため、虚報数が多いと外観検査機の検査データの調整が行われる。
【0006】
このように、検査データは不良品の見逃しが出ない範囲で、厳しすぎない程度に設定する必要がある。しかしながら、検査データは部品毎に調整する必要があり、さらに部品毎の部品識別限界が異なるため、許容される(適正な)虚報率は異なる(すなわち、認識率の悪い部品の虚報率を無理やり下げようとすると、見逃しが発生する)ことから、調整すべき部品を見極める必要があった。
【0007】
従来技術では、目視検査後の虚報数から経験的に検査データ調整が必要な個所(部品)を見極めていた。このため、検査後の虚報数だけでは調整すべき部品を判断できなく、過去の経験が必要なものであった。
【0008】
部品毎の適正な虚報率を経験的に判断とは、(例1)例えば、結果的に虚報率が高くても、もともと検査能力が低いので調整不要と判断する。(例2)結果的に虚報率が低くても、検査能力はもっと高いはずなので、要調整と判断する等がある。
【0009】
また、目視検査後でないと検査データ調整ができないため、検査データ調整が非効率的となる。
【0010】
目視検査前は、真の不良も含んでおり、虚報がどの程度発生しているのか分からない。そのため、検査データ調整は、目視検査後に行われ、データ調整のための再検査が必要となり、非効率的である。本来は検査中に問題のある箇所を見極めたいものであった。
【0011】
図13は従来の検査データ調整の説明図である。図13において、(1) 外観検査前の複数の部品A〜Dがある。(2) この部品A〜Dを外観検査機で試験する。(3) 外観検査後には、部品毎に不良判定の部品と良品判定の部品ができる。ここで部品A〜Dでは、それぞれ10%が不良判定されたものとする。(4) この不良判定された10%の部品に対して目視検査が行われる。(5) この目視検査後の良品判定の部品が虚報となる。
【0012】
部品Aでは、目視検査後9%が虚報(不良は1%)となり、虚報が多すぎ外観検査機の検査データの調整が必要となる。部品Bでは、目視検査後9%が虚報となり、虚報が多いがこの部品Bは検査が難しいので、この虚報率は許容範囲となる。部品Cでは、目視検査後の1%が虚報となり、虚報はさほど多くないので、この虚報率は許容範囲となる。部品Dでは、目視検査後の1%が虚報となり、虚報はさほど多くないが通常はもっと少ないので外観検査機の検査データの調整が必要となる。
【0013】
また、従来、外観自動検査手段において、複数の外観検査対象事項に対する再判定結果(目視検査)に基づいて判定基準データを再設定することが可能な手段を有する外観検査システムがあった。この外観検査システムは、再判定工程からの検査結果を基に外観検査機の検査データを自動調整するフィードバック工程をもつ。このため、構成上、必ず「再判定工程」→「フィードバック工程」→「外観検査」という流れで処理が行われる(特許文献1参照)。
【0014】
また、従来、予め定められた検査方式により判定して不良率を演算し、演算された不良率のうち目視検査による不良率あるいは経験から決まる最適な不良率に最も近い値を示す判定値を選択設定して検査を行う検査方法があった(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−258180号公報
【特許文献2】特開2001−242086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記従来のものは次のような課題があった。
【0016】
再判定工程からの検査結果を基に外観検査機の検査データを自動調整するフィードバック工程をもつものは、検査データに問題があった場合でも、必ず一度は「外観検査工程」→「再判定工程」を通るため、検査データの修正が大幅に遅れてしまう。また、虚報の許容範囲が考慮されておらず、検査アルゴリズム上(検査特性上)、検査データ値の追い込みをすべきデータとそうでないデータの区別がつかない。このため、自動的にデータの調整を始めると、虚報の発生確率の高いデータは、検査データの閾値があまくなる傾向にあり、不良品を見逃してしまう課題があった。
【0017】
また、演算された不良率のうち目視検査による不良率あるいは経験から決まる最適な不良率に最も近い値を示す判定値を選択設定して検査を行う検査方法は、外観検査前に実施される検査データ設定を容易化するものであり、リアルタイムに検査データの妥当性を確認できるものではなかった。
【0018】
本発明は、このような従来の課題を解決し、外観検査中に不適切な検査データを検出し、目視検査前に、検査データの修正を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
図1は本発明の外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。図1中、1は自動外観検査機、2は検査結果データ、3は目視検査、4はデータ監視装置、11は自動外観検査結果、12は目視検査結果、20は監視データ処理部20、21は監視データ部、22は監視情報入出力部、31は暫定虚報率算出部(虚報率算出手段)、32は推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)、33は警報部品判断部(警報部品判断手段)、34は暫定虚報率データ、35は推定不良率推定虚報率データ、36は監視結果表示部、37は監視条件入力部である。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を解決するため、次のように構成した。
【0021】
(1):自動外観検査機1が良品を不良品と判断する割合である虚報率を算出する虚報率算出手段31と、不適切な検査部品を警告する警報部品判断手段33とを備え、前記虚報率算出手段31で、ある監視期間の虚報率を算出し、前記警報部品判断手段33で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告する。このため、自動外観検査機の外観検査中に不適切な検査データが検出され、目視検査前に検査データの修正を行うことが可能となるため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができる。
【0022】
(2):前記(1)の外観検査機の監視装置において、一定期間の自動外観検査機1による検査結果と目視検査3とから前記推定虚報率を算出する推定虚報率算出手段32を備える。このため、推定虚報率を容易に算出することができる。
【0023】
(3):前記(1)又は(2)の外観検査機の監視装置において、前記推定虚報率及び監視期間の虚報率は、同一部品形状ごとに算出される。このため、同一部品形状(検査項目)ごとに不適切な検査データであると警告することができる。
【0024】
(4):前記(1)又は(2)の外観検査機の監視装置において、前記警報部品判断手段33で、前記算出した監視期間の虚報率と前記予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告する。このため、有意水準にてバラツキを考慮した不適切な検査データを適切に警告することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば次のような効果がある。
【0026】
(1):虚報率算出手段で、ある監視期間の虚報率を算出し、警報部品判断手段で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告するため、外観検査中に不適切な検査データが検出され、目視検査前に検査データの修正を行うことが可能となるため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができる。
