説明

外部記憶システムおよびプログラム

【課題】情報処理装置の廃棄時または故障時に外部記憶装置および外部記憶装置の情報を再利用するとともに、外部記憶装置が記憶する情報の利用範囲を特定の情報処理装置に制限する。
【解決手段】外部記憶システムは、任意の情報を記憶可能な外部記憶装置1と、固有情報8を有し、外部記憶装置1が記憶する情報を処理する情報処理装置2と、固有情報8を元に作成したKey情報6を外部記憶装置1に格納するとともに、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されているとき、またはKey情報6が固有情報8と一致したとき、外部記憶装置1が記憶する情報を情報処理装置2で処理するよう制御するCPU10と、を備え、CPU10は、情報処理装置2の廃棄または故障によって固有情報8が変更されるとき、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化し、かつ、情報処理装置2の動作を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記憶システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部記憶装置を他の情報処理装置へ付け替えて、外部記憶装置の情報を使用することを禁止するため、または外部記憶装置の情報を他の外部記憶装置に不正に複製し、他の情報処理装置と接続して使用することを防止するために、情報処理装置内の製品番号等の固有情報をKeyにした情報を外部記憶装置に書き込んでおき、外部記憶装置に格納された情報を利用するときには、そのKey情報が、情報処理装置の固有情報と一致するときのみ利用可能とする制御を行っていた。
【0003】
このように、外部記憶装置に格納された情報の著作権を保護するための技術としては、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1では、重複することのない情報処理機器の固有情報を暗号化することで、複製された情報の使用範囲をその複製を実行した情報処理機器に制限することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−209584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景を鑑み、本発明は、情報処理手段の廃棄時または故障時に外部記憶手段および外部記憶手段の情報を再利用するとともに、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、任意の情報を記憶可能な外部記憶手段と、固有情報を有し、前記外部記憶手段が記憶する情報を処理する情報処理手段と、前記固有情報を元に作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納するとともに、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、または前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理するよう制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報を初期化し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする外部記憶システムである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、変更後の固有情報を入力して作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されてなく、かつ、前記鍵情報が前記固有情報と一致しないとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理しないよう制御することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、前記固有情報を元に作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記情報処理手段の固有情報を初期化することで、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記情報処理手段の固有情報を暗号化することで、前記鍵情報を作成することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記情報処理手段は、前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段からの情報の読み出し、および前記外部記憶手段への情報の書き込みのみが行えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、情報処理手段の固有情報を元に作成した鍵情報を外部記憶手段に格納するステップと、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、または前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理するよう制御するステップと、前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報を初期化し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、情報処理手段の廃棄時または故障時に外部記憶手段または外部記憶手段の情報を再利用することができるとともに、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、情報処理手段の廃棄時または故障時に外部記憶手段または外部記憶手段の情報を再利用することができるとともに、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、情報処理手段の廃棄時または故障時に外部記憶手段または外部記憶手段の情報を再利用することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、本件発明を適用する場合と比べて、情報処理手段の動作を容易に禁止することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、鍵情報の改ざんや鍵情報に基づく固有情報の解読が困難となり、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、外部記憶手段の情報の複製や、外部記憶手段の情報の送信等が防止され、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、情報処理手段の廃棄時または故障時に外部記憶手段または外部記憶手段の情報を再利用することができるとともに、外部記憶手段の情報の利用範囲を特定の情報処理手段に制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】外部記憶システムの構成を示すブロック図である。
