説明

外観検査装置

【課題】分解性及び組立性に優れた外観検査装置を提供する。
【解決手段】被検査物Kを一列に整列して供給する整列供給装置と、供給された被検査物Kを搬送する搬送装置20と、その搬送路上に設定された撮像領域内に達した被検査物Kの画像を撮像する第1撮像ユニット40と、撮像領域と第1撮像ユニットとの間の光学路をつなぐ第1光学ユニット60と、被検査物Kの画像を解析してその良否を判別する画像処理装置と、判別結果にしたがい、被検査物Kを良品と不良品とに選別する選別装置とを備える。第1撮像ユニット40と第1光学ユニット60とが、底部プレート7を挟んで対峙するようにそれぞれ底部プレート7に着脱自在に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品(錠剤,カプセル等)、食品、機械部品や電子部品等(以下、「被検査物」という)の外観を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記被検査物表面の外観を検査する装置として、例えば、特開2004−45097号公報に開示された外観検査装置が知られている。
【0003】
この外観検査装置は、錠剤を整列して供給する整列供給部と、この整列供給部から供給された錠剤の上面を吸引して搬送する第1搬送部と、第1搬送部によって搬送された錠剤を受け取り、その下面を吸引して搬送する第2搬送部と、第1搬送部によって搬送される錠剤の下面を撮像する第1カメラ及び第2搬送部によって搬送される錠剤の上面を撮像する第2カメラを有する撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像データを処理して錠剤の良否を判別する検査処理部と、検査処理部の判別結果にしたがって、錠剤を良品と不良品とに仕分ける選別仕分部とを備えている。
【0004】
更に、この外観検査装置は、撮像領域内に位置する錠剤からの反射光を前記カメラへと導く撮像光学装置を備え、また、上記特開2004−45097号公報には具体的に記載されていないが、この他に、一般的には、カメラの撮像領域を照明するための光を照射する照明装置と、この照明装置から照射された光を前記撮像領域へと導く照明光学装置とを備えている。尚、前記撮像光学装置は複数の反射部材から構成され、照明光学装置は、光を拡散させて前記撮像領域を均質に照明する拡散部材、前記照明装置から照射された光を拡散部材へ導く光ファイバ束等から構成される。
【0005】
この外観検査装置によれば、整列供給部により整列された錠剤が、第1搬送部によって搬送される間に、その下面が第1カメラによって撮像され、ついで、引き続き第2搬送部によって搬送される間に、その上面が第2カメラによって撮像され、撮像されたこれら上下両面の画像データを基に、検査処理部によってその良否が判別される。そして、検査処理部での判別結果にしたがい、選別仕分部により錠剤が良品と不良品とに仕分けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−45097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記外観検査装置では、照明装置、光ファイバ束及び拡散部材が、照明装置から照射された光を撮像領域に導くように連関性をもって配置されるとともに、カメラ及び反射部材が、被検査物(錠剤)からの反射光をカメラに導くように連関性をもって配置されており、これら照明装置、光ファイバ束、拡散部材、カメラ及び反射部材が、それぞれ適宜構造体によって個別に支持された構成となっている。
【0008】
従って、上記構成の外観検査装置に対してメンテナンス等を行う場合には、従来、前記照明装置、光ファイバ束、拡散部材、カメラ及び反射部材をそれぞれ個別に取り外さなければならず、また、これらを再組み立てする場合には、それぞれを個別に取け付けなければならず、更に、相互間の微妙な位置関係を再調整する必要があり、このため、メンテナンス作業に極めて長い時間を要していた。
【0009】
このように、上記従来の外観検査装置では、その撮像装置、撮像光学装置、照明装置及び照明光学装置の取り外し及び再組み立てにおける作業が極めて煩雑であり、装置としての分解性及び組立性に乏しく、取り外し及び組み立て作業に長時間を要するという問題があった。
【0010】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたもので、分解性及び組立性に優れた外観検査装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、