【0027】
(2):推定虚報率算出手段で、一定期間の自動外観検査機による検査結果と目視検査とから推定虚報率を算出するため、推定虚報率を容易に算出することができる。
【0028】
(3):推定虚報率及び監視期間の虚報率は、同一部品形状(検査項目)ごとに算出されるため、同一部品形状ごとに不適切な検査データであると警告することができる。
【0029】
(4):警報部品判断手段で、算出した監視期間の虚報率と予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告するため、有意水準にてバラツキを考慮した不適切な検査データを適切に警告することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(1):外観検査機の監視装置の構成要素の説明
図1は外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。図1において、外観検査機の監視装置には、自動外観検査機1、検査結果データ2、目視検査3、データ監視装置4が設けてある。検査結果データ2には、自動外観検査結果11と目視検査結果12が設けてある。データ監視装置4には、監視データ処理部20、監視データ部21、監視情報入出力部22が設けてある。監視データ処理部20には、暫定虚報率算出部31、推定不良率推定虚報率算出部32、警報部品判断部33が設けてある。監視データ部21には、暫定虚報率データ34、推定不良率推定虚報率データ35が設けてある。監視情報入出力部22には、監視結果表示部36、監視条件入力部37が設けてある。
【0031】
自動外観検査機1は、プリント基板に搭載された部品やはんだの外観検査を自動で行う工程を備えた検査機である。検査結果データ2は、自動外観検査機1の検査結果や目視検査3の検査結果を格納する格納手段である。目視検査3は、人が目視により外観検査を行うもので、自動外観検査結果の不良部分を再検査、すなわち、虚報を含む検査結果を再検査して、真の不良を見つけ、修理するものである。データ監視装置4は、自動外観検査機1の検査データの監視を行うものである。
【0032】
自動外観検査結果11は、自動外観検査機1の各部品やはんだに対する外観検査結果を保存する格納手段である。この検査結果は厳しく検査される為に、多くの虚報(真の良品を不良と判定)を含むものである。目視検査結果12は、自動外観検査結果の不良判定個所に対する再検査結果を保存する格納手段である。この目視検査結果と自動外観検査結果により、虚報率や不良率が計算できるものである。
【0033】
監視データ処理部20は、データ監視装置4で監視するデータの処理を行う処理手段である。監視データ部21は、データ監視装置4で監視するデータの格納手段である。監視情報入出力部22は、データ監視装置4で監視する情報の入出力手段である。
【0034】
暫定虚報率算出部31は、監視条件入力部37より入力された暫定虚報率算出条件に基づき、自動外観検査結果11の暫定不良率を同一部品形状(検査項目)毎に算出する処理手段である。推定不良率推定虚報率算出部32は、監視条件入力部37より入力された推定不良率・推定虚報率の算出条件に基づき、推定不良率と推定虚報率を同一部品形状毎に算出する処理手段である。警報部品判断部33は、同一部品形状毎に、推定虚報率、暫定虚報率を比較して、統計的に差異が確認できる部品を判断する処理手段である。
【0035】
暫定虚報率データ34は、同一部品形状毎に計算された暫定虚報率を保存する格納手段(場所)である。推定不良率推定虚報率データ35は、同一部品形状毎に計算された推定不良率と推定虚報率を保存する格納手段(場所)である。
【0036】
監視結果表示部36は、警報部品判断部33で警報部品と判断された部品と検査データ等を表示する出力手段である。監視条件入力部37は、暫定虚報率算出条件等を入力する入力手段である。
【0037】
(2):検査結果を反映させる構成要素群の説明
図2は一般的な外観検査の構成の説明図である。図2において、一般的な外観検査の構成には、自動外観検査機1、検査結果データ2、目視検査3、自動外観検査結果11、目視検査結果12がある。
【0038】
一般的な外観検査では、自動外観検査機1を用いて、部品やはんだの検査を行う工程と、この検査結果を検査結果データ2に自動外観検査結果11として格納する。この検査結果は厳しく検査されるために、多くの虚報(真の良品を不良と判定)を含むものである。このため、自動外観検査結果の不良部分を目視検査3により再検査する。これは虚報を含む検査結果を再検査して、真の不良を見つけて修理する。この目視検査の結果は、自動外観検査結果の不良判定個所に対する再検査結果を検査結果データ2に目視検査結果12として保存する。この目視検査結果と自動外観検査結果により、虚報率や不良率が計算できる。
【0039】
(参考例)
不良率:目視検査の不良個所÷検査対象個所 ※一般的には数十ppm (10/1,000,000)
虚報率:自動外観検査の不良(虚報)個所÷検査対象個所 ※一般的には数千ppm (1,000/1,000,000 )
【0040】
図3は外観検査工程フローである。以下、図3のフローの処理S1〜5に従って説明する。
【0041】
S1:自動外観検査機1により、部品やはんだの検査を行い、検査結果を自動外観検査結果11として検査結果データ2に格納し、処理S2に移る。
【0042】
S2:自動外観検査機1では、検査結果で不良の有無を判断する。この判断で不良が無い場合は次の工程に移り、不良が有る場合は処理S3に移る。
【0043】
S3:自動外観検査機1の検査結果で不良判定個所に対して目視検査(再検査)を行い、検査結果を目視検査結果12として検査結果データ2に格納し、処理S4に移る。
【0044】
S4:目視検査の結果で不良の有無を判断する。この判断で不良が無い場合は次の工程に移り、不良が有る場合は処理S5に移る。
【0045】
S5:目視検査の結果で不良が有る場合、不良の個所の修理を行い次の工程に移る。
【0046】
図4は外観/目視検査結果の説明図である。図4において、自動外観検査機1による外観検査結果と目視検査による目視検査結果を表にしたものである。この表には、製造番号、実装位置(部品名)、検査項目、部品種、外観検査結果、目視検査結果がある。ここで例えば、製造番号「1」は1つのプリント板であり、このプリント板の実装位置(部品名)「R25」、「I123」、「C50」の検査が行われたことを示している。そして、製造番号「1」の実装位置(部品名)「I123」は、外観検査結果は「不良」であるが、再検査である目視検査結果では「合格」となっている。
【0047】
(3):推定不良率と推定虚報率の算出の説明
図5は推定不良率と推定虚報率を算出する構成の説明図である。図5において、目視検査の検査結果から、リアルタイムに推定不良率及び推定虚報率を算出する構成要素群を示している。推定不良率と推定虚報率を算出する構成には、目視検査結果12、推定不良率推定虚報率算出部32、推定不良率推定虚報率データ35、監視条件入力部37が設けてある。
【0048】
推定不良率と推定虚報率を算出するには、自動外観検査機1による自動外観検査結果の不良判定個所に対する目視検査結果12(再検査結果;虚報を含まないものとする)と監視条件入力部37からの推定不良率及び推定虚報率の算出条件を推定不良率推定虚報率算出部32へ入力する。推定不良率推定虚報率算出部32では、監視条件入力部37より入力された推定不良率及び推定虚報率の算出条件に基づき、推定不良率と推定虚報率を算出し、推定不良率推定虚報率データ35として監視データ部21に格納される。