【図2】外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】情報処理装置の廃棄時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】情報処理装置の故障時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】情報処理装置の廃棄時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、外部記憶システムおよびプログラムの一例について、図面を参照して説明する。
【0024】
1.第1の実施形態
(外部記憶システムの構成)
以下、外部記憶システムの構成について説明する。図1は、外部記憶システムの構成を示すブロック図である。外部記憶システムは、外部記憶装置1、情報処理装置2を備えている。
【0025】
外部記憶装置1は、任意の情報を記憶可能な外部記憶手段である。外部記憶装置1は、不揮発性の半導体記憶手段、磁気記憶手段、または光学式記憶手段であり、例えば、フラッシュメモリやUSBメモリ(Universal Serial Bus Memory)、外付けHDD(Hard Disk Drive)、外付けCD−R/RWドライブ(Compact Disc Recordable/ReWritable Drive)、外付けDVD−R/RAM/RWドライブ(Digital Versatile Disk Recordable/Random Access Memory/ReWritable Drive)等を挙げることができる。
【0026】
外部記憶装置1は、接続部4、外部記憶領域5、Key保存部7、制御部16を備えている。接続部4は、情報処理装置2と接続する手段であり、例えば、USB、eSATA(External Serial Advanced Technology Attachment)等のインターフェースである。
【0027】
外部記憶領域5は、任意の情報を記憶する不揮発性の記憶領域であり、Key保存部7は、Key情報6を保存する不揮発性の記憶領域である。外部記憶領域5とKey保存部7は、1つの記憶手段で構成してもよい。Key情報6は、外部記憶領域5に記憶された情報を情報処理装置2で利用するための鍵情報であり、情報処理装置2が有する固有情報8を元に作成される。制御部16は、外部記憶領域5とKey保存部7から情報の読み出し、および書き込みを制御する手段であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が用いられる。
【0028】
情報処理装置2は、固有情報8を有し、外部記憶装置1が記憶する情報を処理する手段であり、例えば、PC(Personal Computer)、携帯情報端末、および複写機能・画像読取機能・印刷機能・画像送受信機能などを備える画像形成手段である。情報処理装置2は、コントローラボード15を備えており、コントローラボード15は、接続部3、固有情報保存部9、CPU(Central Processing Unit)10、記憶部11、操作パネル12、接続部13を備えている。
【0029】
接続部3は、外部記憶装置1と接続する手段であり、例えば、USB、eSATA等のインターフェースである。固有情報保存部9は、固有情報8を保存する不揮発性の記憶手段であり、例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、HDDを挙げることができる。固有情報8は、情報処理装置2を識別可能な固有の識別情報であり、例えば、製品シリアル番号、MACアドレス(Media Access Control address)、IPアドレス(Internet Protocol address)、コンピュータ名、ユーザー名、およびこれらの組み合わせを用いることができる。
【0030】
CPU10は、情報処理装置2を制御する手段であり、例えば、汎用のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラである。CPU10は、内部のROMに外部記憶システムを制御するプログラムを格納する。記憶部11は、CPU10で処理する情報を一時的に記憶する揮発性の記憶手段であり、例えば、RAM(Random Access Memory)が用いられる。操作パネル12は、情報処理装置2を操作するための手段であり、例えば、タッチパネル、または液晶ディスプレイおよびハードウェアキーによる構成を挙げることができる。接続部13は、他の情報処理装置14と接続する手段であり、例えば、Ethernet(登録商標)、USB、IrDA(Infrared Data Association)、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)等のインターフェースを用いることができる。
【0031】
(外部記憶システムの作用)
以下、外部記憶システムの作用について説明する。外部記憶装置1を情報処理装置2に接続し、情報処理装置2の電源を投入した場合、CPU10は、外部記憶装置1の少なくともKey情報6が初期化されているとき、情報処理装置2の固有情報8を元にKey情報6を作成し、Key情報6を外部記憶装置1のKey保存部7に格納する。なお、CPU10は、固有情報8を可逆変換(暗号化)することで、Key情報6を作成する。
【0032】
固有情報8の暗号化には、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)などの共通鍵暗号方式、またはRSA(R.L.Rivest、A.Shamir、L.Adleman)などの公開鍵暗号方式、または独自に開発した暗号方式を用いる。