予め設定された撮像領域内に位置する被検査物の画像を撮像する撮像装置と、
前記撮像領域内を照明する照明装置と、
前記照明装置から照射された光を前記撮像領域に導く照明光学路、及び前記撮像領域内に位置する被検査物の表面により反射された光を前記撮像装置に導く撮像光学路を備えた光学装置と、
前記撮像装置によって撮像された被検査物の画像を解析してその良否を判別する画像処理装置とから構成される外観検査装置において、
前記撮像装置及び照明装置を第一支持体によって支持し、前記光学装置を第二支持体によって支持するとともに、
前記第一及び第二支持体を、前記照明装置の照明光照射部と前記光学装置の照明光学路始端、及び前記撮像装置の受光部と前記光学装置の撮像光学路終端とが、それぞれ対峙した位置関係となるように着脱自在に配設したことを特徴とする外観検査装置に係る。
【0012】
この外観検査装置によれば、照明装置の照明光照射部から照射された光が照明光学路を介して撮像領域内に導かれ、同撮像領域内に位置する被検査物がこの照明光によって照明され、かかる被検査物によって反射された光が撮像光学路を介して撮像装置の受光部へ導かれ、当該撮像装置によって被検査物の画像が撮像される。そして、撮像された画像が画像処理装置により解析されて、被検査物の良否が判別される。
【0013】
ところで、本発明に係る外観検査装置では、撮像装置及び照明装置を第一支持体によって支持するとともに、光学装置を第二支持体によって支持し、これらをそれぞれユニット化した構成を備えている。
【0014】
したがって、メンテナンス等の作業のために、これら撮像装置、照明装置及び光学装置を取り外す際には、ユニットを単位として、即ち、第一支持体に支持された状態の撮像装置及び照明装置を単位とし、第二支持体に支持された状態の光学装置を単位として、それぞれ一括して取り外すことができ、容易にこれらを取り外すことができる。
【0015】
また、作業後、これらを再組み立てする際にも、上記ユニットを単位として、照明装置の照明光照射部と光学装置の照明光学路始端、及び撮像装置の受光部と光学装置の撮像光学路終端とがそれぞれ対峙する位置関係となるように上記各ユニットを取り付けることで、容易に組み立てることができる。
【0016】
更に、ユニット単位でスペックアップを図ることができ、また、故障したユニットのみを交換することができるというメリットもある。
【0017】
また、前記撮像装置及び照明装置はカメラや光源といった電気製品を含むが、これら電気製品を一つのユニットとして集約することで、コネクタなどの接続部品を一纏めにすることができ、この面からしても組立性の向上(組立作業の短時間化)が図られる。
【0018】
尚、前記第一及び第二支持体は、相互に着脱自在に連結されていても良く、また、前記第一及び第二支持体は、連結板を介して相互に連結され、この連結板は、前記照明装置の照明光照射部と前記光学装置の照明光学路始端とを連通させる第一貫通孔、及び前記撮像装置の受光部と前記光学装置の撮像光学路終端とを連通させる第二貫通孔を備えていても良い。このようにしても、上記同様に、外観検査装置の分解性及び組立性の向上を図ることができる。
【0019】
また、前記連結板は、前記第一及び第二支持体を位置決めする位置決め手段を更に備えていることが好ましい。このようにすれば、組み立てを行う際に、各支持体の位置決めを容易且つ迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る外観検査装置によれば、従来と比較して、分解性及び組立性が向上することで、分解あるいは組立にかかる時間を短縮することができる。また、ユニット単位でのスペックアップや、故障したユニットのみを交換することができるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る外観検査装置を示した正面図である。
【図2】図1におけるA部を拡大した拡大図である。
【図3】図2における矢視B方向から見た平面図である。
【図4】図2における矢視C−C方向の断面図である。
【図5】図2における矢視D−D方向の断面図である。
【図6】本実施形態に係る外観検査装置において、第1撮像ユニットと第2光学ユニットとを取り外した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1に示すように、本例の外観検査装置1は、下部フレーム2、中間プレート4及び上部フレーム3から構成されるフレーム構造物と、このフレーム構造物内に配設された整列供給装置10、第1及び第2搬送装置20,30、第1、第2、第3及び第4撮像ユニット40,65,72,76、第1、第2、第3及び第4光学ユニット60,70,74,78、選別装置80並びに画像処理装置82等から構成される。