【0049】
・推定不良率、推定虚報率の計算方法(同一部品形状毎に計算される)の説明
推定不良率=推定対象区間内の不良数÷推定対象区間内の検査対象数
推定虚報率=推定対象区間内の虚報数÷推定対象区間内の検査対象数
ここで推定対象区間(監視条件入力部37で入力された期間内もしくは部品数内に検査された部品)は、例えば、1週間、10,000個等である(後述の暫定虚報率の監視対象区間より長い)。
【0050】
図6は推定不良率と推定虚報率の算出フローである。以下、図6のフローの処理S11〜15に従って説明する。
【0051】
S11:自動外観検査結果の不良判定個所に対する目視検査結果(再検査結果)を目視検査結果12として検査結果データ2に登録し、処理S12に移る。
【0052】
S12:推定不良率推定虚報率算出部32では、目視検査の対象が監視条件入力部37から入力された推定区間(この例では2ヶ月)内のものかどうかを確認する。この確認で推定区間外の場合はこの処理を終了し、推定区間内の場合は処理S13に移る。
【0053】
S13:推定不良率推定虚報率算出部32では、推定区間内の不良数、虚報数、試験数により、推定不良率と推定虚報率を算出し、推定不良率及び推定虚報率のデータとして監視データ部21に格納し、この処理を終了する。
【0054】
図7は推定不良率/推定虚報率結果の説明図である。図7において、目視検査結果(再検査結果)より推定不良率と推定虚報率を求めた結果を表にしたものである。この表には、部品種、試験項目、試験数、不良数、不良率(推定不良率)(単位はPPM;百万分率)、虚報数、虚報率(推定虚報率)がある。この表の例では、推定期間は2ヶ月、推定不良率は不良数÷試験数で計算し、推定虚報率は虚報数÷試験数で計算した。
【0055】
(4):自動外観検査中の検査結果に基づき暫定虚報率を算出する説明
図8は暫定虚報率を算出する構成の説明図である。図8において、自動外観検査中の検査結果に基づきリアルタイムに暫定虚報率を算出する構成要素群を示している。暫定虚報率を算出する構成には、自動外観検査結果11、暫定虚報率算出部31、暫定虚報率データ34、監視条件入力部37が設けてある。
【0056】
一般的に、自動外観検査機による検査の虚報率(数)は変化が大きいが、不良率は大く変化しない。このため監視区間の暫定虚報率を算出する。暫定虚報率を算出するには、暫定虚報率算出部31で、監視条件入力部37より入力された暫定虚報率算出条件に基づき、自動検査機1の各部品やはんだに対する検査結果(虚報を含む)である自動外観検査結果11の暫定虚報率を算出する。この算出したデータは、暫定虚報率データ34として監視データ部21に格納される(同一部品形状毎に計算された暫定虚報率を保存する)。
【0057】
この暫定虚報率の計算方法(同一部品形状毎に計算される)は、次の通りである。
暫定虚報率=(監視不良数−監視試験数×推定不良率)÷監視試験数
【0058】
なお、監視対象区間(監視条件入力部37で入力された期間内もしくは部品数内に検査された部品)は、例えば1日、1000個とされる。これは推定不良率、推定虚報率の監視対象区間(推定対象区間)よりも短い期間又は部品数になる。また、自動外観検査の不良判定数は、虚報を含んでいるため、真の不良数のおよそ100 倍になる。
【0059】
(5):不適正な部品を警告する場合の説明
図9は不適正な部品を警告する構成の説明図である。図9において、算出された各種不良率や虚報率から、リアルタイムに不適正な部品を警告する構成である。この構成には、警報部品判断部33、暫定虚報率データ34、推定不良率推定虚報率データ35、監視結果表示部36が設けてある。
【0060】
不適正な部品の警告は、警報部品判断部33で、同一部品形状毎に計算された推定不良率推定虚報率データ35の推定虚報率と同一部品形状毎に計算された暫定虚報率データ34の暫定虚報率を比較して、統計的に差異が確認できる部品を判断する。この判断で、警報部品と判断された部品と検査データを監視結果表示部36に表示する。
【0061】
なお、推定虚報率と暫定虚報率の比較は、後述の統計学(不適合品率に関する検定と推定)を利用して行うことができる。
【0062】
(6):異常検査データの監視フローの説明
図10は異常検査データ監視フローである。以下、図10のフローの処理S21〜26に従って説明する。
【0063】
S21:自動外観検査機1による不良判定個所に対する検査結果を自動外観検査結果11として検査結果データ2に登録し、処理S22に移る。
【0064】
S22:暫定虚報率算出部31では、検査の対象が監視条件入力部37から入力された監視区間内のものかどうかを確認する。この確認で監視区間外の場合はこの処理を終了し、監視区間内の場合は処理S23に移る。
【0065】
S23:暫定虚報率算出部31では、自動外観検査結果11と推定不良率(図6参照)により、監視区間内の不良数、虚報数の推定を行い、推定不良数、推定虚報数、暫定虚報数(率)を監視データ部21に格納し、処理S24に移る。
【0066】
S24:警報部品判断部33では、推定虚報率、暫定虚報数、推定虚報数等により、監視区間の虚報率差異検定を行い、検定結果を検査結果データ2等の格納手段に格納し、処理S25に移る。
【0067】
S25:警報部品判断部33では、虚報率差異検定で差異が無い場合はこの処理を終了し、差異が有る場合は処理S26に移る。
【0068】
S26:監視結果表示部36で、異常検査データを表示し、この処理を終了する。
【0069】
なお、監視条件入力部37からは、監視区間(<推定区間)、不良数推定のための信頼係数、虚報率差異検定のための有意水準等が入力される。
【0070】
(7):差異検定結果の説明
例として、監視区間2時間とし、虚報率差異検定のための有意水準を1%とすると、次のようにして差異検定を行うことができる。
【0071】
推定不良数=監視試験数×推定不良率
推定虚報数=監視試験数×推定虚報率
暫定虚報数=監視不良数−推定不良数
差異検定(1%有意水準時)
(暫定虚報数−推定虚報数)÷〔推定虚報数×(1−推定虚報率)〕1/2 > 2.33 の場合差異ありと判断する。
【0072】
図11は差異検定結果の説明図である。図11において、差異検定結果を表で示したものである。この表には、部品種、試験項目、監視試験数、監視不良数、推定不良数、推定虚報数、暫定虚報数、差異検定が設けてある。この差異検定では、自動外観検査機1の部品種「No.1」の実装検査は「NG」であるが、はんだ検査では「OK」であることを示している。この差異検定で「NG」の場合は、自動外観検査機1の検査データの修正が行われる。
【0073】
なお、上記の例では、暫定虚報数を算出して自動外観検査機1の監視を行う説明をしたが、監視データ処理部20に暫定不良数(率)算出部を備え、暫定不良数(=監視不良数−推定虚報数)を算出し、この暫定不良数と推定不良数を比較して差異検定を行い自動外観検査機1の監視を行うこともできる。
【0074】
(8):統計学の「不適合品率に関する検定と推定」の利用の説明
不適合品率に関する検定と推定とは、従来の母不適合品率に対する現状の母不適合品率に違いがあるかどうかを判断する為の検定と推定である。下記はその例を示すものである。
【0075】
[目視検査から算出される推定不良率/推定虚報率]・・・推定不良率推定虚報率算出部32で算出する。