【0033】
また、Key情報6を格納した外部記憶装置1を情報処理装置2に接続し、情報処理装置2の電源を投入した場合、外部記憶装置1に格納したKey情報6が情報処理装置2の固有情報8と一致したとき、CPU10は、外部記憶装置1が記憶する情報を情報処理装置2で処理するよう制御する。すなわち、情報処理装置2は、外部記憶装置1の情報を利用することができる。このとき、情報処理装置2は、外部記憶装置1からの情報の読み出し、および外部記憶装置1への情報の書き込みのみを行うことができ、読み出した情報の複製や送信等はできない。
【0034】
一方、外部記憶装置1に格納したKey情報6が情報処理装置2の固有情報8と一致せず、かつ、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されていないときには、CPU10は、外部記憶装置1が記憶する情報を情報処理装置2で処理しないよう制御する。すなわち、情報処理装置2は、外部記憶装置1の情報を利用することができない。
【0035】
また、外部記憶装置1に格納したKey情報6が情報処理装置2の固有情報8と一致しないが、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されているときには、情報処理装置2の固有情報8を元にKey情報6を作成し、Key情報6を外部記憶装置1のKey保存部7に格納するとともに、CPU10は、外部記憶装置1が記憶する情報を情報処理装置2で処理するよう制御する。
【0036】
なお、CPU10は、外部記憶装置1に格納したKey情報6を逆変換(復号)することで、固有情報8と一致するか否かを判断する。
【0037】
情報処理装置2を廃棄し、新しい情報処理装置2に置き換える(リプレイスする)ときには、情報処理装置2の固有情報8が変更されるため、Key情報6の逆変換結果が、固有情報8と一致しなくなる。このため、新しい情報処理装置2で外部記憶装置1の情報を利用することができない。
【0038】
この場合、廃棄する情報処理装置2の操作パネル12で廃棄メニューを選択し、さらに外部記憶装置1を初期化するメニューを選択する。これにより、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化し、かつ、廃棄する情報処理装置2の以降の動作を禁止する。初期化によって、Key情報6は、予め定めた情報(9999など)に変更される、または削除される(0000など)。なお、外部記憶装置1全体を初期化した場合には、外部記憶装置1の再利用は可能であるが、外部記憶装置1の情報を再利用することはできない。
【0039】
なお、CPU10は、情報処理装置2の固有情報8を初期化することで、廃棄する情報処理装置2の以降の動作を禁止する。初期化によって、固有情報8は、予め定めた情報(9999など)に変更される、または削除される(0000など)。また、情報処理装置2の動作を禁止するためのフラグを記憶部11に格納することで、廃棄する情報処理装置2の以降の動作を禁止してもよい。
【0040】
新しい情報処理装置2に外部記憶装置1を接続した後、新しい情報処理装置2の電源を投入すると、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されているため、新しい情報処理装置2の固有情報8を可逆変換(暗号化)してKey情報6を作成し、外部記憶装置1のKey保存部7に格納する。そして、CPU10は、外部記憶装置1が記憶する情報を新しい情報処理装置2で処理するよう制御する。すなわち、外部記憶装置1の情報を、新しい情報処理装置2で再利用することができる。なお、外部記憶装置1全体が初期化されている場合には、外部記憶装置1を再利用することができる。
【0041】
また、情報処理装置2が故障し、コントローラボード15を交換するときには、情報処理装置2の固有情報8が変更されるため、Key情報6の逆変換結果が、固有情報8と一致しなくなる。このため、コントローラボード15交換後の情報処理装置2で外部記憶装置1の情報を利用することができない。
【0042】
この場合、コントローラボード15交換前の情報処理装置2の操作パネル12で故障診断メニューを選択し、さらに外部記憶装置1を初期化するメニューを選択する。これにより、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化し、かつ、交換するコントローラボード15の以降の動作を禁止する。なお、外部記憶装置1全体を初期化した場合には、外部記憶装置1の再利用は可能であるが、外部記憶装置1の情報を再利用することはできない。
【0043】
なお、CPU10は、交換するコントローラボード15の固有情報8を初期化することで、交換するコントローラボード15の以降の動作を禁止する。また、交換するコントローラボード15の動作を禁止するためのフラグを記憶部11に格納することで、交換するコントローラボード15の以降の動作を禁止してもよい。
【0044】
コントローラボード15交換後の情報処理装置2に外部記憶装置1を接続した後、コントローラボード15交換後の情報処理装置2の電源を投入すると、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されているため、新しいコントローラボード15の固有情報8を可逆変換(暗号化)してKey情報6を作成し、外部記憶装置1のKey保存部7に格納する。そして、CPU10は、外部記憶装置1が記憶する情報をコントローラボード15交換後の情報処理装置2で処理するよう制御する。すなわち、外部記憶装置1の情報を、コントローラボード15交換後の情報処理装置2で利用することができる。なお、外部記憶装置1全体が初期化されている場合には、外部記憶装置1を再利用することができる。
【0045】
なお、CPU10は、外部記憶装置1のKey情報6の初期化を、情報処理装置2の動作を禁止する前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また、上述した外部記憶システムの制御手段は、CPU10でなく、制御部16でもよい。すなわち、外部記憶装置1側で制御してもよいし、情報処理装置2側で制御してもよい。また、外部記憶装置1と情報処理装置2が協調して制御してもよい。
【0046】
(外部記憶システムの動作)