【0024】
前記下部フレーム2及び上部フレーム3は、それぞれ角柱状の空間を画定する枠構造体で、下部フレーム2の上面に前記中間プレート4が固定され、この中間プレート4上に上面フレーム3が固定されている。
【0025】
また、下部フレーム2の外周側面及び底面にはカバープレート(図示せず)が設けられ、同様に、上部フレーム3の外周側面及び上面にもカバープレート(図示せず)が設けられており、これらカバープレート(図示せず)によって前記空間が閉塞されている。
【0026】
前記上部フレーム3及びこれを囲繞するカバープレート(図示せず)によって形成される空間内には、上部プレート9、底部プレート7及び4つの側部プレート8から構成される支持部材6が設けられており、その上部プレート9が、前記上部フレーム3の天部を構成する部材に固設され、当該上部フレーム3から吊り下げられた状態となっている。
【0027】
斯くして、上部フレーム3及びこれを囲繞するカバープレート(図示せず)、中間プレート4によって仕切られる搬送空間5が形成され、この搬送空間5内に、前記整列供給装置10、第1搬送装置20、第2搬送装置30、第1及び第2撮像ユニット40,65、第1,第2,第3,第4光学ユニット60,70,74,78及び選別装置80が配設される。
【0028】
前記整列供給装置10、第1搬送装置20及び第2搬送装置30は被検査物Kを搬送するための構成要素であり、前記上部フレーム3内の中間プレート4上に、被検査物Kの搬送方向(矢示方向)上流側から下流側に向けて、順次、整列供給装置10、第1搬送装置20、第2搬送装置30の順に配設されている。
【0029】
整列供給装置10は、その具体的な構造について図示しないが、回転するボール11を有し、このボール11内に供給された複数の被検査物Kを一列に整列して前記第1搬送装置20に供給する。
【0030】
前記第1搬送装置20についても、その具体的な構造は図示しないが、無端環状のタイミングベルトからなり、その外周面側に長手方向に沿った環状の溝と、この溝の両側に設けられた2つの突条部とを備えた搬送ベルト21を有している。また、当該搬送ベルト21の前記溝内には、負圧が作用するように構成されており、2つの突条部に跨るように載置された被検査物Kを、吸着した状態で搬送する。尚、前記第2搬送装置30は、第1搬送装置20と全く同じ構成であるため、その説明は省略する。
【0031】
第1搬送装置20は、図1に示すように、前記中間プレート4上に固設された支持架台15によって支持されており、その搬送ベルト21によって形成される搬送路を上にして、その搬送上流端が前記整列供給装置10の排出部に接続するように、当該支持架台15上に固設されている。
【0032】
前記第2搬送装置30は、第1搬送装置20とはその天地を反転させた状態、即ち、その搬送路を下にした状態で、図2に示した支持機構16によって支持されている。この支持機構16は、同図1に示すように、中間プレート4上に立設された2本の支持ポスト17と、この支持ポスト17上に固設された支持板(図示せず)とからなり、前記第2搬送装置30は、被検査物Kが通過可能な空間をあけて、その搬送上流端が前記第1搬送装置20の搬送下流端の上方に位置するように、適宜取付具(図示せず)によって、前記支持板(図示せず)上に固設されている。
【0033】
斯くして、整列供給装置10、第1搬送装置20及び第2搬送装置30から構成される一連の搬送部によれば、まず、整列供給装置10によって被検査物Kが一列に整列されて第1搬送措置20に供給される。ついで、第1搬送装置20は、搬送ベルト21上に供給された被検査物Kを当該搬送ベルト21上に吸着した状態で搬送下流端に搬送する。そして、被検査物Kが搬送下流端に到達すると、当該被検査物Kの上面が第2搬送装置30により吸着され、当該第2搬送装置30によってその搬送下流端に搬送される。
【0034】
前記第1及び第2撮像ユニット40,65は、図1及び図2に示すように、前記第1搬送装置20の上方に設けられた支持部材6の底部プレート7の上面に、取付具(図示せず)によって着脱自在に取り付けられ、前記第3及び第4撮像ユニット72,76は、第2搬送装置30の下方に位置する前記中間プレート4の下面に取付具(図示せず)によって着脱自在に取り付けられている。
【0035】