【0076】
推定不良率(従来の母不良率)=推定サンプル中の不良数÷推定サンプル数(過去2ヶ月※推定(監視)条件)
推定虚報率(従来の母虚報率)=推定サンプル中の虚報数÷推定サンプル数(過去 2ヶ月※推定(監視)条件)
[外観検査から算出される暫定虚報率]・・・暫定虚報率算出部31で算出する。
【0077】
推定不良数=暫定サンプル数×推定不良率(過去2日※監視条件)
推定虚報数=暫定サンプル数×推定虚報率(過去2日※監視条件)
暫定虚報率(現状の母虚報率)=(暫定サンプル中の不良数−推定不良数)÷暫定サンプル数
【0078】
[暫定虚報率に関する検定と推定]
仮定H0 :現状の虚報率は従来の虚報率と変わらない
H1 :現状の虚報率は従来の虚報率より高い(片側検定)
有意水準5%(※監視条件)にて検定
U0 =(暫定虚報数−暫定サンプル数×推定虚報率)÷〔暫定サンプル数×推定虚報率×(1−推定虚報率)〕1/2
|U0 |>U0.95(=1.64 )の場合、H0 が棄却される。つまり、現状の虚報率は従来の虚報率と比べ、異常(バラツキを考慮した上での)な虚報数となっていると判断される。
【0079】
以上説明したように、従来、問題のある検査データを、虚報数を確認しながら経験的に判断する必要があったが、この経験が不要となった。また、自動外観検査機の外観検査中に不適切な検査データが検出されるため、目視検査前に、検査データの修正を行うことが可能となった。そのため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。更に、目視検査から結果フィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができるようになった。
【0080】
(9):プログラムインストールの説明
監視データ処理部20、監視情報入出力部22、暫定虚報率算出部(暫定虚報率算出手段)31、推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)32、警報部品判断部(警報部品判断手段)33、監視結果表示部(出力手段)36、監視条件入力部(入力手段)37等はプログラムで構成でき、主制御部(CPU)が実行するものであり、主記憶に格納されているものである。このプログラムは、コンピュータで処理されるものである。このコンピュータは、主制御部、主記憶、ファイル装置、表示装置等の出力装置、入力装置などのハードウェアで構成されている。
【0081】
このコンピュータに、本発明のプログラムをインストールする。このインストールは、フロッピィ、光磁気ディスク等の可搬型の記録(記憶)媒体に、これらのプログラムを記憶させておき、コンピュータが備えている記録媒体に対して、アクセスするためのドライブ装置を介して、或いは、LAN等のネットワークを介して、コンピュータに設けられたファイル装置にインストールされる。
【0082】
これにより、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化でき、また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなく、迅速に検査データの再調整ができる外観検査機の監視装置を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。
【図2】本発明の一般的な外観検査の構成の説明図である。
【図3】本発明の外観検査工程フローである。
【図4】本発明の外観/目視検査結果の説明図である。
【図5】本発明の推定不良率と推定虚報率を算出する構成の説明図である。
【図6】本発明の推定不良率と推定虚報率の算出フローである。
【図7】本発明の推定不良率/推定虚報率結果の説明図である。
【図8】本発明の暫定虚報率を算出する構成の説明図である。
【図9】本発明の不適正な部品を警告する構成の説明図である。
【図10】本発明の異常検査データ監視フローである。
【図11】本発明の差異検定結果の説明図である。
【図12】従来の検査データの調整の説明図である。
【図13】従来の検査データ調整の説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 自動外観検査機
2 検査結果データ
3 目視検査
4 データ監視装置
11 自動外観検査結果
12 目視検査結果
20 監視データ処理部
21 監視データ部
22 監視情報入出力部
31 暫定虚報率算出部(虚報率算出手段)
32 推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)
33 警報部品判断部(警報部品判断手段)
34 暫定虚報率データ
35 推定不良率推定虚報率データ
36 監視結果表示部
37 監視条件入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に実装された部品実装部やはんだ付け部の外観検査(部品やはんだが正しく付いているか否かの検査)を行う検査機の監視装置及びプログラムに関連する。特に本装置は、検査結果をリアルタイムに監視して、プリント基板毎に作成され、検査時の良否判定等に使われる「検査データ」の適正性を判断する技術に関する。
【0002】
ある製造物の製造品質の良不良を決める外観検査工程において、その良不良判定における判定基準が、検査人の官能に基づく曖昧としたものが多く、判定基準データの的確な設定が困難であり、その設定は外観自動検査工程の管理者の経験と感に頼る場合が多かった。また、この判定基準データは、不良品を良品と判定するいわゆる見逃し現象を完全になくすために出来る限り厳しく設定するのが通例であった。したがって、その判定情報には、真実の「不良」と偽の「不良」すなわち「良」の複数の検査対象事項の良否判定結果が混入されているのが一般的である。
【0003】
適正な検査データとは、見逃し現象がなく、偽の「不良」が最小限に抑えられている検査データのことである。
【背景技術】
【0004】
従来、プリント基板の外観検査では、自動外観検査機が用いられ、検査機が不良と判定したものに対して再び人の目による目視検査が行われるのが一般的である。この際、検査機に使われる検査データは、「不良品の見逃しをなくすため、厳しく設定される」傾向がある。それ故、良品を不良品と判断する虚報が多発する傾向にあり、厳しすぎないように検査データを調整する必要がある。
【0005】
図12は検査データの調整の説明図である。図12において、(1) 外観検査前の複数の部品がある。(2) この部品を外観検査機で厳しく試験する。(3) 外観検査後には、不良判定の部品と良品判定の部品ができる。この不良判定の部品は、目視検査が行われる。(4) この目視検査後にも不良判定の部品と良品判定の部品ができる。この不良判定の部品は修理に回される。良品判定の部品は、虚報となる。(5) この虚報数が多いと再検査工数が大きくなるので、できるだけ少なくする必要がある。このため、虚報数が多いと外観検査機の検査データの調整が行われる。
【0006】
このように、検査データは不良品の見逃しが出ない範囲で、厳しすぎない程度に設定する必要がある。しかしながら、検査データは部品毎に調整する必要があり、さらに部品毎の部品識別限界が異なるため、許容される(適正な)虚報率は異なる(すなわち、認識率の悪い部品の虚報率を無理やり下げようとすると、見逃しが発生する)ことから、調整すべき部品を見極める必要があった。
【0007】