以下、外部記憶システムの動作について説明する。図2は、外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することが可能である。
【0047】
情報処理装置2の電源をONにすると(ステップS10)、CPU10は、外部記憶装置1の装着を認識する(ステップS11)。装着を認識したら、CPU10は、Key保存部7からKey情報6を読み出し(ステップS12)、Key情報6を逆変換(復号)して(ステップS13)、逆変換結果が固有情報8と一致するか否かを判断する(ステップS14)。
【0048】
Key情報6の逆変換結果が固有情報8と一致する場合には(ステップS14のYes)、CPU10は、外部記憶装置1内のデータ(外部記憶領域5に記憶した情報)を情報処理装置2で処理するよう制御する(利用する)(ステップS19)。Key情報6の逆変換結果が固有情報8と一致しない場合には(ステップS14のNo)、CPU10は、Key情報6が初期化されているか否かを判断する(ステップS15)。
【0049】
少なくともKey情報6が初期化されている場合には(ステップS15のYes)、CPU10は、固有情報8を元にKey情報6を作成し(ステップS17)、外部記憶装置1のKey保存部7にKey情報6を書き込む(ステップS18)。そして、CPU10は、外部記憶装置1内のデータを情報処理装置2で処理するよう制御する(利用する)(ステップS19)。Key情報6が初期化されていない場合には(ステップS15のNo)、CPU10は、外部記憶装置1内のデータを情報処理装置2で処理しないよう制御する(利用不可)(ステップS16)。
【0050】
次に、情報処理装置2を廃棄し、新しい情報処理装置2に置き換えるときの外部記憶システムの動作について説明する。図3は、情報処理装置の廃棄時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することが可能である。
【0051】
まず、廃棄する情報処理装置2の操作パネル12から廃棄メニューが選択されると(ステップS20)、CPU10は、外部記憶装置1のKey情報6を初期化するメニューを操作パネル12に表示する。次に、外部記憶装置1のKey情報6を初期化するメニューが選択されると(ステップS21)、CPU10は、廃棄する情報処理装置2の固有情報8を初期化することで、外部記憶装置1のKey情報6を初期化する以外の情報処理装置2の動作を禁止し(ステップS22)、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化する(ステップS23)。なお、廃棄する情報処理装置2の動作を禁止する前に、外部記憶装置1のKey情報6を初期化してもよい。
【0052】
そして、新しい情報処理装置2に外部記憶装置1を接続し、図2のフローに従い、新しい情報処理装置2の固有情報8を元にKey情報6を作成し、外部記憶装置1内のデータが再利用可能となる(ステップS24)。なお、外部記憶装置1全体が初期化されている場合には、外部記憶装置1が再利用可能となる。
【0053】
次に、情報処理装置2が故障し、コントローラボード15を交換するときの外部記憶システムの動作について説明する。図4は、情報処理装置の故障時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することが可能である。
【0054】
まず、故障した情報処理装置2の操作パネル12から故障診断メニューが選択されると(ステップS30)、CPU10は、外部記憶装置1のKey情報6を初期化するメニューを操作パネル12に表示する。次に、外部記憶装置1のKey情報6を初期化するメニューが選択されると(ステップS31)、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化し(ステップS32)、かつ、故障した情報処理装置2の固有情報8を初期化することで、交換するコントローラボード15の動作を禁止する(ステップS33)。なお、交換するコントローラボード15の動作を禁止した後に、外部記憶装置1のKey情報6を初期化してもよい。
【0055】
そして、故障した情報処理装置2の電源をOFFした後、コントローラボード15を交換し、情報処理装置2の固有情報8が変更される(ステップS34)。コントローラボード15交換後の情報処理装置2に外部記憶装置1を接続し、図2のフローに従い、コントローラボード15交換後の情報処理装置2の固有情報8を元にKey情報6を作成し、外部記憶装置1内のデータが再利用可能となる(ステップS35)。なお、外部記憶装置1全体が初期化されている場合には、外部記憶装置1が再利用可能となる。
【0056】
(第1の実施形態の優位性)
第1の実施形態によれば、CPU10は、情報処理装置2の廃棄または故障によって固有情報8が変更されるとき、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6を初期化するため、情報処理装置2の廃棄時または故障時に外部記憶装置1または外部記憶装置1の情報を再利用することができる。また、情報処理装置2の動作を禁止するため、外部記憶装置1の情報の利用範囲を新たな情報処理装置2に制限することができる。
【0057】
また、CPU10は、外部記憶装置1のKey鍵情報6が初期化されてなく、かつ、Key情報6が固有情報8と一致しないとき、外部記憶装置1が記憶する情報を情報処理装置2で処理しないよう制御するため、外部記憶装置1の情報の利用範囲を特定の情報処理装置2に制限することができる。
【0058】
また、CPU10は、少なくとも外部記憶装置1のKey情報6が初期化されているとき、固有情報8を元に作成したKey情報6を外部記憶装置1に格納するため、外部記憶装置1または外部記憶装置1の情報を再利用することができる。
【0059】
また、CPU10は、情報処理装置2の固有情報8を初期化することで、情報処理装置2の動作を禁止するため、その他の手段で情報処理装置2の動作を禁止する場合と比べ、情報処理装置2の動作を容易に禁止することができる。
【0060】
また、CPU10は、情報処理装置2の固有情報8を暗号化することで、Key情報6を作成するため、Key情報6の改ざんやKey情報6に基づく固有情報8の解読が困難となり、外部記憶装置1の情報の利用範囲を特定の情報処理装置2に制限することができる。
【0061】