図3に示すように、前記底部プレート7の上面には前記第1及び第2撮像ユニット40,65の水平方向の移動を制限してその取付位置を位置決めする位置決め機構35が設けられており、当該位置決め機構35は、鉤状突起36と2つの直線状突起37,37とからなる。また、前記中間プレート4の下面にも第3及び第4撮像ユニット72,76の取付位置を位置決めする同様の位置決め機構35が設けられている。尚、位置決め機構35は、このような構成に限るものではなく、各撮像ユニット40,65,72,76の取付位置を位置決めすることができるものであれば、どのような構成のものであっても良い。
【0036】
これら4つの撮像ユニット40,65,72,76は同じ構成を備えるものである。よって、第1撮像ユニット40についてのみ、その具体的な構成を説明し、第2,第3及び第4撮像ユニット65,72,76についての説明は省略する。
【0037】
図4及び図5に示すように、第1撮像ユニット40は、カメラ収納部42及び光源収納部43から構成される収納ケース41と、レンズを下方に向け、その先端部が収納ケース41の底部に嵌合するようにカメラ収納部42内に収納されたカメラ44と、下方に向かって光を照射し、先端部が収納ケース41の底部に嵌合するようにそれぞれ光源収納部43内に収納された2つの光源45,45とからなり、支持体たる収納ケース41内にカメラ44及び光源45,45を収納して支持することで、これらをユニット化し、一体的に着脱可能としたものである。
【0038】
尚、カメラ44と対向するカメラ収納部42の底部には貫通孔42aが形成され、同様に、光源45,45と対向する光源収納部43の底部には貫通孔43a,43aが形成されている。
【0039】
また、カメラ44は、被検査物Kを撮像することができるものであれば、特に限定されるものではないが、その一例として、カラーCCDラインセンサカメラを例示することができる。また、光源45も、前記第1搬送装置20の搬送路上に設定される撮像領域内を照明することができるものであれば特に限定されるものではないが、その一例として、複数のLEDを備えたものを例示することができる。
【0040】
図1及び図2に示すように、前記第1光学ユニット60は前記第1撮像ユニット40と第1搬送装置20との間に配設され、前記第2光学ユニット70は前記第2撮像ユニット65と第1搬送装置20の間に配設され、それぞれ、前記支持部材6の底部プレート7の下面に取付具(図示せず)によって着脱自在に取り付けられている。
【0041】
また、前記第3光学ユニット74は前記第3撮像ユニット72と第2搬送装置30との間に配設され、前記第4光学ユニット78は前記第4撮像ユニット76と第2搬送装置30との間に配設され、それぞれ、前記中間プレート4の上面に取付具(図示せず)によって着脱自在に取り付けられている。
【0042】
前記底部プレート7の下面及び前記中間プレート4の上面には、前記位置決め機構35が設けられており、第1及び第2光学ユニット60,70は、底部プレート7の下面に設けられた位置決め機構35によってその取付位置が位置決めされ、第3及び第4光学ユニット74,78は、中間プレート4の上面に設けられた位置決め機構35によってその取付位置が位置決めされる。
【0043】
前記第1光学ユニット60は、図4及び図5に示すように、前記底部プレート7の下面に着脱自在に取り付けられた収納ケース61と、この収納ケース61内の下端部内壁面に固設された光学路形成機構63、収納ケース61の天板下面に固設された2つのコネクタ65,65及び前記光学路形成機構63と前記各コネクタ65,65とを接続する2つの光ファイバ束64,64からなり、これら光学路形成機構63、コネクタ65,65及び光ファイバ束64,64を支持体たる収納ケース61内に収納して支持することでユニット化し、一体的に着脱可能としたものである。
【0044】
前記収納ケース61の下部は、その全面が開口するとともに、第1搬送装置20によって搬送される被検査物Kが通過可能な切欠き62が形成されており、前記光学路形成機構63は、搬送ベルト21の上方に位置するように配設されている。
【0045】
前記各コネクタ65,65は、それぞれ前記光源45,45と対向する位置に設けられ、光源格納部43に形成された貫通孔43a,43a、前記底部プレート7に設けられた貫通孔7a,7a、収納ケース61の天板部に形成された貫通孔61a,61aを通して、前記光源45,45から照射された光を受光する。
【0046】
これにより、前記光源45,45から照射された光は、光源格納部43に形成された貫通孔43a,43a、底部プレート7に設けられた貫通孔7a,7a及び収納ケース61の天板部に形成された貫通孔61a,61aを通して、それぞれ前記コネクタ65,65に入光した後、前記光ファイバ束64,64を通して前記光学路形成機構63に導かれる。
【0047】