従来技術では、目視検査後の虚報数から経験的に検査データ調整が必要な個所(部品)を見極めていた。このため、検査後の虚報数だけでは調整すべき部品を判断できなく、過去の経験が必要なものであった。
【0008】
部品毎の適正な虚報率を経験的に判断とは、(例1)例えば、結果的に虚報率が高くても、もともと検査能力が低いので調整不要と判断する。(例2)結果的に虚報率が低くても、検査能力はもっと高いはずなので、要調整と判断する等がある。
【0009】
また、目視検査後でないと検査データ調整ができないため、検査データ調整が非効率的となる。
【0010】
目視検査前は、真の不良も含んでおり、虚報がどの程度発生しているのか分からない。そのため、検査データ調整は、目視検査後に行われ、データ調整のための再検査が必要となり、非効率的である。本来は検査中に問題のある箇所を見極めたいものであった。
【0011】
図13は従来の検査データ調整の説明図である。図13において、(1) 外観検査前の複数の部品A〜Dがある。(2) この部品A〜Dを外観検査機で試験する。(3) 外観検査後には、部品毎に不良判定の部品と良品判定の部品ができる。ここで部品A〜Dでは、それぞれ10%が不良判定されたものとする。(4) この不良判定された10%の部品に対して目視検査が行われる。(5) この目視検査後の良品判定の部品が虚報となる。
【0012】
部品Aでは、目視検査後9%が虚報(不良は1%)となり、虚報が多すぎ外観検査機の検査データの調整が必要となる。部品Bでは、目視検査後9%が虚報となり、虚報が多いがこの部品Bは検査が難しいので、この虚報率は許容範囲となる。部品Cでは、目視検査後の1%が虚報となり、虚報はさほど多くないので、この虚報率は許容範囲となる。部品Dでは、目視検査後の1%が虚報となり、虚報はさほど多くないが通常はもっと少ないので外観検査機の検査データの調整が必要となる。
【0013】
また、従来、外観自動検査手段において、複数の外観検査対象事項に対する再判定結果(目視検査)に基づいて判定基準データを再設定することが可能な手段を有する外観検査システムがあった。この外観検査システムは、再判定工程からの検査結果を基に外観検査機の検査データを自動調整するフィードバック工程をもつ。このため、構成上、必ず「再判定工程」→「フィードバック工程」→「外観検査」という流れで処理が行われる(特許文献1参照)。
【0014】
また、従来、予め定められた検査方式により判定して不良率を演算し、演算された不良率のうち目視検査による不良率あるいは経験から決まる最適な不良率に最も近い値を示す判定値を選択設定して検査を行う検査方法があった(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−258180号公報
【特許文献2】特開2001−242086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記従来のものは次のような課題があった。
【0016】
再判定工程からの検査結果を基に外観検査機の検査データを自動調整するフィードバック工程をもつものは、検査データに問題があった場合でも、必ず一度は「外観検査工程」→「再判定工程」を通るため、検査データの修正が大幅に遅れてしまう。また、虚報の許容範囲が考慮されておらず、検査アルゴリズム上(検査特性上)、検査データ値の追い込みをすべきデータとそうでないデータの区別がつかない。このため、自動的にデータの調整を始めると、虚報の発生確率の高いデータは、検査データの閾値があまくなる傾向にあり、不良品を見逃してしまう課題があった。
【0017】
また、演算された不良率のうち目視検査による不良率あるいは経験から決まる最適な不良率に最も近い値を示す判定値を選択設定して検査を行う検査方法は、外観検査前に実施される検査データ設定を容易化するものであり、リアルタイムに検査データの妥当性を確認できるものではなかった。
【0018】
本発明は、このような従来の課題を解決し、外観検査中に不適切な検査データを検出し、目視検査前に、検査データの修正を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
図1は本発明の外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。図1中、1は自動外観検査機、2は検査結果データ、3は目視検査、4はデータ監視装置、11は自動外観検査結果、12は目視検査結果、20は監視データ処理部20、21は監視データ部、22は監視情報入出力部、31は暫定虚報率算出部(虚報率算出手段)、32は推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)、33は警報部品判断部(警報部品判断手段)、34は暫定虚報率データ、35は推定不良率推定虚報率データ、36は監視結果表示部、37は監視条件入力部である。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を解決するため、次のように構成した。
【0021】
(1):自動外観検査機1が良品を不良品と判断する割合である虚報率を算出する虚報率算出手段31と、不適切な検査部品を警告する警報部品判断手段33とを備え、前記虚報率算出手段31で、ある監視期間の虚報率を算出し、前記警報部品判断手段33で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告する。このため、自動外観検査機の外観検査中に不適切な検査データが検出され、目視検査前に検査データの修正を行うことが可能となるため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができる。
【0022】
(2):前記(1)の外観検査機の監視装置において、一定期間の自動外観検査機1による検査結果と目視検査3とから前記推定虚報率を算出する推定虚報率算出手段32を備える。このため、推定虚報率を容易に算出することができる。
【0023】
(3):前記(1)又は(2)の外観検査機の監視装置において、前記推定虚報率及び監視期間の虚報率は、同一部品形状ごとに算出される。このため、同一部品形状(検査項目)ごとに不適切な検査データであると警告することができる。
【0024】
(4):前記(1)又は(2)の外観検査機の監視装置において、前記警報部品判断手段33で、前記算出した監視期間の虚報率と前記予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告する。このため、有意水準にてバラツキを考慮した不適切な検査データを適切に警告することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば次のような効果がある。
【0026】
(1):虚報率算出手段で、ある監視期間の虚報率を算出し、警報部品判断手段で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告するため、外観検査中に不適切な検査データが検出され、目視検査前に検査データの修正を行うことが可能となるため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができる。
【0027】
(2):推定虚報率算出手段で、一定期間の自動外観検査機による検査結果と目視検査とから推定虚報率を算出するため、推定虚報率を容易に算出することができる。
【0028】
(3):推定虚報率及び監視期間の虚報率は、同一部品形状(検査項目)ごとに算出されるため、同一部品形状ごとに不適切な検査データであると警告することができる。