また、情報処理装置2は、Key情報6が固有情報8と一致したとき、外部記憶装置1からの情報の読み出し、および外部記憶装置1への情報の書き込みのみが行えるため、外部記憶装置1の情報の複製や、外部記憶装置1の情報の送信等が防止され、外部記憶装置1の情報の利用範囲を特定の情報処理装置2に制限することができる。
【0062】
2.第2の実施形態
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態では、情報処理装置2の廃棄または故障によって固有情報8が変更されるとき、変更後の固有情報8を入力して作成したKey情報6を外部記憶装置1に格納し、かつ、情報処理装置2の動作を禁止する。なお、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0063】
(外部記憶システムの動作)
図5は、情報処理装置の廃棄時における外部記憶システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートを実行するプログラムは、CDROM等の記憶媒体に格納して提供することが可能である。
【0064】
まず、廃棄する情報処理装置2の操作パネル12から廃棄メニューが選択されると(ステップS40)、CPU10は、新しい情報処理装置2の固有情報8を入力する画面を操作パネル12に表示する。次に、新しい情報処理装置2の固有情報8が入力されると(ステップS41)、CPU10は、入力された固有情報8を元にKey情報6を作成して(暗号化)(ステップS42)、Key保存部7にKey情報6を書き込む(ステップS43)。また、廃棄する情報処理装置2の固有情報8を初期化することで、情報処理装置2の動作を禁止する(ステップS44)。なお、廃棄する情報処理装置2の動作を禁止した後に、新しい情報処理装置2の固有情報8を入力してKey情報6を作成してもよい。
【0065】
そして、新しい情報処理装置2に外部記憶装置1を接続し、図2のフローに従い、外部記憶装置1内のデータが再利用可能となる(ステップS45)。
【0066】
(第2の実施形態の優位性)
第2の実施形態によれば、操作パネル12から変更後の固有情報8を入力して作成したKey情報6を外部記憶装置1に格納するため、情報処理装置2の廃棄時または故障時に外部記憶装置1および外部記憶装置1の情報を再利用することができるとともに、外部記憶装置1の情報の利用範囲を特定の情報処理装置2に制限することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、外部記憶装置および情報処理装置で構成される外部記憶システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…外部記憶装置、2…情報処理装置、3,4…接続部、5…外部記憶領域、6…Key情報、7…Key保存部、8…固有情報、9…固有情報保存部、10…CPU(制御手段)、11…記憶部、12…操作パネル、13…接続部、14…他の情報処理装置、15…コントローラボード、16…制御部(制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の情報を記憶可能な外部記憶手段と、
固有情報を有し、前記外部記憶手段が記憶する情報を処理する情報処理手段と、
前記固有情報を元に作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納するとともに、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、または前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理するよう制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報を初期化し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする外部記憶システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、変更後の固有情報を入力して作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されてなく、かつ、前記鍵情報が前記固有情報と一致しないとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理しないよう制御することを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、前記固有情報を元に作成した鍵情報を前記外部記憶手段に格納することを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記情報処理手段の固有情報を初期化することで、前記情報処理手段の動作を禁止することを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記情報処理手段の固有情報を暗号化することで、前記鍵情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項7】
前記情報処理手段は、
前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段からの情報の読み出し、および前記外部記憶手段への情報の書き込みのみが行えることを特徴とする請求項1に記載の外部記憶システム。
【請求項8】
情報処理手段の固有情報を元に作成した鍵情報を外部記憶手段に格納するステップと、
少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報が初期化されているとき、または前記鍵情報が前記固有情報と一致したとき、前記外部記憶手段が記憶する情報を前記情報処理手段で処理するよう制御するステップと、
前記情報処理手段の固有情報が変更されるとき、少なくとも前記外部記憶手段の鍵情報を初期化し、かつ、前記情報処理手段の動作を禁止するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−81739(P2011−81739A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235568(P2009−235568)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】