また、図5に示すように、前記底部プレート7には、前記カメラ44と対向する位置に、貫通孔7bが設けられるとともに、収納ケース61の天板の前記貫通孔7bと対向する部分には、貫通孔61bが形成されており、カメラ格納部42に形成された貫通孔42a、並びに前記貫通孔7b及び貫通孔61bを通して、収納ケース61内の光がカメラ44に受光されるようになっている。
【0048】
前記光学路形成機構63は、前記光ファイバ束64,64を通して導かれた光を前記搬送ベルト21の搬送路上に設定された撮像領域に導き、当該撮像領域内に位置する被検査物Kを照明する光学路と、当該被検査物Kの表面により反射された光を前記貫通孔61b、貫通孔7b及び貫通孔42aを通して前記カメラ44に導く、適宜ミラー等の光学路形成部材によって形成された撮像光学路とを備える。尚、前記コネクタ65,65、光ファイバ束64,64及び光学路形成機構63内の照明用の光学路が照明光学路を形成する。
【0049】
斯くして、前記第1撮像ユニット40及び第1光学ユニット60によれば、前記光源45,45から照射された光が貫通孔43a,43a、貫通孔7a,7a、コネクタ65,65及び光ファイバ束64,64を通して前記光学路形成機構63に導かれて、その照明光によって搬送ベルト21上の撮像領域内に位置する被検査物Kが照明され、その反射光が光学路形成機構63、貫通孔61b、貫通孔7b及び貫通孔42aを通してカメラ44に受光され、当該カメラ44によって当該被検査物Kの画像が撮像される。
【0050】
前記第2、第3及び第4光学ユニット70,74,78は、光学路形成機構63の撮像光学路が異なる点を除き、その他の構成は前記第1光学ユニット60と同じ構成を備え、ユニット化されている。前記第1光学ユニット60の撮像光学路は、被検査物Kの上面及び搬送方向前部側面の画像を前記第1撮像ユニット40に導き、前記第2光学ユニット70の撮像光学路は、被検査物Kの後部側面の画像を前記第2撮像ユニット65に導き、前記第3光学ユニット74の撮像光学路は、被検査物Kの下面及び後部側面の画像を前記第3撮像ユニット72に導き、前記第4光学ユニット78の撮像光学路は、被検査物Kの前部側面の画像を前記第4撮像ユニット76に導くように構成されている。
【0051】
斯くして、前記第1撮像ユニット40は被検査物Kの上面及び前部側面の画像を撮像し、前記第2撮像ユニット65は被検査物Kの後部側面の画像を撮像し、前記第3撮像ユニット72は被検査物Kの下面及び後部側面の画像を撮像し、前記第4撮像ユニット76は被検査物Kの前部側面の画像を撮像する。
【0052】
前記画像処理装置82は、前記第1、第2、第3及び第4撮像ユニット40,65,72,76によって撮像された画像を受信し、受信した画像を解析して、その良否を判定する。
【0053】
また、前記選別装置80は、前記画像処理装置82によって判別された判別結果にしたがい、前記第2搬送装置30によって搬送される前記被検査物Kを、良品と不良品とに選別する。
【0054】
以上の構成を備えた本例の外観検査装置1によれば、まず、複数の被検査物Kが整列供給装置10のボール11内に投入される。投入された被検査物Kは、この整列供給装置10によって一列に整列されて順次排出され、前記第1搬送装置20の搬送ベルト21上に供給される。
【0055】
搬送ベルト21上に供給された被検査物Kは、その下面が当該搬送ベルト21上に吸着され、当該搬送ベルト21の移動によってその移動方向に搬送され、第1搬送装置20の搬送終端に至ると、被検査物Kは第2搬送装置30によってその上面が吸着されて、当該第2搬送装置30に受け渡され、ついで、当該第2搬送装置30によってその搬送終端に搬送される。
【0056】
そして、第1搬送装置20によって搬送される間に、第1撮像ユニット40によって被検査物Kの上面及び前部側面の画像が撮像されるとともに、第2撮像ユニット65によって被検査物Kの後部側面の画像が撮像され、ついで、第2搬送装置30によって搬送される間に、第3撮像ユニット72によって被検査物Kの下面及び後部側面の画像が撮像されるとともに、第4撮像ユニット76によって被検査物Kの前部側面の画像が撮像される。
【0057】
このようにして、撮像された各画像は画像処理装置82に送信され、この画像処理装置82によって、撮像された被検査物Kの良否が判別される。
【0058】
そして、判別された被検査物Kが前記選別装置80に至ると、当該選別装置80により、前記画像処理装置82の判別結果にしたがって、当該被検査物Kが良品と不良品とに選別される。
【0059】