【0029】
(4):警報部品判断手段で、算出した監視期間の虚報率と予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告するため、有意水準にてバラツキを考慮した不適切な検査データを適切に警告することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(1):外観検査機の監視装置の構成要素の説明
図1は外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。図1において、外観検査機の監視装置には、自動外観検査機1、検査結果データ2、目視検査3、データ監視装置4が設けてある。検査結果データ2には、自動外観検査結果11と目視検査結果12が設けてある。データ監視装置4には、監視データ処理部20、監視データ部21、監視情報入出力部22が設けてある。監視データ処理部20には、暫定虚報率算出部31、推定不良率推定虚報率算出部32、警報部品判断部33が設けてある。監視データ部21には、暫定虚報率データ34、推定不良率推定虚報率データ35が設けてある。監視情報入出力部22には、監視結果表示部36、監視条件入力部37が設けてある。
【0031】
自動外観検査機1は、プリント基板に搭載された部品やはんだの外観検査を自動で行う工程を備えた検査機である。検査結果データ2は、自動外観検査機1の検査結果や目視検査3の検査結果を格納する格納手段である。目視検査3は、人が目視により外観検査を行うもので、自動外観検査結果の不良部分を再検査、すなわち、虚報を含む検査結果を再検査して、真の不良を見つけ、修理するものである。データ監視装置4は、自動外観検査機1の検査データの監視を行うものである。
【0032】
自動外観検査結果11は、自動外観検査機1の各部品やはんだに対する外観検査結果を保存する格納手段である。この検査結果は厳しく検査される為に、多くの虚報(真の良品を不良と判定)を含むものである。目視検査結果12は、自動外観検査結果の不良判定個所に対する再検査結果を保存する格納手段である。この目視検査結果と自動外観検査結果により、虚報率や不良率が計算できるものである。
【0033】
監視データ処理部20は、データ監視装置4で監視するデータの処理を行う処理手段である。監視データ部21は、データ監視装置4で監視するデータの格納手段である。監視情報入出力部22は、データ監視装置4で監視する情報の入出力手段である。
【0034】
暫定虚報率算出部31は、監視条件入力部37より入力された暫定虚報率算出条件に基づき、自動外観検査結果11の暫定不良率を同一部品形状(検査項目)毎に算出する処理手段である。推定不良率推定虚報率算出部32は、監視条件入力部37より入力された推定不良率・推定虚報率の算出条件に基づき、推定不良率と推定虚報率を同一部品形状毎に算出する処理手段である。警報部品判断部33は、同一部品形状毎に、推定虚報率、暫定虚報率を比較して、統計的に差異が確認できる部品を判断する処理手段である。
【0035】
暫定虚報率データ34は、同一部品形状毎に計算された暫定虚報率を保存する格納手段(場所)である。推定不良率推定虚報率データ35は、同一部品形状毎に計算された推定不良率と推定虚報率を保存する格納手段(場所)である。
【0036】
監視結果表示部36は、警報部品判断部33で警報部品と判断された部品と検査データ等を表示する出力手段である。監視条件入力部37は、暫定虚報率算出条件等を入力する入力手段である。
【0037】
(2):検査結果を反映させる構成要素群の説明
図2は一般的な外観検査の構成の説明図である。図2において、一般的な外観検査の構成には、自動外観検査機1、検査結果データ2、目視検査3、自動外観検査結果11、目視検査結果12がある。
【0038】
一般的な外観検査では、自動外観検査機1を用いて、部品やはんだの検査を行う工程と、この検査結果を検査結果データ2に自動外観検査結果11として格納する。この検査結果は厳しく検査されるために、多くの虚報(真の良品を不良と判定)を含むものである。このため、自動外観検査結果の不良部分を目視検査3により再検査する。これは虚報を含む検査結果を再検査して、真の不良を見つけて修理する。この目視検査の結果は、自動外観検査結果の不良判定個所に対する再検査結果を検査結果データ2に目視検査結果12として保存する。この目視検査結果と自動外観検査結果により、虚報率や不良率が計算できる。
【0039】
(参考例)
不良率:目視検査の不良個所÷検査対象個所 ※一般的には数十ppm (10/1,000,000)
虚報率:自動外観検査の不良(虚報)個所÷検査対象個所 ※一般的には数千ppm (1,000/1,000,000 )
【0040】
図3は外観検査工程フローである。以下、図3のフローの処理S1〜5に従って説明する。
【0041】
S1:自動外観検査機1により、部品やはんだの検査を行い、検査結果を自動外観検査結果11として検査結果データ2に格納し、処理S2に移る。
【0042】
S2:自動外観検査機1では、検査結果で不良の有無を判断する。この判断で不良が無い場合は次の工程に移り、不良が有る場合は処理S3に移る。
【0043】
S3:自動外観検査機1の検査結果で不良判定個所に対して目視検査(再検査)を行い、検査結果を目視検査結果12として検査結果データ2に格納し、処理S4に移る。
【0044】
S4:目視検査の結果で不良の有無を判断する。この判断で不良が無い場合は次の工程に移り、不良が有る場合は処理S5に移る。
【0045】
S5:目視検査の結果で不良が有る場合、不良の個所の修理を行い次の工程に移る。
【0046】
図4は外観/目視検査結果の説明図である。図4において、自動外観検査機1による外観検査結果と目視検査による目視検査結果を表にしたものである。この表には、製造番号、実装位置(部品名)、検査項目、部品種、外観検査結果、目視検査結果がある。ここで例えば、製造番号「1」は1つのプリント板であり、このプリント板の実装位置(部品名)「R25」、「I123」、「C50」の検査が行われたことを示している。そして、製造番号「1」の実装位置(部品名)「I123」は、外観検査結果は「不良」であるが、再検査である目視検査結果では「合格」となっている。
【0047】
(3):推定不良率と推定虚報率の算出の説明
図5は推定不良率と推定虚報率を算出する構成の説明図である。図5において、目視検査の検査結果から、リアルタイムに推定不良率及び推定虚報率を算出する構成要素群を示している。推定不良率と推定虚報率を算出する構成には、目視検査結果12、推定不良率推定虚報率算出部32、推定不良率推定虚報率データ35、監視条件入力部37が設けてある。
【0048】
推定不良率と推定虚報率を算出するには、自動外観検査機1による自動外観検査結果の不良判定個所に対する目視検査結果12(再検査結果;虚報を含まないものとする)と監視条件入力部37からの推定不良率及び推定虚報率の算出条件を推定不良率推定虚報率算出部32へ入力する。推定不良率推定虚報率算出部32では、監視条件入力部37より入力された推定不良率及び推定虚報率の算出条件に基づき、推定不良率と推定虚報率を算出し、推定不良率推定虚報率データ35として監視データ部21に格納される。
【0049】
・推定不良率、推定虚報率の計算方法(同一部品形状毎に計算される)の説明
推定不良率=推定対象区間内の不良数÷推定対象区間内の検査対象数
推定虚報率=推定対象区間内の虚報数÷推定対象区間内の検査対象数
ここで推定対象区間(監視条件入力部37で入力された期間内もしくは部品数内に検査された部品)は、例えば、1週間、10,000個等である(後述の暫定虚報率の監視対象区間より長い)。