ところで、本例の外観検査装置1は、収納ケース41内にカメラ44及び光源45,45を収納してユニット化(各撮像ユニット40,65,72,76)し、光学路形成機構63、コネクタ65,65及び光ファイバ束64,64を収納ケース61内に収納してユニット化(各光学ユニット60、70,74,78)した構成を備えている。
【0060】
このため、例えば、メンテナンス等を行う場合には、図6に示すように、メンテナンスが必要なユニット(図6においては、第1撮像ユニット40と第2光学ユニット70)単位で、一括して取り外すことができ、同様に、メンテナンス後にこれらを再組み立てする際にも、ユニット単位で取り付けることができる。これにより、従来と比較して、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
【0061】
また、組み立てる際には、ユニット間の位置関係を調整して取り付けるだけでよく、この調節も、各ユニットの取付位置を決める位置決め機構35によって、容易且つ迅速に行うことができため、組み立てに要する時間を大幅に短縮できる。
【0062】
加えて、ユニット単位でスペックアップを図ることができ、また、予め予備のユニットを準備しておけば、被検査物Kを検査中に特定のユニットに不具合が生じた場合、一旦検査を中断させて、その不具合が生じたユニットのみを予備のユニットに取り換えることで、検査をすぐに再開させることができ、不具合の調整から生じる検査の遅延を防止することもできる。
【0063】
更に、電気製品であるカメラ44及び光源45,45を撮像ユニットとしてユニット化したことにより、コネクタなどの接続部品を一纏めにできるため、取り外し及び取り付け作業時の煩わしさを解消でき、これらの作業に要する時間を短縮できる。
【0064】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0065】
1 外観検査装置
2 下部フレーム
3 上部フレーム
4 中間プレート
6 支持部材
7 底部プレート
7a 貫通孔
10 整列供給装置
20 第1搬送装置
30 第2搬送装置
35 位置決め機構
40 第1撮像ユニット
44 カメラ
45 光源
60 第1光学ユニット
65 第2撮像ユニット
70 第2光学ユニット
72 第3撮像ユニット
74 第3光学ユニット
76 第4撮像ユニット
78 第4光学ユニット
80 選別装置
82 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された撮像領域内に位置する被検査物の画像を撮像する撮像装置と、
前記撮像領域内を照明する照明装置と、
前記照明装置から照射された光を前記撮像領域に導く照明光学路、及び前記撮像領域内に位置する被検査物の表面により反射された光を前記撮像装置に導く撮像光学路を備えた光学装置と、
前記撮像装置によって撮像された被検査物の画像を解析してその良否を判別する画像処理装置とから構成される外観検査装置において、
前記撮像装置及び照明装置を第一支持体によって支持し、前記光学装置を第二支持体によって支持するとともに、
前記第一及び第二支持体を、前記照明装置の照明光照射部と前記光学装置の照明光学路始端、及び前記撮像装置の受光部と前記光学装置の撮像光学路終端とが、それぞれ対峙した位置関係となるように着脱自在に配設したことを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記第一及び第二支持体を、相互に着脱自在に連結したことを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記第一及び第二支持体は、連結板を介して相互に連結され、
前記連結板は、前記照明装置の照明光照射部と前記光学装置の照明光学路始端とを連通させる第一貫通孔、及び前記撮像装置の受光部と前記光学装置の撮像光学路終端とを連通させる第二貫通孔を備えていることを特徴とする請求項2記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記連結板は、前記第一及び第二支持体を位置決めする位置決め手段を更に備えていることを特徴とする請求項3記載の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−141237(P2012−141237A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−366(P2011−366)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(305021292)第一実業ビスウィル株式会社 (23)
【Fターム(参考)】