【0050】
図6は推定不良率と推定虚報率の算出フローである。以下、図6のフローの処理S11〜15に従って説明する。
【0051】
S11:自動外観検査結果の不良判定個所に対する目視検査結果(再検査結果)を目視検査結果12として検査結果データ2に登録し、処理S12に移る。
【0052】
S12:推定不良率推定虚報率算出部32では、目視検査の対象が監視条件入力部37から入力された推定区間(この例では2ヶ月)内のものかどうかを確認する。この確認で推定区間外の場合はこの処理を終了し、推定区間内の場合は処理S13に移る。
【0053】
S13:推定不良率推定虚報率算出部32では、推定区間内の不良数、虚報数、試験数により、推定不良率と推定虚報率を算出し、推定不良率及び推定虚報率のデータとして監視データ部21に格納し、この処理を終了する。
【0054】
図7は推定不良率/推定虚報率結果の説明図である。図7において、目視検査結果(再検査結果)より推定不良率と推定虚報率を求めた結果を表にしたものである。この表には、部品種、試験項目、試験数、不良数、不良率(推定不良率)(単位はPPM;百万分率)、虚報数、虚報率(推定虚報率)がある。この表の例では、推定期間は2ヶ月、推定不良率は不良数÷試験数で計算し、推定虚報率は虚報数÷試験数で計算した。
【0055】
(4):自動外観検査中の検査結果に基づき暫定虚報率を算出する説明
図8は暫定虚報率を算出する構成の説明図である。図8において、自動外観検査中の検査結果に基づきリアルタイムに暫定虚報率を算出する構成要素群を示している。暫定虚報率を算出する構成には、自動外観検査結果11、暫定虚報率算出部31、暫定虚報率データ34、監視条件入力部37が設けてある。
【0056】
一般的に、自動外観検査機による検査の虚報率(数)は変化が大きいが、不良率は大く変化しない。このため監視区間の暫定虚報率を算出する。暫定虚報率を算出するには、暫定虚報率算出部31で、監視条件入力部37より入力された暫定虚報率算出条件に基づき、自動検査機1の各部品やはんだに対する検査結果(虚報を含む)である自動外観検査結果11の暫定虚報率を算出する。この算出したデータは、暫定虚報率データ34として監視データ部21に格納される(同一部品形状毎に計算された暫定虚報率を保存する)。
【0057】
この暫定虚報率の計算方法(同一部品形状毎に計算される)は、次の通りである。
暫定虚報率=(監視不良数−監視試験数×推定不良率)÷監視試験数
【0058】
なお、監視対象区間(監視条件入力部37で入力された期間内もしくは部品数内に検査された部品)は、例えば1日、1000個とされる。これは推定不良率、推定虚報率の監視対象区間(推定対象区間)よりも短い期間又は部品数になる。また、自動外観検査の不良判定数は、虚報を含んでいるため、真の不良数のおよそ100 倍になる。
【0059】
(5):不適正な部品を警告する場合の説明
図9は不適正な部品を警告する構成の説明図である。図9において、算出された各種不良率や虚報率から、リアルタイムに不適正な部品を警告する構成である。この構成には、警報部品判断部33、暫定虚報率データ34、推定不良率推定虚報率データ35、監視結果表示部36が設けてある。
【0060】
不適正な部品の警告は、警報部品判断部33で、同一部品形状毎に計算された推定不良率推定虚報率データ35の推定虚報率と同一部品形状毎に計算された暫定虚報率データ34の暫定虚報率を比較して、統計的に差異が確認できる部品を判断する。この判断で、警報部品と判断された部品と検査データを監視結果表示部36に表示する。
【0061】
なお、推定虚報率と暫定虚報率の比較は、後述の統計学(不適合品率に関する検定と推定)を利用して行うことができる。
【0062】
(6):異常検査データの監視フローの説明
図10は異常検査データ監視フローである。以下、図10のフローの処理S21〜26に従って説明する。
【0063】
S21:自動外観検査機1による不良判定個所に対する検査結果を自動外観検査結果11として検査結果データ2に登録し、処理S22に移る。
【0064】
S22:暫定虚報率算出部31では、検査の対象が監視条件入力部37から入力された監視区間内のものかどうかを確認する。この確認で監視区間外の場合はこの処理を終了し、監視区間内の場合は処理S23に移る。
【0065】
S23:暫定虚報率算出部31では、自動外観検査結果11と推定不良率(図6参照)により、監視区間内の不良数、虚報数の推定を行い、推定不良数、推定虚報数、暫定虚報数(率)を監視データ部21に格納し、処理S24に移る。
【0066】
S24:警報部品判断部33では、推定虚報率、暫定虚報数、推定虚報数等により、監視区間の虚報率差異検定を行い、検定結果を検査結果データ2等の格納手段に格納し、処理S25に移る。
【0067】
S25:警報部品判断部33では、虚報率差異検定で差異が無い場合はこの処理を終了し、差異が有る場合は処理S26に移る。
【0068】
S26:監視結果表示部36で、異常検査データを表示し、この処理を終了する。
【0069】
なお、監視条件入力部37からは、監視区間(<推定区間)、不良数推定のための信頼係数、虚報率差異検定のための有意水準等が入力される。
【0070】
(7):差異検定結果の説明
例として、監視区間2時間とし、虚報率差異検定のための有意水準を1%とすると、次のようにして差異検定を行うことができる。
【0071】
推定不良数=監視試験数×推定不良率
推定虚報数=監視試験数×推定虚報率
暫定虚報数=監視不良数−推定不良数
差異検定(1%有意水準時)
(暫定虚報数−推定虚報数)÷〔推定虚報数×(1−推定虚報率)〕1/2 > 2.33 の場合差異ありと判断する。
【0072】
図11は差異検定結果の説明図である。図11において、差異検定結果を表で示したものである。この表には、部品種、試験項目、監視試験数、監視不良数、推定不良数、推定虚報数、暫定虚報数、差異検定が設けてある。この差異検定では、自動外観検査機1の部品種「No.1」の実装検査は「NG」であるが、はんだ検査では「OK」であることを示している。この差異検定で「NG」の場合は、自動外観検査機1の検査データの修正が行われる。
【0073】
なお、上記の例では、暫定虚報数を算出して自動外観検査機1の監視を行う説明をしたが、監視データ処理部20に暫定不良数(率)算出部を備え、暫定不良数(=監視不良数−推定虚報数)を算出し、この暫定不良数と推定不良数を比較して差異検定を行い自動外観検査機1の監視を行うこともできる。
【0074】
(8):統計学の「不適合品率に関する検定と推定」の利用の説明
不適合品率に関する検定と推定とは、従来の母不適合品率に対する現状の母不適合品率に違いがあるかどうかを判断する為の検定と推定である。下記はその例を示すものである。
【0075】
[目視検査から算出される推定不良率/推定虚報率]・・・推定不良率推定虚報率算出部32で算出する。
【0076】
推定不良率(従来の母不良率)=推定サンプル中の不良数÷推定サンプル数(過去2ヶ月※推定(監視)条件)
推定虚報率(従来の母虚報率)=推定サンプル中の虚報数÷推定サンプル数(過去 2ヶ月※推定(監視)条件)
[外観検査から算出される暫定虚報率]・・・暫定虚報率算出部31で算出する。
【0077】
推定不良数=暫定サンプル数×推定不良率(過去2日※監視条件)
推定虚報数=暫定サンプル数×推定虚報率(過去2日※監視条件)
暫定虚報率(現状の母虚報率)=(暫定サンプル中の不良数−推定不良数)÷暫定サンプル数
【0078】
[暫定虚報率に関する検定と推定]
仮定H0 :現状の虚報率は従来の虚報率と変わらない
H1 :現状の虚報率は従来の虚報率より高い(片側検定)
有意水準5%(※監視条件)にて検定
U0 =(暫定虚報数−暫定サンプル数×推定虚報率)÷〔暫定サンプル数×推定虚報率×(1−推定虚報率)〕1/2
|U0 |>U0.95(=1.64 )の場合、H0 が棄却される。つまり、現状の虚報率は従来の虚報率と比べ、異常(バラツキを考慮した上での)な虚報数となっていると判断される。
【0079】
以上説明したように、従来、問題のある検査データを、虚報数を確認しながら経験的に判断する必要があったが、この経験が不要となった。また、自動外観検査機の外観検査中に不適切な検査データが検出されるため、目視検査前に、検査データの修正を行うことが可能となった。そのため、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化できる。更に、目視検査から結果フィードバックを受けての再調整をする必要がなくなり、迅速に検査データの再調整ができるようになった。
【0080】
(9):プログラムインストールの説明
監視データ処理部20、監視情報入出力部22、暫定虚報率算出部(暫定虚報率算出手段)31、推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)32、警報部品判断部(警報部品判断手段)33、監視結果表示部(出力手段)36、監視条件入力部(入力手段)37等はプログラムで構成でき、主制御部(CPU)が実行するものであり、主記憶に格納されているものである。このプログラムは、コンピュータで処理されるものである。このコンピュータは、主制御部、主記憶、ファイル装置、表示装置等の出力装置、入力装置などのハードウェアで構成されている。
【0081】
このコンピュータに、本発明のプログラムをインストールする。このインストールは、フロッピィ、光磁気ディスク等の可搬型の記録(記憶)媒体に、これらのプログラムを記憶させておき、コンピュータが備えている記録媒体に対して、アクセスするためのドライブ装置を介して、或いは、LAN等のネットワークを介して、コンピュータに設けられたファイル装置にインストールされる。
【0082】
これにより、虚報数が最適化され、目視検査の検査数を最小化でき、また、目視検査結果からフィードバックを受けての再調整をする必要がなく、迅速に検査データの再調整ができる外観検査機の監視装置を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の外観検査機の監視装置の構成要素の説明図である。
【図2】本発明の一般的な外観検査の構成の説明図である。
【図3】本発明の外観検査工程フローである。
【図4】本発明の外観/目視検査結果の説明図である。
【図5】本発明の推定不良率と推定虚報率を算出する構成の説明図である。
【図6】本発明の推定不良率と推定虚報率の算出フローである。
【図7】本発明の推定不良率/推定虚報率結果の説明図である。
【図8】本発明の暫定虚報率を算出する構成の説明図である。
【図9】本発明の不適正な部品を警告する構成の説明図である。
【図10】本発明の異常検査データ監視フローである。
【図11】本発明の差異検定結果の説明図である。
【図12】従来の検査データの調整の説明図である。
【図13】従来の検査データ調整の説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 自動外観検査機
2 検査結果データ
3 目視検査
4 データ監視装置
11 自動外観検査結果
12 目視検査結果
20 監視データ処理部
21 監視データ部
22 監視情報入出力部
31 暫定虚報率算出部(虚報率算出手段)
32 推定不良率推定虚報率算出部(推定虚報率算出手段)
33 警報部品判断部(警報部品判断手段)
34 暫定虚報率データ
35 推定不良率推定虚報率データ
36 監視結果表示部
37 監視条件入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動外観検査機が良品を不良品と判断する割合である虚報率を算出する虚報率算出手段と、
不適切な検査部品を警告する警報部品判断手段とを備え、
前記虚報率算出手段で、ある監視期間の虚報率を算出し、前記警報部品判断手段で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告することを特徴とした外観検査機の監視装置。
【請求項2】
一定期間の外観検査機による検査結果と目視検査とから前記推定虚報率を算出する推定虚報率算出手段を備えることを特徴とした請求項1記載の外観検査機の監視装置。
【請求項3】
前記推定虚報率及び前記監視期間の虚報率は、同一部品形状ごとに算出されたものであることを特徴とした請求項1又は2記載の外観検査機の監視装置。
【請求項4】
前記警報部品判断手段で、前記算出した監視期間の虚報率と前記予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の外観検査機の監視装置。
【請求項5】
自動外観検査機が良品を不良品と判断する割合である虚報率を、ある監視期間算出する虚報率算出手段と、
前記虚報率算出手段で算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告する警報部品判断手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
自動外観検査機が良品を不良品と判断する割合である虚報率を算出する虚報率算出手段と、
不適切な検査部品を警告する警報部品判断手段とを備え、
前記虚報率算出手段で、ある監視期間の虚報率を算出し、前記警報部品判断手段で前記算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告することを特徴とした外観検査機の監視装置。
【請求項2】
一定期間の外観検査機による検査結果と目視検査とから前記推定虚報率を算出する推定虚報率算出手段を備えることを特徴とした請求項1記載の外観検査機の監視装置。
【請求項3】
前記推定虚報率及び前記監視期間の虚報率は、同一部品形状ごとに算出されたものであることを特徴とした請求項1又は2記載の外観検査機の監視装置。
【請求項4】
前記警報部品判断手段で、前記算出した監視期間の虚報率と前記予め定められた推定虚報率とを統計学の不適合品率に関する検定を利用して、不適切な検査データを警告することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の外観検査機の監視装置。
【請求項5】
自動外観検査機が良品を不良品と判断する割合である虚報率を、ある監視期間算出する虚報率算出手段と、
前記虚報率算出手段で算出したある監視期間の虚報率が予め定められた推定虚報率より大きい場合、不適切な検査データであると警告する警報部品判断手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−337132(P2006−337132A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−161060(P2005−161060)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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